電子カメラ
【構成】フラグは、ロックボタン28lkの長押しに応答して“0”および“1”の間で変更される。CPU26は、撮像モードの下でシャッタボタン28shが全押しされたとき、イメージャ16によって捉えられた被写界を表す画像データをフラグの状態に関係なく記録媒体48に記録する。CPU26はまた、再生モードが起動されたとき或いは再生モードの下で送りボタン28fwが操作されたとき、記録媒体48に記録された画像データをフラグの状態に関係なく再生する。再生処理に関連して削除ボタン28dlが操作されると、CPU26は、フラグが“1”を示すか否かを判別し、削除ボタン28dlの操作の無効をYESの判別結果に対応して報知する一方、再生された画像データをNOの判別結果に対応して記録媒体48から削除する。
【効果】画像の記録/再生に関する操作性が向上する。
【効果】画像の記録/再生に関する操作性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特にキー操作に従う処理を実行する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、キャンセル電極部は、指で触れられることにより制御命令を入力する静電容量式タッチスイッチに相当するキー電極の近傍に設けられる。キー電極からの入力は、キャンセル電極部の静電容量の変化が第1所定時間以上継続して所定量以上となったときに無効とされる。キー電極からの入力はまた、キャンセル電極部の静電容量の変化が継続する時間が第1所定時間未満であるか或いはキャンセル電極部の静電容量の変化量が所定量未満で、かつキー電極の静電容量の変化が第1所定時間よりも長い第2所定時間以上継続して所定量以上となったときに有効とされる。これによって、意図しないキー操作が無効とされ、使い勝手の向上が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−266133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術は、画像の記録/再生を想定しておらず、画像の記録/再生に関する操作の有効/無効が操作態様に応じて制御されることもない。したがって、背景技術のままでは、画像の記録/再生に関する操作性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像の記録/再生に関する操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録手段(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生手段(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する第1報知手段(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき再生手段によって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除手段(S137, S143, S147~S153)を備える。
【0007】
好ましくは、削除手段は、削除操作に応答して確認操作要求を発生する発生手段(S147)、および発生手段によって発生された確認操作要求に対する確認操作に応答して画像を削除する画像削除手段(S153)を含む。
【0008】
好ましくは、操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を再生手段の処理と並列して繰り返し発生する第2報知手段(S57~S61)がさらに備えられる。
【0009】
さらに好ましくは、削除操作を受け付けるための削除ボタン(28dl)、および削除ボタンの近傍に設けられた発光手段(30dl)がさらに備えられ、第2報知手段は判別結果を参照して発光手段の駆動態様を制御する。
【0010】
好ましくは、第1報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する。
【0011】
好ましくは、操作制限設定が有効な状態で撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき設定変更操作の無効を報知する第3報知手段(S103~S105, S109~S113, S117~S121, S125)、および操作制限設定が無効な状態で撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき撮像手段の設定を変更する変更手段(S103~S107, S111~S115, S119~S123)がさらに備えられる。
【0012】
さらに好ましくは、操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を撮像手段の処理と並列して繰り返し発生する第4報知手段(S47~S51)がさらに備えられる。
【0013】
より好ましくは、撮像設定メニューを表示する表示手段(42)がさらに備えられ、第4報知手段は判別結果を参照して表示手段の表示態様を制御する。
【0014】
さらに好ましくは、第3報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する。
【0015】
この発明に従う記録/再生制御プログラムは、電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する報知ステップ(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップ(S137, S143, S147~S153)を実行させるための、記録/再生制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリ(52)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する報知ステップ(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップ(S137, S143, S147~S153)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0017】
この発明に従う電子カメラ(10)は、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(54)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(52)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する報知ステップ(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップ(S137, S143, S147~S153)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0018】
操作制限設定が有効であれば、記録処理および再生処理は許容される一方、削除処理は制限される。これによって、基本的なカメラ操作を可能としつつ記録画像が誤って削除される事態を回避することができる。また、操作制限設定が有効な状態で削除操作が行われると、削除操作の無効が報知される。これによって、操作制限設定が有効であることを確認することができる。こうして、画像の記録/再生に関する操作性の向上が図られる。
【0019】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例のCPUによって参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図5】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図6】モニタ画面に表示されたアイコンメニューの一例を示す図解図である。
【図7】(A)は非ロック状態で表示されるアイコンメニューの一例を示す図解図であり、(B)はロック状態で表示されるアイコンメニューの一例を示す図解図である。
【図8】撮像モードで出力される報知の一例を示す図解図である。
【図9】再生モードで出力される報知の一例を示す図解図である。
【図10】再生モードで出力されるメニュー画像の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図20】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0022】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。記録手段1は、撮像手段5から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体6に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する。再生手段2は、記録媒体6に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する。第1報知手段3は、操作制限設定が有効な状態で再生手段2の処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する。削除手段4は、操作制限設定が無効な状態で再生手段2の処理に関連して削除操作が行われたとき再生手段2によって再生された画像を記録媒体6から削除する。
【0023】
操作制限設定が有効であれば、記録処理および再生処理は許容される一方、削除処理は制限される。これによって、基本的なカメラ操作を可能としつつ記録画像が誤って削除される事態を回避することができる。また、操作制限設定が有効な状態で削除操作が行われると、削除操作の無効が報知される。これによって、操作制限設定が有効であることを確認することができる。こうして、画像の記録/再生に関する操作性の向上が図られる。
[実施例]
【0024】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0025】
電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクおよび撮像設定変更タスクを起動する一方、再生モードに対応して再生タスクを起動する。CPU26はまた、動作モードに関係なく、ロック制御タスクを共通的に起動する。
【0026】
図3を参照して、レジスタRGSTには、現時点のフラグ設定および撮像設定が不揮発態様で登録される。フラグ設定はフラグFLG_lockの状態を定義するための設定であり、“0”および“1”のいずれか一方を示す。撮像設定は、撮像モードにおける動作を定義するための設定であり、詳しくは解像度設定,AE設定,AF設定およびストロボ設定を項目として有する。
【0027】
解像度設定は“高解像度”,“中解像度”および“低解像度”のいずれか1つを示し、AE設定は“絞り優先AE”,“露光時間優先AE”および“プログラムAE”のいずれか1つを示す。また、AF設定は“マルチAF”,“スポットAF”および“中央重点AF”のいずれか1つを示し、ストロボ設定は“オートストロボ”,“強制発光”および“発光禁止”のいずれか1つを示す。
【0028】
