説明

電子スチルカメラ

【課題】 撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことのない電子スチルカメラを得る。
【解決手段】 撮像部と、撮像部により撮影された画像データを記録する記録手段と、記録手段に記録された画像データを消去プロテクトするプロテクト手段と、を有する電子スチルカメラにおいて、プロテクト手段は、記録手段に記録された画像データに対し、自動的に消去プロテクト処理を実行するモードを有する電子スチルカメラとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録した画像データに消去プロテクト処理を行う電子スチルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影した画像を画像データとして記録手段である記録媒体に記録する電子スチルカメラが一般化している。これら電子スチルカメラは、撮影した静止画や動画を誤って消去することを防止するために、所定の操作を行うことで、所望の画像を消去できなくする消去プロテクト機能を有している。
【0003】
撮影者が、所望の画像に消去プロテクト処理を施すものとして、キー手段の操作により表示部に表示する画像を選択して、確認しながら画像データの消去プロテクトのオンオフ設定を行う電子スチルカメラが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−182012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子スチルカメラの画像データを消去プロテクトする方法は、カメラを再生モードにして行う必要があった。即ち、画像を再生するモードにして、消去プロテクト処理を行いたい画像を指定しプロテクトのための操作を行うか、メニューから消去プロテクト処理を選択した後、プロテクト処理を行いたい画像を指定するものであり、煩雑で面倒な操作であるという問題がある。
【0005】
この煩雑さのため消去プロテクト処理を行わないまま、後になって誤って消去してしまうという失敗を犯す場合があった。また、上述のような方法では、消去プロテクトしたい画像があった場合、撮影を一時中断して消去プロテクト処理を行うか、撮影が全て終了した後に消去プロテクト処理を行うこととなり、消去プロテクトすることを忘れてしまう場合もある。この場合も同様に、誤って消去してしまう恐れがあった。
【0006】
この問題は、上記特許文献1に記載された電子スチルカメラにおいても同様である。
【0007】
近年、このような問題の解消のため、1回書き込み後は消去不可能なフラッシュメモリも市販されているが、フィルムと同様に再使用できない使い切りとなり、コスト的にも不利で汎用的ではない。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことのない電子スチルカメラを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、以下の構成により解決される。
【0010】
1) 撮像部と、該撮像部により撮影された画像データを記録する記録手段と、該記録手段に記録された画像データを消去プロテクトするプロテクト手段と、を有する電子スチルカメラにおいて、前記プロテクト手段は、前記記録手段に記録された画像データに対し、自動的に消去プロテクト処理を実行するモードを有することを特徴とする電子スチルカメラ。
【0011】
2) 撮影が行われると、前回撮影した画像データに、前記消去プロテクト処理を実行する1)の電子スチルカメラ。
【0012】
3) 撮影後の所定時間経過後に、前記消去プロテクト処理を実行する1)の電子スチルカメラ。
【0013】
4) 前記電子スチルカメラに対して何らかの操作が行われると、前記消去プロテクト処理を実行する1)の電子スチルカメラ。
【0014】
5) 撮像部と、該撮像部により撮影された画像データを消去プロテクトするプロテクト手段と、前記画像データを記録する記録手段と、を有し、前記撮像部により撮影された画像データを前記プロテクト手段により消去プロテクトした後、前記記録手段に記録させることを特徴とする電子スチルカメラ。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことのない電子スチルカメラを得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明に係る電子スチルカメラの外観を示す図である。図1(a)はカメラ前面の斜視図、図1(b)はカメラ背面の斜視図である。
【0018】
