電子ペンシステム及びプログラム
【課題】ユーザが選択したストロークの表示態様を適切に表示させることが可能な電子ペンシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】電子ペンシステムでは、記入者は、電子ペンによって記入用紙に手書きストロークを記入すると共に、電子ペンによって選択用紙に記入することで、記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択する。そして、端末装置は、電子ペンから受信した記入情報に基づいて、選択用紙によって選択された表示態様にて、記入用紙に記入された手書きストロークを表示すると共に、選択用紙によって選択された表示態様を表示する。
【解決手段】電子ペンシステムでは、記入者は、電子ペンによって記入用紙に手書きストロークを記入すると共に、電子ペンによって選択用紙に記入することで、記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択する。そして、端末装置は、電子ペンから受信した記入情報に基づいて、選択用紙によって選択された表示態様にて、記入用紙に記入された手書きストロークを表示すると共に、選択用紙によって選択された表示態様を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンによって記入された手書きストロークを表示する電子ペンシステム、及びその電子ペンシステムにおいて端末装置によって実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、ドットパターンに対向する電子ペンの角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能が記載されている。特許文献3には、電子ペンを用いた協働学習システムにおいて、電子ペンで色・線幅選択パレット用紙にタップすると、コンピュータ上に表示されるストロークの色や線幅を変更する技術が開示されている。特許文献4には、電子ペンを用いた協働学習システムにおいて、表示画面で任意の位置・大きさの範囲を指定すると、各解答用紙における同じ範囲を並べて一覧表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3872498号公報
【特許文献2】特表2003−529853号公報
【特許文献3】特開2009−251925号公報
【特許文献4】特開2009−276479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に記載された技術では、ユーザ(受講者)が色・線幅選択パレット用紙にタップしても、コンピュータ上で実際に色あるいは線幅が変更されたかどうかが分かりにくかった。そのため、ユーザが何度もパレット用紙をタップする場合があり、効率的に作業が進まない可能性があった。そこで、本発明は、ユーザが選択したストロークの表示態様を適切に表示させることが可能な電子ペンシステム及びプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムであって、前記端末装置は、前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段を備える。
【0007】
上記の電子ペンシステムでは、記入者は、電子ペンによって記入用紙に手書きストローク(以下では、単に「ストローク」とも表記する)を記入すると共に、電子ペンによって選択用紙に記入することで、記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択する。そして、端末装置は、電子ペンから受信した記入情報に基づいて、選択用紙によって選択された表示態様にて、記入用紙に記入された手書きストロークを表示すると共に、選択用紙によって選択された表示態様を表示する。これにより、記入者が電子ペンで選択用紙に記入することで表示態様を選択した場合に、表示態様が変更されたことを端末装置上で容易に判別することができる。よって、上記の電子ペンシステムによれば、表示態様を表示しない構成と比較して、記入者は効率的に作業を行うことが可能となる。
【0008】
上記の電子ペンシステムの一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示する。これにより、各記入者が選択した表示態様を容易に把握することができる。
【0009】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示する。
【0010】
この態様では、表示制御手段は、操作者(端末装置を操作する者)が選択した記入者の手書きストロークを大きく表示し、操作者が選択しなかった記入者の手書きストロークを小さく表示する。具体的には、表示制御手段は、操作者が選択しなかった記入者の手書きストロークについては、同時に並べて一覧表示する。これにより、特定の記入者の手書きストロークを見易く表示させつつ、他の記入者の手書きストロークを比較可能な態様で表示させることができる。
【0011】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示する。これにより、操作者の選択に応じて、第1画像と第2画像とを適宜入れ替えて表示させることができる。
【0012】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示する。これにより、操作者の操作に基づき、第1画像及び第2画像の表示態様を柔軟に変更することができる。
【0013】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示する。これにより、操作者は、選択ボタンを用いて選択することで、所望のカテゴリーに分類された記入者の手書きストロークのみを表示させることができる。
【0014】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示する。これにより、操作者の選択に基づいて画面を分割し、分割した各エリアに手書きストロークを適切に表示することができる。
【0015】
上記の電子ペンシステムにおいて好適には、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。これにより、手書きストロークを記入し終えたのが早い順を、容易に把握することができる。
【0016】
上記の電子ペンシステムにおいて好適には、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。これにより、ストローク数が多い順を、容易に把握することができる。
【0017】
好適な例では、上記した表示態様として、手書きストロークの色及び/又は線幅を用いることができる。
【0018】
本発明の他の観点では、用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムにおいて、前記端末装置によって実行されるプログラムは、前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段として前記端末装置を機能させる。
【0019】
上記のプログラムの一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示する。
【0020】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示する。
【0021】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示する。
【0022】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示する。
【0023】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示する。
【0024】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示する。
【0025】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。
【0026】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。
【0027】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示態様は、前記手書きストロークの色及び/又は線幅である。
【0028】
これらのプログラムを実行することにより、上記の電子ペンシステムを実現することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、端末装置は、電子ペンから受信した記入情報に基づいて、選択用紙によって選択された表示態様にて、記入用紙に記入された手書きストロークを表示すると共に、選択用紙によって選択された表示態様を表示する。これにより、記入者が電子ペンで選択用紙に記入することで表示態様を選択した場合に、表示態様が変更されたことを端末装置上で容易に判別することができる。よって、表示態様を表示しない構成と比較して、記入者は効率的に作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態に係る電子ペンシステムのシステム構成図である。
【図2】電子ペンシステムで利用される解答用紙を示す図である。
【図3】電子ペンシステムで利用されるカラーパレット用紙を示す図である。
【図4】解答用紙、電子ペン、及び受講者の対応を説明するための図である。
【図5】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図6】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図7】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図8】集約装置の機能ブロック図を含む電子ペンシステムのシステム構成図である。
【図9】集約装置に記憶された、ユーザIDとユーザ名とペンIDとの関係を示す図である。
【図10】集約装置に記憶された、ユーザエリアと線種IDと色及び線幅との関係を示す図である。
【図11】集約装置に記憶させる学習データのファイルの構造図である。
【図12】集約装置における描画アプリケーションウィンドウの表示例である。
【図13】選択ユーザ表示ボタンが選択された場合の描画アプリケーションウィンドウの表示例である。
【図14】比較一覧表示ボタンが選択された場合の描画アプリケーションウィンドウの表示例である。
【図15】色・線幅の設定及び表示、並びに設定された色・線幅でのストロークの描画を行うために実行されるフローチャートである。
【図16】選択ユーザ表示において実行される処理を示すフローチャートである。
【図17】変形例1に係る名簿用紙を示す図である。
【図18】変形例2に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【図19】変形例2に係る描画アプリケーションウィンドウの他の例を示す。
【図20】変形例3に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【図21】変形例4に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【図22】変形例5に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るシステムの好適な実施形態について説明する。
【0032】
[電子ペンシステムのシステム構成]
図1は、本実施形態における電子ペンシステム10のシステム構成図である。図1に示すように、電子ペンシステム10は、各受講者(記入者)それぞれに配布される解答用紙(記入用紙)5A,5B,…(5)と、解答用紙5に解答(筆跡)を記入し、記入した情報を外部へBluetooth(登録商標)等の無線通信方式で送信するための電子ペン1A,1B,…(1)と、各電子ペン1から送信される記入情報を受信してディスプレイ(表示手段)に記入内容等を表示する集約装置(端末装置)2とを備える。
【0033】
なお、図1では、集約装置2は、電子ペン1A〜1Cから直接、記入情報を受信しているが、記入される解答用紙5が多いために記入情報を送信する電子ペン1の本数が多い場合や、受講者が解答する会場が離れている等により無線通信の範囲外となるような場合は、他の電子ペン1D、1E、…から送信される記入情報を中継して集約装置2へ転送するための転送装置3を設ける。このとき、転送装置3から集約装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式で行うとよい。各電子ペン1には、アノトペンを利用することができ、集約装置2には、ラップトップパソコンなどを利用することができ、転送装置3には、ラップトップパソコンやデータ転送専用のコンピュータなどを利用することができる。プロジェクタ4は、集約装置2から表示情報を受信して、集約装置2の画面をスクリーン6へ投影表示する装置である。
【0034】
また、本システム10では、電子ペン1で解答用紙5に記入するにあたって、集約装置2での記入した筆跡を表示する色及び線幅を特定するためのカラーパレット用紙(選択用紙)7が備えられている。なお、図1ではカラーパレット用紙7を1枚しか図示していないが、実際には、カラーパレット用紙7は複数枚存在し、各受講者それぞれに配布される。
【0035】
[解答用紙]
図2を参照して解答用紙(記入用紙)5について説明する。図2に示すように、受講者ごとに複数枚の解答用紙5が一組用意され、同じ組の解答用紙5には、それぞれ異なる座標範囲のドットパターン(コード化パターン)が印刷される。また、解答用紙5には、マス目が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、マス目は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、解答用紙5に、記入欄や問題や解答欄等を印刷しておいても良い。
【0036】
[カラーパレット用紙]
図3を参照してカラーパレット用紙7について説明する。カラーパレット用紙7の略全面に、電子ペン1によって読取可能なドットパターン(コード化パターン)が印刷され、その上に、ユーザエリア701〜706が規定されている。具体的には、ユーザエリア701〜706には、それぞれ異なる座標範囲のドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。ユーザエリア701〜706は、電子ペン1によるストローク情報(筆跡)を集約装置2の表示手段26で表示する色及び線幅(表示態様)を選択するために用いられる。ユーザエリア701は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に黒色で表示するためのユーザエリアであり、「くろ」と印刷されている。ユーザエリア702は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に赤色で表示するためのユーザエリアであり、「あか」と印刷されている。ユーザエリア703は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に青色で表示するためのユーザエリアであり、「あお」と印刷されている。
【0037】
また、ユーザエリア704は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に0.3mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「0.3mm」と印刷されている。ユーザエリア705は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に0.5mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「0.5mm」と印刷されている。ユーザエリア706は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に1.0mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「1.0mm」と印刷されている。カラーパレット用紙7に印刷されたドットパターンは、解答用紙5とは異なるドットパターンを有し、そのドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷されている。また、各ユーザエリア701〜706の枠や文字は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。受講者等は、集約装置2の表示手段26に表示させるストローク情報(筆跡)の色や線幅を設定する際に、電子ペン1のペン先部103で所望のユーザエリアにタップする。
【0038】
[解答用紙、電子ペンと受講者の対応等]
解答用紙、電子ペンと受講者(記入者)の対応等については、本実施形態では、図4に示すように、受講者「太郎」が、電子ペン1Aを用いて解答用紙5Aに解答し、受講者「次郎」が、電子ペン1Bを用いて解答用紙5Bに解答し、受講者「三郎」が、電子ペン1Cを用いて解答用紙5Cに解答し、受講者「四郎」が、電子ペン1Dを用いて解答用紙5Dに解答し、受講者「五郎」が、電子ペン1Eを用いて解答用紙5Eに解答するものとする。また、講師(操作者)「花子」が、集約装置2を操作するものとする。
【0039】
[ドットパターン]
【0040】
次に、図5と図6を参照しながら、解答用紙5及びカラーパレット用紙7に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図5は、解答用紙5及びカラーパレット用紙7に印刷されたドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図5に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、用紙上の位置座標が決定されるように構成されている。
【0041】
