説明

電子体温計

【課題】腋窩に対する電子体温計のフィット感を増すために測温部材にスポンジを被せたとしても、体温を短時間で測定できるようにする。
【解決手段】温度センサ13を内蔵した測温部材11に、柔軟性を有するスポンジ21から成るキャップ部材20を被せて成る電子体温計100において、温度センサ13により測定される温度が初期温度T(0)から中間温度T(t)に達するまでの経過時間t32を検出し、当該検出した経過時間t32、初期温度T(0)および中間温度T(t)を、温度変化特性をモデル化した予測演算式に代入して被測温者の体温である飽和温度を予測演算することにより、測温部材11にスポンジ21を被せることによって熱伝導率が低下したとしても、温度センサ13により測定される温度が実際に長い時間をかけて飽和状態となる前の早い段階で飽和温度を予測演算することで、被測温者の体温を短時間で測定できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子体温計に関し、特に、腋窩(脇の下の窪んだところ)に挟んで体温を測定するタイプの電子体温計に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されている電子体温計は、温度センサを先端に有する棒状の測温部材を腋窩に挟んで使用する形態であり、痩身者にとってはフィット感が悪く、腋窩で体温計を保持することが困難であった。そのため、測定中に測温部材が腋窩で動いてしまい、体温をうまく測れずに再測定をすることが頻発しており、看護業務にも支障をきたしている。
【0003】
このような不都合を解消するために、本体全てを腋窩に入る大きさにし、その形状を円盤状もしくは楕円盤状にした電子体温計(例えば、特許文献1参照)、温度センサを備えたハウジングを湾曲形状またはディスク形状にした電子体温計(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。また、先端の測温部材に熱伝導構造を配置することによって腋窩との接触面積を大きくすることにより、測温部材を腋窩に完全に接触させることができるようにした電子体温計も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
ところが、人の腋窩は形状が千差万別であり、上記特許文献1〜3のように電子体温計の形状を工夫したとしても、腋窩に完全にはフィットしない。これに対して、体温計の測温部材が存在する前方ハウジング部に、柔軟性を有する材料から成るキャップ部材を設けた電子体温計が提案されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に記載の電子体温計はキャップ部材を耳の穴に入れて体温を測定するタイプであるが、これを腋窩測温タイプの電子体温計に応用すれば、腋窩に対するフィット感を増すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−189408号公報
【特許文献2】特開2005−308448号公報
【特許文献3】特開2007−24858号公報
【特許文献4】特開平11−2569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献4では、柔軟性を有する材料の具体例が開示されておらず、人間の身体と同程度の弾性を有する材料と記載されているのみである。このような柔軟性材料として考えられるのはスポンジや弾性ゴムなどである。しかしながら、これらの柔軟性材料は金属と比べて熱伝導率が低いため、腋窩の体温が柔軟性材料を介して温度センサに伝わりにくくなり、体温の測定時間が長くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、腋窩に対する電子体温計のフィット感を増すために、スポンジや弾性ゴムなどの柔軟な材料から成るキャップまたはカバーを用いたとしても、体温を短時間で測定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、温度センサを内蔵した測温部材に、柔軟性を有する材料から成るキャップ部材を被せて成る電子体温計であって、温度センサにより測定される温度が初期温度から飽和温度に至る途中の中間温度と、初期温度から中間温度に達するまでの経過時間とを、温度変化特性をモデル化した予測演算式に代入して飽和温度を予測演算し、当該飽和温度を被測温者の体温として検出するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、被測温者の身体(腋窩)に対する電子体温計のフィット感を増すために、柔軟性材料から成るキャップ部材を測温部材に被せることによって熱伝導率が低下したとしても、温度センサにより測定される温度が実際に長い時間をかけて飽和状態となる前の早い段階で飽和温度が予測演算されるので、被測温者の体温を短時間で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態による電子体温計の外観構成例を示す図である。
