説明

電子ブック装置

【課題】電子書籍を提供する際、ユーザが利用する可能性の高いページがどこにあるかを認識しやすい状態にする。
【解決手段】電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、電子書籍を構成する各ページを表示するためのページ情報を含む電子書籍情報を記憶する電子書籍情報記憶部と、著名な建造物や旧所名跡、景勝地などの観光対象を一意に特定するための識別情報と電子書籍において識別情報が示す観光対象に関する情報が掲載されている位置である観光対象関連情報掲載位置を示す掲載情報とを含む観光対象情報を記憶する観光対象情報記憶部23と、ページに追加する画像として設定された追加画像を示す追加画像情報を記憶する追加画像情報記憶部24とを備え、表示するページが、観光対象関連情報掲載ページである場合に、該ページに応じた追加画像情を観光対象関連情報掲載ページと併せて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行ガイドブックなどが電子化された書籍データを提供する電子ブック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、出版された紙媒体の書籍を電子化して、電子機器の表示画面で閲覧可能な状態にした電子書籍が流通するようになってきている。そのため、電子書籍を閲覧するための機能を備えた電子機器(以下、「電子ブック装置」と呼ぶ。)として種々の機能を備えたものが提案されている。
【0003】
このような電子ブック装置には、ユーザに対する利便性を向上させようとするものや、操作感を現実に本を読む場合の感覚に近づけようとするものが多い。例えば、特許文献1には、電子書籍において読者(ユーザ)が所望するページの一部をしおり情報として管理し、しおりページ情報から所望ページの文字サイズを拡大したサムネイルを作成して一覧表示できるようにしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−338142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような電子ブック装置では、ユーザは、少なくとも一度開いた(すなわち、電子ブック装置の表示画面に表示した)ページに対してのみしおり(栞)を設定することができ、例えば情報を得るための調査に電子書籍を閲覧するような場合には利便性が低いという問題があった。
【0006】
このような場合には、電子書籍の目次や索引を作成して、選択した目次などから所望のページを表示させることができるようにしたり、文字列検索を可能にしたりすることで対応することが考えられる。しかしながら、目次などを利用する場合には、調査内容と目次などとの関連を理解するための一定以上の経験を有している必要がある。また、文字列検索を可能とした場合には、文字列を入力する必要がある。そのため、手間がかかるうえに、開いたページが有効でない場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決すべく、電子書籍を提供する際、ユーザが利用する可能性の高いページがどこにあるかを認識しやすい状態にすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子ブック装置は、表示装置の表示画面に電子化された書籍である電子書籍の内容を表示する電子ブック装置であって、前記電子書籍を構成する各ページを表示するためのページ情報を含む電子書籍情報を記憶する電子書籍情報記憶手段と、著名な建造物や旧所名跡、景勝地などの観光対象を一意に特定するための識別情報と前記電子書籍において前記識別情報が示す観光対象に関する情報が掲載されている位置である観光対象関連情報掲載位置を示す掲載情報とを含む観光対象情報を記憶する観光対象情報記憶手段と、前記ページに追加表示する画像として設定された追加画像を示す追加画像情報を記憶する追加画像情報記憶手段と、前記電子書籍の選択を受け付ける電子書籍選択受付手段と、該電子書籍選択受付手段により選択を受け付けた電子書籍を構成するページを表示装置の表示画面に表示するページ表示手段とを含み、前記ページ表示手段は、表示するページが前記観光対象関連情報掲載位置を含むページである観光対象関連情報掲載ページである場合に、該ページに応じた前記追加画像情報が示す追加画像を前記観光対象関連情報掲載ページと併せて表示することを特徴とする。
【0009】
上記の構成としたことで、電子書籍を提供する際、ユーザが利用する可能性の高いページがどこにあるかを認識しやすい状態にすることができるようになる。
【0010】
前記ページ表示手段は、前記追加画像を選択可能に表示し、表示した追加画像が選択されたことに応じて、選択された追加画像を含むページを他のページに優先して表示する構成とされていてもよい。
【0011】
複数のグリッドに分割して地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記表示画面に前記地図情報に基づいて地図を表示する地図表示手段とを含み、前記観光対象情報記憶手段は、前記観光対象情報と前記地図情報における複数のグリッドのそれぞれとを対応付けて記憶し、前記電子書籍選択受付手段は、前記地図表示手段により表示された地図に対する位置選択を受け付ける位置選択受付手段と、該位置選択受付手段により受け付けた位置選択に応じたグリッドを特定するグリッド特定手段とを有し、該グリッド特定手段により特定されたグリッドに対応付けされた観光対象情報が示すページを含む電子書籍の選択を受け付けたものと判定する構成とされていてもよい。
【0012】
前記ユーザの現在位置などの出発地の入力を受け付ける出発地受付手段と、目的地の入力を受け付ける目的地受付手段と、前記出発地から前記目的地までの推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段とを含み、前記グリッド特定手段は、前記推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路から所定範囲内に属するグリッドを、前記位置選択に応じたグリッドとして特定する構成とされていてもよい。
