説明

電子メール機能付通信端末装置及びそのプログラム記録媒体

【課題】 電子メール機能付通信端末装置を提供する。
【解決手段】 複数のボタン45と、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの一部分となる情報を記憶するメモリT1と、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの他の部分となる情報を記憶するメモリT1と、これらのボタン45の操作に従い各メモリT1から情報を読み出してメールアドレスを組み立てる手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メール機能付ファクシミリ装置等の通信端末装置に係り、特に、文字打ち込み数を少なくできる電子メール機能付通信端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、LANや個々のパーソナルコンピュータを電話回線等の通信回線に接続することにより構成した広範囲なコンピュータ通信網が普及している。コンピュータ通信網には、インターネットやパソコン通信サービス網がある。パソコン通信サービス網には、NIFTY−Serve(以下、ニフティと記す)、PC−VANなどがある。以下では、これらのコンピュータ通信網のひとつひとつをネットワーク種別という。ネットワーク種別の異なる異種ネットワーク間通信も可能である。
【0003】コンピュータ通信網を利用する場合、利用者から相手先に直接、通信するのではなく、インターネットでは、コンピュータ通信網への接続等のサービスを行う複数の業者(プロバイダ)が存在し、利用者はこのプロバイダが持つコンピュータ(サーバ)を介して通信することになる。パソコン通信サービス網ではサービスを統括するホストが存在し、利用者はこのホストコンピュータを介して通信することになる。利用者は、コンピュータ通信網を使用するときに、プロバイダ又はホストのアクセスポイントに回線を繋ぎ、次いで契約者であることの認証を受けるために、ログインと呼ばれる手続きを行う。ログインには、利用者名(ユーザID)及び利用者しか知らないパスワードの入力が必要である。このログインによって、コンピュータ通信網に自身の通信端末装置が論理的に接続されたことになる。
【0004】サービスの内容は種々あるが、ここではインターネットにおける電子メールについて説明する。利用者は、通信したいデータを所定の形式を持つ電子メールに格納し、電子メールとして送信する。電子メールには、送信する利用者の電子メールアドレス(e−mailアドレス)と相手先の電子メールアドレスとが記載される。これらの電子メールアドレスにはそれぞれのプロバイダを示す情報が含まれる。電子メールは、相手先の利用者が契約しているプロバイダのメールボックスに保管される。受取人である相手先の利用者は、このメールボックスより適時、電子メールを取り出すことができる。なお、電子メールアドレスには、数値のみで表現されるIP(Internet Protocol) アドレスに代えてドメインネームシステム(DNS)に基づいて文字列で表現された利用者名(ユーザID)を使用する。
【0005】図6に、インターネットにおけるメールアドレスの例を示す。メールアドレスは、利用者名61とドメイン名62とからなり、ドメイン名62の先頭に“@”が必ず置かれることにより、利用者名61とドメイン名62とが区分される。ドメイン名62は、サーバ名63、組織名64、国名65とからなる。サーバ名63の次にネットワーク名等が入ることもある。
【0006】コンピュータ通信網の利点としては、誤り訂正機能に優れた通信方式を採用している点、利用者が最寄りの契約プロバイダ又はアクセスポイントまでの通信費用を負担するだけで遠隔の相手先と通信できる点が挙げられる。
【0007】一方、従来より電話回線を利用してイメージデータを通信するファクシミリ通信が普及しており、このための通信手順や通信方式が確立されている。ファクシミリ通信の通信手順や通信方式は、コンピュータ通信網のそれと異なるので、従来のファクシミリ装置をコンピュータ通信網に接続することはできなかった。そこで、本出願人は、ファクシミリ装置にイメージデータを電子メールの形式に変換して通信する等の機能を持たせた電子メール機能付きファクシミリ装置を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンピュータ通信網で使用するアドレスは、広範囲かつ多数の利用者を識別する必要から桁数が多い。図6の例のように、メールアドレスは桁数が多く、しかも数字の他に英文字、記号を含んでいるから入力が繁雑である。そこで、頻繁に電子メールを送信する相手先がある場合、そのためのメールアドレスを1個のボタンに対応させて登録しておき、送信時には、この1個のボタンを押せばメールアドレスが読み出されるようにしておくとよい。このような機能をワンタッチ送信機能と呼ぶことにする。
