電子カメラ
【課題】ucodeなどの符号を簡便に取得する。
【解決手段】撮影光学系を介して被写界を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された被写界に符号51が含まれるか否かを判定するする符号判定部と、符号判定部により被写界に符号51が含まれると判定された場合に、撮像部により撮像された被写界と符号51を含む領域の画像とを記録媒体へ記録させる記録制御部とを備える。
【解決手段】撮影光学系を介して被写界を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された被写界に符号51が含まれるか否かを判定するする符号判定部と、符号判定部により被写界に符号51が含まれると判定された場合に、撮像部により撮像された被写界と符号51を含む領域の画像とを記録媒体へ記録させる記録制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
物や場所などを識別するために割り当てられるID番号(識別子)としてucode(ubiquitous ID code)があり、その中でもバーコードやQRコード(二次元バーコード)が一般的に広く使用されている。近年、このucodeを用いてweb情報を記載し、さらに多くの情報を展開する例が増えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−341369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カメラの撮影画面内にucodeが存在する場合に、被写体に関連する情報を提供するためのucodeであっても、取得するためには煩雑な作業が必要となり、有効利用の妨げになっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、撮影光学系を介して被写界を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された被写界に符号が含まれるか否かを判定する符号判定部と、符号判定部により被写界に符号が含まれると判定された場合に、撮像部により撮像された被写界と符号を含む領域の画像とを記録媒体へ記録させる記録制御部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、被写界のucodeなどの符号を簡便に取得し利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施の形態の電子カメラ10の構成を示すブロック図
【図2】ライブビュー動作時のucode認識処理を示すフローチャート
【図3】撮像した画像およびucode画像の記録処理を示すフローチャート
【図4】ucodeが含まれる画像例とバーコードおよびQRコードの一例を示す図
【図5】スルー画像上のバーコード部に枠を表示した一例を示す図
【図6】図2のステップ8で実行される画処理動作Aの詳細を示すフローチャート
【図7】ucode部の補正例を示す図
【図8】素鮮明で読み取れないucodeの一例とその場合の警告表示例を示す図
【図9】ucodeに対応する情報の表示例を示す図
【図10】被写体の主画像とucodeの副画像の一例を示す図
【図11】コード情報の記録方法の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は一実施の形態の電子カメラ10の構成を示すブロック図である。この一実施の形態では、コンパクトタイプの電子カメラ10を例に挙げて説明するが、本願発明はコンパクト電子カメラに限定されず、例えば一眼レフ電子カメラなどにも適用することができる。撮像素子11はCCDやCMOS型のイメージセンサーであり、撮影レンズLにより撮像面に結像された被写体像を撮像して画像信号を出力する。ドライバー14は撮像素子11の電荷蓄積や画像信号の読み出しを制御する。AFE回路12は、撮像素子11から出力されるアナログ画像信号に対してクランプ処理、CDS処理(相関二重サンプリング)、AGC処理(自動利得調整)、シェージング処理などを施す回路である。
【0009】
A/D変換回路13は、AFE回路12による処理後のアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。ASIC16は、デジタル画像信号に対して画像に関する処理、すなわちホワイトバランス処理、ガンマ補正、色補間、輪郭強調、ビネット補正などの他に、後述する画像合成処理を行う回路である。タイミングジェネレーター(TG)15は、撮像素子ドライバー14、AFE回路12、A/D変換回路13およびASIC16に対して電荷蓄積、画像信号の読み出し、A/D変換、画像処理などの各種処理のタイミングを制御する。
【0010】
画像圧縮回路17はJPEG方式による画像の圧縮と圧縮画像の伸張を行う。バッファメモリ19は画像を一時記憶する記憶素子である。表示画像作成回路20は、撮影モードにおいて撮像素子11により遂次撮像した画像を縮小したスルー画像を遂次生成してモニター21に動画的に表示(ライブビュー動作)するとともに、再生モードでは記録媒体30に記録されている画像をモニター21に再生表示させるよう制御する。表示画像作成回路20は、また、モニター21に表示中のスルー画像および再生表示中の記録媒体30に記録されている画像に対応する画像に対して各種表示情報(詳細後述)を重畳してモニター21に表示させる表示制御を行う。モニター21はカラーLCDであり、スルー画像や再生画像を表示するとともに、各種メニューや撮影に関する各種情報を表示する。
【0011】
操作部材22は、シャッターボタンの半押しスイッチおよび全押しスイッチ、撮影モードセレクター、コマンドダイヤルなどの電子カメラ10を操作するためのスイッチ類である。レンズ駆動装置24は、撮影レンズLのフォーカシングレンズ、ズーミングレンズ、絞り(不図示)などを駆動するアクチュエーターである。メインCPU18は、電子カメラ10の動作すなわち撮像、画像表示、画像記録、各種演算などを制御するコンピューターである。メインCPU18は、後述するフローに示す制御プログラムを実行して被写体を撮像させるとともに、撮像された被写体画像中にucode情報があると判断されたときはそのucode情報を取得する制御を行う。メモリ23は、各種制御プログラムや各種情報を記憶するROMまたはRAMで構成される記憶媒体である。また、記憶媒体30はRAMなどで構成されるカード型の着脱式記憶媒体であり、不図示のインターフェイスを介して電子カメラ10に接続される。また、記憶媒体30へのデータの記憶および読み出しはメインCPU18により制御される。また、CPU18は、他の構成要素も統括的に制御する。
