電子付箋生成表示プログラム、電子付箋生成表示方法、及び電子付箋生成表示装置
【課題】ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変える。
【解決手段】電子付箋生成表示装置10は、電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定するコンテンツ部位類似性推定部135と、推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換えるHTMLソース書き換え部140と備える。
【解決手段】電子付箋生成表示装置10は、電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定するコンテンツ部位類似性推定部135と、推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換えるHTMLソース書き換え部140と備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェブページに電子付箋を生成表示するためのプログラム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットやイントラネット等のネットワークを介して閲覧できるウェブページ等の情報資源に関連情報を注釈として付与するためのツールとして、電子付箋が利用されている。特許文献1に記載の技術によれば、ユーザは、ウェブページ上の任意の位置に電子付箋を貼り付けることができる。ウェブページに貼り付けられた電子付箋は、ウェブページ上の貼り付け位置を示す座標と関連付けられて記憶される。ユーザが電子付箋を貼り付けたウェブページを再度閲覧すると、電子付箋の貼り付け位置を示す座標が読み出され、所定の貼り付け位置に電子付箋が表示される。一方、特許文献2に記載の技術によれば、ユーザはブログやニュースサイト等のウェブページ上にある記事(ある程度まとまった単位の部分コンテンツ)に電子付箋を貼り付けることができる。貼り付けられた電子付箋は、ある程度まとまった単位の部分コンテンツを一意に識別するためのID情報と、部分コンテンツ内部の相対位置を指し示すXPathとに関連付けられて記憶される。Xpathは、XML文書の特定の要素を指し示すための記述方法である。ユーザがウェブページを再度閲覧すると、電子付箋を貼り付けた部分コンテンツのID情報に一致するID情報を有する部分コンテンツがウェブページから検索され、Xpathによって指し示される部分コンテンツ内部の位置に電子付箋が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−507167号公報
【特許文献2】特開2009−140020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載の技術では、ポータルページのようにウェブページのコンテンツのレイアウトや構造が変化してしまうと、適切な位置に電子付箋を表示できないという不都合が生じる。電子付箋の表示位置がコンテンツのレイアウト変化に追随できない例として、例えば、新着メールの一覧を表示する「新着メールポートレット」を取り上げることができる。特許文献1に記載の技術では、ウェブページ上の座標に基づいて電子付箋の表示位置を求めているため、例えば、ユーザが後で確認したいメールの横に「後で確認する」という注釈の電子付箋を貼り付け、その後、新着メールポートレットのレイアウトを変更した場合、レイアウト変更前の新着メールポートレットの位置に電子付箋が表示されてしまう。レイアウト変更前の新着メールポートレットの位置には、レイアウト変更後にメールとは無関係のポートレットが置かれている場合があり、このような場合には、不本意な位置に電子付箋が表示されることになる。
【0005】
一方、特許文献2に記載の技術を用いれば、電子付箋が貼り付けられた新着メールポートレットが移動したとしても、新着メールポートレットを識別するためのID情報を基に新着メールポートレットの移動先を特定し、移動後の新着メールポートレットに関連付けて電子付箋を表示できる。しかし、特許文献2に記載の技術では、コンテンツの構造変化に追随して電子付箋を表示することができない。電子付箋の表示位置がコンテンツの構造変化に追随できない例として、例えば、RSSを読み込んで最新のフィードを所定数表示する「新着RSSフィード」を取り上げることができる。新しいフィードが配信されると、新着RSSフィードが表示しているフィード一覧も更新される。例えば、最新のフィードが一番上に追加される一方、古いフィードは一覧の下方に移動し、最終的に一覧から除外される。特許文献2の記載の技術は、ある程度まとまった単位の部分コンテンツを一意に識別するためのID情報と、部分コンテンツ内部の相対位置を指し示すXPathとを用いて電子付箋を表示する位置を求めているため、例えば、後で確認したい新着RSSフィードの横に「後で確認する」という注釈の電子付箋を貼り付け、その後、フィード一覧の更新に伴い、電子付箋が貼り付けられた新着RSSフィードの位置が変化すると、XPathではその構造変化に追随できないため、異なる新着RSSフィードの横に電子付箋が表示されてしまう。このように、コンテンツとの関連付けが強い電子付箋が全く無関係のコンテンツと関連付けられて表示されてしまうことは、ユーザの期待に沿わないものと考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明に関わる電子付箋の生成表示方法は、電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定し、推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図2】実施例1に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図3】実施例1に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図4】実施例1に関わる付箋情報の説明図である。
【図5】実施例1に関わる電子付箋生成表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例2に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図7】実施例2に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図8】実施例2に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図9】実施例2に関わる付箋情報の説明図である。
【図10】実施例3に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図11】実施例3に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図12】実施例3に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図13】実施例3に関わる付箋情報の説明図である。
【図14】実施例4に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図15】実施例4に関わる電子付箋の位置情報の説明図である。
【図16】実施例4に関わる付箋情報の説明図である。
【図17】実施例4に関わる電子付箋生成表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図を参照しながら本発明の実施例について説明する。同一の機能ブロックには、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10の機能ブロックを示す。電子付箋生成表示装置10は、ハードウェア資源(プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、ディスプレイなど)を備えるコンピュータシステムであり、ウェブページに電子付箋を生成表示するための手段として、電子付箋生成表示モジュール100、ウェブブラウザ200、及び付箋情報データベース300を備えている。電子付箋生成表示モジュール100は、電子付箋を生成表示するためのプログラムモジュールであり、ウェブブラウザ200が表示中のコンテンツのURLを取得するURL取得部105と、ウェブブラウザ200が表示中のコンテンツのHTMLソースを取得するHTMLソース取得部110と、ウェブブラウザ200上で電子付箋の貼り付けが指定された部分のHTMLソースを取得する特定部位取得部115と、電子付箋の注釈として記入されたメモを取得するメモ取得部120と、電子付箋の貼り付け位置及びメモに関する情報(以下、「付箋情報」と称する。)の登録を付箋情報データベース300に依頼する付箋情報登録部125と、電子付箋が貼り付けられたコンテンツのURLと同一のURLを含む付箋情報であることを検索条件として付箋情報データベース300からその検索条件を満たす付箋情報を検索する付箋情報検索部130と、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの部分に最も類似するコンテンツの部分を推定するコンテンツ部位類似性推定部135と、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの部分に最も類似するコンテンツの部分に関連付けて電子付箋を表示するようにHTMLソースを書き換えるHTMLソース書き換え部140と、を備える。電子付箋生成表示モジュール100の上述の各部の機能は、電子付箋生成表示モジュール100と電子付箋生成表示装置10のハードウェア資源との協働により実現される。
【0012】
ウェブブラウザ200は、インターネットブラウザとしての一般的な機能を有しており、ウェブサービス400から取得したコンテンツのHTMLソース及びURLを保持するコンテンツ記憶部205と、コンテンツ記憶部205が保持するHTMLソースに従ってコンテンツをディスプレイに表示するコンテンツ表示部210と、ポインティングデバイス等によりユーザが選択及び指定する電子付箋の貼り付け場所の位置情報を受け取るコンテンツ特定部位指定部215と、ユーザが電子付箋のメモとしてダイアログウィンドウ等にテキスト入力した文字列を受け取るテキスト入力部220を備える。ウェブブラウザ200の上述の各部の機能は、ウェブブラウザ200と電子付箋生成表示装置10のハードウェア資源との協働により実現される。
【0013】
付箋情報データベース300は、電子付箋生成表示モジュール100が生成した付箋情報を記憶し、付箋情報検索部130からの要求に従って検索条件に合致する付箋情報を付箋情報検索部130に返す。
【0014】
次に、電子付箋をウェブページに貼り付ける処理の流れについて図2を参照しながら説明する。図中、矢印は情報の流れを示す。ウェブブラウザ200は、取得を要求するコンテンツのURLを含むHTTPリクエストをウェブサービス400に送信し、HTTPレスポンスとしてウェブサービス400から返信されたHTMLソースを取得する。コンテンツ記憶部205は、取得を要求したコンテンツのURLと、ウェブサービス400から取得したHTMLソースを記憶する。コンテンツ表示部210は、コンテンツ記憶部205に記憶されたHTMLソースに従ってコンテンツをディスプレイに表示する。
【0015】
