説明

電子時計

【課題】電池残量と使用者の操作等に応じて変化する機能の状態と、電池残量とを、大型化を避け低コストで、1つの指針を用いて表示するようにした電子時計を提供すること。
【解決手段】所定の機能を実行するとともに、外部操作部材7による操作と電源8の残量に基づいて互いに異なる第1状態と第2状態とを選択する機能実行手段21と、機能実行手段21の動作を制御する制御手段23を有し、指針41の第1回転範囲43内に、機能実行手段が第1状態であることを表す情報と電源の残量を表す情報45a〜45cとを同時に表示する第1表示部45を設け、第1回転範囲43とは異なる指針41の第2回転範囲44内に、機能実行手段が第2状態であることを表す情報と電源の残量を表す情報46a〜46eとを同時に表示する第2表示部46を設けた電子時計。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指針で情報を表示する電子時計に関する。更に詳しくは、電子時計が有する機能の状態と電源の残量とを同時に指針によって視認することができる電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の普及に伴い、携帯電話機と無線で交信することができる時計(特に腕時計)を利用して、携帯電話の有する機能を間接的に制御するか、または、携帯電話が有する情報を腕時計に送信して腕時計で表示するという要求が生まれてきた。そしてその制御や表示が実行中であるかどうかを示す表示が必要になるとともに、無線による交信には通常の時計機能よりも大きな電力が必要であるため、時計の備える電源である電池の残量(使用可能な残存電気量)の変化にも注意を促す必要がある。更にその時計を、メカニックで高級感のある指針式時計として実現することも求められている。
【0003】
<特許文献1の説明>
従来から、携帯電話機のような携帯型の、従って電源の容量に制約のある電子機器について、その機能の実行中に、電池の残量、あるいは今後継続して機能の実行を継続できる時間についての情報を表示する技術が種々提案されている。下記特許文献1はその一例である。
【0004】
特許文献1は、通信可能距離、通信速度、通信中の消費電力が互いに異なる2つの通信方式を使用者が選択して用いることができる携帯電話機を記載している。そして、使用者がどちらの通信方式を使用中であるかという情報と、それぞれの通信方式のいずれかを継続する場合、それぞれの通信方式について使用可能な残り時間に関する情報を、携帯電話機の表示画面上に表示する。
【0005】
図11は特許文献1の図6における、上記情報を表わすモニタ150に表示された図形を示す。円筒型電池の断面を模した2つの凸型外形の枠を有するインジケータ150Aと150Bは、それぞれ無線LAN通信方式(WLANの文字で表示され、通信範囲は比較的狭いが通信速度が速く、消費電力はより小さい)とW−CDMA方式(より広範な通信範囲をサポートするが、通信速度と消費電力が異なる)とに対応しており、枠の表示色が濃い方が使用中の方式に対応する。
【0006】
凸型の枠内に並べられた数個の短冊形の図形は、濃色を呈するものの数が多いほど電源電池の残量が多いこと、従って通話可能な残り時間が長いことを段階的に示している。即ち、同図(a)は現在WLAN方式を用いているが、いずれの通信方式を用いても残存通信時間が十分多いこと、(b)、(c)はそれぞれの下部に記載した説明文のように、一方の通信方式のみが使用できる状態、また両方式とも使用できなくなった状態を示している。
【0007】
このようなインジケータを備えることにより、携帯電話の使用者は、気がつかないうちに、一方の通信方式が使用できなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0008】
<特許文献2の説明>
特許文献2は、電池の残量を表示するものではないが、指針によって腕時計における機能の実行状態を表示する、電波腕時計の例を記載している。図12(特許文献2の図2を使用)において、時計の文字板の外周部には、ほぼ1〜4時の角度範囲に、上からH、M
、L、NO/E、RXの各文字マークが記され、またほぼ8〜11時の角度範囲に、上からH、M、L、NO/W、RXの各文字マークが記されている。
【0009】
標準時刻信号を含む標準電波を受信する動作を時計が行ったとき、通常は時刻を表示している秒針が臨時に移動して、上記文字マークの1つを指す。これによって、標準電波の前回の受信結果を使用者に知らせることができる。
【0010】
文字NOは受信が不成功であったことを、Hは受信感度のレベルが十分良好であったことを、Mはまずまずであったことを、Lは受信はできたが感度が良好ではなかったことを示す。また文字Eは文字板の右側(3時側)に並ぶマークは標準電波の東側の発信局(福島県)に対応し、Wは文字板の左側(9時側)に並ぶマークが西側の発信局(佐賀県)に対応することを示している。またマークRXは、受信が設定された所定時ではなく、使用者の操作によって強制的に行われた場合にまず秒針によって指示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−206952号公報
【特許文献2】特開2003−121571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載された技術のように、2つの状態と、それぞれの状態における電池の残量を表示したい場合、これを指針によるアナログ的表示で実現しようとすると、例えば2つの状態の一方を指示する指針と、電池の残量を指示する指針の2つの指針を必要とし、それらを駆動する2つの電気機械変換器(モータ)を必要とするし、文字板上にスペースも要し、小型化の点でもコストの点でも不利である。