【0009】しかし、このように送信時におけるワンタッチ機能を持たせても、メールアドレスをワンタッチボタンに対応させて登録するときには、全文字を打ちこまなければならない。また、ワンタッチに登録してないメールアドレスについては、送信時に、全文字を打ちこまなければならず、操作が煩わしくなる。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、文字打ち込み数を少なくできる電子メール機能付通信端末装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の電子メール機能付通信端末装置は、複数のボタンと、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの一部分となる情報を記憶するメモリと、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの他の部分となる情報を記憶するメモリと、これらのボタンの操作に従い各メモリから情報を読み出してメールアドレスを組み立てる手段とを備えたものである。
【0012】また、アルファベット等の文字を入力する複数のボタンと、前記ボタンに対応させてメールアドレスでの使用頻度の高い記号・文字列を記憶するメモリと、これらのボタンの操作に従い、入力した文字や読み出した記号・文字列を使ってメールアドレスを形成する手段とを備えたものである。
【0013】また、プログラム記録媒体は、複数のボタンのうちの1個に対応させてメールアドレスの一部分となる情報をメモリに記憶する手順と、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの他の部分となる情報をメモリに記憶する手順と、これらのボタンの操作に従い各メモリから情報を読み出してメールアドレスを組み立てる手順とを記録したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。この実施形態では、通信端末装置は、G3,G4ファクシミリ通信機能と電子メール機能とを備えた電子メール機能付ファクシミリ装置である。また、この実施形態では、メールアドレスを利用者名の部分とドメイン名の部分とに2分して記憶する。図1R>1及び図2には、本ファクシミリ装置の動作の流れが示されている。即ち、図1(a)は、利用者名を登録する動作の流れ、図1(b)は、ドメイン名を登録する動作の流れ、図2は、送信時にメールアドレスを組み立てるメールアドレス組立動作の流れである。図3には、本ファクシミリ装置の回路構成が示されている。図4には、本ファクシミリ装置の操作パネルが示されている。ただし、図4(b)は、図4(a)の部分拡大図である。
【0015】図3に示されるように、ファクシミリ装置は、主制御部1、読取部2、記録部3、表示部4、操作部5、外部記憶読取部6、ROM7、RAM8、画像メモリ9、モデム10、NCU11、データモデム12から構成されている。
【0016】主制御部(CPU)1はバス13を通じてハードウェア各部を制御すると共に、符号化・複合化、画像(TIFF)変換、バイナリ・テキスト変換、メール編集、、オートダイヤラ通信手順等のソフトウェア(プログラム)を実行することができる。また、本発明に係る利用者名登録動作、ドメイン名登録動作、メールアドレス組立動作のプログラムを実行することができる。
【0017】読取部2は、CCD等の撮像素子で原稿を読み取り、白黒2値のイメージデータを生成することができる。
【0018】記録部3は、電子写真方式等によるプリンタを備え、他のG3,G4ファクシミリ装置からファクシミリ通信で受信したイメージデータや電子メールで獲得したイメージデータを記録(印字出力)することができる。
【0019】表示部4は、LCD表示器等の表示器を備え、本ファクシミリ装置の動作状態、イメージデータ、登録内容、操作指示等の表示を行うことができる。特に、本発明に係り、組立中のメールアドレスや登録中の利用者名及びドメイン名を表示することができる。