ユーザは、ディスプレイに表示されたコンテンツの中で電子付箋を貼り付けたい場所を例えばポインティングデバイス等を用いて指定する。コンテンツ特定部位指定部215は、ユーザによって指定された貼り付け場所を記憶する。電子付箋の貼り付け位置の指定後、ユーザは、ツールバーやコンテキストメニュー等の手段で「電子付箋を貼り付ける」ためのコマンドを実行する。すると、電子付箋のメモを入力するためのダイアログウィンドウが表示される。ユーザは、ダイアログウィンドウを使用して電子付箋のメモを入力する。テキスト入力部220は、入力されたメモの内容を受け取り、これを記憶する。
【0016】
ウェブブラウザ200は、ユーザからの電子付箋の貼り付け場所の指定とメモ入力を受け取ると、電子付箋を生成するために必要な情報を電子付箋生成表示モジュール100に渡す。具体的には、コンテンツ記憶部205からURL取得部105にコンテンツのURLが渡される。コンテンツ記憶部205からHTMLソース取得部110にコンテンツのHTMLソースが渡される。コンテンツ特定部位指定部215から特定部位取得部115に電子付箋の貼り付け場所のHTMLソースが渡される。テキスト入力部220からメモ取得部120に電子付箋のメモが渡される。
【0017】
付箋情報登録部125は、コンテンツのURL、HTMLソース、及びメモに関する情報をURL取得部105、特定部位取得部115、及びメモ取得部120からそれぞれ取得し、これらの三つの情報を統合して付箋情報を生成する。図4に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、及び電子付箋のメモの三つの情報を含む。同図に示すように、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの部分のタグ(以下、Targetタグと称する)、Targetタグから一つ上位の階層のタグ(以下、Parentタグと称する)、Parentタグから一つ上位の階層のタグ(以下、Grandparentタグと称する)、Targetタグから一つ下位の階層のタグ(以下、Childタグと称する)のそれぞれについて、タグ(タグ名)、属性、タグ内の内容(開始タグと終了タグとの間の要素の内容)を含む。付箋情報登録部125は、付箋情報を付箋情報データベース300に登録して永続化するとともに、付箋情報をHTMLソース書き換え部140に渡す。
【0018】
HTMLソース書き換え部140は、付箋情報登録部125から付箋情報を受け取ると、付箋情報内のURLが示すHTMLソースをHTMLソース取得部110から取得する。HTMLソース書き換え部140は、電子付箋の貼り付け場所を示す位置に電子付箋が表示されるようにHTMLソースを書き換える。書き換えられたHTMLソースは、ウェブブラウザ200に渡されて、コンテンツ記憶部205に格納される。コンテンツ記憶部205は、書き換え前のHTMLソースを書き換え後のHTMLソースに置換し、書き換え後のHTMLソースをコンテンツ表示部210に渡す。コンテンツ表示部210は、電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページを書き換え後のHTMLソースに従って表示する。
【0019】
次に、電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示する際に、コンテンツのレイアウトや構造が変化したとしても、指定された位置に電子付箋を表示する処理の流れについて図3を参照しながら説明する。図中、矢印は情報の流れを示す。ウェブブラウザ200は、取得を要求するコンテンツのURLを含むHTTPリクエストをウェブサービス400に送信し、HTTPレスポンスとしてウェブサービス400から返信されたHTMLソースを取得する。コンテンツ記憶部205は、取得を要求したコンテンツのURLと、ウェブサービス400から取得したHTMLソースを記憶する。そして、コンテンツ記憶部205からURL取得部105にウェブページのURLが渡される。また、コンテンツ記憶部205からHTMLソース取得部110にHTMLソースが渡される。
【0020】
URL取得部105は、ウェブページのURLを付箋情報検索部130に渡す。付箋情報検索部130は、URL取得部105から受け取ったURLに一致するURLを含む付箋情報であることを検索条件として、検索条件を満たす付箋情報を付箋情報データベース300から検索し、検索条件を満たす付箋情報のリストを作成する。この付箋情報のリストは、付箋情報検索部130からコンテンツ部位類似性推定部135に渡される。
【0021】
コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報検索部130から付箋情報のリストを受け取ると、HTMLソース取得部110からウェブページのHTMLソースを取得する。そして、コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報のリストとHTMLソースとを使用して、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似する場所を推定する(推定方法の詳細については後述する)。この推定された電子付箋の貼り付け場所とメモの内容は、コンテンツ部位類似性推定部135からHTMLソース書き換え部140に渡される。
【0022】
HTMLソース書き換え部140は、推定された電子付箋の貼り付け場所とメモの内容をコンテンツ部位類似性推定部135から受け取ると、HTMLソース取得部140から書き換え対象のHTMLソースを取得する。HTMLソース書き換え部140は、推定された電子付箋の貼り付け場所に電子付箋とメモが表示されるように、HTMLソースを書き換える。書き換えられたHTMLソースは、HTMLソース書き換え部140からウェブブラウザ200に渡され、コンテンツ記憶部205に格納される。コンテンツ記憶部205は、書き換えられたHTMLソースを取得すると、書き換え前のHTMLソースを書き換え後のHTMLソースに置換し、書き換え後のHTMLソースをコンテンツ表示部210に渡す。コンテンツ表示部210は、推定された貼り付け場所に電子付箋が貼り付けられているウェブページを書き換え後のHTMLソースに従って表示する。
【0023】
次に、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似する場所を推定する方法について、図5を参照しながら説明する。
コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報検索部130から付箋情報のリストを受け取り(ステップ501)、HTMLソース取得部110からウェブページのHTMLソースを取得する(ステップ502)。コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報のリストの中から一つの付箋情報を選択し(ステップ503)、選択した付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグをHTMLソースの先頭から検索する(ステップ504)。
【0024】
付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中から検索されない場合には(ステップ505;NO)、ステップ509に進む。一方、付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中から検索された場合には(ステップ505;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報に含まれるTargetタグ、Parentタグ、Grandparentタグ、Childタグと、HTMLソースのTargetタグ、Parentタグ、Grandparentタグ、Childタグのそれぞれについて、タグ(タグ名)、属性、タグ内の内容が一致するか否かを個別に比較し、類似性スコアを算出する(ステップ506)。類似性スコアとは、比較対象となるHTMLソースのタグの部分が、電子付箋の貼り付けが指定された場所にどの程度類似しているかを示す指標となる値であり、例えば、一致回数/比較回数の値を採用することができる。ここで、比較回数は、タグ(タグ名)、属性、タグ内の内容を個別に比較する都度に一つずつインクリメントされるパラメータである。一致回数は、その比較の結果、一致する都度に一つずつインクリメントされるパラメータである。比較が終了した段階で、類似性スコアの値が算出される。類似性スコアの算出式が一致回数/比較回数である場合に、その値が取り得る範囲は、0.0から1.0の範囲である。類似性スコアの値が1.0に近い程、比較対象のHTMLソースのタグ部分が、電子付箋の貼り付けが指定された場所に類似している確率が高いことを示す。
【0025】
なお、類似性スコアの例として、一致回数/比較回数を例示したが、比較対象となるHTMLソースのタグの部分が、電子付箋の貼り付けが指定された場所にどの程度類似しているかを示す指標となる値を返す算出式であればよく、上述の例に限定されない。また、比較するタグの階層の数についても、上述の例に限定されるものではなく、必要に応じて階層数を調整すればよい。
【0026】
コンテンツ部位類似性推定部135は、(1)算出した類似性スコアが閾値以上に達しているか、(2)算出した類似性スコアの値がそれまでに算出した類似性スコアの中で最も大きいかについて判定する。(1)及び(2)の条件を二つとも満たす場合には(ステップ507;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、比較対象としたHTMLソースのタグの部分を電子付箋の暫定的な貼り付け場所として記憶する(ステップ508)。一方、(1)又は(2)の何れか一方の条件が満たされていない場合には(ステップ507;NO)、ステップ509に進む。
【0027】
付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索してない場合には(ステップ509;NO)、ステップ504に戻る。付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索した場合には(ステップ509;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、ステップ508で記憶済みの暫定的な貼り付け場所を電子付箋の貼り付け場所として確定する(ステップ510)。コンテンツ部位類似性推定部135は、電子付箋の確定した貼り付け場所とメモの内容とを含むリスト(以下、「表示対象付箋リスト」と称する)を作成する。
【0028】
付箋情報検索部130から取得した付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行っていない場合には(ステップ511;NO)、ステップ503に戻る。一方、付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行った場合には(ステップ511;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、表示対象付箋リストをHTMLソース書き換え部140に渡す(ステップ512)。
【0029】
本実施例では、上述のステップ504から510までの処理によって、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似している場所をウェブページの中から推定し、電子付箋の表示位置を決定している。特許文献1,2に記載の技術では、ポータルページのようにウェブページのコンテンツのレイアウトや構造が変化してしまうと、既述の理由により、適切な位置に電子付箋を表示できないという問題が生じるが、本実施例によれば、ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変えることができる。
