説明

電子時計

【課題】標準電波の受信制御を複雑化せずに容易且つ適切に夏時間の設定を行うことが出来る電子時計を提供する。
【解決手段】標準電波の受信手段と、標準電波から時刻情報と夏時間実施情報とを取得する時刻取得手段と、設定地点の時刻に係る所定の情報を記憶する時刻設定記憶手段と、時刻情報、夏時間実施情報、及び、所定の情報に基づいて設定地点の現在時刻を算出する算出手段と、を備え、所定の情報には、夏時間の実施有無の切替タイミングを示す情報が含まれ、算出手段は、標準電波の受信処理中に夏時間の実施有無の切替タイミングとなった場合には、標準電波の受信処理の完了後に、標準電波の受信に失敗したか、又は、取得された夏時間実施情報が夏時間の実施有無の切替タイミング前のものであったかの条件を満たすか判断し、条件を満たす場合には、夏時間の実施有無に係る切り替えを行って現在時刻を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、夏時間の自動切換え機能を備えた電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夏時間(サマータイム、DST(Daylight Saving Time)とも記す)の実施期間中に、この夏時間による時刻表示に切り替えることが可能な電子時計がある。例えば、標準電波を受信して時刻を修正する機能を備えた電子時計では、各国の標準電波送信局から出力されるタイムコード信号に含まれている夏時間の実施中であるか否を示す信号に基づいて、各地域での夏時間の実施状況を自動的に取得することが出来る。
【0003】
しかしながら、特に、腕時計のように電力消費を抑えたい電子時計においては、従来、一日に一回標準電波の受信を行うように設定されているので、標準電波の受信タイミングによっては、一日近くに亘って夏時間の実施状況が反映されない場合があり得る。このような場合、特に、日本在住者のように夏時間になじみの無いユーザでは、夏時間の切り替えに気づかずトラブルが生じたり、切り替えに気づいても手動での設定切り替えが困難であったりするという問題があった。そこで、特許文献1には、JJYにおける夏時間切り替え予告情報を取得して、夏時間と標準時間との間での切り替えの日には、標準電波を当該切り替えの前後に二度受信する技術について開示されている。また、特許文献2には、夏時間の実施期間と標準時間の期間とで、標準電波の受信時刻を変更し、何れの場合にも、夏時間設定の切り替えが行われた直後に標準電波を受信するように設定する技術について開示されている。
【0004】
一方、現地時刻表示が可能な各都市における夏時間の実施開始日時及び実施終了日時を示すテーブルを予め時計内部に保持する電子時計がある。特許文献3及び特許文献4には、このような電子時計において、夏時間の実施期間をテーブルから読み取って、夏時間の実施期間には、自動的に表示時刻を1時間進める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−171576号公報
【特許文献2】特開2004−191263号公報
【特許文献3】特開昭54−74473号公報
【特許文献4】特開平7−27881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の夏時間の期間設定に係る標準電波の受信方法では、ユーザの都合や意思とは無関係に標準電波の受信時刻が変更されてしまう。また、夏時間と標準時間との切り替え時刻は、各都市で異なるので、異なる都市へ移動する度に標準電波の受信時刻が変更されてしまうという課題がある。一方で、標準電波の受信には、数分程度必要とするため、標準電波の受信時刻を任意に設定すると、上記の切り替えタイミングと標準電波の受信タイミングとが重なって不正確な情報が取得されてしまう虞があるという課題がある。
【0007】
この発明の目的は、標準電波の受信制御を複雑化することなく容易且つ適切に夏時間の設定を行うことが出来る電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、
標準電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された標準電波から時刻情報と、現在夏時間を実施中であるか否かを示す夏時間実施情報とを取得する時刻取得手段と、
予め設定された地点の時刻に係る所定の情報を記憶する時刻設定記憶手段と、
前記時刻取得手段により取得された前記時刻情報及び前記夏時間実施情報と、前記時刻設定記憶手段に記憶された前記所定の情報とに基づいて、前記設定された地点における現在時刻を算出する算出手段と、
を備え、
前記時刻設定記憶手段が記憶する前記所定の情報には、前記設定された地点における夏時間の実施期間の開始及び終了に係る切り替えタイミングを示す夏時間設定情報が含まれ、
前記算出手段は、前記受信手段による標準電波の受信処理中に、前記夏時間設定情報に示された前記切り替えタイミングとなった場合には、標準電波の受信処理を完了した後に、当該標準電波の受信に失敗したか、又は、前記時刻取得手段により取得された前記夏時間実施情報が当該夏時間設定情報に示された前記切り替えタイミング前のものであったかの何れかの条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たす場合には、夏時間の実施有無に係る切り替えを行って現在時刻を算出する
