電子カメラ
【構成】CPU26は、イメージセンサ16から出力された画像を記録操作に応答して記録し、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録された画像に割り当てる。CPU26はまた、撮像位置が共通する一部の画像を記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行し、抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける。CPU26は、抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する。
【効果】再生画像選択時の操作性の向上。
【効果】再生画像選択時の操作性の向上。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に、撮像位置が共通した複数の画像を関連付けて再生する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、撮像手段によって、光学像が電気信号に変換される。少なくとも2画面分の記憶容量を具備した第1の画像メモリ手段に、当該撮像手段による撮影画像が順次記憶される。第2の画像メモリ手段には、合成処理後の画像が記憶される。演算制御手段によって、当該第1の画像メモリ手段に記憶される画像間の演算により時間的に遅い入力画像から新規な画像部分が検出され、当該第2の画像メモリ手段に格納される。合成処理により当該第2の画像メモリ手段上で完成した画像が、当該記録媒体に順次記録される。このようにして、一連の撮影画像が合成処理され、超ワイド画を夫々部分的に構成する複数の静止画が形成され、記録媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−121226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、複数の画像に対して合成処理が施された上で記録されるので、関連付けて再生できる複数の画像は、合成処理が施された複数の画像に限られる。したがって、画像再生時の操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像再生時における操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録手段(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録手段によって記録された画像に割り当てる割り当て手段(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録手段によって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出手段(S111, S119, S127)、抽出手段の抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付け手段(S129)、および抽出手段によって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生手段(S131~S137)を備える。
【0007】
好ましくは、撮像方向の変化を継続的に検出する検出手段(S71~S75)、および記録手段によって記録された画像が既定条件を満足する基準画像に相当するとき割り当て手段の処理を停止して検出手段を起動する起動手段(S81~S87, S95, S99)をさらに備え、割り当て手段は検出手段の検出結果を参照して割り当て処理を実行する。
【0008】
さらに好ましくは、既定条件は、記録手段によって前回記録された画像の撮像位置からの距離が第1基準を上回るという距離条件、および記録手段によって前回記録された画像の撮像時刻からの時刻が第2基準を上回るという時間条件の少なくとも一方を含む。
【0009】
好ましくは、抽出手段によって抽出される一部の画像は基準画像から始まる画像群に相当し、再生操作に応答して画像群に属するいずれか1つの画像を初期的に再生する画像再生手段(S113)をさらに備える。
【0010】
さらに好ましくは、抽出手段によって抽出された一部の画像に割り当てられた撮像方向を現時点のカメラ筐体の姿勢を基準とする方向に変換する変換手段(S123)をさらに備え、再生手段は変換手段によって変換された方向を参照して再生処理を実行する。
【0011】
この発明に従う画像処理プログラムは、撮像手段(16)を備える電子カメラのプロセッサ(26)に、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を実行させるための、画像処理プログラムである。
【0012】
この発明に従う画像処理方法は、撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される画像処理方法であって、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を備える。
【0013】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像手段(16)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像手段(16)、外部制御プログラムを受信する受信手段(50)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0015】
記録操作を受け付けた時点の撮像方向が、記録された画像に割り当てられる。記録された複数の画像の中から撮像位置が共通する一部の画像が、再生操作に応答して抽出される。抽出された一部の画像のうち、抽出処理に関連して受け付けられた方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向を割り当てられた画像が、再生される。
【0016】
このように、画像に割り当てられた撮像方向と方向指定操作との組み合わせによって再生画像が決定される。したがって、通常の選択操作よりも簡易な操作で再生画像を決定することができ、再生画像選択時の操作性が向上する。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】撮像タスクおよび現在位置管理タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例において記録される複数のシーンの一例を示す図解図である。
【図5】撮像タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図6】撮像タスクおよび方向管理タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例によって作成されるExifタグの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例によって用いられる記録媒体の記録状態を示す図解図である。
【図9】再生タスクにおいて参照されるテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図10】再生タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図19】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。記録手段1は、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する。割り当て手段2は、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録手段1によって記録された画像に割り当てる。抽出手段3は、撮像位置が共通する一部の画像を記録手段1によって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する。受け付け手段4は、抽出手段3の抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける。再生手段5は、抽出手段3によって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する。
【0021】
記録操作を受け付けた時点の撮像方向が、記録された画像に割り当てられる。記録された複数の画像の中から撮像位置が共通する一部の画像が、再生操作に応答して抽出される。抽出された一部の画像のうち、抽出処理に関連して受け付けられた方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向を割り当てられた画像が、再生される。
【0022】
このように、画像に割り当てられた撮像方向と方向指定操作との組み合わせによって再生画像が決定される。したがって、通常の選択操作よりも簡易な操作で再生画像を決定することができ、再生画像選択時の操作性が向上する。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18によって駆動されるフォーカスレンズ12を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、イメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0024】
システム全体が起動されるとメインCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクを起動する一方、再生モードに対応して再生タスクを起動する。
【0025】
