説明

電子機器、データ受信プログラムおよびデータ通信方法

【課題】送信側の装置の画素の位置と、受信側の光センサの位置とが一致しない場合でもデータを正常に送信すること。
【解決手段】携帯電子機器1bは、複数の光センサ4sが配列された表示部32bと、表示部32bに対向する他の装置の表示部がデータを送信するために用いる領域の位置および大きさを知らせるために表示する基準点を光センサ4sに検出させ、基準点が検出された位置に基づいて、他の装置の表示部から送信される信号を受信する領域である通信領域を設定する通信領域設定部22dと、基準点が検出された位置のずれに応じて、通信領域を複数の領域に分割する分割領域設定部22eと、分割領域設定部22eによって分割された領域毎に、他の装置の表示部から送信される信号を光センサ4sに検出させ、検出された信号からデータを復号するデータ受信部22fとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、データ受信プログラムおよびデータ通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光センサを内蔵した液晶パネルが知られている(例えば、特許文献1)。かかる液晶パネルは、例えば、画像等を表示するとともに、光センサによって指の接触や移動を検出するタッチパネルとして利用される。また、車載用表示装置が有する光センサ内蔵の表示部と、表示装置の表示部とを対向させ、データを表示装置の表示部に画像として表示し、画像を光センサに受光させることによって、データを表示装置から車載用表示装置へ送信する技術が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−122888号公報
【特許文献2】特開2010−175950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載された技術では、画像を表示する表示装置側の表示部の画素の位置と、画像を受光する車載用表示装置側の表示部の光センサの位置とを一致させるために機械的な位置合わせを行うことが想定されている。しかしながら、装置間でデータを送信するたびに機械的な位置合わせを要することとすると、手間が掛かって利便性が低い。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、送信側の装置の画素の位置と、受信側の光センサの位置とが一致しない場合でもデータを正常に送信することができる電子機器、データ受信プログラムおよびデータ通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、複数の光センサが配列された第1の表示部と、前記第1の表示部に対向する他の装置の第2の表示部がデータを送信するために用いる領域の位置および大きさを知らせるために表示する基準点を前記光センサに検出させ、前記基準点が検出された位置に基づいて、前記第2の表示部から送信される信号を受信する領域である通信領域を設定する通信領域設定部と、前記基準点が検出された位置のずれに応じて、前記通信領域を複数の領域に分割する分割領域設定部と、前記分割領域設定部によって分割された領域毎に、前記第2の表示部から送信される信号を前記光センサに検出させ、検出された信号からデータを復号するデータ受信部とを備える。
【0007】
ここで、前記基準点は、前記第2の表示部がデータを送信するために用いる領域の少なくとも3つの隅に配置され、前記分割領域設定部は、前記基準点が、分割後の領域のうち、隅の領域に収まるように前記通信領域を複数の領域に分割することが好ましい。
【0008】
また、前記分割領域設定部は、前記他の装置に対して、前記分割領域設定部によって分割された領域毎に信号を送信することを要求することが好ましい。
【0009】
また、前記通信領域設定部は、前記基準点が前記光センサの検出できる範囲外にある場合に、前記他の装置に対して、前記データを送信するために用いる領域を縮小することを要求することが好ましい。
【0010】
また、前記電子機器は、前記第1の表示部にデータに対応する画像を表示させ、該画像を前記第2の表示部が備える光センサに検出させることによって前記他の装置へ前記データを送信するデータ送信部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るデータ受信プログラムは、複数の光センサが配列された第1の表示部を有する電子機器に、前記第1の表示部に対向する他の装置の第2の表示部がデータを送信するために用いる領域の位置および大きさを知らせるために表示する基準点を前記光センサに検出させるステップと、前記基準点が検出された位置に基づいて、前記他の装置の表示部から送信される信号を受信する領域である通信領域を設定するステップと、前記基準点が検出された位置のずれに応じて、前記通信領域を複数の領域に分割するステップと、前記通信領域を分割した領域毎に、前記他の装置の表示部から送信される信号を前記光センサに検出させるステップと、前記光センサによって前記領域毎に検出された信号からデータを復号するステップとを実行させる。
【0012】