ことを特徴とする電子時計である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、標準電波の受信タイミングを複雑化せず、容易且つ適切に夏時間表示の自動切換えを行うことが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【図2】夏時間設定テーブルの内容を示す図表である。
【図3】CPUによる計時制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】夏時間開始前後に電波受信処理が行われた場合の動作及び設定を説明する図表である。
【図5】CPUによる電波受信終了時処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態の電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態の電子時計1は、標準電波を受信して自動的に時刻修正を行うことが可能な電子時計であり、特に限られないが、ここでは、指針による表示を行うアナログ式の腕時計である。
この電子時計1は、CPU(Central Processing Unit)11(時刻取得手段、算出手段、時刻設定取得手段)と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、電源部14と、操作手段としての操作部15と、指針駆動部16と、輪列機構17と、指針18と、発振回路19と、分周回路20と、計時回路21と、受信手段としての電波受信部22と、アンテナ23などを備えている。
【0014】
CPU11は、各種演算処理を行い、電子時計1の動作全体の制御統括を行う。また、CPU11は、受信された標準電波を復調して得られたタイムコード信号を復号、解読して、時刻情報や夏時間実施情報を取得する。
【0015】
ROM12には、CPU11が実行する各種制御プログラム及び設定データが格納されている。この設定データには、電子時計1で時刻表示可能な各都市における夏時間の設定(夏時間設定情報)といった各種設定データ(所定の情報)を含む夏時間設定テーブル12a(都市設定記憶手段)が含まれている。ROM12は、書き換え可能な不揮発性メモリ、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリとして、設定が変更されたときに書き換えを可能としてもよい。RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。このRAM13には、ユーザにより表示設定がなされた一の都市の時差、標準電波の受信局、夏時間設定などの都市設定データ13a(時刻設定記憶手段)と、現在が夏時間であるか否かを示すDSTフラグ13bとが記憶されている。
【0016】
電源部14は、特には限られないが、例えば、太陽電池と二次電池とが組み合わされて構成され、CPU11に電力を供給する。
【0017】
操作部15は、例えば、腕時計である電子時計1の側面部に設けられたボタンスイッチであり、このスイッチをユーザが押下することにより、各種設定モードに移行し、指針18を移動させて時刻を表示させる都市(タイムゾーン)を設定したり、夏時間と標準時間の切り替えを自動で行うか、手動で行うかを設定したりすることが出来る。
【0018】
指針18は、時刻や各種機能に係る設定内容を表示するための指針であり、例えば、時針、分針、及び、秒針の3本で構成される。これらの指針18は、指針駆動部16により輪列機構17を介して駆動される。指針駆動部16には、CPU11から駆動パルスが入力されて、輪列機構17を構成する各歯車を各々所定の角度ずつ回転させることで、文字盤上で指針18を動作させる。複数の指針は、各々個別の指針駆動部により駆動されても良いし、例えば、分針と時針が一の指針駆動部により連動して駆動されても良い。また、指針18には、上記3本の指針の他に各種機能に係るモードや値を指示する機能針や、円盤状の盤面に設けられた標識を小窓から選択的に露出させることで曜日や日付を示す日車などが含まれていても良い。
【0019】
発振回路19は、所定の周波数信号を発振して分周回路20に出力する。分周回路20は、発振回路19から入力された周波数信号を1Hz信号や他のCPU11が利用する周波数の信号に変換してCPU11及び計時回路21に出力する。計時回路21は、分周回路20から1Hz信号を取得し、この1Hz信号の入力回数を計数することで現在時刻を毎秒更新しながら保持する。この計時回路21が保持する現在時刻のデータは、現在時刻情報が外部から取得されて修正される場合などにCPU11からの制御信号に基づき上書き修正が可能となっている。
【0020】