図1(a)において、81はズーム撮像光学系、82はファインダ窓、83はレリーズ釦、84はフラッシュ発光部、86は調光用センサ窓、87はストラップ取り付け部、88は外部入出力端子(例えば、USB端子)である。89はレンズカバーであり、不使用時はズーム撮像光学系81は沈胴する。このレンズカバー89のスライド操作に連動してメインスイッチのON、OFFが切り替えられるようになっている。
【0019】
レリーズ釦83はその1段の押し込み(以下、スイッチS1のONと称す)によりカメラの撮影準備動作、即ち焦点合わせ動作や測光動作が行われ、その2段の押し込み(以下、スイッチS2のONと称す)により撮影露光動作が行われる。
【0020】
図1(b)において、91はファインダ接眼部、92は赤と緑の表示ランプであり、AFやAEの情報を、点灯もしくは点滅により撮影者に表示するものである。93はズーム釦であり、ズームアップ、ズームダウンをおこなう釦である。95はメニュー/セット釦、96は選択釦で4方向スイッチであり、100は画像表示部であり画像やその他文字情報等を表示する。メニュー/セット釦95で、画像表示部100上に各種のメニューを表示させ、選択釦96で選択し、メニュー/セット釦95で確定させる機能を有している。97は再生釦で、撮影した画像の再生をおこなう釦である。98はディスプレイ釦で、画像表示部100に表示された画像やその他文字情報の表示や消去を選択する釦である。99は消去釦で、撮影記録した画像の消去をおこなう釦である。101は三脚穴、102は電池/カード蓋である。電池/カード蓋102の内部には、本カメラの電源を供給する電池と、撮影した画像を記録するカード用のスロットが備えられており、画像を記録する記録用メモリカードが挿脱可能になっている。
【0021】
図2は、本発明に係る電子スチルカメラの内部構成を示す概略ブロック図である。同図を用い、内部構成について説明する。なお、本発明は、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等が適用可能であるが、本例においては、撮像素子としてCCD型イメージセンサを用いたもので説明する。
【0022】
同図において、40は各回路を制御するCPUである。ズーム撮像光学系81は、レンズ部1、絞りシャッターユニット2、赤外光カットフィルタとオプチカルローパスフィルタを積層した光学フィルタ3、第1モータ4、第2モータ5及び絞りシャッタアクチュエータで構成されている。
【0023】
レンズ部1は、より詳しくは複数のレンズを有するレンズ系として構成されており、これら複数のレンズの光軸上の位置を第1モータ4を駆動することにより移動させ、変倍がおこなわれるようになっている。また、これら複数のレンズの内、フォーカシングに用られるレンズは、第2モータ5により駆動され焦点調節がおこなわれる。更に、絞りシャッターユニットは絞りシャッタアクチュエータ6により開閉し、露光量の調定がなされる。この、第1モータ4、第2モータ5、絞りシャッタアクチュエータ6は、それぞれCPU40からの制御信号により制御される第1モータ駆動回路7、第2モータ駆動回路8、絞りシャッタ駆動回路9を介して駆動される。
【0024】
タイミングジェネレータ10は、タイミング制御回路11から送られるクロックに基づきCCD12の駆動制御信号を生成するものであり、例えばCCD12の電荷の蓄積開始と終了のタイミング信号、各画素の電荷蓄積量の読み出し制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号)等のクロック信号を生成しCCD12へ出力する。撮像回路13は、CCD12により被写体光が光電変換され、例えば原色系のフィルタが用いられたCCDの場合、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分の画像アナログ信号を信号処理部14へ出力する。
【0025】
信号処理部14は、撮像回路13から出力された画像アナログ信号に信号処理を施すものである。信号処理部14においては、相関二重サンプリング(CDS)、オートゲインコントロール(AGC)により画像アナログ信号のノイズ低減とゲイン調整をおこない画像処理部15へ出力する。
【0026】
画像処理部15では、タイミング制御回路11からのA/D変換用クロックに基づき、入力された画像アナログ信号をA/D変換し、デジタル信号(以下、画素データと称す)に変換する。次に、画素データの黒レベル補正をおこなった後、ホワイトバランス(WB)の調整がおこなわれる。ホワイトバランスの調整はCPU40から入力される変換係数によりおこなわれる。この変換係数は撮影画像毎に設定されるものである。更に、γ補正をおこなった後、画素データを画像メモリ16に出力する。画像メモリ16は、画像処理部15から出力された画素データを記憶するメモリである。
【0027】