また、本発明に係るデータ通信方法は、第1の表示部を有する第1の電子機器から、複数の光センサが配列された第2の表示部を有する第2の電子機器へデータを送信するためのデータ通信方法であって、前記第1の電子機器が、前記第1の表示部のうち前記データを送信するために用いる第1の通信領域の位置および大きさを知らせるために、前記第1の表示部に基準点を表示するステップと、前記第2の電子機器が、前記基準点を前記光センサに検出させるステップと、前記第2の電子機器が、前記基準点が検出された位置に基づいて、前記第2の表示部から送信される信号を受信する領域である第2の通信領域を設定するステップと、前記第2の電子機器が、前記基準点が検出された位置のずれに応じて、前記第2の通信領域を複数の領域に分割するステップと、前記第2の電子機器が、前記第2の通信領域を分割した領域毎に、前記第2の表示部から送信される信号を前記光センサに検出させるステップと、前記第2の電子機器が、前記光センサによって前記領域毎に検出された信号からデータを復号するステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、送信側の装置の画素の位置と、受信側の光センサの位置とが一致しない場合でもデータを正常に送信することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態に係るデータ通信方法について説明するための説明図である。
【図2】図2は、携帯電子機器の正面図である。
【図3】図3は、携帯電子機器の表示部が備える画素の模式図である。
【図4】図4は、対向する表示部の画素の位置が一致した場合のデータ通信について説明するための図である。
【図5】図5は、対向する表示部の画素の位置が一致しない場合のデータ通信について説明するための図である。
【図6】図6は、送信側の携帯電子機器の機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、受信側の携帯電子機器の機能的な構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、データ受信時の携帯電子機器の動作を示すフロー図である。
【図9】図9は、通信領域の判定結果の一例を示す図である。
【図10】図10は、通信領域の分割結果の一例を示す図である。
【図11】図11は、通信領域の分割結果の他の例を示す図である。
【図12】図12は、データ送信時の携帯電子機器の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0016】
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分には、既に説明した部分と同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0017】
(実施形態)
まず、図1から図3を参照しながら、本実施形態に係るデータ通信方法について説明する。図1は、本実施形態に係るデータ通信方法について説明するための説明図である。図2は、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bの正面図である。図3は、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bの表示部が備える画素4の模式図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るデータ通信方法では、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを送信するために、携帯電子機器1aが有する表示部32aと、携帯電子機器1bが有する表示部32bとが対向して配置される。ここで、表示部32aから表示部32bへ発光される光ができるだけ拡散しないようにするため、表示部32aと表示部32bとを接触させることがより好ましい。
【0019】
携帯電子機器1aは、データを送信する装置であり、図2に示すように、操作部13と、スピーカ17と、表示部32aとを有する。また、携帯電子機器1bは、データを受信する装置であり、図2に示すように、操作部13と、スピーカ17と、表示部32bとを有する。操作部13は、所定の機能が割り当てられたボタンである。スピーカ17は、音声の出力部であり、通話相手の音声を出力したり、呼び出し音や各種の警告音を出力したりする。
【0020】
表示部32aおよび表示部32bは、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の表示パネルからなる。表示部32aおよび表示部32bは、画素4毎に光センサ4sを有し、光センサ4sが検出する光に基づいて指の接触や移動等を検出するタッチセンサとしても利用される。具体的には、図3に示すように、画素4は、赤色の光を発光する画素回路4rと、緑色の光を発光する画素回路4gと、青色の光を発光する画素回路4bと、光を検出する光センサ4sとを有する。光センサ4sは、例えば、フォトダイオードからなる。
【0021】
なお、図3に示した光センサ4sは、色を識別することができないが、画素4毎に、赤色のフィルタに覆われた光センサと、緑色のフィルタに覆われた光センサと、青色のフィルタに覆われた光センサとを設けて色を識別できるようにしてもよい。また、図3に示した例では、1画素毎に光センサ4sを設けることとしたが、複数の画素毎に光センサ4sを設けてもよい。
【0022】
図1に示すように、表示部32aおよび表示部32bを対向させることにより、表示部32aおよび表示部32bが内蔵する光センサ4sは、対向する表示部の画素4が発光する光を検出することができる。本実施形態に係るデータ通信方法では、一方の表示部の画素4で光を発光させ、他方の表示部の光センサ4sで光を検出することでデータや制御情報の伝送を実現する。また、本実施形態に係るデータ通信方法では、高速なデータ通信を実現するため、複数の画素4を発光させて同時に複数ビットのデータを送信する。
【0023】