撮像タスクが起動されるとメインCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18に露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18は、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0027】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU26にも与えられる。CPU26は、与えられたYデータに簡易AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18に設定され、これによって動画像の明るさが適度に調整される。
【0028】
撮像タスクと並列して実行される現在位置管理タスクの下で、CPU26は、GPS装置46に向けて測定命令を繰り返し発行する。測定命令を受けたGPS装置46は、上空にある複数のGPS衛星から送信された信号を参照して現在位置を測定し、測定結果をCPU26に返送する。CPU26は、返送された測定結果に基づいて、ディジタルカメラ10の現在位置を示す緯度および経度を取得する。取得された緯度および経度は、図3に示す現在位置レジスタRGSTpに登録される。
【0029】
CPU26は、測定命令を発行すると、タイマ26t1のリセット&スタートを実行する。タイマ値は例えば90秒とする。タイマ26t1にタイムアウトが発生すると、CPU26は次の測定命令を発行する。つまり、測定命令は90秒毎に発行される。
【0030】
CPU26はまた、現在位置管理タスクの下で、返送された測定結果からディジタルカメラ10の現在位置が取得できなかったとき、つまり現在位置の測定に失敗した場合は、現在位置レジスタRGSTpの登録内容をクリアする。
【0031】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、信号処理回路20からの出力に基づく厳格AE処理を実行する。CPU26は、与えられたYデータに厳格AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18に設定され、これによって動画像の明るさが厳密に調整される。
【0032】
厳格AE処理が完了すると、CPU26は、信号処理回路20から与えられたYデータのうちシーン中央に属する高周波成分にAF処理を施す。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0033】
AF処理の完了後にシャッタボタン28shが全押しされると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0034】
このようにして記録された2以上の画像ファイルのうち同一位置で連続して撮影された複数の画像ファイルを用いて、CPU26は、グループを作成する。図4を参照して、同一位置で角度を変えながら、図4に示すシーンSC1〜SC6を人物HMがディジタルカメラ10を用いて連続して記録した場合、シーンSC1〜SC6がそれぞれ記録された複数の画像ファイルは、同一グループを構成する。
【0035】
以下、1つのグループを構成する複数の画像ファイルのうち最初に記録された画像ファイルを、“先頭画像ファイル”と称する。先頭画像ファイルとして、例えば、電源投入後最初に記録された画像ファイルや、撮影位置の変更後に最初に記録された画像ファイルなどが想定される。また、1つのグループを構成する複数の画像ファイルのうち先頭画像ファイル以外の画像ファイルを、“グループ画像ファイル”と称する。
【0036】
CPU26は、新たに記録される画像ファイルが先頭画像ファイルおよびグループ画像ファイルのどちらに該当するかを、以下の要領で判別する。
【0037】
現在位置レジスタRGSTpに登録された緯度および経度は、先頭画像ファイルの記録に応答して、図5に示す中心位置レジスタRGSTcにコピーされる。したがって、中心位置レジスタRGSTcの登録内容は、先頭画像ファイルの撮影位置を示す。
【0038】
また、先頭画像ファイルの記録に従って起動される方向管理タスクの下で、CPU26は、ジャイロセンサ48の出力に基づいて、撮像方向つまりディジタルカメラ10の傾きを管理する。ジャイロセンサ48は、ディジタルカメラ10に動きが発生したか否かを検知し、動きの発生が検知されると検知された動きを表す動きベクトルを出力する。
【0039】
ジャイロセンサ48から出力された動きベクトルは、CPU26によって取り込まれる。CPU26は、取り込まれた動きベクトルに基づいてディジタルカメラ10の水平方向および垂直方向の各々の傾きの変化量を算出し、算出された傾きの変化量は図6に示す方向管理レジスタRGSTdに累積される。
【0040】
方向管理タスクは、新たな先頭画像ファイルが記録される毎に停止および起動され、方向管理レジスタRGSTdの登録内容は、その都度クリアされる。したがって、方向管理レジスタRGSTdの登録内容は、先頭画像ファイルの撮影時の撮像方向を基準とした相対的な方向を示す。
【0041】
CPU26はまた、シャッタボタン28shが全押しされる毎に、タイマ26t2のリセット&スタートを実行する。タイマ値は例えば90秒とする。
【0042】
先頭画像ファイルの記録後のシャッタボタン28shの全押しに従って、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が中心位置レジスタRGSTcに登録された位置と比較される。比較の結果、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が中心位置レジスタRGSTcに登録された位置を中心とした半径30mの範囲内であった場合は、新たに記録される画像ファイルが直前に記録された画像ファイルと同一位置で連続して撮影されたものとみなされる。つまり、新たに記録される画像ファイルは、直前に記録された画像ファイルと同一グループのグループ画像ファイルであると判別される。
【0043】
一方、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が半径30mの範囲外であった場合は、新たに記録される画像ファイルは、グループ画像ファイルとみなされず、新たなグループの先頭画像ファイルと判別される。
【0044】
現在位置レジスタRGSTpおよび中心位置レジスタRGSTcの少なくとも一方の登録内容が空であった場合、つまり、電源投入後最初にシャッタボタン28shが全押しされた場合または現在位置の取得に失敗した場合は、位置の比較ができない。この場合、タイマ26t2にタイムアウトが発生したか否かを判別する。タイムアウトが発生していないとき、新たに記録される画像ファイルは、直前に記録された画像ファイルと同一グループのグループ画像ファイルであると判別される。
【0045】
タイマ26t2にタイムアウトが発生した場合、つまり直前のシャッタボタン28shの全押しから既定時間が経過した場合は、新たに記録される画像ファイルが直前に記録された画像ファイルと同一位置で連続して撮影されたものとはみなされない。また、タイマ26t2が動作していない場合、つまり電源投入後最初にシャッタボタン28shが全押しされた場合も同様である。これらの場合は、新たに記録される画像ファイルは、新たなグループの先頭画像ファイルと判別される。
【0046】
新たに記録される画像ファイルが直前に記録された画像ファイルと同一グループのグループ画像ファイルであると判別された場合、CPU26は、方向管理レジスタRGSTdを参照して、現在の撮像方向を取得する。
【0047】
CPU26は次に、記録媒体42を参照してグループ名を取得する。グループ名には、例えば先頭画像ファイルのファイル名が用いられる。
【0048】
このようにして得た方向およびグループ名を用いて、CPU26は、グループ画像ファイルのヘッダを作成する。傾きおよびグループ名は、ヘッダ内におけるExifタグのメーカーノートに図7に示す要領で記述される。このようにして作成されたヘッダを用いて、CPU26は、上述の記録処理を実行する。
【0049】
図8を参照して、図4に示すシーンSC1〜SC6がそれぞれ記録された6つの画像ファイルは、例えばファイル名をそれぞれABCD0003.JPG〜ABCD0008.JPGとして記録媒体42に格納される。したがって、ABCD0003.JPG〜ABCD0008.JPGの6つの画像ファイルがグループGR1を構成する。また、ABCD0003.JPGはグループGR1の先頭画像ファイルであり、ABCD0004.JPG〜ABCD0008.JPGの各々はグループGR1のグループ画像ファイルである。
【0050】
再生タスクが起動されるとCPU26は、記録媒体42に記録された最新の画像ファイルを選択する。CPU26は、選択画像ファイルの画像データをI/F40を通して記録媒体42から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。CPU26はまた、選択画像ファイルの再生処理の実行をLCDドライバ36に命令する。
【0051】
LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、静止画像がLCDモニタ38に表示される。
【0052】
キー入力装置28によって更新操作が行われると、CPU26は、後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルを選択する。選択画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ38の表示が更新される。
【0053】
CPU26はまた、選択画像ファイルと同一のグループを構成する他の画像ファイルを、画像ファイルが選択される毎に記録媒体42において探索する。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述があれば、そのグループ名がExifタグに記載された画像ファイルおよびそのグループ名が示す先頭画像ファイルが、探索される。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述がなければ、選択画像ファイルのファイル名がグループ名としてExifタグに記載された画像ファイルが、探索される。