【0013】
特許文献2に記載された技術は、指針を用いてはいるが、電池残量に関する情報は表示しないし、電池残量に関連させた機能状態の表示は行われていない。
【0014】
結局、電子時計の指針によるアナログ的表示により、電池残量と、この電池残量に依存するとともに使用者の選択や使用環境によって状態が変化する機能の動作状態とを、小型化および低コスト化が可能な様式によって、視認しやすく表示する従来の技術は見出せなかった。
【0015】
本発明の目的は、電源の残量と使用者の操作や使用状況に応じて変化する機能の状態と、電源残量とを、大型化を避け低コストで、1つの指針を用いてわかり易く表示するようにした電子時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
外部操作部材と、電源と、指針と、該指針を駆動する指針駆動手段と、所定の機能を実行するとともに、少なくとも前記外部操作部材による操作と前記電源の残量に基づいて、互いに異なる第1状態と第2状態とをとる機能実行手段と、該機能実行手段の動作を制御する制御手段を有し、前記指針の第1回転範囲内に、前記機能実行手段が前記第1状態であることを表す情報と前記電源の残量を表す情報とを同時に表示する第1表示部を設け、前記第1回転範囲とは異なる前記指針の第2回転範囲内に、前記機能実行手段が前記第2状態であることを表す情報と前記電源の残量を表す情報とを同時に表示する第2表示部を設けたことを特徴とする。
【0017】
このような構成にすることによって、1つの指針を用い、その回転範囲を分割して、機
能実行手段が2つの状態のいずれにあるかの情報と、使用している状態における電源の残量とが同時に表示されるので、表示がわかりやすく、また電子時計の大型化とコストアップを避けることができる。
【0018】
前記第1表示部で表示する残量情報と、前記第2表示部で表示する残量情報の少なくとも一部が同じ残量を表示することを特徴とする。
【0019】
また更にこのような構成にすることによって、第1、第2表示部での残量表示を共通化させ、残量の確認を容易にすることができる。
【0020】
前記第1表示部においては、前記指針の1つの指示部で前記第1状態にあることと前記残量情報とを表示し、前記第2表示部においては、前記1つの指示部で前記第2状態にあることと前記残量情報とを表示する表示態様としたことを特徴とする。
【0021】
また更にこのような構成にすることによって、指針の1つの指示部を見るだけで、容易に2つの情報を読み取ることができる。
【0022】
前記外部操作部材の操作に基づいて、前記制御手段が前記機能実行手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるときに、前記制御手段は前記第1表示部で表示していた残量の値を前記第2表示部で表示するように前記指針駆動手段を制御し、前記外部操作部材の操作に基づいて、前記制御手段が前記機能実行手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替えるときに、前記制御手段は前記第2表示部で表示していた残量の値を前記第1表示部で表示するように前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。
【0023】
また更にこのような構成にすることによって、機能実効手段が第1状態から第2状態に切り替わったり、第2状態から第1状態に切り替わったりしても、切り替え前に表示していた残量に対応する残量が切替え後にも表示されるので機能実効手段の状態と残量の2つの情報の読み取りが容易になる。
【0024】
前記第2表示部に、前記電源の残量が所定値未満であることを表す2つの残量低下表示部を設け、前記制御手段は、前記電源の残量が所定値以上から所定値未満に変化したことにより、前記第1状態にある前記機能実行手段を前記第2状態に切り替えるとともに、 前記機能実行手段が前記第1状態にある間に前記電源の残量が前記所定値以上から前記所定値未満に低下した場合には、前記指針が前記2つの残量低下表示部の一方を指示し、 前記機能実行部が前記第2状態にある間に前記電源の残量が前記所定値以上から前記所定値未満に低下した場合には、前記指針が前記2つの残量低下表示部の他方を指示するように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。
【0025】
また更にこのような構成にすることによって、指針が2つの残量低下表示部のいずれにあるかを見ることにより、第1状態からの残量低下により第2状態に移行したのか、第2状態において残量低下が生じたのかを容易に識別することができる。
【0026】
前記第1回転範囲と前記第2回転範囲の角度の和を360度未満に設定し、さらに、360度までの余剰の角度範囲を利用して前記指針の第3回転範囲を設け、該第3回転範囲内に、前記第1表示部と前記第2表示部とは異なる情報を表示する第3表示部を設けたことを特徴とする。
【0027】
また更にこのような構成にすることによって、同じ指針を用いて他の情報も得られるので、表示部材の有効利用性を増すことができる。
【0028】
前記第1表示部と前記第2表示部とを互いに対向するように配置し、一方の表示部においては時計回りに前記残量が多い状態から少ない状態に変化したことを表わす指標を設け、他方の表示部においては反時計回りに前記残量が多い状態から少ない状態に変化したことを表わす指標を設けたことを特徴とする。
【0029】
また更にこのような構成にすることによって、互いに対向する2つの表示部において、残量の変化の向きが同じになり、感覚的にわかり易くなる。
【0030】
