説明

電子メール装置及び電子メール処理プログラムを記録した記録媒体

【課題】電子メール装置にあって、使用言語の異なる端末ユーザ間でメールのやり取りを行なう場合でも、それぞれの使用言語でメールを作成し、読み取る。
【解決手段】例えばコンピュータ端末PC(A)13aにおいて、日本人が日本語によるメールデータの作成に伴ない指定言語として「英語」を指定して送信すると、メールサーバ(1)11aにおいて、この言語指定されたメールデータはその宛先が翻訳センタ(翻訳サーバ)15に代えられて送信され、該翻訳センタ(翻訳サーバ)15において、メールの内容が日本語から指定言語である「英語」に翻訳された後、本来の宛先に戻されて再送信されるので、例えば日本人の端末ユーザが英語を使用する端末ユーザに対して電子メールを送信する際に、予め英語に訳したメールデータを時間を掛けて作成する必要はなく、言語指定を行なうだけで、英語に翻訳されたメールデータが相手端末に届けられる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば使用言語の異なる端末ユーザ間でメールのやり取りを行なうための電子メール装置及び電子メール処理プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、公衆通信回線を利用した通信ネットワークを介して、世界各国のコンピュータ端末ユーザと電子メールによる情報交換を自在に行なうことが可能になっている。
【0003】一般に、使用言語の異なる端末ユーザ間でメールのやり取りを行なう場合、世界共通語である英語によりメールを作成し相手端末に送信するのが慣例になっているが、英語が得意でないユーザが英語によるメールを作成したり、受信された英語でのメールを理解するのは、非常に面倒で困難な問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このようなあらゆる国や地域の人々が利用している通信ネットワークを介した電子メールシステムでは、使用言語の異なる端末ユーザ間でのメールのやり取りにあっても、それぞれの使用言語でメールを作成し、そして、読み取ることことができるのが最も望ましい。
【0005】本発明は、前記のような課題に鑑みなされたもので、使用言語の異なる端末ユーザ間でメールのやり取りを行なう場合でも、それぞれの使用言語でメールを作成し、読み取ることが可能になる電子メール装置及び電子メール処理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係わる第1の電子メール装置は、翻訳が指示された電子メールを受信する翻訳指示メール受信手段と、前記翻訳指示メール受信手段により受信されたメールデータを翻訳するメール翻訳手段と、このメール翻訳手段により翻訳されたメールデータを所定の宛先へ送信する翻訳メール送信手段とを具備したことを特徴とする。
【0007】つまり、本発明に係わる第1の電子メール装置では、電子メールの作成に際し翻訳が指示されて作成されたメールデータが受信されると、この翻訳指示されたメールデータは翻訳されて、該メールデータの所定の宛先へ送信されるので、自分の使用言語で作成した電子メールを相手の使用言語を指定し翻訳して送信できることになる。
【0008】また、本発明に係わる第2の電子メール装置は、電子メールの宛先アドレスに記述されたドメイン情報に基づき、このメール宛先国の言語を判断する宛先言語判断手段と、この宛先言語判断手段により判断されたメール宛先国の言語に応じて前記電子メールのメールデータを翻訳するメール翻訳手段と、このメール翻訳手段により翻訳されたメールデータを該メールデータの宛先へ送信する翻訳メール送信手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】つまり、本発明に係わる第2の電子メール装置では、電子メールの宛先アドレスに記述されたドメイン情報に基づき、このメール宛先国の言語が判断され、このメール宛先国の言語に応じて前記電子メールのメールデータは翻訳され、該メールデータの宛先へ送信されるので、自分の使用言語で作成した電子メールを宛先国の使用言語に翻訳して送信できることになる。
【0010】また、本発明に係わる第3の電子メール装置は、登録された電子メールの受信者と該受信者により指定された言語とを対応付けたテーブルデータを記憶する受信者指定言語記憶手段と、電子メールが受信された際に、そのメールデータの宛先アドレスに対応する受信者の指定言語を前記受信者指定言語記憶手段に記憶されたテーブルデータに従い判断する受信者指定言語判断手段と、前記受信された電子メールのメールデータを、前記受信者指定言語判断手段により判断された受信者の指定言語に翻訳するメール翻訳手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】つまり、本発明に係わる第3の電子メール装置では、電子メールが受信された際に、そのメールデータの宛先アドレスに対応する受信者の指定言語が、予め登録された電子メールの受信者と該受信者により指定された