電子レシートシステム,決済端末,サーバ,電子レシート処理プログラム及び電子レシート管理プログラム
【課題】他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうのを防ぐ。
【解決手段】電子レシート情報を生成する決済端末2は、通信機器7から発信された所定の情報と電子レシート情報の中の一部の情報とから電子レシート情報の所在地に関する情報を生成する。そして、電子レシート情報と所在地に関する情報をサーバ6に送信するとともに、通信機器7に所在地に関する情報を送信する。サーバ6は、決済端末2から電子レシート情報と当該電子レシート情報の所在地に関する情報とを受信すると、所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号し、復号された電子レシート所在地情報の所在地に電子レシート情報を不特定の通信機器7からネットワークを介して閲覧可能に公開する。
【解決手段】電子レシート情報を生成する決済端末2は、通信機器7から発信された所定の情報と電子レシート情報の中の一部の情報とから電子レシート情報の所在地に関する情報を生成する。そして、電子レシート情報と所在地に関する情報をサーバ6に送信するとともに、通信機器7に所在地に関する情報を送信する。サーバ6は、決済端末2から電子レシート情報と当該電子レシート情報の所在地に関する情報とを受信すると、所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号し、復号された電子レシート所在地情報の所在地に電子レシート情報を不特定の通信機器7からネットワークを介して閲覧可能に公開する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、客買上データを基に生成されるレシートの情報を電子データ化して客に提供する電子レシート技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、赤外線無線,Bluetooth(登録商標),非接触ICカード等の近距離無線通信インターフェイスが携帯電話に搭載されるようになったので、これを応用し、携帯電話とPOS(Point Of Sales)端末等と称される決済端末との間で無線通信を行うことにより商取引の代金を電子的に決済する電子決済のアプリケーションソフトウェアが開発され、実用に供されている。ただし、商取引の明細を示すレシート(領収書)は、POS端末のプリンタによって紙媒体に印刷されて発行され、客に手渡されているのが実情である。
【0003】
そこで、決済端末においてレシートの情報を電子データ化し、この電子データ化されたレシート情報を携帯端末やパソコン等を利用して客が取得可能とすることによって、レシートの受け渡しを完了させる電子レシートシステムが提案されている。その一例としては、決済端末にて生成された電子レシート情報を、ネットワークを介して接続されたサーバのデータベースに蓄積するとともに、この電子レシート情報を検索するためのキーとなる情報を、決済端末から客の携帯電話に近距離無線通信を利用して送信し、客はその携帯端末またはパソコンからこのキーとなる情報を使ってサーバのデータベースにアクセスし所望の電子レシート情報をダウンロードするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このように、レシート情報を電子データ化することによって、レシート用紙の節約を図れる上、レシートを手渡す作業を簡略化できる等、店側にとって大変有益である。また、客側にとっても、例えば家計簿を電子的に処理できるようになるので好都合である。そこで今後、電子レシートシステムの導入が進められるものと見込まれる。
【特許文献1】特開2003-077064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子レシートシステムにおいては、電子レシート情報を検索するためのキーとして、会社コード,店コード,ターミナル番号,取引番号,取引日付等が用いられていた。これらの情報は、例えば同じ決済端末のチェックアウトレーンで次の順番に並んだ買物客であれば容易に取得または推定できる情報である。このため、悪意のある買物客に電子レシートの内容を見られてしまい、プライバシーを侵害されるおそれがあった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうことのない電子レシートシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子レシートシステムは、客買上データの決済を行う決済端末と、この決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバとを備える。
決済端末には、客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、不特定の通信機器と通信が可能な通信手段と、通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報と電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、電子レシート情報を当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とともにネットワークを介してサーバに送信する対サーバ送信手段と、電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報を所定の情報を発信した通信機器に通信手段を介して送信する対通信機器送信手段とを設ける。
サーバには、決済端末から電子レシート情報と当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とをネットワークを介して受信する対端末受信手段と、受信した電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、受信した電子レシート情報を当該情報とともに受信した電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段とを設ける。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうことがなく、プライバシーの保護を図り得る電子レシートシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、近距離無線通信インターフェイスとして非接触ICカードを実装してなる携帯電話のユーザとの間で、電子決済並びに電子レシートの受け渡しを可能にした電子レシートシステムに本発明を適用した場合である。
【0010】
図1は本実施の形態における電子レシートシステムの全体構成図である。同図において、符号1は店舗を示しており、店舗1には、決済端末としての複数台のPOS端末2と、ルータ3とが設置されている。各POS端末2とルータ3とは、店舗内LAN(Local Area Network)4によって接続されている。ルータ3は、店舗内LAN4と公衆通信網であるインターネット5とを接続するための機器である。インターネット5には、Webサーバとして動作する電子レシートサーバ6が接続されている。また、Webブラウザを実装してなる携帯電話7と無線通信を行う基地局8も接続されている。
【0011】
かかる構成の電子レシートシステムにおいては、店舗1の各POS端末2でそれぞれ生成された電子レシート情報が、インターネット5を介して電子レシートサーバ6に伝送され、Web上に公開される。したがって、Webブラウザを実装してなる携帯電話7等の不特定の通信端末でURL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を通信端末にダウンロードし、Webブラウザで閲覧することができる。ただし本実施の形態では、電子レシート情報が公開されているURLを符号化し、かつ、そのレシート情報の買上データに相当する買い物を行った客のみに符号化されたURLを通知することによって、セキュリティ性を高めている。
以下、この点を含み、本実施の形態の電子レシートシステムを構築する各部の構成について詳細に説明する。
【0012】
初めに、携帯電話7の要部構成を、図2のブロック図を用いて説明する。携帯電話7は、制御部本体を構成するCPU11、データを一時的に記憶しておくための一時メモリ12、CPU11からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記録される記録部13、インターネット5を含む公衆網に接続される公衆網接続インターフェイス14、非接触ICカードを用いた近距離無線通信を行う非接触ICカードインターフェイス15、上記非接触ICカードインターフェイス15を介して送受する情報を格納するための非接触ICカードメモリ16、各種情報を表示可能な表示部17及び携帯電話を操作するための入力部18等で構成されている。
【0013】
記録部13には、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、電子決済を行うための電子決済対応プログラムP1と、電子決済後に生成される電子レシートを受け取るための電子レシート対応プログラムP2とが予めインストールされている。
【0014】
次に、POS端末2の要部構成を、図3のブロック図を用いて説明する。POS端末2は、制御部本体を構成するCPU21、データを一時的に記憶しておくための一時メモリ22、CPU21からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記録される記録部23、店舗内LAN4に接続されるネットワークインターフェイス24、プリンタが着脱自在に接続されるプリンタインターフェイス25、非接触ICカードを用いた近距離無線通信を行う通信手段である非接触ICカードインターフェイス26、上記非接触ICカードインターフェイス26を介して送受する情報を格納するための非接触ICカードメモリ27、オペレータに対して各種情報を表示するためのオペレータ用表示部28、客に対して種々の情報を表示するための客用表示部29、POS端末2を操作するための入力部30等で構成されている。