図6(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図6(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、用紙上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンが解答用紙5上のどの位置にあるのか)を保持している。図6(b)は、図6(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図5に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0042】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図7を用いて説明する。図7は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図7に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端は、ペン先部103となっており、各受講者は、電子ペン1のペン先部103を、カラーパレット用紙7にタップしたり、解答用紙5に当接させてストローク(手書きストローク)を記入したりする。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料(例えばカーボン)を含まないようにする。ここで、電子ペン1のペン先部103が用紙に接触することを「ペンダウン」と呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることを「ペンアップ」と呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
【0043】
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、受講者が電子ペン1により解答用紙5に文字やマークを書いたりカラーパレット用紙7にタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0044】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切り替える。即ち、受講者が電子ペン1で解答用紙5に文字などを書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、受講者が記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、受講者が1つのストロークを記入し終えて電子ペン1を解答用紙5から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。
【0045】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、解答用紙5及びカラーパレット用紙7上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、解答用紙5に記入欄などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図6(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0046】
プロセッサ108は、受講者の記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、受講者が記入するストローク(筆跡)の解答用紙5上におけるX、Y座標(以後、単に「座標データ」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図6(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図6(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算に利用されている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、解答用紙5及びカラーパレット用紙7における6×6のドットパターンは、解答用紙5内及びカラーパレット用紙7内で重複することはないため、受講者が電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置が解答用紙5及びカラーパレット用紙7のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0047】
メモリ109には、各電子ペン1A〜1Eを識別するためのそれぞれのペンID「pen01」〜「pen05」、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。通信ユニット111による集約装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されて集約装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、集約装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、集約装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
【0048】
このように、各電子ペン1A〜1Eは、受講者が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に記入する都度、記入情報を生成して、集約装置2へ送信する。言い換えると、各電子ペン1A〜1Eは、受講者が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に記入し続けている間、記入情報を生成し、集約装置2へ送信し続ける。そして、受講者が電子ペン1を解答用紙5及びカラーパレット用紙7から離す(ペンアップする)と、当該電子ペン1は、圧力センサ107で所定値以上の筆圧が検出されなくなったことにより、受講者が記入を停止したと判定する。そして、この場合、ペンアップされた電子ペン1は、LED105とCMOSカメラ106を停止して、集約装置2への記入情報の送信を中止する。
【0049】
[転送装置]
図8を参照して転送装置3について説明する。図8に、転送装置3の機能ブロック図と集約装置2の機能ブロック図とを含む電子ペンシステム10のシステム構成図を示す。
【0050】
図8に示すように、転送装置3は、転送受信手段31と転送送信手段32とを備える。転送受信手段31は、電子ペン1からBluetooth(登録商標)の無線通信方式で送信される記入情報等のデータを受信する手段である。転送送信手段32は、転送受信手段31によって受信した記入情報等のデータを集約装置2に送信する手段である。転送送信手段32による集約装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式により行うと良い。
【0051】
[集約装置]
続いて、集約装置2について説明する。図8に示すように、集約装置2は、範囲指定手段20、入力手段21、集約個別受信手段(受信手段)22、集約転送受信手段(受信手段)23、集約処理手段(処理手段)24、記憶手段25、表示手段26、及び送信手段27を備える。集約装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1やプロジェクタ4とのデータ通信が可能な通信装置と、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリと、ディスプレイと、マウスやキーボード等で構成されているパーソナルコンピュータ等である。また、集約装置2は、集約処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、電子ペン1から受信した記入情報を処理して、表示手段26に記入内容を再現する。
【0052】
集約個別受信手段22は、電子ペン1から送信された記入情報等のデータを受信する手段である。集約転送受信手段23は、転送装置3から転送された記入情報等のデータを受信する手段である。集約個別受信手段22及び集約転送受信手段23は、アンテナや受信回路等により構成される。
【0053】
範囲指定手段20は、マウス等のポインティング・デバイスとその操作を検知する手段によって構成され、マウスによって、表示手段26の画面におけるボタンのクリック操作や任意の位置・大きさの長方形状の画面範囲を指定するドラッグ操作が可能である。入力手段21は、処理や表示の種別を含む処理態様を指示する手段であり、キーボードやマウスとその操作を検知する手段によって構成される。このように、マウスは、その操作によって範囲指定手段20と入力手段21とを兼ねる。送信手段27は、表示手段26に表示される内容と同じ内容をプロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示させるため、表示手段26への表示信号を同期してプロジェクタ4へ送信する手段である。
【0054】
記憶手段25は、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリによって構成され、解答用紙5における各ユーザエリアと位置座標とを関連付けて記憶する。また、図9に示すように、記憶手段25は、電子ペン1が保持する固有のペンIDに対して、ユーザIDとユーザ名とをユーザ定義情報として関連付けて記憶する。図9において、例えば、ペンID「pen01」には、ユーザID「U01」とユーザ名「太郎」とが予め関連付けられて記憶されている。さらに、記憶手段25は、各電子ペン1によって送信されてきた記入情報を、ペンIDごとに記憶する。
【0055】
また、記憶手段25は、カラーパレット用紙7における各ユーザエリア701〜706と色及び線幅と線種IDとを関連付けて、カラーパレット定義情報として記憶する。すなわち、図10に示すように、記憶手段25は、ユーザエリア701〜706ごとに、ストローク情報(筆跡)を集約装置2の表示手段26で表示する色及び線幅と線種IDとを記憶している。また、カラーパレット定義情報においては、各ユーザエリア701〜706と、対応するドットパターンの座標範囲とが関連付けられている。ここで、ユーザエリア701〜703には、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に表示する色として、それぞれ、「くろ」、「あか」、「あお」とその線種ID「L71」、「L72」、「L73」が関連付けられ、ユーザエリア704〜706には、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に表示する線幅として、「0.3mm」、「0.7mm」、「1.0mm」とその線種ID「L74」、「L75」、「L76」が関連付けられている。各ユーザエリア701〜706に関連付けられている色及び線幅は、カラーパレット7の各ユーザエリア701〜706に印刷されている文字や線の色及び線幅と対応するので、受講者が使いたい色及び線幅を選び易くなりカラーパレット7の使い勝手がよい。
【0056】
記憶手段25には、記入情報およびユーザ定義情報に基づいて、集約処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、ファイル形式で学習データが保存される。図11は、データのファイル形式の概略的な構造を示している。図11に示すように、学習データは、ファイル属性情報と、ユーザID別の個人学習データとを有する。ファイル属性情報には、作成日時情報が含まれている。また、個人学習データには、ユーザIDと、電子ペン1から送信された記入情報の位置座標情報等を含むユーザストローク情報と、解答内容等に応じてカテゴライズのために操作者によって設定されるユーザ色(分類)情報等が含まれている。ユーザIDは、集約処理手段24により、記入情報に含まれるペンIDに基づいて、記憶手段25に予め記憶されたユーザ定義情報を参照することで特定され、当該記入情報に基づくユーザストローク情報と対応付けられる。ユーザストローク情報は、電子ペン1が演算した位置座標(XY座標)情報、記入された時の時刻情報、及び筆圧情報が含まれる。また、ストロークの色及び線幅は、ストロークに関連付けてユーザストローク情報として記憶される。ファイルデータを読み込む際には、操作者が、入力手段21によって、ユーザIDやユーザ色情報などを所定の入力エリアに入力することで、集約処理手段24によって特定のデータを検索させ、ユーザストローク情報を表示手段26に再現させることができる。
【0057】
集約処理手段24は、電子ペン1からのデータを集約して処理する手段であり、アプリケーションプログラムの実行により機能を発揮するCPU等のプロセッサによって構成されている。この集約処理手段24は、電子ペン1から位置座標及びペンID等を含む記入情報を受信すると、ペンIDごとに記入情報を記憶手段25に記憶させる。また、集約処理手段24は、ペンIDごとに関連付けられた記入情報を筆跡として再現して表示手段26に表示させ、また、範囲指定手段20のマウス操作でドラッグにより指定された範囲に対応する各解答用紙5における記入情報を、記憶手段25から抽出して、各解答用紙5における記入情報を筆跡として表示手段26に一覧表示させる等、様々な処理を行う。
【0058】
また、集約処理手段24は、解答用紙5についての記入情報を含む学習データに基づいて、表示手段26に記入内容を表示させるとともに電子ペンIDに対応するユーザIDに対応するユーザ名を表示させる。表示手段26に電子ペン1による記入内容とユーザ名とが表示されるため、操作者である講師「花子」は、受講者(記入者)とその者による記入内容とを合わせて認識することができる。また、集約処理手段24は、表示手段26と同じ内容を同期させて、プロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示させるため、表示手段26に対する表示信号と同じ信号を送信手段27に対してプロジェクタ4へ向けて送信させる。すると、各受講者も、プロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示された記入内容とその記入者とを合わせて認識することができる。なお、詳細は後述するが、集約処理手段24は、本発明における「表示制御手段」の一例に相当する。
【0059】
[描画アプリケーションによる画面表示]
次に、描画アプリケーションの実行による集約処理手段24の表示手段26への表示処理について図12を参照しつつ説明する。図12は、表示手段26の表示画面に表示された描画アプリケーションに基づくウィンドウ(「描画アプリケーションウィンドウ」とも呼ぶ。)の一例を示す。
【0060】
図12に示すように、電子ペン1で解答用紙5に記入された際に生成された記入情報に基づいて、集約装置2で記憶手段25に個別学習データとして記憶したユーザストローク情報(以下、単に「ストローク」とも表記する。)は、集約処理手段24によって、表示手段26のユーザストローク情報表示領域50に描画される。描画するユーザストローク情報が、拡大表示などでユーザストローク情報表示領域50よりも大きい場合、集約処理手段24は、横スクロールバー51及び縦スクロールバー52を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、ユーザストローク情報全体を複数回に分けて表示できるようにする。
【0061】
また、集約処理手段24は、描画アプリケーションウィンドウ上部に、機能ボタンとして、選択ユーザ表示ボタン53、比較一覧表示ボタン54、再生表示ボタン56、選択画像出力ボタン57、表示サイズ変更リスト58、縮小表示ボタン59、拡大表示ボタン60、ページ送りボタン61,62、回転表示ボタン63、64、及びユーザコントロール表示ボタン65などを表示し、マウスによる機能ボタンの選択により、それぞれの処理を実行する。
【0062】
選択ユーザ表示ボタン53は、後述するユーザ選択リスト69から選択した1つのユーザ名に対応するユーザストローク情報を大きく表示し、他のユーザ名に対応するユーザストローク情報を小さく表示したサムネイルを一覧表示するためのボタンである。以後、選択ユーザ表示ボタン53が選択された際の描画アプリケーションウィンドウの表示を「選択ユーザ表示」と呼ぶ。比較一覧表示ボタン54は、複数のユーザ名に対応するユーザストローク情報を同時に並べて一覧表示するためのボタンである。以後、比較一覧表示ボタン54が選択された際の描画アプリケーションウィンドウの表示を「比較一覧表示」と呼ぶ。再生表示ボタン56は、ユーザストローク情報を1ストロークずつ再生表示するためのボタンである。選択画像出力ボタン57は、任意選択範囲がある場合にその範囲内のユーザストローク情報を、画像データとして出力するためのボタンである。この機能を設けることで、各受講生の記入情報から、参考となる模範解答集などを容易に作成できるようになる。
【0063】
表示サイズ変更リスト58は、現在、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを示すリストである。また、操作者がマウスを用いてプルダウンメニューの中から表示サイズを任意に選択し、変更できる。縮小表示ボタン59は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを、現在設定されている表示サイズから所定の割合で縮小する機能である。拡大表示ボタン60は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを、現在設定されている表示サイズから所定の割合で拡大する機能である。ページ送りボタン61,62は、解答用紙5のセットが複数枚に及ぶ場合に、異なるページアドレス(用紙ドットパターン)の解答用紙5を表示するためのボタンである。回転表示ボタン63,64は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報を90度ずつ回転させるためのボタンである。このような機能を設けることで、表示上の用紙向きを簡単に変更できる。ユーザコントロール表示ボタン65は、ユーザコントロールリスト68の表示・非表示を切り替える機能である。非表示にすることで、ユーザストローク情報表示領域50を拡大できる。
【0064】
図12に示すように、ユーザコントロールリスト68には、ユーザ選択リスト69、色分類ボタン71〜76、名簿順ソートボタン78、色順ソートボタン79、分類グラフ表示ボタン81、リロードボタン82などが表示される。
【0065】
ユーザ選択リスト69は、ユーザストローク情報表示領域50に表示するユーザストローク情報を、ユーザ名で選択するためのリストである。ユーザ選択リスト69は、ユーザ色(分類)情報表示欄691と、ユーザ名表示欄692と、色・幅表示欄693とを備える。集約処理手段24は、電子ペン1から取得して個別学習データとして記憶手段25に記憶したユーザストローク情報ごとに関連付けられているユーザIDに対応するユーザ名をユーザ名表示欄692に表示し、色分類ボタン71〜76によって選択されたユーザ色(分類)情報をユーザ色(分類)情報表示欄691に表示し、各受講者がカラーパレット用紙7で選択したストロークの色及び線幅を色・幅表示欄693に表示する。ユーザ選択リスト69のユーザ名表示欄692には、集約処理手段24により、記憶手段25に記憶した個別学習データのユーザIDに対応するユーザ名が表示される。そして、操作者がマウスによって、ユーザ選択リスト69から所望のユーザを選択したうえで選択ユーザ表示ボタン53をクリックすると、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50に、選択された受講者のストローク情報を大きく表示させると共に、他の受講者のストローク情報を小さく表示したサムネイルを一覧表示させる。
