説明

電子機器、表示制御方法及び表示制御プログラム

【課題】表示領域に情報を効率的に表示させることができる電子機器、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、制御部18により、表示部11における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定し、第2表示モードが設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を表示部11に表示させ、第1表示モードが設定されている場合には、第1情報又は第2情報のいずれか一方を表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた電子機器、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作性を向上させるために、電子機器に対してタッチパネルを設けることが行われている。例えば、特許文献1には、モニタの枠に沿ったタッチパネル領域に対して機能の割り当てと機能の表示が行えるソフトキーを表示させることが可能な電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−207589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された電子機器では、機能の数が多くなると、ソフトキー等の情報を表示させることが困難になる。また、ソフトキーのみを表示させると、当該ソフトキーがどのような機能を有するのか把握するのが困難になる。
【0005】
本発明は、表示領域に情報を効率的に表示させることができる電子機器、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、表示部と、前記表示部における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定するモード設定部と、前記第2表示モードが設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を前記表示部に表示させ、前記第1表示モードが設定されている場合には、前記第1情報又は前記第2情報のいずれか一方を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第2表示モードの場合、前記第2情報を前記第1情報に対応して前記表示部に表示させることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第2表示モードの場合、前記第1情報及び第2情報の少なくとも一方を他方に対して斜視表示させることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第2表示モードが設定されている場合、仮想的な面から構成される仮想多面体を前記表示部に立体的に表示させると共に、前記仮想多面体の仮想第1面に前記第1情報を表示し、当該仮想第1面と隣り合う仮想第2面に前記第2情報を表示することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第1表示モードが設定されている場合、前記仮想第1面又は前記仮想第2面のいずれかを前記表示部に平面的に表示することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る電子機器は、前記表示部を有する筐体部と、当該筐体部の傾きを検出する傾き検出部と、を更に備え、前記モード設定部は、前記傾き検出部によって検出された前記筐体部の傾きに応じて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのいずれかに前記表示モードを設定することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第2表示モードが設定されている場合に、前記傾き検出部によって検出された傾きに応じて、前記表示部に表示される前記第1情報に対する前記第2情報の表示態様を変更することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第1情報が表示される仮想第3面と、前記仮想第3面と一部又は全てが重畳する仮想第4面とを前記表示部に表示させ、前記第1表示モードが設定されている場合、前記仮想第3面を表示させると共に、前記仮想第4面を前記仮想第3面に対して全て重畳させることによって、当該仮想第4面の表示を規制し、前記第2表示モードが設定されている場合、前記仮想第3面及び当該仮想第3面と一部が重畳した前記仮想第4面を、同じ向きに前記表示部に斜視表示させることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る電子機器では、前記制御部は、前記第1表示モードが設定されている場合、複数の前記第1情報を前記表示部に表示させ、前記第2表示モードが設定されている場合、複数の前記第1情報それぞれに対応する前記第2情報を、当該第1情報に対応して前記表示部に表示させることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る表示制御方法は、表示部を備える電子機器が当該表示部に情報を表示させる表示制御方法であって、前記電子機器は、前記表示部における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定可能であり、前記表示制御方法は、前記第2表示モードが設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を前記表示部に表示させ、前記第1表示モードが設定されている場合には、前記第1情報又は前記第2情報のいずれか一方を前記表示部に表示させるステップを含む。
【0016】
また、本発明に係る表示制御プログラムは、表示部を備える電子機器に、当該表示部に情報を表示させるため処理を実行させるための表示制御プログラムであって、前記表示部における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定する処理と、前記電子機器が前記第2表示モードに設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を前記表示部に表示させ、前記電子機器が前記第1表示モードに設定されている場合には、前記第1情報又は前記第2情報のいずれか一方を前記表示部に表示させる処理と、を前記電子機器に実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示領域に情報を効率的に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る表示部の表示モードが第1表示モードに設定されている場合に、仮想第1面(仮想第3面)が表示部に表示された例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る表示部の表示モードが第2表示モードに設定されている場合に、仮想第1面及び仮想第2面が表示部に表示された例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る表示部の表示モードが第2表示モードに設定されている場合に、仮想第3面及び仮想第4面が表示部に表示された例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る制御部が第1情報及び第2情報を表示部に表示させる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0020】
携帯電話機1は、筐体2を備える。筐体2には、正面部に、タッチパネル10と、マイク13と、スピーカ14とが配置される。