【0012】
図2は、ライブビュー動作時、すなわち、撮像中に主要被写体に焦点調節しながら撮像動作を行うときのucode認識処理を示すフローチャート、図3は、撮像した画像およびucode画像の記録処理を示すフローチャートである。なお、図2および図3に示すフローチャートによる処理は、メインCPU18に格納したプログラムを実行して行われる。図1に示す電子カメラ10に起動のための電力が投入されて撮影モードが設定されると、メインCPU18はステップ1でライブビュー動作を開始させる。メインCPU18は、撮影者が主要被写体の画角を決めるために、撮像素子11で所定時間ごとにスルー画像を撮像させ、モニター21に表示させる。ステップ2において、メインCPU18は、撮影画面内のucodeの有無を認識する認識動作Aを実行する。
【0013】
このucode認識動作Aでは、メインCPU18は、予めメモリ23に記憶されているバーコードやQRコードなどのucodeの画像パターンと表示画像作成回路20により生成されたスルー画像の一部の対象領域とをパターンマッチング処理を行い、スルー画像の中にucodeの画像パターンとの類似度合いが所定度合い以上の画像パターンがあるか否かを解析する。スルー画像の中にucodeの画像パターンと同様の画像パターンが検出されない場合には、この解析の対象領域を遂次ずらして上記の解析を繰り返す。
【0014】
ステップ3において、メインCPU18は、ステップ2における解析によりucodeの認識がされた場合に認識が完了したと判定し、スルー画像1枚分の全領域にわたって解析が終了し、スルー画像1枚分の全領域にわたってucodeの画像パターンと同様の画像パターンが検出されない場合には、ステップ2に移行し、次のスルー画像について同様に解析を実行する。所定時間の間(例えば、1秒間)、ucode認識動作Aを実行してもucodeを認識できない場合には、メインCPU18は、認識動作Aを中止し、レリーズ動作を待機する状態に移行する。ucodeを認識できた場合はステップ4へ進み、メインCPU18は、表示画像作成回路20によりucodeの回りに検出枠を設定させ、モニター21のスルー画像に重畳して表示させる。
【0015】
図4(a)は、古寺を背景に人物を撮影する場合のスルー画像内にucodeを認識した場合の一例を示す。古寺の前には歴史や由来を説明した立て札があり、その立て札の右下隅にはバーコードが表記されている。例えば、このバーコードは、インターネットでさらなる情報を取得するためのバーコードであり、図4(b)に示すようなバーコードがカメラ10により認識される。なお、このような目的のために図4(c)に示すQRコードを認識してもよい。
【0016】
図5(a)に示すスルー画像内に図5(b)に示すucode部51が認識された場合には、そのucode部51の回りに図5(c)に示すような枠52または図5(d)に示すような枠53を表示するとともに、スピーカー(不図示)により案内報知を行い、撮影者に撮影画面内にucodeが存在することを報知する。
【0017】
ステップ5において、メインCPU18は、ucodeの認識処理を続行するか否かを確認する。メインCPU18は、表示画像作成回路20を制御して、モニター21のスルー画像に重畳させて、例えば、「自動ズーム・フォーカス処理を実行しますか?」というメッセージを表示させる制御を行う。この表示を見た撮影者は、ucodeが必要な場合は操作部材22のOKボタン(不図示)を押下操作し、必要でない場合はキャンセルボタン(不図示)を押下操作する。メインCPU18は、撮影者による操作部材22のOKボタンの押下操作がない状態が所定時間以上(例えば、30秒)経過したと判定した場合またはキャンセルボタン(不図示)を押下操作したと判定した場合は、撮影者がucodeを必要としていないと判断し、ステップ10へ進み、ucode認識処理を終了する。
【0018】
メインCPU18は、操作部材22のOKボタンの押下操作がある場合は撮影者がucodeを必要としていると判断し、ステップ6へ進む。ステップ6において、メインCPU18は、レンズ駆動装置24を制御して撮影レンズLをucode部51(図5(a)参照)を拡大させるためのズームアップ駆動を行わさせ、さらにフォーカシングを行わせucode部51に焦点を合わせる。なお、ucode部51を拡大させるズームアップと焦点を合わせる動作の前に、メインCPU18は、撮影レンズLの元の状態、すなわち焦点距離や合焦位置などの元の設定状態をメモリ23に記憶しておく。詳細を後述するが、ステップ9において、メインCPU18は、メモリ23に記憶した元の設定状態を読み出し、レンズ駆動装置24を制御して撮影レンズLを元の設定状態に復帰させる。なお、元の設定状態をメモリ23に記憶せず、後述するステップ9において再度AF、AEを実行するようにしてもよい。
【0019】
ステップ7において、メインCPU18は、表示画像作成回路20を制御して、モニター21のスルー画像に重畳させて「希望するucodeですか?」というメッセージを表示させる。撮影者は、このメッセージおよびモニター21に表示された拡大後の画像を見て、ucodeが希望するucodeである場合は操作部材22のOKボタン(不図示)を押下操作し、希望しないucodeである場合はキャンセルボタン(不図示)を押下操作する。メインCPU18は、撮影者により操作部材22のOKボタンの押下操作がされたと判定した場合はステップ8へ進み、メインCPU18は画処理動作Aを実行する。メインCPU18は、撮影者による操作部材22のOKボタンの押下操作がない状態が所定時間以上(例えば、30秒)経過したと判定した場合またはキャンセルボタン(不図示)を押下操作したと判定した場合は、撮影者がucodeを希望していないと判断し、ステップ10へ進み、メインCPU18は、メモリ23に記憶した元の設定状態を読み出し、レンズ駆動装置24を制御して撮影レンズLを元の設定状態に復帰させた後、ステップ2へ戻る。
【0020】
図6は画処理動作Aの詳細な処理を示すフローチャートである。ステップ32で、メインCPU18は、ASIC16を制御して、図2のステップ6でズームアップされたucode部51の画像に対して、最適な識別条件を満たすように画像内であおり、俯仰、斜め補正などを行わせるとともに、輪郭強調を行わせ、識別線や点を強調表示させる。例えば、図7(a)に示すように画像内にucode部51が斜めに写っている場合には、メインCPU18は、ASIC16により図7(b)に示すように正面から見た画像に補正させる。
【0021】