【0066】
色分類ボタン71〜76は、ユーザ選択リスト69に表示されている受講者ごとにユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。ボタン71は赤色に、ボタン72は青色に、ボタン73は黄色に、ボタン74は緑色に、ボタン75は茶色に、ボタン76は白色にユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。集約装置2の操作者は、マウスによって、ユーザ選択リスト69内の特定のユーザ名を選択し、色分類ボタン71〜76のうち所望のボタンを選択すると、集約処理手段24は、ユーザ選択リスト69内の選択されたユーザ名のユーザ色(分類)情報表示欄691を指定された色で表示する。この機能により、操作者である講師が、ユーザストローク情報表示領域50に表示される受講者の解答内容を見て、その考え方などをカテゴリー分けして色をつけ、見易くすることができる。なお、ユーザ色(分類)情報は、未設定時は、白色に設定しておくとよい。
【0067】
名簿順ソートボタン78は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、名簿番号順に並べ替えるためのボタンである。本実施形態では、図9に示すユーザID順を名簿番号順としている。色順ソートボタン79は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色(分類)情報が同じ受講者同士を連続して配列されるように、ユーザ色(分類)情報順に並べ替えるためのボタンである。分類グラフ表示ボタン81は、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色情報別のユーザ数を、ユーザストローク情報表示領域50に棒グラフ等で表示するためのボタンである。
【0068】
リロードボタン82は、ユーザ選択リスト69において選択されている受講者のユーザストローク情報を、学習データファイル保存時の状態まで戻すためのボタンである。この機能により、操作者である講師が、リロードボタン82をマウスで選択すると、集約処理手段24は、選択されている受講者に関連付けられているユーザIDに基づいて、前回のファイル保存以降に電子ペン1より受信して記憶手段25のユーザID別の格納領域に記憶したユーザストローク情報をクリアして、前回ファイル保存した時点までのユーザストローク情報を読み出し、ユーザストローク情報表示領域50に表示する。この機能により、個々の受講者が解答をやり直したい場合などに対応できる。
【0069】
また、ファイルデータの保存やアプリケーションの設定などは、一般的なアプリケーションと同様に、機能メニューとして用意しておくと良い。ファイルメニュー90のプルダウンメニューとして、ファイルデータの読み込み・保存を実行するメニュー、画像形式で保存するメニュー、アプリケーションの終了を実行するメニューなど、アプリケーションの全般的な管理に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。
【0070】
また、ファイルデータの保存に関するファイル形式を、ユーザ別のユーザストローク情報と設定情報を関連付けた構造としているので、ファイルデータを読み込む際、ユーザIDやユーザ色情報などから特定のデータを検索し、検索されたユーザストローク情報をユーザストローク情報表示領域50に表示することができる。
【0071】
表示メニュー91のプルダウンメニューとして、ウィンドウ枠を隠しアプリケーションの表示領域を最大限拡大する全画面表示メニューなど、アプリケーションの表示に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。またツールメニュー92のプルダウンメニューとして、電子ペン1の接続経由状況(例えば転送装置3のIPアドレスなど)を表示するペン管理メニュー、ユーザストローク情報を表示する背景となる解答用紙5の画像を設定する用紙管理メニュー、アプリケーションのバージョンやプロパティ情報などを表示するメニューなど、アプリケーションの設定に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。これらのボタンやメニューが選択されると、集約処理手段24により各機能が実行される。
【0072】
[選択ユーザ表示機能]
次に、図13を参照して、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合の選択ユーザ表示機能について説明する。
【0073】
図13は、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に表示される描画アプリケーションウィンドウの選択ユーザ表示の一例を示す。図13に示すように、集約処理手段24は、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、ユーザ選択リスト69を用いて操作者によって選択された受講者(図13に示す例では「太郎」)のユーザストローク情報を大きく表示した拡大画像200A(200)を表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者(図13に示す例では「次郎」、「三郎」、「四郎」、「五郎」)のユーザストローク情報を、拡大画像200よりも小さく表示したサムネイル201B〜201E(201)で一覧表示させる。具体的には、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50の上部エリアに拡大画像200を表示させ、ユーザストローク情報表示領域50の下部エリアにサムネイル201を同時に並べて一覧表示させる。この場合、集約処理手段24は、同じ縮尺にて、各受講者のユーザストローク情報に対応するサムネイル201を表示させる。
【0074】
より詳しくは、集約処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって選択された色・線幅によって、若しくは色・線幅が選択されていない場合にはデフォルトの色・線幅によって、各受講者によって電子ペン1で解答用紙5に記入されたストロークを表示させる。また、集約処理手段24は、各受講者によって記入されたストロークが少なくとも含まれるような範囲を切り出して、その切り出した範囲に対応する画像を、拡大画像200及びサムネイル201として表示させる。各受講者でストローク数やストローク長などが異なることから、当該切り出した範囲のサイズが異なるため、各受講者でサムネイル201のサイズが異なる傾向にある。更に、集約処理手段24は、操作者によって選択された受講者(つまりストロークを大きく表示している受講者)に対応するユーザ選択リスト69の箇所を強調表示させる。具体的には、集約処理手段24は、操作者によって選択された受講者(図13に示す例では「太郎」)に対応するユーザ選択リスト69の番号を、赤色などの枠99で囲って表示させる。なお、集約処理手段24は、一覧表示させるサムネイル201がユーザストローク情報表示領域50に収まらない場合には、横スクロールバー51を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、サムネイル201を複数回に分けて表示できるようにする。
【0075】
なお、拡大画像200は本発明における「第1画像」に相当し、サムネイル201は本発明における「第2画像」に相当する。ここで、拡大画像200は、受講者によって記入されたストロークを実際に拡大した画像という意味で「拡大」の文言を用いているわけではなく、サムネイル201よりもサイズが大きい画像という意味で「拡大」の文言を用いている(以下同様とする)。この定義は、後述する「拡大表示」や「縮小表示」にも同様に適用される。つまり、「拡大表示」は、実際のストロークを拡大して表示するという意味で用いるわけではなく、サムネイル201よりも大きなサイズで表示するという意味で用い、「縮小表示」は、実際のストロークを縮小して表示するという意味で用いるわけではなく、拡大画像200よりも小さなサイズで表示するという意味で用いる(以下同様とする)。
【0076】
他方で、集約処理手段24は、操作者のマウス操作などによってサムネイル201のいずれか1つが選択された場合に、既に拡大表示されている拡大画像200を縮小表示させると共に、選択されたサムネイル201を拡大表示させる。つまり、集約処理手段24は、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。言い換えると、既に拡大表示されている拡大画像200と、操作者によって選択されたサムネイル201とを入れ替える。
【0077】
また、図13に示すように、各受講者の色・幅表示欄693に、現在設定されているストロークの色及び線幅が表示されている。具体的には、受講者「太郎」は、色が青で線幅が1mmであることを示す線分が表示され、受講者「次郎」は、色が赤で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「三郎」は、色が青で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「四郎」は、色が黒で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「五郎」は、色が黒で線幅が0.3mmであることを示す線分が表示されている。集約処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色・線幅が選択された場合には、その色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。他方で、集約処理手段24は、受講者によって色・線幅が選択されていない場合には、デフォルトの色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。例えば、デフォルトの色は黒であり、デフォルトの線幅は0.7mmmである。
【0078】
また、図13に示すように、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691に、色が付されて表示されている。具体的には、受講者「太郎」は黄色が付され、受講者「次郎」は黄色が付され、受講者「三郎」は青色が付され、受講者「四郎」は赤色が付され、受講者「五郎」は黄色が付されている。操作者は、受講者の解答の考え方(解き方)をカテゴリー分けして、それぞれに色を割り当て、各受講者ごとに色分類ボタン71〜76のうちの所望のボタンを選択する。そして、集約処理手段24は、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691を、操作者によって指定された色で表示させる。図13に示す例では、操作者は、数列を用いた解答の考え方に黄色を割り当て、三角形の面積を用いた解答の考え方に青色を割り当て、台形の面積に基づいた解答の考え方に赤色を割り当てている。
【0079】
[比較一覧表示機能]
次に、図14を参照して、比較一覧表示ボタン54が選択された場合の比較一覧表示機能について説明する。
【0080】
図14は、比較一覧表示ボタン54が選択された場合に表示される描画アプリケーションウィンドウの比較一覧表示の一例を示す。図14に示すように、集約処理手段24は、操作者によって比較一覧表示ボタン54が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、各受講者のユーザストローク情報を縮小表示したサムネイル202A〜202E(202)を同時に並べて一覧表示させる。この場合、集約処理手段24は、同じ縮尺にて、各受講者のユーザストローク情報に対応するサムネイル202を表示させる。また、集約処理手段24は、各受講者によって記入されたストロークが少なくとも含まれるような範囲を切り出して、その切り出した範囲に対応する画像をサムネイル202として表示させる。
【0081】
なお、図14に示す例でも、図13と同様に、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691に、色が表示されていると共に、各受講者の色・幅表示欄693に、現在設定されているストロークの色及び線幅が表示されている。
【0082】
[処理フロー]
次に、図15及び図16を参照して、本実施形態において集約装置2が行う処理フローについて説明する。
【0083】
図15は、色・線幅の設定及び表示、並びに設定された色・線幅でのストロークの描画を行うために実行されるフローチャートである。まず、集約装置2では、集約個別受信手段22及び集約転送受信手段23が電子ペン1から記入情報を受信して、集約処理手段24が、ストローク情報やペンIDを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS101)。そして、集約処理手段24は、記入情報に含まれるペンIDを認識する(ステップS102)。この際に、集約処理手段24は、ユーザ定義情報を参照することで(図9参照)、記入情報に含まれるペンIDに対応するユーザIDやユーザ名を特定する。次に、集約処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から用紙の種類を判定する(ステップS103)。
【0084】
ステップS103において、集約処理手段24は、ストローク情報に含まれる位置情報に基づいて特定したユーザエリアと用紙種別からカラーパレット用紙7に記入されているものと判断した場合(ステップS103:カラーパレット用紙)、カラーパレット定義情報(図10参照)を参照して、そのユーザエリアに対応する色・線幅を特定し、特定した色・線幅を、ステップS102で認識したペンIDの電子ペン1によるストロークを描画するための色・線幅として設定する(ステップS104)。詳しくは、集約処理手段24は、記入情報の座標データに基づいて、カラーパレット定義情報を参照して、ユーザエリアの色や線種を特定する。そして、集約処理手段24は、こうして設定した色・線幅を、ステップS102で認識したペンIDに対応する色・幅表示欄693に表示させる(ステップS105)。
【0085】
一方、ステップS103において、集約処理手段24は、ユーザストローク情報に含まれる位置情報に基づいて特定したユーザエリアと用紙種別から解答用紙5に記入されているものと判断した場合(ステップS103:解答用紙)、ユーザストローク情報表示領域50に、ステップS104で設定された色・線幅でストロークを描画させる(ステップS106)。
【0086】
なお、集約処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色及び線幅の両方が選択された場合には、受講者によって選択された色及び線幅を設定する。これに対して、集約処理手段24は、受講者によって色及び線幅の一方のみしか選択されていない場合には、色及び線幅の一方をユーザが選択したものに設定すると共に、色及び線幅の他方をデフォルトのものに設定する。他方で、集約処理手段24は、受講者によって色及び線幅のいずれも選択されていない場合には、デフォルトの色及び線幅を設定する。そして、集約処理手段24は、このように設定した色及び線幅を色・幅表示欄693に表示させると共に、その色及び線幅でストロークを描画させる。なお、例えば、デフォルトの色は黒であり、デフォルトの線幅は0.7mmmである。
【0087】
図16は、選択ユーザ表示において実行される処理を示すフローチャートである。まず、集約処理手段24は、操作者のマウス操作等によって、下部エリアに表示されたサムネイル201のいずれか1つが選択されたことを検知する(ステップS201)。そして、集約処理手段24は、上部エリアに既に表示されている拡大画像200を縮小表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を上部エリアに拡大表示させる(ステップS202)。つまり、集約処理手段24は、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。言い換えると、既に拡大表示されている拡大画像200と、操作者によって選択されたサムネイル201とを入れ替える。
【0088】
[本実施形態による作用効果]
以上説明した本実施形態によれば、集約装置2は、受講者ごとに、現在設定されているストロークの色及び線幅を色・幅表示欄693に表示させる。具体的には、集約装置2は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色・線幅が選択された場合には、その色・線幅を色・幅表示欄693に表示させ、受講者によって色・線幅が選択されていない場合には、デフォルトの色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。これにより、受講者が電子ペン1でカラーパレット用紙7をタップすることで色・線幅を選択した場合に、色・線幅が変更されたことを集約装置2上で容易に判別することができる。よって、本実施形態によれば、色・線幅を色・幅表示欄693に表示させない場合と比較して、受講者は効率的に作業を行うことが可能となる。
【0089】
また、集約装置2は、選択ユーザ表示において、操作者によって選択された受講者のストロークを拡大表示した拡大画像200を表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者のストロークを縮小表示したサムネイル201を一覧表示させる。これにより、特定の受講者のストロークを見易く表示させつつ、他の受講者のストロークを比較可能な態様で表示させることができる。
【0090】
更に、集約装置2は、選択ユーザ表示において、操作者のマウス操作などによりサムネイル201のいずれか1つが選択された場合、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。これにより、操作者の選択に応じて、サムネイル201と拡大画像200とを適宜入れ替えて表示させることができる。
【0091】
[変形例]
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、以下で示す変形例は適宜組み合わせて実施することができる。
【0092】
(変形例1)
上記した実施形態では、電子ペン1によって送信された記入情報は、集約装置2において、予め設定されたペンIDに直接関連付けて記憶手段25によって記憶されるものであった。変形例1は、このような記入情報の記憶に関して、図17に示すような名簿用紙8を用いるものである。
【0093】