次に、図4および図5を参照しながら、本実施形態に係るデータ通信方法についてより詳細に説明する。図4は、対向する表示部の画素の位置が一致した場合のデータ通信について説明するための図である。図5は、対向する表示部の画素の位置が一致しない場合のデータ通信について説明するための図である。
【0024】
図4に示すように、送信側の表示部32aは、通信領域5を設定し、通信領域5内の複数の画素4を発光させて同時に複数ビットのデータを送信する。通信領域5は、初期状態では所定の大きさに設定され、送信先の表示部32bが表示部32aよりも小さい等の理由でデータを正常に送信できない場合には縮小される。図4に示す例では、通信領域5は、8画素×8画素の大きさに設定されている。なお、ここでは説明の便宜上、通信領域5を小さく設定しているが、高速なデータ伝送を実現するために、初期状態での通信領域5を、例えば、256画素×256画素のように大きく設定することが好ましい。
【0025】
通信領域5の隅の画素は、送信先の装置に通信領域5の位置と大きさを認識させるための基準点として用いられ、データ送信時には常に光を発光する。なお、基準点6a、基準点6b、基準点6cおよび基準点6dのうちの1つ(例えば、基準点6d)は、データ送信時に光を発光しないこととしてもよい。基準点の1つを発光させなくても、他の3つの基準点の位置に基づいて残りの基準点の位置を求めることができる。また、基準点の1つを発光させないことにより、通信領域5の方向を特定することが容易になる。複数ビットのデータを一度に送信する場合、データを構成するビット配置順序を判定するために通信領域5の方向を特定することが重要である。
【0026】
また、基準点を他の画素と区別し易くするために、基準点の輝度と他の画素の輝度とを異ならせたり、基準点が発光する色と他の画素が発光する色とを異ならせたり、基準点が発光するタイミングと他の画素が発光するタイミングとを異ならせたりしてもよい。また、通信領域5の方向を特定し易くするために、各基準点の輝度を異ならせたり、各基準点が発光する色を異ならせたり、各基準点が発光するタイミングを異ならせたりしてもよい。
【0027】
送信側の携帯電子機器1aは、通信領域5を複数の領域に分割し、分割された領域毎にデータを伝達するための信号を送信する。具体的には、データの送信は、基準点を含む領域を除いた各分割領域にデータのビットの1つを割り当て、ビットの値が1の場合に分割領域内の画素4を発光させ、ビットの値が0の場合に分割領域内の画素4を非発光とすることによって実現される。データ全体を一度に送信できない場合、データ全体の送信が完了するまで、ビットの割り当てと、ビットの値に応じた画素4の発光の制御が繰り返し実行される。
【0028】
なお、データの送信時には、送信されたデータに誤りがないことを受信側で確認できるようにするために、検証データを同時に送信することが好ましい。検証データは、同時に送信されるデータのチェックサムコードやハッシュ値等である。
【0029】
例えば、図4に示すように、通信領域5が8画素×8画素の大きさに設定されている場合、一度に64ビット分の情報を送信することができる。ここで、検証データが8ビットを要することとすると、基準点を含む4つの領域はデータの送信には用いられないため、一度に送信できるデータは64−4−8、すなわち、52ビットとなる。52ビットより大きいデータを送信する場合、携帯電子機器1aは、データを52ビットずつに区切って送信する。なお、後述するように、本実施形態に係るデータ通信方法では、通信領域5が縮小されたり、通信領域5の分割数が減少させられたりすることがあり、その場合、一度に送信できるデータ量は少なくなる。
【0030】
なお、ここでは、分割領域毎に一度に1ビットの情報を送信することとしているが、発光する光の輝度や色を制御して、分割領域毎に一度に複数ビットの情報を送信できるようにしてもよい。
【0031】
受信側の携帯電子機器1bは、表示部32bに配置された光センサ4sを用いて基準点の位置を検出する。そして、携帯電子機器1bは、検出した基準点の位置に基づいて受信側の通信領域8を設定するとともに、検出した基準点の位置のずれの大きさに基づいて通信領域8を複数の領域に分割する。具体的には、携帯電子機器1bは、検出した各基準点が隅の分割領域に収まるように通信領域8を複数の領域に分割する。
【0032】
表示部32aと表示部32bとを対向させることにより、基準点6a、基準点6b、基準点6cおよび基準点6dは、表示部32bの画素4毎に設けられた光センサ4sによって、それぞれ、基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dとして検出される。携帯電子機器1bは、検出された基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dを含む矩形領域を通信領域8として設定する。
【0033】
図4に示す例では、表示部32aと表示部32bとを対向させたところ、双方の画素4の位置が一致している。そのため、基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dは、隣接する基準点と同一の列または行に位置しており、位置のずれはない。この場合、通信領域8を8×8、すなわち、1画素ずつの領域に分割しても、基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dは、それぞれ、隅の分割領域に収まる。
【0034】