【0015】
記録部23には、各種のPOS業務を実行するためのソフトウェアの他、電子決済を処理するための電子決済処理プログラムP3と、電子レシートを処理するための電子レシート処理プログラムP4とが予めインストールされている。
【0016】
次に、電子レシートサーバ6の要部構成を、図4のブロック図を用いて説明する。電子レシートサーバ6は、制御部本体を構成するCPU31、データを一時的に記憶しておくための一時メモリ32、CPU31からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記録される記録部33、インターネット5に接続されるネットワークインターフェイス34等で構成されている。
【0017】
記録部33には、電子レシート情報をWeb上で公開するための領域として電子レシート保管領域35が確保されている。また、各POS端末2から受け取った電子レシート情報を上記電子レシート保管領域35で保管するための電子レシート管理プログラムP5が予めインストールされている。
【0018】
さて、携帯電話7にインストールされている電子決済対応プログラムP1の要部処理手順を図5の流れ図に、電子レシート対応プログラムP2の要部処理手順を図6の流れ図にそれぞれ示す。また、POS端末2にインストールされている電子決済処理プログラムP3の要部処理手順を図7の流れ図に、電子レシート処理プログラムP4の要部処理手順を図8の流れ図にそれぞれ示す。また、電子レシートサーバ6にインストールされている電子レシート管理プログラムP5の要部処理手順を図9の流れ図に示す。
以下、図5〜図9の流れ図を用いて、電子決済が行われた商取引に対して生成された電子レシートを商取引相手である客が取得するまでの流れについて具体的に説明する。
【0019】
先ず、電子決済を希望する客は、自己が所有する携帯電話7の入力部18を操作して電子決済対応プログラムP1を起動する。そうすると、この携帯電話7のCPU11は、電子決済が成立した商取引に対する電子レシート情報の電子レシートサーバ6における所在地に関する情報を生成するために必要な所定の情報として、当該携帯電話7の所有者と電子レシートサービス提供者以外の者が知り得ないパスワードを生成する。そして、このパスワードを電子決済成立前に非接触ICカードメモリ16に保存する(図5,ST1)。ここで、パスワードとしては、例えば、CPU11がワンタイムパスワードとなる乱数を計算し、非接触ICカードメモリ16に記憶させると、パスワードが毎回変わるので都合がよい。
【0020】
次に、上記客は、自身が買い上げる商品の販売データがPOS端末2に登録処理され、その代金の支払いがキャッシャから要求されたならば、上記携帯電話7の非接触ICカードインターフェイス15を当該POS端末2の非接触ICカードインターフェイス26に近づける。ここで、上記電子決済対応プログラムが起動した携帯電話7のCPU11は、パスワードを保存後、非接触ICカードインターフェイス26を搭載してなるPOS端末2との通信接続を監視している(図5,ST2)。そして、携帯電話7がPOS端末2に近付けられ、非接触ICカードインターフェイス26との通信接続を確認したならば、CPU11は、非接触ICカードインターフェイス15を介してPOS端末2に電子決済要求コマンドを送信する(図5,ST3)。
【0021】
POS端末2においては、電子決済処理プログラムP3が常駐している。これによりCPU21は、非接触ICカードインターフェイス26を介して通信接続された通信機器(この場合は携帯電話7)から電子決済要求コマンドを受信すると(図7,ST31)、商取引の電子決済が可能な状態にあるか否かを判断する(図7,ST32)。例えば、1商取引として売り上げる客買上データの登録途中であり、締め操作が行われていない状態では電子決済が不可能なので、電子決済要求コマンドを無視する。
【0022】
これに対し、1商取引として売り上げる客買上データに対して入力部30に配置されている締めキーにより締め操作が行われている状態では電子決済が可能なので、CPU21は、非接触ICカードインターフェイス26を介して通信機器に電子決済許諾応答信号を送信する(図7,ST33)。
【0023】
携帯電話7のCPU11は、POS端末2からの許諾応答信号があるか否かを監視し手いる。そして、許諾応答があると(図5のST4)、携帯電話7のCPU11とPOS端末2のCPU21との間で、非接触ICカードインターフェイス15,26を介して客買上データの電子決済処理が実行される(図5,ST5/図7,ST34)。なお、この電子決済処理としては、電子マネーのようなストアドフェア型の処理でもよいし、クレジットカードのようなポストペイド型の処理でもよい。
【0024】
電子決済処理が終了すると(図5,ST6/図7,ST35)、POS端末2のCPU21は、電子決済相手であった通信機器が本発明に係る電子レシート対応のものか否かを判断する(図7,ST36)。ここで、例えば本実施の形態の電子決済対応プログラムP1がインストールされた携帯電話7との間で行われた電子決済の場合には、CPU21は、電子レシート対応であると判断する。これに対し、他の電子決済対応プログラムがインストールされた通信機器との間で行われた電子決済の場合には、電子レシート非対応と判断する。
【0025】
電子レシート対応と判断した場合には、CPU21は、電子レシート処理プログラムP4を起動する(図7,ST37)。電子レシート非対応と判断した場合には、電子レシート処理プログラムP4を起動しない。なお、電子レシート非対応と判断した場合には、CPU21は、プリンタインターフェイス25に接続されたプリンタを駆動してレシート情報を紙媒体に印刷出力するように構成するとよい。
【0026】
電子レシート処理プログラムP4が起動すると、POS端末2のCPU21は、通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージとして例えば「携帯を離さないでください」を客用表示部29に表示させる(図8,ST41:メッセージ報知手段)。
【0027】
一方、電子決済処理を終了した携帯電話7のCPU11は、非接触ICカードインターフェイス26を介して非接触ICカードメモリ27に記憶されたパスワードの送信動作を開始する(図5,ST7)。そこで、電子レシート処理プログラムP4が起動したPOS端末2のCPU21は、非接触ICカードインターフェイス26を介してパスワードを受信する(図8,ST42)。そして、電子レシート対応の通信機器(この場合は携帯電話7)からパスワードを受信したならば、CPU21は、直前に電子決済として処理された客買上データに基づき電子レシート情報と簡易決済情報とを生成する(図8,ST43:電子レシート生成手段)。なお、電子レシート情報とは、店名,店舗の連絡先,購入した商品の名称,単価,数量,買物額の総計,買物客が支払った金額,お釣り,買物が行われた日時,キャッシャの氏名(またはID),取引の通し番号等、既存のレシートに印刷される情報であり、これらの情報を全て含んでもよいし、その一部を選択したものであってもよい。一方、簡易決済情報とは、店名,買物が行われた日時,買物額の総計等、買物の概要がわかる情報である。因みに、電子レシート情報は、XML言語で記述されることが望ましい。
【0028】
またCPU21は、受信したパスワードと、生成した電子レシート情報に含まれる店舗名,買物が行われた日時,取引の通し番号等のどの買物かを一意に判別できる情報とからハッシュ値を計算する。そして、このハッシュ値を、当該電子レシート情報の電子レシートサーバ6における所在地に関する情報を示す電子レシートダウンロード識別情報とする(図8,ST44:電子レシート所在地情報生成手段)。
【0029】
その後、CPU21は、ST44の処理で生成した電子レシートダウンロード識別情報と、ST43の処理で生成した電子レシート情報とを、ルータ3経由でインターネット5上の電子レシートサーバ6に送信する(図8,ST45:対サーバ送信手段)。また、ST44の処理で生成した電子レシートダウンロード識別情報と、ST43の処理で生成した簡易決済情報とを非接触ICカードメモリ27に書込み、非接触ICカードインターフェイス26を介して通信機器へ送信可能とする(図8,ST46:対通信機器送信手段)。そして、この非接触ICカードメモリ27に書込まれた電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とが通信端末(この場合は携帯電話7)に送信されたならば(図8,ST47)、CPU21は、客用表示部29からメッセージを消去して(図8,ST48:メッセージ報知手段)、この電子レシート処理プログラムを終了する。
【0030】
電子レシートサーバ6においては、電子レシート管理プログラムが常駐している。これによりCPU31は、インターネット5を介してPOS端末2から電子レシート情報と電子レシートダウンロード識別情報とを受信すると(図9,ST51:対端末受信手段)、受信した電子レシートダウンロード識別情報を基に電子レシート情報を公開するURL(Uniform Resource Locator)を復号する(図9,ST52:電子レシート所在地情報復号手段)。この復号は、例えば予め電子レシートサーバ6が電子レシート情報を公開するディレクトリを保管領域35として決めておき、電子レシートダウンロード識別情報であるハッシュ値の16進数表記を電子レシート情報のファイル名としてそのディレクトリ上に置くことで行われる。しかる後、CPU31は、上記電子レシートダウンロード識別情報とともに受信した電子レシート情報を保管領域35に保管し、不特定の通信機器からインターネット5を介して閲覧可能となるように復号したURL上で公開する(図9,ST53:電子レシート公開手段)