VRAM17は、画像表示部100で表示する画像のバッファメモリであり、少なくとも画像表示部100の画素数と表示に必要なビット数の積算値以上の記憶容量を有している。画像表示部100には、例えばLCD、有機EL等の表示装置が用いられる。なお、使用される表示装置に応じ、VRAM17と画像表示部100の間に、画素データをD/A変換するD/A変換部が設けられる。
【0028】
これにより、撮影時のフレーミング時には、所定時間間隔で撮像された画素データが画像メモリ16に記憶されると共に、CPU40で所定の信号処理後にVRAM17へ転送され、画像表示部100に表示がおこなわれ、被写体像を確認することができ、ファインダとして使用できる(スルー画像表示又はプレビュー画像表示と称す)ようになっている。
【0029】
また、挿脱可能な画像記録用メモリカード50に記録された撮影済みの画像は、CPU内のカードに対応したインターフェイスを介しCPU40へ転送され、CPU40で所定の信号処理後にVRAM17へ転送され、画像表示部100に表示がおこなわれ、再生が可能となっている。
【0030】
インターフェイス32は、外部のパーソナルコンピュータ或いはプリンタと信号の授受をおこなうもので、外部入出力端子(例えばUSB端子)88を介して、外部のパーソナルコンピュータ或いはプリンタへ送出したり、外部のパーソナルコンピュータ或いはプリンタよりデータを受け取ったりするものである。
【0031】
フラッシュ制御回路21は、フラッシュ発光部84の発光を制御する回路である。フラッシュ制御回路21は、CPU40により制御され、フラッシュ発光の有無、発光タイミング、発光用コンデンサへの充電等を制御すると共に、調光用センサ23に接続された調光回路24から入力される発光停止信号に基づき発光を停止させるようになっている。
【0032】
時計回路25は、撮影された日時を管理するものであり、各部へ電源を供給する給電回路27から電源供給を受けて作動するようにしてもよいが、図示しない別電源で作動させることが望ましい。
【0033】
CPU40及び各部への電力供給は給電回路27によっておこなわれる。この給電回路27には、電池26或いは、DC入力端子28を介しA/Cアダプタ29から電力が供給される。
【0034】
操作スイッチ群(以下操作SW群とも称す)30は、例えばレリーズ釦、ズーム釦、メニュー/セット釦等の各種操作釦によりON/OFFするスイッチ群である。この操作SW群30のON/OFの信号は、CPU40に送られ、CPU40はONされた操作SWに応じて各部の動作を制御することになる。
【0035】
EEPROM31は、不揮発性のメモリであり、カメラの個々に異なる特性値を記憶させておくために用いられる。この個々に異なる特性値とは、例えばズーム撮像光学系81の各焦点距離におけるフォーカシングレンズの無限位置の情報等であり、製造工程内で書き込まれるものである。この、カメラ個々に異なる特性値を、CPU40は必要に応じEEPROM31から読み出し、各部の制御に利用するようになっている。
【0036】
なお、CPU40は、ROM20に格納されたソフトウェアに基づき、データの授受、各部のタイミング制御をおこなうのみならず、その他種々の機能をおこなうものとなっている。例えば、画像メモリ16で得られた画素データに基づく撮影時の絞り値とシャッタ速度の露光条件の決定(AE機能)、フォーカシングレンズを小刻みに移動させ、それぞれで得られた画素データから画像データを生成し、この画像データに基づいて評価をおこない最適なフォーカシングレンズ位置の決定(AF機能)、メモリカード50へ記録するために画素データから画像データを生成し圧縮する機能、本発明に係る画像データに消去プロテクトを施す機能、メモリカード50に記録された画像を画像表示部100に表示するために、メモリカード50に記録された画像データを、読み出し伸張する機能等を有するものである。
【0037】
以上が、本発明に係る電子スチルカメラの内部ブロック構成である。
【0038】
なお、本発明の電子スチルカメラは、静止画及び動画撮影を行う撮影モード、撮影した画像を再生する再生モード、カメラ各機能の設定をおこなうセットアップモード等を有している。
【0039】
また、撮影モードには、本発明に係る自動的に消去プロテクト処理を実行するモードが含まれており、このモードを使用するには、セットアップモードで設定するように構成してもよいし、撮影モードでメニューから選択するように構成してもよい。また、工場出荷時には、撮影モードでは自動的に消去プロテクト処理を実行するモードとなるようにデフォルト設定されていることが望ましい。
【0040】
本発明は、撮影モード時のものであり、以下の説明においては、モード切替スイッチは撮影モードにセットされ、且つ消去プロテクト処理を実行するモードに設定されているものとして、説明する。また、以下の動作は、特に指定しない限り上述のCPUによって各部の動作が制御されるものである。