【0013】
観光に関連する観光関連情報を取得する観光関連情報取得手段を含み、前記ページ表示手段は、前記観光関連情報取得手段により取得された観光関連情報に応じた追加画像情報が示す追加画像を前記観光対象関連情報掲載ページと対応付けて表示する構成とされていてもよい。
【0014】
前記観光関連情報取得手段により取得された観光関連情報に基づいて前記観光対象のおすすめ度を算出するおすすめ度算出手段を含み、前記ページ表示手段は、前記おすすめ度算出手段により算出されたおすすめ度に応じた追加画像情報が示す追加画像を前記観光対象関連情報掲載ページと対応付けて表示する構成とされていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子書籍を提供する際、ユーザが利用する可能性の高いページがどこにあるかを認識しやすい状態にすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】制御部と記憶部の構成を説明するための説明図である。
【図3】観光対象情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】ページ出力処理の例を示すフローチャートである。
【図5】地図画面と座標入力方法について説明するための説明図である。
【図6】最優先ページ表示画面の例を示す説明図である。
【図7】画像追加処理の概念を説明するための説明図である。
【図8】画像追加処理の概念を説明するための説明図である。
【図9】画像追加処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、制御部10と、記憶部20と、メモリ30と、表示部40と、センサ部50と、通信部60と、入力部70とを含む。
【0019】
制御部10は、例えばCPU(中央処理装置)により構成され、記憶部20に記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーション装置100に動作制御させるためのコンピュータプログラム)に従い、ナビゲーション装置100を構成する各要素を統括制御し、経路探索機能、経路誘導機能、サービス情報(ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル・旅館といった店舗情報や、有名な施設情報、行楽地情報といったPOI(Point Of Interest)情報)を検索する情報検索機能を含む各種の処理を実行するための各種の機能を有する。なお、これらの各種の機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。
【0020】
また、本例における制御部10は、一般的な電子ブック装置としての機能(例えば、電子書籍を表示画面に表示する機能や、ページめくり機能など)を発揮するための機能を有し、ナビゲーション装置としての機能と連動することにより、より有効なナビゲーションを行うことができる。制御部10と記憶部20の構成については、後で詳しく説明する。
【0021】
メモリ30は、制御部10が処理する各種情報を一時的に保持する記憶媒体であり、RAMなどの半導体記憶装置により構成される。
【0022】
表示部40は、各種情報をユーザが認識可能な形で出力する機能を備え、例えば画像情報を表示する表示装置(ディスプレイ装置、モニタ)により構成される。表示部40は、地図情報とユーザの現在位置情報とを表示装置の表示画面上に表示するとともに、目的地までの誘導経路を表示画面上に併せて表示することで、ユーザに対して道順を報知する。
【0023】
センサ部50は、ナビゲーション装置100の現在位置(すなわち、ユーザの現在位置)を測位する機能を備えており、例えば、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【0024】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0025】
また、センサ部50は、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコード等の処理を行い、制御部10に通知する機能を有する。
【0026】
通信部60は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワークに接続された管理サーバなどの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。
【0027】
入力部70は、制御部10に対する各種指示をユーザから受け付ける機能を備える。本例では、入力部70は、例えば、表示部40の表示画面上に表示される操作ボタンなどによって構成される。
【0028】
図2は、本例の制御部10と記憶部20の構成を説明するための説明図である。図2に示すように、制御部10は、センサ情報処理部11と、通信処理部12と、日時情報取得部13と、距離算出部14と、経路探索部15と、おすすめ度算出部16と、画像追加部17とを含む。
【0029】
センサ情報処理部11は、センサ部50により位置情報や速度情報などのセンサ情報の取得や記憶などを行うための処理を実行する機能を有する。
【0030】
通信処理部12は、通信部60により各種情報の送受信を行うための処理を実行する機能を有する。
【0031】
日時情報取得部13は、後述する画像追加処理を実行するときの日時を示す日時情報を取得するための機能を有する。本例においては、日時情報取得部13は、ナビゲーション装置100に内蔵された時計から日時情報を取得する。
【0032】
距離算出部14は、地図上における任意の2つの地点の距離を算出する機能を有する。
【0033】