電波受信部22は、アンテナ23を用いて長波帯の電波を受信して、この受信信号を復調することが可能な受信回路及び復調回路を備える。この受信回路で受信し、復調回路で復調する周波数は、都市設定データ13aに含まれる都市設定に基づき、CPU11からの指令により当該都市で受信可能な標準電波送信局からの送信周波数に設定される。本実施形態の電子時計1で設定可能な標準電波送信局としては、日本の福島県から送信されるJJY40(40kHz)、佐賀県と福岡県の県境から送信されるJJY60(60kHz)、米国のWWVB(60kHz)、英国のMSF(60kHz)、及び、ドイツのDCF77(77.5kHz)などが挙げられる。
【0021】
次に、夏時間設定情報の取得について説明する。
【0022】
本実施形態の電子時計1では、標準電波の受信データと、夏時間設定テーブル12aに基づいて設定された都市設定データ13aとの両方を用いて夏時間設定が行われる。
【0023】
先ず、標準電波の出力信号について説明する。標準電波では、1秒に1つずつ60個の1ビット(二値)信号又は2ビット信号を配列したタイムコード信号が出力されている。このタイムコード信号は、標準電波送信局ごとにフォーマットが規定されており、当該フォーマットに基づいてタイムコードを解読(復号)することで、分、時間、曜日、日付、年といった時刻情報、及び、夏時間の実施情報(夏時間実施情報)を含む各種設定情報が取得可能である。またこれら60個の信号は、その先頭が0〜59秒の各秒に同期して出力される。
【0024】
続いて、タイムコードに含まれる夏時間の実施情報について説明する。日本のJJY40及びJJY60では、38秒及び40秒の出力が夏時間実施時に用いるための予備ビットに設定されており、現在は常に「0」値を示す信号が出力されている。米国のWWVBでは、57秒及び58秒の値が「1」値である場合には、夏時間の実施中であり、57秒及び58秒の値が「0」値である場合には、標準時間であることが示される。英国のMSFでは、58秒の出力信号におけるBビット(2ビット目)のデータが夏時間の実施中には「1」値となり、標準時間の場合には、「0」値となる。ドイツのDCF77では、17秒及び18秒の出力値がそれぞれ「0、1」の場合には、標準時間であることが示され、「1、0」の場合には、夏時間の実施中であることが示される。このように、標準電波の受信の際には、CPU11が都市設定データ13aの設定に基づき、例えば、ROM12から受信局ごとにタイムコードのフォーマットを読み出して、電波受信部22で復調されたタイムコード信号を復号することにより、各地域で夏時間を実施中であるか否かの情報を取得することが出来る。また、米国WWVBのタイムコードにおける57秒の値や、英国MSFのタイムコードにおける53秒のBビットデータなどは、それぞれ夏時間と標準時間の間での切り替えの所定時間前に値が切り替わる予告データとなっている。
【0025】
次に、電子時計1が保持する夏時間設定テーブル12aについて説明する。
図2は、ROM12に記憶された夏時間設定テーブル12aから一部の都市の設定データを抜き出した図表を示す。
【0026】
夏時間設定テーブル12aには、設定可能な都市名とその都市における時刻設定情報とが関連付けられて記憶されている。例えば、英国のロンドンでは、夏時間の開始(STD→DST)が3月最終日曜の1時であり、夏時間の終了(DST→STD)が10月最終日曜の2時であることを示す情報が含まれている。また、東京では、夏時間が実施されていないことが示されている。また、この夏時間設定テーブル12aには、夏時間に係る設定だけではなく、各都市におけるUTC(協定世界時)からの時差、標準電波の受信有無、及び、標準電波の受信局の設定といった都市設定に係る各種情報が含まれている。
【0027】
本実施形態の電子時計1では、操作部15からの操作入力により時刻を表示する一の都市を選択可能となっている。選択された都市についての各種情報は、夏時間設定テーブル12aから取得されて都市設定データ13aに記憶される。また、このとき、「最終日曜」といった設定が具体的な日付データに変換される。そして、計時処理の際にこの都市設定データ13aを参照することで、標準電波を受信しなくても設定された都市における夏時間の実施開始、及び、実施終了に係る情報を取得することが出来る。
【0028】
ここで、この夏時間設定を自動で行わないように設定することが出来る。図2に示された各都市では、DST設定の初期設定として“auto”が設定されており、夏時間の開始時と終了時に自動的に夏時間表示と標準時間表示とが切り替えられる。しかしながら、例えば、オーストラリアのシドニーと同じタイムゾーンにある同国のブリスベンでは、夏時間が実施されていないので、シドニーの設定のまま自動で夏時間表示を行わせると、正しくない時刻が表示されてしまう。従って、DST設定を手動設定“manual”として標準時間による表示を続けさせることで、正しい時刻表示を維持することが出来る。
また、この電子時計1では、標準電波の受信を行わないように設定することが出来る。例えば、米国のニューヨークと同じタイムゾーンにあるペルーのリマなどは、米国のWWVBの電波受信範囲外であり、無駄な標準電波の受信の試みを繰り返すことによる電力の消費を抑えることが出来る。
【0029】
次に、本実施形態の電子時計1において実行される夏時間の切替に係る処理の具体的な動作手順について説明する。
【0030】