図2に戻って、キー入力装置28には、モード変更ボタン28mdの他に、シャッタボタン28sh,ロックボタン28lk,送りボタン28fwおよび削除ボタン28dlが設けられる。また、LED装置30には、LED30md,30sh,30lk,30fwおよび30dlが設けられる。LED30mdはモード変更ボタン28mdの裏側に配置され、LED30shはシャッタボタン28shの裏側に配置される。また、LED30lkはロックボタン28lkの裏側に配置され、LED30fwは送りボタン28fwの裏側に配置され、LED30dlは削除ボタン28dlの裏側に配置される。
【0029】
レジスタRGSTに登録されたフラグ設定の値は、電源投入に応答して起動したロック制御タスクの下でフラグFLG_lockに設定される。また、フラグ設定およびフラグFLG_lockの状態は、ロックボタン28lkが長押しされる毎に、ロック制御タスクの下で変更される。ロック制御タスクの下ではまた、LED30md,30sh,30lk,30fwおよび30dlの点灯態様が、現時点の動作モードおよび/またはフラグFLG_lockの状態を参照して次のように調整される。
【0030】
現時点の動作モードが撮像モードであれば、LED30md,30shおよび30lkが点灯され、LED30fwおよび30dlが消灯される。操作者は、モード変更ボタン28md,シャッタボタン28shおよびロックボタン28lkの操作が許可されており、送りボタン28fwおよび削除ボタン30dlの操作が制限されていることを、LED30md,30sh,30lk,30fwおよび30dlの点灯/消灯を通して認識する。
【0031】
現時点の動作モードが再生モードであれば、LED30md,30fwおよび30lkが点灯され、LED30shが消灯される。また、LED30dlは、フラグFLG_lockが“0”のときに点灯され、フラグFLG_lockが“1”のとき消灯される。
【0032】
操作者は、モード変更ボタン28md,送りボタン28fwおよびロックボタン28lkの操作が許可されており、シャッタボタン28shの操作が制限されていることを、LED30md,30fw,30lkおよび30shの点灯/消灯を通して認識する。操作者はまた、削除ボタン28dlの操作が許可されていることをLED30dlの点灯を通して認識し、削除ボタン28dlの操作が制限されていることをLED30dlの消灯を通して認識する。
【0033】
撮像モードが選択されると、CPU26は、撮像タスクの下で動画取り込み処理を実行するべく、撮像面を露光する露光動作の繰り返しとレジスタRGSTに登録された解像度設定に従う電荷読み出し動作の繰り返しとをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく所望の解像度の生画像データが周期的に出力される。
【0034】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路32を通してSDRAM34の生画像エリア34a(図4参照)に書き込まれる。
【0035】
後処理回路36は、生画像エリア34aに格納された生画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路32によってSDRAM34のYUV画像エリア34b(図4参照)に書き込まれる。
【0036】
LCDドライバ38は、YUV画像エリア34bに格納された画像データをメモリ制御回路32を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ40を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0037】
図5を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0038】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0039】
撮像タスクと並列するロック制御タスクの下では、レジスタRGSTに登録された撮像設定を示すメニューアイコンを表示するための命令がキャラクタキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は、レジスタRGSTに登録された撮像設定を表すメニューアイコンデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたメニューアイコンデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メッセージは、図6に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0040】
ただし、メニューアイコンの表示態様は、フラグFLG_lockの状態を参照して次のように調整される。つまり、メニューアイコンは、フラグFLG_lockが“0”を示すとき通常態様で表示され(図7(A)参照)、フラグFLG_lockが“1”を示すとき設定変更が制限されたメニュー項目に網掛が施された態様で表示される(図7(B)参照)。この実施例では、解像度設定,AE設定およびAF設定の変更がFLG_lock=1に対応して制限される。したがって、解像度設定,AE設定およびAF設定を示す3つのメニュー項目に網掛が施される。
【0041】
解像度アイコン,AEアイコン,AFアイコンまたはストロボアイコンに対するタッチは、タッチセンサ44によって検知される。ストロボアイコンへのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定およびメニューアイコン上のストロボ設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。この変更処理は、フラグFLG_lockの状態に関係なく実行される。ストロボ設定は、ストロボアイコンがタッチされる毎に“オートストロボ”→“強制発光”→“発光禁止”の順で循環的に変更される。
【0042】
また、フラグFLG_lockが“0”を示す状態で解像度アイコンのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録された解像度設定およびメニューアイコン上の解像度設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。解像度設定は、解像度アイコンがタッチされる毎に“高解像度”→“中解像度”→“低解像度”の順で循環的に変更される。
【0043】
さらに、フラグFLG_lockが“0”を示す状態でAEアイコンのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録されたAE設定およびメニューアイコン上のAE設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。AE設定は、AEアイコンがタッチされる毎に“絞り優先AE”→“露光時間優先AE”→“プログラムAE”の順で循環的に変更される。
【0044】
また、フラグFLG_lockが“0”を示す状態でAFアイコンのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録されたAF設定およびメニューアイコン上のAE設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。AF設定は、AFアイコンがタッチされる毎に“マルチAF”→“スポットAF”→“中央重点AF”の順で循環的に変更される。
【0045】
フラグFLG_lockが“1”を示す状態で解像度アイコン,AEアイコンまたはAFアイコンのタッチが検知されると、タッチ操作が無効であることを報知する報知命令が撮像設定変更タスクの下でキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は“設定を変更できません”のメッセージを表すキャラクタデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたキャラクタデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メッセージは、図8に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0046】
キー入力装置28に設けられたシャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、AE評価回路22から出力された256個のAE評価値に基づく簡易AE処理をレジスタRGSTに登録されたAE設定に従う態様で実行する。簡易AE処理は撮像タスクの下で実行され、これによって算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0047】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価値を参照した厳格AE処理をレジスタRGSTに登録されたAE設定に従う態様で実行する。厳格AE処理もまた撮像タスクの下で実行され、これによって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間もまたドライバ18bおよび18cに設定される。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整される。
【0048】
なお、最大露光量に設定しても露光不足が生じるときは、厳格AE処理においてストロボ駆動要求が発行される。
【0049】
CPU26はその後、AF評価回路24から出力された256個のAF評価値に基づくAF処理をレジスタRGSTに登録されたAF設定に従う態様で実行する。AF処理もまた撮像タスクの下で実行され、フォーカスレンズ12はドライバ18aによって合焦点に配置される。この結果、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0050】
シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、ストロボ発光装置50の駆動が必要であるか否かを、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定および/またはストロボ駆動要求の有無を参照して判別する。判別結果は、ストロボ設定が“強制発光”のときにYESとなり、さらにストロボ設定が“オートストロボ”の状態でストロボ駆動要求が発行されたときにもYESとなる。判別結果はまた、ストロボ設定が“発光禁止”のときにNOとなり、さらにストロボ設定が“オートストロボ”の状態でストロボ駆動要求が非発行のときにもNOとなる。ストロボ発光装置50は、判別結果がYESのときに駆動され、判別結果がNOのときに休止される。
【0051】
CPU26はその後、撮像タスクの下で静止画取り込み処理を実行する。この結果、ストロボ発光装置50が駆動されたときは、ストロボ光が照射された時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34c(図4参照)に退避される。また、ストロボ発光装置50が駆動されなかったときは、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34cに退避される。