【0041】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る第1の実施の形態について説明する。
【0042】
図3は、本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作の一例を示すフローチャートである。同図に従い説明する。
【0043】
同図において、まずメインスイッチがONされているか判断する(ステップS101)。メインスイッチがONされていれば(ステップS101;Yes)、各部が初期状態であるかどうか確認し、初期状態でないところがあれば、初期化を行い(ステップS102)、ズーム撮像光学系を繰り出し(ステップS103)、撮影可能な状態とする。初期化は、通常の状態で終了されず、例えば、動作中に電源を断たれたような場合に対応した動作である。
【0044】
次に、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられたか判断し(ステップS104)、切り替えられていなければ(ステップS104;No)、操作スイッチ群のいずれかが操作されたかどうかを判断する(ステップS105)。操作されなければ(ステップS105;No)、ステップS104へ戻る。即ち、メインスイッチ、モード切替スイッチ及びその他の操作SW群のいずれかが操作されるまで、ステップS104とステップS105を繰り返して、待機する。
【0045】
操作スイッチ群のいずれかが操作された場合(ステップS105;Yes)には、スイッチS1が操作されたかどうか判断し(ステップS106)、スイッチS1でない場合(ステップS106;No)には、操作されたスイッチに基づいて動作を行う(ステップS107)。これは例えば、ズーム釦が操作された場合にはズーミング動作を行い、メニュー釦が操作された場合には、これらの釦に基づいて各種の選択等の動作が行われるものである。この操作スイッチによる動作が終了すると、ステップS105へ戻る。
【0046】
ステップS106で、スイッチS1が操作されている場合(ステップS106;Yes)には、AE・AF機能動作を行う(ステップS108)。このAE・AF機能動作は、上述の撮影時の絞り値とシャッタ速度の露光条件の決定と、最適なフォーカシングレンズ位置の決定(焦点合わせ)をおこなうものである。
【0047】
AE・AF機能動作終了後、再度スイッチS1がONされているか判断し(ステップS109)、この時点でスイッチS1がOFFされている場合(ステップS109;No)はステップS104に戻り、スイッチS1がONされている場合(ステップS109;Yes)には、スイッチS2がONされるのを待機する(ステップS110)。
【0048】
ステップS110で、スイッチS2がONされると(ステップS110;Yes)、撮影動作を行う(ステップS111)。この撮影動作は、ステップS108で決められた絞り値とシャッタ速度の露光条件及びフォーカシングレンズ位置で撮影が行われる。
【0049】
次いで、撮像素子から画像アナログ信号の読み出しが行われ(ステップS112)、相関二重サンプリング(CDS)、オートゲインコントロール(AGC)により画像アナログ信号のノイズ低減とゲイン調整等の信号処理の後、A/D変換、画素データの黒レベル補正、ホワイトバランス(WB)の調整、γ補正等の画像処理が行われる(ステップS113)。この後、適宜圧縮等を行い、メモリカードに記録する(ステップS114)。以上で、1枚目の撮影及び記録が終了する。
【0050】
このステップS113とステップS114の間に、今回撮影した画像データを画像表示部に表示すると共に、今回撮影した画像データを消去するか、保存するかを使用者に判断させても良い。この場合、使用者が消去を選択した場合には今回撮影した画像データを消去しステップS114をジャンプしてステップS104へ戻り、使用者が保存を選択した場合にはステップS114へ移行し、今回撮影した画像データをメモリカードに記録させるように構成しても良い。このようにすることにより、操作性の向上とメモリの無用な使用の防止を図ることができる。
【0051】
この後、メモリカード内に、消去プロテクトされていない前回撮影した画像データがあるか判断する(ステップS115)。1枚目の撮影の場合には前回撮影した画像データは無いため(ステップS115;No)、ジャンプしてステップS104へ戻る。
【0052】
更に、上述と同様にして2枚目の撮影が行われ、ステップS114で2枚目の画像データをメモリカードに記録した後、ステップS115で、メモリカード内に消去プロテクトされていない前回撮影した画像データがあるか判断する。この2枚目以降は前回撮影した画像データが消去プロテクトされていない(ステップS115;Yes)ため、この前回撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行する(ステップS116)。この後、ステップS104へ戻る。