図3は、CPU11が実行する計時制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0031】
この計時制御処理は、計時回路21から現在時刻が更新されたことを示す信号が毎秒入力される度に呼び出されて実行される処理である。
【0032】
先ず、CPU11は、計時回路21から入力された現在時刻データに基づき、当該時刻において運針させる指針18の駆動命令を指針駆動部16に出力する計時処理を行う(ステップS11)。
【0033】
次に、CPU11は、入力された現在時刻が時桁の桁上げを伴うものであるか否かを判別する(ステップS12)。即ち、CPU11は、現在時刻が正時(0〜23時の0分0秒)であるか否かを判別し、正時ではないと判別された場合には、“NO”に分岐して、CPU11は、そのまま計時制御処理を終了する。
【0034】
一方、正時であると判別された場合には、CPU11は、次に、設定されている都市が夏時間を実施する都市であり、且つ、DST設定が“auto”であるか否かを判別する(ステップS13)。CPU11は、都市設定データ13aを参照して、当該都市の「STD→DST」及び「DST→STD」の設定内容が「なし」であるか否か、及び、DST設定が“auto”であるか否かを判別する。設定されている都市が夏時間を実施していないか、又は、DST設定が“auto”ではなく“manual”であると判別された場合には、CPU11は、計時制御処理を終了する。
【0035】
ステップS13の判別処理において、設定されている都市が夏時間を実施しており、且つ、DST設定が“auto”であると判別された場合には、CPU11は、更に、現在夏時間表示状態になっているか否かを示すDSTフラグが“ON”であるか否かを判別する(ステップS14)。DSTフラグが“ON”であり、電子時計1が夏時間表示を行っていると判別された場合には、CPU11は、次に、現在時刻が夏時間DSTから標準時間STDへの切り替えタイミングであるか否かを判別する(ステップS15)。夏時間DSTから標準時間STDへの切り替えタイミングではないと判別された場合には、CPU11は、そのまま計時制御処理を終了する。夏時間DSTから標準時間STDへの切り替えタイミングであると判別された場合には、CPU11は、標準電波の受信中であるか否かを判別する(ステップS16)。標準電波の受信中であると判別された場合には、CPU11は、DST切替フラグをセット(“ON”に設定)し(ステップS17)、計時制御処理を終了する。一方、標準電波の受信中ではないと判別された場合には、CPU11は、DSTフラグを“OFF”に設定し(ステップS18)、また、表示時刻を標準時間に合わせて現在の表示時刻から1時間戻す(ステップS19)。そして、CPU11は、計時制御処理を終了する。
【0036】
ステップS14の判別処理において、DSTフラグが“ON”ではない、即ち、“OFF”であると判別された場合には、CPU11は、現在時刻が標準時間STDから夏時間DSTへの切り替えタイミングであるか否かを判別する(ステップS25)。標準時間STDから夏時間DSTへの切り替えタイミングではないと判別された場合には、CPU11は、そのまま計時制御処理を終了する。標準時間STDから夏時間DSTへの切り替えタイミングであると判別された場合には、CPU11は、標準電波の受信中であるか否かを判別する(ステップS26)。標準電波の受信中であると判別された場合には、CPU11は、DST切替フラグをセット(“ON”に設定)し(ステップS27)、計時制御処理を終了する。一方、標準電波の受信中ではないと判別された場合には、CPU11は、DSTフラグを“ON”に設定し(ステップS28)、また、表示時刻を夏時間に合わせて現在の表示時刻から1時間進める(ステップS29)。そして、CPU11は、計時制御処理を終了する。
【0037】
ここで、電波受信期間中及び前後に夏時間の実施切替タイミングとなった場合について説明する。
【0038】
図4は、夏時間設定の切替タイミング中及びその前後に電波受信を行った場合の状況と、行うべき処理の内容を示した図表である。この図4では、夏時間の開始タイミング前後において、電子時計1で標準電波の受信処理が毎分30秒に開始され、最初の30秒間で各秒の先頭のタイミングの取得及び正分(0秒)のタイミング取得が行われた後、2分間でタイムコード2周期分のデータを取得し、その10秒後に時刻修正が行われて標準電波の受信処理が終了する場合を例に挙げて説明する。
【0039】
先ず、夏時間開始の3分30秒前である56分30秒に電波受信処理が開始された場合には、すべての受信処理及び時刻の修正も夏時間開始前である59分10秒までに行われる。従って、電波受信処理中には夏時間への切替がなく、DST切替フラグは“OFF”のままであり、また、DSTフラグも“OFF”のままである。この場合には、追加の処理は必要なく、その後、00分00秒(正時)に上述の計時制御処理によって夏時間に切り替わる。
【0040】