一方、携帯電話7のCPU11は、非接触ICカードメモリ16で記憶していたパスワードをPOS端末2に送信した後、このPOS端末2から電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とを受信するのを待機している。そして、非接触ICカードインターフェイス15を介して電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とを受信したならば(図5,ST8)、CPU11は、この電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とを関連付けて非接触ICカードメモリ16で記憶する(図5,ST9)。しかる後、電子レシート対応プログラムP2を起動する(図5,ST10)。
【0031】
なお、電子レシート対応プログラムP2は、非接触ICカードメモリ16に電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とが書き込まれたことを携帯電話7のCPU11が認識して自動的に起動されるだけでなく、入力部18のプログラム起動操作によりユーザが任意のタイミングで起動させることも可能である。すなわち、電子決済終了直後に電子レシートをダウンロードするか否かを決定せず、複数取引の決済を終えた後にまとめて取引毎に電子レシートをダウンロードするか否かを決めることも可能としている。
【0032】
さて、電子レシート対応プログラムP2が起動すると、CPU11は、非接触ICカードメモリ16に簡易決済情報が記憶されているか否かを判断する(図6,ST11)。そして、簡易決済情報が少なくとも1つ記憶されていた場合には、CPU11は、この簡易決済情報を表示部17に表示させる(図6,ST12)。なお、複数の簡易決済情報が記憶されていた場合には、所定の定義、例えば最も古くに記憶された簡易決済情報を選択し、表示部17に表示させる。
【0033】
簡易決済情報の一表示例を図10に示す。図示するように、簡易決済情報の画面には、店名,買物が行われた日時,買物額の総計等、買物の概要がわかる情報のほかに、電子レシートのダウンロードを実行するか([はい])、実行しないか([いいえ])を選択するためのボタンが表示されている。ここで、ダウンロードを実行しない旨が選択された場合には(図6,ST14)、CPU11は、表示部17に表示した簡易決済情報とそれに関連付けされて記憶されている電子レシートダウンロード識別情報とを、非接触ICカードメモリ16から消去する(図6,ST23)。しかる後、非接触ICカードメモリ16に別の簡易決済情報が記憶されているか否かを判断する(図6,ST11)。ここで、記憶されていない場合には、この電子レシート対応プログラムP2を終了する。
【0034】
これに対し、ダウンロードを実行する旨が選択された場合には(図6,ST14)、CPU11は、先ず、表示部17に表示した簡易決済情報と関連付けされて記憶されている電子レシートダウンロード識別情報を基に電子レシートサーバ6にアップロードされた電子レシート情報のURLを復号化する(図6,ST15)。この復号の方法は、電子レシートサーバ6がURLを復号したのと同じルールで行う。すなわち、電子レシート対応プログラムP2は、電子レシートサーバ6が電子レシート情報を公開するための保管領域35であるディレクトリのURLを予め知っており、その上で、電子レシートダウンロード識別情報であるハッシュ値の16進数表記をファイル名として復号する。
【0035】
次にCPU11は、公衆網接続インターフェイス14を介して復号されたURLにアクセスし、そのURLで指定される領域にてダウンロード可能となっている電子レシート情報を一時メモリ12にダウンロードする(図6,ST16)。そしてダウンロード完了後、CPU11は、一時メモリ12に格納された電子レシート情報を解析し、人間の読みやすい形に再構成した上で表示部17にその内容を表示させる(図6,ST17)。
【0036】
電子レシート情報の一表示例を図11に示す。図11の例では、電子レシート情報として、店名「○○ストア○○店」、取引日時「2005年11月25日17:00」、レジ番号「レジNo.0012」、キャッシャ名「担当○○」、商品名「洗剤1.0Kg」、金額「258」、小計「654」、消費税計「31」、総計「685円」、取扱番号「2345」等が表示されている。
【0037】
ここで、入力部18を介して電子レシート情報の確認操作がなされると(図6,ST18)、CPU11は、図12に一例を示す電子レシートの保存確認画面を表示部17に表示させる(図6,ST19)。この状態で、入力部18を介して電子レシートを保存する旨が選択操作された場合には(図6,ST20)、一時メモリ12に記憶していた電子レシート情報を記録部13に転送して記録する(図6,ST21)。その後、一時メモリ12から電子レシート情報を消去する(図6,ST22)。これに対し、電子レシートを保存しない旨が選択された場合には(図6,ST20)、電子レシート情報を記録部13に転送することなく一時メモリ12から電子レシート情報を消去する(図6,ST22)。
【0038】
その後、ST12の処理で表示部17に表示した簡易決済情報とそれに関連付けされて記憶されている電子レシートダウンロード識別情報とを、非接触ICカードメモリ16から消去する(図6,ST23)。しかる後、非接触ICカードメモリ16に別の簡易決済情報が記憶されているか否かを判断する(図6,ST11)。ここで、記憶されていない場合には、この電子レシート対応プログラムP2を終了する。
【0039】
これに対し、別の簡易決済情報が記憶されている場合には、簡易決済情報を表示部17に表示させる(図6,ST12)。ここで、入力部18の操作によりダウンロードの実行または非実行が選択された場合には、上記と同様の処理を実行する。また、電子レシート対応プログラムの終了が指示された場合には(図6,ST13)、この電子レシート対応プログラムを終了する。
【0040】
このように本実施の形態においては、POS端末2は、電子レシートを生成する際に、携帯電話7から取得したパスワードと生成した電子レシート情報に含まれる店舗名,買物が行われた日時,取引の通し番号等のどの買物かを一意に判別できる情報とから、当該電子レシート情報の電子レシートサーバ6における所在地に関する情報を示す電子レシートダウンロード識別情報を生成する。そして、この電子レシート情報と電子レシートダウンロード識別情報とを電子レシートサーバ6に送信するとともに、電子レシートダウンロード識別情報を簡易決済情報とともに携帯電話7に送信している。
【0041】
また、電子レシートサーバ6は、POS端末2から電子レシート情報と電子レシートダウンロード識別情報とを受信する毎に、その受信した電子レシートダウンロード識別情報を基に電子レシート情報を公開するURLを復号する。そして、このURL上で公開可能となるように、受信した電子レシート情報を保管するものとなっている。
【0042】
一方、電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報を受信した携帯電話7においては、簡易決済情報の内容を確認したユーザから電子レシートのダウンロードが指令されると、電子レシートダウンロード識別情報を基にURLが復号される。そして、このURL上で公開されている電子レシート情報がインターネット5を介してダウンロードされる。
【0043】
したがって、Web上で公開されている電子レシート情報を取得できるのは、その電子レシート情報のWeb上におけるアドレスであるURLを符号化した電子レシートダウンロード識別情報を取得している携帯電話7に限られるので、他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうことがない。このように、プライバシーの保護を確実に図ることができるので、電子レシートシステムを導入する上で、大変有意義なものとなる。
【0044】
ところで、図7中ST35の電子決済を終了した時点から、図8中ST47の電子レシートダウンロード識別情報が携帯電話7にダウンロードされるまでの間、POS端末2では電子レシート情報の生成や電子レシートダウンロード識別情報の生成を行っているので数秒の時間がかかることが考えられるが、その間、携帯電話7とPOS端末2とは通信状態を維持する必要がある。そこで本実施の形態では、その間、客用表示部29に通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを表示させて、客に注意を喚起している。したがって、電子レシートダウンロード識別情報がダウンロードされる前に携帯電話7をPOS端末2から離してしまうミスを未然に防ぐことができる。
【0045】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0046】
例えば前記実施の形態では、客用表示部29に通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを表示させたが、非接触ICカードインターフェイス26を介して同様のメッセージデータを携帯電話7に送信することによって、携帯電話7の表示部17に同様のメッセージを表示させるようにしてもよい。あるいは、POS端末2若しくは携帯電話7が備えるスピーカから同様なメッセージを音声出力することによって、携帯電話7のユーザに注意を喚起することも可能である。
【0047】
また、前記実施の形態では、携帯電話7で乱数を基にワンタイムパスワードとなるパスワードを生成したが、携帯電話7から提供されるパスワードは固定とし、POS端末2側で乱数を発生させて携帯電話7から取り込んだパスワードを変更するようにしてもよい。このようにしても、他の携帯電話に電子レシート情報を読取られてしまうリスクを減らすことができる。
【0048】
また、前記実施の形態では、POS端末2における電子レシート処理プログラムP4の起動を電子決済処理プログラムP3のST36の処理で、通信状態にある携帯端末が電子レシート対応であるとき自動的に起動するようにしたが、電子決済処理とは無関係に決済処理終了後、入力部30のプログラム起動操作により電子レシート処理プログラムP4が起動するようにしてもよい。こうすることにより、電子決済で処理された商取引以外でもレシート情報を電子化して客に提供できるようになる。