前記第1表示部は前記指針の回転軸からの半径が第1長さの位置に円弧状に設けられ、前記第2表示部は前記指針の回転軸からの半径が前記第1長さとは異なる第2長さの位置に円弧状に設けられていることを特徴とする。
【0031】
また更にこのような構成にすることによって、2つの表示部を感覚的に分離し、明確に認識することができる。
【0032】
前記所定機能は、他の無線通信機器との無線通信によるリンク接続が可能な無線通信機能であって、前記機能実行手段は前記リンク接続を実現する無線通信手段であり、前記第1状態は前記リンク接続がなされているリンク接続状態であり、前記第2状態は前記リンク接続がなされていないリンク切断状態であることを特徴とする。
【0033】
また更にこのような構成にすることによって、他の無線通信機器とのリンク接続状態かリンク切断状態かの視認判別が容易な電子時計を提供できる。
【0034】
前記リンク接続状態において、前記外部操作部材の第1操作により、あるいは前記残量が第1所定値以下になるか、または前記リンク接続が不可能な通信距離となったとき、前記リンク接続状態から前記リンク切断状態に切り替わり、前記リンク切断状態において、前記残量が前記第1所定値を上回るかまたは前記第1所定値を上回る第2所定値以上であり、かつ前記リンク接続が可能な通信距離であるときに、前記外部操作手段による第2操作によって、前記リンク接続状態に切り替わるように、前記制御手段が前記機能実行手段を制御することを特徴とする。
【0035】
また更にこのような構成にすることによって、使用者は、電源の残量状態を確認し、リンク切断状態からリンク接続状態に移行することができるかどうかを一目で確認することができる。
【発明の効果】
【0036】
電源の残量と、外部操作部材による操作と電源の残量とに依存する機能の状態を、1つの指針で表示するので、その機能を有する電子時計の小型化および低コスト化を可能にするとともに、これらの情報が同時に表示されるので、使用者にわかり易いという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1における指針式腕時計1の外観の正面図と、腕時計1に内蔵される、本発明に関する電子回路2の機能構成を表示したブロック図である。
【図2】実施例1の部分正面図で、表示部4の態様を示す。
【図3】実施例1の指針41の移動を示す図である。
【図4】実施例1の指針41の移動を示す図である。
【図5】制御手段23の動作のフローチャートである。
【図6】表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例1における表示部4の態様を示す。
【図7】表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例2における表示部4の態様を示す。
【図8】表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例3における表示部4の態様を示す。
【図9】表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例4における表示部4の態様を示す。
【図10】実施例2の部分正面図で、表示部4の態様を示す。
【図11】従来例1(特許文献1)におけるモニタ画面の正面図である。
【図12】従来例2(特許文献2)における指針表示面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、通常の時刻表示機能の他に、外部機器と無線で交信することによりリンク接続し、それを制御する機能を備えた指針式電子時計の実施例について説明する。
【実施例1】
【0039】
図1は、指針式腕時計1の正面の外観と、腕時計1に内蔵される、本発明に関する電子回路2を機能ブロック手段として表示したブロック図を示す。3は時計の表示面で、時針3a、分針3bの他、小さめの指針が指示することによって機能情報が表示される機能表示部4、5、6を有する。指針41を備えた機能表示部4が本発明に関わるものである。通常の時刻表示機能については説明を省略する。さらに、機能表示部5、6は本発明以外の機能(例えばカレンダの日付、他の機能の使用状態、クロノグラフ等)の表示に関するものであるため、これらについても詳細な説明は省略する。外部操作部材7(リューズ7a、プッシュボタン7b、7c等)は本発明に関する機能を含めて時計の有する機能を制御するものである。
【0040】
電池8は時計全体の電源である。電池8は一次電池には限られず、二次電池や容量素子であってもよい。また図示しないが、光発電装置や温度差発電装置、あるいはその他の充電用装置を併設していてもよい。
【0041】
無線通信手段21は機能実行手段であり、電子時計1の外部に存在する他の無線通信機器(図示しないが、例えば腕時計の使用者が別途身近に所持する携帯電話機)と短距離(例えば約10m以内)の無線通信により交信する。この交信が成立している状態を接続している、リンクしている、またはリンクONの状態であるといい、外部無線機器との交信が切断されたか、できない状態をリンクOFFという。
【0042】
電子時計1は他の無線通信機器から情報を受け取って使用者に知らせる。(例えばメールが着信したことを知らせる信号を受けて、電子時計の振動アラーム機構を駆動する等。)また、電子時計1からは例えば使用者が外部操作部材7のいずれかを操作することによって他の無線通信機器に対してその動作を制御する信号を発信するようにしてもよい。(例えば携帯電話機に対して受信確認の返信を指示するとか、後刻まで返信を保留するよう指示する等。)
【0043】