【0053】
即ち、2枚目以降は、撮影記録後に、前回撮影した画像データに消去プロテクト処理が実行されてメモリカードに保存されることになる。
【0054】
一方、ステップS104で、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられた場合(ステップS104;Yes)には、メモリカード内にある最後に撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行する(ステップS121)。これにより撮影した全ての画像データが消去プロテクト処理されることになる。
【0055】
この後、メインスイッチがOFFされていたかどうか判断(ステップS122)し、メインスイッチがONの場合(ステップS122;No)は、モード切替スイッチが切り替えられたのであるから、切り替えられた他のモードへ移行する。メインスイッチがOFFの場合(ステップS122;Yes)は、ズーム撮像光学系の沈胴等の終了処理を行い(ステップS123)、終了する。
【0056】
以上のように、撮影記録毎に、前回撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行することで、煩雑な操作をすることなく、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことが防止できる。
【0057】
図4は、本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作の別の例を示すフローチャートである。同図に示すフローのうち、図3に示すフローと同じ部分には同符号を付与し説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0058】
同図において、ステップS101〜ステップS103は、図3と同様である。
【0059】
ステップS104で、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられたか判断し、切り替えられていなければ(ステップS104;No)、前回撮影から所定時間経過したかを判断する(ステップS141)。1枚目の撮影の場合は、前回の撮影は無いためステップS141;Noとなり、次いで操作スイッチ群のいずれかが操作されたかどうかを判断する(ステップS105)。操作されなければ(ステップS105;No)、ステップS104へ戻る。
【0060】
操作スイッチ群のいずれかが操作された場合(ステップS105;Yes)には、スイッチS1が操作されたかどうか判断し(ステップS106)、スイッチS1でない場合(ステップS106;No)には、操作されたスイッチに基づいて動作を行う(ステップS107)。これは例えば、ズーム釦が操作された場合にはズーミング動作を行い、メニュー釦が操作された場合には、これらの釦に基づいて各種の選択等の動作が行われるものである。この操作スイッチによる動作が終了すると、ステップS141へ戻る。
【0061】
ステップS106で、スイッチS1が操作されている場合(ステップS106;Yes)には、AE・AF機能動作を行う(ステップS108)。このAE・AF機能動作は、上述の撮影時の絞り値とシャッタ速度の露光条件の決定と、最適なフォーカシングレンズ位置の決定(焦点合わせ)をおこなうものである。
【0062】
AE・AF機能動作終了後、再度スイッチS1がONされているか判断し(ステップS109)、この時点でスイッチS1がOFFされている場合(ステップS109;No)はステップS104に戻り、スイッチS1がONされている場合(ステップS109;Yes)には、スイッチS2がONされるのを待機する(ステップS110)。
【0063】
ステップS110で、スイッチS2がONされると(ステップS110;Yes)、撮影動作を行う(ステップS111)。
【0064】
この撮影動作(ステップS111)以降の、画像アナログ信号の読み出し(ステップS112)、画像処理(ステップS113)、メモリカードへの記録(ステップS114)、については、図3と同様である。
【0065】
ステップS114でメモリカードへの記録が終了すると、タイマーをリセットした後、スタートさせ、タイムカウントを開始する(ステップS143)。これで1枚目の撮影が終了する。この後、ステップS104へ戻る。
【0066】
なお、ステップS113とステップS114の間に、今回撮影した画像データを画像表示部に表示すると共に、今回撮影した画像データを消去するか、保存するかを使用者に判断させても良い。この場合、使用者が消去を選択した場合には今回撮影した画像データを消去しステップS114及びステップS143をジャンプしてステップS104へ戻り、使用者が保存を選択した場合にはステップS114へ移行し、今回撮影した画像データをメモリカードに記録させるように構成しても良い。このようにすることにより、操作性の向上とメモリの無用な使用の防止を図ることができる。