【0054】
同一のグループを構成する1または2以上の他の画像ファイルが発見された場合、CPU26は、発見された各々の画像ファイルのExifタグに記載された方向を、選択画像ファイルのExifタグに記載された方向を基準とした相対的な方向に変換する。CPU26はまた、変換後の方向を用いて撮影方向テーブルTBLを作成する。
【0055】
図9を参照して、撮影方向テーブルTBLは、ファイル名を記述するカラムと変換後の方向を記述するカラムとによって形成される。記録媒体42が図8に示す記録状態のときに画像ファイルABCD0008.JPGが選択された場合は、グループGR1を構成する画像ファイルABCD0003.JPG〜ABCD0007.JPGが発見される。この結果、図9に示す撮影方向テーブルTBLが作成される。
【0056】
操作者は、選択画像ファイルの再生中に、ディジタルカメラ10を傾けることにより方向を指定することができる。選択画像ファイルの再生中にディジタルカメラ10が傾けられたとき、ジャイロセンサ48から出力された傾きに基づいた動きベクトルは、再生タスクの下でCPU26によって取り込まれる。CPU26は、取り込まれた動きベクトルに基づいてディジタルカメラ10の水平方向および垂直方向の各々の傾きの変化量を算出する。
【0057】
算出された傾きの変化量は、方向指定操作が行われる毎に図10に示す指定方向レジスタRGSTsに累積される。また、指定方向レジスタRGSTsの登録内容は、キー入力装置28によって更新操作が行われる毎にクリアされる。したがって、指定方向レジスタRGSTsの登録内容は、選択画像ファイルに記載された方向を基準として最新の方向指定操作によって指定された相対的な方向を示す。
【0058】
CPU26は次に、撮影方向テーブルTBLを読み出して、指定方向レジスタRGSTsに登録された指定方向に近似する方向が記述されたレコードを、抽出する。近似する方向には、例えば指定方向の周囲20度の範囲内を示す方向が含まれる。複数のレコードが発見された場合は、最も指定方向に近い方向を示すレコードが抽出される。
【0059】
抽出されたレコードにファイル名が記述された画像ファイルは、上述と同様の再生処理を施される。この結果、LCDモニタ38の表示が更新される。
【0060】
続いて方向指定操作が行われると、指定方向レジスタRGSTsが更新され、撮影方向テーブルTBLにおいて最も指定方向に近い方向を示す画像ファイルが再生される。また、キー入力装置28によって更新操作が行われると、選択画像ファイルの後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルが再生される。
【0061】
CPU26は、図11に示すメインタスク,図12〜13に示す撮像タスク,図14に示す現在位置管理タスク,図15に示す方向管理タスク,および図17〜図18に示す再生タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0062】
図11を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。ステップS1でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で再生タスクを起動する。ステップS1およびS3のいずれもNOであればステップS9でその他の処理を実行する。ステップS5,S7またはS9の処理が完了すると、モード切り換え操作が行われたか否かをステップS11で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS13で停止し、その後にステップS1に戻る。
【0063】
図12を参照して、ステップS21では現在位置管理タスクを起動し、ステップS23では中心位置レジスタRGSTcの登録内容をクリアする。ステップS25では動画取り込み処理を実行する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。
【0064】
ステップS27では、シャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS29で簡易AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、簡易AE処理によって適度に調整される。
【0065】
ステップS27の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS31で厳格AE処理を実行する。この結果、動画像の明るさが厳密に調整される。ステップS33ではAF処理を施す。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0066】
ステップS35ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS37でシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS37の判別結果がNOであればステップS35に戻り、ステップS37の判別結果がYESであればステップS27に戻る。
【0067】
ステップS35の判別結果がYESであればステップS39で静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点のシーンを表す1フレームの画像データがSDRAM32に取り込まれる。
【0068】
ステップS41ではヘッダ作成処理を実行し、ステップS41で作成されたヘッダを用いて記録処理をステップS43で実行する。この結果、取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。ステップS43の処理が完了すると、ステップS27に戻る。
【0069】
図14を参照して、ステップS51では現在位置レジスタRGSTpの登録内容をクリアし、ステップS53ではGPS装置46に向けて現在位置の測定命令を発行する。ステップS55ではタイマ26t1のリセット&スタートを実行し、ステップS57ではタイマ26t1にタイムアウトが発生したか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS53に戻り、判別結果がNOであればステップS59に進む。
【0070】
ステップS59では現在位置の測定結果が取得されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS57に戻り、判別結果がYESであればステップS61で現在位置の測定に成功したか否かを判別する。ステップS61の判別結果がYESであればステップS63に進み、ステップS61の判別結果がNOであればステップS65に進む。
【0071】
ステップS63では現在位置レジスタRGSTpの登録内容を更新し、ステップS65では現在位置レジスタRGSTpの登録内容をクリアする。ステップS63またはステップS65の処理が完了すると、ステップS57に戻る。
【0072】
図15を参照して、ステップS71では方向管理レジスタRGSTdの登録内容をクリアし、ステップS73ではジャイロセンサ48の出力に基づいて動きベクトルが発生したか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS75で動きベクトルに基づいた傾きの変化量が方向管理レジスタRGSTdに累積される。ステップS75の処理が完了するとステップS73に戻る。
【0073】
ステップS41のヘッダ作成処理は図16に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS81では、現在位置レジスタRGSTpの登録内容および中心位置レジスタRGSTcの登録内容を参照して、位置の比較が可能か否かを判別する。少なくとも一方の登録内容が空であれば判別結果がNOとされてステップS85に進む。両方のレジスタに位置が登録されていれば判別結果がYESとされてステップS83に進む。
【0074】
ステップS83では、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が中心位置レジスタRGSTcに登録された位置を中心とした半径30mの範囲内であるか否かを、判別する。判別結果がNOであればステップS95に進み、判別結果がYESであればステップS89に進む。
【0075】
ステップS85では、タイマ26t2が動作中であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS95に進み、判別結果がYESであればステップS87でタイマ26t2にタイムアウトが発生したか否かを判別する。ステップS87の判別結果がYESであればステップS95に進み、ステップS87の判別結果がNOであればステップS89に進む。
【0076】
ステップS89では、方向管理レジスタRGSTdを参照して、現在の撮像方向を取得する。ステップS91では、記録媒体42を参照してグループ名を取得する。グループ名には、例えば先頭画像ファイルのファイル名が用いられる。
【0077】
ステップS93では、ステップS89で取得した方向およびステップS91で取得したグループ名の各々をヘッダ内におけるExifタグのメーカーノートに記述して、画像ファイル用のヘッダを作成する。
【0078】
ステップS95では方向管理タスクを停止し、ステップS97では通常の画像ファイル用のヘッダを作成する。ステップS99では方向管理タスクを起動し、ステップS101では現在位置レジスタRGSTpに登録された緯度および経度をコピーして、中心位置レジスタRGSTcを更新する。
【0079】