無線による送受信は、双方の機器が特定される必要があり、例えばBluetooth(登録商標)方式などが用いられる。リンクONの状態は、双方の機器間で時々認証信号が相互に確認されて維持される。双方の機器間の通信は、傍受されないよう特定の周波数で行われる。また、無線通信は、普通の時計機能における場合と比較して、格段に消費電力が大きいので、電池8の残存電気量(以下、電池残量、または単に残量とも記すことがある)には注意を払わなければならない。電池電圧検出手段22は、残存電気量と相関が高い情報として電池8の電圧を所定の時間間隔で監視し、制御手段23にその情報を伝える。
【0044】
制御手段23には、外部操作部材7の操作信号、無線通信手段21による相手機器からの信号、電池電圧検出手段22からの電圧信号が入力され、制御手段23は、それらの情報を総合して時計1の機能表示部4の指針41を適切な角度位置まで駆動する作用を担う指針駆動手段24に対して駆動信号を出力する。
【0045】
図2は電子時計1の表示面3のほぼ2時位置にあるほぼ円形の表示部4のみの正面図で、その詳細を拡大して示すものである。
【0046】
表示部4には、指針41と、その回転範囲(本実施例では円形をなす小文字板)と、それが指示する、3種類に大きく区分けされた表示部(小文字板の外周部付近に設けられ、文字板3に印刷等の手段によって固定された表示)が含まれるものとする。
【0047】
<第1回転範囲と第1表示部>
時計の表示面3の10時半−4時半方向に平行し、指針41の回転軸を通って表示部4上に引いた仮想直線42の右側(表示面3の3時側)の135度にわたる表示部4の領域は、本実施例における指針41の第1回転範囲43である。この範囲内に第1表示部45を設ける。第1表示部45に指針41があるときは、機能実行手段が第1の状態にあることを示す。即ち本実施例においては無線通信手段21によって電子時計1と外部の無線通信機器(例えば携帯電話機)がリンクON状態であることを示す。なお、領域45cに連続して領域46eが設けられているが、これは後術する第2表示部に属する。
【0048】
本実施例においては、第1の回転範囲43の角度範囲の全部に第1表示部45を設ける。第1表示部45には、指標として、上端が太く、下端が細い円弧状の図形が画かれ、それが更にほぼ扇形の3つの領域45a、45b、45cに区分されている。扇形の厚み(円弧の半径方向の幅)は、領域45aが最も大きく、以下順に45cに向かって小さくなっている。電池残量が低下すると、この順で指針41の指示が変化する。これらは電源電池8の残量(残存する電気量)の、多い状態から少ない状態への変化を時計周りに視覚的に表示させるためのものである。
【0049】
指針41が扇形厚みが最大である領域45aを指しているときは、リンクONでかつ電池8の残量が十分(ほぼ満タンまたはそれに近い)であることを示す。また領域45bを指すときは、残量がやや減ったがまだリンクONを十分維持できる状態であることを示す。また領域45cを指すときは、リンクONを維持しているが、電池残量が乏しくなった状態を示す。
【0050】
リンクON状態で電池残量が更に低下すると、もはやリンクONを維持することは断念され、制御手段23は無線通信手段21を自動的に停止させ、リンクOFFにする。このとき指針41は、後述する最も薄い扇形領域46eを指示する。
【0051】
このように、第1表示部45では、リンクONであることと電池の残量とを同時に表示す
る。
【0052】
<第2回転範囲と第2表示部>
仮想直線42の左側(9時側)の左下の90度にわたる表示部4の領域44は、本実施例における指針41の第2回転範囲44であり、この角度範囲内に第2表示部46を設ける。即ち、第2表示部46に指針41があるときは、機能実行手段が第2の状態であること、即ち本実施例においては、電子時計1と他の無線通信機器とのリンクがOFFであることを示す。第1表示部45と第2表示部46は、指針軸の中心を通る仮想線42を挟んで互いに対向するように配置されている。
【0053】
指針41が第2表示部46を指示する場合は、本実施例においては次のとおりである。(1)外部操作部材7によってリンクを切断する操作がなされたとき、(2)リンクON状態であったが、電子時計1と外部の無線通信機器(携帯電話機等)との距離が離れてしまい、相互に認証信号を交換できず、通信不可能状態となったとき、(3)リンクON状態から電池残量が不足してリンクOFFとなったとき、(4)前記(3)から更にリンクON操作がないまま状態が変化した場合。(例えば電池残量が回復した場合が該当するが、一旦リンクOFFになると、残量が回復しても、自動的にリンクONには戻らない。再びリンクONとするには使用者がその操作をしなければならない。)
第2表示部46には、指標として、回転範囲の全部に上端が太く下端が細い円弧状の図形が画かれ、それが更にほぼ扇形の5つの領域46a、46b、46c、46d、46eに区分されている。扇形の厚み(円弧の半径方向の幅)は、領域46aが最も大きく、以下順に46dや46e(これらはほとんど三角形状をなす)に向かって小さくなっている。電池残量が低下すると、46a、46b、46c、46dの順で指針41の指示が変化する。また、第1表示部の領域45cから電池残量が低下すると、領域45cから領域46eに指針41の指示が変化する。これらは電源電池8の残量(残存する電気量)の、多い状態から少ない状態への変化を反時計周りに視覚的に表示させたものである。
指針41が扇形厚みが最大である領域46aを指しているときは、リンクOFFではあるが、リンクON時に領域45aを指すときとほぼ同量の電池残量があることを示している。領域46bと領域45b、領域46cと領域45cも電池残量に関しては相互にほぼ等しくしてある。このように、第1表示部と第2表示部とで、ほぼ同じ残量を表示する表示部を設けることで、リンクON状態とリンクOFF状態との間の状態の変化に対応して、残量を表示することができる。