具体的には、変形例1では、図17に示すような、解答用紙5とは異なるドットパターンを印刷した名簿用紙8を用意し、各ユーザエリア801〜806にユーザIDを関連付けて集約装置2で記憶しておく。そして、解答用紙5への記入に際して、電子ペン1でユーザエリア801〜806のいずれかを予めタップすることにより、集約装置2側に、その電子ペン1のペンIDと、ユーザエリアに対応付けられたユーザIDとを関連付けて記憶し、その電子ペン1による以後の記入情報を、そのユーザIDに関連付けて記憶するようにしてもよい。この構成とすることにより、同じ電子ペン1を複数の受講者が用いる場合であっても、名簿用紙8にタップするユーザエリアを変えることで、その電子ペン1に関連付けるユーザIDを変更することができるため、受講者が変わる都度、使用する電子ペン1を対応するユーザエリアにタップするとよい。
【0094】
(変形例2)
変形例2は、解答の考え方に応じて操作者が色分類ボタン71〜76によって分類した複数のカテゴリーごとに、ユーザストローク情報表示領域50にストロークを表示させる点で、上記した実施形態と異なる。つまり、変形例2は、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色(分類)情報が同じ受講者のストロークのみを、ユーザストローク情報表示領域50に表示させるものである。具体的には、変形例2では、集約装置2の集約処理手段24は、ユーザ色(分類)情報を操作者に選択させるためのボタンを表示させ、当該ボタンで選択されたユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを表示させる。
【0095】
図18は、変形例2に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13参照)と同様であるものとする。
【0096】
図18に示すように、変形例2では、集約処理手段24は、ユーザ色(分類)情報ごとにストロークを表示させるために操作者に所望のユーザ色(分類)情報を選択させるための選択表示ボタン85A〜85F(85)を、ユーザコントロールリスト68内の色分類ボタン71〜76の上に表示させる。選択表示ボタン85A〜85Fは、各々の下に位置する色分類ボタン71〜76に対応するユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを表示させるためのラジオボタンである。操作者によって選択表示ボタン85A〜85Fのいずれかが選択された場合、集約処理手段24は、操作者によって選択された選択表示ボタン85に対応するユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを、ユーザストローク情報表示領域50に表示させる。
【0097】
図18に示す例では、操作者は、色分類ボタン73(ユーザ色(分類)情報を黄色に設定するためのボタン)に対応する選択表示ボタン85Cを選択したものとする。この場合、集約処理手段24は、ユーザ色(分類)情報が黄色に設定された受講者「太郎」、「次郎」、「五郎」が電子ペン1で記入したストロークを、ユーザストローク情報表示領域50に表示させる。具体的には、集約処理手段24は、前述した選択ユーザ表示と同様に(図13参照)、特定の受講者(図18に示す例では「太郎」)のストロークを拡大表示した拡大画像203Aを表示させると共に、他の受講者(図18に示す例では「次郎」、「五郎」)のストロークを縮小表示したサムネイル203B、203Eを一覧表示させる。
【0098】
以上説明した変形例2によれば、操作者は、選択表示ボタン85を用いて選択することで、所望のユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークのみを表示させることができる。
【0099】
なお、上記のように操作者によって選択されたユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを表示させる場合に、図19に示すように、操作者によって選択されたユーザ色(分類)情報が設定された受講者のみを、ユーザ一覧としてユーザ選択リスト69Aに表示させても良い。
【0100】
(変形例3)
図13などを用いて説明した選択ユーザ表示では、1人の受講者のストロークのみを拡大表示させていたが、変形例3では、選択ユーザ表示において、複数の受講者のストロークを拡大表示させる。具体的には、変形例3では、集約装置2の集約処理手段24は、操作者のマウス操作等により複数のサムネイルが選択された場合に、その複数のサムネイルを並べて拡大表示させる。
【0101】
図20は、変形例3に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13参照)と同様であるものとする。
【0102】
変形例3では、集約処理手段24は、操作者によって選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合において、操作者のマウス操作によって複数のサムネイルがドラッグされて上部エリアに移動された場合に、その複数のサムネイルを拡大表示させた拡大画像を並べて表示させる。図20に示す例では、操作者がマウスによって2つのサムネイル(図20は、2つのサムネイルを拡大表示させた後の表示画像を示しており、当該2つのサムネイルについては図示していない)をドラッグして上部エリアに移動させ、集約処理手段24は、その2つのサムネイルを拡大表示させた拡大画像204C、204Dを左右に並べて表示させている。
【0103】
また、集約処理手段24は、操作者によって選択された複数の受講者(つまりストロークを拡大表示している複数の受講者)に対応するユーザ選択リスト69の箇所を強調表示させる。図20に示す例では、集約処理手段24は、受講者「三郎」「四朗」のそれぞれに対応するユーザ選択リスト69の番号を、赤色などの枠99A、99Bで囲って表示させている。
【0104】
なお、集約処理手段24は、操作者のマウス操作によって拡大画像がドラッグされて下部エリアに移動された場合に、その拡大画像を縮小してサムネイル化しても良い。また、集約処理手段24は、操作者のマウス操作によって複数のサムネイルがクリックされた場合又はダブルクリックされた場合に、その複数のサムネイルを拡大表示させた拡大画像を並べて表示させても良い。更に、集約処理手段24は、操作者のマウス操作によって拡大画像がクリックされた場合又はダブルクリックされた場合に、その拡大画像を縮小してサムネイル化しても良い。加えて、集約処理手段24は、各サムネイルごとに拡大表示させるための拡大ボタンを表示させ、拡大ボタンが押下されたサムネイルを拡大表示させても良い。
【0105】
以上説明した変形例4によれば、操作者の操作に基づき、選択ユーザ表示の表示態様を柔軟に変更することができる。
【0106】
(変形例4)
図13などを用いて説明した選択ユーザ表示では、ストロークを縮小表示したサムネイル201を横方向に並べて一覧表示させていたが、変形例4では、選択ユーザ表示において、サムネイルを縦方向に並べて一覧表示させる。
【0107】
図21は、変形例4に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13参照)と同様であるものとする。
【0108】
図21に示すように、変形例4では、集約装置2の集約処理手段24は、操作者によって選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、操作者によって選択された受講者のストロークを拡大表示した拡大画像205Aを表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者のストロークを縮小表示したサムネイル205B〜205Dを縦方向に並べて一覧表示させる。具体的には、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50の左側のエリアに拡大画像205Aを表示させ、ユーザストローク情報表示領域50の右側のエリアにサムネイル205B〜205Dを同時に並べて一覧表示させる。なお、図21に示す例では、一覧表示させるサムネイルがユーザストローク情報表示領域50に収まらないため、集約処理手段24は、縦スクロールバー52を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、サムネイルを複数回に分けて表示できるようにしている。
【0109】
以上説明した変形例4によれば、サムネイルを縦方向に並べて一覧表示させることで、ユーザ選択リスト69Aに表示されたユーザ一覧と平行にサムネイルを表示させることができると共に、ユーザ一覧に表示された受講者の順と同じ順でサムネイルを表示させることができる。これにより、受講者とサムネイルとの対応関係が判別しやすくなる。
【0110】
(変形例5)
変形例5は、上記した比較一覧表示(図14参照)の他の例に関する。変形例5では、比較一覧表示において、全ての受講者のストロークを一覧表示させずに、ユーザストローク情報表示領域50を分割したエリアに、そのエリアの数だけストロークを表示させる。具体的には、変形例5では、集約装置2の集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50を分割する態様(2分割や4分割など)を操作者に選択させ、操作者によって選択された態様でユーザストローク情報表示領域50を分割し、分割した各エリアごとにストロークを表示させる。
【0111】
図22は、変形例5に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13、図14参照)と同様であるものとする。
【0112】
図22に示すように、変形例5では、集約処理手段24は、操作者によって比較一覧表示ボタン54が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50を分割する態様を設定するための分割設定ボタン88A〜88D(88)をユーザコントロールリスト68に表示させる。分割設定ボタン88Aは、ユーザストローク情報表示領域50を分割しない設定を行うためのボタンであり、分割設定ボタン88Bは、ユーザストローク情報表示領域50を横(つまり左右方向)に2分割する設定を行うためのボタンであり、分割設定ボタン88Cは、ユーザストローク情報表示領域50を縦(つまり上下方向)に2分割する設定を行うためのボタンであり、分割設定ボタン88Dは、ユーザストローク情報表示領域50を縦及び横(つまり上下方向及び左右方向)に4分割する設定を行うためのボタンである。
【0113】
図22に示す例では、操作者が、分割設定ボタン88Bを選択したものとする。この場合、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50を左右方向に2分割し、分割した各エリアごとにストロークを表示させる。具体的には、集約処理手段24は、ストロークを同じ縮尺にて表示させたサムネイル206C、206Dを、ユーザストローク情報表示領域50の左側のエリア及び右側のエリアにそれぞれ表示させる。また、集約処理手段24は、当該左側のエリア及び当該右側のエリアのそれぞれに、表示させるストロークを順に切り替えるための送りボタン206X、206Yを表示させる。集約処理手段24は、操作者によって送りボタン206Xが選択された場合には、ユーザストローク情報表示領域50の左側の領域に表示させるストロークを順に切り替えていき、操作者によって送りボタン206Yが選択された場合には、ユーザストローク情報表示領域50の右側の領域に表示させるストロークを順に切り替えていく。例えば、集約処理手段24は、名簿番号順に、表示させるストロークを切り替えていく。
【0114】
以上説明した変形例5によれば、操作者の操作に基づき、比較一覧表示の表示態様を柔軟に変更することができる。
【0115】
(変形例6)
上記した実施形態では、ユーザ選択リスト69に表示させるユーザ一覧を名簿番号順(具体的には図9に示すID順)にソートし、名簿番号順に従って選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行う例を示したが、これに限定されない。他の例では、名簿番号順の代わりに、解答時間の早い順に、ユーザ選択リスト69に表示させるユーザ一覧をソートし、解答時間の早い順に従って選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行うことができる。この例では、集約装置2の集約処理手段24は、各受講者が使用する電子ペン1から受信した最終記入情報に含まれる時刻情報に基づいて、解答時間の早い順を求める。更に他の例では、名簿番号順や解答時間の早い順の代わりに、ストローク数の多い順に、ユーザ選択リスト69に表示させるユーザ一覧をソートし、ストローク数の多い順に従って選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行うことができる。この例では、集約処理手段24は、各受講者が使用する電子ペン1でストローク数をカウントすることで、ストローク数の多い順を求める。
【0116】
(変形例7)
上記した実施形態では、1人の受講者が1枚の解答用紙5に電子ペン1により解答を記入した場合を例示したが、1人の受講者が複数枚の解答用紙5に電子ペン1により解答を記入した場合にも、当該実施形態(上述した変形例を含む)と同様の選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行うことができる。この場合には、複数枚の解答用紙5に記入されたストロークを、複数のページに渡って並べて表示すれば良い。1つの例では、集約装置2の集約処理手段24は、複数のページが重なり合うようにページを表示する。他の例では、集約処理手段24は、複数のページが重ならないように左右又は上下に並べてページを表示する。
【0117】
(変形例8)
上記では、本発明における「表示態様」の一例として、ストロークの色及び線幅を示した。他の例では、色及び線幅の両方を用いる代わりに、色及び線幅のいずれか一方のみを「表示態様」として用いることができる。更に他の例では、色及び/又は線幅の代わりに、若しくは色及び/又は線幅に加えて、ストロークの線種(例えば実線、破線、一点鎖線など)を「表示態様」として用いることができる。
【0118】
(変形例9)
上記した実施形態では、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いていたが、アノト方式を用いることに限定はされない。
【符号の説明】
【0119】
1(1A〜1E)…電子ペン
2…集約装置
3…転送装置
4…プロジェクタ
5(5A〜5E)…解答用紙
6…スクリーン
7…カラーパレット用紙
10…電子ペンシステム
20…範囲指定手段
21…入力手段
22…集約個別受信手段
23…集約転送受信手段
24…集約処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
27…送信手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンによって記入された手書きストロークを表示する電子ペンシステム、及びその電子ペンシステムにおいて端末装置によって実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、ドットパターンに対向する電子ペンの角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能が記載されている。特許文献3には、電子ペンを用いた協働学習システムにおいて、電子ペンで色・線幅選択パレット用紙にタップすると、コンピュータ上に表示されるストロークの色や線幅を変更する技術が開示されている。特許文献4には、電子ペンを用いた協働学習システムにおいて、表示画面で任意の位置・大きさの範囲を指定すると、各解答用紙における同じ範囲を並べて一覧表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3872498号公報
【特許文献2】特表2003−529853号公報
【特許文献3】特開2009−251925号公報
【特許文献4】特開2009−276479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に記載された技術では、ユーザ(受講者)が色・線幅選択パレット用紙にタップしても、コンピュータ上で実際に色あるいは線幅が変更されたかどうかが分かりにくかった。そのため、ユーザが何度もパレット用紙をタップする場合があり、効率的に作業が進まない可能性があった。そこで、本発明は、ユーザが選択したストロークの表示態様を適切に表示させることが可能な電子ペンシステム及びプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムであって、前記端末装置は、前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段を備える。
【0007】
上記の電子ペンシステムでは、記入者は、電子ペンによって記入用紙に手書きストローク(以下では、単に「ストローク」とも表記する)を記入すると共に、電子ペンによって選択用紙に記入することで、記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択する。そして、端末装置は、電子ペンから受信した記入情報に基づいて、選択用紙によって選択された表示態様にて、記入用紙に記入された手書きストロークを表示すると共に、選択用紙によって選択された表示態様を表示する。これにより、記入者が電子ペンで選択用紙に記入することで表示態様を選択した場合に、表示態様が変更されたことを端末装置上で容易に判別することができる。よって、上記の電子ペンシステムによれば、表示態様を表示しない構成と比較して、記入者は効率的に作業を行うことが可能となる。
【0008】
上記の電子ペンシステムの一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示する。これにより、各記入者が選択した表示態様を容易に把握することができる。
【0009】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示する。
【0010】
この態様では、表示制御手段は、操作者(端末装置を操作する者)が選択した記入者の手書きストロークを大きく表示し、操作者が選択しなかった記入者の手書きストロークを小さく表示する。具体的には、表示制御手段は、操作者が選択しなかった記入者の手書きストロークについては、同時に並べて一覧表示する。これにより、特定の記入者の手書きストロークを見易く表示させつつ、他の記入者の手書きストロークを比較可能な態様で表示させることができる。
【0011】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示する。これにより、操作者の選択に応じて、第1画像と第2画像とを適宜入れ替えて表示させることができる。
【0012】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示する。これにより、操作者の操作に基づき、第1画像及び第2画像の表示態様を柔軟に変更することができる。