したがって、図4に示す例の場合、携帯電子機器1bは、通信領域8を1画素ずつの領域に分割し、分割された領域毎にデータを伝達するための信号を受信する。表示部32aと表示部32bの画素4の位置は一致しており、また、初期状態では、携帯電子機器1aは、通信領域5を1画素ずつの領域に分割し、分割された領域毎にデータを伝達するための信号を送信する。このため、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへのデータの送信は正常に行われる。
【0035】
一方、図5に示す例では、表示部32aと表示部32bとを対向させたところ、双方の画素4の位置が一致していない。そのため、基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dは、隣接する基準点と異なる列または行に位置しており、基準点の検出位置が光センサ4sの配列方向に対して距離Gだけずれている。この場合、通信領域8を8×8、すなわち、1画素ずつの領域に分割すると、基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dは、隅の分割領域に収まらない。
【0036】
そして、この状態のまま、携帯電子機器1aが通信領域5を1画素ずつの領域に分割し、分割された領域毎にデータを伝達するための信号を送信すると、表示部32bでは1つの信号が隣接する複数の光センサ4sに検出されてしまい、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへのデータの送信は正常に行われない。
【0037】
そこで、携帯電子機器1bは、ずれの大きさ(距離G)に応じて、通信領域8の分割数を減少させる。図5の例の場合、携帯電子機器1bは、通信領域8を4×4、すなわち、4画素ずつの領域に分割する。その結果、基準点7a、基準点7b、基準点7cおよび基準点7dは、それぞれ、隅の分割領域に収まるようになる。そして、携帯電子機器1bは、携帯電子機器1aに対して、4画素ずつ分割した領域毎に信号を送信するように、すなわち、通信領域5を4画素ずつの領域に分割するように指示する。なお、ずれの大きさが大きい場合、携帯電子機器1bは、通信領域8の分割数をさらに減少させる。
【0038】
通信領域内での画素4の位置のずれは、四隅に位置する基準点において最も大きくなる。したがって、基準点が隅の分割領域に収まるように通信領域を分割することにより、隅以外の分割領域においても少なくとも1つは、対向する表示部において隣接する分割領域にまたがらない画素を確保することができる。表示部32aの分割領域毎に、このように対向する表示部32bにおいて隣接する分割領域にまたがらない画素を発光させることにより、表示部32aと表示部32bの画素の位置がずれていても、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを正常に送信することができる。ここで、対向する表示部32bにおいて隣接する分割領域にまたがらない画素とは、例えば、通信領域5の中心から最も遠い画素(分割領域の最も外側に位置する画素)である。
【0039】
近年の携帯電話機等の携帯電子機器の表示部は、小型でかつ解像度が高いため、画素間の間隔が非常に狭くなっている。また、携帯電子機器の利用者は、表示部を用いたデータ通信を開始するに際して、携帯電子機器を何らかの機械に固定させるという面倒な手順を採用せずに、携帯電子機器を手に持って表示部を対向させるのが通常であると想定される。このため、実際の運用時には、図4に示したように画素の位置が一致することはまれであると考えられ、図5に示したように画素の位置が一致しなくても正常にデータを送信できるようにすることは重要である。
【0040】
なお、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bは、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを送信する以外に、データの送信に関する各種の制御信号を双方向で送受信することができる。この制御信号の送受信は、データの送信を開始するに先立って行われる各種の調整や、実行中のデータ送信処理に関する受信側から送信側への情報のフィードバックや、送信側から受信側へのデータの送信完了の通知等に用いられる。携帯電子機器1bから携帯電子機器1aへの領域分割に関する指示の伝達も、この仕組みを用いて実現される。
【0041】
具体的には、制御信号の送受信は、一方の表示部の画素4を所定のパターンで発光させ、他方の表示部の光センサ4sにそれを検出させることによって実現される。ここで、例えば、表示部の全面または十分に広い領域を同時に発光させて1ビットずつ情報を送信することにより、複雑な制御を行うことなく確実に情報を送信することができる。制御信号は情報量が少ないため、このように1ビットずつ情報を送信しても、送信処理が十分短時間のうちに完了する。
【0042】
次に、図6および図7を参照しながら、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bの機能的な構成について説明する。図6は、携帯電子機器1aの機能的な構成を示すブロック図である。図7は、携帯電子機器1bの機能的な構成を示すブロック図である。なお、図6および7では、図示を簡略化するため、本発明と関連のない構成の図示を省略している。
【0043】
図6に示すように、携帯電子機器1aは、表示部32aと、操作部13と、スピーカ17と、通信部26と、記憶部24と、制御部22とを有する。表示部32aは、複数の画素4を備え、画素4は、画素回路4rと、画素回路4gと、画素回路4bと、光センサ4sとを有する。通信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局を通じて他の装置との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0044】