【0054】
また、領域46dと46eは、領域45cと46cよりも少ない電池残量であることを示している。このようにしておくと、リンクOFF状態からリンクON状態に切り替えようとする場合、リンクON状態ではどのくらいの電池残量になるかを操作前に予知できるので便利である。
【0055】
指針41が領域46dと46e(いずれもほぼ三角形状)を指すときは、電池8の消耗が進んでしまい、リンクONに切り替えようとしても最早それに耐えるだけの残量がなくなった状態であることを示すものである。
【0056】
このように、第2表示部46では、リンクOFFであることと電池の残量とを同時に表示する。
【0057】
尚、指針41が領域46cにあるときは、領域46dや46eに比較すると電池残量は比較的高いが、リンク接続をするとすぐに電池8の消耗が進む可能性があるため、リンクONに切替えることが禁止された状態であることを示すものである。なお、この領域46cとほぼ同じ電池残量である、リンクON状態の領域45cでは、リンクON状態を維持させている。
【0058】
すなわち、リンクONからOFFに自動的切り替わる電池残量45cを第1所定値としたとき、リンクOFFからONに切替えることが可能な電池残量46bを、第1所定値より高い電池残量である第2所定値を上回る条件に設定することで、リンクOFF状態からリンクON状態に切替えたときに、すぐに、リンクON状態からリンクOFF状態に戻ることを防止している。
【0059】
また、このような心配がない場合は、リンクONからOFFに自動的切り替わる電池残量45cを第1所定値としたときに、リンクOFFからONに切替えることが可能な電池残量を、第1所定値と同じ電池残量46cに設定してもよい。
【0060】
<状態が変化した場合における、第1、第2表示部間の指針の移動>
数個の例を示し、指針41の動作を明確にする(既述の事項との重複もある)。図3、図4は、指針41の移動を示す図である。
(1)リンクOFF→ON切替操作:領域46a,46b→同段階の45a,45bへ。図3(a)は、指針41が領域46bから領域45bに移動した例である。
(2)リンクON→OFF切替操作:領域45a〜45c→同段階の46a〜46cへ。図3(b)は、指針41が領域45bから領域46bに移動した例である。
(3)リンクON中に相手機器との距離が、通信不能になるまで離れた:領域45a〜45c→残量が同じ段階の46a〜46cへ。この表示例を図3(b)に示す。
(4)リンクONのまま残量低下:領域45c→領域46eへ。この表示例を図3(c)に示す。
(5)リンクOFFのまま残量低下:領域46c→領域46dへ。この表示例を図3(d)に示す。
(6)(4)の状態から残量が回復:領域46e→46d→46c〜46aへ。図4(a)は、指針41が領域46eから領域46d、領域46dから領域46cに移動した例である。
(7)(5)の状態から残量が回復:第2表示部46内で46d→46c〜46aへ。図4(b)は、指針41が領域46dから領域46cに移動した例である。
(8)領域46c,46dからのリンクON切替操作→不可。リンクONせず、指針移動もない。図4(c)は、指針41が領域46cから移動しない場合の例である。
【0061】
第2表示部に、電池残量が低下したことを示す2つの領域46eと46dを設け、一方の領域46eは、図3(c)のように、リンクON状態にある間に45c以上から45c未満に電池残量が低下してリンクOFFに切り替わった状態を表示し、他方の領域46eは、図3(d)のように、リンクOFF状態にある間に電池残量が46c以上から46c未満に低下したことを表示することで、電池残量とリンクOFF状態であることだけではなく、自動的にリンクONからOFFに切り替わってしまったのか否かを知ることもできる。
【0062】
<第3回転範囲と第3表示部>
仮想直線42を跨る左上の90度の領域47は、本実施例における指針41の第3回転範囲であり、第1回転範囲43と第2回転範囲44の余剰の角度範囲に設けたものである。すなわち、第1回転範囲43と第2回転範囲の確度の和が360度未満に設定されていて、360度までの残りの角度が余剰の角度である。この角度範囲内に設けた第三表示部48に指針41があるときは、指針41は機能実行手段の状態には限らず、電子時計1における他の情報を表示する。本実施例においては、7つの曜日に対応する英字の頭文字をこの領域に配し、このうちの1字を指針41が指すことにより、カレンダの曜日表示を行う。この表示を行わせるときには、外部操作部材7を操作して、電子時計1をカレンダ表示モードに設定しておくものとする。
【0063】
<制御手段の動作のフローチャート>
図5は制御装置23の動作を説明するフローチャートである。
【0064】
制御手段23は、動作スタート後、まずステップ301ではリンクが切断されていて、次のステップ302で指針駆動手段24を介して指針41を駆動し、表示部4の第2表示部(第2回転範囲)の領域46a〜46eを用いてリンクOFFであることとそのときの電池残量を表示させる。
【0065】
次いでステップ303でリンク接続操作をしたかを判定する。リンク接続操作は、プッシュボタン7cの押下である。YESであれば次に進み、ステップ304では電池残量が4段階表示で2以上(領域44aまたは44b相当)あるかがチェックされる。YESならば次に外部の無線機器との相互認証のための交信が行われ、ステップ305で認証成功したかを問う。更にYESならばステップ306でリンクONとし、次のステップ307で指針41が第1表示部45に移動してリンクONであることを示し、該当する残量の領域(この場合は45aまたは45b)を指す(リンクON状態で無線通信動作が開始される)。なお、ステップ304で、残量が領域46c〜46e〔残量レベルが「1」または「0」〕に相当するときは、接続操作をしても残量不足とされ、リンクONにはならない。