ステップ33において、メインCPU18は読み取りが可能か否かを判別する。具体的には、図8(a)、(b)に示すように、補正後のucode部51Aの画像が不鮮明でucodeの読み取りができない(例えば、12桁の数値を示すバーコードにおいて、バー形状の示す数字が10桁以上読み取れていない場合に、読み取りができないとする。)、つまりucode情報として認識できない場合にはステップ36へ進み、読み取り動作を継続するか否かを確認する。ここでは、所定回数の読み取り動作を行っても読み取りできない場合には読み取り不可とする。読み取り動作回数が所定回数未満の場合はステップ32へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0022】
一方、所定回数の読み取り認識動作を行っても読み取りできなかった場合にはステップ37へ進み、メインCPU18は、図8(c)に示すようにモニター21のスルー画像上に例えば「ucodeがありますが読み取れません」という警告情報を重畳表示し、画像処理動作Aを終了する。
【0023】
補正したucode部51Aの画像からucodeの読み取りが可能な場合にはステップ34へ進み、メインCPU18は、そのコード情報を読み取り、メモリ23に予め記録されているucodeデータベースを検索して読み取りucodeに対応する情報を読み出す。そして、メインCPU18は表示画像作成回路20を制御して、図9(a)に示すように、モニター21のスルー画像にucodeに対応する情報55(図9(a)の例では「京都府△△町□□□寺 ○○年建立」)とucode56(図9(a)の例ではバーコード)を重畳表示させるとともに、ucode情報55をバッファメモリ19に一時記憶する。なお、メインCPU18は表示画像作成回路20を制御して、図9(b)に示すように、ucodeに対応する情報55のみを重畳表示してもよい。
【0024】
ここでは、メインCPU18によって、読み取ったucodeに対応する情報をデータベースから取得し、この情報を撮像素子11により撮像されたスルー画像に重畳表示する例を示したが、ucodeに対応する情報を撮像素子1により撮像された画像の付加情報として記録媒体30に記録するようにしてもよい。
【0025】
ucode情報を取得した後、図2のステップ9へ進み、メインCPU18は、レンズ駆動装置24を制御してステップ6で予めメモリ23に記憶したズームアップ前の焦点距離や焦点位置などの設定状態まで撮影レンズLを駆動し設定し直し、図3に示すステップ42に移行する。
【0026】
この一実施の形態では、ucode画像の記録方法として3つのA、B、Cパターンを用意し、撮影者が操作部材22によりいずれかのパターンを選択する例を示す。
【0027】
Aパターンでは、ASIC16によりucode画像自体を明確化する処理、すなわち輪郭強調やハイライトなどの部分補正を施したucode部51の画像と被写体を撮影した主画像とを合成し、この合成画像を記録する。一方、Bパターンでは、ucode部51を拡大した副画像と被写体を撮影した主画像とを別個に記録する。Cパターンでは、ucode部51の副画像の記録が不要な場合、すなわち従来の被写体を撮影した主画像のみを記録する。
【0028】
ステップ42において、メインCPU18は、表示画像作成回路20を制御して、モニター21のスルー画像に重畳させて「AかBかCパターンを選択して下さい。」というメッセージを表示させる。撮影者は、このメッセージおよびモニター21に表示されたスルー画像を見て、AパターンまたはBパターンまたはCパターンを指定する操作を行う。
【0029】
ステップ43において、メインCPU18は、撮影者によりAパターンが指定されたと判定した場合はステップ45へ進む。Aパターンが指定されていないと判定した場合はステップ44へ進む。ステップ44において、メインCPU18は、撮影者によりBパターンが指定されたと判定した場合はステップ49へ進む。Bパターンが指定されていないと判定された場合は、Cパターンとみなし、ステップ52に進む。
【0030】
撮影者によりAパターンが指定されたと判定した場合は、ステップ45でメインCPU18は操作部材22のレリーズ操作を確認する。レリーズ操作が有ったと判定された場合には、ステップ46へ進み、レリーズ操作が無い場合は、ステップ45の処理を繰り返す。ステップ46において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づき主要被写体に露出を合わせる処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、主要被写体にピントを合わせた後、撮像素子11により主画像の撮像を行わせる。図10(a)に主画像の一例を示す。
【0031】
続くステップ47において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づきucode部51に露出を合わせる処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、ucode部51にピントを合わせた後、撮像素子11により副画像の撮像を行わせる。ucode部51の副画像を取得する。このとき、メインCPU18は、ucode部51を拡大させるためのズームアップをせず、ステップ46で主要被写体を撮影した画角のままでucode部51の撮像を行う。ステップ48で、メインCPU18は、ASIC16を制御してステップ46で撮像した主画像に対してステップ47で撮像したucode部51の部分画像を合成し、新しい画像を生成して記録媒体30に記録する。
【0032】
一方、撮影者によりBパターンが指定されたと判定した場合は、ステップ49でCPU18は操作部材22のレリーズ操作を確認する。レリーズ操作が有ったと判定された場合には、ステップ50へ進み、レリーズ操作が無い場合は、ステップ49の処理を繰り返す。
【0033】
ステップ50において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づき主要被写体に露出を合わせる露出処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、主要被写体にピントを合わせた後、撮像素子11により図10(a)に示すような主画像の撮像を行わせる。
【0034】