ステップS93またはステップS101の処理が完了すると、ステップS103でタイマ26t2のリセット&スタートを実行し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0080】
図17を参照して、ステップS111では変数Pに最新の画像ファイルを示す番号を設定し、ステップS113では記録媒体42に記録されているP番目のフレームの画像ファイルを再生する。
【0081】
ステップS115では撮影方向テーブルTBLの記述をクリアし、ステップS117では指定方向レジスタRGSTsの登録内容をクリアする。
【0082】
ステップS119では、P番目のフレームの画像ファイルと同一のグループを構成する他の画像ファイルを記録媒体42において探索する。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述があれば、そのグループ名がExifタグに記載された画像ファイルおよびそのグループ名が示す先頭画像ファイルを探索する。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述がなければ、選択画像ファイルのファイル名がグループ名としてExifタグに記載された画像ファイルを探索する。
【0083】
ステップS121では、P番目のフレームの画像ファイルと同一のグループを構成する他の画像ファイルが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS125に進み、判別結果がYESであればステップS123の処理を経てステップS125に進む。
【0084】
ステップS123では、発見された画像ファイルのExifタグに記載された方向を、P番目のフレームの画像ファイルのExifタグに記載された方向を基準とした相対的な方向に変換して、撮影方向テーブルTBLを作成する。
【0085】
ステップS125では操作者による再生ファイルを更新する操作があったか否かを判別し、判別結果がYESであれば、ステップS127で変数Pをインクリメントまたはデクリメントして、ステップS113に戻る。判別結果がNOであれば、ステップS129に進む。
【0086】
ステップS129ではディジタルカメラ10を傾けることによる方向指定操作があったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS125に戻り、判別結果がYESであればステップS131に進む。
【0087】
ステップS131では、方向指定操作による水平方向および垂直方向の各々の傾きの変化量を累積して、指定方向レジスタRGSTsの登録内容を更新する。ステップS133では、撮影方向テーブルTBLを読み出して、指定方向レジスタRGSTsに登録された指定方向に近似する方向を示すレコードを探索する。
【0088】
ステップS135では、指定方向に近似する方向に対応したレコードがあったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS125に戻り、判別結果がYESであれば発見されたレコードにファイル名が記述された画像ファイルをステップS137で再生する。ステップS137の処理の完了後にステップS125に戻る。
【0089】
以上の説明から分かるように、CPU26は、イメージセンサ16から出力された画像を記録操作に応答して記録し、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録された画像に割り当てる。CPU26はまた、撮像位置が共通する一部の画像を記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行し、抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける。CPU26は、抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する。
【0090】
記録操作を受け付けた時点の撮像方向が、記録された画像に割り当てられる。記録された複数の画像の中から撮像位置が共通する一部の画像が、再生操作に応答して抽出される。抽出された一部の画像のうち、抽出処理に関連して受け付けられた方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向を割り当てられた画像が、再生される。
【0091】
このように、画像に割り当てられた撮像方向と方向指定操作との組み合わせによって再生画像が決定される。したがって、通常の選択操作よりも簡易な操作で再生画像を決定することができ、再生画像選択時の操作性が向上する。
【0092】
なお、この実施例では、ジャイロセンサ48の出力に基づいて撮像方向を算出するようにした。しかし、信号処理回路20から出力されたYデータに基づいて撮像方向を算出するようにしてもよいし、2つの算出方法を併用するようにしてもよい。
【0093】
また、この実施例では、画像再生時に操作者がディジタルカメラ10を傾けることによって方向指定操作を行うようにした。しかし、キー入力装置28によって方向指定操作を行うようにしてもよい。
【0094】
また、この実施例では、画像の記録時にグループを作成するようにした。しかし、画像ファイルのヘッダに撮像位置を記録するようにし、画像の再生時にグループを作成するようにしてもよい。
【0095】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F50を図19に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0096】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図11〜図18に示すメインタスク,撮像タスク,現在位置管理タスク,方向管理タスク,および再生タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0097】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ,携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージセンサ
26 …CPU
32 …SDRAM
38 …LCDモニタ
42 …記録媒体
46 …GPS装置
48 …ジャイロセンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に、撮像位置が共通した複数の画像を関連付けて再生する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、撮像手段によって、光学像が電気信号に変換される。少なくとも2画面分の記憶容量を具備した第1の画像メモリ手段に、当該撮像手段による撮影画像が順次記憶される。第2の画像メモリ手段には、合成処理後の画像が記憶される。演算制御手段によって、当該第1の画像メモリ手段に記憶される画像間の演算により時間的に遅い入力画像から新規な画像部分が検出され、当該第2の画像メモリ手段に格納される。合成処理により当該第2の画像メモリ手段上で完成した画像が、当該記録媒体に順次記録される。このようにして、一連の撮影画像が合成処理され、超ワイド画を夫々部分的に構成する複数の静止画が形成され、記録媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−121226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、複数の画像に対して合成処理が施された上で記録されるので、関連付けて再生できる複数の画像は、合成処理が施された複数の画像に限られる。したがって、画像再生時の操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像再生時における操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像手段(16)から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録手段(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録手段によって記録された画像に割り当てる割り当て手段(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録手段によって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出手段(S111, S119, S127)、抽出手段の抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付け手段(S129)、および抽出手段によって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生手段(S131~S137)を備える。
【0007】
好ましくは、撮像方向の変化を継続的に検出する検出手段(S71~S75)、および記録手段によって記録された画像が既定条件を満足する基準画像に相当するとき割り当て手段の処理を停止して検出手段を起動する起動手段(S81~S87, S95, S99)をさらに備え、割り当て手段は検出手段の検出結果を参照して割り当て処理を実行する。
【0008】
さらに好ましくは、既定条件は、記録手段によって前回記録された画像の撮像位置からの距離が第1基準を上回るという距離条件、および記録手段によって前回記録された画像の撮像時刻からの時刻が第2基準を上回るという時間条件の少なくとも一方を含む。
【0009】
好ましくは、抽出手段によって抽出される一部の画像は基準画像から始まる画像群に相当し、再生操作に応答して画像群に属するいずれか1つの画像を初期的に再生する画像再生手段(S113)をさらに備える。