【0049】
また、ユーザが使用する通信端末は携帯電話7に限定されるものではなく、PDA,ノート型パソコン等のモバイル機器であってもよい。また、POS端末2と通信端末との近距離無線通信方式も非接触ICカード方式に限定されるものではなく、例えば赤外線無線やBluetooth(登録商標)等であってもよい。
【0050】
また、本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0051】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態である電子レシートシステムの全体構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態で使用する携帯電話の要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態で使用するPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態で使用する電子レシートサーバの要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態において携帯電話にインストールされる電子決済対応プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図6】同実施の形態において携帯電話にインストールされる電子レシート対応プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図7】同実施の形態においてPOS端末にインストールされる電子決済処理プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図8】同実施の形態においてPOS端末にインストールされる電子レシート処理プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図9】同実施の形態において電子レシートサーバにインストールされる電子レシート管理プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図10】同実施の形態において携帯電話の表示部に表示される電子レシートダウンロード確認画面の一例を示す図。
【図11】同実施の形態において携帯電話の表示部に表示される電子レシート情報画面の一例を示す図。
【図12】同実施の形態において携帯電話の表示部に表示される電子レシート保存確認画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0053】
2…POS端末、3…ルータ、5…インターネット、6…電子レシートサーバ、7…携帯電話、11,21,31…CPU、15,26…非接触ICカードインターフェイス(通信手段)、16,27…非接触ICカードメモリ、35…電子レシート保管領域、P1…電子決済対応プログラム、P2…電子レシート対応プログラム、P3…電子決済処理プログラム、P4…電子レシート処理プログラム、P5…電子レシート管理プログラム、ST43…電子レシート生成手段、ST44…電子レシート所在地情報生成手段、ST45…対サーバ送信手段、ST46…対通信機器送信手段、ST51…対端末受信手段、ST52…電子レシート所在地情報復号手段、ST53…電子レシート公開手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、客買上データを基に生成されるレシートの情報を電子データ化して客に提供する電子レシート技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、赤外線無線,Bluetooth(登録商標),非接触ICカード等の近距離無線通信インターフェイスが携帯電話に搭載されるようになったので、これを応用し、携帯電話とPOS(Point Of Sales)端末等と称される決済端末との間で無線通信を行うことにより商取引の代金を電子的に決済する電子決済のアプリケーションソフトウェアが開発され、実用に供されている。ただし、商取引の明細を示すレシート(領収書)は、POS端末のプリンタによって紙媒体に印刷されて発行され、客に手渡されているのが実情である。
【0003】
そこで、決済端末においてレシートの情報を電子データ化し、この電子データ化されたレシート情報を携帯端末やパソコン等を利用して客が取得可能とすることによって、レシートの受け渡しを完了させる電子レシートシステムが提案されている。その一例としては、決済端末にて生成された電子レシート情報を、ネットワークを介して接続されたサーバのデータベースに蓄積するとともに、この電子レシート情報を検索するためのキーとなる情報を、決済端末から客の携帯電話に近距離無線通信を利用して送信し、客はその携帯端末またはパソコンからこのキーとなる情報を使ってサーバのデータベースにアクセスし所望の電子レシート情報をダウンロードするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このように、レシート情報を電子データ化することによって、レシート用紙の節約を図れる上、レシートを手渡す作業を簡略化できる等、店側にとって大変有益である。また、客側にとっても、例えば家計簿を電子的に処理できるようになるので好都合である。そこで今後、電子レシートシステムの導入が進められるものと見込まれる。
【特許文献1】特開2003-077064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子レシートシステムにおいては、電子レシート情報を検索するためのキーとして、会社コード,店コード,ターミナル番号,取引番号,取引日付等が用いられていた。これらの情報は、例えば同じ決済端末のチェックアウトレーンで次の順番に並んだ買物客であれば容易に取得または推定できる情報である。このため、悪意のある買物客に電子レシートの内容を見られてしまい、プライバシーを侵害されるおそれがあった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうことのない電子レシートシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子レシートシステムは、客買上データの決済を行う決済端末と、この決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバとを備える。
決済端末には、客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、不特定の通信機器と通信が可能な通信手段と、通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報と電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、電子レシート情報を当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とともにネットワークを介してサーバに送信する対サーバ送信手段と、電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報を所定の情報を発信した通信機器に通信手段を介して送信する対通信機器送信手段とを設ける。
サーバには、決済端末から電子レシート情報と当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とをネットワークを介して受信する対端末受信手段と、受信した電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、受信した電子レシート情報を当該情報とともに受信した電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段とを設ける。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうことがなく、プライバシーの保護を図り得る電子レシートシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、近距離無線通信インターフェイスとして非接触ICカードを実装してなる携帯電話のユーザとの間で、電子決済並びに電子レシートの受け渡しを可能にした電子レシートシステムに本発明を適用した場合である。
【0010】
図1は本実施の形態における電子レシートシステムの全体構成図である。同図において、符号1は店舗を示しており、店舗1には、決済端末としての複数台のPOS端末2と、ルータ3とが設置されている。各POS端末2とルータ3とは、店舗内LAN(Local Area Network)4によって接続されている。ルータ3は、店舗内LAN4と公衆通信網であるインターネット5とを接続するための機器である。インターネット5には、Webサーバとして動作する電子レシートサーバ6が接続されている。また、Webブラウザを実装してなる携帯電話7と無線通信を行う基地局8も接続されている。
【0011】
かかる構成の電子レシートシステムにおいては、店舗1の各POS端末2でそれぞれ生成された電子レシート情報が、インターネット5を介して電子レシートサーバ6に伝送され、Web上に公開される。したがって、Webブラウザを実装してなる携帯電話7等の不特定の通信端末でURL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を通信端末にダウンロードし、Webブラウザで閲覧することができる。ただし本実施の形態では、電子レシート情報が公開されているURLを符号化し、かつ、そのレシート情報の買上データに相当する買い物を行った客のみに符号化されたURLを通知することによって、セキュリティ性を高めている。
以下、この点を含み、本実施の形態の電子レシートシステムを構築する各部の構成について詳細に説明する。
【0012】