【0066】
次にステップ308で電池残量がまだ段階1(領域45c相当)あるかがチェックされ、YESであれば更にステップ309でリンク切断操作があったか否かがチェックされる。またステップ310でリンクONを維持できているか(通信中、間欠的に認証交信を行って確認動作をしている)がチェックされ、YESであればステップ306の入口側に戻り、以上の動作ループが反復されてリンクON状態が継続される。
【0067】
ステップ303、304、305、309、310のいずれかでもし判定結果がNOであれば、動作ルートはステップ301の入口側に戻って、リンクが一旦切断される。もしステップ308の判定結果がNOであるときはステップ311にて一旦リンクを切断し、ステップ312で指針41を第2表示部の領域46eに移動させ残量なしを表示させる。次にステップ313にて電池残量が回復したかがチェックされる。その結果がYES(回復あり)であれば、ステップ314で表示部46a〜46dにより電池残量とリンクOFFであることを表示する。そして、ステップ303に戻ってメインの動作を反復し、NOであればステップ311〜313のループを反復する。
【0068】
<実施例1の変形例1>
図6は表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例1における表示部4の態様を示す。
【0069】
本変形例は、表示部4の固定表示のみを変更したもので、指針41や他の回路手段等についての変更はない。本変形例の要点は、第2表示部46の一部(領域46a〜46d)を指針41の先端の回転半径よりも内側に食い込ませるように配置したことである。
【0070】
第1表示部45は、指針41の回転軸から半径r1の位置にあり、第2表示部46は、それよりも短い、指針41の回転軸から半径r2〜r1の位置にある。
【0071】
こうすることにより、表示部4が時計表示面3の2時側等にあって、第2表示部46が時分針3a、3bの指針軸(時計の中心軸)に接近している場合、第2表示部46の領域46を中心軸からやや離すことによって第2表示部付近の見易さを改善したものである。なお、更なる変形例として、第2表示部を、指針41の先端の回転軌跡の内部に完全に入れてしまうことにより、更に時計の中心軸付近のデザインをすっきりさせることもできる

【0072】
また、仮に、表示部4が、表示面3の2時位置以外の位置にあり、第1表示部45の方が第2表示部46よりも時分針3a,3bの指針軸に近い場合は、第1表示部45を半径r2の位置に配置し、第2表示部46を半径r1の位置に配置するとよい。
【0073】
<実施例1の変形例2>
図7は表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例2における表示部4の態様を示す。
【0074】
本変形例は、実施例の変形例1において、更に第3表示部における曜日を表す文字を指針41の回転軸から遠ざけて配置したもので、その分、電池残量及びリンクON/OFF状態と曜日とが区別されて見やすくなり、曜日の文字間隔が広くなって各文字も大きくすることができる利点がある。実施例1に比してその他の変更はない。
【0075】
<実施例1の変形例3>
図8は表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例3における表示部4の態様を示す。
【0076】
本変形例の表示部4は、実施例1の表示部4の固定表示を、曜日文字の向きのみを保って、反時計回りに約90度回転させたものである。制御回路23にも、指針の初期位置を与える構成に関する以外の変更はない。本変形例では、第1表示部と第2表示部のそれぞれにおける電池残量方向表示を、表示面3における2時半−8時半方向の仮想直線42’を基準として残量減少方向を同じ向き(略2時半から8時半に向かう方向に減少すること)となるので、実施例1と同様な見易さを求めることができる。
【0077】
<実施例1の変形例4>
図9は表示面3の部分正面図で、実施例1の変形例3における表示部4の態様を示す。
【0078】
本変形例は、第2表示部46における領域46a、46b、46c、46dの4つの領域の円周上の配列方向を、実施例1(図2)のような反時計方向から、第1表示部45における各表示領域45a〜45cと同じ方向である時計方向に変更したものである。
【0079】
また第3表示部も省略された。電池残量領域の位置や角度の変更に伴い、制御手段23の構成のうち、指針駆動手段24に与える信号を作成する回路構成の一部も変化する。なお、第1・第2両状態における電池残量を指示する領域の配置方向を、いずれも逆に反時計方向としてもよい。
【0080】
実施例1においては、指針41が第1表示部、第2表示部のどちらにあっても、残量の変化方向は時計表示面3の下方向(6時方向)が少ないという一定の直感的わかり易さがあったが、第1、第2表示部の配列の回転方向が同じという本変形例の表示態様も、それなりの読み取り易さを有する。また、第1、第2表示部で、同じ残量の領域に等しい角度を与えることができるのも自然である。
【実施例2】
【0081】
図10は表示面3の部分正面図で、実施例2における表示部4の態様を示す。
【0082】
本実施例においては、指針41は、1つの指針の回転軸の両側に2つの指示部41aと41bを有する。固定表示部は、第1表示部45における、第1状態であることを示す領域45fと、電池残量表示の領域45a〜45cとを分離して設け、前者を指針の指示部41aの第1回転範囲43aを用いて指示し、後者を指示部41bの第1回転範囲43bで指示する。