言語とを対応付けたテーブルデータに従い判断され、前記受信された電子メールのメールデータは、前記受信者の指定言語に翻訳されるので、送信者の使用言語で作成送信されて受信された電子メールを当該メール受信者の使用言語に翻訳して得ることがきることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]図1は本発明の電子メール装置の第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0013】このコンピュータネットワークシステムでは、複数のメールサーバ(1)11a,(2)11b,…が、それぞれ各国や地域において公衆通信回線を利用した通信ネットワーク12に接続される。
【0014】各メールサーバ(1)11a,(2)11b,…には、そのそれぞれのメールサーバ(1)11a,(2)11b,…毎に、メールの送受信を行なうユーザ端末として登録された複数のコンピュータ端末PC(A)13a,PC(B)13b,…やPC(X)14a,PC(Y)14b,…が接続される。
【0015】また、前記通信ネットワーク12には、翻訳指定された送信メールを受け取り、指定言語に翻訳してから宛先端末へ転送するための翻訳センタ(翻訳サーバ)15が接続される。
【0016】図2は前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられた翻訳センタ(翻訳サーバ)15の構成を示すブロック図である。この翻訳センタ(翻訳サーバ)15には、コンピュータからなる制御部(CPU)21が備えられる。
【0017】この翻訳センタ(翻訳サーバ)15の制御部(CPU)21は、記憶装置23に予め記憶されているセンタシステムプログラムを起動させて制御動作するもので、例えば通信制御部22により前記通信ネットワーク12を介してメールが受信された際に、翻訳プログラムメモリ24に予め記憶されている翻訳プログラムを起動させ、受信メールの内容を、当該受信メールに記述されている指定言語に応じて翻訳する処理を実行する。
【0018】前記制御部(CPU)21には、前記通信制御部22、記憶装置23、翻訳プログラムメモリ24が接続される他、ワークメモリとして機能するRAM25が接続される。
【0019】図3は前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたコンピュータ端末にて作成されるメールデータの構成を示す図である。電子メールのデータは、メールの作成に際し指定された何の言語に翻訳するかを示す言語指定データ、宛先端末のアドレスを示す宛先データ、送信元端末のアドレスを示す送信元データ、メールの件名を示す件名データ、メールの本文を示す内容データから構成される。
【0020】例えばコンピュータ端末PC(A)13aで作成されたメールデータにおいて、前記言語指定データに指定言語が存在する場合には、当該端末PC(A)13aを管理するメールサーバ(1)11aは、そのメールデータの宛先データを翻訳センタ15のアドレスに代えて送信する。この場合、当該メールデータの宛先データに示される本来の宛先端末のアドレスは、サブアドレスとして付加されたまま翻訳センタ15へ送信される。
【0021】次に、前記構成による第1実施形態のコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信動作について説明する。図4は前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信処理をフローチャートであり、同図(A)はメールサーバ(1)11aでのメール処理を示すフローチャート、同図(B)は翻訳センタ(翻訳サーバ)15でのメール処理を示すフローチャートである。
【0022】図5は前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信処理に伴なうメールデータの表示状態を示す図であり、同図(A)は送信端末におけるメールデータの作成表示状態を示す図、同図(B)は翻訳センタ(翻訳サーバ)15におけるメール処理後の翻訳表示状態を示す図である。
【0023】コンピュータ端末PC(A)13aにおいて、例えば図5(A)に示すような日本語によるメールデータを作成して送信する際に、該メールデータの作成画面上に共に表示される言語指定アイコン「Japanese」「English」「French」のうち、「English」を選択して指示すると、このメールデータ(図3参照)の言語指定データとしては「English」が記述され、メールサーバ(1)11aに受け取られる。
【0024】図4(A)に示すメールサーバ(1)11aでのメール処理が起動され、まず、前記コンピュータ端末PC(A)13aからの、図5(A)[図3参照]で示したようなメールデータが受け取られると、そのメールデータの言語指定データとして、何等かの指定言語が記述されているか否か判断される(ステップS1,S2)。