続くステップ51で、メインCPU18は、撮像素子11によりucode部51が所定の大きさになるように、ズームアップさせ、撮像素子11による測光と測光結果に基づきucode部51に露出を合わせる露出処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、ucode部51にピントを合わせた後、副画像(図10(b)参照)を撮像し、主画像と副画像とが別画像となるように記録媒体30に記録する。なお、この際、メインCPU18は、主画像と副画像とを関連付けて記録媒体30に記録させることが好ましい。なお、Bパターンにおける副画像については、ucode部51をズームアップした画像か、またはAパターンの副画像と同様な画像かを、操作部材22により予め選択してカスタム設定することもできる。
【0035】
撮影者によりCパターンが指定されていると判定した場合は、ステップ52でCPU18は操作部材22のレリーズ操作を確認する。レリーズ操作が有ったと判定された場合には、ステップ53へ進み、レリーズ操作が無い場合は、ステップ52の処理を繰り返す。ステップ53において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づき、主要被写体に露出が合うように露出処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、主要被写体にピントを合わせた後、撮像素子11により撮像を行わせる。そして、メインCPU18はこの主画像を記録媒体30へ記録する。なお、Cパターンの場合はucode部51の副画像を撮影しない。
【0036】
以上から明らかなように、AおよびBパターンでは、撮影者の1回のレリーズ操作に応じて自動的に少なくとも2回の撮影動作、すなわち主画像と副画像の取得動画がメインCPU18により行われる。
【0037】
A、B、Cのいずれかのパターンで撮像を行った後のステップ54において、メインCPU18は、図6のステップ34でバッファメモリ19に一時記憶したucodeに対応する情報を記録するか否かを確認する。メインCPU18は、撮影者が操作部材22によりucodeに対応する情報の記録を選択したと判定した場合はステップ55へ進み、被写体を撮影した主画像のタグにucodeに対応する情報を記録する。
【0038】
図11(a)は、主画像のExifフォーマットの画像ファイル構成の概念図を示す。この画像ファイルのタグには、図11(b)に示すように、メインCPU18の制御により、主画像に関する各種情報(画素数、機種名、圧縮モード、絞り値、撮影日時、色空間など)とともに、コード情報、すなわちデータベースから取得したucodeに対応する情報が記録される。
【0039】
上述した一実施の形態では、バーコードやQRコードなどのucodeを例に挙げて説明したが、これら以外の一般的に用いられるあらゆる符号に対しても本願発明を適用することができる。
【0040】
なお、上述した実施の形態とそれらの変形例において、実施の形態どうし、または実施の形態と変形例とのあらゆる組み合わせが可能である。
【0041】
上述した実施の形態とその変形例によれば以下のような作用効果を奏することができる。まず、撮像画面内にucodeが含まれるか否かを判定し、ucodeが含まれると判定された場合に、被写体の画像とucodeを含む領域の画像とを記録するようにしたので、被写体に関するucodeを簡便に取得することができ、ucodeから被写体に関する情報を検索することができる。
【0042】
また、一実施の形態とその変形例では、ucodeを含む領域の画像を補正処理し、この補正処理後のucodeを含む領域の画像を記録するようにしたので、被写体に関するucodeを確実に取得することができる。
【0043】
一実施の形態とその変形例によれば、撮像された被写体の画像と補正処理後のucodeを含む領域の画像とを合成して記録するようにしたので、被写体の画像の中に被写体に関するucodeを鮮明に記録することができ、被写体の画像とは別にucodeを含む領域の画像を記録する煩わしさを解消できる。
【0044】
一実施の形態とその変形例によれば、撮像画面内にucodeが含まれると判定された場合にucodeを含む領域の拡大像を撮像し、被写体の画像とucodeを含む領域の拡大像とを記録するようにしたので、ucodeを容易に認識できる。
【0045】
一実施の形態とその変形例によれば、ucodeに対応する情報を取得し、撮像された被写体の画像の付加情報として記録するようにしたので、被写体の画像を再生する際に被写体に関する情報を認識させることができる。
【0046】
一実施の形態とその変形例によれば、ucodeに対応する情報を被写体の画像に重畳するようにしたので、被写体の画像とその被写体に関する情報とを同時に認識させることができる。
【符号の説明】
【0047】
11;撮像素子、18;メインCPU、21;モニター、24;レンズ駆動装置、30;記録媒体、L;撮影レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
物や場所などを識別するために割り当てられるID番号(識別子)としてucode(ubiquitous ID code)があり、その中でもバーコードやQRコード(二次元バーコード)が一般的に広く使用されている。近年、このucodeを用いてweb情報を記載し、さらに多くの情報を展開する例が増えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−341369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カメラの撮影画面内にucodeが存在する場合に、被写体に関連する情報を提供するためのucodeであっても、取得するためには煩雑な作業が必要となり、有効利用の妨げになっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、撮影光学系を介して被写界を撮像する撮像部と、撮像部により撮像された被写界に符号が含まれるか否かを判定する符号判定部と、符号判定部により被写界に符号が含まれると判定された場合に、撮像部により撮像された被写界と符号を含む領域の画像とを記録媒体へ記録させる記録制御部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、被写界のucodeなどの符号を簡便に取得し利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施の形態の電子カメラ10の構成を示すブロック図
【図2】ライブビュー動作時のucode認識処理を示すフローチャート
【図3】撮像した画像およびucode画像の記録処理を示すフローチャート
【図4】ucodeが含まれる画像例とバーコードおよびQRコードの一例を示す図
【図5】スルー画像上のバーコード部に枠を表示した一例を示す図