【0020】操作部5は、図4(a)に示されるように、操作パネル上に表示部4と共に配置される。操作部5は、多数のボタンを概ね用途別の区画に配置して構成されている。即ち、画像の解像度・濃淡の調整等に使用する画像調整用ボタン群41、通信方式の設定、機能呼び出し等に使用するモード設定用ボタン群42、数字入力・ダイヤル操作・短縮ダイヤル操作等に使用する数字入力用ボタン群43、原稿読取り開始等に使用する原稿操作用ボタン群44、ワンタッチ操作等に使用するワンタッチ用ボタン群45が配置されている。数字入力用ボタン群43とワンタッチ用ボタン群45とは、それぞれアルファベットや記号等の文字入力機能も持っている。
【0021】ワンタッチ用ボタン群45は、図4(b)に示されるように、複数個のボタン(以下、ワンタッチボタンという)を縦横に配置したものであり、アルファベットの26文字に対応しかつ26種の記号にも対応する26個の文字ボタンと、大文字・小文字・記号を切り替えるための複数の切換えボタンと、グループ機能に使用する複数のグループボタンとからなる。ワンタッチボタンのうち文字ボタンには、「A!」、「B″」、…というようにボタンの名称が表記されている。以下、個別のワンタッチボタンは、Aボタン、Bボタン…、とアルファベットのみのボタン名で呼ぶことにする。また、切換えボタンには、「U1 ABC」、「U2 abc」、「U3 sym」…というようにボタンの名称が表記されている。このうちU1、U2、U3は、種々のファンクション機能に使用され、 ABC、 abc、 symが、それぞれ大文字、小文字、記号の指定に使用される。
【0022】外部記憶読取部6は、フロッピーディスク、CDROM等の外部記憶媒体(プログラム記憶媒体)14に記録されたプログラム等を読み取ることができる。従って、主制御部で実行するプログラムを外部記憶媒体14から提供することができる。
【0023】ROM7は、本ファクシミリ装置を動作させるために主制御部で実行するプログラムを記憶するもの、即ちプログラム記録媒体である。
【0024】RAM8は、SRAM、フラッシュメモリ等からなり、プログラム実行時に発生する一時的なデータを記憶すると共に、登録された各種データをテーブル形式で記憶するものである。また、外部記憶から得たプログラムを記憶して実行に供することができる。
【0025】画像メモリ9は、DRAMからなり、イメージデータを記憶するものである。
【0026】モデム10は、ファックスモデム機能を持ち、イメージデータをファクシミリ通信するときに使用される。
【0027】NCU(Network Control Unit)11は、アナログ回線の閉結・開放を行うことができる。ただし、G4通信では、不図示のDSU(データ回線終端装置)を介してISDN回線に接続される。
【0028】データモデム12は、データモデム機能を持ち、イメージデータを電子メールで通信するときに使用される。データモデム12は、NCUの外付け電話用端子に接続され、また、RS232Cにより外部インタフェース15のシリアルポートに接続されている。
【0029】次に、主制御部が実行するプログラムを説明する。
【0030】符号化・複号化では、イメージデータをMH,MR,MMR等の符号化方式によって符号化及び複号化する。以下、これらの符号化方式によって符号化されたイメージデータをG3形式のイメージデータと呼ぶ。画像メモリには、このG3形式のイメージデータを記憶することになる。
【0031】画像変換では、送信時に、G3形式のイメージデータを一般のコンピュータで使用されるTIFF(Tagged Image File Format)イメージデータに変換し、受信時に、TIFFイメージデータからG3形式イメージデータに変換する。なお、TIFFは、Adobe System社によって公開されたフォーマットであり、白黒2値、白黒多値、フルカラーなどを扱う様々なCLASSが定義されている。そのなかの1つであるCLASS Fは、MH,MR,MMR等の符号化方式によって符号化された原稿のイメージデータであるG3形式のイメージデータを定義している。従って、G3形式のイメージデータの先頭にCLASS FのTIFFヘッダ情報を付加することによってTIFFイメージデータに変換することができる。