【0010】
さらに好ましくは、抽出手段によって抽出された一部の画像に割り当てられた撮像方向を現時点のカメラ筐体の姿勢を基準とする方向に変換する変換手段(S123)をさらに備え、再生手段は変換手段によって変換された方向を参照して再生処理を実行する。
【0011】
この発明に従う画像処理プログラムは、撮像手段(16)を備える電子カメラのプロセッサ(26)に、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を実行させるための、画像処理プログラムである。
【0012】
この発明に従う画像処理方法は、撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)によって実行される画像処理方法であって、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を備える。
【0013】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像手段(16)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像手段(16)、外部制御プログラムを受信する受信手段(50)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ(S43)、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ(S89)、撮像位置が共通する一部の画像を記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ(S111, S119, S127)、抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ(S129)、および抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップ(S131~S137)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0015】
記録操作を受け付けた時点の撮像方向が、記録された画像に割り当てられる。記録された複数の画像の中から撮像位置が共通する一部の画像が、再生操作に応答して抽出される。抽出された一部の画像のうち、抽出処理に関連して受け付けられた方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向を割り当てられた画像が、再生される。
【0016】
このように、画像に割り当てられた撮像方向と方向指定操作との組み合わせによって再生画像が決定される。したがって、通常の選択操作よりも簡易な操作で再生画像を決定することができ、再生画像選択時の操作性が向上する。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】撮像タスクおよび現在位置管理タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例において記録される複数のシーンの一例を示す図解図である。
【図5】撮像タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図6】撮像タスクおよび方向管理タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例によって作成されるExifタグの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例によって用いられる記録媒体の記録状態を示す図解図である。
【図9】再生タスクにおいて参照されるテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図10】再生タスクにおいて参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図19】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。記録手段1は、撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する。割り当て手段2は、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録手段1によって記録された画像に割り当てる。抽出手段3は、撮像位置が共通する一部の画像を記録手段1によって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する。受け付け手段4は、抽出手段3の抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける。再生手段5は、抽出手段3によって抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する。
【0021】
記録操作を受け付けた時点の撮像方向が、記録された画像に割り当てられる。記録された複数の画像の中から撮像位置が共通する一部の画像が、再生操作に応答して抽出される。抽出された一部の画像のうち、抽出処理に関連して受け付けられた方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向を割り当てられた画像が、再生される。
【0022】
このように、画像に割り当てられた撮像方向と方向指定操作との組み合わせによって再生画像が決定される。したがって、通常の選択操作よりも簡易な操作で再生画像を決定することができ、再生画像選択時の操作性が向上する。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18によって駆動されるフォーカスレンズ12を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、イメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0024】
システム全体が起動されるとメインCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクを起動する一方、再生モードに対応して再生タスクを起動する。
【0025】
撮像タスクが起動されるとメインCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18に露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18は、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0027】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU26にも与えられる。CPU26は、与えられたYデータに簡易AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18に設定され、これによって動画像の明るさが適度に調整される。
【0028】
撮像タスクと並列して実行される現在位置管理タスクの下で、CPU26は、GPS装置46に向けて測定命令を繰り返し発行する。測定命令を受けたGPS装置46は、上空にある複数のGPS衛星から送信された信号を参照して現在位置を測定し、測定結果をCPU26に返送する。CPU26は、返送された測定結果に基づいて、ディジタルカメラ10の現在位置を示す緯度および経度を取得する。取得された緯度および経度は、図3に示す現在位置レジスタRGSTpに登録される。
【0029】
CPU26は、測定命令を発行すると、タイマ26t1のリセット&スタートを実行する。タイマ値は例えば90秒とする。タイマ26t1にタイムアウトが発生すると、CPU26は次の測定命令を発行する。つまり、測定命令は90秒毎に発行される。
【0030】
CPU26はまた、現在位置管理タスクの下で、返送された測定結果からディジタルカメラ10の現在位置が取得できなかったとき、つまり現在位置の測定に失敗した場合は、現在位置レジスタRGSTpの登録内容をクリアする。
【0031】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、信号処理回路20からの出力に基づく厳格AE処理を実行する。CPU26は、与えられたYデータに厳格AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18に設定され、これによって動画像の明るさが厳密に調整される。
【0032】
厳格AE処理が完了すると、CPU26は、信号処理回路20から与えられたYデータのうちシーン中央に属する高周波成分にAF処理を施す。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0033】
AF処理の完了後にシャッタボタン28shが全押しされると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0034】
このようにして記録された2以上の画像ファイルのうち同一位置で連続して撮影された複数の画像ファイルを用いて、CPU26は、グループを作成する。図4を参照して、同一位置で角度を変えながら、図4に示すシーンSC1〜SC6を人物HMがディジタルカメラ10を用いて連続して記録した場合、シーンSC1〜SC6がそれぞれ記録された複数の画像ファイルは、同一グループを構成する。
【0035】
以下、1つのグループを構成する複数の画像ファイルのうち最初に記録された画像ファイルを、“先頭画像ファイル”と称する。先頭画像ファイルとして、例えば、電源投入後最初に記録された画像ファイルや、撮影位置の変更後に最初に記録された画像ファイルなどが想定される。また、1つのグループを構成する複数の画像ファイルのうち先頭画像ファイル以外の画像ファイルを、“グループ画像ファイル”と称する。