【図6】図2のステップ8で実行される画処理動作Aの詳細を示すフローチャート
【図7】ucode部の補正例を示す図
【図8】素鮮明で読み取れないucodeの一例とその場合の警告表示例を示す図
【図9】ucodeに対応する情報の表示例を示す図
【図10】被写体の主画像とucodeの副画像の一例を示す図
【図11】コード情報の記録方法の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は一実施の形態の電子カメラ10の構成を示すブロック図である。この一実施の形態では、コンパクトタイプの電子カメラ10を例に挙げて説明するが、本願発明はコンパクト電子カメラに限定されず、例えば一眼レフ電子カメラなどにも適用することができる。撮像素子11はCCDやCMOS型のイメージセンサーであり、撮影レンズLにより撮像面に結像された被写体像を撮像して画像信号を出力する。ドライバー14は撮像素子11の電荷蓄積や画像信号の読み出しを制御する。AFE回路12は、撮像素子11から出力されるアナログ画像信号に対してクランプ処理、CDS処理(相関二重サンプリング)、AGC処理(自動利得調整)、シェージング処理などを施す回路である。
【0009】
A/D変換回路13は、AFE回路12による処理後のアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。ASIC16は、デジタル画像信号に対して画像に関する処理、すなわちホワイトバランス処理、ガンマ補正、色補間、輪郭強調、ビネット補正などの他に、後述する画像合成処理を行う回路である。タイミングジェネレーター(TG)15は、撮像素子ドライバー14、AFE回路12、A/D変換回路13およびASIC16に対して電荷蓄積、画像信号の読み出し、A/D変換、画像処理などの各種処理のタイミングを制御する。
【0010】
画像圧縮回路17はJPEG方式による画像の圧縮と圧縮画像の伸張を行う。バッファメモリ19は画像を一時記憶する記憶素子である。表示画像作成回路20は、撮影モードにおいて撮像素子11により遂次撮像した画像を縮小したスルー画像を遂次生成してモニター21に動画的に表示(ライブビュー動作)するとともに、再生モードでは記録媒体30に記録されている画像をモニター21に再生表示させるよう制御する。表示画像作成回路20は、また、モニター21に表示中のスルー画像および再生表示中の記録媒体30に記録されている画像に対応する画像に対して各種表示情報(詳細後述)を重畳してモニター21に表示させる表示制御を行う。モニター21はカラーLCDであり、スルー画像や再生画像を表示するとともに、各種メニューや撮影に関する各種情報を表示する。
【0011】
操作部材22は、シャッターボタンの半押しスイッチおよび全押しスイッチ、撮影モードセレクター、コマンドダイヤルなどの電子カメラ10を操作するためのスイッチ類である。レンズ駆動装置24は、撮影レンズLのフォーカシングレンズ、ズーミングレンズ、絞り(不図示)などを駆動するアクチュエーターである。メインCPU18は、電子カメラ10の動作すなわち撮像、画像表示、画像記録、各種演算などを制御するコンピューターである。メインCPU18は、後述するフローに示す制御プログラムを実行して被写体を撮像させるとともに、撮像された被写体画像中にucode情報があると判断されたときはそのucode情報を取得する制御を行う。メモリ23は、各種制御プログラムや各種情報を記憶するROMまたはRAMで構成される記憶媒体である。また、記憶媒体30はRAMなどで構成されるカード型の着脱式記憶媒体であり、不図示のインターフェイスを介して電子カメラ10に接続される。また、記憶媒体30へのデータの記憶および読み出しはメインCPU18により制御される。また、CPU18は、他の構成要素も統括的に制御する。
【0012】
図2は、ライブビュー動作時、すなわち、撮像中に主要被写体に焦点調節しながら撮像動作を行うときのucode認識処理を示すフローチャート、図3は、撮像した画像およびucode画像の記録処理を示すフローチャートである。なお、図2および図3に示すフローチャートによる処理は、メインCPU18に格納したプログラムを実行して行われる。図1に示す電子カメラ10に起動のための電力が投入されて撮影モードが設定されると、メインCPU18はステップ1でライブビュー動作を開始させる。メインCPU18は、撮影者が主要被写体の画角を決めるために、撮像素子11で所定時間ごとにスルー画像を撮像させ、モニター21に表示させる。ステップ2において、メインCPU18は、撮影画面内のucodeの有無を認識する認識動作Aを実行する。
【0013】
このucode認識動作Aでは、メインCPU18は、予めメモリ23に記憶されているバーコードやQRコードなどのucodeの画像パターンと表示画像作成回路20により生成されたスルー画像の一部の対象領域とをパターンマッチング処理を行い、スルー画像の中にucodeの画像パターンとの類似度合いが所定度合い以上の画像パターンがあるか否かを解析する。スルー画像の中にucodeの画像パターンと同様の画像パターンが検出されない場合には、この解析の対象領域を遂次ずらして上記の解析を繰り返す。
【0014】
ステップ3において、メインCPU18は、ステップ2における解析によりucodeの認識がされた場合に認識が完了したと判定し、スルー画像1枚分の全領域にわたって解析が終了し、スルー画像1枚分の全領域にわたってucodeの画像パターンと同様の画像パターンが検出されない場合には、ステップ2に移行し、次のスルー画像について同様に解析を実行する。所定時間の間(例えば、1秒間)、ucode認識動作Aを実行してもucodeを認識できない場合には、メインCPU18は、認識動作Aを中止し、レリーズ動作を待機する状態に移行する。ucodeを認識できた場合はステップ4へ進み、メインCPU18は、表示画像作成回路20によりucodeの回りに検出枠を設定させ、モニター21のスルー画像に重畳して表示させる。
【0015】
図4(a)は、古寺を背景に人物を撮影する場合のスルー画像内にucodeを認識した場合の一例を示す。古寺の前には歴史や由来を説明した立て札があり、その立て札の右下隅にはバーコードが表記されている。例えば、このバーコードは、インターネットでさらなる情報を取得するためのバーコードであり、図4(b)に示すようなバーコードがカメラ10により認識される。なお、このような目的のために図4(c)に示すQRコードを認識してもよい。
【0016】
図5(a)に示すスルー画像内に図5(b)に示すucode部51が認識された場合には、そのucode部51の回りに図5(c)に示すような枠52または図5(d)に示すような枠53を表示するとともに、スピーカー(不図示)により案内報知を行い、撮影者に撮影画面内にucodeが存在することを報知する。