経路探索部15は、出発地(例えば、現在位置)から経由地を通って目的地に到達するまでの誘導経路を探索する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報および経由地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報および経由地情報に基づいて目的地および経由地の位置情報を特定し、この位置情報とセンサ部50により測位された現在位置情報に基づき、地図情報を参照して現在位置から目的地までの誘導経路を探索すると共に、この誘導経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、経路探索処理に必要な情報、例えば現在位置の特定や移動経路周辺地図を生成するためなどに用いられる地図情報は、予め記憶部20に記憶されている構成としてもよいし、通信部60により外部の管理サーバなどから取得する構成としてもよい。
【0034】
おすすめ度算出部16は、記憶部20に予め記憶されたおすすめ度の算出基準に基づいて、後述する画像追加処理にて観光対象の推奨度を示す「おすすめ度」を算出する機能を有する。
【0035】
画像追加部17は、記憶部20に記憶された電子ガイドブック情報に基づいて表示装置の表示画面に表示される電子ガイドブックおよび電子ガイドブックを構成する各ページに、予め記憶部20にページに追加表示する画像として記憶された複数の追加画像のうち、ページに掲載された観光対象関連情報に応じた追加画像を追加表示する機能を有する。なお、本例においては、画像追加部17は、観光対象関連情報掲載ページを強調表示するための追加画像(例えば、付箋画像、または栞画像)と、観光対象関連情報が示す情報を補足する意味をもつ画像(例えば、ユーザの現在位置やユーザにより入力された出発地から観光対象までの距離を示す画像や観光対象のおすすめ度を示す画像など)とを含む。
【0036】
なお、本例における画像追加部17は、電子ガイドブック情報記憶部21に記憶された電子ガイドブック情報に追加画像情報を追加するのではなく、制御部10が表示画面にページを表示するときに参照する情報に、追加画像情報を追加することにより、ページと追加画像とを併せて表示する。これにより、追加画像を追加表示したページに、電子ガイドブックの使用後にも追加画像が残されてしまうことなどを回避できる。なお、ページ情報自体に追加画像情報を追加し、電子ガイドブックの使用が終了したときなどに電子ガイドブック情報記憶部21に記憶される電子ガイドブック情報を初期化する構成としてもよい。
【0037】
記憶部20は、ROMやRAMなどで構成され、ナビゲーション装置100が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。また、本例において記憶部20は、図2に示すように、電子ガイドブック情報記憶部21と、地図情報記憶部22と、観光対象情報記憶部23と、追加画像情報記憶部24とを含む。
【0038】
電子ガイドブック情報記憶部21は、電子ガイドブックを構成する各ページを表示するためのページ情報を含む電子ガイドブック情報を記憶する記憶媒体である。本例における電子ガイドブック情報記憶部21には、電子ガイドブック情報が複数記憶されており、電子ガイドブック情報は、ページ情報の他、各電子ガイドブックが記憶された日時や、ガイドブックの発行日、著作者、出版元、発行所など、ガイドブックに関する種々の情報を含む。
【0039】
地図情報記憶部22は、所定のグリッド(本例においては、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(以下、「メッシュ」という。))に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。また、本例においては、地図情報記憶部22には、各電子ガイドブックに含まれた地図を示す地図情報が記憶されているものとする。なお、地図情報は、表示画面に表示されるときにグリッドが正確に表示されるように、あらかじめピクセルとグリッドとの対応データが用意されているものとする。
【0040】
観光対象情報記憶部23は、著名な建造物や旧所名跡、景勝地などの観光対象を一意に特定するための識別情報と、電子書籍としての電子ガイドブックにおいて各観光対象に関する情報が掲載されている位置である観光対象関連情報掲載位置を示す掲載情報とを含む観光対象情報を記憶する記憶媒体である。なお、「観光対象」は、「観光」の対象として一般的に認識される建造物、旧所名跡、景勝地、店舗、施設、駅などの観光スポットを意味する。
【0041】
図3は、観光対象情報記憶部23における観光対象情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、観光対象情報は、観光対象を一意に特定するための観光対象IDと、観光対象名称と、分類と、ランクと、係数と、電子ガイドブックにおいて観光対象に関する情報が掲載されたページを示す掲載ページ数と、掲載座標と、各観光対象の所在地を示す緯度経度と、各観光対象のおすすめ時期と、グリッド名とを含む。
【0042】
ここで、「分類」とは、各観光対象に設定される分類を示すものである。例えば、美術館など見て楽しむ場所は分類「見る」が設定され、レストランなど食べて楽しむ場所は分類「食べる」が設定される。
【0043】
また、「ランク」とは、予め観光対象毎に定義されるおすすめ度の基礎値(基準値)である。
【0044】
また、「係数」とは、電子ガイドブックを構成するページ毎の評価値である「スコア」を算出するためのものであり、予め観光対象毎に定義される。本例においては、制御部10は、後述するページ出力処理において、ランクと係数とを用いる所定の計算式(例えば、数式「数1」参照)により観光対象情報毎の「スコア」を算出し、同一ページに掲載される観光対象に関連する情報に応じた観光対象情報のスコアの和を、各ページの評価値である「ページスコア」とする。
【0045】
【数1】

【0046】
また、「掲載座標」とは、観光対象関連情報掲載ページにおいて観光対象に関する情報(観光対象関連情報)が掲載されている位置を示すためのものである。本例においては、観光対象関連情報掲載ページにおいて各観光対象に関する情報が掲載されている領域の左上隅の座標(A,B)と右下隅の座標(C,D)とを記憶する
【0047】