【0013】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示する。これにより、操作者は、選択ボタンを用いて選択することで、所望のカテゴリーに分類された記入者の手書きストロークのみを表示させることができる。
【0014】
上記の電子ペンシステムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示する。これにより、操作者の選択に基づいて画面を分割し、分割した各エリアに手書きストロークを適切に表示することができる。
【0015】
上記の電子ペンシステムにおいて好適には、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。これにより、手書きストロークを記入し終えたのが早い順を、容易に把握することができる。
【0016】
上記の電子ペンシステムにおいて好適には、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。これにより、ストローク数が多い順を、容易に把握することができる。
【0017】
好適な例では、上記した表示態様として、手書きストロークの色及び/又は線幅を用いることができる。
【0018】
本発明の他の観点では、用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムにおいて、前記端末装置によって実行されるプログラムは、前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段として前記端末装置を機能させる。
【0019】
上記のプログラムの一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示する。
【0020】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者によって記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示する。
【0021】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示する。
【0022】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示する。
【0023】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示する。
【0024】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示する。
【0025】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。
【0026】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示する。
【0027】
上記のプログラムの他の一態様では、前記表示態様は、前記手書きストロークの色及び/又は線幅である。
【0028】
これらのプログラムを実行することにより、上記の電子ペンシステムを実現することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、端末装置は、電子ペンから受信した記入情報に基づいて、選択用紙によって選択された表示態様にて、記入用紙に記入された手書きストロークを表示すると共に、選択用紙によって選択された表示態様を表示する。これにより、記入者が電子ペンで選択用紙に記入することで表示態様を選択した場合に、表示態様が変更されたことを端末装置上で容易に判別することができる。よって、表示態様を表示しない構成と比較して、記入者は効率的に作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態に係る電子ペンシステムのシステム構成図である。
【図2】電子ペンシステムで利用される解答用紙を示す図である。
【図3】電子ペンシステムで利用されるカラーパレット用紙を示す図である。
【図4】解答用紙、電子ペン、及び受講者の対応を説明するための図である。
【図5】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図6】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図7】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図8】集約装置の機能ブロック図を含む電子ペンシステムのシステム構成図である。
【図9】集約装置に記憶された、ユーザIDとユーザ名とペンIDとの関係を示す図である。
【図10】集約装置に記憶された、ユーザエリアと線種IDと色及び線幅との関係を示す図である。
【図11】集約装置に記憶させる学習データのファイルの構造図である。
【図12】集約装置における描画アプリケーションウィンドウの表示例である。
【図13】選択ユーザ表示ボタンが選択された場合の描画アプリケーションウィンドウの表示例である。
【図14】比較一覧表示ボタンが選択された場合の描画アプリケーションウィンドウの表示例である。
【図15】色・線幅の設定及び表示、並びに設定された色・線幅でのストロークの描画を行うために実行されるフローチャートである。
【図16】選択ユーザ表示において実行される処理を示すフローチャートである。
【図17】変形例1に係る名簿用紙を示す図である。
【図18】変形例2に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【図19】変形例2に係る描画アプリケーションウィンドウの他の例を示す。
【図20】変形例3に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【図21】変形例4に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【図22】変形例5に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るシステムの好適な実施形態について説明する。
【0032】
[電子ペンシステムのシステム構成]
図1は、本実施形態における電子ペンシステム10のシステム構成図である。図1に示すように、電子ペンシステム10は、各受講者(記入者)それぞれに配布される解答用紙(記入用紙)5A,5B,…(5)と、解答用紙5に解答(筆跡)を記入し、記入した情報を外部へBluetooth(登録商標)等の無線通信方式で送信するための電子ペン1A,1B,…(1)と、各電子ペン1から送信される記入情報を受信してディスプレイ(表示手段)に記入内容等を表示する集約装置(端末装置)2とを備える。
【0033】
なお、図1では、集約装置2は、電子ペン1A〜1Cから直接、記入情報を受信しているが、記入される解答用紙5が多いために記入情報を送信する電子ペン1の本数が多い場合や、受講者が解答する会場が離れている等により無線通信の範囲外となるような場合は、他の電子ペン1D、1E、…から送信される記入情報を中継して集約装置2へ転送するための転送装置3を設ける。このとき、転送装置3から集約装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式で行うとよい。各電子ペン1には、アノトペンを利用することができ、集約装置2には、ラップトップパソコンなどを利用することができ、転送装置3には、ラップトップパソコンやデータ転送専用のコンピュータなどを利用することができる。プロジェクタ4は、集約装置2から表示情報を受信して、集約装置2の画面をスクリーン6へ投影表示する装置である。
【0034】
また、本システム10では、電子ペン1で解答用紙5に記入するにあたって、集約装置2での記入した筆跡を表示する色及び線幅を特定するためのカラーパレット用紙(選択用紙)7が備えられている。なお、図1ではカラーパレット用紙7を1枚しか図示していないが、実際には、カラーパレット用紙7は複数枚存在し、各受講者それぞれに配布される。
【0035】
[解答用紙]
図2を参照して解答用紙(記入用紙)5について説明する。図2に示すように、受講者ごとに複数枚の解答用紙5が一組用意され、同じ組の解答用紙5には、それぞれ異なる座標範囲のドットパターン(コード化パターン)が印刷される。また、解答用紙5には、マス目が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、マス目は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、解答用紙5に、記入欄や問題や解答欄等を印刷しておいても良い。
【0036】
[カラーパレット用紙]
図3を参照してカラーパレット用紙7について説明する。カラーパレット用紙7の略全面に、電子ペン1によって読取可能なドットパターン(コード化パターン)が印刷され、その上に、ユーザエリア701〜706が規定されている。具体的には、ユーザエリア701〜706には、それぞれ異なる座標範囲のドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。ユーザエリア701〜706は、電子ペン1によるストローク情報(筆跡)を集約装置2の表示手段26で表示する色及び線幅(表示態様)を選択するために用いられる。ユーザエリア701は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に黒色で表示するためのユーザエリアであり、「くろ」と印刷されている。ユーザエリア702は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に赤色で表示するためのユーザエリアであり、「あか」と印刷されている。ユーザエリア703は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に青色で表示するためのユーザエリアであり、「あお」と印刷されている。
【0037】
また、ユーザエリア704は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に0.3mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「0.3mm」と印刷されている。ユーザエリア705は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に0.5mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「0.5mm」と印刷されている。ユーザエリア706は、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に1.0mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「1.0mm」と印刷されている。カラーパレット用紙7に印刷されたドットパターンは、解答用紙5とは異なるドットパターンを有し、そのドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷されている。また、各ユーザエリア701〜706の枠や文字は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。受講者等は、集約装置2の表示手段26に表示させるストローク情報(筆跡)の色や線幅を設定する際に、電子ペン1のペン先部103で所望のユーザエリアにタップする。
【0038】
[解答用紙、電子ペンと受講者の対応等]
解答用紙、電子ペンと受講者(記入者)の対応等については、本実施形態では、図4に示すように、受講者「太郎」が、電子ペン1Aを用いて解答用紙5Aに解答し、受講者「次郎」が、電子ペン1Bを用いて解答用紙5Bに解答し、受講者「三郎」が、電子ペン1Cを用いて解答用紙5Cに解答し、受講者「四郎」が、電子ペン1Dを用いて解答用紙5Dに解答し、受講者「五郎」が、電子ペン1Eを用いて解答用紙5Eに解答するものとする。また、講師(操作者)「花子」が、集約装置2を操作するものとする。
【0039】
[ドットパターン]
【0040】
次に、図5と図6を参照しながら、解答用紙5及びカラーパレット用紙7に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図5は、解答用紙5及びカラーパレット用紙7に印刷されたドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図5に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、用紙上の位置座標が決定されるように構成されている。
【0041】
図6(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図6(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、用紙上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンが解答用紙5上のどの位置にあるのか)を保持している。図6(b)は、図6(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図5に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0042】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図7を用いて説明する。図7は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図7に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端は、ペン先部103となっており、各受講者は、電子ペン1のペン先部103を、カラーパレット用紙7にタップしたり、解答用紙5に当接させてストローク(手書きストローク)を記入したりする。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料(例えばカーボン)を含まないようにする。ここで、電子ペン1のペン先部103が用紙に接触することを「ペンダウン」と呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることを「ペンアップ」と呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
【0043】
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、受講者が電子ペン1により解答用紙5に文字やマークを書いたりカラーパレット用紙7にタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0044】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切り替える。即ち、受講者が電子ペン1で解答用紙5に文字などを書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、受講者が記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、受講者が1つのストロークを記入し終えて電子ペン1を解答用紙5から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。
【0045】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、解答用紙5及びカラーパレット用紙7上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、解答用紙5に記入欄などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図6(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0046】
プロセッサ108は、受講者の記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、受講者が記入するストローク(筆跡)の解答用紙5上におけるX、Y座標(以後、単に「座標データ」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図6(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図6(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算に利用されている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、解答用紙5及びカラーパレット用紙7における6×6のドットパターンは、解答用紙5内及びカラーパレット用紙7内で重複することはないため、受講者が電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置が解答用紙5及びカラーパレット用紙7のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0047】
メモリ109には、各電子ペン1A〜1Eを識別するためのそれぞれのペンID「pen01」〜「pen05」、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。通信ユニット111による集約装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されて集約装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、集約装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、集約装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
【0048】
このように、各電子ペン1A〜1Eは、受講者が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に記入する都度、記入情報を生成して、集約装置2へ送信する。言い換えると、各電子ペン1A〜1Eは、受講者が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に記入し続けている間、記入情報を生成し、集約装置2へ送信し続ける。そして、受講者が電子ペン1を解答用紙5及びカラーパレット用紙7から離す(ペンアップする)と、当該電子ペン1は、圧力センサ107で所定値以上の筆圧が検出されなくなったことにより、受講者が記入を停止したと判定する。そして、この場合、ペンアップされた電子ペン1は、LED105とCMOSカメラ106を停止して、集約装置2への記入情報の送信を中止する。