記憶部24は、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータを記憶する。記憶部24は、例えば、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)等の半導体記憶装置や、磁気ディスク等の磁気記憶装置等で構成される。記憶部24が記憶するプログラムには、データ送信プログラム24aが含まれる。データ送信プログラム24aは、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを送信するための各種機能を実現する。
【0045】
制御部22は、記憶部24に記憶されているプログラムおよびデータに基づいて処理を実行する。具体的には、制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、演算データ等を一時的に記憶するメモリとを有し、プログラムに含まれる命令コードを読み込んで演算装置に命令コードを実行させることによって各種の処理を実現する。
【0046】
本実施形態において、制御部22は、通信領域設定部22aと、分割領域設定部22bと、データ送信部22cとを有する。これらの機能部は、制御部22がデータ送信プログラム24aを実行することによって実現される。
【0047】
通信領域設定部22aは、通信領域5を設定する。具体的には、通信領域設定部22aは、予め設定された設定値、または、通信開始時に携帯電子機器1bとやりとりを行った結果に基づいて、初期状態での通信領域5を設定する。初期状態での通信領域5は、多くの情報を一度に送信できるように広く設定される。そして、通信領域設定部22aは、携帯電子機器1bから送信される制御信号に基づいて、通信領域5の大きさを調整する。
【0048】
分割領域設定部22bは、分割数に応じて通信領域5を複数の分割領域に分割する。具体的には、分割領域設定部22bは、初期状態では、予め設定された分割数、または、通信開始時に携帯電子機器1bとやりとりを行って決定された分割数に応じて、通信領域5を分割する。この時点において、分割数は、多くの情報を一度に送信できるように大きな値に設定される。典型的には、分割数は、通信領域5が1画素毎の領域に分割されるように設定される。そして、分割領域設定部22bは、携帯電子機器1bから送信される制御信号に基づいて、分割数を調整する。
【0049】
データ送信部22cは、分割領域設定部22bによって分割された領域毎に画素4の発光を制御してデータを携帯電子機器1bへ送信する。データ送信部22cは、四隅の領域のうち、少なくとも3つの領域については、通信領域5の位置および大きさを携帯電子機器1bに認識させるために、送信するデータの内容にかかわらず発光させる。
【0050】
また、データ送信部22cは、送信対象のデータを、通信領域5の分割数に応じた大きさで切り出し、切り出したデータの検証データを算出する。そして、切り出したデータと検証データに対応するビットパターン(画像)を生成し、ビットパターンの各ビットを四隅以外の分割領域のいずれかに割り当て、割り当てたビットの値に応じて各分割領域の画素4を発光状態または非発光状態にする。データ送信部22cは、送信対象のデータ全体の送信が完了するまで、この処理を繰り返し実行する。
【0051】
図7に示すように、携帯電子機器1bは、表示部32bと、操作部13と、スピーカ17と、通信部26と、記憶部24と、制御部22とを有する。記憶部24が記憶するプログラムには、データ受信プログラム24bが含まれる。データ受信プログラム24bは、携帯電子機器1aから送信されるデータを受信するための各種機能を実現する。
【0052】
携帯電子機器1bの制御部22は、通信領域設定部22dと、分割領域設定部22eと、データ受信部22fとを有する。これらの機能部は、制御部22がデータ受信プログラム24bを実行することによって実現される。
【0053】
通信領域設定部22dは、受信側の通信領域8を設定する。具体的には、通信領域設定部22dは、携帯電子機器1aが通信領域5の位置と大きさを示すために表示する基準点が検出された位置を含み、光センサ4sの配列方向と平行又は垂直な辺を有する矩形領域を通信領域8として設定する。なお、送信側が3つの基準点のみを表示する場合、通信領域設定部22dは、3つの基準点が検出された位置に基づいて残りの1つの基準点の位置を算出する。また、位置を検出できない基準点がある場合、すなわち、基準点が光センサ4sによって検出可能な範囲外にある場合、通信領域設定部22dは、携帯電子機器1aに対して通信領域5を縮小することを要求する制御信号を送信する。
【0054】
分割領域設定部22eは、分割数に応じて通信領域8を複数の分割領域に分割する。具体的には、分割領域設定部22eは、初期状態では、予め設定された分割数、または、通信開始時に携帯電子機器1aとやりとりを行って決定された分割数に応じて、通信領域8を分割する。そして、分割領域設定部22eは、基準点が検出された位置のずれの大きさ(例えば、光センサ4sの配列方向でのずれの大きさ)に応じて、各基準点が隅の分割領域のいずれかに収まるように分割数を逐次調整する。分割数を変更した場合、分割領域設定部22eは、分割される領域毎に信号を送信させるために、携帯電子機器1aに対して変更後の分割数を通知する制御信号を送信する。
【0055】