次に、夏時間開始の2分30秒前である57分30秒に電波受信処理が開始された場合には、時刻の修正が夏時間開始後の00分10秒に行われる。即ち、電波受信処理の終了前に夏時間への切替時刻となるので、電波受信処理の終了時には、DST切替フラグが“ON”となっている。また、電波受信処理によって取得されたタイムコードは、58分台及び59分台のデータであって、夏時間開始前のものであるので、修正される時刻も夏時間開始前のものとなり、DSTフラグは、“OFF”のままとなっている。従って、この場合には、DST切替フラグを“OFF”すると共に、DSTフラグを“ON”に切り替え、表示時刻を夏時間に修正する処理が必要となる。
【0041】
次に、夏時間開始の1分30秒前である58分30秒に電波受信処理が開始された場合には、解読された1周期目のタイムコードが夏時間開始前のものであり、解読された2周期目のタイムコードが夏時間開始後のものとなる。その結果、両者の時刻が1分間の違いとならないので、解読エラーとなり、電波受信処理が失敗に設定されて時刻修正が行われずに終了する。従って、電波受信処理中の00時00分にDST切替フラグが“ON”に切り替わっている一方で、DSTフラグは、“OFF”のままである。従って、この場合には、DST切替フラグを“OFF”すると共に、DSTフラグを“ON”に切り替え、また、表示時刻を夏時間に修正する処理が必要となる。
なお、電子時計1において、夏時間の設定情報を標準電波から読み取って夏時間の開始前後における1時間のジャンプを正しく認識させるように処理を行わせることも出来る。この場合には、1分10秒に夏時間開始後の時刻への修正が行われて、DSTフラグが“ON”に切り替わるので、後述する59分30秒に電波受信処理が開始された場合と同様になる。
【0042】
次に、59分30秒に電波受信処理が開始された場合には、解読された2周期分のタイムコードは、いずれも夏時間開始後のものであり、02分10秒に夏時間の時刻に修正が行われる。また、電波受信処理中の00分00秒にDST切替フラグが“ON”となり、また、時刻修正の際に、DSTフラグも“ON”となる。従って、電波受信処理の終了後には、単にDST切替フラグを“OFF”に戻す処理だけが必要となる。
【0043】
最後に、夏時間開始後の00分30秒に電波受信処理が開始された場合には、解読された2周期分のタイムコードは、何れも夏時間開始後のものであり、03分10秒に夏時間の時刻に修正が行われる。この電波受信処理は、夏時間の開始タイミングと重ならないので、DST切替フラグは“OFF”のままである。また、電波受信処理の開始前に、00分00秒の計時処理で既にDSTフラグが“ON”に変更されて、夏時間表示に切り替わっている。従って、この電波受信処理の終了後には、追加の処理は必要ない。
【0044】
上記のように、標準電波の受信処理を実行中に夏時間への切り替えがあったことでDST切替フラグが“ON”に変更された場合には、電波受信の成否、及び、タイムコードの解読により得られた時刻に基づく夏時間への切り替え実行の有無により、電波受信処理の終了時にそれぞれ必要に応じて追加の処理を行う。
【0045】
図5は、CPU11が実行する電波受信終了時処理の制御手順を示すフローチャートである。この処理は、標準電波の受信処理が終了した直後に、続けて自動的に呼び出されて実行される処理である。
【0046】
この電波受信終了時処理が呼び出されると、CPU11は、先ず、計時回路21の現在時刻データに基づいて都市設定データ13aに記憶されたDST切替タイミングデータを上書き更新する(ステップS51)。次いで、CPU11は、この更新された都市設定データ13aを参照して、DST設定が自動切替“auto”であり、且つ、設定された都市が夏時間を実施しているか否かを判別する(ステップS52)。DST設定が自動切替でなく手動切替“manual”であるか、又は、設定された都市が夏時間を実施していないと判別された場合には、CPU11は、そのまま電波受信終了時処理を終了する。DST設定が自動切替“auto”であり、且つ、設定された都市が夏時間を実施する都市であると判別された場合には、CPU11は、次に、DST切替フラグがセットされて“ON”であるか否かを判別する(ステップS53)。DST切替フラグがセットされておらず“OFF”であると判別された場合には、CPU11は、そのまま電波受信終了時処理を終了する。
【0047】
DST切替フラグがセットされていると判別された場合には、CPU11は、DST切替フラグをクリアして“OFF”に切り替える(ステップS54)。それから、CPU11は、電波受信処理が成功して時刻データが取得されたか否かを判別する(ステップS55)。電波受信処理に失敗したと判別された場合には、CPU11の処理は、ステップS57に移行する。電波受信処理に成功したと判別された場合には、CPU11は、続いて、電波受信処理の結果、修正された時刻が00分台の時刻であるか否かを判別する(ステップS56)。00分台の時刻ではないと判別された場合には、CPU11は、そのまま電波受信終了時処理を終了する。00分台の時刻に修正されたと判別された場合には、CPU11の処理は、ステップS57に移行する。
【0048】