【0049】
[転送装置]
図8を参照して転送装置3について説明する。図8に、転送装置3の機能ブロック図と集約装置2の機能ブロック図とを含む電子ペンシステム10のシステム構成図を示す。
【0050】
図8に示すように、転送装置3は、転送受信手段31と転送送信手段32とを備える。転送受信手段31は、電子ペン1からBluetooth(登録商標)の無線通信方式で送信される記入情報等のデータを受信する手段である。転送送信手段32は、転送受信手段31によって受信した記入情報等のデータを集約装置2に送信する手段である。転送送信手段32による集約装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式により行うと良い。
【0051】
[集約装置]
続いて、集約装置2について説明する。図8に示すように、集約装置2は、範囲指定手段20、入力手段21、集約個別受信手段(受信手段)22、集約転送受信手段(受信手段)23、集約処理手段(処理手段)24、記憶手段25、表示手段26、及び送信手段27を備える。集約装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1やプロジェクタ4とのデータ通信が可能な通信装置と、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリと、ディスプレイと、マウスやキーボード等で構成されているパーソナルコンピュータ等である。また、集約装置2は、集約処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、電子ペン1から受信した記入情報を処理して、表示手段26に記入内容を再現する。
【0052】
集約個別受信手段22は、電子ペン1から送信された記入情報等のデータを受信する手段である。集約転送受信手段23は、転送装置3から転送された記入情報等のデータを受信する手段である。集約個別受信手段22及び集約転送受信手段23は、アンテナや受信回路等により構成される。
【0053】
範囲指定手段20は、マウス等のポインティング・デバイスとその操作を検知する手段によって構成され、マウスによって、表示手段26の画面におけるボタンのクリック操作や任意の位置・大きさの長方形状の画面範囲を指定するドラッグ操作が可能である。入力手段21は、処理や表示の種別を含む処理態様を指示する手段であり、キーボードやマウスとその操作を検知する手段によって構成される。このように、マウスは、その操作によって範囲指定手段20と入力手段21とを兼ねる。送信手段27は、表示手段26に表示される内容と同じ内容をプロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示させるため、表示手段26への表示信号を同期してプロジェクタ4へ送信する手段である。
【0054】
記憶手段25は、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリによって構成され、解答用紙5における各ユーザエリアと位置座標とを関連付けて記憶する。また、図9に示すように、記憶手段25は、電子ペン1が保持する固有のペンIDに対して、ユーザIDとユーザ名とをユーザ定義情報として関連付けて記憶する。図9において、例えば、ペンID「pen01」には、ユーザID「U01」とユーザ名「太郎」とが予め関連付けられて記憶されている。さらに、記憶手段25は、各電子ペン1によって送信されてきた記入情報を、ペンIDごとに記憶する。
【0055】
また、記憶手段25は、カラーパレット用紙7における各ユーザエリア701〜706と色及び線幅と線種IDとを関連付けて、カラーパレット定義情報として記憶する。すなわち、図10に示すように、記憶手段25は、ユーザエリア701〜706ごとに、ストローク情報(筆跡)を集約装置2の表示手段26で表示する色及び線幅と線種IDとを記憶している。また、カラーパレット定義情報においては、各ユーザエリア701〜706と、対応するドットパターンの座標範囲とが関連付けられている。ここで、ユーザエリア701〜703には、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に表示する色として、それぞれ、「くろ」、「あか」、「あお」とその線種ID「L71」、「L72」、「L73」が関連付けられ、ユーザエリア704〜706には、ストローク情報を集約装置2の表示手段26に表示する線幅として、「0.3mm」、「0.7mm」、「1.0mm」とその線種ID「L74」、「L75」、「L76」が関連付けられている。各ユーザエリア701〜706に関連付けられている色及び線幅は、カラーパレット7の各ユーザエリア701〜706に印刷されている文字や線の色及び線幅と対応するので、受講者が使いたい色及び線幅を選び易くなりカラーパレット7の使い勝手がよい。
【0056】
記憶手段25には、記入情報およびユーザ定義情報に基づいて、集約処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、ファイル形式で学習データが保存される。図11は、データのファイル形式の概略的な構造を示している。図11に示すように、学習データは、ファイル属性情報と、ユーザID別の個人学習データとを有する。ファイル属性情報には、作成日時情報が含まれている。また、個人学習データには、ユーザIDと、電子ペン1から送信された記入情報の位置座標情報等を含むユーザストローク情報と、解答内容等に応じてカテゴライズのために操作者によって設定されるユーザ色(分類)情報等が含まれている。ユーザIDは、集約処理手段24により、記入情報に含まれるペンIDに基づいて、記憶手段25に予め記憶されたユーザ定義情報を参照することで特定され、当該記入情報に基づくユーザストローク情報と対応付けられる。ユーザストローク情報は、電子ペン1が演算した位置座標(XY座標)情報、記入された時の時刻情報、及び筆圧情報が含まれる。また、ストロークの色及び線幅は、ストロークに関連付けてユーザストローク情報として記憶される。ファイルデータを読み込む際には、操作者が、入力手段21によって、ユーザIDやユーザ色情報などを所定の入力エリアに入力することで、集約処理手段24によって特定のデータを検索させ、ユーザストローク情報を表示手段26に再現させることができる。
【0057】
集約処理手段24は、電子ペン1からのデータを集約して処理する手段であり、アプリケーションプログラムの実行により機能を発揮するCPU等のプロセッサによって構成されている。この集約処理手段24は、電子ペン1から位置座標及びペンID等を含む記入情報を受信すると、ペンIDごとに記入情報を記憶手段25に記憶させる。また、集約処理手段24は、ペンIDごとに関連付けられた記入情報を筆跡として再現して表示手段26に表示させ、また、範囲指定手段20のマウス操作でドラッグにより指定された範囲に対応する各解答用紙5における記入情報を、記憶手段25から抽出して、各解答用紙5における記入情報を筆跡として表示手段26に一覧表示させる等、様々な処理を行う。
【0058】
また、集約処理手段24は、解答用紙5についての記入情報を含む学習データに基づいて、表示手段26に記入内容を表示させるとともに電子ペンIDに対応するユーザIDに対応するユーザ名を表示させる。表示手段26に電子ペン1による記入内容とユーザ名とが表示されるため、操作者である講師「花子」は、受講者(記入者)とその者による記入内容とを合わせて認識することができる。また、集約処理手段24は、表示手段26と同じ内容を同期させて、プロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示させるため、表示手段26に対する表示信号と同じ信号を送信手段27に対してプロジェクタ4へ向けて送信させる。すると、各受講者も、プロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示された記入内容とその記入者とを合わせて認識することができる。なお、詳細は後述するが、集約処理手段24は、本発明における「表示制御手段」の一例に相当する。
【0059】
[描画アプリケーションによる画面表示]
次に、描画アプリケーションの実行による集約処理手段24の表示手段26への表示処理について図12を参照しつつ説明する。図12は、表示手段26の表示画面に表示された描画アプリケーションに基づくウィンドウ(「描画アプリケーションウィンドウ」とも呼ぶ。)の一例を示す。
【0060】
図12に示すように、電子ペン1で解答用紙5に記入された際に生成された記入情報に基づいて、集約装置2で記憶手段25に個別学習データとして記憶したユーザストローク情報(以下、単に「ストローク」とも表記する。)は、集約処理手段24によって、表示手段26のユーザストローク情報表示領域50に描画される。描画するユーザストローク情報が、拡大表示などでユーザストローク情報表示領域50よりも大きい場合、集約処理手段24は、横スクロールバー51及び縦スクロールバー52を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、ユーザストローク情報全体を複数回に分けて表示できるようにする。
【0061】
また、集約処理手段24は、描画アプリケーションウィンドウ上部に、機能ボタンとして、選択ユーザ表示ボタン53、比較一覧表示ボタン54、再生表示ボタン56、選択画像出力ボタン57、表示サイズ変更リスト58、縮小表示ボタン59、拡大表示ボタン60、ページ送りボタン61,62、回転表示ボタン63、64、及びユーザコントロール表示ボタン65などを表示し、マウスによる機能ボタンの選択により、それぞれの処理を実行する。
【0062】
選択ユーザ表示ボタン53は、後述するユーザ選択リスト69から選択した1つのユーザ名に対応するユーザストローク情報を大きく表示し、他のユーザ名に対応するユーザストローク情報を小さく表示したサムネイルを一覧表示するためのボタンである。以後、選択ユーザ表示ボタン53が選択された際の描画アプリケーションウィンドウの表示を「選択ユーザ表示」と呼ぶ。比較一覧表示ボタン54は、複数のユーザ名に対応するユーザストローク情報を同時に並べて一覧表示するためのボタンである。以後、比較一覧表示ボタン54が選択された際の描画アプリケーションウィンドウの表示を「比較一覧表示」と呼ぶ。再生表示ボタン56は、ユーザストローク情報を1ストロークずつ再生表示するためのボタンである。選択画像出力ボタン57は、任意選択範囲がある場合にその範囲内のユーザストローク情報を、画像データとして出力するためのボタンである。この機能を設けることで、各受講生の記入情報から、参考となる模範解答集などを容易に作成できるようになる。
【0063】
表示サイズ変更リスト58は、現在、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを示すリストである。また、操作者がマウスを用いてプルダウンメニューの中から表示サイズを任意に選択し、変更できる。縮小表示ボタン59は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを、現在設定されている表示サイズから所定の割合で縮小する機能である。拡大表示ボタン60は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを、現在設定されている表示サイズから所定の割合で拡大する機能である。ページ送りボタン61,62は、解答用紙5のセットが複数枚に及ぶ場合に、異なるページアドレス(用紙ドットパターン)の解答用紙5を表示するためのボタンである。回転表示ボタン63,64は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報を90度ずつ回転させるためのボタンである。このような機能を設けることで、表示上の用紙向きを簡単に変更できる。ユーザコントロール表示ボタン65は、ユーザコントロールリスト68の表示・非表示を切り替える機能である。非表示にすることで、ユーザストローク情報表示領域50を拡大できる。
【0064】
図12に示すように、ユーザコントロールリスト68には、ユーザ選択リスト69、色分類ボタン71〜76、名簿順ソートボタン78、色順ソートボタン79、分類グラフ表示ボタン81、リロードボタン82などが表示される。
【0065】
ユーザ選択リスト69は、ユーザストローク情報表示領域50に表示するユーザストローク情報を、ユーザ名で選択するためのリストである。ユーザ選択リスト69は、ユーザ色(分類)情報表示欄691と、ユーザ名表示欄692と、色・幅表示欄693とを備える。集約処理手段24は、電子ペン1から取得して個別学習データとして記憶手段25に記憶したユーザストローク情報ごとに関連付けられているユーザIDに対応するユーザ名をユーザ名表示欄692に表示し、色分類ボタン71〜76によって選択されたユーザ色(分類)情報をユーザ色(分類)情報表示欄691に表示し、各受講者がカラーパレット用紙7で選択したストロークの色及び線幅を色・幅表示欄693に表示する。ユーザ選択リスト69のユーザ名表示欄692には、集約処理手段24により、記憶手段25に記憶した個別学習データのユーザIDに対応するユーザ名が表示される。そして、操作者がマウスによって、ユーザ選択リスト69から所望のユーザを選択したうえで選択ユーザ表示ボタン53をクリックすると、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50に、選択された受講者のストローク情報を大きく表示させると共に、他の受講者のストローク情報を小さく表示したサムネイルを一覧表示させる。
【0066】
色分類ボタン71〜76は、ユーザ選択リスト69に表示されている受講者ごとにユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。ボタン71は赤色に、ボタン72は青色に、ボタン73は黄色に、ボタン74は緑色に、ボタン75は茶色に、ボタン76は白色にユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。集約装置2の操作者は、マウスによって、ユーザ選択リスト69内の特定のユーザ名を選択し、色分類ボタン71〜76のうち所望のボタンを選択すると、集約処理手段24は、ユーザ選択リスト69内の選択されたユーザ名のユーザ色(分類)情報表示欄691を指定された色で表示する。この機能により、操作者である講師が、ユーザストローク情報表示領域50に表示される受講者の解答内容を見て、その考え方などをカテゴリー分けして色をつけ、見易くすることができる。なお、ユーザ色(分類)情報は、未設定時は、白色に設定しておくとよい。
【0067】
名簿順ソートボタン78は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、名簿番号順に並べ替えるためのボタンである。本実施形態では、図9に示すユーザID順を名簿番号順としている。色順ソートボタン79は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色(分類)情報が同じ受講者同士を連続して配列されるように、ユーザ色(分類)情報順に並べ替えるためのボタンである。分類グラフ表示ボタン81は、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色情報別のユーザ数を、ユーザストローク情報表示領域50に棒グラフ等で表示するためのボタンである。
【0068】
リロードボタン82は、ユーザ選択リスト69において選択されている受講者のユーザストローク情報を、学習データファイル保存時の状態まで戻すためのボタンである。この機能により、操作者である講師が、リロードボタン82をマウスで選択すると、集約処理手段24は、選択されている受講者に関連付けられているユーザIDに基づいて、前回のファイル保存以降に電子ペン1より受信して記憶手段25のユーザID別の格納領域に記憶したユーザストローク情報をクリアして、前回ファイル保存した時点までのユーザストローク情報を読み出し、ユーザストローク情報表示領域50に表示する。この機能により、個々の受講者が解答をやり直したい場合などに対応できる。
【0069】
また、ファイルデータの保存やアプリケーションの設定などは、一般的なアプリケーションと同様に、機能メニューとして用意しておくと良い。ファイルメニュー90のプルダウンメニューとして、ファイルデータの読み込み・保存を実行するメニュー、画像形式で保存するメニュー、アプリケーションの終了を実行するメニューなど、アプリケーションの全般的な管理に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。
【0070】
また、ファイルデータの保存に関するファイル形式を、ユーザ別のユーザストローク情報と設定情報を関連付けた構造としているので、ファイルデータを読み込む際、ユーザIDやユーザ色情報などから特定のデータを検索し、検索されたユーザストローク情報をユーザストローク情報表示領域50に表示することができる。
【0071】
表示メニュー91のプルダウンメニューとして、ウィンドウ枠を隠しアプリケーションの表示領域を最大限拡大する全画面表示メニューなど、アプリケーションの表示に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。またツールメニュー92のプルダウンメニューとして、電子ペン1の接続経由状況(例えば転送装置3のIPアドレスなど)を表示するペン管理メニュー、ユーザストローク情報を表示する背景となる解答用紙5の画像を設定する用紙管理メニュー、アプリケーションのバージョンやプロパティ情報などを表示するメニューなど、アプリケーションの設定に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。これらのボタンやメニューが選択されると、集約処理手段24により各機能が実行される。
【0072】
[選択ユーザ表示機能]
次に、図13を参照して、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合の選択ユーザ表示機能について説明する。
【0073】
図13は、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に表示される描画アプリケーションウィンドウの選択ユーザ表示の一例を示す。図13に示すように、集約処理手段24は、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、ユーザ選択リスト69を用いて操作者によって選択された受講者(図13に示す例では「太郎」)のユーザストローク情報を大きく表示した拡大画像200A(200)を表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者(図13に示す例では「次郎」、「三郎」、「四郎」、「五郎」)のユーザストローク情報を、拡大画像200よりも小さく表示したサムネイル201B〜201E(201)で一覧表示させる。具体的には、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50の上部エリアに拡大画像200を表示させ、ユーザストローク情報表示領域50の下部エリアにサムネイル201を同時に並べて一覧表示させる。この場合、集約処理手段24は、同じ縮尺にて、各受講者のユーザストローク情報に対応するサムネイル201を表示させる。