データ受信部22fは、分割領域設定部22eによって分割された領域毎に光センサ4sに信号を検出させ、検出された信号に基づいて、携帯電子機器1aから送信されたデータを復号する。また、データ受信部22fは、検出された信号に基づいて、検証データを復号し、送信されたデータを、検証データを用いて検証する。データに誤りがないことが検証された場合、分割領域設定部22eは、携帯電子機器1aに対してデータが正常に受信されたことを通知する制御信号を送信する。一方、データに誤りがあった場合、分割領域設定部22eは、携帯電子機器1aに対してデータの再送を要求する制御信号を送信する。
【0056】
ここで、データの誤りが連続して検出された場合には、例えば、表示部32aまたは32bの表面に貼付されたフィルム等によって画素が発光する光が拡散し、隣接する領域に影響を与えているおそれがある。そこで、データの誤りが連続して検出された場合、分割領域設定部22eは、携帯電子機器1aに対して分割数の減少を指示する制御信号を送信する。分割数を減少させることにより、画素が発光する光が隣接する領域に影響を与えにくくすることができる。
【0057】
次に、図8から図12を参照しながら、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bの動作について説明する。図8は、データ受信時の携帯電子機器1bの動作を示すフロー図である。図9は、携帯電子機器1bにおける通信領域の判定結果の一例を示す図である。図10および図11は、携帯電子機器1bにおける通信領域の分割結果の一例を示す図である。図12は、データ送信時の携帯電子機器1aの動作を示すフロー図である。
【0058】
なお、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bは、図8および図12に示す動作を開始するのに先立って、通信領域の大きさや分割数の初期値を調整するために、制御信号のやりとりを行ってもよい。ここでは、例えば、表示部のサイズ、解像度、光センサの配置密度等が対向装置に通知される。このように情報のやりとりを行って初期値を調整することにより、送信側のハードウェアの仕様と受信側のハードウェアの仕様との組み合わせに応じて、好適な初期値を設定することができる。
【0059】
例えば、送信側の表示部の解像度が高く、かつ、受信側の表示部に高密度で光センサが配置されている場合、通信領域を大きく設定し、さらに、分割数を多く設定することで、高速なデータ通信を実現できる。また、送信側の表示部のサイズに対して受信側の表示部のサイズが小さい場合には、通信領域を小さく設定することで、送信エラーの発生を減少させることができる。
【0060】
このように情報をやりとりして通信領域の大きさや分割数の初期値を調整しない場合、通信領域の大きさや分割数の初期値は、予め決められた値に設定される。
【0061】
図8に示す動作は、データの送信が完了するまで携帯電子機器1bによって繰り返し実行される。表示部32bの光センサ4sが、ステップS101として、対向する表示部32aに表示されるビットパターン(画像)を検出すると、携帯電子機器1bの制御部22は、ステップS102として、ビットパターンの四隅に位置する基準点を取得する。そして、制御部22は、ステップS103として、全ての基準点を取得できたかを判定する。ここで、全ての基準点を取得できた場合には、3つの基準点が取得され、その3つの基準点から算出されるもう1つの基準点が表示部32b上に位置する場合が含まれる。
【0062】
全ての基準点を取得できない場合、すなわち、いずれかの基準点が表示部32bの外部に位置している場合(ステップS103,No)、制御部22は、ステップS104として、領域縮小要求を対向装置へ送信させる。領域縮小要求は、送信側の通信領域5の大きさを1段階小さくすることを要求する制御信号である。
【0063】
全ての基準点を取得できた場合(ステップS103,Yes)、制御部22は、ステップS105として、基準点に基づいて、受信側の通信領域8を設定する。ステップS102において、基準点7a〜7dが取得された場合、制御部22は、図9に示す例のように、基準点7a〜7dを含む矩形領域を通信領域8として設定する。
【0064】
続いて、制御部22は、ステップS106として、その時点での分割数に応じて通信領域8を分割する。ここで、通信領域8の大きさに対して分割数が多すぎるために通信領域8を分割できなかった場合(ステップS107,No)、制御部22は、ステップS108として、分割数を1段階減少させる。そして、制御部22は、ステップS109として、減少後の分割数の指定を含む再送要求を対向装置へ送信させる。分割数の指定を含む再送要求は、送信側で通信領域5を指定した分割数に応じて分割し直した上でデータを送り直すことを要求する制御信号である。
【0065】
分割数に応じて通信領域8を分割できた場合(ステップS107,Yes)、制御部22は、ステップS110として、基準点が隅の分割領域内に位置しているかを判定する。基準点が隅の分割領域内に位置していない場合(ステップS111,No)、制御部22は、ステップS108として、分割数を1段階減少させる。そして、制御部22は、ステップS109として、分割数の指定を含む再送要求を対向装置へ送信させる。
【0066】
例えば、図9に示したように通信領域8を設定した後に、図10に示すように通信領域8を8×8に分割したものとする。この場合、表示部32bに対して表示部32aが相対的に斜めに位置しているために、基準点が隅の分割領域内に収まっていない。そして、この状態で8×8に分割した領域毎に信号が送信されると、信号が隣接する領域に影響を与えるために、受信側で信号を正しく受信することは難しい。そこで、このような場合、制御部22は、例えば、分割数を4×4に減少させ、減少後の分割数に応じて分割された領域毎に信号を送信させる。