また、「グリッド名」とは、観光対象に関連する情報が掲載されたページを含む電子ガイドブックに名称と、電子ガイドブックが備える地図におけるグリッドの識別情報とを示すものである。例えば、図3におけるグリッド名「ベストドライブMAP_C2」は、電子ガイドブック名「ベストドライブMAP」のグリッド「C2」を示しているものとする。すなわち、観光対象情報は、地図情報におけるグリッドのそれぞれと対応付けて記憶される。
【0048】
観光対象情報に含まれる各要素は、ガイドブックを電子化する際にガイドブックが有する情報に応じて設定される構成としてもよいし、電子ガイドブックの提供者により設定される構成としてもよい。
【0049】
追加画像情報記憶部24は、後述する画像追加処理にて、電子ガイドブックのページに追加表示する画像を予め追加画像として記憶する記憶媒体である。本例における追加画像は、ユーザの現在位置やユーザにより入力された出発地から観光対象までの距離を示すものや、現在日時等における観光対象のおすすめ度を示すものなどがある。
【0050】
次に、本例のナビゲーション装置100の動作について図を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0051】
図4は、ナビゲーション装置100が実行するページ出力処理の例を示すフローチャートである。ページ出力処理では、電子ガイドブックを構成する各ページのうち、ユーザによる操作入力に応じた観光対象に関連する情報が掲載されたページ(観光対象関連情報掲載ページ)を表示装置の表示画面に表示するための処理が実行される。また、本例におけるナビゲーション装置100は、観光対象関連情報掲載ページを他のページに比して強調して表示するために、観光対象関連情報掲載ページに所定の画像(本例においては、追加画像)を追加して表示するための処理を実行する。
【0052】
本例におけるページ出力処理は、例えば、制御部10が、入力部70を介してユーザによる電子ガイドブックの表示要求を受け付けたときに開始される。
【0053】
ページ出力処理において、先ず、制御部10は、センサ情報処理部11により、ユーザの現在位置を示す位置情報を取得する(ステップS101)。
【0054】
位置情報を取得すると、制御部10は、表示部40により表示装置の表示画面に地図画面を表示するための処理を行う(ステップS102)。ここで、制御部10は、地図情報記憶部22を参照し、取得した位置情報が示す位置を含む地図を表示する。なお、複数の電子ガイドブックに含まれる地図のそれぞれが、取得した位置情報が示す位置を含む場合、制御部10は、予め設定された基準(例えば、発行日時が現在日時に近い電子ガイドブックに含まれる地図を優先して表示するなど)に応じて、使用する地図情報を決定して地図画面を表示する。
【0055】
地図画面を表示すると、制御部10は、ユーザによる座標の入力を受け付ける(ステップS103)。
【0056】
図5は、本例における地図画面と座標入力方法について説明するための説明図である。図5に示すように、表示画面には、複数のメッシュに分割された地図が表示される。ここで、入力部70が、例えばユーザの指PによりメッシュM1の表示位置が押下されたことを受け付けると、制御部10は、メッシュM1に応じた座標の入力を受け付けたものと判定し(ステップS103のY)、観光対象情報記憶部23を参照して、入力された座標(入力座標)に適合する電子ガイドブックがあるか否か判定する(ステップS104)。本例においては、制御部10は、選択されたメッシュM1を示すグリッド名が対応付けされた観光対象情報がある場合に、入力座標に適合する電子ガイドブックがあると判定する。この場合、制御部10は、メッシュM1を示すグリッド名が示す電子ガイドブック名に応じた電子ガイドブックを、ユーザにより選択された電子ガイドブックとして取り扱う。なお、座標の入力を受け付けない場合(ステップS103のN)、制御部10は、ステップS102の処理に移行する。
【0057】
ここで、入力座標に適合する電子ガイドブックがないと判定すると(ステップS104のN)、制御部10は、入力座標を消去してステップS102の処理に移行する。なお、制御部10は、地図画面を表示するときに参照した地図情報以外の地図情報(すなわち、他の電子ガイドブックに含まれる地図)を参照し、入力座標に適合する電子ガイドブックがあるか否かを判定する構成としてもよい。
【0058】
一方、入力座標に適合する電子ガイドブックがあると判定すると(ステップS104のY)、制御部10は、入力座標に適合する電子ガイドブックが複数あるか否かを判定する(ステップS105)。本例においては、制御部10は、地図情報記憶部22を参照し、入力座標が含まれるメッシュを示すグリッド名が対応付けされた観光対象情報を検索することにより、入力座標に適合する電子ガイドブックが複数あるか否かを判定する(ステップS105)。
【0059】
なお、予め複数の電子ガイドブック間の対応関係を記憶しておく構成としてもよい。すなわち、入力座標に適合する電子ガイドブックがあると判定したことに応じて、制御部10が、電子ガイドブック間の対応関係を参照することにより入力座標に適合する電子ガイドブックが複数あるか否かを判定する構成としてもよい。
【0060】
また、地図情報記憶部22に、各メッシュに対応する電子ガイドブックが記憶された基礎地図情報を記憶しておき、基礎地図情報に基づいて表示画面に地図を表示してユーザによる座標の入力を受け付け、受け付けた座標に適合する電子ガイドブックが幾つあるのかを、基礎地図情報を参照することにより判定する構成としてもよい。
【0061】
ここで、入力座標に適合する電子ガイドブックが複数ないと判定すると(ステップS105のN)、制御部10は、後述するステップS108の処理に移行する。
【0062】
一方、入力座標に適合する電子ガイドブックが複数あると判定すると(ステップS105のY)、制御部10は、表示部40により、ガイドブック選択画面を表示する(ステップS106)。ここで、本例におけるガイドブック選択画面とは、複数の電子ガイドブックの表紙などを選択可能に表示する画面である。
【0063】