【実施例2】
【0030】
図6は実施例2に係わる電子付箋生成表示装置20の機能ブロックを示す。実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10は、電子付箋の注釈としてのメモを表示する機能を有する一方、実施例2に係わる電子付箋生成表示20は、メモに替えてマルチメディアデータを電子付箋としてウェブページに貼り付ける機能を有する点で両者は相違する。具体的には、実施例2に係わるウェブブラウザ200は、テキスト入力部220に替えて、マルチメディアデータ送信部225を備える点で実施例1に係わるウェブブラウザ200と相違する。また、実施例2に係わる付箋生成表示モジュール100は、メモ取得部120に替えて、マルチメディアデータ取得部145を備える点で実施例1に係わる付箋生成表示モジュール100と相違する。
【0031】
図7はマルチメディアを電子付箋としてウェブページに貼り付ける処理の流れを示しており、図8は電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示する際に、コンテンツのレイアウトや構造が変化したとしても、指定された位置に電子付箋を表示する処理の流れを示している。実施例2に係わる電子付箋を生成表示するための基本的な処理の流れは、実施例1に係わる電子付箋を生成表示するための処理の流れと同様であるため、両者の相違点について説明を加える。マルチメディアデータ送信部225は、ユーザがグラフィカルユーザインタフェースを通じて指定した静止画、動画又は音声等のマルチメディアデータをマルチメディアデータ取得部145に送信する。マルチメディアデータ取得部145は、マルチメディアデータ送信部225から受け取ったマルチメディアデータとそのファイルフォーマットの情報を付箋情報登録部125に渡す。
【0032】
付箋情報登録部125は、コンテンツのURL、HTMLソース、及びマルチメディアデータに関する情報をURL取得部105、特定部位取得部115、及びマルチメディアデータ取得部145からそれぞれ取得し、これらの三つの情報を統合して付箋情報を生成する。図9に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、及びマルチメディアデータに関する情報の三つの情報を含む。マルチメディアデータに関する情報は、静止画、動画、又は音声等のデータと、そのデータのファイルフォーマットの情報を含む。HTMLソース書き換え部140は、付箋情報内のファイルフォーマットを参照することによって、マルチメディアデータが電子付箋としてウェブページに表示されるように、HTMLソースを書き換えるときのタグを選択する。例えば、マルチメディアデータが静止画の場合は、HTMLソース書き換え部140は、<img>タグを使用し、電子付箋としての静止画がウェブページに表示されるようにHTMLソースを書き換える。また、マルチメディアデータが動画又は音声の場合は、HTMLソース書き換え部140は、<embed>タグを使用し、電子付箋としての動画又は音声がウェブページに表示又は出力されるようにHTMLソースを書き換える。
【実施例3】
【0033】
図10は実施例3に係わる電子付箋生成表示装置30の機能ブロックを示す。実施例3に係わる電子付箋生成表示装置30は、複数のユーザが電子付箋を共有することを前提とした上で、ユーザ認証の可否に応じて電子付箋を貼り付け或いは表示する機能を有している点で実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10と相違し、その余の点で共通する。具体的には、実施例3に係わるウェブブラウザ200は、ユーザ情報送信部230を備える点で実施例1に係わるウェブブラウザ200と相違する。実施例3に係わる付箋生成表示モジュール100は、共有者情報取得部155と認証部150を備える点で実施例1に係わる付箋生成表示モジュール100と相違する。実施例3に係わる電子付箋生成表示装置30は、付箋生成表示モジュール100、付箋情報データベース300、及びユーザ情報ディレクトリサーバ500を備える点で実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10と相違する。
【0034】
図11は電子付箋をウェブページに貼り付ける処理の流れを示しており、図12は電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示する際に、コンテンツのレイアウトや構造が変化したとしても、指定された位置に電子付箋を表示する処理の流れを示している。実施例3に係わる電子付箋を生成表示するための基本的な処理の流れは、実施例1に係わる電子付箋を生成表示するための処理の流れと同様であるため、両者の相違点について説明を加える。説明の便宜上、電子付箋を生成するユーザを「登録者」と称し、登録者の生成した電子付箋を共有(参照)できる登録者以外のユーザを「共有者」と称する。
【0035】
登録者は、電子付箋の貼り付けを指定するとき、又は過去に貼り付けた電子付箋を表示するときに、ユーザID及びパスワードをユーザ情報送信部230に入力する。ユーザ情報送信部230は、入力されたユーザID及びパスワードを認証部150へ送信する。認証部150は、ユーザID及びパスワードを受け取ると、ユーザ情報ディレクトリサーバ500を使用してユーザ認証を行う。ユーザ情報ディレクトリサーバ500は各ユーザのユーザID及びパスワードを管理する機能を有している。登録者のユーザ認証が成功すると、電子付箋の貼り付け処理の場合には、認証部150から付箋情報登録部125に登録者のユーザIDが渡され、電子付箋の表示処理の場合には、認証部150から付箋情報検索部130に登録者のユーザIDが渡される。また、電子付箋の貼り付け処理の場合には、登録者は、電子付箋を共有する共有者のユーザIDをテキスト入力部220に入力する。テキスト入力部220は、入力されたユーザIDを共有者情報取得部155に送信する。
【0036】
付箋情報登録部125は、コンテンツのURL、HTMLソース、電子付箋のメモ、共有者のユーザID、及び登録者のユーザIDをURL取得部105、特定部位取得部115、メモ取得部120、共有者情報取得部155、及び認証部150からそれぞれ取得し、これらの五つの情報を統合して付箋情報を生成する。図13に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、電子付箋のメモ、登録者のユーザID、及び共有者のユーザIDの五つの情報を含む。
【0037】
電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示するときには、付箋情報検索部130は、ウェブページのURL及びユーザIDをURL取得部105及び認証部150からそれぞれ受け取る。そして、付箋情報検索部130は、URL取得部105から受け取ったURLに一致するURLを含み、且つ登録者又は共有者のユーザIDを含む付箋情報であることを検索条件として、検索条件を満たす付箋情報を付箋情報データベース300から検索し、検索条件を満たす付箋情報のリストを作成する。この付箋情報のリストは、付箋情報検索部130からコンテンツ部位類似性推定部135に渡される。
【0038】
本実施例によれば、ユーザAは自身が生成した電子付箋を参照できるだけでなく、ユーザBがユーザAの参照を許可することを前提に生成した電子付箋を参照することもできる。また、ユーザ情報ディレクトリサーバ500が、複数のユーザが属するグループをサポートする機能を有する場合には、電子付箋の参照を許可する複数の共有者を包括指定する手段として、グループ名を指定することで、グループに属する全ユーザに電子付箋の参照を許可することも可能である。
【実施例4】
【0039】
図14は実施例4に係わる電子付箋生成表示装置40の機能ブロックを示す。実施例4に係わる電子付箋生成表示装置40は、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、コンテンツを構成している長文の中の一文に着目するのに対し、実施例1に係わる電子付箋生成表示10は、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、HTMLソースのタグに着目する点で両者は相違する。実施例1では、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、HTMLソースのタグに着目しているため、<p>タグ等の内側に長文が既述されている場合には、長文の中の一文に電子付箋を貼り付けることができない。これに対し、実施例4では、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、コンテンツを構成している長文の中の一文に着目しているため、長文の中の一文に電子付箋を貼り付けることができる。
【0040】
電子付箋生成表示装置40は、電子付箋の貼り付けが指定された場所を示す要素として、コンテンツを構成する文に着目する。ここで、「文」とは、ピリオドや句点によって分割される文字列の単位である。電子付箋の貼り付けが指定された場所を示す位置情報は、例えば、以下の要素を含む。
・電子付箋の貼り付けが指定された部分の文字列(以下、Target要素と称する。)
・Target要素を含む文(以下、Parent[t]要素と称する。)
・Parent[t]要素の一つ前に存在している文(以下、Parent[t-1]要素と称する。)
・Parent[t]要素の一つ後ろに存在している文(以下、Parent[t+1]要素と称する。)
なお、Parent[t]要素の前後それぞれに二つ以上の文が存在する場合には、それらの文も電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報の要素に含めてよい。
図15は電子付箋の貼り付け場所を示す要素の具体例を示す。同図に示す文章は、あるポートレットのコンテンツにおいて、<p>タグで囲まれた長文の一部である。この文章の第二文の「IPCC」という文字列に「IPCC=Intergovernmental Panel on Climate Change」というメモを注釈として電子付箋を貼り付ける場合、Target要素は、「IPCC」という文字列である。また、Parent[t]要素は、第二文全体であり、Parent[t-1]要素は、第一文全体であり、Parent[t+1]要素は、第三文全体である。これら四つの要素は、電子付箋の貼り付け位置を示す位置情報として取り扱われる。図16に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、及び電子付箋のメモの三つの情報を含む。
【0041】
次に、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似する場所を推定する方法について、図17を参照しながら説明する。
コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報検索部130から付箋情報のリストを受け取り(ステップ1701)、HTMLソース取得部110からウェブページのHTMLソースを取得する(ステップ1702)。コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報のリストの中から一つの付箋情報を選択し(ステップ1703)、選択した付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列をHTMLソースの先頭から検索する(ステップ1704)。