ステップS57の処理に移行すると、CPU11は、次に、DSTフラグが“ON”であるか否かを判別する。DSTフラグが“ON”であると判別された場合には、CPU11は、DSTフラグを“OFF”に切り替え(ステップS58)、また、標準時間の表示に合わせて表示時刻を現在の表示時刻から1時間戻す(ステップS59)。そして、CPU11は、電波受信終了時処理を終了する。一方、ステップS57の判別処理において、DSTフラグが“OFF”であると判別された場合には、CPU11は、DSTフラグを“ON”に切り替え(ステップS60)、また、夏時間の表示に合わせて表示時刻を現在の表示時刻から1時間進める(ステップS61)。そして、CPU11は、電波受信終了時処理を終了する。
【0049】
以上のように、本実施形態の電子時計1によれば、計時回路21と、標準電波を受信する電波受信部22及びアンテナ23と、予め設定された各都市の時差、標準電波受信局、夏時間の開始及び終了タイミングといった時刻に関する所定の情報が記憶された夏時間設定テーブル12aとを備え、CPU11は、受信した標準電波から復調されたタイムコードを設定された標準電波受信局に固有のフォーマットで復号して現在時刻データ及び夏時間の実施情報を取得し、これらの現在時刻データ、夏時間の実施情報、及び、上記所定の情報を用いて一の設定された都市における現在時刻を出力する構成なので、ユーザは、夏時間設定を手動で行うことなく設定可能な都市における夏時間の実施の有無に係る情報が適用された現在時刻を数分以上のタイムラグ無く知得することが出来る。また、標準電波の受信中に夏時間設定テーブル12aに記憶された夏時間の開始又は終了タイミングとなった場合には、標準電波の受信処理が終了した後に必要に応じて追加の処理を行う。この追加の処理によれば、標準電波の受信に失敗した場合、及び、標準電波の受信により取得された時刻データが夏時間の開始又は終了前のものであった場合には、夏時間設定テーブル12aの設定に基づいて夏時間の開始又は終了の処理を行う。従って、標準電波から現在の夏時間実施情報が取得されなかった場合でも遅滞なく夏時間実施情報を更新することが出来ると共に、夏時間設定テーブル12aの設定から実際の夏時間実施情報が変更された場合でも、標準電波から取得した情報に基づいて適切な夏時間実施情報が設定される。
【0050】
即ち、標準電波受信処理による夏時間実施情報の取得と、夏時間設定テーブル12aによる夏時間設定情報の取得とを併用することで、標準電波の受信に失敗した場合や、夏時間の開始又は終了から標準電波の受信タイミングまで間がある場合でも、速やかに夏時間の開始又は終了の設定を反映させることができる。
【0051】
また、操作部15と、複数の都市における所定の情報が記憶された夏時間設定テーブル12aとを備え、操作部15への入力により設定された一の都市の設定データを取得して都市設定データ13aに記憶させることで、複数の都市の間で移動するユーザであっても容易に滞在する都市における夏時間の実施有無を考慮した時刻情報を取得することができるので、容易に各地の正確な現在時刻を知得することが出来る。
【0052】
また、特に、所定のデータとして、夏時間設定情報に加え、選択された都市の時差情報、この都市で受信対象とする標準電波局、及び、この標準電波局から送信される時刻の時差情報が含まれているので、標準電波で取得された時刻情報を容易に選択された都市の現在時刻に変換することができる。
【0053】
また、従来、夏時間の開始及び終了タイミングに係る設定は、第2日曜や最終日曜といった設定になっているので、都市設定データ13aに当該選択された都市における夏時間の開始及び終了タイミングに係る設定を記憶させる際に実際の日付データに変換させて記憶させることで、計時処理の際により容易に夏時間の開始又は終了のタイミングであるか比較することが出来る。
【0054】
また、同一のタイムゾーンであっても夏時間を実施している都市と実施していない都市があるので、現在の滞在都市における夏時間の実施状況と、標準電波の送信局や、夏時間設定テーブル12aにおける設定に含まれる同一のタイムゾーンの都市における夏時間の実施状況とに応じて、取得された夏時間実施情報及び夏時間設定情報を適用しないように操作部15への入力により設定することが出来る。
【0055】
また、指針式のアナログ時計に上記の夏時間の設定に係る構成を適用することで、複雑な設定を行うことが困難な場合でも、ユーザは容易且つ速やかに夏時間を考慮した現在時刻を世界中で知得することが出来る。
【0056】
また、標準電波の受信処理中に夏時間の開始又は終了のタイミングになった場合に、標準電波の受信処理が終了して設定された新たな時刻が00分台であった場合には、標準電波から取得された時刻が夏時間の開始又は終了に係る情報を含んでいないと判別して当該情報を速やかに現在時刻データに反映させるので、複雑な処理を行わずに適切な夏時間実施情報の更新を行うことが出来る。
【0057】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、設定された都市における夏時間を考慮した現在時刻のデータは、電波受信部22に直接計数させることとしても良いし、例えば、UTCや設定されたホームタウンの標準時間による現在時刻を計数させて、他の都市における時差情報や夏時間の実施有無に係る時差は、出力時にCPU11によって毎回変換させて出力させることとしても良い。
【0058】