【0052】
CPU26は続いて、撮像タスクの下で記録処理を実行するべく、対応する命令をメモリI/F46に与える。メモリI/F46は、静止画像エリア34cに退避された1フレームの画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体48に記録する。
【0053】
再生モードの選択によって再生タスクが起動されると、CPU32は、記録媒体48に格納された最新の画像ファイルを指定し、指定された画像ファイルに注目した再生処理の実行をメモリI/F46およびLCDドライバ38に命令する。メモリI/F46は、指定された画像ファイルの画像データを記録媒体48から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路32を通してSDRAM34の静止画像エリア34cに書き込む。
【0054】
LCDドライバ38は、静止画像エリア34cに格納された画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ40を駆動する。この結果、指定画像ファイルの画像データに基づく再生画像がLCDモニタ40に表示される。キー入力装置28の送りボタン28fwが操作されると、CPU26は、次の画像ファイルを指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0055】
フラグFLG_lockが“1”を示す状態で削除ボタン28dlが操作されると、削除ボタン28dlの操作が無効であることを報知する報知命令がキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は“画像を削除できません”のメッセージを表すキャラクタデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたキャラクタデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メッセージは、図9に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0056】
フラグFLG_lockが“0”を示す状態で削除ボタン28dlが操作されると、メニュー表示命令がキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は“削除しますか?”の問い合せと“削除”および“キャンセル”のメニュー項目とを表すキャラクタデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたキャラクタデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メニュー画像は、図10に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0057】
“キャンセル”のメニュー項目へのタッチが検知されると、メニュー画像の表示が中断される。“削除”のメニュー項目へのタッチが検知されると、削除命令がメモリI/F46に向けて発行される。現時点で指定されている画像ファイルは、メモリI/F46によって記録媒体48から削除される。CPU26は、次の画像ファイルを指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0058】
CPU26は、図11に示すメインタスク,図12〜図14に示すロック制御タスク,図15に示す撮像タスク,図16〜図17に示す撮像設定変更タスク,および図18〜図19に示す再生タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ52に記憶される。
【0059】
図11を参照して、ステップS1ではロック制御タスクを起動する。ステップS3では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別し、ステップS5では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。ステップS3の判別結果がYESであれば、ステップS7で撮像タスクを起動し、ステップS9で撮像設定変更タスクを起動する。ステップS5の判別結果がYESであれば、ステップS11で再生タスクを起動する。ステップS3の判別結果およびステップS5の判別結果のいずれもがNOであれば、ステップS13でその他の処理を実行する。
【0060】
ステップS9,S11またはS13の処理が完了すると、モード変更ボタン28mdが操作されたか否かをステップS15で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ロック制御タスクを除く起動中のタスクをステップS17で停止し、その後にステップS3に戻る。
【0061】
図12を参照して、ステップS21ではレジスタRGSTを参照してフラグFLG_lockを“0”および“1”のいずれか一方に設定する。ステップS23では、LED/メニュー制御処理を実行する。この結果、LED装置30の発光態様およびメニューアイコンの表示態様が、現時点の動作モードおよび/またはフラグFLG_lockの状態を参照して制御される。
【0062】
ステップS25ではロックボタン28lkが長押しされたか否かを判別し、ステップS27ではモード変更ボタン28mdが操作されたか否かを判別する。ステップS25の判別結果がYESであればステップS29でレジスタRGST上のフラグFLG_lockの設定を変更してからステップS31に進み、ステップS27の判別結果がYESであればそのままステップS31に進む。ステップS31ではステップS23と同様の処理を実行し、その後にステップS25に戻る。
【0063】
ステップS23またはS31のLED/メニュー制御処理は、図13〜図14に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS41では現時点の動作モードが撮像モードおよび再生モードのいずれであるかを判別し、撮像モードに対応してステップS43に進む一方、再生モードに対応してステップS53に進む。
【0064】
ステップS43ではLED30md,30shおよび30lkを点灯し、ステップS45ではLED30fwおよび30dlを消灯する。ステップS47ではフラグFLG_lockの状態を判別し、FLG_lock=0に対応してステップS49に進む一方、FLG_lock=1に対応してステップS51に進む。ステップS49では、撮像設定の変更を受け付けるためのメニューアイコンを通常態様で表示する。ステップS51では、メニューアイコンの一部に網掛が施された態様で表示する。ステップS49またはS51の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0065】
ステップS53ではLED30md,30fwおよび30lkを点灯し、ステップS55ではLED30shを消灯する。ステップS57ではフラグFLG_lockの状態を判別し、FLG_lock=0に対応してステップS59に進む一方、FLG_lock=1に対応してステップS61に進む。ステップS59ではLED30dlを点灯し、ステップS61ではLED30dlを消灯する。ステップS59またはS61の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0066】
図15を参照して、ステップS71では動画取込み処理を実行する。イメージャ16からは、レジスタRGSTに登録された解像度設定に従う解像度を有する生画像データが出力される。LCDモニタ40には、このような生画像データに基づくスルー画像が表示される。ステップS73ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、レジスタRGSTに登録されたAE設定に従う簡易AE処理をステップS75で繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0067】
ステップS73の判別結果がNOからYESに更新されると、レジスタRGSTに登録されたAE設定に従う厳格AE処理をステップS77で実行し、レジスタRGSTに登録されたAF設定に従うAF処理をステップS79で実行する。スルー画像の明るさは厳格AE処理によって厳格に調整され、スルー画像の鮮鋭度はAF処理によって向上する。
【0068】
なお、最大露光量に設定しても露光不足が生じるときは、厳格AE処理においてストロボ駆動要求が発行される。
【0069】
ステップS81ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS83ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS83の判別結果がYESであればそのままステップS73に戻り、ステップS81の判別結果がYESであればステップS85に進む。
【0070】
ステップS85では、ストロボ発光装置50の駆動が必要であるか否かを、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定および/またはストロボ駆動要求の有無を参照して判別する。判別結果がYESであればステップS87でストロボ発光装置50を駆動してからステップS89に進み、判別結果がNOであればそのままステップS89に進む。
【0071】
ステップS89では、静止画取り込み処理を実行する。この結果、ストロボ発光装置50が駆動されたときは、ストロボ光が照射された時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34cに退避される。また、ストロボ発光装置50が駆動されなかったときは、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34cに退避される。
【0072】
ステップS91では、記録処理を実行するべく、対応する命令をメモリI/F46に与える。メモリI/F46は、静止画像エリア34cに退避された1フレームの画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体48に記録する。記録処理が完了すると、ステップS73に戻る。
【0073】
図16〜図17を参照して、ステップS101ではレジスタRGSTの記述を参照して撮像設定を行う。ステップS103では解像度アイコンがタッチされたか否かを判別し、ステップS111ではAEアイコンがタッチされたか否かを判別し、ステップS119ではAFアイコンがタッチされたか否かを判別し、そしてステップS127ではストロボアイコンがタッチされたか否かを判別する。これらの判別処理はいずれも、タッチセンサ44の出力に基づいて実行される。
【0074】
ステップS103の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS105で判別する。FLG_lock=0であれば、レジスタRGSTに登録された解像度設定およびメニューアイコン上の解像度設定の記述をステップS107で変更する。解像度設定は、解像度アイコンがタッチされる毎に“高解像度”→“中解像度”→“低解像度”の順で循環的に変更される。FLG_lock=1であればステップS109に進み、タッチ操作が無効であることを報知する報知命令をキャラクタジェネレータ42に与える。この結果、“設定を変更できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。