【0083】
同様に、第2表示部46における、第2状態であることを示す領域46fと、電池残量表示の領域46a〜46dとを分離して設け、前者を指針の指示部41aの第2回転範囲44aを用いて指示し、後者を指示部41bの第2回転範囲44bによって指示する。
【0084】
尚、実施例1の第2表示部における領域46eに対応する領域を本実施例では設けていない。従って、リンクONで、指示部41bが第1表示部の領域45cを指示している状態から電池電圧が低下した場合は、リンクOFFとなり、指示部41bは、第2表示部の領域46dを表示する。
【0085】
このような指示方式でも、例えば、既述の実施例1の変形例4と同等で、かつ必要な情報が得られる。なお、第1表示部45やそれに属する領域45a〜45cと、第2表示部46やそれに属する領域46a〜46dとの視覚的な区別を容易にするため、二つの表示部・領域には、例えば図示のように、色または模様の差を与えている。なお、2種類の領域には形状の差があってもよい。
【0086】
本実施例では、実施例1の変形例4(図9)とは、指針41の回転角(半分になる)、回転方向(残量減となる方向が反時計方向で、図9とは逆)となる相違がある。それらの差に応じて指針41の指示位置が異なるので、制御手段23において、指針駆動手段24に与える指針駆動信号を作成する手段の論理構成が異なる。
【0087】
<その他の実施例または変形例>
以下、上述したもの以外の、実施例や変形例について例示的に述べる。
(1)機能実行手段とその状態表示のそのほかの例。
(a)機能実行手段が電子時計外部の室内照明の調光制御を行う無線通信手段であり、互いに異なる状態の表示として、この通信手段のON状態とOFF状態を表示する。
(b)機能実行手段が電子時計内部にある振動モータであり、互いに異なる状態の表示として、この振動モータを駆動可能な状態と可能でない状態を表示する。
(c)機能実行手段が、電子時計内部にある、モータで駆動される負荷、計測用のセンサ(気圧、水圧、その他)、タッチパネルなど殊に比較的消費電力の多い機能を実現する負荷やセンサであり、互いに異なる状態の表示として、これらを動作可能な状態と可能でない状態を表示する。
(2)既述の実施例や変形例では、第2表示部にリンクOFFの2つの電池残量表示部(領域46dと46e)を設けたが、この領域ではどちらを表示していてもリンクOFFとなるので、一方を省略することも可能である。
(3)既述の実施例では、第1表示部/第2表示部に、それぞれリンクON/リンクOFF状態を対応させたが、その他に表示することが望ましい情報(状態)があればそれを対応させてもよい。(例えば、通信不安定状態であった等。)そのため、第3表示部をそれに当てるか、あるいは第4表示部を更に設けるようにしてもよい。また、この情報は、無線通信以外に関するものでもよい。
【0088】
(4)第1表示部45、第2表示部46、電池残量を示す領域45a〜45c、46a〜46e等の表示の形態は、各領域の表示内容の把握と識別を容易にするために、既述の例示にこだわらず、それらの形状、色、模様、指針が指示する角度範囲等を自由に設定してよいし、あるいは文字や記号を併記してもよい。例えば、電池残量が最も多い領域45aや46aの色を濃くし、電池残量が最も少ない領域45dや46eの色を薄くし、その中間の領域45b,45c,46b,46cの色を、中間の濃さにすることにより、色の濃さで、電池残量を識別容易にしても良い。
(5)指針(41)の色や形態についても自由である。また、専用の指針を設けず、時刻表示用の時針、分針、秒針、あるいは他の機能指示針を流用してもよい。また、実施例2
のよう指針が複数の指示部を有する場合、複数の指示部は指針の回転軸の反対側(180度)に設けることに限定されない。例えば、両指示部41aと41bとが90度の角をなしてもよい。
(6)指針がある領域を指すとき、電池残量を粗い段階の1つとして示すのではなく、その領域内での細かい変位によって、電池残量の変化を更に細かく表示してもよい。
(7)電池残量を表示する段階の数(細かさ)は任意である。また、残量に応じて表示の粗密を変えてもよい。
(8)各表示部の形態は自由である。その他にも、本発明の範囲内で、種々の変形が可能である。例えば、指針41の可動範囲が360度未満の扇表示とし、その範囲内に第1表示部45と第2表示部46を設けても良い。また、リンクON,リンクOFF以外の状態である第3状態であることを表示する表示部を設けても良い。例えば、図2に示した第1〜第3表示部45,46,48に、通信手段が電池残量にかかわらず、外部操作部材によるリンク接続を禁止するリンクOFF状態であることと、電池残量とを同時に表示する第4表示部を追加しても良い。この場合は、第1〜第3表示部45,46,48の回転範囲を狭くして、360度までの余剰の角度範囲を第4回転範囲とし、そこに第4表示部を設けることで実現することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 電子時計
2 電子回路
21 無線通信手段
22 電池電圧検出手段
23 制御手段
24 指針駆動手段
3 時計の表示面
3a 時針
3b 分針
4 表示部
41 指針
42、42’ 仮想直線
43、43a、43b 第1回転範囲
44、44a、44b 第2回転範囲
45 第1表示部
45a、45b、45c 第1表示部の領域
45d 残量低下表示部
46 第2表示部
46a、46b、46c、46d、46e 第2表示部の領域
46d 残量低下表示部
47 第3回転範囲
48 第3表示部
5、6 他の表示部
7(7a、7b、7c) 外部操作部材