【0042】
付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中から検索されない場合には(ステップ1705;NO)、ステップ1709に進む。一方、付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中から検索された場合には(ステップ1705;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報に含まれるParent[t-1]要素、Parent[t]要素、及びParent[t+1]要素と、HTMLソースに含まれるTarget要素に一致する文字列を含む文の一つ前の文、Target要素に一致する文字列を含む文、及びTarget要素に一致する文の一つ後の文のそれぞれについて、どの程度異なるかを個別に比較し、相違性スコアを算出する(ステップ1706)。相違性スコアとは、比較対象となるHTMLソースの文が、電子付箋の貼り付けが指定された場所の文にどの程度相違しているかを示す指標となる値であり、例えば、レーベンシュタイン距離を採用することができる。比較する二つの文字列が一致する場合、相違の度合いはゼロであるため、相違性スコアの値はゼロになる。比較する二つの文字列の相違の度合いが大きくなる程、相違性スコアの値は大きくなる。
【0043】
なお、相違性スコアの例として、レーベンシュタイン距離を例示したが、比較対象となるHTMLソースの文が、電子付箋の貼り付けが指定された場所の文にどの程度相違しているかを示す指標となる値を返す算出式であればよく、上述の例に限定されない。また、比較する文の数についても、上述の例に限定されるものではなく、必要に応じて文の数を調整すればよい。
【0044】
コンテンツ部位類似性推定部135は、(1)算出した相違性スコアが閾値未満に達しているか、(2)算出した相違性スコアの値がそれまでに算出した相違性スコアの中で最も小さいかについて判定する。(1)及び(2)の条件を二つとも満たす場合には(ステップ1707;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、比較対象としたHTMLソースのTarget要素を電子付箋の暫定的な貼り付け場所として記憶する(ステップ1708)。一方、(1)又は(2)の何れか一方の条件が満たされていない場合には(ステップ1707;NO)、ステップ1709に進む。
【0045】
付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索してない場合には(ステップ1709;NO)、ステップ1704に戻る。付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索した場合には(ステップ1709;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、ステップ1708で記憶済みの暫定的な貼り付け場所を電子付箋の貼り付け場所として確定する(ステップ1710)。コンテンツ部位類似性推定部135は、電子付箋の確定した貼り付け場所とメモの内容とを含む表示対象付箋リストを作成する。
【0046】
付箋情報検索部130から取得した付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行っていない場合には(ステップ1711;NO)、ステップ1703に戻る。一方、付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行った場合には(ステップ1711;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、表示対象付箋リストをHTMLソース書き換え部140に渡す(ステップ1712)。
【0047】
なお、実施例4では、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、ピリオドや句点で分割される「文」を単位としたが、「単語」等を単位としてもよい。
【0048】
本実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)コンピュータに、
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定するステップと、
推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換えるステップと、
を実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【0049】
(付記2)付記1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグ、属性、及びタグ内の内容を含み、
電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、タグ、属性、及びタグ内の内容の一致数が最大となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【0050】
(付記3)付記2に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ上位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容と、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ下位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容を含む、電子付箋生成表示プログラム。
【0051】
(付記4)付記1乃至付記3のうち何れか一つに記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
電子付箋は、マルチメディアデータを含む、電子付箋生成表示プログラム。
【0052】
(付記5)付記1乃至付記4のうち何れか一つに記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
コンピュータに、
ユーザ認証の成否に応じて電子付箋の貼り付け又は表示の可否を判定するステップを更に実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【0053】
(付記6)付記1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定された部分の文字列を含む文、当該文字列を含む文の一つ前にある文、当該文字列を含む文の一つ後ろにある文を含み、
電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、当該文字列を含む文、当該文字列を含む文の一つ前にある文、当該文字列を含む文の一つ後ろにある文との相違の度合いが最小となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【0054】
(付記7)電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定し、
推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換える、電子付箋生成表示方法。
【0055】
(付記8)電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定する推定部と、
推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換える書き換え部と、
を備える電子付箋生成表示装置。
【符号の説明】
【0056】
10,20,30,40…電子付箋生成表示装置
100…電子付箋生成表示モジュール
105…URL取得部
110…HTMLソース取得部
115…特定部位取得部
120…メモ取得部
125…付箋情報登録部
130…付箋情報検索部
140…HTMLソース書き換え部
145…マルチメディアデータ取得部
150…認証部
155…共有者情報取得部
200…ウェブブラウザ
205…コンテンツ記憶部
210…コンテンツ表示部
215…コンテンツ特定部位指定部
220…テキスト入力部
225…マルチメディアデータ送信部
230…ユーザ情報送信部
300…付箋情報データベース
400…ウェブサービス
500…ユーザ情報ディレクトリサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明はウェブページに電子付箋を生成表示するためのプログラム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットやイントラネット等のネットワークを介して閲覧できるウェブページ等の情報資源に関連情報を注釈として付与するためのツールとして、電子付箋が利用されている。特許文献1に記載の技術によれば、ユーザは、ウェブページ上の任意の位置に電子付箋を貼り付けることができる。ウェブページに貼り付けられた電子付箋は、ウェブページ上の貼り付け位置を示す座標と関連付けられて記憶される。ユーザが電子付箋を貼り付けたウェブページを再度閲覧すると、電子付箋の貼り付け位置を示す座標が読み出され、所定の貼り付け位置に電子付箋が表示される。一方、特許文献2に記載の技術によれば、ユーザはブログやニュースサイト等のウェブページ上にある記事(ある程度まとまった単位の部分コンテンツ)に電子付箋を貼り付けることができる。貼り付けられた電子付箋は、ある程度まとまった単位の部分コンテンツを一意に識別するためのID情報と、部分コンテンツ内部の相対位置を指し示すXPathとに関連付けられて記憶される。Xpathは、XML文書の特定の要素を指し示すための記述方法である。ユーザがウェブページを再度閲覧すると、電子付箋を貼り付けた部分コンテンツのID情報に一致するID情報を有する部分コンテンツがウェブページから検索され、Xpathによって指し示される部分コンテンツ内部の位置に電子付箋が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−507167号公報
【特許文献2】特開2009−140020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載の技術では、ポータルページのようにウェブページのコンテンツのレイアウトや構造が変化してしまうと、適切な位置に電子付箋を表示できないという不都合が生じる。電子付箋の表示位置がコンテンツのレイアウト変化に追随できない例として、例えば、新着メールの一覧を表示する「新着メールポートレット」を取り上げることができる。特許文献1に記載の技術では、ウェブページ上の座標に基づいて電子付箋の表示位置を求めているため、例えば、ユーザが後で確認したいメールの横に「後で確認する」という注釈の電子付箋を貼り付け、その後、新着メールポートレットのレイアウトを変更した場合、レイアウト変更前の新着メールポートレットの位置に電子付箋が表示されてしまう。レイアウト変更前の新着メールポートレットの位置には、レイアウト変更後にメールとは無関係のポートレットが置かれている場合があり、このような場合には、不本意な位置に電子付箋が表示されることになる。
【0005】