【0067】
更に、上述と同様にして2枚目以降の撮影が行われるが、2枚目以降はステップS141を通過する際に、ステップS143で開始したタイムカウントを監視し、タイマーがスタートしてから所定の時間が経過した場合には、撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行する(ステップS142)。この所定の時間は任意でよいが、撮影した画像を画像表示部で見て、消去するかどうか判断可能な時間が望ましく、10秒〜1分程度に設定されていることが望ましい。
【0068】
一方、ステップS104で、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられた場合(ステップS104;Yes)には、撮影した画像データは、全て消去プロテクト処理がされているかを判断し(ステップS144)、消去プロテクト処理されていない画像データが有る場合(ステップS144;No)には、この消去プロテクト処理されていない画像データに消去プロテクト処理を実行する(ステップS145)。これにより撮影した全ての画像データが消去プロテクト処理されることになる。撮影した画像データが、全て消去プロテクト処理されている場合(ステップS144;Yes)には、ステップS145はジャンプする。
【0069】
この後、メインスイッチがOFFされていたかどうか判断(ステップS122)し、メインスイッチがONの場合(ステップS122;No)は、モード切替スイッチが切り替えられたのであるから、切り替えられた他のモードへ移行する。メインスイッチがOFFの場合(ステップS122;Yes)は、ズーム撮像光学系の沈胴等の終了処理を行い(ステップS123)、終了する。
【0070】
以上のように、撮影後の所定時間経過後に、前回撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行することにより、煩雑な操作をすることなく、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことが防止できる。
【0071】
図5は、本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作の他の例を示すフローチャートである。同図についても、図3に示すフローと同じ部分には同符号を付与し説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0072】
同図において、ステップS101〜ステップS103は、図3と同様である。
【0073】
ステップS104で、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられたか判断し、切り替えられていなければ(ステップS104;No)、操作スイッチ群のいずれかが操作されたかどうかを判断する(ステップS105)。操作されなければ(ステップS105;No)、ステップS104へ戻る。
【0074】
操作スイッチ群のいずれかが操作された場合(ステップS105;Yes)には、消去プロテクトされていない撮影した画像データはあるか判断する(ステップS151)。1枚目の撮影の場合は、前回の撮影は無いためステップS141;Noとなり、ステップS106へジャンプする。
【0075】
次いで、スイッチS1が操作されたかどうか判断し(ステップS106)、スイッチS1でない場合(ステップS106;No)には、操作されたスイッチに基づいて動作を行う(ステップS107)。これは例えば、ズーム釦が操作された場合にはズーミング動作を行い、メニュー釦が操作された場合には、これらの釦に基づいて各種の選択等の動作が行われるものである。この操作スイッチによる動作が終了すると、ステップS105へ戻る。
【0076】
ステップS106で、スイッチS1が操作されている場合(ステップS106;Yes)には、AE・AF機能動作を行う(ステップS108)。
【0077】
AE・AF機能動作終了後、再度スイッチS1がONされているか判断し(ステップS109)、この時点でスイッチS1がOFFされている場合(ステップS109;No)はステップS104に戻り、スイッチS1がONされている場合(ステップS109;Yes)には、スイッチS2がONされるのを待機する(ステップS110)。
【0078】
ステップS110で、スイッチS2がONされると(ステップS110;Yes)、撮影動作を行う(ステップS111)。
【0079】
この撮影動作(ステップS111)以降の、画像アナログ信号の読み出し(ステップS112)、画像処理(ステップS113)、メモリカードへの記録(ステップS114)、については、図3と同様である。以上で1枚目の撮影が終了する。この後、ステップS104へ戻る。