【0074】
より詳しくは、集約処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって選択された色・線幅によって、若しくは色・線幅が選択されていない場合にはデフォルトの色・線幅によって、各受講者によって電子ペン1で解答用紙5に記入されたストロークを表示させる。また、集約処理手段24は、各受講者によって記入されたストロークが少なくとも含まれるような範囲を切り出して、その切り出した範囲に対応する画像を、拡大画像200及びサムネイル201として表示させる。各受講者でストローク数やストローク長などが異なることから、当該切り出した範囲のサイズが異なるため、各受講者でサムネイル201のサイズが異なる傾向にある。更に、集約処理手段24は、操作者によって選択された受講者(つまりストロークを大きく表示している受講者)に対応するユーザ選択リスト69の箇所を強調表示させる。具体的には、集約処理手段24は、操作者によって選択された受講者(図13に示す例では「太郎」)に対応するユーザ選択リスト69の番号を、赤色などの枠99で囲って表示させる。なお、集約処理手段24は、一覧表示させるサムネイル201がユーザストローク情報表示領域50に収まらない場合には、横スクロールバー51を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、サムネイル201を複数回に分けて表示できるようにする。
【0075】
なお、拡大画像200は本発明における「第1画像」に相当し、サムネイル201は本発明における「第2画像」に相当する。ここで、拡大画像200は、受講者によって記入されたストロークを実際に拡大した画像という意味で「拡大」の文言を用いているわけではなく、サムネイル201よりもサイズが大きい画像という意味で「拡大」の文言を用いている(以下同様とする)。この定義は、後述する「拡大表示」や「縮小表示」にも同様に適用される。つまり、「拡大表示」は、実際のストロークを拡大して表示するという意味で用いるわけではなく、サムネイル201よりも大きなサイズで表示するという意味で用い、「縮小表示」は、実際のストロークを縮小して表示するという意味で用いるわけではなく、拡大画像200よりも小さなサイズで表示するという意味で用いる(以下同様とする)。
【0076】
他方で、集約処理手段24は、操作者のマウス操作などによってサムネイル201のいずれか1つが選択された場合に、既に拡大表示されている拡大画像200を縮小表示させると共に、選択されたサムネイル201を拡大表示させる。つまり、集約処理手段24は、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。言い換えると、既に拡大表示されている拡大画像200と、操作者によって選択されたサムネイル201とを入れ替える。
【0077】
また、図13に示すように、各受講者の色・幅表示欄693に、現在設定されているストロークの色及び線幅が表示されている。具体的には、受講者「太郎」は、色が青で線幅が1mmであることを示す線分が表示され、受講者「次郎」は、色が赤で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「三郎」は、色が青で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「四郎」は、色が黒で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「五郎」は、色が黒で線幅が0.3mmであることを示す線分が表示されている。集約処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色・線幅が選択された場合には、その色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。他方で、集約処理手段24は、受講者によって色・線幅が選択されていない場合には、デフォルトの色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。例えば、デフォルトの色は黒であり、デフォルトの線幅は0.7mmmである。
【0078】
また、図13に示すように、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691に、色が付されて表示されている。具体的には、受講者「太郎」は黄色が付され、受講者「次郎」は黄色が付され、受講者「三郎」は青色が付され、受講者「四郎」は赤色が付され、受講者「五郎」は黄色が付されている。操作者は、受講者の解答の考え方(解き方)をカテゴリー分けして、それぞれに色を割り当て、各受講者ごとに色分類ボタン71〜76のうちの所望のボタンを選択する。そして、集約処理手段24は、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691を、操作者によって指定された色で表示させる。図13に示す例では、操作者は、数列を用いた解答の考え方に黄色を割り当て、三角形の面積を用いた解答の考え方に青色を割り当て、台形の面積に基づいた解答の考え方に赤色を割り当てている。
【0079】
[比較一覧表示機能]
次に、図14を参照して、比較一覧表示ボタン54が選択された場合の比較一覧表示機能について説明する。
【0080】
図14は、比較一覧表示ボタン54が選択された場合に表示される描画アプリケーションウィンドウの比較一覧表示の一例を示す。図14に示すように、集約処理手段24は、操作者によって比較一覧表示ボタン54が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、各受講者のユーザストローク情報を縮小表示したサムネイル202A〜202E(202)を同時に並べて一覧表示させる。この場合、集約処理手段24は、同じ縮尺にて、各受講者のユーザストローク情報に対応するサムネイル202を表示させる。また、集約処理手段24は、各受講者によって記入されたストロークが少なくとも含まれるような範囲を切り出して、その切り出した範囲に対応する画像をサムネイル202として表示させる。
【0081】
なお、図14に示す例でも、図13と同様に、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691に、色が表示されていると共に、各受講者の色・幅表示欄693に、現在設定されているストロークの色及び線幅が表示されている。
【0082】
[処理フロー]
次に、図15及び図16を参照して、本実施形態において集約装置2が行う処理フローについて説明する。
【0083】
図15は、色・線幅の設定及び表示、並びに設定された色・線幅でのストロークの描画を行うために実行されるフローチャートである。まず、集約装置2では、集約個別受信手段22及び集約転送受信手段23が電子ペン1から記入情報を受信して、集約処理手段24が、ストローク情報やペンIDを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS101)。そして、集約処理手段24は、記入情報に含まれるペンIDを認識する(ステップS102)。この際に、集約処理手段24は、ユーザ定義情報を参照することで(図9参照)、記入情報に含まれるペンIDに対応するユーザIDやユーザ名を特定する。次に、集約処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から用紙の種類を判定する(ステップS103)。
【0084】
ステップS103において、集約処理手段24は、ストローク情報に含まれる位置情報に基づいて特定したユーザエリアと用紙種別からカラーパレット用紙7に記入されているものと判断した場合(ステップS103:カラーパレット用紙)、カラーパレット定義情報(図10参照)を参照して、そのユーザエリアに対応する色・線幅を特定し、特定した色・線幅を、ステップS102で認識したペンIDの電子ペン1によるストロークを描画するための色・線幅として設定する(ステップS104)。詳しくは、集約処理手段24は、記入情報の座標データに基づいて、カラーパレット定義情報を参照して、ユーザエリアの色や線種を特定する。そして、集約処理手段24は、こうして設定した色・線幅を、ステップS102で認識したペンIDに対応する色・幅表示欄693に表示させる(ステップS105)。
【0085】
一方、ステップS103において、集約処理手段24は、ユーザストローク情報に含まれる位置情報に基づいて特定したユーザエリアと用紙種別から解答用紙5に記入されているものと判断した場合(ステップS103:解答用紙)、ユーザストローク情報表示領域50に、ステップS104で設定された色・線幅でストロークを描画させる(ステップS106)。
【0086】
なお、集約処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色及び線幅の両方が選択された場合には、受講者によって選択された色及び線幅を設定する。これに対して、集約処理手段24は、受講者によって色及び線幅の一方のみしか選択されていない場合には、色及び線幅の一方をユーザが選択したものに設定すると共に、色及び線幅の他方をデフォルトのものに設定する。他方で、集約処理手段24は、受講者によって色及び線幅のいずれも選択されていない場合には、デフォルトの色及び線幅を設定する。そして、集約処理手段24は、このように設定した色及び線幅を色・幅表示欄693に表示させると共に、その色及び線幅でストロークを描画させる。なお、例えば、デフォルトの色は黒であり、デフォルトの線幅は0.7mmmである。
【0087】
図16は、選択ユーザ表示において実行される処理を示すフローチャートである。まず、集約処理手段24は、操作者のマウス操作等によって、下部エリアに表示されたサムネイル201のいずれか1つが選択されたことを検知する(ステップS201)。そして、集約処理手段24は、上部エリアに既に表示されている拡大画像200を縮小表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を上部エリアに拡大表示させる(ステップS202)。つまり、集約処理手段24は、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。言い換えると、既に拡大表示されている拡大画像200と、操作者によって選択されたサムネイル201とを入れ替える。
【0088】
[本実施形態による作用効果]
以上説明した本実施形態によれば、集約装置2は、受講者ごとに、現在設定されているストロークの色及び線幅を色・幅表示欄693に表示させる。具体的には、集約装置2は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色・線幅が選択された場合には、その色・線幅を色・幅表示欄693に表示させ、受講者によって色・線幅が選択されていない場合には、デフォルトの色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。これにより、受講者が電子ペン1でカラーパレット用紙7をタップすることで色・線幅を選択した場合に、色・線幅が変更されたことを集約装置2上で容易に判別することができる。よって、本実施形態によれば、色・線幅を色・幅表示欄693に表示させない場合と比較して、受講者は効率的に作業を行うことが可能となる。
【0089】
また、集約装置2は、選択ユーザ表示において、操作者によって選択された受講者のストロークを拡大表示した拡大画像200を表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者のストロークを縮小表示したサムネイル201を一覧表示させる。これにより、特定の受講者のストロークを見易く表示させつつ、他の受講者のストロークを比較可能な態様で表示させることができる。
【0090】
更に、集約装置2は、選択ユーザ表示において、操作者のマウス操作などによりサムネイル201のいずれか1つが選択された場合、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。これにより、操作者の選択に応じて、サムネイル201と拡大画像200とを適宜入れ替えて表示させることができる。
【0091】
[変形例]
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、以下で示す変形例は適宜組み合わせて実施することができる。
【0092】
(変形例1)
上記した実施形態では、電子ペン1によって送信された記入情報は、集約装置2において、予め設定されたペンIDに直接関連付けて記憶手段25によって記憶されるものであった。変形例1は、このような記入情報の記憶に関して、図17に示すような名簿用紙8を用いるものである。
【0093】
具体的には、変形例1では、図17に示すような、解答用紙5とは異なるドットパターンを印刷した名簿用紙8を用意し、各ユーザエリア801〜806にユーザIDを関連付けて集約装置2で記憶しておく。そして、解答用紙5への記入に際して、電子ペン1でユーザエリア801〜806のいずれかを予めタップすることにより、集約装置2側に、その電子ペン1のペンIDと、ユーザエリアに対応付けられたユーザIDとを関連付けて記憶し、その電子ペン1による以後の記入情報を、そのユーザIDに関連付けて記憶するようにしてもよい。この構成とすることにより、同じ電子ペン1を複数の受講者が用いる場合であっても、名簿用紙8にタップするユーザエリアを変えることで、その電子ペン1に関連付けるユーザIDを変更することができるため、受講者が変わる都度、使用する電子ペン1を対応するユーザエリアにタップするとよい。
【0094】
(変形例2)
変形例2は、解答の考え方に応じて操作者が色分類ボタン71〜76によって分類した複数のカテゴリーごとに、ユーザストローク情報表示領域50にストロークを表示させる点で、上記した実施形態と異なる。つまり、変形例2は、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色(分類)情報が同じ受講者のストロークのみを、ユーザストローク情報表示領域50に表示させるものである。具体的には、変形例2では、集約装置2の集約処理手段24は、ユーザ色(分類)情報を操作者に選択させるためのボタンを表示させ、当該ボタンで選択されたユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを表示させる。
【0095】
図18は、変形例2に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13参照)と同様であるものとする。
【0096】
図18に示すように、変形例2では、集約処理手段24は、ユーザ色(分類)情報ごとにストロークを表示させるために操作者に所望のユーザ色(分類)情報を選択させるための選択表示ボタン85A〜85F(85)を、ユーザコントロールリスト68内の色分類ボタン71〜76の上に表示させる。選択表示ボタン85A〜85Fは、各々の下に位置する色分類ボタン71〜76に対応するユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを表示させるためのラジオボタンである。操作者によって選択表示ボタン85A〜85Fのいずれかが選択された場合、集約処理手段24は、操作者によって選択された選択表示ボタン85に対応するユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを、ユーザストローク情報表示領域50に表示させる。
【0097】
図18に示す例では、操作者は、色分類ボタン73(ユーザ色(分類)情報を黄色に設定するためのボタン)に対応する選択表示ボタン85Cを選択したものとする。この場合、集約処理手段24は、ユーザ色(分類)情報が黄色に設定された受講者「太郎」、「次郎」、「五郎」が電子ペン1で記入したストロークを、ユーザストローク情報表示領域50に表示させる。具体的には、集約処理手段24は、前述した選択ユーザ表示と同様に(図13参照)、特定の受講者(図18に示す例では「太郎」)のストロークを拡大表示した拡大画像203Aを表示させると共に、他の受講者(図18に示す例では「次郎」、「五郎」)のストロークを縮小表示したサムネイル203B、203Eを一覧表示させる。
【0098】
以上説明した変形例2によれば、操作者は、選択表示ボタン85を用いて選択することで、所望のユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークのみを表示させることができる。
【0099】
なお、上記のように操作者によって選択されたユーザ色(分類)情報が設定された受講者のストロークを表示させる場合に、図19に示すように、操作者によって選択されたユーザ色(分類)情報が設定された受講者のみを、ユーザ一覧としてユーザ選択リスト69Aに表示させても良い。
【0100】
(変形例3)
図13などを用いて説明した選択ユーザ表示では、1人の受講者のストロークのみを拡大表示させていたが、変形例3では、選択ユーザ表示において、複数の受講者のストロークを拡大表示させる。具体的には、変形例3では、集約装置2の集約処理手段24は、操作者のマウス操作等により複数のサムネイルが選択された場合に、その複数のサムネイルを並べて拡大表示させる。
【0101】
図20は、変形例3に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13参照)と同様であるものとする。
【0102】
変形例3では、集約処理手段24は、操作者によって選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合において、操作者のマウス操作によって複数のサムネイルがドラッグされて上部エリアに移動された場合に、その複数のサムネイルを拡大表示させた拡大画像を並べて表示させる。図20に示す例では、操作者がマウスによって2つのサムネイル(図20は、2つのサムネイルを拡大表示させた後の表示画像を示しており、当該2つのサムネイルについては図示していない)をドラッグして上部エリアに移動させ、集約処理手段24は、その2つのサムネイルを拡大表示させた拡大画像204C、204Dを左右に並べて表示させている。
【0103】
また、集約処理手段24は、操作者によって選択された複数の受講者(つまりストロークを拡大表示している複数の受講者)に対応するユーザ選択リスト69の箇所を強調表示させる。図20に示す例では、集約処理手段24は、受講者「三郎」「四朗」のそれぞれに対応するユーザ選択リスト69の番号を、赤色などの枠99A、99Bで囲って表示させている。
【0104】