一方、特許文献2に記載の技術を用いれば、電子付箋が貼り付けられた新着メールポートレットが移動したとしても、新着メールポートレットを識別するためのID情報を基に新着メールポートレットの移動先を特定し、移動後の新着メールポートレットに関連付けて電子付箋を表示できる。しかし、特許文献2に記載の技術では、コンテンツの構造変化に追随して電子付箋を表示することができない。電子付箋の表示位置がコンテンツの構造変化に追随できない例として、例えば、RSSを読み込んで最新のフィードを所定数表示する「新着RSSフィード」を取り上げることができる。新しいフィードが配信されると、新着RSSフィードが表示しているフィード一覧も更新される。例えば、最新のフィードが一番上に追加される一方、古いフィードは一覧の下方に移動し、最終的に一覧から除外される。特許文献2の記載の技術は、ある程度まとまった単位の部分コンテンツを一意に識別するためのID情報と、部分コンテンツ内部の相対位置を指し示すXPathとを用いて電子付箋を表示する位置を求めているため、例えば、後で確認したい新着RSSフィードの横に「後で確認する」という注釈の電子付箋を貼り付け、その後、フィード一覧の更新に伴い、電子付箋が貼り付けられた新着RSSフィードの位置が変化すると、XPathではその構造変化に追随できないため、異なる新着RSSフィードの横に電子付箋が表示されてしまう。このように、コンテンツとの関連付けが強い電子付箋が全く無関係のコンテンツと関連付けられて表示されてしまうことは、ユーザの期待に沿わないものと考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明に関わる電子付箋の生成表示方法は、電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定し、推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図2】実施例1に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図3】実施例1に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図4】実施例1に関わる付箋情報の説明図である。
【図5】実施例1に関わる電子付箋生成表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例2に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図7】実施例2に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図8】実施例2に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図9】実施例2に関わる付箋情報の説明図である。
【図10】実施例3に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図11】実施例3に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図12】実施例3に関わる電子付箋生成表示の各部の処理の流れを示す説明図である。
【図13】実施例3に関わる付箋情報の説明図である。
【図14】実施例4に係わる電子付箋生成表示装置の機能ブロック図である。
【図15】実施例4に関わる電子付箋の位置情報の説明図である。
【図16】実施例4に関わる付箋情報の説明図である。
【図17】実施例4に関わる電子付箋生成表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図を参照しながら本発明の実施例について説明する。同一の機能ブロックには、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10の機能ブロックを示す。電子付箋生成表示装置10は、ハードウェア資源(プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、ディスプレイなど)を備えるコンピュータシステムであり、ウェブページに電子付箋を生成表示するための手段として、電子付箋生成表示モジュール100、ウェブブラウザ200、及び付箋情報データベース300を備えている。電子付箋生成表示モジュール100は、電子付箋を生成表示するためのプログラムモジュールであり、ウェブブラウザ200が表示中のコンテンツのURLを取得するURL取得部105と、ウェブブラウザ200が表示中のコンテンツのHTMLソースを取得するHTMLソース取得部110と、ウェブブラウザ200上で電子付箋の貼り付けが指定された部分のHTMLソースを取得する特定部位取得部115と、電子付箋の注釈として記入されたメモを取得するメモ取得部120と、電子付箋の貼り付け位置及びメモに関する情報(以下、「付箋情報」と称する。)の登録を付箋情報データベース300に依頼する付箋情報登録部125と、電子付箋が貼り付けられたコンテンツのURLと同一のURLを含む付箋情報であることを検索条件として付箋情報データベース300からその検索条件を満たす付箋情報を検索する付箋情報検索部130と、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの部分に最も類似するコンテンツの部分を推定するコンテンツ部位類似性推定部135と、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの部分に最も類似するコンテンツの部分に関連付けて電子付箋を表示するようにHTMLソースを書き換えるHTMLソース書き換え部140と、を備える。電子付箋生成表示モジュール100の上述の各部の機能は、電子付箋生成表示モジュール100と電子付箋生成表示装置10のハードウェア資源との協働により実現される。
【0012】
ウェブブラウザ200は、インターネットブラウザとしての一般的な機能を有しており、ウェブサービス400から取得したコンテンツのHTMLソース及びURLを保持するコンテンツ記憶部205と、コンテンツ記憶部205が保持するHTMLソースに従ってコンテンツをディスプレイに表示するコンテンツ表示部210と、ポインティングデバイス等によりユーザが選択及び指定する電子付箋の貼り付け場所の位置情報を受け取るコンテンツ特定部位指定部215と、ユーザが電子付箋のメモとしてダイアログウィンドウ等にテキスト入力した文字列を受け取るテキスト入力部220を備える。ウェブブラウザ200の上述の各部の機能は、ウェブブラウザ200と電子付箋生成表示装置10のハードウェア資源との協働により実現される。
【0013】
付箋情報データベース300は、電子付箋生成表示モジュール100が生成した付箋情報を記憶し、付箋情報検索部130からの要求に従って検索条件に合致する付箋情報を付箋情報検索部130に返す。
【0014】
次に、電子付箋をウェブページに貼り付ける処理の流れについて図2を参照しながら説明する。図中、矢印は情報の流れを示す。ウェブブラウザ200は、取得を要求するコンテンツのURLを含むHTTPリクエストをウェブサービス400に送信し、HTTPレスポンスとしてウェブサービス400から返信されたHTMLソースを取得する。コンテンツ記憶部205は、取得を要求したコンテンツのURLと、ウェブサービス400から取得したHTMLソースを記憶する。コンテンツ表示部210は、コンテンツ記憶部205に記憶されたHTMLソースに従ってコンテンツをディスプレイに表示する。
【0015】
ユーザは、ディスプレイに表示されたコンテンツの中で電子付箋を貼り付けたい場所を例えばポインティングデバイス等を用いて指定する。コンテンツ特定部位指定部215は、ユーザによって指定された貼り付け場所を記憶する。電子付箋の貼り付け位置の指定後、ユーザは、ツールバーやコンテキストメニュー等の手段で「電子付箋を貼り付ける」ためのコマンドを実行する。すると、電子付箋のメモを入力するためのダイアログウィンドウが表示される。ユーザは、ダイアログウィンドウを使用して電子付箋のメモを入力する。テキスト入力部220は、入力されたメモの内容を受け取り、これを記憶する。
【0016】
ウェブブラウザ200は、ユーザからの電子付箋の貼り付け場所の指定とメモ入力を受け取ると、電子付箋を生成するために必要な情報を電子付箋生成表示モジュール100に渡す。具体的には、コンテンツ記憶部205からURL取得部105にコンテンツのURLが渡される。コンテンツ記憶部205からHTMLソース取得部110にコンテンツのHTMLソースが渡される。コンテンツ特定部位指定部215から特定部位取得部115に電子付箋の貼り付け場所のHTMLソースが渡される。テキスト入力部220からメモ取得部120に電子付箋のメモが渡される。
【0017】
付箋情報登録部125は、コンテンツのURL、HTMLソース、及びメモに関する情報をURL取得部105、特定部位取得部115、及びメモ取得部120からそれぞれ取得し、これらの三つの情報を統合して付箋情報を生成する。図4に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、及び電子付箋のメモの三つの情報を含む。同図に示すように、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの部分のタグ(以下、Targetタグと称する)、Targetタグから一つ上位の階層のタグ(以下、Parentタグと称する)、Parentタグから一つ上位の階層のタグ(以下、Grandparentタグと称する)、Targetタグから一つ下位の階層のタグ(以下、Childタグと称する)のそれぞれについて、タグ(タグ名)、属性、タグ内の内容(開始タグと終了タグとの間の要素の内容)を含む。付箋情報登録部125は、付箋情報を付箋情報データベース300に登録して永続化するとともに、付箋情報をHTMLソース書き換え部140に渡す。
【0018】
HTMLソース書き換え部140は、付箋情報登録部125から付箋情報を受け取ると、付箋情報内のURLが示すHTMLソースをHTMLソース取得部110から取得する。HTMLソース書き換え部140は、電子付箋の貼り付け場所を示す位置に電子付箋が表示されるようにHTMLソースを書き換える。書き換えられたHTMLソースは、ウェブブラウザ200に渡されて、コンテンツ記憶部205に格納される。コンテンツ記憶部205は、書き換え前のHTMLソースを書き換え後のHTMLソースに置換し、書き換え後のHTMLソースをコンテンツ表示部210に渡す。コンテンツ表示部210は、電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページを書き換え後のHTMLソースに従って表示する。
【0019】
次に、電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示する際に、コンテンツのレイアウトや構造が変化したとしても、指定された位置に電子付箋を表示する処理の流れについて図3を参照しながら説明する。図中、矢印は情報の流れを示す。ウェブブラウザ200は、取得を要求するコンテンツのURLを含むHTTPリクエストをウェブサービス400に送信し、HTTPレスポンスとしてウェブサービス400から返信されたHTMLソースを取得する。コンテンツ記憶部205は、取得を要求したコンテンツのURLと、ウェブサービス400から取得したHTMLソースを記憶する。そして、コンテンツ記憶部205からURL取得部105にウェブページのURLが渡される。また、コンテンツ記憶部205からHTMLソース取得部110にHTMLソースが渡される。
【0020】