8 電池
150 特許文献1におけるモニタ画面
301〜313 制御手段の動作ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部操作部材と、電源と、指針と、該指針を駆動する指針駆動手段と、
所定の機能を実行するとともに、少なくとも前記外部操作部材による操作と前記電源の残量に基づいて、互いに異なる第1状態と第2状態とをとる機能実行手段と、
該機能実行手段の動作を制御する制御手段を有し、
前記指針の第1回転範囲内に、前記機能実行手段が前記第1状態であることを表す情報と前記電源の残量を表す情報とを同時に表示する第1表示部を設け、
前記第1回転範囲とは異なる前記指針の第2回転範囲内に、前記機能実行手段が前記第2状態であることを表す情報と前記電源の残量を表す情報とを同時に表示する第2表示部を設けたことを特徴とする電子時計。
【請求項2】
前記第1表示部で表示する残量情報と、前記第2表示部で表示する残量情報の少なくとも一部が同じ残量を表示することを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
前記第1表示部においては、前記指針の1つの指示部で前記第1状態にあることと前記残量情報とを表示し、前記第2表示部においては、前記1つの指示部で前記第2状態にあることと前記残量情報とを表示する表示態様としたことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【請求項4】
前記外部操作部材の操作に基づいて、前記制御手段が前記機能実行手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるときに、前記制御手段は前記第1表示部で表示していた残量の値を前記第2表示部で表示するように前記指針駆動手段を制御し、
前記外部操作部材の操作に基づいて、前記制御手段が前記機能実行手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替えるときに、前記制御手段は前記第2表示部で表示していた残量の値を前記第1表示部で表示するように前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項5】
前記第2表示部に、前記電源の残量が所定値未満であることを表す2つの残量低下表示部を設け、前記制御手段は、
前記電源の残量が所定値以上から所定値未満に変化したことにより、前記第1状態にある前記機能実行手段を前記第2状態に切り替えるとともに、
前記機能実行手段が前記第1状態にある間に前記電源の残量が前記所定値以上から前記所定値未満に低下した場合には、前記指針が前記2つの残量低下表示部の一方を指示し、
前記機能実行部が前記第2状態にある間に前記電源の残量が前記所定値以上から前記所定値未満に低下した場合には、前記指針が前記2つの残量低下表示部の他方を指示するように、
前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項6】
前記第1回転範囲と前記第2回転範囲の角度の和を360度未満に設定し、さらに、360度までの余剰の角度範囲を利用して前記指針の第3回転範囲を設け、該第3回転範囲内に、前記第1表示部と前記第2表示部とは異なる情報を表示する第3表示部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項7】
前記第1表示部と前記第2表示部とを互いに対向するように配置し、一方の表示部においては時計回りに前記残量が多い状態から少ない状態に変化したことを表わす指標を設け、他方の表示部においては反時計回りに前記残量が多い状態から少ない状態に変化したことを表わす指標を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項8】
前記第1表示部は前記指針の回転軸からの半径が第1長さの位置に円弧状に設けられ、前記第2表示部は前記指針の回転軸からの半径が前記第1長さとは異なる第2長さの位置に円弧状に設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項9】
前記所定機能は、他の無線通信機器との無線通信によるリンク接続が可能な無線通信機能であって、前記機能実行手段は前記リンク接続を実現する無線通信手段であり、
前記第1状態は前記リンク接続がなされているリンク接続状態であり、前記第2状態は前記リンク接続がなされていないリンク切断状態であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項10】
前記リンク接続状態において、前記外部操作部材の第1操作により、あるいは前記残量が第1所定値以下になるか、または前記リンク接続が不可能な通信距離となったとき、前記リンク接続状態から前記リンク切断状態に切り替わり、
前記リンク切断状態において、前記残量が前記第1所定値を上回るかまたは前記第1所定値を上回る第2所定値以上であり、かつ前記リンク接続が可能な通信距離であるときに、前記外部操作手段による第2操作によって、前記リンク接続状態に切り替わるように、
前記制御手段が前記機能実行手段を制御することを特徴とする請求項9に記載の電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−150035(P2012−150035A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9625(P2011−9625)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【Fターム(参考)】