なお、集約処理手段24は、操作者のマウス操作によって拡大画像がドラッグされて下部エリアに移動された場合に、その拡大画像を縮小してサムネイル化しても良い。また、集約処理手段24は、操作者のマウス操作によって複数のサムネイルがクリックされた場合又はダブルクリックされた場合に、その複数のサムネイルを拡大表示させた拡大画像を並べて表示させても良い。更に、集約処理手段24は、操作者のマウス操作によって拡大画像がクリックされた場合又はダブルクリックされた場合に、その拡大画像を縮小してサムネイル化しても良い。加えて、集約処理手段24は、各サムネイルごとに拡大表示させるための拡大ボタンを表示させ、拡大ボタンが押下されたサムネイルを拡大表示させても良い。
【0105】
以上説明した変形例4によれば、操作者の操作に基づき、選択ユーザ表示の表示態様を柔軟に変更することができる。
【0106】
(変形例4)
図13などを用いて説明した選択ユーザ表示では、ストロークを縮小表示したサムネイル201を横方向に並べて一覧表示させていたが、変形例4では、選択ユーザ表示において、サムネイルを縦方向に並べて一覧表示させる。
【0107】
図21は、変形例4に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13参照)と同様であるものとする。
【0108】
図21に示すように、変形例4では、集約装置2の集約処理手段24は、操作者によって選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、操作者によって選択された受講者のストロークを拡大表示した拡大画像205Aを表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者のストロークを縮小表示したサムネイル205B〜205Dを縦方向に並べて一覧表示させる。具体的には、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50の左側のエリアに拡大画像205Aを表示させ、ユーザストローク情報表示領域50の右側のエリアにサムネイル205B〜205Dを同時に並べて一覧表示させる。なお、図21に示す例では、一覧表示させるサムネイルがユーザストローク情報表示領域50に収まらないため、集約処理手段24は、縦スクロールバー52を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、サムネイルを複数回に分けて表示できるようにしている。
【0109】
以上説明した変形例4によれば、サムネイルを縦方向に並べて一覧表示させることで、ユーザ選択リスト69Aに表示されたユーザ一覧と平行にサムネイルを表示させることができると共に、ユーザ一覧に表示された受講者の順と同じ順でサムネイルを表示させることができる。これにより、受講者とサムネイルとの対応関係が判別しやすくなる。
【0110】
(変形例5)
変形例5は、上記した比較一覧表示(図14参照)の他の例に関する。変形例5では、比較一覧表示において、全ての受講者のストロークを一覧表示させずに、ユーザストローク情報表示領域50を分割したエリアに、そのエリアの数だけストロークを表示させる。具体的には、変形例5では、集約装置2の集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50を分割する態様(2分割や4分割など)を操作者に選択させ、操作者によって選択された態様でユーザストローク情報表示領域50を分割し、分割した各エリアごとにストロークを表示させる。
【0111】
図22は、変形例5に係る描画アプリケーションウィンドウの一例を示す。なお、ここで特に説明しない機能や処理などについては、前述した実施形態(特に図13、図14参照)と同様であるものとする。
【0112】
図22に示すように、変形例5では、集約処理手段24は、操作者によって比較一覧表示ボタン54が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50を分割する態様を設定するための分割設定ボタン88A〜88D(88)をユーザコントロールリスト68に表示させる。分割設定ボタン88Aは、ユーザストローク情報表示領域50を分割しない設定を行うためのボタンであり、分割設定ボタン88Bは、ユーザストローク情報表示領域50を横(つまり左右方向)に2分割する設定を行うためのボタンであり、分割設定ボタン88Cは、ユーザストローク情報表示領域50を縦(つまり上下方向)に2分割する設定を行うためのボタンであり、分割設定ボタン88Dは、ユーザストローク情報表示領域50を縦及び横(つまり上下方向及び左右方向)に4分割する設定を行うためのボタンである。
【0113】
図22に示す例では、操作者が、分割設定ボタン88Bを選択したものとする。この場合、集約処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50を左右方向に2分割し、分割した各エリアごとにストロークを表示させる。具体的には、集約処理手段24は、ストロークを同じ縮尺にて表示させたサムネイル206C、206Dを、ユーザストローク情報表示領域50の左側のエリア及び右側のエリアにそれぞれ表示させる。また、集約処理手段24は、当該左側のエリア及び当該右側のエリアのそれぞれに、表示させるストロークを順に切り替えるための送りボタン206X、206Yを表示させる。集約処理手段24は、操作者によって送りボタン206Xが選択された場合には、ユーザストローク情報表示領域50の左側の領域に表示させるストロークを順に切り替えていき、操作者によって送りボタン206Yが選択された場合には、ユーザストローク情報表示領域50の右側の領域に表示させるストロークを順に切り替えていく。例えば、集約処理手段24は、名簿番号順に、表示させるストロークを切り替えていく。
【0114】
以上説明した変形例5によれば、操作者の操作に基づき、比較一覧表示の表示態様を柔軟に変更することができる。
【0115】
(変形例6)
上記した実施形態では、ユーザ選択リスト69に表示させるユーザ一覧を名簿番号順(具体的には図9に示すID順)にソートし、名簿番号順に従って選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行う例を示したが、これに限定されない。他の例では、名簿番号順の代わりに、解答時間の早い順に、ユーザ選択リスト69に表示させるユーザ一覧をソートし、解答時間の早い順に従って選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行うことができる。この例では、集約装置2の集約処理手段24は、各受講者が使用する電子ペン1から受信した最終記入情報に含まれる時刻情報に基づいて、解答時間の早い順を求める。更に他の例では、名簿番号順や解答時間の早い順の代わりに、ストローク数の多い順に、ユーザ選択リスト69に表示させるユーザ一覧をソートし、ストローク数の多い順に従って選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行うことができる。この例では、集約処理手段24は、各受講者が使用する電子ペン1でストローク数をカウントすることで、ストローク数の多い順を求める。
【0116】
(変形例7)
上記した実施形態では、1人の受講者が1枚の解答用紙5に電子ペン1により解答を記入した場合を例示したが、1人の受講者が複数枚の解答用紙5に電子ペン1により解答を記入した場合にも、当該実施形態(上述した変形例を含む)と同様の選択ユーザ表示及び比較一覧表示を行うことができる。この場合には、複数枚の解答用紙5に記入されたストロークを、複数のページに渡って並べて表示すれば良い。1つの例では、集約装置2の集約処理手段24は、複数のページが重なり合うようにページを表示する。他の例では、集約処理手段24は、複数のページが重ならないように左右又は上下に並べてページを表示する。
【0117】
(変形例8)
上記では、本発明における「表示態様」の一例として、ストロークの色及び線幅を示した。他の例では、色及び線幅の両方を用いる代わりに、色及び線幅のいずれか一方のみを「表示態様」として用いることができる。更に他の例では、色及び/又は線幅の代わりに、若しくは色及び/又は線幅に加えて、ストロークの線種(例えば実線、破線、一点鎖線など)を「表示態様」として用いることができる。
【0118】
(変形例9)
上記した実施形態では、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いていたが、アノト方式を用いることに限定はされない。
【符号の説明】
【0119】
1(1A〜1E)…電子ペン
2…集約装置
3…転送装置
4…プロジェクタ
5(5A〜5E)…解答用紙
6…スクリーン
7…カラーパレット用紙
10…電子ペンシステム
20…範囲指定手段
21…入力手段
22…集約個別受信手段
23…集約転送受信手段
24…集約処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
27…送信手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、
前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムであって、
前記端末装置は、
前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段を備えることを特徴とする電子ペンシステム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示することを特徴とする請求項1に記載の電子ペンシステム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ペンシステム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示することを特徴とする請求項3に記載の電子ペンシステム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、
前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子ペンシステム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項9】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項10】
前記表示態様は、前記手書きストロークの色及び/又は線幅であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項11】
用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、
前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムにおいて、前記端末装置によって実行されるプログラムであって、
前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段として前記端末装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示することを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示することを特徴とする請求項11又は12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示することを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記表示制御手段は、
前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、
前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示することを特徴とする請求項13又は14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記表示制御手段は、
複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示制御手段は、
前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記表示態様は、前記手書きストロークの色及び/又は線幅であることを特徴とする請求項11乃至19のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項1】
用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、
前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムであって、
前記端末装置は、
前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段を備えることを特徴とする電子ペンシステム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示することを特徴とする請求項1に記載の電子ペンシステム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ペンシステム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示することを特徴とする請求項3に記載の電子ペンシステム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、
前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子ペンシステム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項9】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項10】
前記表示態様は、前記手書きストロークの色及び/又は線幅であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子ペンシステム。
【請求項11】
用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、前記コード化パターンに応じた記入情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が前記電子ペンによって手書きストロークを記入する記入用紙と、
前記電子ペンにより読み取り可能なコード化パターンが印刷され、記入者が、前記記入用紙に記入した手書きストロークを表示させる際の表示態様を選択するための選択用紙と、
前記電子ペンから前記記入情報を受信して、当該記入情報に応じた処理を行う端末装置と、を備える電子ペンシステムにおいて、前記端末装置によって実行されるプログラムであって、
前記電子ペンによる前記選択用紙への記入に対応する記入情報に基づいて、記入者によって選択された前記表示態様を表示する表示制御手段として前記端末装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、複数の記入者によって選択された前記表示態様を、前記複数の記入者に対応付けて一覧表示することを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示制御手段は、操作者によって選択された記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第1画像を表示すると共に、前記操作者によって選択されなかった他の記入者により記入された前記手書きストロークに対応する第2画像を、前記第1画像よりも小さなサイズで一覧表示することを特徴とする請求項11又は12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示制御手段は、操作者によって前記第2画像が選択された場合、既に表示している前記第1画像を縮小することで第2画像として表示すると共に、操作者によって選択された前記第2画像を拡大することで第1画像として表示することを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記表示制御手段は、
前記第1画像が表示される領域に前記第2画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第2画像を拡大することで第1画像として表示し、
前記第2画像が表示される領域に前記第1画像を移動させる操作が操作者によってなされた場合に、当該第1画像を縮小することで第2画像として表示することを特徴とする請求項13又は14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記表示制御手段は、
複数の記入者によって記入された前記手書きストロークの内容を分類した複数のカテゴリーに関して、前記複数のカテゴリーのいずれかを選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記複数のカテゴリーのいずれかが選択された場合に、前記複数の記入者によって記入された前記手書きストロークのうち、選択されたカテゴリーに分類された前記手書きストロークのみを表示することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示制御手段は、
前記手書きストロークを表示するエリアを分割する態様を選択するための選択ボタンを表示し、
前記選択ボタンによって前記エリアを分割する態様が選択された場合に、当該態様によって前記エリアを分割した各エリアに、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークを記入し終えたのが早い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記表示制御手段は、複数の記入者において前記手書きストロークのストローク数が多い順に、前記表示態様を表示すると共に、前記手書きストロークを表示することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記表示態様は、前記手書きストロークの色及び/又は線幅であることを特徴とする請求項11乃至19のいずれか一項に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−25683(P2013−25683A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162040(P2011−162040)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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