また、本例においては、制御部10は、複数の電子ガイドブックを、電子ガイドブック情報記憶部21に予め記憶された電子ガイドブック毎の表示優先度に応じて表示するものとする。
【0064】
なお、電子ガイドブックを表示するときに、制御部10が、ユーザによる分類の選択を受け付ける分類受付画面を表示画面に表示して、受け付けた分類が設定された観光対象情報に関連する情報を掲載しているページを含む電子ガイドブックを優先して表示する構成としてもよい。
【0065】
また、電子ガイドブック選択画面を表示するときに、制御部10が、各電子ガイドブックにおける入力座標に応じたページ毎のページスコアを算出し、ページスコアの高いページを含む電子ガイドブックを他の電子ガイドブックに優先して表示する構成としてもよい。
【0066】
すなわち、例えば図3に示すように、電子ガイドブック「ベストドライブMAP」のグリッド「C2」に応じた観光対象情報が3つあり、これらに応じた観光対象に関する情報が全て同一ページ数「98」に掲載されているとする。この場合に、グリッド名「ベストドライブMAP_C2」に応じた入力座標の入力を受け付けると、制御部10は、電子ガイドブック「ベストドライブMAP」のページ「98」のページスコアを、各観光対象情報におけるランクと係数との積の和)で算出する(数式「数2」参照、「数2」におけるQ,R,Sは任意の数)。なお、例えばグリッド名「ベストドライブMAP_C2」に応じたページが、1つの電子ガイドブックに複数含まれる場合、制御部10が、各ページのページスコアを算出し、最も高いページスコアを電子ガイドブックのページスコアとする構成としてもよいし、各ページのページスコアの合計値を電子ガイドブックのページスコアとする構成としてもよい。
【0067】
【数2】

【0068】
電子ガイドブック選択画面を表示すると、制御部10は、電子ガイドブックの選択を受け付ける(ステップS107)。例えば、ユーザの指Pにより表示画面における電子ガイドブックの表紙表示領域が押下されると、制御部10は、入力部70を介して電子ガイドブックの選択を受け付けたものと判定する(ステップS107のY)。
【0069】
電子ガイドブックの選択を受け付けると、制御部10は、選択を受け付けた電子ガイドブックに応じた観光対象情報を参照し、掲載ページ数から電子ガイドブックにおける観光対象関連情報掲載ページを特定する(ステップS108)。
【0070】
電子ガイドブックにおける観光対象関連情報掲載ページを特定すると、制御部10は、各観光対象関連情報掲載ページのページスコアを算出する(数式「数2」参照)(ステップS109)。
【0071】
ここで、本例においては、制御部10は、観光対象関連情報掲載ページのうちページスコアが最も高いページ(最優先ページ)を表示画面に表示するページに決定する。
【0072】
ページスコアを算出すると、制御部10は、各観光対象関連情報掲載ページにおける所定の位置(例えば、ページの右上隅部分を中心とする位置)に、追加画像のうち「付箋画像(または、栞画像)」が表示されるように最優先ページを表示する(ステップS110)。すなわち、本例においては最優先ページを含む観光対象関連情報掲載ページに付箋画像が重畳して表示されることとなる。
【0073】
図6は、このときの表示画面(最優先ページ表示画面)の例を示す説明図である。図6のように、最優先ページ表示画面は、最優先ページP1と、最優先ページP1を含む電子ガイドブックを構成する他のページの一部であるページP2、P3,P4と、付箋画像S1,S2と、表示ページ数表示領域201とを含む。ここで、制御部10は、付箋画像S1、S2を、選択可能に表示する。
【0074】
最優先ページ表示画面を表示すると、制御部10は、付箋S1,S2の選択を受け付ける(ステップS111)。ここで、付箋の選択を受け付けない場合(ステップS111のN)、制御部10は、後述するステップS113の処理に移行する。
【0075】
一方、付箋の選択を受け付けると(ステップS111のY)、制御部10は、選択された付箋に応じた観光対象関連情報掲載ページ(すなわち、付箋画像が追加されたページ)を他の観光対象関連情報掲載ページ(最優先ページを含む)に優先して表示する(ステップS112)。ここで、「優先して表示する」とは、表示画面における最前面に表示したり、拡大して表示したり、所定の表示領域に表示したりするというように、ユーザにより認識されやすいように表示することを意味するものとする。最優先ページに追加された付箋S1の選択を受け付けた場合、制御部10は、最優先ページを拡大表示する。なお、最優先ページや、付箋の選択を受け付けたことにより表示画面に表示されたページには、付箋を表示しない構成としてもよい。
【0076】
選択された付箋に応じた観光対象関連情報掲載ページを表示すると、制御部10は、ページの表示を終了するか否かを判定する(ステップS113)。ここで、ページの表示を終了しないと判定すると(ステップS113のN)、制御部10は、ステップS111の処理に移行する。なお、このとき制御部10は、例えばユーザによる操作入力を受け付けて、表示画面上で、表示中のページを捲り次のページを表示する処理など、ナビゲーション装置100が備える一般的電子ブック装置の機能を発揮するための処理を実行する構成としてもよい。
【0077】
一方、例えば入力部70を介してユーザによるページ表示終了要求を受け付けると、制御部10は、ページの表示を終了すると判定し(ステップS113のY)、ここでの処理を終了する。
【0078】
なお、制御部10は、ページ表示終了要求として、例えば、観光対象関連情報掲載ページやその他のページに掲載された観光対象関連情報が示す観光対象を目的地とする経路探索要求を受け付ける構成としてもよい。この場合、例えば制御部10が、入力部70を介して表示中のページにおける観光対象関連情報掲載位置が押下されたことをトリガに、経路探索部15により、押下位置に掲載されている観光対象関連情報に応じた観光対象を目的地として現在位置(または、例えば入力部70を介してユーザから受け付けた位置情報が示す出発地など)からの推奨移動経路を探索する構成とすればよい。