【0036】
CPU26は、新たに記録される画像ファイルが先頭画像ファイルおよびグループ画像ファイルのどちらに該当するかを、以下の要領で判別する。
【0037】
現在位置レジスタRGSTpに登録された緯度および経度は、先頭画像ファイルの記録に応答して、図5に示す中心位置レジスタRGSTcにコピーされる。したがって、中心位置レジスタRGSTcの登録内容は、先頭画像ファイルの撮影位置を示す。
【0038】
また、先頭画像ファイルの記録に従って起動される方向管理タスクの下で、CPU26は、ジャイロセンサ48の出力に基づいて、撮像方向つまりディジタルカメラ10の傾きを管理する。ジャイロセンサ48は、ディジタルカメラ10に動きが発生したか否かを検知し、動きの発生が検知されると検知された動きを表す動きベクトルを出力する。
【0039】
ジャイロセンサ48から出力された動きベクトルは、CPU26によって取り込まれる。CPU26は、取り込まれた動きベクトルに基づいてディジタルカメラ10の水平方向および垂直方向の各々の傾きの変化量を算出し、算出された傾きの変化量は図6に示す方向管理レジスタRGSTdに累積される。
【0040】
方向管理タスクは、新たな先頭画像ファイルが記録される毎に停止および起動され、方向管理レジスタRGSTdの登録内容は、その都度クリアされる。したがって、方向管理レジスタRGSTdの登録内容は、先頭画像ファイルの撮影時の撮像方向を基準とした相対的な方向を示す。
【0041】
CPU26はまた、シャッタボタン28shが全押しされる毎に、タイマ26t2のリセット&スタートを実行する。タイマ値は例えば90秒とする。
【0042】
先頭画像ファイルの記録後のシャッタボタン28shの全押しに従って、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が中心位置レジスタRGSTcに登録された位置と比較される。比較の結果、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が中心位置レジスタRGSTcに登録された位置を中心とした半径30mの範囲内であった場合は、新たに記録される画像ファイルが直前に記録された画像ファイルと同一位置で連続して撮影されたものとみなされる。つまり、新たに記録される画像ファイルは、直前に記録された画像ファイルと同一グループのグループ画像ファイルであると判別される。
【0043】
一方、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が半径30mの範囲外であった場合は、新たに記録される画像ファイルは、グループ画像ファイルとみなされず、新たなグループの先頭画像ファイルと判別される。
【0044】
現在位置レジスタRGSTpおよび中心位置レジスタRGSTcの少なくとも一方の登録内容が空であった場合、つまり、電源投入後最初にシャッタボタン28shが全押しされた場合または現在位置の取得に失敗した場合は、位置の比較ができない。この場合、タイマ26t2にタイムアウトが発生したか否かを判別する。タイムアウトが発生していないとき、新たに記録される画像ファイルは、直前に記録された画像ファイルと同一グループのグループ画像ファイルであると判別される。
【0045】
タイマ26t2にタイムアウトが発生した場合、つまり直前のシャッタボタン28shの全押しから既定時間が経過した場合は、新たに記録される画像ファイルが直前に記録された画像ファイルと同一位置で連続して撮影されたものとはみなされない。また、タイマ26t2が動作していない場合、つまり電源投入後最初にシャッタボタン28shが全押しされた場合も同様である。これらの場合は、新たに記録される画像ファイルは、新たなグループの先頭画像ファイルと判別される。
【0046】
新たに記録される画像ファイルが直前に記録された画像ファイルと同一グループのグループ画像ファイルであると判別された場合、CPU26は、方向管理レジスタRGSTdを参照して、現在の撮像方向を取得する。
【0047】
CPU26は次に、記録媒体42を参照してグループ名を取得する。グループ名には、例えば先頭画像ファイルのファイル名が用いられる。
【0048】
このようにして得た方向およびグループ名を用いて、CPU26は、グループ画像ファイルのヘッダを作成する。傾きおよびグループ名は、ヘッダ内におけるExifタグのメーカーノートに図7に示す要領で記述される。このようにして作成されたヘッダを用いて、CPU26は、上述の記録処理を実行する。
【0049】
図8を参照して、図4に示すシーンSC1〜SC6がそれぞれ記録された6つの画像ファイルは、例えばファイル名をそれぞれABCD0003.JPG〜ABCD0008.JPGとして記録媒体42に格納される。したがって、ABCD0003.JPG〜ABCD0008.JPGの6つの画像ファイルがグループGR1を構成する。また、ABCD0003.JPGはグループGR1の先頭画像ファイルであり、ABCD0004.JPG〜ABCD0008.JPGの各々はグループGR1のグループ画像ファイルである。
【0050】
再生タスクが起動されるとCPU26は、記録媒体42に記録された最新の画像ファイルを選択する。CPU26は、選択画像ファイルの画像データをI/F40を通して記録媒体42から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。CPU26はまた、選択画像ファイルの再生処理の実行をLCDドライバ36に命令する。
【0051】
LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、静止画像がLCDモニタ38に表示される。
【0052】
キー入力装置28によって更新操作が行われると、CPU26は、後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルを選択する。選択画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ38の表示が更新される。
【0053】
CPU26はまた、選択画像ファイルと同一のグループを構成する他の画像ファイルを、画像ファイルが選択される毎に記録媒体42において探索する。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述があれば、そのグループ名がExifタグに記載された画像ファイルおよびそのグループ名が示す先頭画像ファイルが、探索される。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述がなければ、選択画像ファイルのファイル名がグループ名としてExifタグに記載された画像ファイルが、探索される。
【0054】
同一のグループを構成する1または2以上の他の画像ファイルが発見された場合、CPU26は、発見された各々の画像ファイルのExifタグに記載された方向を、選択画像ファイルのExifタグに記載された方向を基準とした相対的な方向に変換する。CPU26はまた、変換後の方向を用いて撮影方向テーブルTBLを作成する。
【0055】
図9を参照して、撮影方向テーブルTBLは、ファイル名を記述するカラムと変換後の方向を記述するカラムとによって形成される。記録媒体42が図8に示す記録状態のときに画像ファイルABCD0008.JPGが選択された場合は、グループGR1を構成する画像ファイルABCD0003.JPG〜ABCD0007.JPGが発見される。この結果、図9に示す撮影方向テーブルTBLが作成される。
【0056】
操作者は、選択画像ファイルの再生中に、ディジタルカメラ10を傾けることにより方向を指定することができる。選択画像ファイルの再生中にディジタルカメラ10が傾けられたとき、ジャイロセンサ48から出力された傾きに基づいた動きベクトルは、再生タスクの下でCPU26によって取り込まれる。CPU26は、取り込まれた動きベクトルに基づいてディジタルカメラ10の水平方向および垂直方向の各々の傾きの変化量を算出する。
【0057】
算出された傾きの変化量は、方向指定操作が行われる毎に図10に示す指定方向レジスタRGSTsに累積される。また、指定方向レジスタRGSTsの登録内容は、キー入力装置28によって更新操作が行われる毎にクリアされる。したがって、指定方向レジスタRGSTsの登録内容は、選択画像ファイルに記載された方向を基準として最新の方向指定操作によって指定された相対的な方向を示す。
【0058】
CPU26は次に、撮影方向テーブルTBLを読み出して、指定方向レジスタRGSTsに登録された指定方向に近似する方向が記述されたレコードを、抽出する。近似する方向には、例えば指定方向の周囲20度の範囲内を示す方向が含まれる。複数のレコードが発見された場合は、最も指定方向に近い方向を示すレコードが抽出される。
【0059】
抽出されたレコードにファイル名が記述された画像ファイルは、上述と同様の再生処理を施される。この結果、LCDモニタ38の表示が更新される。
【0060】
続いて方向指定操作が行われると、指定方向レジスタRGSTsが更新され、撮影方向テーブルTBLにおいて最も指定方向に近い方向を示す画像ファイルが再生される。また、キー入力装置28によって更新操作が行われると、選択画像ファイルの後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルが再生される。
【0061】
CPU26は、図11に示すメインタスク,図12〜13に示す撮像タスク,図14に示す現在位置管理タスク,図15に示す方向管理タスク,および図17〜図18に示す再生タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0062】