URL取得部105は、ウェブページのURLを付箋情報検索部130に渡す。付箋情報検索部130は、URL取得部105から受け取ったURLに一致するURLを含む付箋情報であることを検索条件として、検索条件を満たす付箋情報を付箋情報データベース300から検索し、検索条件を満たす付箋情報のリストを作成する。この付箋情報のリストは、付箋情報検索部130からコンテンツ部位類似性推定部135に渡される。
【0021】
コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報検索部130から付箋情報のリストを受け取ると、HTMLソース取得部110からウェブページのHTMLソースを取得する。そして、コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報のリストとHTMLソースとを使用して、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似する場所を推定する(推定方法の詳細については後述する)。この推定された電子付箋の貼り付け場所とメモの内容は、コンテンツ部位類似性推定部135からHTMLソース書き換え部140に渡される。
【0022】
HTMLソース書き換え部140は、推定された電子付箋の貼り付け場所とメモの内容をコンテンツ部位類似性推定部135から受け取ると、HTMLソース取得部140から書き換え対象のHTMLソースを取得する。HTMLソース書き換え部140は、推定された電子付箋の貼り付け場所に電子付箋とメモが表示されるように、HTMLソースを書き換える。書き換えられたHTMLソースは、HTMLソース書き換え部140からウェブブラウザ200に渡され、コンテンツ記憶部205に格納される。コンテンツ記憶部205は、書き換えられたHTMLソースを取得すると、書き換え前のHTMLソースを書き換え後のHTMLソースに置換し、書き換え後のHTMLソースをコンテンツ表示部210に渡す。コンテンツ表示部210は、推定された貼り付け場所に電子付箋が貼り付けられているウェブページを書き換え後のHTMLソースに従って表示する。
【0023】
次に、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似する場所を推定する方法について、図5を参照しながら説明する。
コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報検索部130から付箋情報のリストを受け取り(ステップ501)、HTMLソース取得部110からウェブページのHTMLソースを取得する(ステップ502)。コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報のリストの中から一つの付箋情報を選択し(ステップ503)、選択した付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグをHTMLソースの先頭から検索する(ステップ504)。
【0024】
付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中から検索されない場合には(ステップ505;NO)、ステップ509に進む。一方、付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中から検索された場合には(ステップ505;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報に含まれるTargetタグ、Parentタグ、Grandparentタグ、Childタグと、HTMLソースのTargetタグ、Parentタグ、Grandparentタグ、Childタグのそれぞれについて、タグ(タグ名)、属性、タグ内の内容が一致するか否かを個別に比較し、類似性スコアを算出する(ステップ506)。類似性スコアとは、比較対象となるHTMLソースのタグの部分が、電子付箋の貼り付けが指定された場所にどの程度類似しているかを示す指標となる値であり、例えば、一致回数/比較回数の値を採用することができる。ここで、比較回数は、タグ(タグ名)、属性、タグ内の内容を個別に比較する都度に一つずつインクリメントされるパラメータである。一致回数は、その比較の結果、一致する都度に一つずつインクリメントされるパラメータである。比較が終了した段階で、類似性スコアの値が算出される。類似性スコアの算出式が一致回数/比較回数である場合に、その値が取り得る範囲は、0.0から1.0の範囲である。類似性スコアの値が1.0に近い程、比較対象のHTMLソースのタグ部分が、電子付箋の貼り付けが指定された場所に類似している確率が高いことを示す。
【0025】
なお、類似性スコアの例として、一致回数/比較回数を例示したが、比較対象となるHTMLソースのタグの部分が、電子付箋の貼り付けが指定された場所にどの程度類似しているかを示す指標となる値を返す算出式であればよく、上述の例に限定されない。また、比較するタグの階層の数についても、上述の例に限定されるものではなく、必要に応じて階層数を調整すればよい。
【0026】
コンテンツ部位類似性推定部135は、(1)算出した類似性スコアが閾値以上に達しているか、(2)算出した類似性スコアの値がそれまでに算出した類似性スコアの中で最も大きいかについて判定する。(1)及び(2)の条件を二つとも満たす場合には(ステップ507;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、比較対象としたHTMLソースのタグの部分を電子付箋の暫定的な貼り付け場所として記憶する(ステップ508)。一方、(1)又は(2)の何れか一方の条件が満たされていない場合には(ステップ507;NO)、ステップ509に進む。
【0027】
付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索してない場合には(ステップ509;NO)、ステップ504に戻る。付箋情報に含まれるTargetタグに一致するタグがHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索した場合には(ステップ509;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、ステップ508で記憶済みの暫定的な貼り付け場所を電子付箋の貼り付け場所として確定する(ステップ510)。コンテンツ部位類似性推定部135は、電子付箋の確定した貼り付け場所とメモの内容とを含むリスト(以下、「表示対象付箋リスト」と称する)を作成する。
【0028】
付箋情報検索部130から取得した付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行っていない場合には(ステップ511;NO)、ステップ503に戻る。一方、付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行った場合には(ステップ511;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、表示対象付箋リストをHTMLソース書き換え部140に渡す(ステップ512)。
【0029】
本実施例では、上述のステップ504から510までの処理によって、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似している場所をウェブページの中から推定し、電子付箋の表示位置を決定している。特許文献1,2に記載の技術では、ポータルページのようにウェブページのコンテンツのレイアウトや構造が変化してしまうと、既述の理由により、適切な位置に電子付箋を表示できないという問題が生じるが、本実施例によれば、ウェブページのコンテンツのレイアウトや構造の変化に追随して電子付箋の表示位置を変えることができる。
【実施例2】
【0030】
図6は実施例2に係わる電子付箋生成表示装置20の機能ブロックを示す。実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10は、電子付箋の注釈としてのメモを表示する機能を有する一方、実施例2に係わる電子付箋生成表示20は、メモに替えてマルチメディアデータを電子付箋としてウェブページに貼り付ける機能を有する点で両者は相違する。具体的には、実施例2に係わるウェブブラウザ200は、テキスト入力部220に替えて、マルチメディアデータ送信部225を備える点で実施例1に係わるウェブブラウザ200と相違する。また、実施例2に係わる付箋生成表示モジュール100は、メモ取得部120に替えて、マルチメディアデータ取得部145を備える点で実施例1に係わる付箋生成表示モジュール100と相違する。
【0031】
図7はマルチメディアを電子付箋としてウェブページに貼り付ける処理の流れを示しており、図8は電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示する際に、コンテンツのレイアウトや構造が変化したとしても、指定された位置に電子付箋を表示する処理の流れを示している。実施例2に係わる電子付箋を生成表示するための基本的な処理の流れは、実施例1に係わる電子付箋を生成表示するための処理の流れと同様であるため、両者の相違点について説明を加える。マルチメディアデータ送信部225は、ユーザがグラフィカルユーザインタフェースを通じて指定した静止画、動画又は音声等のマルチメディアデータをマルチメディアデータ取得部145に送信する。マルチメディアデータ取得部145は、マルチメディアデータ送信部225から受け取ったマルチメディアデータとそのファイルフォーマットの情報を付箋情報登録部125に渡す。
【0032】
付箋情報登録部125は、コンテンツのURL、HTMLソース、及びマルチメディアデータに関する情報をURL取得部105、特定部位取得部115、及びマルチメディアデータ取得部145からそれぞれ取得し、これらの三つの情報を統合して付箋情報を生成する。図9に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、及びマルチメディアデータに関する情報の三つの情報を含む。マルチメディアデータに関する情報は、静止画、動画、又は音声等のデータと、そのデータのファイルフォーマットの情報を含む。HTMLソース書き換え部140は、付箋情報内のファイルフォーマットを参照することによって、マルチメディアデータが電子付箋としてウェブページに表示されるように、HTMLソースを書き換えるときのタグを選択する。例えば、マルチメディアデータが静止画の場合は、HTMLソース書き換え部140は、<img>タグを使用し、電子付箋としての静止画がウェブページに表示されるようにHTMLソースを書き換える。また、マルチメディアデータが動画又は音声の場合は、HTMLソース書き換え部140は、<embed>タグを使用し、電子付箋としての動画又は音声がウェブページに表示又は出力されるようにHTMLソースを書き換える。
【実施例3】
【0033】
図10は実施例3に係わる電子付箋生成表示装置30の機能ブロックを示す。実施例3に係わる電子付箋生成表示装置30は、複数のユーザが電子付箋を共有することを前提とした上で、ユーザ認証の可否に応じて電子付箋を貼り付け或いは表示する機能を有している点で実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10と相違し、その余の点で共通する。具体的には、実施例3に係わるウェブブラウザ200は、ユーザ情報送信部230を備える点で実施例1に係わるウェブブラウザ200と相違する。実施例3に係わる付箋生成表示モジュール100は、共有者情報取得部155と認証部150を備える点で実施例1に係わる付箋生成表示モジュール100と相違する。実施例3に係わる電子付箋生成表示装置30は、付箋生成表示モジュール100、付箋情報データベース300、及びユーザ情報ディレクトリサーバ500を備える点で実施例1に係わる電子付箋生成表示装置10と相違する。