【0079】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置の表示画面に電子化された書籍である電子書籍(例えば、電子ガイドブック)の内容を表示する電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、電子書籍を構成する各ページを表示するためのページ情報を含む電子書籍情報を記憶する電子書籍情報記憶部(例えば、電子ガイドブック情報記憶部21)と、著名な建造物や旧所名跡、景勝地などの観光対象を一意に特定するための識別情報(例えば、観光対象ID)と電子書籍において識別情報が示す観光対象に関する情報が掲載されている位置である観光対象関連情報掲載位置を示す掲載情報(例えば、掲載ページ数や掲載座標を示す情報)とを含む観光対象情報を記憶する観光対象情報記憶部23と、ページに追加表示する画像として設定された追加画像を示す追加画像情報を記憶する追加画像情報記憶部24とを備え、電子書籍の選択を受け付け、選択を受け付けた電子書籍を構成するページ(例えば、観光対象関連情報掲載ページ)を表示装置の表示画面に表示し、表示するページが、観光対象関連情報掲載位置を含むページである観光対象関連情報掲載ページである場合に、ページに応じた追加画像情報が示す追加画像(例えば、付箋画像S1,S2)を観光対象関連情報掲載ページと併せて(例えば、ページに重畳して)表示する構成としているので、電子書籍を提供する際、ユーザが利用する可能性の高いページがどこにあるかを認識しやすい状態にすることができるようになる。
【0080】
すなわち、ユーザにとって利用可能性が高い情報が掲載されたページを強調表示することができるようになる。
【0081】
また、上述した実施の形態では、電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、追加画像(例えば、付箋画像S1,S2)を選択可能に表示し、表示した追加画像が選択されたことに応じて、選択された追加画像を含むページを他のページに優先して表示する構成としているので、ユーザにとっては、追加画像を選択するという簡単な操作により利用可能性の高いページを開くことができるようになる。
【0082】
また、上述した実施の形態では、電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、複数のグリッド(例えば、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲であるメッシュ)に分割して地図情報を記憶する地図情報記憶部22を備え、表示画面に地図情報に基づいて地図を表示し、観光対象情報と地図情報における複数のグリッドのそれぞれとを対応付けて記憶し、表示された地図に対する位置選択(例えば、座標入力)を受け付け、受け付けた位置選択(例えば、入力座標)に応じたグリッドを特定し、特定したグリッドに対応付けされた観光対象情報が示すページ(例えば、入力座標に対応するグリッド名に応じた掲載ページ数)を含む電子書籍(例えば、電子ガイドブック)の選択を受け付けたものと判定する構成としているので、ページ数や文字列を入力することなく、地図上におけるユーザの選択位置に関連するページを表示させることができるようになる。
【0083】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、ユーザの現在位置などの出発地の入力を受け付け、目的地の入力を受け付け、出発地から目的地までの推奨移動経路を探索し、探索した推奨移動経路から所定範囲内に属するグリッドを、位置選択(例えば、座標入力)に応じたグリッドとして特定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、電子ガイドブックなどの電子書籍を表示するときに、現在位置から目的地までの推奨移動経路添いに存在する観光対象に関連する情報が掲載されたページを強調表示することができるようになる。
【0084】
次に、ナビゲーション装置100が実行する画像追加処理について説明する。画像追加処理では、表示画面に電子ガイドブックのページを表示するときに、付箋画像とは異なる効果を発揮する追加画像を表示するための処理が実行される。具体的には、付箋画像が観光対象関連情報掲載ページ自体を強調表示し、ユーザがページにアクセスしやすくするものであるのに対して、画像追加処理にて追加される追加画像は、観光対象関連情報掲載ページに掲載された各観光対象関連情報に所定の情報(例えば、現在位置などの出発地から観光対象までの距離や、現在日時における観光対象のおすすめ度など、観光対象に関する情報を示す情報)をユーザが直感的に理解できるようにするためのものである。
【0085】
図7,8は、画像追加処理の概念を説明するための説明図である。
【0086】
例えば、電子化の対象とするガイドブックを構成するページの1つが図7に示す形態であるとする。この場合、例えばガイドブックを電子化するときや電子ガイドブック情報を電子ガイドブック情報記憶部21に記憶するときなどに、ページ全体を1つの画像として記憶するだけでなく、観光対象毎の観光対象関連情報掲載領域101〜104や見出し部分領域105などページの構成を示す領域情報を記憶する。
【0087】
そして、表示画面にページを出力するときに、例えば図8に示すように、出力するときのユーザの状況(例えば、位置や日時など)に応じて、各領域に表示される観光対象関連情報を含む各種情報を修飾する追加画像C1〜C4,R2〜R4を表示する。ここで、追加画像C1〜C4は、ユーザの現在位置から観光対象までの距離を示す追加画像(距離画像)であり、追加画像R2〜R4は、現在日時における観光対象のおすすめ度(推奨画像)である。なお、おすすめ度が所定の数値に達しない場合には、推奨画像が表示されないものとする。
【0088】
図9は、制御部10が実行する画像追加処理の例を示すフローチャートである。画像追加処理は、例えば、ページ出力処理(図4参照)において電子ガイドブックが選択されたことに応じて開始される。
【0089】