【0032】バイナリ・テキスト変換では、送信時に、バイナリデータをテキストデータに変換し、受信時に、テキストデータをバイナリデータに変換する。インターネットにはバイナリデータの電子メールを扱うことができないコンピュータが存在している。相手先に確実に電子メールが届くように、TIFFイメージデータ等のバイナリデータを送信する場合には、一旦、テキストデータに変換する。インターネットで扱うテキストデータは、IETF(Intenet Engineering Task Force)が発行するドキュメントであるRFC(Request For Comments)822において、7ビットのコードとして規定されている。ここでは、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions) のbase64などを利用して変換を行う。これによると、6ビットのバイナリデータは64のキャラクタ(大文字・小文字のアルファベット、数字、+、/)のひとつに置き換えられ、テキストデータに変換される。MIMEは、RFC1521等で規定されている。
【0033】メール編集では、送信時に、テキストデータに変換されたTIFFイメージデータにメールヘッダ情報を付加して電子メール形式に編集し、受信時に、電子メール形式のデータからメールヘッダ情報を取り除き、テキストデータに変換されたTIFFイメージデータだけを取り出す。インターネットの電子メールには電子メールの管理情報として所定のヘッダ情報を付加することが規定されているので、送信時には、テキストデータに変換されたTIFFイメージデータの先頭に、“From:(利用者アドレス)”,“To:(相手先アドレス)”,“Subject:(題名)”等の項目を追加する。本発明では、相手先アドレスはワンタッチボタンの操作により組み立てたメールアドレスを使用する。
【0034】オートダイヤラでは、テーブルから読み出した電話番号を発呼するためにNCUに電話番号データを送る。
【0035】また、RAM8にテーブル形式で記憶されるデータは、利用者コード番号、利用者のユーザID及びパスワード、ネットワーク種別、相手先名称、相手先の電子メールアドレス、ネットワーク種別、アクセスポイント電話番号、利用者個人名、相手先短縮番号、ファクシミリ電話番号、ファクシミリ種別、プロバイダ名などである。そして、本発明に係るメールアドレス情報として、文字列テーブルT1に、ワンタッチボタンに対応させて登録した利用者名、ドメイン名を記憶する。
【0036】次に、本発明に係るプログラムについて詳しく述べる。
【0037】図1(a)を用いて利用者名登録動作を説明する。操作部5のボタン操作により利用者名登録プログラムが起動されると、ワンタッチボタンの操作をワンタッチの登録として受け付けるようになる(通常時はワンタッチボタンの操作はワンタッチ送信として受け付ける)。ステップS1aにおいて、オペレータがワンタッチボタンを押すと、その次のステップS2aのボタン操作で利用者名を入力できるようになる。即ち、ワンタッチボタンの操作はボタン名に表記されたアルファベットの入力として受け付ける。例えば、ステップS1aでAボタンが押下された場合、Aボタンに対応させる利用者名を登録できるようになる。そこで、オペレータが、例えば、“yamada”と入力すると、RAM8にはAボタンに対応して“yamada”が格納される(S3a)。
【0038】次に、図1(b)を用いてドメイン名登録動作を説明する。操作部5のボタン操作によりドメイン名登録プログラムが起動されると、ワンタッチボタンの操作をワンタッチの登録として受け付けるようになる。ステップS1bにおいて、オペレータがワンタッチボタンを押すと、その次のステップS2bのボタン操作でドメイン名を入力できるようになる。即ち、ワンタッチボタンの操作はボタン名に表記されたアルファベットの入力として受け付ける。例えば、ステップS1bでDボタンが押下された場合、Dボタンに対応させるドメイン名を登録できるようになる。そこで、オペレータが、例えば、“@abc1.co.jp”と入力すると、RAM8にはDボタンに対応して“@abc1.co.jp”が格納される(S3b)。
【0039】利用者名登録とドメイン名登録とを行うことにより、1つのメールアドレスの情報が2つに分割されて記憶されることになる。図5に、このようにしてRAM8の文字列テーブルT1に格納されたメールアドレス情報の一例を示す。Aボタンには利用者名“yamada”、Dボタンにはドメイン名“@abc1.co.jp”が対応して格納されていることが分る。
【0040】ここで、ドメイン名“@abc1.co.jp”のネットワークに属する利用者名“suzuki”のメールアドレスを新たに登録する場合、同じドメイン名が既に登録してあるので、利用者名“suzuki”のみを登録すればよい。従って、同じネットワークに属する複数の利用者のメールアドレスを登録するときなどに、従来技術では全メールアドレスの全文字を打ちこんでいたのに対し、本発明では、ドメイン名の打ち込みが省略できることになり、登録の操作が簡素化される。