【0075】
ステップS111の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS113で判別する。FLG_lock=0であれば、レジスタRGSTに登録されたAE設定およびメニューアイコン上のAE設定の記述をステップS115で変更する。AE設定は、AEアイコンがタッチされる毎に“絞り優先AE”→“露光時間優先AE”→“プログラムAE”の順で循環的に変更される。FLG_lock=1であればステップS117に進み、上述したステップS109と同様の処理を実行する。この結果、“設定を変更できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。
【0076】
ステップS119の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS121で判別する。FLG_lock=0であれば、レジスタRGSTに登録されたAF設定およびメニューアイコン上のAF設定の記述をステップS121で変更する。AF設定は、AFアイコンがタッチされる毎に“マルチAF”→“スポットAF”→“中央重点AF”の順で循環的に変更される。FLG_lock=1であればステップS125に進み、上述したステップS109と同様の処理を実行する。この結果、“設定を変更できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。
【0077】
ステップS127の判別結果がYESであれば、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定およびメニューアイコン上のストロボ設定の記述をステップS129で変更する。ストロボ設定は、ストロボアイコンがタッチされる毎に“オートストロボ”→“強制発光”→“発光禁止”の順で循環的に変更される。
【0078】
図18〜図19を参照して、ステップS131では最新の画像ファイルを指定し、ステップS133では指定画像ファイルに注目した再生処理をメモリI/F46およびLCDドライバ38に命令する。この結果、再生画像がLCDモニタ40に表示される。ステップS135では送りボタン28fwが操作されたか否かを判別し、ステップS137では削除ボタン28dlが操作されたか否かを判別する。
【0079】
ステップS135の判別結果がYESであれば、ステップS139で次の画像ファイルを指定し、ステップS141で上述のステップS133と同様の再生処理を実行する。この結果、別の再生画像がLCDモニタ40に表示される。ステップS137の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS143で判別する。
【0080】
FLG_lock=1であればステップS145に進み、削除ボタン28dlの操作が無効であることを報知する報知命令をキャラクタジェネレータ42に与える。この結果、“画像を削除できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。報知処理が完了すると、ステップS135に戻る。
【0081】
ステップS143の判別結果がNOであれば、メニュー表示命令をキャラクタジェネレータ42に与える。この結果、“削除しますか?”の問い合せと“削除”および“キャンセル”のメニュー項目とによって形成されたメニュー画像がLCDモニタ40に表示される。ステップS149では“削除”のメニュー項目がタッチされたか否かを判別し、ステップS151では“キャンセル”のメニュー項目がタッチされたか否かを判別する。この判別処理も、タッチセンサ44の出力に基づいて実行される。
【0082】
ステップS151の判別結果がYESであればそのままステップS135に戻り、ステップS149の判別結果がYESであればステップS153〜S157の処理を経てステップS135に戻る。ステップS153では、削除命令をメモリI/F46に向けて発行する。現時点で指定されている画像ファイルは、メモリI/F46によって記録媒体48から削除される。ステップS155〜S157では、上述したステップS139〜S141と同様の処理を実行する。
【0083】
以上の説明から分かるように、フラグFLG_lockは、ロックボタン28lkの長押しに応答して“0”および“1”の間で変更される。CPU26は、撮像モードの下でシャッタボタン28shが全押しされたとき、イメージャ16によって捉えられた被写界を表す画像データをフラグFLG_lockの状態に関係なく記録媒体48に記録する(S81, S89~S91)。CPU26はまた、再生モードが起動されたとき或いは再生モードの下での送りボタン28fwが操作されたとき、記録媒体48に記録された画像データをフラグFLG_lockの状態に関係なく再生する(S131~S135, S139~S141)。再生処理に関連して削除ボタン28dlが操作されると、CPU26は、フラグFLG_lockが“1”を示すか否かを判別し(S137, S143)、削除ボタン28dlの操作の無効をYESの判別結果に対応して報知する一方(S145)、再生された画像データをNOの判別結果に対応して記録媒体48から削除する(S147~S153)。
【0084】
フラグFLG_lockが“1”に設定されれば、画像データの記録および再生は許容される一方、画像データの削除は制限される。これによって、基本的なカメラ操作を可能としつつ記録画像データが誤って削除される事態を回避することができる。また、フラグFLG_lockが“1”に設定された状態で削除ボタン28dlが操作されると、削除ボタン28dlの操作の無効が報知される。これによって、フラグFLG_lockが“1”に設定されていること(=操作制限設定が有効であること)を確認することができる。
【0085】
この結果、特にカメラ操作に詳しくない子供のカメラ操作に対する興味を満たしつつ、画像データが誤って削除される事態を回避することができ、画像の記録/再生に関する操作性の向上が図られる。
【0086】
なお、この実施例では、再生モードにおいて許可/制限される機能として削除機能を想定しているが、記録画像データを編集する機能を追加し、この編集機能をフラグFLG_lockの状態に応じて許可/制限するようにしてもよい。また、この実施例では、機能が一時的に制限されていることをLCDモニタ40を通して報知するようにしているが(図8または図9参照)、音や振動によって機能の一時的な制限を報知するようにしてもよい。つまり、報知は、画像,音および振動の少なくとも1つによって行うようにしてもよい。
【0087】
さらに、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に予め記憶される。しかし、図20に示すように通信I/F54をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ42に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0088】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
28lk …ロックボタン
30 …LED装置
44 …タッチセンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特にキー操作に従う処理を実行する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、キャンセル電極部は、指で触れられることにより制御命令を入力する静電容量式タッチスイッチに相当するキー電極の近傍に設けられる。キー電極からの入力は、キャンセル電極部の静電容量の変化が第1所定時間以上継続して所定量以上となったときに無効とされる。キー電極からの入力はまた、キャンセル電極部の静電容量の変化が継続する時間が第1所定時間未満であるか或いはキャンセル電極部の静電容量の変化量が所定量未満で、かつキー電極の静電容量の変化が第1所定時間よりも長い第2所定時間以上継続して所定量以上となったときに有効とされる。これによって、意図しないキー操作が無効とされ、使い勝手の向上が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−266133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術は、画像の記録/再生を想定しておらず、画像の記録/再生に関する操作の有効/無効が操作態様に応じて制御されることもない。したがって、背景技術のままでは、画像の記録/再生に関する操作性に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像の記録/再生に関する操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録手段(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生手段(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する第1報知手段(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき再生手段によって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除手段(S137, S143, S147~S153)を備える。
【0007】
好ましくは、削除手段は、削除操作に応答して確認操作要求を発生する発生手段(S147)、および発生手段によって発生された確認操作要求に対する確認操作に応答して画像を削除する画像削除手段(S153)を含む。
【0008】
好ましくは、操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を再生手段の処理と並列して繰り返し発生する第2報知手段(S57~S61)がさらに備えられる。
【0009】
さらに好ましくは、削除操作を受け付けるための削除ボタン(28dl)、および削除ボタンの近傍に設けられた発光手段(30dl)がさらに備えられ、第2報知手段は判別結果を参照して発光手段の駆動態様を制御する。
【0010】
好ましくは、第1報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する。
【0011】
好ましくは、操作制限設定が有効な状態で撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき設定変更操作の無効を報知する第3報知手段(S103~S105, S109~S113, S117~S121, S125)、および操作制限設定が無効な状態で撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき撮像手段の設定を変更する変更手段(S103~S107, S111~S115, S119~S123)がさらに備えられる。
【0012】