画像追加処理において、制御部10は、先ず、日時情報取得部13により、現在日時を示す日時情報を取得する(ステップS201)。
【0090】
日時情報を取得すると、制御部10は、観光対象情報記憶部23を参照して観光対象が位置する緯度経度を確認し、距離算出部14によりユーザの現在位置から観光対象までの距離を算出する(ステップS202)。なお、このとき制御部10が、現在位置の代わりに、ユーザから出発地の入力を受け付け、受け付けた出発地から観光対象までの距離を算出する構成としてもよい。
【0091】
ユーザの現在位置から観光対象までの距離を算出すると、制御部10は、おすすめ度算出部16により、最優先ページを含む観光対象関連情報掲載ページに掲載された各観光対象関連情報に応じた観光対象のおすすめ度を算出する(ステップS203)。ここで、おすすめ度は、現在時刻と観光対象情報、および予め記憶部20に記憶されたおすすめ度の算出基準に基づいて算出するものとする。
【0092】
なお、おすすめ度の算出基準は現在日時に基づくものに限定されず、例えば天気情報を含む基準やユーザの嗜好を示すユーザ属性情報を含む基準など種々の観点から設定することが考えられる。
【0093】
おすすめ度を算出すると、制御部10は、追加画像情報記憶部24を参照し、算出した距離とおすすめ度とに応じた追加画像を特定する(ステップS204)。
【0094】
なお、追加画像情報記憶部24には、算出した距離やおすすめ度を示す数値を入力可能なテンプレート画像が含まれる構成としてもよい。また、算出する数値は、距離やおすすめ度に限定されず、例えば、交通手段毎のルート距離(道のり)や所要時間、到着予想時刻、必要料金、季節、気温、ユーザ評価など、観光対象に関連する項目であればよい。また、おすすめ度の算出基準として用いる項目をユーザが選択可能な構成としてもよい。
【0095】
追加画像を特定すると、制御部10は、観光対象情報記憶部23を参照し、観光対象関連情報掲載位置を特定する(ステップS205)。本例においては、制御部10は、観光対象関連情報掲載ページにおいて観光対象関連情報が掲載されている観光対象関連情報掲載領域101〜104それぞれの掲載座標により観光対象関連情報掲載位置を特定する。すなわち、例えば図7において、観光対象関連情報掲載領域101における左上隅座標101Aと右下隅座標101Bとから、観光対象関連情報掲載ページにおける観光対象関連情報掲載領域101の位置を特定する。
【0096】
観光対象関連情報掲載位置を特定すると、制御部10は、追加画像の追加位置(すなわち、観光対象関連情報掲載ページを表示するためのページおける追加画像の表示位置)を特定する(ステップS206)。
【0097】
本例においては、制御部10は、観光対象関連情報掲載領域101〜104内における右上隅に追加画像が収まる位置を追加位置とする。また、制御部10は、図8に示すように、1つの観光対象関連情報掲載領域に複数の追加画像(例えば、距離画像C1〜C4と推奨画像R2〜R4)を表示することもできる。この場合、例えば図8に示すように、異なる種類の追加画像がそれぞれ違う位置を基準にして追加される構成とすればよい。すなわち、距離画像C1〜C4を、それぞれ対応する観光対象関連情報掲載領域101〜104における右上隅に収まるように追加し、推奨画像R2〜R4を、それぞれ対応する観光対象関連情報掲載領域102〜104における左上隅に収まるように追加する構成とすればよい。
【0098】
なお、追加画像の特定方法はこれに限定されず、例えば「推奨画像領域における左上隅座標から右方向に何ピクセル、下方向に何ピクセル」というように決定してもよい。また、ページ情報が、観光対象関連情報表示領域において文章が掲載された文字列掲載位置と写真やイラストなど画像が掲載された画像掲載位置とを示す情報を有している場合には、例えば「文字列掲載位置以外の位置であって、色彩の変化が少ない領域」といったように決定する構成としてもよい。
【0099】
また、追加画像の形態も、図9に示した形態に限定されず、例えば半透明のものであってもよい。
【0100】
追加画像の追加位置を特定すると、制御部10は、画像追加部17により、観光対象関連情報掲載ページを示すページ情報に、ページ情報に基づいて表示画面にページが表示されるときに追加画像が観光対象関連情報掲載位置における所定の位置に追加表示されるように追加画像情報を追加して(ステップS207)、ここでの処理を終了する。
【0101】
なお、制御部10は、画像追加部17により、ページ情報に基づいて追加画像を含むページを表示するときに、追加画像が選択可能となるように追加画像情報を追加する構成としてもよい。この場合、追加画像の選択を受け付けたことに応じて、制御部10が、例えば追加画像に応じた観光対象を目的地として、経路探索部15により、ユーザの現在位置からの推奨移動経路を探索して表示画面に表示する構成としてもよい。
【0102】
また、制御部10は、ユーザの操作に応じて、表示する情報の有無や表示形態を選択可能な構成としてもよい。すなわち、例えば距離画像C1〜C4は表示しない構成や、所定距離以上の距離を示す画像を他の画像と異なる形態で表示したりする構成としてもよい。また、所定の種類の情報を示す追加画像に関しては、例えば表示画面に表示されたページ上に浮き上がってくるように表示するなど、追加画像の表示方法を変更可能な構成としてもよい。
【0103】
以上のように、上述した実施の形態においては、表示装置の表示画面に電子化された書籍である電子書籍(例えば、電子ガイドブック)の内容を表示する電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、観光に関連する観光関連情報(例えば、「日時情報」や「ユーザの現在位置などの出発地から観光対象までの距離」など)を取得し、取得した観光関連情報に応じた追加画像情報が示す追加画像(例えば、距離画像C1〜C4)を観光対象関連情報掲載ページと対応付けて表示する構成としているので、電子書籍に掲載された観光対象関連情報に、観光関連情報を追加して表示することができるようになる。
【0104】