【0067】
このように制御することにより、次回のデータ送信時には、4×4に分割された領域毎に信号が送信される。そして、受信側では、図11に示すように、4×4に分割された領域毎に信号を受信する。この場合、基準点が隅の分割領域内に位置している。そして、送信側が領域毎に適切な画素を発光させて信号を送信することにより、信号が隣接する領域に影響を与えることなく、受信側で信号を正しく受信することが可能になっている。
【0068】
基準点が隅の分割領域内に位置している場合(ステップS111,Yes)、制御部22は、ステップS112として、分割領域毎に信号値を識別して送信データと検証データとを復号する。そして、制御部22は、ステップS113として、検証データを用いて送信データを検証する。
【0069】
送信データに誤りがあった場合(ステップS114,Yes)、制御部22は、ステップS115として、誤りの検出が所定回数連続したかを判定する。誤りの検出が所定回数連続しない場合(ステップS115,No)、制御部22は、ステップS116として、通常の再送要求を対向装置へ送信させる。誤りの検出が所定回数連続した場合(ステップS115,Yes)、制御部22は、ステップS108として、分割数を1段階減少させる。そして、制御部22は、ステップS109として、減少後の分割数の指定を含む再送要求を対向装置へ送信させる。
【0070】
送信データに誤りがないことが検証できた場合(ステップS114,No)、制御部22は、ステップS117として、メモリ上に設けたバッファに送信データを保存し、ステップS118として、受信成功を対向装置へ送信させる。
【0071】
図12に示す動作は、データの送信が完了するまで携帯電子機器1aによって繰り返し実行される。携帯電子機器1aの制御部22は、ステップS201として、送信対象のデータから送信が完了していないデータを、現状の分割数に応じたビット数分だけ送信データとして取得する。そして、制御部22は、ステップS202として、取得した送信データの検証データを算出する。
【0072】
続いて、制御部22は、ステップS203として、送信データおよび検証データの各ビットを分割領域と対応付けてビットパターンに符号化する。そして、制御部22は、ステップS204として、通信領域5に基準点とビットパターンを所定の時間だけ表示させ、対向装置から制御信号が送信されるのを待つ。
【0073】
送信された制御信号が領域縮小要求の場合(ステップS205,Yes)、制御部22は、ステップS206として、通信領域5の大きさを1段階縮小する。そして、制御部22は、ステップS204に戻って基準点とビットパターンを表示し直す。
【0074】
送信された制御信号が領域縮小要求ではなく再送要求の場合(ステップS205,No、ステップS207,Yes)、制御部22は、ステップS208として、分割数の指定があるかを判定する。分割数の指定がない場合(ステップS208,No)、制御部22は、ステップS204に戻って基準点とビットパターンを表示し直す。分割数の指定がある場合(ステップS208,Yes)、制御部22は、ステップS209として、通信領域5の分割数を指定値に変更し、ステップS201に戻って送信データを取得し直す。
【0075】
送信された制御信号が再送要求ではない場合、すなわち、送信された制御信号が受信成功の場合(ステップS207,No)、ステップS201で取得した送信データの送信が完了する。
【0076】
上述してきたように、本実施形態では、基準点が検出された位置のずれの大きさに応じて通信に用いる領域の分割の仕方を変更することとしたので、信号を送信する画素の位置と、信号を受信する光センサの位置とが一致していない場合でも正常にデータを送信することができる。実施形態に係るデータ通信方法のこのような特徴は、信号を送信する画素の間隔と、信号を受信する光センサの間隔とが同一でない場合にも、正常にデータを送信するために有効である。
【0077】
なお、上記の実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、上記の実施形態では、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを送信することとしたが、携帯電子機器1bから携帯電子機器1aへもデータを送信できるようにしてもよい。これは、例えば、データ送信プログラム24aを携帯電子機器1bに導入し、データ受信プログラム24bを携帯電子機器1aに導入することで実現できる。
【0078】
また、データを双方向に送信可能にする場合、データの送信を並列に実行できるようにしてもよい。データの並列送信は、例えば、表示部を上下または左右に分割し、一方の側で携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを送信し、もう一方の側で携帯電子機器1bから携帯電子機器1aへデータを送信することで実現できる。また、光センサ4sが色を識別できるようにして、携帯電子機器1aから携帯電子機器1bへデータを送信するために用いる光の色と、携帯電子機器1bから携帯電子機器1aへデータを送信するために用いる光の色とを異ならせることでも実現できる。
【0079】
また、データの送信が完了した場合に、携帯電子機器1aおよび携帯電子機器1bの少なくとも一方が音声等をスピーカ17から出力して、利用者に送信完了を通知することとしてもよい。表示部を対向させて通信を行う場合、表示部にメッセージ等を表示しても利用者がそれを見ることは難しいが、この状態でも、利用者は、スピーカ17から出力される音声等を容易に認識することができる。
【0080】