さらに好ましくは、操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を撮像手段の処理と並列して繰り返し発生する第4報知手段(S47~S51)がさらに備えられる。
【0013】
より好ましくは、撮像設定メニューを表示する表示手段(42)がさらに備えられ、第4報知手段は判別結果を参照して表示手段の表示態様を制御する。
【0014】
さらに好ましくは、第3報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する。
【0015】
この発明に従う記録/再生制御プログラムは、電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する報知ステップ(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップ(S137, S143, S147~S153)を実行させるための、記録/再生制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリ(52)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する報知ステップ(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップ(S137, S143, S147~S153)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0017】
この発明に従う電子カメラ(10)は、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(54)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(52)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体(48)に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ(S81, S89~S91)、記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ(S131~S135, S139~S141)、操作制限設定が有効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する報知ステップ(S137, S143~S145)、および操作制限設定が無効な状態で再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップ(S137, S143, S147~S153)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0018】
操作制限設定が有効であれば、記録処理および再生処理は許容される一方、削除処理は制限される。これによって、基本的なカメラ操作を可能としつつ記録画像が誤って削除される事態を回避することができる。また、操作制限設定が有効な状態で削除操作が行われると、削除操作の無効が報知される。これによって、操作制限設定が有効であることを確認することができる。こうして、画像の記録/再生に関する操作性の向上が図られる。
【0019】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例のCPUによって参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図5】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図6】モニタ画面に表示されたアイコンメニューの一例を示す図解図である。
【図7】(A)は非ロック状態で表示されるアイコンメニューの一例を示す図解図であり、(B)はロック状態で表示されるアイコンメニューの一例を示す図解図である。
【図8】撮像モードで出力される報知の一例を示す図解図である。
【図9】再生モードで出力される報知の一例を示す図解図である。
【図10】再生モードで出力されるメニュー画像の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図20】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0022】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。記録手段1は、撮像手段5から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体6に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する。再生手段2は、記録媒体6に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する。第1報知手段3は、操作制限設定が有効な状態で再生手段2の処理に関連して削除操作が行われたとき削除操作の無効を報知する。削除手段4は、操作制限設定が無効な状態で再生手段2の処理に関連して削除操作が行われたとき再生手段2によって再生された画像を記録媒体6から削除する。
【0023】
操作制限設定が有効であれば、記録処理および再生処理は許容される一方、削除処理は制限される。これによって、基本的なカメラ操作を可能としつつ記録画像が誤って削除される事態を回避することができる。また、操作制限設定が有効な状態で削除操作が行われると、削除操作の無効が報知される。これによって、操作制限設定が有効であることを確認することができる。こうして、画像の記録/再生に関する操作性の向上が図られる。
[実施例]
【0024】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0025】
電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクおよび撮像設定変更タスクを起動する一方、再生モードに対応して再生タスクを起動する。CPU26はまた、動作モードに関係なく、ロック制御タスクを共通的に起動する。
【0026】
図3を参照して、レジスタRGSTには、現時点のフラグ設定および撮像設定が不揮発態様で登録される。フラグ設定はフラグFLG_lockの状態を定義するための設定であり、“0”および“1”のいずれか一方を示す。撮像設定は、撮像モードにおける動作を定義するための設定であり、詳しくは解像度設定,AE設定,AF設定およびストロボ設定を項目として有する。
【0027】
解像度設定は“高解像度”,“中解像度”および“低解像度”のいずれか1つを示し、AE設定は“絞り優先AE”,“露光時間優先AE”および“プログラムAE”のいずれか1つを示す。また、AF設定は“マルチAF”,“スポットAF”および“中央重点AF”のいずれか1つを示し、ストロボ設定は“オートストロボ”,“強制発光”および“発光禁止”のいずれか1つを示す。
【0028】
図2に戻って、キー入力装置28には、モード変更ボタン28mdの他に、シャッタボタン28sh,ロックボタン28lk,送りボタン28fwおよび削除ボタン28dlが設けられる。また、LED装置30には、LED30md,30sh,30lk,30fwおよび30dlが設けられる。LED30mdはモード変更ボタン28mdの裏側に配置され、LED30shはシャッタボタン28shの裏側に配置される。また、LED30lkはロックボタン28lkの裏側に配置され、LED30fwは送りボタン28fwの裏側に配置され、LED30dlは削除ボタン28dlの裏側に配置される。
【0029】
レジスタRGSTに登録されたフラグ設定の値は、電源投入に応答して起動したロック制御タスクの下でフラグFLG_lockに設定される。また、フラグ設定およびフラグFLG_lockの状態は、ロックボタン28lkが長押しされる毎に、ロック制御タスクの下で変更される。ロック制御タスクの下ではまた、LED30md,30sh,30lk,30fwおよび30dlの点灯態様が、現時点の動作モードおよび/またはフラグFLG_lockの状態を参照して次のように調整される。
【0030】
現時点の動作モードが撮像モードであれば、LED30md,30shおよび30lkが点灯され、LED30fwおよび30dlが消灯される。操作者は、モード変更ボタン28md,シャッタボタン28shおよびロックボタン28lkの操作が許可されており、送りボタン28fwおよび削除ボタン30dlの操作が制限されていることを、LED30md,30sh,30lk,30fwおよび30dlの点灯/消灯を通して認識する。
【0031】
現時点の動作モードが再生モードであれば、LED30md,30fwおよび30lkが点灯され、LED30shが消灯される。また、LED30dlは、フラグFLG_lockが“0”のときに点灯され、フラグFLG_lockが“1”のとき消灯される。
【0032】
操作者は、モード変更ボタン28md,送りボタン28fwおよびロックボタン28lkの操作が許可されており、シャッタボタン28shの操作が制限されていることを、LED30md,30fw,30lkおよび30shの点灯/消灯を通して認識する。操作者はまた、削除ボタン28dlの操作が許可されていることをLED30dlの点灯を通して認識し、削除ボタン28dlの操作が制限されていることをLED30dlの消灯を通して認識する。
【0033】
撮像モードが選択されると、CPU26は、撮像タスクの下で動画取り込み処理を実行するべく、撮像面を露光する露光動作の繰り返しとレジスタRGSTに登録された解像度設定に従う電荷読み出し動作の繰り返しとをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく所望の解像度の生画像データが周期的に出力される。
【0034】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路32を通してSDRAM34の生画像エリア34a(図4参照)に書き込まれる。
【0035】
後処理回路36は、生画像エリア34aに格納された生画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。これによって生成されたYUV形式の画像データは、メモリ制御回路32によってSDRAM34のYUV画像エリア34b(図4参照)に書き込まれる。
【0036】
LCDドライバ38は、YUV画像エリア34bに格納された画像データをメモリ制御回路32を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ40を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0037】
図5を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0038】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0039】