すなわち、例えば観光関連情報として現在位置から観光対象までの距離を取得する構成とした場合に、ユーザは、ページに掲載された情報に加えて、現在位置から観光対象までの距離を考慮して観光対象に行くか否かを判断することができるようになる。
【0105】
また、上述した実施の形態では、電子ブック装置(例えば、電子ブック装置としての機能を備えたナビゲーション装置100)が、取得した観光関連情報(例えば、「日時情報」、「ユーザの現在位置などの出発地から観光対象までの距離」など)に基づいて観光対象のおすすめ度を算出し、算出したおすすめ度に応じた追加画像情報が示す追加画像(例えば、推奨画像R2〜R4)を観光対象関連情報掲載ページと対応付けて表示する構成としているので、観光対象関連情報が作成されたときの情報だけでなく、ページを表示したときの観光関連情報を考慮したおすすめ度を表示することができるようになる。
【0106】
そのため、電子書籍のもとデータが作成された時期が、電子書籍の利用時期と合っていない場合においても、電子書籍の有用性の低下を抑えることができるようになる。
【0107】
すなわち、例えば、冬に出版された書籍が電子化された電子書籍をユーザが夏に利用する場合に、夏にもおすすめ度が高い観光対象であればその旨を示す追加画像を表示することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、電子書籍を表示するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、電子地図の表示が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0109】
10 制御部
11 センサ情報処理部
12 通信処理部
13 日時情報取得部
14 距離算出部
15 経路探索部
16 おすすめ度算出部
17 画像追加部
20 記憶部
21 電子ガイドブック情報記憶部
22 地図情報記憶部
23 観光対象情報記憶部
24 追加画像情報記憶部
30 メモリ
40 表示部
50 センサ部
60 通信部
70 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面に電子化された書籍である電子書籍の内容を表示する電子ブック装置であって、
前記電子書籍を構成する各ページを表示するためのページ情報を含む電子書籍情報を記憶する電子書籍情報記憶手段と、
著名な建造物や旧所名跡、景勝地などの観光対象を一意に特定するための識別情報と前記電子書籍において前記識別情報が示す観光対象に関する情報が掲載されている位置である観光対象関連情報掲載位置を示す掲載情報とを含む観光対象情報を記憶する観光対象情報記憶手段と、
前記ページに追加表示する画像として設定された追加画像を示す追加画像情報を記憶する追加画像情報記憶手段と、
前記電子書籍の選択を受け付ける電子書籍選択受付手段と、
該電子書籍選択受付手段により選択を受け付けた電子書籍を構成するページを表示装置の表示画面に表示するページ表示手段とを含み、
前記ページ表示手段は、表示するページが前記観光対象関連情報掲載位置を含むページである観光対象関連情報掲載ページである場合に、該ページに応じた前記追加画像情報が示す追加画像を前記観光対象関連情報掲載ページと併せて表示する
ことを特徴とする電子ブック装置。
【請求項2】
前記ページ表示手段は、前記追加画像を選択可能に表示し、表示した追加画像が選択されたことに応じて、選択された追加画像を含むページを他のページに優先して表示する
請求項1記載の電子ブック装置。
【請求項3】
複数のグリッドに分割して地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記表示画面に前記地図情報に基づいて地図を表示する地図表示手段とを含み、
前記観光対象情報記憶手段は、前記観光対象情報と前記地図情報における複数のグリッドのそれぞれとを対応付けて記憶し、
前記電子書籍選択受付手段は、
前記地図表示手段により表示された地図に対する位置選択を受け付ける位置選択受付手段と、
該位置選択受付手段により受け付けた位置選択に応じたグリッドを特定するグリッド特定手段とを有し、
該グリッド特定手段により特定されたグリッドに対応付けされた観光対象情報が示すページを含む電子書籍の選択を受け付けたものと判定する
請求項1または請求項2記載の電子ブック装置。
【請求項4】
前記ユーザの現在位置などの出発地の入力を受け付ける出発地受付手段と、
目的地の入力を受け付ける目的地受付手段と、
前記出発地から前記目的地までの推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段とを含み、
前記グリッド特定手段は、
前記推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路から所定範囲内に属するグリッドを、前記位置選択に応じたグリッドとして特定する
請求項3記載の電子ブック装置。
【請求項5】
観光に関連する観光関連情報を取得する観光関連情報取得手段を含み、
前記ページ表示手段は、前記観光関連情報取得手段により取得された観光関連情報に応じた追加画像情報が示す追加画像を前記観光対象関連情報掲載ページと対応付けて表示する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の電子ブック装置。
【請求項6】
前記観光関連情報取得手段により取得された観光関連情報に基づいて前記観光対象のおすすめ度を算出するおすすめ度算出手段を含み、
前記ページ表示手段は、前記おすすめ度算出手段により算出されたおすすめ度に応じた追加画像情報が示す追加画像を前記観光対象関連情報掲載ページと対応付けて表示する
請求項5記載の電子ブック装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−3614(P2012−3614A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139678(P2010−139678)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】