【0017】
ステップ5において、メインCPU18は、ucodeの認識処理を続行するか否かを確認する。メインCPU18は、表示画像作成回路20を制御して、モニター21のスルー画像に重畳させて、例えば、「自動ズーム・フォーカス処理を実行しますか?」というメッセージを表示させる制御を行う。この表示を見た撮影者は、ucodeが必要な場合は操作部材22のOKボタン(不図示)を押下操作し、必要でない場合はキャンセルボタン(不図示)を押下操作する。メインCPU18は、撮影者による操作部材22のOKボタンの押下操作がない状態が所定時間以上(例えば、30秒)経過したと判定した場合またはキャンセルボタン(不図示)を押下操作したと判定した場合は、撮影者がucodeを必要としていないと判断し、ステップ10へ進み、ucode認識処理を終了する。
【0018】
メインCPU18は、操作部材22のOKボタンの押下操作がある場合は撮影者がucodeを必要としていると判断し、ステップ6へ進む。ステップ6において、メインCPU18は、レンズ駆動装置24を制御して撮影レンズLをucode部51(図5(a)参照)を拡大させるためのズームアップ駆動を行わさせ、さらにフォーカシングを行わせucode部51に焦点を合わせる。なお、ucode部51を拡大させるズームアップと焦点を合わせる動作の前に、メインCPU18は、撮影レンズLの元の状態、すなわち焦点距離や合焦位置などの元の設定状態をメモリ23に記憶しておく。詳細を後述するが、ステップ9において、メインCPU18は、メモリ23に記憶した元の設定状態を読み出し、レンズ駆動装置24を制御して撮影レンズLを元の設定状態に復帰させる。なお、元の設定状態をメモリ23に記憶せず、後述するステップ9において再度AF、AEを実行するようにしてもよい。
【0019】
ステップ7において、メインCPU18は、表示画像作成回路20を制御して、モニター21のスルー画像に重畳させて「希望するucodeですか?」というメッセージを表示させる。撮影者は、このメッセージおよびモニター21に表示された拡大後の画像を見て、ucodeが希望するucodeである場合は操作部材22のOKボタン(不図示)を押下操作し、希望しないucodeである場合はキャンセルボタン(不図示)を押下操作する。メインCPU18は、撮影者により操作部材22のOKボタンの押下操作がされたと判定した場合はステップ8へ進み、メインCPU18は画処理動作Aを実行する。メインCPU18は、撮影者による操作部材22のOKボタンの押下操作がない状態が所定時間以上(例えば、30秒)経過したと判定した場合またはキャンセルボタン(不図示)を押下操作したと判定した場合は、撮影者がucodeを希望していないと判断し、ステップ10へ進み、メインCPU18は、メモリ23に記憶した元の設定状態を読み出し、レンズ駆動装置24を制御して撮影レンズLを元の設定状態に復帰させた後、ステップ2へ戻る。
【0020】
図6は画処理動作Aの詳細な処理を示すフローチャートである。ステップ32で、メインCPU18は、ASIC16を制御して、図2のステップ6でズームアップされたucode部51の画像に対して、最適な識別条件を満たすように画像内であおり、俯仰、斜め補正などを行わせるとともに、輪郭強調を行わせ、識別線や点を強調表示させる。例えば、図7(a)に示すように画像内にucode部51が斜めに写っている場合には、メインCPU18は、ASIC16により図7(b)に示すように正面から見た画像に補正させる。
【0021】
ステップ33において、メインCPU18は読み取りが可能か否かを判別する。具体的には、図8(a)、(b)に示すように、補正後のucode部51Aの画像が不鮮明でucodeの読み取りができない(例えば、12桁の数値を示すバーコードにおいて、バー形状の示す数字が10桁以上読み取れていない場合に、読み取りができないとする。)、つまりucode情報として認識できない場合にはステップ36へ進み、読み取り動作を継続するか否かを確認する。ここでは、所定回数の読み取り動作を行っても読み取りできない場合には読み取り不可とする。読み取り動作回数が所定回数未満の場合はステップ32へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0022】
一方、所定回数の読み取り認識動作を行っても読み取りできなかった場合にはステップ37へ進み、メインCPU18は、図8(c)に示すようにモニター21のスルー画像上に例えば「ucodeがありますが読み取れません」という警告情報を重畳表示し、画像処理動作Aを終了する。
【0023】
補正したucode部51Aの画像からucodeの読み取りが可能な場合にはステップ34へ進み、メインCPU18は、そのコード情報を読み取り、メモリ23に予め記録されているucodeデータベースを検索して読み取りucodeに対応する情報を読み出す。そして、メインCPU18は表示画像作成回路20を制御して、図9(a)に示すように、モニター21のスルー画像にucodeに対応する情報55(図9(a)の例では「京都府△△町□□□寺 ○○年建立」)とucode56(図9(a)の例ではバーコード)を重畳表示させるとともに、ucode情報55をバッファメモリ19に一時記憶する。なお、メインCPU18は表示画像作成回路20を制御して、図9(b)に示すように、ucodeに対応する情報55のみを重畳表示してもよい。
【0024】
ここでは、メインCPU18によって、読み取ったucodeに対応する情報をデータベースから取得し、この情報を撮像素子11により撮像されたスルー画像に重畳表示する例を示したが、ucodeに対応する情報を撮像素子1により撮像された画像の付加情報として記録媒体30に記録するようにしてもよい。
【0025】
ucode情報を取得した後、図2のステップ9へ進み、メインCPU18は、レンズ駆動装置24を制御してステップ6で予めメモリ23に記憶したズームアップ前の焦点距離や焦点位置などの設定状態まで撮影レンズLを駆動し設定し直し、図3に示すステップ42に移行する。
【0026】
この一実施の形態では、ucode画像の記録方法として3つのA、B、Cパターンを用意し、撮影者が操作部材22によりいずれかのパターンを選択する例を示す。
【0027】
Aパターンでは、ASIC16によりucode画像自体を明確化する処理、すなわち輪郭強調やハイライトなどの部分補正を施したucode部51の画像と被写体を撮影した主画像とを合成し、この合成画像を記録する。一方、Bパターンでは、ucode部51を拡大した副画像と被写体を撮影した主画像とを別個に記録する。Cパターンでは、ucode部51の副画像の記録が不要な場合、すなわち従来の被写体を撮影した主画像のみを記録する。