【0041】なお、“@”により利用者名とドメイン名とが識別できるので、上記2つのプログラムは一体化してもよい。
【0042】次に、図2を用いてメールアドレス組立動作を説明する。
【0043】従来のワンタッチ送信機能が、1個のボタンを押すことによりメールアドレスを指定して送信するものであったのに対し、本発明によるワンタッチ送信機能は、2個のボタンを押すことによりメールアドレスを指定して送信するものである。ステップS4においてワンタッチボタンが押下されると、対応する文字列テーブルT1の内容を読み出すと共に表示部4に表示する(S5)。読み出された情報の先頭が“@”かどうか判別する(S6)。“@”であれば、ドメイン名が指定されたことになるから、ステップS7へ飛び、オペレータに対し利用者名のワンタッチ登録を催促する。例えば、表示部4に「受信者名指定ワンタッチを入力してください」と表示する。オペレータが利用者名のワンタッチボタンを押下すると、対応する利用者名を読み出し、これをドメイン名の前に付けてメールアドレスとし、表示する。ステップS6の判別結果が“@”でない場合、利用者名が指定されたことになるから、ステップS8へ飛び、オペレータに対しドメイン名のワンタッチを催促する。例えば、表示部4に「ドメイン名指定ワンタッチを入力してください」と表示する。オペレータがドメイン名のワンタッチボタンを押下すると、対応するドメイン名を読み出し、これを利用者名の後に付けてメールアドレスとし、表示する。その後、原稿読取り、符号化、画像変換、バイナリ・テキスト変換、メール編集を行い、上記組み立てたメールアドレスを宛先とする電子メールを形成する。そして、この電子メールを送信する。
【0044】例として、Aボタン及びDボタンが押された場合、図5の文字列テーブルT1“yamada”及び“@abc1.co.jp”が読み出され、その結果、図6(a)のメールアドレスが組み立てられる。
【0045】以上説明したように、本発明は、ボタンの1個1個に対応させてメールアドレスの一部分と他の部分の情報を記憶し、ボタンの操作に従い情報を読み出してメールアドレスを組み立てるようにしたので、登録操作においては、複数の相手先が同じネットワークに属する場合などに、同じ情報を入力する操作が簡素化され、メール送信の際には、任意の2個のボタンの組み合わせにより、簡単にメールアドレスが設定できる。
【0046】上記実施形態では、2個のワンタッチボタンを押下すると、直ちにメールアドレスを確定して電子メールを送信するようにしたが、送信前にメールアドレスの部分修正ができるようにしてもよい。即ち、組み立てたメールアドレスが表示部4に表示されたときに、カーソル操作、文字入力操作を有効にし、オペレータが表示されているメールアドレスの任意の部分を変更できるようにする。例えば、文字列テーブルT1にCボタン及びEボタンが未登録であっとして、図6(c)のメールアドレスを使用したい場合に、Aボタン及びDボタン操作によって図6(a)のメールアドレスを一旦組み立てた後、カーソル操作及び文字入力操作により“da”を“moto”に、“1”を“2”に修正して図6(c)のメールアドレスを得る。このように未登録のメールアドレスでも、類似のメールアドレスをワンタッチで読み出してから部分修正することにより、全文字を打ち込むより簡単に作ることができる。
【0047】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0048】図3の回路構成を持つファクシミリ装置において、ワンタッチ用ボタン群45は、アルファベット等の文字入力に使用されるだけでなく、1個1個のボタンに対応させて記号・文字列を登録し、ボタン操作により読み出すことができる。登録する記号・文字列は、“@”,“.”,“co.”,“jp”など、メールアドレスでの使用頻度の高いものである。
【0049】図7(a)を用いて記号・文字列を登録するプログラムを説明する。操作部5のボタン操作によりこのプログラムが起動されると、ワンタッチボタンの操作はボタン名に表記されたアルファベット又は記号の入力として受け付けるようになる(S71)。オペレータはワンタッチボタンを操作して記号又は文字列を入力する。次に、登録するボタンを受け付ける(S72)。このとき押されたボタンに対応させて記号又は文字列を記憶する(S73)。オペレータが、例えば、文字列“co.”を入力した後、Aボタンを押下すると、RAM8にはAボタンに対応して“co.”が格納される。