【0025】この場合は、指定言語として「English」が記述されていると判断され、メールデータ内の宛先データに記述されている宛先端末のアドレスが、この場合は、「yamane@…」から翻訳センタ(翻訳サーバ)15のアドレスである「honyaku@…」に代えられて、当該メールデータがメールサーバ(1)11aから翻訳センタ(翻訳サーバ)15(図2参照)へ送信される(ステップS2→S3)。
【0026】なお、前記メールサーバ(1)11aにおいて、コンピュータ端末PC(A)13aから受け取られたメールデータ内の言語指定データとして、何の指定言語も記述されてない場合には、宛先データに記述されているそのままの宛先端末のアドレスに従い、相手端末を管理する例えばメールサーバ(2)11bに対して通常のメール送信処理が行なわれる(ステップS2→S4)。
【0027】前記言語指定データとして「English」と記述されたメールサーバ(1)11aからのメールデータが、翻訳センタ(翻訳サーバ)15の通信制御部22によって受信されることで、図4(B)における翻訳センタ(翻訳サーバ)15でのメール処理が起動されると、受信されたメールデータの言語指定データとして記述されている指定言語「English」に従って、翻訳プログラムメモリ24に予め記憶されている「日本語→英語」の翻訳処理プログラムが読み出され、件名データとして記述されているメール件名「歓迎会」及び内容データとして記述されているメール本文「こんにちは…」が、それぞれ指定言語である英語「Welcome Party」「Hello.…」に翻訳される(ステップA1→A2)。
【0028】すると、前記和英翻訳処理後のメールデータは、その宛先データが本来の宛先端末のアドレス「yamane@…」に戻されて、相手端末を管理するメールサーバ(2)11bに対して送信される(ステップA3)。
【0029】これにより、メールサーバ(2)11bにより受信格納された宛先端末「yamane@…」へのメールデータは、英語に翻訳されて与えられるようになり、当該端末ユーザが対応するメールデータをダウンロードすると、図5(B)に示すように、英語表記のメールデータとして表示されるようになる。
【0030】したがって、前記構成の第1実施形態のコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信機能によれば、例えばコンピュータ端末PC(A)13aにおいて、日本人が日本語によるメールデータの作成に伴ない指定言語として「英語」を指定して送信すると、メールサーバ(1)11aにおいて、この言語指定されたメールデータはその宛先が翻訳センタ(翻訳サーバ)15に代えられて送信され、該翻訳センタ(翻訳サーバ)15において、メールの内容が日本語から指定言語である「英語」に翻訳された後、本来の宛先に戻されて再送信されるので、例えば日本人の端末ユーザが英語を使用する端末ユーザに対して電子メールを送信する際に、予め英語に訳したメールデータを時間を掛けて作成する必要はなく、言語指定を行なうだけで、英語に翻訳されたメールデータが相手端末に届けられるようになる。
【0031】つまり、使用言語の異なる端末ユーザへ電子メールを送る場合でも、予め相手端末のユーザ使用言語に合わせたメールデータを作成する必要はなく、自分の使用言語で作成したメールデータを相手ユーザの使用言語で言語指定して送信するだけで、相手端末のユーザは自分の使用言語に翻訳されたメールデータとして受け取ることができる。
【0032】なお、前記第1実施形態において記載した手法、すなわち、図4(A)のフローチャートに示すメールサーバによるメール処理、及び図4(B)のフローチャートに示す翻訳センタ(翻訳サーバ)によるメール処理の各手法は、それぞれ何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体(外部記録媒体)に格納して配布、あるいはネットワーク等の通信回線を介して伝送することができる。そして、メールサーバや翻訳センタ(翻訳サーバ)の各コンピュータは、この記憶媒体に記録された前記各対応するメール処理のプログラムや通信回線を介して伝送された前記各対応するメール処理のプログラムをそれぞれ読み込み、この読み込んだプログラムによって各動作が制御されることにより、前記第1実施形態において説明した言語指定を伴なうメール処理機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0033】[第2実施形態]図6は本発明の電子メール装置の第2実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバの構成を示すブロック図である。