【図2】本実施形態による本体とキャップ部材の断面構造を示す図である。
【図3】本実施形態による演算装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の初期温度および中間温度、中間温度に達するまでの経過時間を説明するための模式図である。
【図5】本実施形態の温度センサにより測定される温度の変化の様子を示す図である。
【図6】本実施形態の温度センサにより測定される温度の変化特性をモデル化した回路図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による電子体温計の外観構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の電子体温計100は、本体10と柔軟性を有する材料から成るキャップ部材20とにより構成されている。
【0012】
本体10は、図1では図示しない温度センサおよび演算装置(例えば、マイクロコンピュータなど)を内蔵している。また、本体10は、先端に棒状の測温部材11を備えるとともに、やや中央に表示装置12を備えている。温度センサは測温部材11の先端位置に内蔵され、当該温度センサと演算装置とが電気的に接続されている。
【0013】
キャップ部材20は、本体10に対して着脱可能に構成されている。図2は、本体10およびキャップ部材20の断面構造を示す図であり、本体10は測温部材11の側を部分的に図示している。図2に示すように、キャップ部材20は、柔軟性を有する材料が球状のウレタンスポンジ21(以下、スポンジ21と略す)で構成されており、その一部に略円筒状の円穴22が形成されている。円穴22の内壁には、接着性および離型性の相反する性質を合わせ持つコンダクティブシリコーン23(以下、シリコーン23と略す)が塗着されている。
【0014】
本体10の測温部材11は、円穴22とほぼ同じかそれより少しだけ径の小さい円筒形状をしており、円穴22の中に挿入できるような形状および大きさに構成されている。測温部材11を円穴22の中に挿入すると、測温部材11は内壁のシリコーン23と接触する。シリコーン23は自身の接着性により測温部材11に密着し、これによってキャップ部材20が測温部材11に保持される。また、シリコーン23が持つ離型性により、被測温者が外力を加えてキャップ部材20を測温部材11から取り外すことも容易にできる。
【0015】
測温部材11の内部には、温度センサ13が備えられている。測温部材11は熱伝導率の高い材料(例えば、金属)で構成されており、温度センサ13と内壁で接触している。温度センサ13は、配線14を介して演算装置15に接続されている。このような構成により、被測温者の腋窩に電子体温計100を挟むと、被測温者の腋窩からキャップ部材20のスポンジ21とシリコーン23、さらに本体10の測温部材11を介して温度センサ13に体温が伝わる。そして、温度センサ13により測定された温度が、配線14を介して演算装置15に送られるようになっている。
【0016】
図3は、演算装置15の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の演算装置15は、温度センサ13により測定される温度に基づいて被測温者の体温を演算するものであり、その機能構成として、経過時間検出部51および飽和温度演算部52を備えている。
【0017】
経過時間検出部51は、温度センサ13により測定される温度が所定の中間温度に達するまでの経過時間を検出する。中間温度とは、被測温者が電子体温計100を腋窩に挟んで体温測定を行ったときに、温度センサ13により測定される温度が初期温度から徐々に上昇していって被測温者の体温で飽和状態となるまでの途中で測定される温度のことである。
【0018】