【0034】
図11は電子付箋をウェブページに貼り付ける処理の流れを示しており、図12は電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示する際に、コンテンツのレイアウトや構造が変化したとしても、指定された位置に電子付箋を表示する処理の流れを示している。実施例3に係わる電子付箋を生成表示するための基本的な処理の流れは、実施例1に係わる電子付箋を生成表示するための処理の流れと同様であるため、両者の相違点について説明を加える。説明の便宜上、電子付箋を生成するユーザを「登録者」と称し、登録者の生成した電子付箋を共有(参照)できる登録者以外のユーザを「共有者」と称する。
【0035】
登録者は、電子付箋の貼り付けを指定するとき、又は過去に貼り付けた電子付箋を表示するときに、ユーザID及びパスワードをユーザ情報送信部230に入力する。ユーザ情報送信部230は、入力されたユーザID及びパスワードを認証部150へ送信する。認証部150は、ユーザID及びパスワードを受け取ると、ユーザ情報ディレクトリサーバ500を使用してユーザ認証を行う。ユーザ情報ディレクトリサーバ500は各ユーザのユーザID及びパスワードを管理する機能を有している。登録者のユーザ認証が成功すると、電子付箋の貼り付け処理の場合には、認証部150から付箋情報登録部125に登録者のユーザIDが渡され、電子付箋の表示処理の場合には、認証部150から付箋情報検索部130に登録者のユーザIDが渡される。また、電子付箋の貼り付け処理の場合には、登録者は、電子付箋を共有する共有者のユーザIDをテキスト入力部220に入力する。テキスト入力部220は、入力されたユーザIDを共有者情報取得部155に送信する。
【0036】
付箋情報登録部125は、コンテンツのURL、HTMLソース、電子付箋のメモ、共有者のユーザID、及び登録者のユーザIDをURL取得部105、特定部位取得部115、メモ取得部120、共有者情報取得部155、及び認証部150からそれぞれ取得し、これらの五つの情報を統合して付箋情報を生成する。図13に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、電子付箋のメモ、登録者のユーザID、及び共有者のユーザIDの五つの情報を含む。
【0037】
電子付箋の貼り付けが過去に指定されたウェブページを再度表示するときには、付箋情報検索部130は、ウェブページのURL及びユーザIDをURL取得部105及び認証部150からそれぞれ受け取る。そして、付箋情報検索部130は、URL取得部105から受け取ったURLに一致するURLを含み、且つ登録者又は共有者のユーザIDを含む付箋情報であることを検索条件として、検索条件を満たす付箋情報を付箋情報データベース300から検索し、検索条件を満たす付箋情報のリストを作成する。この付箋情報のリストは、付箋情報検索部130からコンテンツ部位類似性推定部135に渡される。
【0038】
本実施例によれば、ユーザAは自身が生成した電子付箋を参照できるだけでなく、ユーザBがユーザAの参照を許可することを前提に生成した電子付箋を参照することもできる。また、ユーザ情報ディレクトリサーバ500が、複数のユーザが属するグループをサポートする機能を有する場合には、電子付箋の参照を許可する複数の共有者を包括指定する手段として、グループ名を指定することで、グループに属する全ユーザに電子付箋の参照を許可することも可能である。
【実施例4】
【0039】
図14は実施例4に係わる電子付箋生成表示装置40の機能ブロックを示す。実施例4に係わる電子付箋生成表示装置40は、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、コンテンツを構成している長文の中の一文に着目するのに対し、実施例1に係わる電子付箋生成表示10は、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、HTMLソースのタグに着目する点で両者は相違する。実施例1では、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、HTMLソースのタグに着目しているため、<p>タグ等の内側に長文が既述されている場合には、長文の中の一文に電子付箋を貼り付けることができない。これに対し、実施例4では、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、コンテンツを構成している長文の中の一文に着目しているため、長文の中の一文に電子付箋を貼り付けることができる。
【0040】
電子付箋生成表示装置40は、電子付箋の貼り付けが指定された場所を示す要素として、コンテンツを構成する文に着目する。ここで、「文」とは、ピリオドや句点によって分割される文字列の単位である。電子付箋の貼り付けが指定された場所を示す位置情報は、例えば、以下の要素を含む。
・電子付箋の貼り付けが指定された部分の文字列(以下、Target要素と称する。)
・Target要素を含む文(以下、Parent[t]要素と称する。)
・Parent[t]要素の一つ前に存在している文(以下、Parent[t-1]要素と称する。)
・Parent[t]要素の一つ後ろに存在している文(以下、Parent[t+1]要素と称する。)
なお、Parent[t]要素の前後それぞれに二つ以上の文が存在する場合には、それらの文も電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報の要素に含めてよい。
図15は電子付箋の貼り付け場所を示す要素の具体例を示す。同図に示す文章は、あるポートレットのコンテンツにおいて、<p>タグで囲まれた長文の一部である。この文章の第二文の「IPCC」という文字列に「IPCC=Intergovernmental Panel on Climate Change」というメモを注釈として電子付箋を貼り付ける場合、Target要素は、「IPCC」という文字列である。また、Parent[t]要素は、第二文全体であり、Parent[t-1]要素は、第一文全体であり、Parent[t+1]要素は、第三文全体である。これら四つの要素は、電子付箋の貼り付け位置を示す位置情報として取り扱われる。図16に示すように、付箋情報は、コンテンツのURL、電子付箋の貼り付け場所を示す位置情報、及び電子付箋のメモの三つの情報を含む。
【0041】
次に、電子付箋の貼り付けが指定された場所に最も類似する場所を推定する方法について、図17を参照しながら説明する。
コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報検索部130から付箋情報のリストを受け取り(ステップ1701)、HTMLソース取得部110からウェブページのHTMLソースを取得する(ステップ1702)。コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報のリストの中から一つの付箋情報を選択し(ステップ1703)、選択した付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列をHTMLソースの先頭から検索する(ステップ1704)。
【0042】
付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中から検索されない場合には(ステップ1705;NO)、ステップ1709に進む。一方、付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中から検索された場合には(ステップ1705;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、付箋情報に含まれるParent[t-1]要素、Parent[t]要素、及びParent[t+1]要素と、HTMLソースに含まれるTarget要素に一致する文字列を含む文の一つ前の文、Target要素に一致する文字列を含む文、及びTarget要素に一致する文の一つ後の文のそれぞれについて、どの程度異なるかを個別に比較し、相違性スコアを算出する(ステップ1706)。相違性スコアとは、比較対象となるHTMLソースの文が、電子付箋の貼り付けが指定された場所の文にどの程度相違しているかを示す指標となる値であり、例えば、レーベンシュタイン距離を採用することができる。比較する二つの文字列が一致する場合、相違の度合いはゼロであるため、相違性スコアの値はゼロになる。比較する二つの文字列の相違の度合いが大きくなる程、相違性スコアの値は大きくなる。
【0043】
なお、相違性スコアの例として、レーベンシュタイン距離を例示したが、比較対象となるHTMLソースの文が、電子付箋の貼り付けが指定された場所の文にどの程度相違しているかを示す指標となる値を返す算出式であればよく、上述の例に限定されない。また、比較する文の数についても、上述の例に限定されるものではなく、必要に応じて文の数を調整すればよい。
【0044】
コンテンツ部位類似性推定部135は、(1)算出した相違性スコアが閾値未満に達しているか、(2)算出した相違性スコアの値がそれまでに算出した相違性スコアの中で最も小さいかについて判定する。(1)及び(2)の条件を二つとも満たす場合には(ステップ1707;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、比較対象としたHTMLソースのTarget要素を電子付箋の暫定的な貼り付け場所として記憶する(ステップ1708)。一方、(1)又は(2)の何れか一方の条件が満たされていない場合には(ステップ1707;NO)、ステップ1709に進む。
【0045】
付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索してない場合には(ステップ1709;NO)、ステップ1704に戻る。付箋情報に含まれるTarget要素に一致する文字列がHTMLソースの中に存在するか否かを最後まで検索した場合には(ステップ1709;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、ステップ1708で記憶済みの暫定的な貼り付け場所を電子付箋の貼り付け場所として確定する(ステップ1710)。コンテンツ部位類似性推定部135は、電子付箋の確定した貼り付け場所とメモの内容とを含む表示対象付箋リストを作成する。
【0046】
付箋情報検索部130から取得した付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行っていない場合には(ステップ1711;NO)、ステップ1703に戻る。一方、付箋情報のリストの中に含まれる全ての付箋情報について電子付箋の貼り付け位置の推定を行った場合には(ステップ1711;YES)、コンテンツ部位類似性推定部135は、表示対象付箋リストをHTMLソース書き換え部140に渡す(ステップ1712)。
【0047】
なお、実施例4では、電子付箋の貼り付け場所を推定する要素として、ピリオドや句点で分割される「文」を単位としたが、「単語」等を単位としてもよい。
【0048】
本実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)コンピュータに、
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定するステップと、