【0034】このメールサーバは、コンピュータからなる制御部(CPU)31を備えている。制御部(CPU)31は、記憶装置(memory device) 33に予め記憶されているメールサーバシステムプログラムに従い各部の動作を制御するもので、この制御部(CPU)31には、システムプログラムROMやワークRAMを備えた前記記憶装置(memory device) 33の他、当該メールサーバが管理するコンピュータ端末及び通信ネットワークを介した他の同様のメールサーバとのメールデータの送受信を行なう通信制御部(communication unit)32、この通信制御部(communication unit)32により受信された管理端末宛てのメールデータを格納するメール格納部(mail box storage)34、各国語間の翻訳処理プログラムが予め記憶された翻訳処理部(translate module)35、キーボードやマウスを備えた入力装置36、当該メールサーバの動作状態を表示する表示装置37が接続される。
【0035】図7は前記第2実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバの記憶装置(memory device) 33に予め記憶される国名/使用言語対応テーブル33aを示す図である。
【0036】この国名/使用言語対応テーブル33aは、電子メールの端末アドレスにおけるドメインとして記述される各国の記号[fr(フランス)/de(ドイツ)/uk(英国)/…]のそれぞれに対し、該当国の使用言語(仏語/ドイツ語/英語/…)が対応付けられて構成される。
【0037】次に、前記構成による第2実施形態のコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信動作について説明する。図8は前記第2実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバでのメール送信処理を示すフローチャートである。
【0038】例えばこのコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバ(図6参照)が日本語ユーザのコンピュータ端末を管理するメールサーバである場合に、あるコンピュータ端末により作成送信されたメールデータが通信制御部(communication unit)32により受け取られると、その送信メールデータ内に言語指定データが存在するか否か判断される(ステップB1,B2)。
【0039】ここで、前記あるコンピュータ端末からの送信メールデータに言語指定データが存在すると判断された場合には、その言語指定データに記述された指定言語(例えば「英語」)に応じて、翻訳処理部(translate module)35に予め記憶されている「日本語→英語」の翻訳処理プログラムが起動され、メールデータの内容が英語に翻訳されて相手端末へ送信される(ステップB2→B5,B6)。
【0040】一方、あるコンピュータ端末から受け取られた送信メールデータに言語指定データが存在しない場合には、そのメールデータの宛先アドレスに記述されているドメイン記号に基づき、記憶装置(memory device) 33に予め記憶されている国名/使用言語対応テーブル33a(図7参照)に従って、当該メール宛先の国名が判断される(ステップB2→B3)。
【0041】ここで、送信メールの宛先アドレスに記述されているドメイン記号が、例えば「jp」であって、前記国名/使用言語対応テーブル33a(図7参照)に従い、当該メール宛先の国名が「日本」であると判断された場合には、日本語ユーザにより作成されたこのメールデータはそのまま日本の相手端末へ送信される(ステップB3→B6)。
【0042】また、送信メールの宛先アドレスに記述されているドメイン記号が、例えば「de」であって、前記国名/使用言語対応テーブル33a(図7参照)に従い、当該メール宛先の国名が「ドイツ」であると判断された場合には、翻訳処理部(translate module)35に予め記憶されている翻訳処理プログラムの種類に応じて「日本語→ドイツ語」の翻訳が可能か否か判断され、可能である場合には、当該「日本語→ドイツ語」の翻訳処理プログラムが起動され、メールデータの内容がドイツ語に翻訳されてドイツの相手端末へ送信される(ステップB3→B4→B5,B6)。
【0043】また、送信メールの宛先アドレスに記述されているドメイン記号に基づき、当該メール宛先の国名が例えば「スペイン」であると判断され、翻訳不可能と判断された場合には、当該メールデータの内容は、翻訳処理部(translate module)35に予め記憶されている「日本語→英語」の翻訳処理プログラムに従って、取り敢えず世界共通語である英語に翻訳されてスペインの相手端末へ送信される(ステップB3→B4→B7,B6)。
【0044】したがって、前記構成の第2実施形態のコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバでのメール送信機能によれば、送信メールデータに言語指定データが存在する場合には、その指定言語に応じた翻訳処理プログラムが起動されて、メールの内容が指定言語に翻訳されて相手端末へ送信され、また、送信メールデータに言語指定データが存在しない場合には、宛先アドレスのドメイン記号に基づき当該メール宛先の国名が判断され、その宛先国の使用言語にメールの内容が翻訳されて相手端末へ送信され、さらに、翻訳不可能な言語国である場合には、取り敢えず英語に翻訳されて相手端末へ送信されるので、送信メールを作成する端末ユーザは、自国語でメールデータを作成し、相手端末ユーザの使用言語に応じた言語指定を行なうか、あるいは、言語指定を行なわずとも、宛先アドレスのドメイン記号から宛先国が判断され、相手端末の使用言語にメールデータが翻訳されて送信されるようになり、送信メールの作成言語が何語であるかに拘らず、相手端末のユーザは自分の使用言語に翻訳されたメールデータとして受け取ることができる。