【0028】
ステップ42において、メインCPU18は、表示画像作成回路20を制御して、モニター21のスルー画像に重畳させて「AかBかCパターンを選択して下さい。」というメッセージを表示させる。撮影者は、このメッセージおよびモニター21に表示されたスルー画像を見て、AパターンまたはBパターンまたはCパターンを指定する操作を行う。
【0029】
ステップ43において、メインCPU18は、撮影者によりAパターンが指定されたと判定した場合はステップ45へ進む。Aパターンが指定されていないと判定した場合はステップ44へ進む。ステップ44において、メインCPU18は、撮影者によりBパターンが指定されたと判定した場合はステップ49へ進む。Bパターンが指定されていないと判定された場合は、Cパターンとみなし、ステップ52に進む。
【0030】
撮影者によりAパターンが指定されたと判定した場合は、ステップ45でメインCPU18は操作部材22のレリーズ操作を確認する。レリーズ操作が有ったと判定された場合には、ステップ46へ進み、レリーズ操作が無い場合は、ステップ45の処理を繰り返す。ステップ46において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づき主要被写体に露出を合わせる処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、主要被写体にピントを合わせた後、撮像素子11により主画像の撮像を行わせる。図10(a)に主画像の一例を示す。
【0031】
続くステップ47において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づきucode部51に露出を合わせる処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、ucode部51にピントを合わせた後、撮像素子11により副画像の撮像を行わせる。ucode部51の副画像を取得する。このとき、メインCPU18は、ucode部51を拡大させるためのズームアップをせず、ステップ46で主要被写体を撮影した画角のままでucode部51の撮像を行う。ステップ48で、メインCPU18は、ASIC16を制御してステップ46で撮像した主画像に対してステップ47で撮像したucode部51の部分画像を合成し、新しい画像を生成して記録媒体30に記録する。
【0032】
一方、撮影者によりBパターンが指定されたと判定した場合は、ステップ49でCPU18は操作部材22のレリーズ操作を確認する。レリーズ操作が有ったと判定された場合には、ステップ50へ進み、レリーズ操作が無い場合は、ステップ49の処理を繰り返す。
【0033】
ステップ50において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づき主要被写体に露出を合わせる露出処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、主要被写体にピントを合わせた後、撮像素子11により図10(a)に示すような主画像の撮像を行わせる。
【0034】
続くステップ51で、メインCPU18は、撮像素子11によりucode部51が所定の大きさになるように、ズームアップさせ、撮像素子11による測光と測光結果に基づきucode部51に露出を合わせる露出処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、ucode部51にピントを合わせた後、副画像(図10(b)参照)を撮像し、主画像と副画像とが別画像となるように記録媒体30に記録する。なお、この際、メインCPU18は、主画像と副画像とを関連付けて記録媒体30に記録させることが好ましい。なお、Bパターンにおける副画像については、ucode部51をズームアップした画像か、またはAパターンの副画像と同様な画像かを、操作部材22により予め選択してカスタム設定することもできる。
【0035】
撮影者によりCパターンが指定されていると判定した場合は、ステップ52でCPU18は操作部材22のレリーズ操作を確認する。レリーズ操作が有ったと判定された場合には、ステップ53へ進み、レリーズ操作が無い場合は、ステップ52の処理を繰り返す。ステップ53において、メインCPU18は、撮像素子11による測光と測光結果に基づき、主要被写体に露出が合うように露出処理を行わせるとともに、レンズ駆動装置24による撮影レンズLの焦点調節を行わせ、主要被写体にピントを合わせた後、撮像素子11により撮像を行わせる。そして、メインCPU18はこの主画像を記録媒体30へ記録する。なお、Cパターンの場合はucode部51の副画像を撮影しない。
【0036】
以上から明らかなように、AおよびBパターンでは、撮影者の1回のレリーズ操作に応じて自動的に少なくとも2回の撮影動作、すなわち主画像と副画像の取得動画がメインCPU18により行われる。
【0037】
A、B、Cのいずれかのパターンで撮像を行った後のステップ54において、メインCPU18は、図6のステップ34でバッファメモリ19に一時記憶したucodeに対応する情報を記録するか否かを確認する。メインCPU18は、撮影者が操作部材22によりucodeに対応する情報の記録を選択したと判定した場合はステップ55へ進み、被写体を撮影した主画像のタグにucodeに対応する情報を記録する。
【0038】
図11(a)は、主画像のExifフォーマットの画像ファイル構成の概念図を示す。この画像ファイルのタグには、図11(b)に示すように、メインCPU18の制御により、主画像に関する各種情報(画素数、機種名、圧縮モード、絞り値、撮影日時、色空間など)とともに、コード情報、すなわちデータベースから取得したucodeに対応する情報が記録される。
【0039】
上述した一実施の形態では、バーコードやQRコードなどのucodeを例に挙げて説明したが、これら以外の一般的に用いられるあらゆる符号に対しても本願発明を適用することができる。
【0040】
なお、上述した実施の形態とそれらの変形例において、実施の形態どうし、または実施の形態と変形例とのあらゆる組み合わせが可能である。
【0041】
上述した実施の形態とその変形例によれば以下のような作用効果を奏することができる。まず、撮像画面内にucodeが含まれるか否かを判定し、ucodeが含まれると判定された場合に、被写体の画像とucodeを含む領域の画像とを記録するようにしたので、被写体に関するucodeを簡便に取得することができ、ucodeから被写体に関する情報を検索することができる。