撮像タスクと並列するロック制御タスクの下では、レジスタRGSTに登録された撮像設定を示すメニューアイコンを表示するための命令がキャラクタキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は、レジスタRGSTに登録された撮像設定を表すメニューアイコンデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたメニューアイコンデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メッセージは、図6に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0040】
ただし、メニューアイコンの表示態様は、フラグFLG_lockの状態を参照して次のように調整される。つまり、メニューアイコンは、フラグFLG_lockが“0”を示すとき通常態様で表示され(図7(A)参照)、フラグFLG_lockが“1”を示すとき設定変更が制限されたメニュー項目に網掛が施された態様で表示される(図7(B)参照)。この実施例では、解像度設定,AE設定およびAF設定の変更がFLG_lock=1に対応して制限される。したがって、解像度設定,AE設定およびAF設定を示す3つのメニュー項目に網掛が施される。
【0041】
解像度アイコン,AEアイコン,AFアイコンまたはストロボアイコンに対するタッチは、タッチセンサ44によって検知される。ストロボアイコンへのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定およびメニューアイコン上のストロボ設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。この変更処理は、フラグFLG_lockの状態に関係なく実行される。ストロボ設定は、ストロボアイコンがタッチされる毎に“オートストロボ”→“強制発光”→“発光禁止”の順で循環的に変更される。
【0042】
また、フラグFLG_lockが“0”を示す状態で解像度アイコンのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録された解像度設定およびメニューアイコン上の解像度設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。解像度設定は、解像度アイコンがタッチされる毎に“高解像度”→“中解像度”→“低解像度”の順で循環的に変更される。
【0043】
さらに、フラグFLG_lockが“0”を示す状態でAEアイコンのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録されたAE設定およびメニューアイコン上のAE設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。AE設定は、AEアイコンがタッチされる毎に“絞り優先AE”→“露光時間優先AE”→“プログラムAE”の順で循環的に変更される。
【0044】
また、フラグFLG_lockが“0”を示す状態でAFアイコンのタッチが検知されると、レジスタRGSTに登録されたAF設定およびメニューアイコン上のAE設定の記述が撮像設定変更タスクの下で変更される。AF設定は、AFアイコンがタッチされる毎に“マルチAF”→“スポットAF”→“中央重点AF”の順で循環的に変更される。
【0045】
フラグFLG_lockが“1”を示す状態で解像度アイコン,AEアイコンまたはAFアイコンのタッチが検知されると、タッチ操作が無効であることを報知する報知命令が撮像設定変更タスクの下でキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は“設定を変更できません”のメッセージを表すキャラクタデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたキャラクタデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メッセージは、図8に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0046】
キー入力装置28に設けられたシャッタボタン28shが非操作状態にあるとき、CPU26は、AE評価回路22から出力された256個のAE評価値に基づく簡易AE処理をレジスタRGSTに登録されたAE設定に従う態様で実行する。簡易AE処理は撮像タスクの下で実行され、これによって算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0047】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価値を参照した厳格AE処理をレジスタRGSTに登録されたAE設定に従う態様で実行する。厳格AE処理もまた撮像タスクの下で実行され、これによって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間もまたドライバ18bおよび18cに設定される。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整される。
【0048】
なお、最大露光量に設定しても露光不足が生じるときは、厳格AE処理においてストロボ駆動要求が発行される。
【0049】
CPU26はその後、AF評価回路24から出力された256個のAF評価値に基づくAF処理をレジスタRGSTに登録されたAF設定に従う態様で実行する。AF処理もまた撮像タスクの下で実行され、フォーカスレンズ12はドライバ18aによって合焦点に配置される。この結果、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0050】
シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、ストロボ発光装置50の駆動が必要であるか否かを、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定および/またはストロボ駆動要求の有無を参照して判別する。判別結果は、ストロボ設定が“強制発光”のときにYESとなり、さらにストロボ設定が“オートストロボ”の状態でストロボ駆動要求が発行されたときにもYESとなる。判別結果はまた、ストロボ設定が“発光禁止”のときにNOとなり、さらにストロボ設定が“オートストロボ”の状態でストロボ駆動要求が非発行のときにもNOとなる。ストロボ発光装置50は、判別結果がYESのときに駆動され、判別結果がNOのときに休止される。
【0051】
CPU26はその後、撮像タスクの下で静止画取り込み処理を実行する。この結果、ストロボ発光装置50が駆動されたときは、ストロボ光が照射された時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34c(図4参照)に退避される。また、ストロボ発光装置50が駆動されなかったときは、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34cに退避される。
【0052】
CPU26は続いて、撮像タスクの下で記録処理を実行するべく、対応する命令をメモリI/F46に与える。メモリI/F46は、静止画像エリア34cに退避された1フレームの画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体48に記録する。
【0053】
再生モードの選択によって再生タスクが起動されると、CPU32は、記録媒体48に格納された最新の画像ファイルを指定し、指定された画像ファイルに注目した再生処理の実行をメモリI/F46およびLCDドライバ38に命令する。メモリI/F46は、指定された画像ファイルの画像データを記録媒体48から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路32を通してSDRAM34の静止画像エリア34cに書き込む。
【0054】
LCDドライバ38は、静止画像エリア34cに格納された画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ40を駆動する。この結果、指定画像ファイルの画像データに基づく再生画像がLCDモニタ40に表示される。キー入力装置28の送りボタン28fwが操作されると、CPU26は、次の画像ファイルを指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0055】
フラグFLG_lockが“1”を示す状態で削除ボタン28dlが操作されると、削除ボタン28dlの操作が無効であることを報知する報知命令がキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は“画像を削除できません”のメッセージを表すキャラクタデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたキャラクタデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メッセージは、図9に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0056】
フラグFLG_lockが“0”を示す状態で削除ボタン28dlが操作されると、メニュー表示命令がキャラクタジェネレータ42に与えられる。キャラクタジェネレータ42は“削除しますか?”の問い合せと“削除”および“キャンセル”のメニュー項目とを表すキャラクタデータをLCDドライバ38に与え、LCDドライバ38は与えられたキャラクタデータに基づいてLCDモニタ40を駆動する。メニュー画像は、図10に示す要領でモニタ画面に表示される。
【0057】
“キャンセル”のメニュー項目へのタッチが検知されると、メニュー画像の表示が中断される。“削除”のメニュー項目へのタッチが検知されると、削除命令がメモリI/F46に向けて発行される。現時点で指定されている画像ファイルは、メモリI/F46によって記録媒体48から削除される。CPU26は、次の画像ファイルを指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0058】
CPU26は、図11に示すメインタスク,図12〜図14に示すロック制御タスク,図15に示す撮像タスク,図16〜図17に示す撮像設定変更タスク,および図18〜図19に示す再生タスクを含む複数のタスクをマルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ52に記憶される。
【0059】
図11を参照して、ステップS1ではロック制御タスクを起動する。ステップS3では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別し、ステップS5では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。ステップS3の判別結果がYESであれば、ステップS7で撮像タスクを起動し、ステップS9で撮像設定変更タスクを起動する。ステップS5の判別結果がYESであれば、ステップS11で再生タスクを起動する。ステップS3の判別結果およびステップS5の判別結果のいずれもがNOであれば、ステップS13でその他の処理を実行する。
【0060】
ステップS9,S11またはS13の処理が完了すると、モード変更ボタン28mdが操作されたか否かをステップS15で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ロック制御タスクを除く起動中のタスクをステップS17で停止し、その後にステップS3に戻る。