【0045】なお、前記第2実施形態のコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバにおいて、送信メールデータの記載言語を判断する機能と、これにより判断された記載言語と前記宛先アドレスのドメイン記号から判断された宛先国の使用言語との一致/不一致を判断する機能を付加し、メール記載言語と宛先国の使用言語とが一致した場合にはそのままメール送信し、不一致の場合には宛先国の使用言語に応じて翻訳してメール送信することで、前記同様に、メール記載言語を相手端末の使用言語に合わせて送信する構成としてもよい。
【0046】なお、前記第2実施形態において記載した手法、すなわち、図8のフローチャートに示すメールサーバによるメール送信処理、あるいは前記メール記載言語の判断機能と該メール記載言語と宛先使用言語との比較判断機能とを付加したメール送信処理の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体(外部記録媒体)に格納して配布、あるいはネットワーク等の通信回線を介して伝送することができる。そして、メールサーバのコンピュータは、この記憶媒体に記録されたプログラムや通信回線を介して伝送されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって各動作が制御されることにより、前記第2実施形態において説明したメール送信機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0047】[第3実施形態]本発明の電子メール装置の第3実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバは、前記図6で示したメールサーバのブロック構成と同一ブロック構成のものとして説明する。
【0048】図9は本発明の電子メール装置の第3実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバの記憶装置(memory device) 33に予め記憶される受信者/指定言語対応テーブル33bを示す図である。
【0049】この受信者/指定言語対応テーブル33bは、このメールサーバに登録されて管理される端末受信者(yamane/sasaki/tagi/…)のそれぞれに対し、各受信者により予め指定された使用言語(英語/日本語/ドイツ語/…)が対応付けられて構成される。
【0050】次に、前記構成による第3実施形態のコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの受信動作について説明する。図10は前記第3実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバでのメール受信処理を示すフローチャートである。
【0051】通信ネットワークを介してこのメールサーバに電子メールが受信されると、受信されたメールデータの宛先アドレスに基づき、宛先端末の受信者が判断され、記憶装置(memory device) 33に予め記憶される受信者/指定言語対応テーブル33b(図9参照)に従い、当該端末受信者に言語の指定が為されているか否か判断される(ステップC1)。
【0052】ここで、受信されたメールデータの宛先端末の受信者に、言語の指定(例えば「フランス語」)が為されていると判断されると、メールデータの記載言語が判断されて前記指定言語「フランス語」に翻訳可能か否かが、翻訳処理部(translate module)35に予め記憶されている翻訳処理プログラムの種類に応じて判断される(ステップC1→C2)。
【0053】そして、前記受信されたメールデータの記載言語が例えば「英語」であり、前記翻訳処理部(translate module)35に予め記憶されている翻訳処理プログラムとして「英語→フランス語」の翻訳処理プログラムが存在することで翻訳可能として判断されると、当該「英語→フランス語」の翻訳処理プログラムが起動されて「英語」記載のメールデータが受信者指定言語である「フランス語」に翻訳され、メール格納部(mail box storage)34に書き込まれて格納される(ステップC2→C3,C4)。
【0054】一方、電子メールが受信された際に、宛先端末の受信者が言語指定を行なってないと判断された場合、又は、言語指定が為されていると判断された場合でも、翻訳処理部(translate module)35によるメール記載言語からの翻訳が不可能であると判断された場合には、受信されたメールデータはその記載言語のままメール格納部(mail box storage)34に書き込まれて格納される(ステップC1→C4orC1→C2→C4)。