【0080】
このステップS113とステップS114の間に、今回撮影した画像データを画像表示部に表示すると共に、今回撮影した画像データを消去するか、保存するかを使用者に判断させても良い。この場合、使用者が消去を選択した場合には今回撮影した画像データを消去しステップS114をジャンプしてステップS104へ戻り、使用者が保存を選択した場合にはステップS114へ移行し、今回撮影した画像データをメモリカードに記録させるように構成しても良い。このようにすることにより、操作性の向上とメモリの無用な使用の防止を図ることができる。
【0081】
次いで、上述と同様にして2枚目以降の撮影が行われるが、2枚目以降はステップS105で、操作スイッチ群のいずれかが操作された場合(ステップS105;Yes)には、ステップS151で消去プロテクトされていない撮影した画像データはあるか判断し、2枚目以降は前回撮影した消去プロテクトされていない画像データがあり(ステップS151;Yes)、この前回撮影された、消去プロテクトされていない画像データに消去プロテクト処理を実行する(ステップS152)。
【0082】
一方、ステップS104で、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられた場合(ステップS104;Yes)には、消去プロテクト処理がされていない画像データがあるか判断し(ステップS153)、消去プロテクト処理されていない画像データが有る場合(ステップS153;No)には、この消去プロテクト処理されていない画像データに消去プロテクト処理を実行する(ステップS154)。これにより撮影した全ての画像データが消去プロテクト処理されることになる。撮影した画像データが、全て消去プロテクト処理されている場合(ステップS153;Yes)には、ステップS154はジャンプする。
【0083】
この後、メインスイッチがOFFされていたかどうか判断(ステップS122)し、メインスイッチがONの場合(ステップS122;No)は、モード切替スイッチが切り替えられたのであるから、切り替えられた他のモードへ移行する。メインスイッチがOFFの場合(ステップS122;Yes)は、ズーム撮像光学系の沈胴等の終了処理を行い(ステップS123)、終了する。
【0084】
以上のように、カメラに対して何らかの操作が行われると、消去プロテクト処理されていない画像データに消去プロテクト処理を実行することにより、煩雑な操作をすることなく、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことが防止できる。
【0085】
即ち、撮影が行われる毎に、前回撮影した画像データに、前記消去プロテクト処理を実行する、撮影後、所定時間経過すると、撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行する、カメラに対して何らかの操作が行われると、以前に撮影した画像データに消去プロテクト処理を実行する、のいずれかの構成を有することにより、煩雑な操作をすることなく、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことを防止した電子スチルカメラを得ることが可能になる。
【0086】
なお、上述の説明では、それぞれ独立したフローチャートで説明したが、これらを組み合わせて動作させることも、本発明を逸脱するものでないのは、勿論である。
【0087】
また、消去プロテクト処理を行わない撮影モードで撮影した画像データが予め記録されたメモリカードを用いて、上述の消去プロテクト処理を行う撮影モードで撮影した場合には、このモードで撮影した画像データのみを消去プロテクト処理するよう構成するのが望ましいが、消去プロテクト処理を行わない撮影モードで撮影した画像データについても消去プロテクト処理するよう構成しても良いのは勿論である。
【0088】
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
【0089】
図6は、本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作のその他の例を示すフローチャートである。同図に示すフローのうち、図3に示すフローと同じ部分には同符号を付与し説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0090】
同図において、ステップS101〜ステップS110については、図3と同様である。
【0091】
ステップS110で、スイッチS2がONされると(ステップS110;Yes)、撮影動作を行う(ステップS111)。この撮影動作(ステップS111)以降の、画像アナログ信号の読み出し(ステップS112)、画像処理(ステップS113)、については、図3と同様である。