推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換えるステップと、
を実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【0049】
(付記2)付記1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグ、属性、及びタグ内の内容を含み、
電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、タグ、属性、及びタグ内の内容の一致数が最大となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【0050】
(付記3)付記2に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ上位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容と、電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ下位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容を含む、電子付箋生成表示プログラム。
【0051】
(付記4)付記1乃至付記3のうち何れか一つに記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
電子付箋は、マルチメディアデータを含む、電子付箋生成表示プログラム。
【0052】
(付記5)付記1乃至付記4のうち何れか一つに記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
コンピュータに、
ユーザ認証の成否に応じて電子付箋の貼り付け又は表示の可否を判定するステップを更に実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【0053】
(付記6)付記1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
位置情報は、電子付箋の貼り付けが指定された部分の文字列を含む文、当該文字列を含む文の一つ前にある文、当該文字列を含む文の一つ後ろにある文を含み、
電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、当該文字列を含む文、当該文字列を含む文の一つ前にある文、当該文字列を含む文の一つ後ろにある文との相違の度合いが最小となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【0054】
(付記7)電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定し、
推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換える、電子付箋生成表示方法。
【0055】
(付記8)電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基にウェブページの中から電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定する推定部と、
推定された場所に電子付箋が表示されるようにウェブページのソースを書き換える書き換え部と、
を備える電子付箋生成表示装置。
【符号の説明】
【0056】
10,20,30,40…電子付箋生成表示装置
100…電子付箋生成表示モジュール
105…URL取得部
110…HTMLソース取得部
115…特定部位取得部
120…メモ取得部
125…付箋情報登録部
130…付箋情報検索部
140…HTMLソース書き換え部
145…マルチメディアデータ取得部
150…認証部
155…共有者情報取得部
200…ウェブブラウザ
205…コンテンツ記憶部
210…コンテンツ表示部
215…コンテンツ特定部位指定部
220…テキスト入力部
225…マルチメディアデータ送信部
230…ユーザ情報送信部
300…付箋情報データベース
400…ウェブサービス
500…ユーザ情報ディレクトリサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基に前記ウェブページの中から前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定するステップと、
前記推定された場所に前記電子付箋が表示されるように前記ウェブページのソースを書き換えるステップと、
を実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記位置情報は、前記電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグ、属性、及びタグ内の内容を含み、
前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、前記タグ、前記属性、及び前記タグ内の内容の一致数が最大となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記位置情報は、前記電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ上位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容と、前記電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ下位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容を含む、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記電子付箋は、マルチメディアデータを含む、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザ認証の成否に応じて前記電子付箋の貼り付け又は表示の可否を判定するステップを更に実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記位置情報は、前記電子付箋の貼り付けが指定された部分の文字列を含む文、前記文字列を含む文の一つ前にある文、前記文字列を含む文の一つ後ろにある文を含み、
前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、前記文字列を含む文、前記文字列を含む文の一つ前にある文、前記文字列を含む文の一つ後ろにある文との相違の度合いが最小となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項7】
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基に前記ウェブページの中から前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定し、
前記推定された場所に前記電子付箋が表示されるように前記ウェブページのソースを書き換える、電子付箋生成表示方法。
【請求項8】
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基に前記ウェブページの中から前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定する推定部と、
前記推定された場所に前記電子付箋が表示されるように前記ウェブページのソースを書き換える書き換え部と、
を備える電子付箋生成表示装置。
【請求項1】
コンピュータに、
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基に前記ウェブページの中から前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定するステップと、
前記推定された場所に前記電子付箋が表示されるように前記ウェブページのソースを書き換えるステップと、
を実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記位置情報は、前記電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグ、属性、及びタグ内の内容を含み、
前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、前記タグ、前記属性、及び前記タグ内の内容の一致数が最大となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記位置情報は、前記電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ上位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容と、前記電子付箋の貼り付けが指定されたコンテンツの場所のタグから一つ下位の階層のタグ、属性、及びタグ内の内容を含む、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記電子付箋は、マルチメディアデータを含む、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザ認証の成否に応じて前記電子付箋の貼り付け又は表示の可否を判定するステップを更に実行させるための電子付箋生成表示プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載の電子付箋生成表示プログラムであって、
前記位置情報は、前記電子付箋の貼り付けが指定された部分の文字列を含む文、前記文字列を含む文の一つ前にある文、前記文字列を含む文の一つ後ろにある文を含み、
前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所は、前記文字列を含む文、前記文字列を含む文の一つ前にある文、前記文字列を含む文の一つ後ろにある文との相違の度合いが最小となる場所である、電子付箋生成表示プログラム。
【請求項7】
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基に前記ウェブページの中から前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定し、
前記推定された場所に前記電子付箋が表示されるように前記ウェブページのソースを書き換える、電子付箋生成表示方法。
【請求項8】
電子付箋の貼り付けが指定されたウェブページのコンテンツの場所を示す位置情報を基に前記ウェブページの中から前記電子付箋の貼り付け場所に最も類似する場所を推定する推定部と、
前記推定された場所に前記電子付箋が表示されるように前記ウェブページのソースを書き換える書き換え部と、
を備える電子付箋生成表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−203831(P2012−203831A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70317(P2011−70317)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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