【0055】したがって、前記構成の第3実施形態のコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバでのメール受信機能によれば、登録管理する端末受信者の使用言語が、各受信者毎の指定言語対応テーブル33bとして予め記憶され、電子メールの受信に際しては、当該受信メールの宛先アドレスが示す端末受信者の指定言語が判断され、受信されたメールデータの記載言語が前記受信者指定言語に応じて翻訳され、メール格納部(mail box storage)34に格納されて宛先端末へ渡されるので、送信元でのメールデータの使用言語が何語であるかに拘らず、受信されたメールデータを受信者の使用言語に合わせたメールデータとして受け取ることができ、送信者及び受信者の何れにおいても、相手端末ユーザの使用言語を全く考慮せずに、各自使用言語でのメールのやり取りを行なうことができる。
【0056】なお、前記第3実施形態において記載した手法、すなわち、図10のフローチャートに示すメールサーバによるメール受信処理の手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体(外部記録媒体)に格納して配布、あるいはネットワーク等の通信回線を介して伝送することができる。そして、メールサーバのコンピュータは、この記憶媒体に記録されたプログラムや通信回線を介して伝送されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって各動作が制御されることにより、前記第3実施形態において説明したメール受信機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わる第1の電子メール装置によれば、電子メールの作成に際し翻訳が指示されて作成されたメールデータが受信されると、この翻訳指示されたメールデータは翻訳されて、該メールデータの所定の宛先へ送信されるので、自分の使用言語で作成した電子メールを相手の使用言語を指定し翻訳して送信できるようになる。
【0058】また、本発明に係わる第2の電子メール装置によれば、電子メールの宛先アドレスに記述されたドメイン情報に基づき、このメール宛先国の言語が判断され、このメール宛先国の言語に応じて前記電子メールのメールデータは翻訳され、該メールデータの宛先へ送信されるので、自分の使用言語で作成した電子メールを宛先国の使用言語に翻訳して送信できるようになる。
【0059】また、本発明に係わる第3の電子メール装置によれば、電子メールが受信された際に、そのメールデータの宛先アドレスに対応する受信者の指定言語が、予め登録された電子メールの受信者と該受信者により指定された言語とを対応付けたテーブルデータに従い判断され、前記受信された電子メールのメールデータは、前記受信者の指定言語に翻訳されるので、送信者の使用言語で作成送信されて受信された電子メールを当該メール受信者の使用言語に翻訳して得ることがきるようになる。
【0060】よって、本発明によれば、使用言語の異なる端末ユーザ間でメールのやり取りを行なう場合でも、それぞれの使用言語でメールを作成し、読み取ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子メール装置の第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムの構成を示すブロック図。
【図2】前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられた翻訳センタ(翻訳サーバ)の構成を示すブロック図。
【図3】前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたコンピュータ端末にて作成されるメールデータの構成を示す図。
【図4】前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信処理をフローチャートであり、同図(A)はメールサーバ(1)でのメール処理を示すフローチャート、同図(B)は翻訳センタ(翻訳サーバ)でのメール処理を示すフローチャート。
【図5】前記第1実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおける電子メールの送信処理に伴なうメールデータの表示状態を示す図であり、同図(A)は送信端末におけるメールデータの作成表示状態を示す図、同図(B)は翻訳センタ(翻訳サーバ)におけるメール処理後の翻訳表示状態を示す図。
【図6】本発明の電子メール装置の第2実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバの構成を示すブロック図。
【図7】前記第2実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバの記憶装置(memory device) に予め記憶される国名/使用言語対応テーブルを示す図。