また、上記の実施形態では、基準点を毎回表示することとしたが、基準点は、初回または通信領域5の大きさを変更した直後のみ表示することとし、それ以外のタイミングでは、基準点を表示するための分割領域をデータ送信のために利用してもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、通信領域の分割数を少なくしていく例を示したが、通信領域の分割数を増やすことができるようにしてもよい。例えば、送信されたデータに誤りがないことが検証されるたびに、通信領域の分割数を増やして領域分割を行っても基準点の検出位置が隅の分割領域に収まるかを判定し、収まる場合には分割数を増やすこととしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1a、1b 携帯電子機器
4 画素
4r、4g、4b 画素回路
4s 光センサ
13 操作部
17 スピーカ
22 制御部
22a 通信領域設定部
22b 分割領域設定部
22c データ送信部
22d 通信領域設定部
22e 分割領域設定部
22f データ受信部
24 記憶部
24a データ送信プログラム
24b データ受信プログラム
26 通信部
32a、32b 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光センサが配列された第1の表示部と、
前記第1の表示部に対向する他の装置の第2の表示部がデータを送信するために用いる領域の位置および大きさを知らせるために表示する基準点を前記光センサに検出させ、前記基準点が検出された位置に基づいて、前記第2の表示部から送信される信号を受信する領域である通信領域を設定する通信領域設定部と、
前記基準点が検出された位置のずれに応じて、前記通信領域を複数の領域に分割する分割領域設定部と、
前記分割領域設定部によって分割された領域毎に、前記第2の表示部から送信される信号を前記光センサに検出させ、検出された信号からデータを復号するデータ受信部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記基準点は、前記第2の表示部がデータを送信するために用いる領域の少なくとも3つの隅に配置され、
前記分割領域設定部は、前記基準点が、分割後の領域のうち、隅の領域に収まるように前記通信領域を複数の領域に分割することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記分割領域設定部は、前記他の装置に対して、前記分割領域設定部によって分割された領域毎に信号を送信することを要求することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記通信領域設定部は、前記基準点が前記光センサの検出できる範囲外にある場合に、前記他の装置に対して、前記データを送信するために用いる領域を縮小することを要求することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の表示部にデータに対応する画像を表示させ、該画像を前記第2の表示部が備える光センサに検出させることによって前記他の装置へ前記データを送信するデータ送信部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
複数の光センサが配列された第1の表示部を有する電子機器に、
前記第1の表示部に対向する他の装置の第2の表示部がデータを送信するために用いる領域の位置および大きさを知らせるために表示する基準点を前記光センサに検出させるステップと、
前記基準点が検出された位置に基づいて、前記他の装置の表示部から送信される信号を受信する領域である通信領域を設定するステップと、
前記基準点が検出された位置のずれに応じて、前記通信領域を複数の領域に分割するステップと、
前記通信領域を分割した領域毎に、前記他の装置の表示部から送信される信号を前記光センサに検出させるステップと、
前記光センサによって前記領域毎に検出された信号からデータを復号するステップと
を実行させることを特徴とするデータ受信プログラム。
【請求項7】
第1の表示部を有する第1の電子機器から、複数の光センサが配列された第2の表示部を有する第2の電子機器へデータを送信するためのデータ通信方法であって、
前記第1の電子機器が、前記第1の表示部のうち前記データを送信するために用いる第1の通信領域の位置および大きさを知らせるために、前記第1の表示部に基準点を表示するステップと、
前記第2の電子機器が、前記基準点を前記光センサに検出させるステップと、
前記第2の電子機器が、前記基準点が検出された位置に基づいて、前記第2の表示部から送信される信号を受信する領域である第2の通信領域を設定するステップと、
前記第2の電子機器が、前記基準点が検出された位置のずれに応じて、前記第2の通信領域を複数の領域に分割するステップと、
前記第2の電子機器が、前記第2の通信領域を分割した領域毎に、前記第2の表示部から送信される信号を前記光センサに検出させるステップと、
前記第2の電子機器が、前記光センサによって前記領域毎に検出された信号からデータを復号するステップと
を含むことを特徴とするデータ通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−155225(P2012−155225A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15778(P2011−15778)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】