初めに、携帯電話7の要部構成を、図2のブロック図を用いて説明する。携帯電話7は、制御部本体を構成するCPU11、データを一時的に記憶しておくための一時メモリ12、CPU11からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記録される記録部13、インターネット5を含む公衆網に接続される公衆網接続インターフェイス14、非接触ICカードを用いた近距離無線通信を行う非接触ICカードインターフェイス15、上記非接触ICカードインターフェイス15を介して送受する情報を格納するための非接触ICカードメモリ16、各種情報を表示可能な表示部17及び携帯電話を操作するための入力部18等で構成されている。
【0013】
記録部13には、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、電子決済を行うための電子決済対応プログラムP1と、電子決済後に生成される電子レシートを受け取るための電子レシート対応プログラムP2とが予めインストールされている。
【0014】
次に、POS端末2の要部構成を、図3のブロック図を用いて説明する。POS端末2は、制御部本体を構成するCPU21、データを一時的に記憶しておくための一時メモリ22、CPU21からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記録される記録部23、店舗内LAN4に接続されるネットワークインターフェイス24、プリンタが着脱自在に接続されるプリンタインターフェイス25、非接触ICカードを用いた近距離無線通信を行う通信手段である非接触ICカードインターフェイス26、上記非接触ICカードインターフェイス26を介して送受する情報を格納するための非接触ICカードメモリ27、オペレータに対して各種情報を表示するためのオペレータ用表示部28、客に対して種々の情報を表示するための客用表示部29、POS端末2を操作するための入力部30等で構成されている。
【0015】
記録部23には、各種のPOS業務を実行するためのソフトウェアの他、電子決済を処理するための電子決済処理プログラムP3と、電子レシートを処理するための電子レシート処理プログラムP4とが予めインストールされている。
【0016】
次に、電子レシートサーバ6の要部構成を、図4のブロック図を用いて説明する。電子レシートサーバ6は、制御部本体を構成するCPU31、データを一時的に記憶しておくための一時メモリ32、CPU31からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記録される記録部33、インターネット5に接続されるネットワークインターフェイス34等で構成されている。
【0017】
記録部33には、電子レシート情報をWeb上で公開するための領域として電子レシート保管領域35が確保されている。また、各POS端末2から受け取った電子レシート情報を上記電子レシート保管領域35で保管するための電子レシート管理プログラムP5が予めインストールされている。
【0018】
さて、携帯電話7にインストールされている電子決済対応プログラムP1の要部処理手順を図5の流れ図に、電子レシート対応プログラムP2の要部処理手順を図6の流れ図にそれぞれ示す。また、POS端末2にインストールされている電子決済処理プログラムP3の要部処理手順を図7の流れ図に、電子レシート処理プログラムP4の要部処理手順を図8の流れ図にそれぞれ示す。また、電子レシートサーバ6にインストールされている電子レシート管理プログラムP5の要部処理手順を図9の流れ図に示す。
以下、図5〜図9の流れ図を用いて、電子決済が行われた商取引に対して生成された電子レシートを商取引相手である客が取得するまでの流れについて具体的に説明する。
【0019】
先ず、電子決済を希望する客は、自己が所有する携帯電話7の入力部18を操作して電子決済対応プログラムP1を起動する。そうすると、この携帯電話7のCPU11は、電子決済が成立した商取引に対する電子レシート情報の電子レシートサーバ6における所在地に関する情報を生成するために必要な所定の情報として、当該携帯電話7の所有者と電子レシートサービス提供者以外の者が知り得ないパスワードを生成する。そして、このパスワードを電子決済成立前に非接触ICカードメモリ16に保存する(図5,ST1)。ここで、パスワードとしては、例えば、CPU11がワンタイムパスワードとなる乱数を計算し、非接触ICカードメモリ16に記憶させると、パスワードが毎回変わるので都合がよい。
【0020】
次に、上記客は、自身が買い上げる商品の販売データがPOS端末2に登録処理され、その代金の支払いがキャッシャから要求されたならば、上記携帯電話7の非接触ICカードインターフェイス15を当該POS端末2の非接触ICカードインターフェイス26に近づける。ここで、上記電子決済対応プログラムが起動した携帯電話7のCPU11は、パスワードを保存後、非接触ICカードインターフェイス26を搭載してなるPOS端末2との通信接続を監視している(図5,ST2)。そして、携帯電話7がPOS端末2に近付けられ、非接触ICカードインターフェイス26との通信接続を確認したならば、CPU11は、非接触ICカードインターフェイス15を介してPOS端末2に電子決済要求コマンドを送信する(図5,ST3)。
【0021】
POS端末2においては、電子決済処理プログラムP3が常駐している。これによりCPU21は、非接触ICカードインターフェイス26を介して通信接続された通信機器(この場合は携帯電話7)から電子決済要求コマンドを受信すると(図7,ST31)、商取引の電子決済が可能な状態にあるか否かを判断する(図7,ST32)。例えば、1商取引として売り上げる客買上データの登録途中であり、締め操作が行われていない状態では電子決済が不可能なので、電子決済要求コマンドを無視する。
【0022】
これに対し、1商取引として売り上げる客買上データに対して入力部30に配置されている締めキーにより締め操作が行われている状態では電子決済が可能なので、CPU21は、非接触ICカードインターフェイス26を介して通信機器に電子決済許諾応答信号を送信する(図7,ST33)。
【0023】
携帯電話7のCPU11は、POS端末2からの許諾応答信号があるか否かを監視し手いる。そして、許諾応答があると(図5のST4)、携帯電話7のCPU11とPOS端末2のCPU21との間で、非接触ICカードインターフェイス15,26を介して客買上データの電子決済処理が実行される(図5,ST5/図7,ST34)。なお、この電子決済処理としては、電子マネーのようなストアドフェア型の処理でもよいし、クレジットカードのようなポストペイド型の処理でもよい。
【0024】
電子決済処理が終了すると(図5,ST6/図7,ST35)、POS端末2のCPU21は、電子決済相手であった通信機器が本発明に係る電子レシート対応のものか否かを判断する(図7,ST36)。ここで、例えば本実施の形態の電子決済対応プログラムP1がインストールされた携帯電話7との間で行われた電子決済の場合には、CPU21は、電子レシート対応であると判断する。これに対し、他の電子決済対応プログラムがインストールされた通信機器との間で行われた電子決済の場合には、電子レシート非対応と判断する。
【0025】
電子レシート対応と判断した場合には、CPU21は、電子レシート処理プログラムP4を起動する(図7,ST37)。電子レシート非対応と判断した場合には、電子レシート処理プログラムP4を起動しない。なお、電子レシート非対応と判断した場合には、CPU21は、プリンタインターフェイス25に接続されたプリンタを駆動してレシート情報を紙媒体に印刷出力するように構成するとよい。
【0026】
電子レシート処理プログラムP4が起動すると、POS端末2のCPU21は、通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージとして例えば「携帯を離さないでください」を客用表示部29に表示させる(図8,ST41:メッセージ報知手段)。
【0027】
一方、電子決済処理を終了した携帯電話7のCPU11は、非接触ICカードインターフェイス26を介して非接触ICカードメモリ27に記憶されたパスワードの送信動作を開始する(図5,ST7)。そこで、電子レシート処理プログラムP4が起動したPOS端末2のCPU21は、非接触ICカードインターフェイス26を介してパスワードを受信する(図8,ST42)。そして、電子レシート対応の通信機器(この場合は携帯電話7)からパスワードを受信したならば、CPU21は、直前に電子決済として処理された客買上データに基づき電子レシート情報と簡易決済情報とを生成する(図8,ST43:電子レシート生成手段)。なお、電子レシート情報とは、店名,店舗の連絡先,購入した商品の名称,単価,数量,買物額の総計,買物客が支払った金額,お釣り,買物が行われた日時,キャッシャの氏名(またはID),取引の通し番号等、既存のレシートに印刷される情報であり、これらの情報を全て含んでもよいし、その一部を選択したものであってもよい。一方、簡易決済情報とは、店名,買物が行われた日時,買物額の総計等、買物の概要がわかる情報である。因みに、電子レシート情報は、XML言語で記述されることが望ましい。
【0028】
またCPU21は、受信したパスワードと、生成した電子レシート情報に含まれる店舗名,買物が行われた日時,取引の通し番号等のどの買物かを一意に判別できる情報とからハッシュ値を計算する。そして、このハッシュ値を、当該電子レシート情報の電子レシートサーバ6における所在地に関する情報を示す電子レシートダウンロード識別情報とする(図8,ST44:電子レシート所在地情報生成手段)。
【0029】
その後、CPU21は、ST44の処理で生成した電子レシートダウンロード識別情報と、ST43の処理で生成した電子レシート情報とを、ルータ3経由でインターネット5上の電子レシートサーバ6に送信する(図8,ST45:対サーバ送信手段)。また、ST44の処理で生成した電子レシートダウンロード識別情報と、ST43の処理で生成した簡易決済情報とを非接触ICカードメモリ27に書込み、非接触ICカードインターフェイス26を介して通信機器へ送信可能とする(図8,ST46:対通信機器送信手段)。そして、この非接触ICカードメモリ27に書込まれた電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とが通信端末(この場合は携帯電話7)に送信されたならば(図8,ST47)、CPU21は、客用表示部29からメッセージを消去して(図8,ST48:メッセージ報知手段)、この電子レシート処理プログラムを終了する。