【0050】図7(b)を用いてメールアドレスを形成するプログラムを説明する。ワンタッチによらないメールアドレス入力を行うために、オペレータは、図示しないボタンによりアルファベットモードを指定する(S74)。これにより操作パネルに表記されたとおりのアルファベット又は記号の入力を行うことが優先される。ステップS75より、オペレータはメールアドレス入力を開始する。記号・文字列を読み出したいときには、図示しないボタンにより記号・文字列であることを指定する。この指定に続いてワンタッチボタンが押されたとき、対応する記号・文字列を読み出し、表示部4に表示する(S76)。記号・文字列であることを指定しなければ、操作パネルに表記されたとおりのアルファベット又は記号を表示部4に表示する(S77)。この動作を繰り返して表示部4上にメールアドレスを形成する。その後、このメールアドレスに宛てて電子メールを送信する。
【0051】従来技術では、記号“@”,“.”を入力するには、文字入力から記号入力に切り替えるために切換えボタンを押してから“@”,“.”のワンタッチボタンを押し、再度切換えボタンを押して文字入力に戻す必要があった。本発明によれば、文字入力に戻す必要がない。また、メールアドレスに使用される頻度の高い“@”,“.”を、操作パネル上で探しやすいAボタン、Bボタンに割り当てることができるので、操作が簡単になる。また、従来技術では、記号混じりの文字列“co.”を入力するには、その全文字のボタンと切換えボタンとを押していた。本発明によれば、1個のボタン操作で、登録してある文字列が読み出せるので、操作が簡単になる。
【0052】なお、本発明はファクシミリ装置に限らず、上記の手順をプログラム記録媒体に記録し、コンピュータを備えた通信端末装置に提供することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0054】(1)複数のメールアドレスに共通する部分、例えばドメイン名を複数回入力する必要がない。
【0055】(2)数字、英文字、記号を含むメールアドレスを入力する際に、ボタン操作のモードを切り換える回数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す登録及び動作の流れ図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す登録及び動作の流れ図である。
【図3】本発明によるファクシミリ装置の回路構成図である。
【図4】本発明によるファクシミリ装置の操作パネルの平面図である。
【図5】本発明による文字列テーブルの構成図である。
【図6】本発明により組立てたメールアドレスの構成図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 主制御部
2 読取部
3 記録部
4 表示部
5 操作部
6 外部記憶読取部
7 ROM(プログラム記録媒体)
8 RAM
9 画像メモリ
10 モデム
11 NCU
12 データモデム
14 外部記憶媒体(プログラム記録媒体)
T1 文字列テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のボタンと、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの一部分となる情報を記憶するメモリと、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの他の部分となる情報を記憶するメモリと、これらのボタンの操作に従い各メモリから情報を読み出してメールアドレスを組み立てる手段とを備えたことを特徴とする電子メール機能付通信端末装置。
【請求項2】 アルファベット等の文字を入力する複数のボタンと、前記ボタンに対応させてメールアドレスでの使用頻度の高い記号・文字列を記憶するメモリと、これらのボタンの操作に従い、入力した文字や読み出した記号・文字列を使ってメールアドレスを形成する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電子メール機能付通信端末装置。
【請求項3】 複数のボタンのうちの1個に対応させてメールアドレスの一部分となる情報をメモリに記憶する手順と、前記ボタンの1個に対応させてメールアドレスの他の部分となる情報をメモリに記憶する手順と、これらのボタンの操作に従い各メモリから情報を読み出してメールアドレスを組み立てる手順とをコンピュータが読取り可能に記録したプログラム記録媒体。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図7】
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