図4は、初期温度および中間温度、当該中間温度に達するまでの経過時間を説明するための模式図である。図4において、グラフは時間と共に温度が上昇する様子を模式的に示したものであり、T(0)が初期温度、T(t)が中間温度、t32が経過時間を示している。初期温度T(0)は、電子体温計100に対してデフォルトで設定された固定の温度であり、図5の例では30℃としている。例えば、電子体温計100に測定開始スイッチを設ける場合は、当該測定開始スイッチが押下されたときに初期温度T(0)がデフォルトの30℃に初期化される。また、電子体温計100に測定開始スイッチを設けない場合は、温度センサ13により測定される温度が徐々に上昇していって30℃になったときを初期温度T(0)としても良い。
【0019】
中間温度T(t)は、あらかじめ決められた温度であり、図5の例では32℃としている。また、経過時間t32は、被測温者の体温測定を開始してから、温度センサ13により測定される温度が初期温度T(0)から中間温度T(t)に達するまでに要した時間である。
【0020】
図5は、温度センサ13により測定される温度の変化の様子を示す図である。図5において、グラフAは、キャップ部材20を本体10に取り付けず、測温部材11を直接的に腋窩で挟んで被測温者の体温を測定したときの温度変化を示している。一方、グラフBは、キャップ部材20を本体10に取り付けて、スポンジ21を腋窩で挟んで被測温者の体温を測定したときの温度変化を示している。スポンジ21は金属製の測温部材11に比べて熱伝導率が低いため、キャップ部材20を取り付けて体温を測定すると、グラフBのように温度上昇カーブはグラフAよりも緩くなり、飽和温度に達するまでの時間が長くなってしまう。
【0021】
そこで本実施形態では、電子体温計100に対してデフォルトで設定された初期温度T(0)と、温度センサ13により測定される温度が飽和状態に達するまでの途中の温度であらかじめ決められた中間温度T(t)と、温度センサ13により測定される温度が初期温度T(0)から中間温度T(t)に達するまでに要した経過時間t32とを用いて、飽和温度演算部52により所定の演算を行うことにより、飽和温度を予測する。
【0022】
すなわち、飽和温度演算部52は、あらかじめ決められた初期温度T(0)と、あらかじめ決められた中間温度T(t)と、経過時間検出部51により検出された経過時間t32とを、被測温者の身体からキャップ部材20のスポンジ21およびシリコーン23と本体10の測温部材11とを介して温度センサ13に体温が伝わることによって起こる温度変化特性をモデル化した予測演算式に代入して演算することにより、温度センサ13により測定される飽和温度を予測する。
【0023】
図6は、温度センサ13により測定される温度の変化特性をモデル化した回路図を示す図である。図6において、Cは熱容量、Rは熱抵抗である。ここで、nは次数を表す。次数とは、腋窩の体温が温度センサ13に伝わるまでの間に熱伝導率の異なる材料をいくつ経由するかを示したものである。本実施形態では、被測温者の腋窩から温度センサ13に被測温者の体温が伝わるまでの間に、スポンジ21、シリコーン23、測温部材11の3つの材料を経由するので、n=3となる。
【0024】
すなわち、図6において、C,Rは温度センサ13と直接接している測温部材11の熱容量と熱抵抗とを示し、C,Rは当該測温部材11と接触するシリコーン23の熱容量と熱抵抗とを示し、C,Rは当該シリコーン23と接触しているスポンジ21の熱容量と熱抵抗とを示している。図6ではn次まで一般化して示しているが、本実施形態による電子体温計100の場合は4次以降の熱容量と熱抵抗はない。
【0025】
n=1の場合、つまりキャップ部材20を本体10に取り付けず、測温部材11を直接的に腋窩で挟んで被測温者の体温を測定した場合、1次温度変化式は次の(式1)で表わされる。ここで、T(t)はn=1の場合に経過時間tのタイミングで温度センサ13により測定される温度を示し、τは測温部材11の時定数(=C・R)を示している。また、Tは演算により求めたい飽和温度を示している。本実施形態では中間温度を32℃としているから、t=t32とした場合、被測温者の腋窩から測温部材11を介して温度センサ13に体温が伝わることによって起こる温度変化特性をモデル化した予測演算式は、(式1)を変形して(式2)のように表せる。
【0026】
【数1】

【0027】
一方、n次の温度変化式は次の(式3)で表わされる。同様に、t=t32とした場合、被測温者の腋窩からスポンジ21、シリコーン23および測温部材11を介して温度センサ13に体温が伝わることによって起こる温度変化特性をモデル化した予測演算式は、(式3)をn=3として変形することで(式4)のように表すことができる。ここで、T(t=t32)はn=3の場合に経過時間t32のタイミングで温度センサ13により測定される温度(つまり32℃)を示している。また、τは測温部材11の時定数(=C・R)、τはシリコーン23の時定数(=C・R)、τはスポンジ21の時定数(=C・R)を示している。