【0042】
また、一実施の形態とその変形例では、ucodeを含む領域の画像を補正処理し、この補正処理後のucodeを含む領域の画像を記録するようにしたので、被写体に関するucodeを確実に取得することができる。
【0043】
一実施の形態とその変形例によれば、撮像された被写体の画像と補正処理後のucodeを含む領域の画像とを合成して記録するようにしたので、被写体の画像の中に被写体に関するucodeを鮮明に記録することができ、被写体の画像とは別にucodeを含む領域の画像を記録する煩わしさを解消できる。
【0044】
一実施の形態とその変形例によれば、撮像画面内にucodeが含まれると判定された場合にucodeを含む領域の拡大像を撮像し、被写体の画像とucodeを含む領域の拡大像とを記録するようにしたので、ucodeを容易に認識できる。
【0045】
一実施の形態とその変形例によれば、ucodeに対応する情報を取得し、撮像された被写体の画像の付加情報として記録するようにしたので、被写体の画像を再生する際に被写体に関する情報を認識させることができる。
【0046】
一実施の形態とその変形例によれば、ucodeに対応する情報を被写体の画像に重畳するようにしたので、被写体の画像とその被写体に関する情報とを同時に認識させることができる。
【符号の説明】
【0047】
11;撮像素子、18;メインCPU、21;モニター、24;レンズ駆動装置、30;記録媒体、L;撮影レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系を介して被写界を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された被写界に符号が含まれるか否かを判定する符号判定部と、
前記符号判定部により前記被写界に符号が含まれると判定された場合に、前記撮像部により撮像された被写界と前記符号を含む領域の画像とを記録媒体へ記録させる記録制御部とを備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記符号を含む領域の画像を補正処理する補正部を備え、
前記記録制御部は、前記補正部による補正処理後の前記符号を含む領域の画像を記録媒体へ記録させることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項2に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記撮像部により撮像された被写界と、前記補正部による補正処理後の前記符号を含む領域の画像とを合成する合成部を備え、
前記記録制御部は、前記合成部による合成後の画像を記録することを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記符号判定部により前記被写界に符号が含まれると判定された場合に、前記符号を含む領域の拡大像を撮像させる撮像制御部を備え、
前記記録制御部は、前記被写界と、前記符号を含む領域の拡大像の画像とを記録媒体へ記録させることを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記符号に対応する情報を取得する取得部を備え、
前記記録制御部は、前記取得部により取得された前記符号に対応する情報を、前記撮像部により撮像された被写界の画像の付加情報として記録媒体へ記録させることを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記記録制御部は、前記取得手段により取得された前記符号に対応する情報を、前記撮像部により撮像された被写界の画像に重畳させる重畳処理部を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項1】
撮影光学系を介して被写界を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された被写界に符号が含まれるか否かを判定する符号判定部と、
前記符号判定部により前記被写界に符号が含まれると判定された場合に、前記撮像部により撮像された被写界と前記符号を含む領域の画像とを記録媒体へ記録させる記録制御部とを備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記符号を含む領域の画像を補正処理する補正部を備え、
前記記録制御部は、前記補正部による補正処理後の前記符号を含む領域の画像を記録媒体へ記録させることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項2に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記撮像部により撮像された被写界と、前記補正部による補正処理後の前記符号を含む領域の画像とを合成する合成部を備え、
前記記録制御部は、前記合成部による合成後の画像を記録することを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記符号判定部により前記被写界に符号が含まれると判定された場合に、前記符号を含む領域の拡大像を撮像させる撮像制御部を備え、
前記記録制御部は、前記被写界と、前記符号を含む領域の拡大像の画像とを記録媒体へ記録させることを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記符号に対応する情報を取得する取得部を備え、
前記記録制御部は、前記取得部により取得された前記符号に対応する情報を、前記撮像部により撮像された被写界の画像の付加情報として記録媒体へ記録させることを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
さらに、前記記録制御部は、前記取得手段により取得された前記符号に対応する情報を、前記撮像部により撮像された被写界の画像に重畳させる重畳処理部を備えることを特徴とする電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−74833(P2012−74833A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216987(P2010−216987)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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