【0030】
電子レシートサーバ6においては、電子レシート管理プログラムが常駐している。これによりCPU31は、インターネット5を介してPOS端末2から電子レシート情報と電子レシートダウンロード識別情報とを受信すると(図9,ST51:対端末受信手段)、受信した電子レシートダウンロード識別情報を基に電子レシート情報を公開するURL(Uniform Resource Locator)を復号する(図9,ST52:電子レシート所在地情報復号手段)。この復号は、例えば予め電子レシートサーバ6が電子レシート情報を公開するディレクトリを保管領域35として決めておき、電子レシートダウンロード識別情報であるハッシュ値の16進数表記を電子レシート情報のファイル名としてそのディレクトリ上に置くことで行われる。しかる後、CPU31は、上記電子レシートダウンロード識別情報とともに受信した電子レシート情報を保管領域35に保管し、不特定の通信機器からインターネット5を介して閲覧可能となるように復号したURL上で公開する(図9,ST53:電子レシート公開手段)
一方、携帯電話7のCPU11は、非接触ICカードメモリ16で記憶していたパスワードをPOS端末2に送信した後、このPOS端末2から電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とを受信するのを待機している。そして、非接触ICカードインターフェイス15を介して電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とを受信したならば(図5,ST8)、CPU11は、この電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とを関連付けて非接触ICカードメモリ16で記憶する(図5,ST9)。しかる後、電子レシート対応プログラムP2を起動する(図5,ST10)。
【0031】
なお、電子レシート対応プログラムP2は、非接触ICカードメモリ16に電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報とが書き込まれたことを携帯電話7のCPU11が認識して自動的に起動されるだけでなく、入力部18のプログラム起動操作によりユーザが任意のタイミングで起動させることも可能である。すなわち、電子決済終了直後に電子レシートをダウンロードするか否かを決定せず、複数取引の決済を終えた後にまとめて取引毎に電子レシートをダウンロードするか否かを決めることも可能としている。
【0032】
さて、電子レシート対応プログラムP2が起動すると、CPU11は、非接触ICカードメモリ16に簡易決済情報が記憶されているか否かを判断する(図6,ST11)。そして、簡易決済情報が少なくとも1つ記憶されていた場合には、CPU11は、この簡易決済情報を表示部17に表示させる(図6,ST12)。なお、複数の簡易決済情報が記憶されていた場合には、所定の定義、例えば最も古くに記憶された簡易決済情報を選択し、表示部17に表示させる。
【0033】
簡易決済情報の一表示例を図10に示す。図示するように、簡易決済情報の画面には、店名,買物が行われた日時,買物額の総計等、買物の概要がわかる情報のほかに、電子レシートのダウンロードを実行するか([はい])、実行しないか([いいえ])を選択するためのボタンが表示されている。ここで、ダウンロードを実行しない旨が選択された場合には(図6,ST14)、CPU11は、表示部17に表示した簡易決済情報とそれに関連付けされて記憶されている電子レシートダウンロード識別情報とを、非接触ICカードメモリ16から消去する(図6,ST23)。しかる後、非接触ICカードメモリ16に別の簡易決済情報が記憶されているか否かを判断する(図6,ST11)。ここで、記憶されていない場合には、この電子レシート対応プログラムP2を終了する。
【0034】
これに対し、ダウンロードを実行する旨が選択された場合には(図6,ST14)、CPU11は、先ず、表示部17に表示した簡易決済情報と関連付けされて記憶されている電子レシートダウンロード識別情報を基に電子レシートサーバ6にアップロードされた電子レシート情報のURLを復号化する(図6,ST15)。この復号の方法は、電子レシートサーバ6がURLを復号したのと同じルールで行う。すなわち、電子レシート対応プログラムP2は、電子レシートサーバ6が電子レシート情報を公開するための保管領域35であるディレクトリのURLを予め知っており、その上で、電子レシートダウンロード識別情報であるハッシュ値の16進数表記をファイル名として復号する。
【0035】
次にCPU11は、公衆網接続インターフェイス14を介して復号されたURLにアクセスし、そのURLで指定される領域にてダウンロード可能となっている電子レシート情報を一時メモリ12にダウンロードする(図6,ST16)。そしてダウンロード完了後、CPU11は、一時メモリ12に格納された電子レシート情報を解析し、人間の読みやすい形に再構成した上で表示部17にその内容を表示させる(図6,ST17)。
【0036】
電子レシート情報の一表示例を図11に示す。図11の例では、電子レシート情報として、店名「○○ストア○○店」、取引日時「2005年11月25日17:00」、レジ番号「レジNo.0012」、キャッシャ名「担当○○」、商品名「洗剤1.0Kg」、金額「258」、小計「654」、消費税計「31」、総計「685円」、取扱番号「2345」等が表示されている。
【0037】
ここで、入力部18を介して電子レシート情報の確認操作がなされると(図6,ST18)、CPU11は、図12に一例を示す電子レシートの保存確認画面を表示部17に表示させる(図6,ST19)。この状態で、入力部18を介して電子レシートを保存する旨が選択操作された場合には(図6,ST20)、一時メモリ12に記憶していた電子レシート情報を記録部13に転送して記録する(図6,ST21)。その後、一時メモリ12から電子レシート情報を消去する(図6,ST22)。これに対し、電子レシートを保存しない旨が選択された場合には(図6,ST20)、電子レシート情報を記録部13に転送することなく一時メモリ12から電子レシート情報を消去する(図6,ST22)。
【0038】
その後、ST12の処理で表示部17に表示した簡易決済情報とそれに関連付けされて記憶されている電子レシートダウンロード識別情報とを、非接触ICカードメモリ16から消去する(図6,ST23)。しかる後、非接触ICカードメモリ16に別の簡易決済情報が記憶されているか否かを判断する(図6,ST11)。ここで、記憶されていない場合には、この電子レシート対応プログラムP2を終了する。
【0039】
これに対し、別の簡易決済情報が記憶されている場合には、簡易決済情報を表示部17に表示させる(図6,ST12)。ここで、入力部18の操作によりダウンロードの実行または非実行が選択された場合には、上記と同様の処理を実行する。また、電子レシート対応プログラムの終了が指示された場合には(図6,ST13)、この電子レシート対応プログラムを終了する。
【0040】
このように本実施の形態においては、POS端末2は、電子レシートを生成する際に、携帯電話7から取得したパスワードと生成した電子レシート情報に含まれる店舗名,買物が行われた日時,取引の通し番号等のどの買物かを一意に判別できる情報とから、当該電子レシート情報の電子レシートサーバ6における所在地に関する情報を示す電子レシートダウンロード識別情報を生成する。そして、この電子レシート情報と電子レシートダウンロード識別情報とを電子レシートサーバ6に送信するとともに、電子レシートダウンロード識別情報を簡易決済情報とともに携帯電話7に送信している。
【0041】
また、電子レシートサーバ6は、POS端末2から電子レシート情報と電子レシートダウンロード識別情報とを受信する毎に、その受信した電子レシートダウンロード識別情報を基に電子レシート情報を公開するURLを復号する。そして、このURL上で公開可能となるように、受信した電子レシート情報を保管するものとなっている。
【0042】
一方、電子レシートダウンロード識別情報と簡易決済情報を受信した携帯電話7においては、簡易決済情報の内容を確認したユーザから電子レシートのダウンロードが指令されると、電子レシートダウンロード識別情報を基にURLが復号される。そして、このURL上で公開されている電子レシート情報がインターネット5を介してダウンロードされる。
【0043】
したがって、Web上で公開されている電子レシート情報を取得できるのは、その電子レシート情報のWeb上におけるアドレスであるURLを符号化した電子レシートダウンロード識別情報を取得している携帯電話7に限られるので、他のユーザに電子レシートの内容を見られてしまうことがない。このように、プライバシーの保護を確実に図ることができるので、電子レシートシステムを導入する上で、大変有意義なものとなる。
【0044】
ところで、図7中ST35の電子決済を終了した時点から、図8中ST47の電子レシートダウンロード識別情報が携帯電話7にダウンロードされるまでの間、POS端末2では電子レシート情報の生成や電子レシートダウンロード識別情報の生成を行っているので数秒の時間がかかることが考えられるが、その間、携帯電話7とPOS端末2とは通信状態を維持する必要がある。そこで本実施の形態では、その間、客用表示部29に通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを表示させて、客に注意を喚起している。したがって、電子レシートダウンロード識別情報がダウンロードされる前に携帯電話7をPOS端末2から離してしまうミスを未然に防ぐことができる。