図11を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。ステップS1でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で再生タスクを起動する。ステップS1およびS3のいずれもNOであればステップS9でその他の処理を実行する。ステップS5,S7またはS9の処理が完了すると、モード切り換え操作が行われたか否かをステップS11で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS13で停止し、その後にステップS1に戻る。
【0063】
図12を参照して、ステップS21では現在位置管理タスクを起動し、ステップS23では中心位置レジスタRGSTcの登録内容をクリアする。ステップS25では動画取り込み処理を実行する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。
【0064】
ステップS27では、シャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS29で簡易AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、簡易AE処理によって適度に調整される。
【0065】
ステップS27の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS31で厳格AE処理を実行する。この結果、動画像の明るさが厳密に調整される。ステップS33ではAF処理を施す。この結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0066】
ステップS35ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS37でシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS37の判別結果がNOであればステップS35に戻り、ステップS37の判別結果がYESであればステップS27に戻る。
【0067】
ステップS35の判別結果がYESであればステップS39で静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点のシーンを表す1フレームの画像データがSDRAM32に取り込まれる。
【0068】
ステップS41ではヘッダ作成処理を実行し、ステップS41で作成されたヘッダを用いて記録処理をステップS43で実行する。この結果、取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。ステップS43の処理が完了すると、ステップS27に戻る。
【0069】
図14を参照して、ステップS51では現在位置レジスタRGSTpの登録内容をクリアし、ステップS53ではGPS装置46に向けて現在位置の測定命令を発行する。ステップS55ではタイマ26t1のリセット&スタートを実行し、ステップS57ではタイマ26t1にタイムアウトが発生したか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS53に戻り、判別結果がNOであればステップS59に進む。
【0070】
ステップS59では現在位置の測定結果が取得されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS57に戻り、判別結果がYESであればステップS61で現在位置の測定に成功したか否かを判別する。ステップS61の判別結果がYESであればステップS63に進み、ステップS61の判別結果がNOであればステップS65に進む。
【0071】
ステップS63では現在位置レジスタRGSTpの登録内容を更新し、ステップS65では現在位置レジスタRGSTpの登録内容をクリアする。ステップS63またはステップS65の処理が完了すると、ステップS57に戻る。
【0072】
図15を参照して、ステップS71では方向管理レジスタRGSTdの登録内容をクリアし、ステップS73ではジャイロセンサ48の出力に基づいて動きベクトルが発生したか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS75で動きベクトルに基づいた傾きの変化量が方向管理レジスタRGSTdに累積される。ステップS75の処理が完了するとステップS73に戻る。
【0073】
ステップS41のヘッダ作成処理は図16に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS81では、現在位置レジスタRGSTpの登録内容および中心位置レジスタRGSTcの登録内容を参照して、位置の比較が可能か否かを判別する。少なくとも一方の登録内容が空であれば判別結果がNOとされてステップS85に進む。両方のレジスタに位置が登録されていれば判別結果がYESとされてステップS83に進む。
【0074】
ステップS83では、現在位置レジスタRGSTpに登録された位置が中心位置レジスタRGSTcに登録された位置を中心とした半径30mの範囲内であるか否かを、判別する。判別結果がNOであればステップS95に進み、判別結果がYESであればステップS89に進む。
【0075】
ステップS85では、タイマ26t2が動作中であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS95に進み、判別結果がYESであればステップS87でタイマ26t2にタイムアウトが発生したか否かを判別する。ステップS87の判別結果がYESであればステップS95に進み、ステップS87の判別結果がNOであればステップS89に進む。
【0076】
ステップS89では、方向管理レジスタRGSTdを参照して、現在の撮像方向を取得する。ステップS91では、記録媒体42を参照してグループ名を取得する。グループ名には、例えば先頭画像ファイルのファイル名が用いられる。
【0077】
ステップS93では、ステップS89で取得した方向およびステップS91で取得したグループ名の各々をヘッダ内におけるExifタグのメーカーノートに記述して、画像ファイル用のヘッダを作成する。
【0078】
ステップS95では方向管理タスクを停止し、ステップS97では通常の画像ファイル用のヘッダを作成する。ステップS99では方向管理タスクを起動し、ステップS101では現在位置レジスタRGSTpに登録された緯度および経度をコピーして、中心位置レジスタRGSTcを更新する。
【0079】
ステップS93またはステップS101の処理が完了すると、ステップS103でタイマ26t2のリセット&スタートを実行し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0080】
図17を参照して、ステップS111では変数Pに最新の画像ファイルを示す番号を設定し、ステップS113では記録媒体42に記録されているP番目のフレームの画像ファイルを再生する。
【0081】
ステップS115では撮影方向テーブルTBLの記述をクリアし、ステップS117では指定方向レジスタRGSTsの登録内容をクリアする。
【0082】
ステップS119では、P番目のフレームの画像ファイルと同一のグループを構成する他の画像ファイルを記録媒体42において探索する。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述があれば、そのグループ名がExifタグに記載された画像ファイルおよびそのグループ名が示す先頭画像ファイルを探索する。選択画像ファイルのExifタグにグループ名の記述がなければ、選択画像ファイルのファイル名がグループ名としてExifタグに記載された画像ファイルを探索する。
【0083】
ステップS121では、P番目のフレームの画像ファイルと同一のグループを構成する他の画像ファイルが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS125に進み、判別結果がYESであればステップS123の処理を経てステップS125に進む。
【0084】
ステップS123では、発見された画像ファイルのExifタグに記載された方向を、P番目のフレームの画像ファイルのExifタグに記載された方向を基準とした相対的な方向に変換して、撮影方向テーブルTBLを作成する。
【0085】
ステップS125では操作者による再生ファイルを更新する操作があったか否かを判別し、判別結果がYESであれば、ステップS127で変数Pをインクリメントまたはデクリメントして、ステップS113に戻る。判別結果がNOであれば、ステップS129に進む。
【0086】
ステップS129ではディジタルカメラ10を傾けることによる方向指定操作があったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS125に戻り、判別結果がYESであればステップS131に進む。
【0087】
ステップS131では、方向指定操作による水平方向および垂直方向の各々の傾きの変化量を累積して、指定方向レジスタRGSTsの登録内容を更新する。ステップS133では、撮影方向テーブルTBLを読み出して、指定方向レジスタRGSTsに登録された指定方向に近似する方向を示すレコードを探索する。
【0088】
ステップS135では、指定方向に近似する方向に対応したレコードがあったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS125に戻り、判別結果がYESであれば発見されたレコードにファイル名が記述された画像ファイルをステップS137で再生する。ステップS137の処理の完了後にステップS125に戻る。
【0089】