【0061】
図12を参照して、ステップS21ではレジスタRGSTを参照してフラグFLG_lockを“0”および“1”のいずれか一方に設定する。ステップS23では、LED/メニュー制御処理を実行する。この結果、LED装置30の発光態様およびメニューアイコンの表示態様が、現時点の動作モードおよび/またはフラグFLG_lockの状態を参照して制御される。
【0062】
ステップS25ではロックボタン28lkが長押しされたか否かを判別し、ステップS27ではモード変更ボタン28mdが操作されたか否かを判別する。ステップS25の判別結果がYESであればステップS29でレジスタRGST上のフラグFLG_lockの設定を変更してからステップS31に進み、ステップS27の判別結果がYESであればそのままステップS31に進む。ステップS31ではステップS23と同様の処理を実行し、その後にステップS25に戻る。
【0063】
ステップS23またはS31のLED/メニュー制御処理は、図13〜図14に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS41では現時点の動作モードが撮像モードおよび再生モードのいずれであるかを判別し、撮像モードに対応してステップS43に進む一方、再生モードに対応してステップS53に進む。
【0064】
ステップS43ではLED30md,30shおよび30lkを点灯し、ステップS45ではLED30fwおよび30dlを消灯する。ステップS47ではフラグFLG_lockの状態を判別し、FLG_lock=0に対応してステップS49に進む一方、FLG_lock=1に対応してステップS51に進む。ステップS49では、撮像設定の変更を受け付けるためのメニューアイコンを通常態様で表示する。ステップS51では、メニューアイコンの一部に網掛が施された態様で表示する。ステップS49またはS51の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0065】
ステップS53ではLED30md,30fwおよび30lkを点灯し、ステップS55ではLED30shを消灯する。ステップS57ではフラグFLG_lockの状態を判別し、FLG_lock=0に対応してステップS59に進む一方、FLG_lock=1に対応してステップS61に進む。ステップS59ではLED30dlを点灯し、ステップS61ではLED30dlを消灯する。ステップS59またはS61の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0066】
図15を参照して、ステップS71では動画取込み処理を実行する。イメージャ16からは、レジスタRGSTに登録された解像度設定に従う解像度を有する生画像データが出力される。LCDモニタ40には、このような生画像データに基づくスルー画像が表示される。ステップS73ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、レジスタRGSTに登録されたAE設定に従う簡易AE処理をステップS75で繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが大まかに調整される。
【0067】
ステップS73の判別結果がNOからYESに更新されると、レジスタRGSTに登録されたAE設定に従う厳格AE処理をステップS77で実行し、レジスタRGSTに登録されたAF設定に従うAF処理をステップS79で実行する。スルー画像の明るさは厳格AE処理によって厳格に調整され、スルー画像の鮮鋭度はAF処理によって向上する。
【0068】
なお、最大露光量に設定しても露光不足が生じるときは、厳格AE処理においてストロボ駆動要求が発行される。
【0069】
ステップS81ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS83ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS83の判別結果がYESであればそのままステップS73に戻り、ステップS81の判別結果がYESであればステップS85に進む。
【0070】
ステップS85では、ストロボ発光装置50の駆動が必要であるか否かを、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定および/またはストロボ駆動要求の有無を参照して判別する。判別結果がYESであればステップS87でストロボ発光装置50を駆動してからステップS89に進み、判別結果がNOであればそのままステップS89に進む。
【0071】
ステップS89では、静止画取り込み処理を実行する。この結果、ストロボ発光装置50が駆動されたときは、ストロボ光が照射された時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34cに退避される。また、ストロボ発光装置50が駆動されなかったときは、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す画像データがYUV画像エリア34bから静止画像エリア34cに退避される。
【0072】
ステップS91では、記録処理を実行するべく、対応する命令をメモリI/F46に与える。メモリI/F46は、静止画像エリア34cに退避された1フレームの画像データをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体48に記録する。記録処理が完了すると、ステップS73に戻る。
【0073】
図16〜図17を参照して、ステップS101ではレジスタRGSTの記述を参照して撮像設定を行う。ステップS103では解像度アイコンがタッチされたか否かを判別し、ステップS111ではAEアイコンがタッチされたか否かを判別し、ステップS119ではAFアイコンがタッチされたか否かを判別し、そしてステップS127ではストロボアイコンがタッチされたか否かを判別する。これらの判別処理はいずれも、タッチセンサ44の出力に基づいて実行される。
【0074】
ステップS103の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS105で判別する。FLG_lock=0であれば、レジスタRGSTに登録された解像度設定およびメニューアイコン上の解像度設定の記述をステップS107で変更する。解像度設定は、解像度アイコンがタッチされる毎に“高解像度”→“中解像度”→“低解像度”の順で循環的に変更される。FLG_lock=1であればステップS109に進み、タッチ操作が無効であることを報知する報知命令をキャラクタジェネレータ42に与える。この結果、“設定を変更できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。
【0075】
ステップS111の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS113で判別する。FLG_lock=0であれば、レジスタRGSTに登録されたAE設定およびメニューアイコン上のAE設定の記述をステップS115で変更する。AE設定は、AEアイコンがタッチされる毎に“絞り優先AE”→“露光時間優先AE”→“プログラムAE”の順で循環的に変更される。FLG_lock=1であればステップS117に進み、上述したステップS109と同様の処理を実行する。この結果、“設定を変更できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。
【0076】
ステップS119の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS121で判別する。FLG_lock=0であれば、レジスタRGSTに登録されたAF設定およびメニューアイコン上のAF設定の記述をステップS121で変更する。AF設定は、AFアイコンがタッチされる毎に“マルチAF”→“スポットAF”→“中央重点AF”の順で循環的に変更される。FLG_lock=1であればステップS125に進み、上述したステップS109と同様の処理を実行する。この結果、“設定を変更できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。
【0077】
ステップS127の判別結果がYESであれば、レジスタRGSTに登録されたストロボ設定およびメニューアイコン上のストロボ設定の記述をステップS129で変更する。ストロボ設定は、ストロボアイコンがタッチされる毎に“オートストロボ”→“強制発光”→“発光禁止”の順で循環的に変更される。
【0078】
図18〜図19を参照して、ステップS131では最新の画像ファイルを指定し、ステップS133では指定画像ファイルに注目した再生処理をメモリI/F46およびLCDドライバ38に命令する。この結果、再生画像がLCDモニタ40に表示される。ステップS135では送りボタン28fwが操作されたか否かを判別し、ステップS137では削除ボタン28dlが操作されたか否かを判別する。
【0079】
ステップS135の判別結果がYESであれば、ステップS139で次の画像ファイルを指定し、ステップS141で上述のステップS133と同様の再生処理を実行する。この結果、別の再生画像がLCDモニタ40に表示される。ステップS137の判別結果がYESであれば、フラグFLG_lockの状態をステップS143で判別する。
【0080】
FLG_lock=1であればステップS145に進み、削除ボタン28dlの操作が無効であることを報知する報知命令をキャラクタジェネレータ42に与える。この結果、“画像を削除できません”のメッセージがLCDモニタ40に表示される。報知処理が完了すると、ステップS135に戻る。
【0081】
ステップS143の判別結果がNOであれば、メニュー表示命令をキャラクタジェネレータ42に与える。この結果、“削除しますか?”の問い合せと“削除”および“キャンセル”のメニュー項目とによって形成されたメニュー画像がLCDモニタ40に表示される。ステップS149では“削除”のメニュー項目がタッチされたか否かを判別し、ステップS151では“キャンセル”のメニュー項目がタッチされたか否かを判別する。この判別処理も、タッチセンサ44の出力に基づいて実行される。
【0082】
ステップS151の判別結果がYESであればそのままステップS135に戻り、ステップS149の判別結果がYESであればステップS153〜S157の処理を経てステップS135に戻る。ステップS153では、削除命令をメモリI/F46に向けて発行する。現時点で指定されている画像ファイルは、メモリI/F46によって記録媒体48から削除される。ステップS155〜S157では、上述したステップS139〜S141と同様の処理を実行する。
【0083】