【0045】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0046】
例えば前記実施の形態では、客用表示部29に通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを表示させたが、非接触ICカードインターフェイス26を介して同様のメッセージデータを携帯電話7に送信することによって、携帯電話7の表示部17に同様のメッセージを表示させるようにしてもよい。あるいは、POS端末2若しくは携帯電話7が備えるスピーカから同様なメッセージを音声出力することによって、携帯電話7のユーザに注意を喚起することも可能である。
【0047】
また、前記実施の形態では、携帯電話7で乱数を基にワンタイムパスワードとなるパスワードを生成したが、携帯電話7から提供されるパスワードは固定とし、POS端末2側で乱数を発生させて携帯電話7から取り込んだパスワードを変更するようにしてもよい。このようにしても、他の携帯電話に電子レシート情報を読取られてしまうリスクを減らすことができる。
【0048】
また、前記実施の形態では、POS端末2における電子レシート処理プログラムP4の起動を電子決済処理プログラムP3のST36の処理で、通信状態にある携帯端末が電子レシート対応であるとき自動的に起動するようにしたが、電子決済処理とは無関係に決済処理終了後、入力部30のプログラム起動操作により電子レシート処理プログラムP4が起動するようにしてもよい。こうすることにより、電子決済で処理された商取引以外でもレシート情報を電子化して客に提供できるようになる。
【0049】
また、ユーザが使用する通信端末は携帯電話7に限定されるものではなく、PDA,ノート型パソコン等のモバイル機器であってもよい。また、POS端末2と通信端末との近距離無線通信方式も非接触ICカード方式に限定されるものではなく、例えば赤外線無線やBluetooth(登録商標)等であってもよい。
【0050】
また、本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0051】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態である電子レシートシステムの全体構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態で使用する携帯電話の要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態で使用するPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態で使用する電子レシートサーバの要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態において携帯電話にインストールされる電子決済対応プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図6】同実施の形態において携帯電話にインストールされる電子レシート対応プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図7】同実施の形態においてPOS端末にインストールされる電子決済処理プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図8】同実施の形態においてPOS端末にインストールされる電子レシート処理プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図9】同実施の形態において電子レシートサーバにインストールされる電子レシート管理プログラムの要部処理手順を示す流れ図。
【図10】同実施の形態において携帯電話の表示部に表示される電子レシートダウンロード確認画面の一例を示す図。
【図11】同実施の形態において携帯電話の表示部に表示される電子レシート情報画面の一例を示す図。
【図12】同実施の形態において携帯電話の表示部に表示される電子レシート保存確認画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0053】
2…POS端末、3…ルータ、5…インターネット、6…電子レシートサーバ、7…携帯電話、11,21,31…CPU、15,26…非接触ICカードインターフェイス(通信手段)、16,27…非接触ICカードメモリ、35…電子レシート保管領域、P1…電子決済対応プログラム、P2…電子レシート対応プログラム、P3…電子決済処理プログラム、P4…電子レシート処理プログラム、P5…電子レシート管理プログラム、ST43…電子レシート生成手段、ST44…電子レシート所在地情報生成手段、ST45…対サーバ送信手段、ST46…対通信機器送信手段、ST51…対端末受信手段、ST52…電子レシート所在地情報復号手段、ST53…電子レシート公開手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客買上データの決済を行う決済端末と、この決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバとを具備し、
前記決済端末は、前記客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、不特定の通信機器と通信が可能な通信手段と、この通信手段を介して通信可能状態にある前記通信機器から発信された所定の情報と前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報を前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とともに前記ネットワークを介して前記サーバに送信する対サーバ送信手段と、前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記所定の情報を発信した前記通信機器に前記通信手段を介して送信する対通信機器送信手段とを備え、
前記サーバは、前記決済端末から前記電子レシート情報と当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とを前記ネットワークを介して受信する対端末受信手段と、この対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、前記対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報を当該情報とともに受信した前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に前記不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段とを備えたことを特徴とする電子レシートシステム。
【請求項2】
ネットワークを介してサーバと通信可能に接続され、客買上データの決済を行う決済端末において、
前記客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、不特定の通信機器と通信が可能な通信手段と、この通信手段を介して通信可能状態にある前記通信機器から発信された所定の情報と前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報を前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とともに前記ネットワークを介して前記サーバに送信する対サーバ送信手段と、前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記所定の情報を発信した前記通信機器に前記通信手段を介して送信する対通信機器送信手段とを具備したことを特徴とする決済端末。
【請求項3】
前記通信手段を介して通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報を受信してから前記対通信機器送信手段により前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記通信機器に送信するまでの間、前記通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを報知するメッセージ報知手段をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載の決済端末。
【請求項4】
客買上データの決済を行い、この客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバにおいて、
前記決済端末から前記電子レシート情報と当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とを前記ネットワークを介して受信する対端末受信手段と、この対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、前記対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報を当該情報とともに受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段とを備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
ネットワークを介してサーバと通信可能に接続され、客買上データの決済を行うコンピュータを、