また、上記実施の形態では、タイムコードを0秒から2周期分取得して復号処理を行ったが、中途から2周期分のデータを取得して復号を行わせても良い。また、復号の処理方法は、種々の公知の手法が適用可能であり、2周期ではなく、他の周期分のデータに基づいて時刻情報及び夏時間実施情報を取得することとしても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、標準電波の受信に基づいて修正された現在時刻が0分台のデータか否かにより夏時間の実施有無に係る切り替えの前後何れで取得された夏時間実施情報かを判別させることとしたが、この判別条件の時刻を変更することが出来る。例えば、JJYの場合には、40秒のデータが取得されることで夏時間実施情報を取得することが出来、復号の処理方法によっては、例えば、0分45秒に判別条件の時刻を設定することとしても良い。また、時差が30分や45分の都市の時刻に係る夏時間設定の場合には、それぞれ、算出された時刻が30分台や45分台のデータか否かにより夏時刻実施情報の取得タイミングを判断する。
【0060】
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成や処理の順番などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0062】
[付記]
<請求項1>
標準電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された標準電波から時刻情報と、現在夏時間を実施中であるか否かを示す夏時間実施情報とを取得する時刻取得手段と、
予め設定された地点の時刻に係る所定の情報を記憶する時刻設定記憶手段と、
前記時刻取得手段により取得された前記時刻情報及び前記夏時間実施情報と、前記時刻設定記憶手段に記憶された前記所定の情報とに基づいて、前記設定された地点における現在時刻を算出する算出手段と、
を備え、
前記時刻設定記憶手段が記憶する前記所定の情報には、前記設定された地点における夏時間の実施期間の開始及び終了に係る切り替えタイミングを示す夏時間設定情報が含まれ、
前記算出手段は、前記受信手段による標準電波の受信処理中に、前記夏時間設定情報に示された前記切り替えタイミングとなった場合には、標準電波の受信処理を完了した後に、当該標準電波の受信に失敗したか、又は、前記時刻取得手段により取得された前記夏時間実施情報が当該夏時間設定情報に示された前記切り替えタイミング前のものであったかの何れかの条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たす場合には、夏時間の実施有無に係る切り替えを行って現在時刻を算出する
ことを特徴とする電子時計。
<請求項2>
ユーザの操作入力を受け付ける操作手段と、
複数の地点に係る前記所定の情報を記憶する都市設定記憶手段と、
前記操作手段により前記都市設定記憶手段に記憶された複数の地点の中から選択された一の地点に係る前記所定の情報を選択的に取得して前記時刻設定記憶手段に記憶させる時刻設定取得手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
前記都市設定記憶手段に記憶された前記所定の情報には、前記複数の地点ごとに受信対象とされる標準電波の送信局と、当該複数の地点それぞれのタイムゾーンを示す第1時差情報と、前記受信対象とされる標準電波が送信する前記時刻情報のタイムゾーンを示す第2時差情報と、が含まれ、
前記受信手段は、前記受信対象とされる標準電波の送信局からの標準電波を受信し、
前記算出手段は、前記時刻情報と、前記夏時間実施情報と、前記夏時間設定情報と、前記第1時差情報と、前記第2時差情報と、を用いて現在時刻を算出する
ことを特徴とする請求項2記載の電子時計。
<請求項4>
前記都市設定記憶手段に記憶された前記夏時間設定情報には、夏時間の開始及び終了の月、曜日、当該月における前記曜日の順番、及び、時刻が含まれ、
前記時刻設定取得手段は、当該夏時間設定情報から夏時間の開始及び終了の日付を算出して前記時刻設定記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子時計。
<請求項5>
前記算出手段は、前記操作手段への所定の操作入力により、前記夏時間実施情報、及び、前記夏時間設定情報に基づく夏時間の実施有無に係る切り替えを考慮せずに現在時刻を算出するように設定する
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項6>
複数の指針と、
当該指針によって指示されることで時刻を表す標識が設けられた文字盤とを備え、
当該文字盤には、前記都市設定記憶手段から選択可能な地点を示す標識が設けられ、
前記操作手段により一の前記指針により当該地点のうち一つを選択的に指し示させることによって現在時刻を表示させる地点を選択することが可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項7>