【図8】前記第2実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバでのメール送信処理を示すフローチャート。
【図9】本発明の電子メール装置の第3実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムに備えられたメールサーバの記憶装置(memory device) に予め記憶される受信者/指定言語対応テーブルを示す図。
【図10】前記第3実施形態に係わるコンピュータネットワークシステムにおけるメールサーバでのメール受信処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
11a,11b…メールサーバ(1),(2)、
12 …通信ネットワーク、
13a,13b…コンピュータ端末(A),(B)、
14a,14b…コンピュータ端末(X),(Y)、
15 …翻訳センタ(翻訳サーバ)、
21 …翻訳サーバ制御部(CPU)、
22 …翻訳サーバ通信制御部、
23 …翻訳サーバ記憶装置、
24 …翻訳プログラムメモリ、
25 …翻訳サーバワークRAM、
31 …メールサーバ制御部(CPU)、
32 …メールサーバ通信制御部(communication unit)、
33 …メールサーバ記憶装置(memory device) 、
33a…国名/使用言語対応テーブル、
33b…受信者/指定言語対応テーブル、
34 …メール格納部(mail box storage)、
35 …翻訳処理部(translate module)、
36 …入力装置、
37 …表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 翻訳が指示された電子メールを受信する翻訳指示メール受信手段と、前記翻訳指示メール受信手段により受信されたメールデータを翻訳するメール翻訳手段と、このメール翻訳手段により翻訳されたメールデータを所定の宛先へ送信する翻訳メール送信手段とを具備したことを特徴とする電子メール装置。
【請求項2】 電子メールの宛先アドレスに記述されたドメイン情報に基づき、このメール宛先国の言語を判断する宛先言語判断手段と、この宛先言語判断手段により判断されたメール宛先国の言語に応じて前記電子メールのメールデータを翻訳するメール翻訳手段と、このメール翻訳手段により翻訳されたメールデータを該メールデータの宛先へ送信する翻訳メール送信手段とを具備したことを特徴とする電子メール装置。
【請求項3】 登録された電子メールの受信者と該受信者により指定された言語とを対応付けたテーブルデータを記憶する受信者指定言語記憶手段と、電子メールが受信された際に、そのメールデータの宛先アドレスに対応する受信者の指定言語を前記受信者指定言語記憶手段に記憶されたテーブルデータに従い判断する受信者指定言語判断手段と、前記受信された電子メールのメールデータを、前記受信者指定言語判断手段により判断された受信者の指定言語に翻訳するメール翻訳手段とを具備したことを特徴とする電子メール装置。
【請求項4】 電子メールを送受信するメールサーバのコンピュータを制御するためのコンピュータ読み込み可能な電子メール処理プログラム記録した記録媒体であって、前記コンピュータを、翻訳が指示された電子メールを受信する翻訳指示メール受信手段と、受信した翻訳指示メールを翻訳する翻訳手段と、翻訳されたメールを所定の宛先へ送信する送信手段として機能させるための電子メール処理プログラム記録した記録媒体。
【請求項5】 電子メールを送受信するメールサーバのコンピュータを制御するためのコンピュータ読み込み可能な電子メール処理プログラム記録した記録媒体であって、前記コンピュータを、電子メールの宛先アドレスに記述されたドメイン情報に基づき、このメール宛先国の言語を判断する宛先言語判断手段、この宛先言語判断手段により判断されたメール宛先国の言語に応じて前記電子メールのメールデータを翻訳するメール翻訳手段、このメール翻訳手段により翻訳されたメールデータを該メールデータの宛先へ送信する翻訳メール送信手段、として機能させるための電子メール処理プログラム記録した記録媒体。
【請求項6】 電子メールを受信するメールサーバのコンピュータを制御するためのコンピュータ読み込み可能な電子メール処理プログラム記録した記録媒体であって、前記コンピュータを、登録された電子メールの受信者と該受信者により指定された言語とを対応付けたテーブルデータを記憶する受信者指定言語記憶手段、電子メールが受信された際に、そのメールデータの宛先アドレスに対応する受信者の指定言語を前記受信者指定言語記憶手段に記憶されたテーブルデータに従い判断する受信者指定言語判断手段、前記受信された電子メールのメールデータを、前記受信者指定言語判断手段により判断された受信者の指定言語に翻訳するメール翻訳手段、として機能させるための電子メール処理プログラム記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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