【0028】
【数2】

【0029】
飽和温度演算部52は、初期温度T(0)=30℃と、中間温度T(t32)=32℃と、経過時間t32とを(式4)に代入して演算することにより、温度センサ13により測定される飽和温度Tを予測する。なお、測温部材11の時定数τ、シリコーン23の時定数τ、スポンジ21の時定数τは、既知の値を(式4)に代入する。表示装置12は、飽和温度演算部52により演算された飽和温度Tを被測温者の体温として表示する。
【0030】
なお、(式3)を時間tで微分すると、次の(式5)のようになる。そして、この(式5)をt=t32として変形することで(式6)のように表すことができる。さらに、(式4)および(式6)からT(0)を消去すると、飽和温度Tは(式7)により表わすことができる。したがって、飽和温度演算部52は、中間温度T(t32)=32℃と経過時間t32とを(式7)に代入して演算することにより、温度センサ13により測定される飽和温度Tを予測することも可能である。つまり、中間温度T(t32)に達するまでの経過時間t32さえ検出すれば、被測温者の体温である飽和温度Tを計算することができる。
【0031】
【数3】

【0032】
以上詳しく説明したように、本実施形態の電子体温計100では、温度センサ13を内蔵した測温部材11に、柔軟性を有するスポンジ21から成るキャップ部材20を着脱可能に被せるとともに、被測温者の体温を予測演算する演算装置15を備える。そして、演算装置15において、温度センサ13により測定される温度が所定の中間温度T(t32)に達するまでの経過時間t32を検出し、その経過時間t32を用いて被測温者の体温である飽和温度Tを予測演算するようにしている。
【0033】
このように構成した本実施形態の電子体温計100によれば、被測温者の腋窩に対する電子体温計100のフィット感を増すために、柔軟性を有するスポンジ21から成るキャップ部材20を測温部材11に被せることによって熱伝導率が低下したとしても、温度センサ13により測定される温度が実際に長い時間をかけて飽和状態となる前の早い段階(経過時間t32に達した段階)で飽和温度Tが予測演算されるので、被測温者の体温を短時間で測定することができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、柔軟性を有する材料としてスポンジ21を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、弾性ゴム、ゲル、軟性樹脂などを用いても良い。
【0035】
また、上記実施形態では、柔軟性を有する材料としてスポンジ21を用いる例について説明したが、スポンジ21は水分を吸収しやすく、水分を吸収すると熱伝導率が変わる可能性がある。そこで、スポンジ21の表面を撥水コーティングしておくのが好ましい。撥水コーティングをした場合、被測温者の腋窩から温度センサ13に被測温者の体温が伝わるまでの間に、コーティングされた撥水材料、スポンジ21、シリコーン23、測温部材11の4つの材料を経由するので、温度変化特性をモデル化した予測演算式は4次の温度変化式となる。
【0036】
また、上記実施形態では、キャップ部材20を本体10に対して着脱可能に構成しているが、これはスポンジ21が汚れてきた場合に新しいものに取り換えることができるようにするためである。よって、本発明が解決しようとする課題との関係では着脱可能にすることは必須の構成ではなく、本体10の測温部材11に対してキャップ部材20を一体的に構成しても良い。この場合、シリコーン23の代わりに接着剤を用いることが可能である。
【0037】
また、上記実施形態では、本体10の測温部材11とキャップ部材20とを着脱可能に取り付けるための構成としてシリコーン23を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、シリコーン23の代わりに硬質な材料(例えば、金属など)を用い、当該硬質材料の一部に凹状の窪みを設けておく。一方、測温部材11の一部に凸状で可塑性を有する係止部を設け、この係止部を窪みに嵌合させることによってキャップ部材20を測温部材11に保持するようにしても良い。可塑性を有する部材を用いる代わりに硬質の材料(例えば、金属など)を用い、当該硬質材料をばね等により移動可能にしても良い。
【0038】