【0092】
ステップS113での画像処理が終了すると、この画像データに消去プロテクト処理を実行し(ステップS161)、メモリカードに記録する(ステップS114)。以上で1枚の画像の撮影が終了する。この後、ステップS104へ戻る。
【0093】
ステップS104で、メインスイッチ或いはモード切替スイッチが切り替えられた場合(ステップS104;Yes)には、メインスイッチがOFFされていたかどうか判断(ステップS122)し、メインスイッチがONの場合(ステップS122;No)は、モード切替スイッチが切り替えられたのであるから、切り替えられた他のモードへ移行する。メインスイッチがOFFの場合(ステップS122;Yes)は、ズーム撮像光学系の沈胴等の終了処理を行い(ステップS123)、終了する。
【0094】
以上説明したように、画像データを消去プロテクト処理した後、記録手段に記録することにより、撮影した画像データは全て消去プロテクト処理が施されて記録媒体であるメモリカードに記録されることになる。これにより、煩雑な操作をすることなく、撮影した画像データを簡便に消去プロテクトでき、大切に保存したい画像データを、誤って消去してしまうことを防止した電子スチルカメラを得ることが可能になる。
【0095】
なお、本発明の電子スチルカメラにおいては、消去プロテクト処理された画像データのプロテクト解除をおこなうには、従来と同様に、再生モードにおいて行うことが好ましい。即ち、画像データの消去プロテクト処理は撮影モードで簡便に行えるようにし、プロテクト解除は、再生モードで行うようにすることで、消去プロテクト処理は簡便で、プロテクト解除はやや複雑にし、保存したい画像データの、誤操作による消去の防止がより確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係る電子スチルカメラの外観を示す図である。
【図2】本発明に係る電子スチルカメラの内部構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作の別の例を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作の他の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る電子カメラの消去プロテクト処理を実行するモード時の概略動作のその他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
14 信号処理部
15 画像処理部
20 ROM
30 操作スイッチ群
40 CPU
50 メモリカード
81 撮像光学系
84 フラッシュ発光部
83 レリーズ釦
100 画像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、該撮像部により撮影された画像データを記録する記録手段と、該記録手段に記録された画像データを消去プロテクトするプロテクト手段と、を有する電子スチルカメラにおいて、
前記プロテクト手段は、前記記録手段に記録された画像データに対し、自動的に消去プロテクト処理を実行するモードを有することを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項2】
撮影が行われると、前回撮影した画像データに、前記消去プロテクト処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子スチルカメラ。
【請求項3】
撮影後の所定時間経過後に、前記消去プロテクト処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子スチルカメラ。
【請求項4】
前記電子スチルカメラに対して何らかの操作が行われると、前記消去プロテクト処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子スチルカメラ。
【請求項5】
撮像部と、該撮像部により撮影された画像データを消去プロテクトするプロテクト手段と、前記画像データを記録する記録手段と、を有し、
前記撮像部により撮影された画像データを前記プロテクト手段により消去プロテクトした後、前記記録手段に記録させることを特徴とする電子スチルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−41699(P2006−41699A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215707(P2004−215707)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】