以上の説明から分かるように、フラグFLG_lockは、ロックボタン28lkの長押しに応答して“0”および“1”の間で変更される。CPU26は、撮像モードの下でシャッタボタン28shが全押しされたとき、イメージャ16によって捉えられた被写界を表す画像データをフラグFLG_lockの状態に関係なく記録媒体48に記録する(S81, S89~S91)。CPU26はまた、再生モードが起動されたとき或いは再生モードの下での送りボタン28fwが操作されたとき、記録媒体48に記録された画像データをフラグFLG_lockの状態に関係なく再生する(S131~S135, S139~S141)。再生処理に関連して削除ボタン28dlが操作されると、CPU26は、フラグFLG_lockが“1”を示すか否かを判別し(S137, S143)、削除ボタン28dlの操作の無効をYESの判別結果に対応して報知する一方(S145)、再生された画像データをNOの判別結果に対応して記録媒体48から削除する(S147~S153)。
【0084】
フラグFLG_lockが“1”に設定されれば、画像データの記録および再生は許容される一方、画像データの削除は制限される。これによって、基本的なカメラ操作を可能としつつ記録画像データが誤って削除される事態を回避することができる。また、フラグFLG_lockが“1”に設定された状態で削除ボタン28dlが操作されると、削除ボタン28dlの操作の無効が報知される。これによって、フラグFLG_lockが“1”に設定されていること(=操作制限設定が有効であること)を確認することができる。
【0085】
この結果、特にカメラ操作に詳しくない子供のカメラ操作に対する興味を満たしつつ、画像データが誤って削除される事態を回避することができ、画像の記録/再生に関する操作性の向上が図られる。
【0086】
なお、この実施例では、再生モードにおいて許可/制限される機能として削除機能を想定しているが、記録画像データを編集する機能を追加し、この編集機能をフラグFLG_lockの状態に応じて許可/制限するようにしてもよい。また、この実施例では、機能が一時的に制限されていることをLCDモニタ40を通して報知するようにしているが(図8または図9参照)、音や振動によって機能の一時的な制限を報知するようにしてもよい。つまり、報知は、画像,音および振動の少なくとも1つによって行うようにしてもよい。
【0087】
さらに、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に予め記憶される。しかし、図20に示すように通信I/F54をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ42に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0088】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
28lk …ロックボタン
30 …LED装置
44 …タッチセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録手段、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生手段、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する第1報知手段、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生手段によって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記削除手段は、前記削除操作に応答して確認操作要求を発生する発生手段、および前記発生手段によって発生された確認操作要求に対する確認操作に応答して前記画像を削除する画像削除手段を含む、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を前記再生手段の処理と並列して繰り返し発生する第2報知手段をさらに備える、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記削除操作を受け付けるための削除ボタン、および
前記削除ボタンの近傍に設けられた発光手段をさらに備え、
前記第2報知手段は前記判別結果を参照して前記発光手段の駆動態様を制御する、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記第1報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記操作制限設定が有効な状態で前記撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき前記設定変更操作の無効を報知する第3報知手段、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき前記撮像手段の設定を変更する変更手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を前記撮像手段の処理と並列して繰り返し発生する第4報知手段をさらに備える、請求項6記載の電子カメラ。
【請求項8】
撮像設定メニューを表示する表示手段をさらに備え、
前記第4報知手段は前記判別結果を参照して前記表示手段の表示態様を制御する、請求項7記載の電子カメラ。
【請求項9】
前記第3報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する、請求項6ないし8のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項10】
電子カメラのプロセッサに、
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する報知ステップ、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップを実行させるための、記録/再生制御プログラム。
【請求項11】
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する報知ステップ、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項12】
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する報知ステップ、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録手段、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生手段、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する第1報知手段、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生手段の処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生手段によって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記削除手段は、前記削除操作に応答して確認操作要求を発生する発生手段、および前記発生手段によって発生された確認操作要求に対する確認操作に応答して前記画像を削除する画像削除手段を含む、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を前記再生手段の処理と並列して繰り返し発生する第2報知手段をさらに備える、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記削除操作を受け付けるための削除ボタン、および
前記削除ボタンの近傍に設けられた発光手段をさらに備え、
前記第2報知手段は前記判別結果を参照して前記発光手段の駆動態様を制御する、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記第1報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記操作制限設定が有効な状態で前記撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき前記設定変更操作の無効を報知する第3報知手段、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記撮像手段の処理に関連して設定変更操作が行われたとき前記撮像手段の設定を変更する変更手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記操作制限設定の有効/無効に応じて異なる報知を前記撮像手段の処理と並列して繰り返し発生する第4報知手段をさらに備える、請求項6記載の電子カメラ。
【請求項8】
撮像設定メニューを表示する表示手段をさらに備え、
前記第4報知手段は前記判別結果を参照して前記表示手段の表示態様を制御する、請求項7記載の電子カメラ。
【請求項9】
前記第3報知手段は画像,音声および振動の少なくとも1つを用いて報知を実行する、請求項6ないし8のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項10】
電子カメラのプロセッサに、
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する報知ステップ、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップを実行させるための、記録/再生制御プログラム。
【請求項11】
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する報知ステップ、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項12】
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録媒体に記録する処理を操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する記録ステップ、
前記記録媒体に記録された画像を再生操作に応答して再生する処理を前記操作制限設定の有効/無効に関係なく実行する再生ステップ、
前記操作制限設定が有効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記削除操作の無効を報知する報知ステップ、および
前記操作制限設定が無効な状態で前記再生ステップの処理に関連して削除操作が行われたとき前記再生ステップによって再生された画像を前記記録媒体から削除する削除ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
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【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−182577(P2012−182577A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42811(P2011−42811)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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