また、上記実施形態では、スポンジ21の大きさについては特に言及しなかったが、例えば幼児用、子供用、大人用にスポンジ21の大きさを変えたキャップ部材20をいくつか用意し、被測温者に応じて何れかを使用するようにしても良い。この場合、スポンジ21の大きさに応じて温度変化特性が変わる可能性があるので、どの大きさのスポンジ21が装着されたかに応じて、飽和温度演算部52で使用する予測演算式を切り替えられるようにするのが好ましい。
【0039】
どの大きさのスポンジ21が装着されたかを検出する方法は、いくつか考えられる。例えば、本体10に切替スイッチを設け、この切替スイッチの操作によりスポンジ21の大きさを指定できるようにしても良い。または、上述のように凹状の窪みと凸状の係止部とにより測温部材11とキャップ部材20とを着脱可能に構成する場合、測温部材11に凸状の係止部を3つ設けるとともに、キャップ部材20には幼児用、子供用、大人用でそれぞれ異なる位置に窪みを設け、どの位置の係止部が窪みに嵌るべく移動したかを検出することにより、装着されたスポンジ21の大きさを自動的に検知できるようにしても良い。
【0040】
また、上記実施形態では、温度センサ13により測定される温度が所定の中間温度T(t32)に達するまでの経過時間t32を検出し、所定の中間温度T(t32)と経過時間t32とを飽和温度Tの予測演算に用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、経過時間検出部51に代えて、温度センサ13による温度の測定開始から所定の経過時間tに達したときの中間温度T(t)を検出する中間温度検出部を備え、所定の経過時間tとそのときの中間温度T(t) とを飽和温度Tの予測演算に用いるようにしても良い。
【0041】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 本体
11 測温部材
12 表示装置
13 温度センサ
14 配線
15 演算装置
20 キャップ部材
21 スポンジ
22 円穴
23 シリコーン
51 経過時間検出部
52 飽和温度演算部
100 電子体温計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサを内蔵した測温部材に、柔軟性を有する材料から成るキャップ部材を被せて成る電子体温計であって、
上記温度センサにより測定される温度に基づいて被測温者の体温を演算する演算装置と、上記演算装置により演算された上記被測温者の体温を表示する表示装置とを備え、
上記演算装置は、
上記温度センサにより測定される温度が所定の中間温度に達するまでの経過時間を検出する経過時間検出部と、
上記中間温度および上記経過時間を、上記被測温者の身体から上記キャップ部材および上記測温部材を介して上記温度センサに体温が伝わることによって起こる温度変化特性をモデル化した予測演算式に代入して演算することにより、上記温度センサにより測定される飽和温度を予測する飽和温度演算部とを備え、
上記表示装置は、上記飽和温度演算部により演算された上記飽和温度を上記被測温者の体温として表示することを特徴とする電子体温計。
【請求項2】
上記経過時間検出部に代えて、上記温度センサによる温度の測定開始から所定の経過時間に達したときの中間温度を検出する中間温度検出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。
【請求項3】
上記柔軟性を有する材料はスポンジであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。
【請求項4】
上記スポンジの表面は撥水コーティングされていることを特徴とする請求項3に記載の電子体温計。
【請求項5】
上記柔軟性を有する材料は弾性ゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。
【請求項6】
上記柔軟性を有する材料はゲルであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−64595(P2011−64595A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216105(P2009−216105)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、文部科学省、都市エリア産学官連携促進事業(発展型)委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(502435889)学校法人長崎総合科学大学 (20)
【Fターム(参考)】