前記客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、通信手段を介して通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報と前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシートの前記サーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報を前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とともに前記ネットワークを介して前記サーバに送信する対サーバ送信手段と、前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記所定の情報を発信した前記通信機器に前記通信手段を介して送信する対通信機器送信手段として機能させることを特徴とする電子レシート処理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記通信手段を介して通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報を受信してから前記対通信機器送信手段により前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記通信機器に送信するまでの間、前記通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを報知するメッセージ報知手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項5記載の電子レシート処理プログラム。
【請求項7】
客買上データの決済を行い、この客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバを、
前記決済端末から前記電子レシート情報と当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とを前記ネットワークを介して受信する対端末受信手段と、この対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、前記対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報を当該情報とともに受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段として機能させることを特徴とする電子レシート管理プログラム。
【請求項1】
客買上データの決済を行う決済端末と、この決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバとを具備し、
前記決済端末は、前記客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、不特定の通信機器と通信が可能な通信手段と、この通信手段を介して通信可能状態にある前記通信機器から発信された所定の情報と前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報を前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とともに前記ネットワークを介して前記サーバに送信する対サーバ送信手段と、前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記所定の情報を発信した前記通信機器に前記通信手段を介して送信する対通信機器送信手段とを備え、
前記サーバは、前記決済端末から前記電子レシート情報と当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とを前記ネットワークを介して受信する対端末受信手段と、この対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、前記対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報を当該情報とともに受信した前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に前記不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段とを備えたことを特徴とする電子レシートシステム。
【請求項2】
ネットワークを介してサーバと通信可能に接続され、客買上データの決済を行う決済端末において、
前記客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、不特定の通信機器と通信が可能な通信手段と、この通信手段を介して通信可能状態にある前記通信機器から発信された所定の情報と前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報を前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とともに前記ネットワークを介して前記サーバに送信する対サーバ送信手段と、前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記所定の情報を発信した前記通信機器に前記通信手段を介して送信する対通信機器送信手段とを具備したことを特徴とする決済端末。
【請求項3】
前記通信手段を介して通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報を受信してから前記対通信機器送信手段により前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記通信機器に送信するまでの間、前記通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを報知するメッセージ報知手段をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載の決済端末。
【請求項4】
客買上データの決済を行い、この客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバにおいて、
前記決済端末から前記電子レシート情報と当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とを前記ネットワークを介して受信する対端末受信手段と、この対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、前記対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報を当該情報とともに受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段とを備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
ネットワークを介してサーバと通信可能に接続され、客買上データの決済を行うコンピュータを、
前記客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する電子レシート生成手段と、通信手段を介して通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報と前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報の中の一部の情報とから当該電子レシートの前記サーバにおける所在地に関する情報を生成する電子レシート所在地情報生成手段と、前記電子レシート生成手段により生成された電子レシート情報を前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された当該電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報とともに前記ネットワークを介して前記サーバに送信する対サーバ送信手段と、前記電子レシート所在地情報生成手段により生成された前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記所定の情報を発信した前記通信機器に前記通信手段を介して送信する対通信機器送信手段として機能させることを特徴とする電子レシート処理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記通信手段を介して通信可能状態にある通信機器から発信された所定の情報を受信してから前記対通信機器送信手段により前記電子レシート情報の前記サーバにおける所在地に関する情報を前記通信機器に送信するまでの間、前記通信機器との通信可能状態を維持させる旨のメッセージを報知するメッセージ報知手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項5記載の電子レシート処理プログラム。
【請求項7】
客買上データの決済を行い、この客買上データに基づいて電子レシート情報を生成する決済端末とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバを、
前記決済端末から前記電子レシート情報と当該電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報とを前記ネットワークを介して受信する対端末受信手段と、この対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から電子レシート所在地情報を復号する電子レシート所在地情報復号手段と、前記対端末受信手段により受信した前記電子レシート情報を当該情報とともに受信した前記電子レシート情報のサーバにおける所在地に関する情報から復号された電子レシート所在地情報の所在地に不特定の通信機器からネットワークを介して閲覧可能に公開する電子レシート公開手段として機能させることを特徴とする電子レシート管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−148792(P2007−148792A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342400(P2005−342400)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]