前記算出手段は、前記切り替えタイミングを含む期間に受信処理が行われた標準電波に基づいて算出した現在時刻が0分台である場合には、前記時刻取得手段により取得された前記夏時間実施情報が当該切り替えタイミング前のものであると判断する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子時計。
【符号の説明】
【0063】
1 電子時計
11 CPU
12 ROM
12a 夏時間設定テーブル
13 RAM
13a 都市設定データ
13b DSTフラグ
14 電源部
15 操作部
16 指針駆動部
17 輪列機構
18 指針
19 発振回路
20 分周回路
21 計時回路
22 電波受信部
23 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準電波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された標準電波から時刻情報と、現在夏時間を実施中であるか否かを示す夏時間実施情報とを取得する時刻取得手段と、
予め設定された地点の時刻に係る所定の情報を記憶する時刻設定記憶手段と、
前記時刻取得手段により取得された前記時刻情報及び前記夏時間実施情報と、前記時刻設定記憶手段に記憶された前記所定の情報とに基づいて、前記設定された地点における現在時刻を算出する算出手段と、
を備え、
前記時刻設定記憶手段が記憶する前記所定の情報には、前記設定された地点における夏時間の実施期間の開始及び終了に係る切り替えタイミングを示す夏時間設定情報が含まれ、
前記算出手段は、前記受信手段による標準電波の受信処理中に、前記夏時間設定情報に示された前記切り替えタイミングとなった場合には、標準電波の受信処理を完了した後に、当該標準電波の受信に失敗したか、又は、前記時刻取得手段により取得された前記夏時間実施情報が当該夏時間設定情報に示された前記切り替えタイミング前のものであったかの何れかの条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たす場合には、夏時間の実施有無に係る切り替えを行って現在時刻を算出する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項2】
ユーザの操作入力を受け付ける操作手段と、
複数の地点に係る前記所定の情報を記憶する都市設定記憶手段と、
前記操作手段により前記都市設定記憶手段に記憶された複数の地点の中から選択された一の地点に係る前記所定の情報を選択的に取得して前記時刻設定記憶手段に記憶させる時刻設定取得手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
【請求項3】
前記都市設定記憶手段に記憶された前記所定の情報には、前記複数の地点ごとに受信対象とされる標準電波の送信局と、当該複数の地点それぞれのタイムゾーンを示す第1時差情報と、前記受信対象とされる標準電波が送信する前記時刻情報のタイムゾーンを示す第2時差情報と、が含まれ、
前記受信手段は、前記受信対象とされる標準電波の送信局からの標準電波を受信し、
前記算出手段は、前記時刻情報と、前記夏時間実施情報と、前記夏時間設定情報と、前記第1時差情報と、前記第2時差情報と、を用いて現在時刻を算出する
ことを特徴とする請求項2記載の電子時計。
【請求項4】
前記都市設定記憶手段に記憶された前記夏時間設定情報には、夏時間の開始及び終了の月、曜日、当該月における前記曜日の順番、及び、時刻が含まれ、
前記時刻設定取得手段は、当該夏時間設定情報から夏時間の開始及び終了の日付を算出して前記時刻設定記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子時計。
【請求項5】
前記算出手段は、前記操作手段への所定の操作入力により、前記夏時間実施情報、及び、前記夏時間設定情報に基づく夏時間の実施有無に係る切り替えを考慮せずに現在時刻を算出するように設定する
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の電子時計。
【請求項6】
複数の指針と、
当該指針によって指示されることで時刻を表す標識が設けられた文字盤とを備え、
当該文字盤には、前記都市設定記憶手段から選択可能な地点を示す標識が設けられ、
前記操作手段により一の前記指針により当該地点のうち一つを選択的に指し示させることによって現在時刻を表示させる地点を選択することが可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の電子時計。
【請求項7】
前記算出手段は、前記切り替えタイミングを含む期間に受信処理が行われた標準電波に基づいて算出した現在時刻が0分台である場合には、前記時刻取得手段により取得された前記夏時間実施情報が当該切り替えタイミング前のものであると判断する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−72672(P2013−72672A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210169(P2011−210169)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】