以上の説明から分かるように、CPU26は、イメージセンサ16から出力された画像を記録操作に応答して記録し、記録操作を受け付けた時点の撮像方向を記録された画像に割り当てる。CPU26はまた、撮像位置が共通する一部の画像を記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行し、抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける。CPU26は、抽出された一部の画像のうち方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する。
【0090】
記録操作を受け付けた時点の撮像方向が、記録された画像に割り当てられる。記録された複数の画像の中から撮像位置が共通する一部の画像が、再生操作に応答して抽出される。抽出された一部の画像のうち、抽出処理に関連して受け付けられた方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向を割り当てられた画像が、再生される。
【0091】
このように、画像に割り当てられた撮像方向と方向指定操作との組み合わせによって再生画像が決定される。したがって、通常の選択操作よりも簡易な操作で再生画像を決定することができ、再生画像選択時の操作性が向上する。
【0092】
なお、この実施例では、ジャイロセンサ48の出力に基づいて撮像方向を算出するようにした。しかし、信号処理回路20から出力されたYデータに基づいて撮像方向を算出するようにしてもよいし、2つの算出方法を併用するようにしてもよい。
【0093】
また、この実施例では、画像再生時に操作者がディジタルカメラ10を傾けることによって方向指定操作を行うようにした。しかし、キー入力装置28によって方向指定操作を行うようにしてもよい。
【0094】
また、この実施例では、画像の記録時にグループを作成するようにした。しかし、画像ファイルのヘッダに撮像位置を記録するようにし、画像の再生時にグループを作成するようにしてもよい。
【0095】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F50を図19に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0096】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図11〜図18に示すメインタスク,撮像タスク,現在位置管理タスク,方向管理タスク,および再生タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0097】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ,携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージセンサ
26 …CPU
32 …SDRAM
38 …LCDモニタ
42 …記録媒体
46 …GPS装置
48 …ジャイロセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録手段、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録手段によって記録された画像に割り当てる割り当て手段、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録手段によって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出手段、
前記抽出手段の抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付け手段、および
前記抽出手段によって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
撮像方向の変化を継続的に検出する検出手段、および
前記記録手段によって記録された画像が既定条件を満足する基準画像に相当するとき前記割り当て手段の処理を停止して前記検出手段を起動する起動手段をさらに備え、
前記割り当て手段は前記検出手段の検出結果を参照して割り当て処理を実行する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記既定条件は、前記記録手段によって前回記録された画像の撮像位置からの距離が第1基準を上回るという距離条件、および前記記録手段によって前回記録された画像の撮像時刻からの時刻が第2基準を上回るという時間条件の少なくとも一方を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記抽出手段によって抽出される一部の画像は前記基準画像から始まる画像群に相当し、
前記再生操作に応答して前記画像群に属するいずれか1つの画像を初期的に再生する画像再生手段をさらに備える、請求項2または3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記抽出手段によって抽出された一部の画像に割り当てられた撮像方向を現時点のカメラ筐体の姿勢を基準とする方向に変換する変換手段をさらに備え、
前記再生手段は前記変換手段によって変換された方向を参照して再生処理を実行する、請求項4に記載の電子カメラ。
【請求項6】
撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを実行させるための、画像処理プログラム。
【請求項7】
撮像手段を備える電子カメラによって実行される画像処理方法であって、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを備える、画像処理方法。
【請求項8】
撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項9】
撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録手段、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録手段によって記録された画像に割り当てる割り当て手段、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録手段によって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出手段、
前記抽出手段の抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付け手段、および
前記抽出手段によって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
撮像方向の変化を継続的に検出する検出手段、および
前記記録手段によって記録された画像が既定条件を満足する基準画像に相当するとき前記割り当て手段の処理を停止して前記検出手段を起動する起動手段をさらに備え、
前記割り当て手段は前記検出手段の検出結果を参照して割り当て処理を実行する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記既定条件は、前記記録手段によって前回記録された画像の撮像位置からの距離が第1基準を上回るという距離条件、および前記記録手段によって前回記録された画像の撮像時刻からの時刻が第2基準を上回るという時間条件の少なくとも一方を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記抽出手段によって抽出される一部の画像は前記基準画像から始まる画像群に相当し、
前記再生操作に応答して前記画像群に属するいずれか1つの画像を初期的に再生する画像再生手段をさらに備える、請求項2または3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記抽出手段によって抽出された一部の画像に割り当てられた撮像方向を現時点のカメラ筐体の姿勢を基準とする方向に変換する変換手段をさらに備え、
前記再生手段は前記変換手段によって変換された方向を参照して再生処理を実行する、請求項4に記載の電子カメラ。
【請求項6】
撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを実行させるための、画像処理プログラム。
【請求項7】
撮像手段を備える電子カメラによって実行される画像処理方法であって、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを備える、画像処理方法。
【請求項8】
撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項9】
撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
前記撮像手段から出力された画像を記録操作に応答して記録する記録ステップ、
前記記録操作を受け付けた時点の撮像方向を前記記録ステップによって記録された画像に割り当てる割り当てステップ、
撮像位置が共通する一部の画像を前記記録ステップによって記録された複数の画像の中から抽出する処理を再生操作に応答して実行する抽出ステップ、
前記抽出ステップの抽出処理に関連して方向指定操作を受け付ける受け付けステップ、および
前記抽出ステップによって抽出された一部の画像のうち前記方向指定操作によって指定された方向に相当する撮像方向が割り当てられた画像を再生する再生ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−30861(P2013−30861A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163814(P2011−163814)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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