【0021】
タッチパネル10は、表示部11と、接触検出部12とを備える(図2参照)。表示部11は、液晶表示パネル又は有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル等である。接触検出部12は、表示部11に対応して配置され、携帯電話機1のユーザの指やタッチペン等の物体の接触を検出する。接触検出部12は、物体の接触を検出したことに応じて、接触位置を制御部18に供給する。接触検出部12には、例えば、静電容量方式や抵抗膜方式等のセンサが利用可能である。
【0022】
マイク13は、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声を入力するために用いられる。
スピーカ14は、携帯電話機1のユーザの通話相手が発した音声を出力するために用いられる。
【0023】
続いて、図2を参照しながら、携帯電話機1の機能構成について説明する。図2は、携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
携帯電話機1は、上述した、タッチパネル10(表示部11及び接触検出部12)と、マイク13と、スピーカ14とを備える。また、携帯電話機1は、傾き検出部15と、通信部16と、記憶部17と、制御部18とを備える。
【0025】
傾き検出部15は、三軸加速度センサ等により構成されており、筐体2の傾きの角度を検出する。傾き検出部15は、筐体2の傾きの角度を検出したことに応じて、この角度を制御部18に供給する。
【0026】
通信部16は、メインアンテナ(図示省略)とRF回路部(図示省略)とを備え、所定の使用周波数帯で基地局等の外部装置と通信を行う。具体的には、通信部16は、上記のメインアンテナによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部18に供給する。また、通信部16は、制御部18から供給された信号を変調処理し、上記のメインアンテナを介して外部装置に送信する。
【0027】
記憶部17は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部18による演算処理に利用される。また、記憶部17は、携帯電話機1の内部で動作するアプリケーションを1又は複数記憶する。なお、記憶部17は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0028】
制御部18は、携帯電話機1の全体を制御する。例えば、制御部18は、表示部11、スピーカ14、及び通信部16に対して所定の制御を行う。また、制御部18は、接触検出部12によって物体の接触を検出したことに応じて、各種処理を実行する。また、制御部18は、傾き検出部15によって筐体2の傾きの角度を検出したことに応じて、各種処理を実行する。また、制御部18は、処理実行の際には、記憶部17を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。また、制御部18は、第1情報と第2情報とを表示部11に対して表示させる制御を行う。
【0029】
ここで、第1情報は、例えば、機能の名称や、電話帳に登録されているユーザ名や、メールのタイトル等の文字情報である。
第2情報は、第1情報の下層情報であり、例えば、機能の名称を補足する説明や、電話帳に登録されているユーザ名に対応する電話番号及び住所や、メールのメッセージ本文等の文字情報である。
【0030】
以下、制御部18の表示制御に係る処理について詳細に説明する。
制御部18は、モード設定部として機能し、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度に応じて、表示部11における表示を、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードのいずれかに設定する。具体的には、制御部18は、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度が、一定時間にわたって所定の角度以上である場合に、表示モードの設定を第1表示モードから第2表示モードに変更する。また、制御部18は、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度が一定時間にわたって所定の角度未満である場合に、表示モードの設定を第2表示モードから第1表示モードに変更する。
【0031】
ここで、制御部18は、第1表示モードによって第1情報が表示された時点で傾き検出部15によって検出された筐体2の傾きの角度を0度(基準角度)とし、当該基準角度に対する相対的な角度によって表示制御を行うものとする。
【0032】
なお、制御部18は、接触検出部12により所定パターンの接触が検出されたことに応じて、筐体2の傾きの角度に応じた表示モードの変更を可能とするか否かを変更するようにしてもよい。また、この場合、筐体2の傾きの角度に応じた表示モードの変更を可能とするか否かを制御する情報を記憶部17に記憶させるようにしてもよい。
【0033】
平面的な表示とは、文字情報が平面に表示されているように当該文字情報を表示させることをいう。すなわち、平面的な表示とは、仮想多面体の仮想第1面11aに文字情報を表示した場合に、当該仮想第1面11aを正面から視認した場合の表示態様である。
【0034】
一方、立体的な表示とは、文字情報が3次元形状の物体の表面に表示されているように当該文字情報を表示させることをいう。すなわち、立体的な表示とは、仮想多面体の仮想第1面11aに文字情報を表示させると共に、当該仮想第1面11aと隣り合う仮想第2面11bに文字情報を表示させた場合に、仮想第1面11a及び仮想第2面11bを斜めの位置から視認した場合の表示態様である。
【0035】
つまり、制御部18は、表示部11における表示モードの設定を、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定することによって、表示部11に対して、仮想第1面11aに第1情報を表示させると共に、仮想第1面11aと隣り合う仮想第2面11bに第2情報が表示された仮想多面体を表示させることができる。
【0036】
制御部18は、表示モードが第1表示モードに設定されている場合、第1情報を表示部11に表示させ、表示モードが第2表示モードに設定されている場合、第1情報と第2情報とを表示部に表示させる。
【0037】
具体的には、制御部18は、表示モードが第1表示モードに設定されている場合、仮想多面体の仮想第1面11aを表示部11に平面的に表示させる。また、制御部18は、表示部11の表示モードが第1表示モードに設定されている場合、第1情報を、例えば、機能を複数表示するメニューや、電話帳に登録されているユーザ名を複数表示するアドレス帳や、受信メール一覧といったように、表示部11に対してリスト形式で複数表示させる。
なお、本実施形態では、第1情報をリスト形式で複数表示させることとしたが、これに限らず、例えば、アイコン形式等、他の形式で複数表示させることとしてもよい。
【0038】
図3は、本実施形態に係る表示部11の表示モードが第1表示モードに設定されている場合に、仮想第1面11a(仮想第3面11c)が表示部11に表示された例を示す図である。図3に示されているように、仮想第1面11aに表示された第1情報は、表示部11の表示モードが第1表示モードに設定されている場合、平面的に表示されていることが確認できる。また、図3に示されているように、第1情報は、表示部11に対してリスト形式で複数表示されていることが確認できる。
【0039】
制御部18は、表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されている場合、仮想多面体を表示部11に立体的に表示させ、第1情報及び第2情報をそれぞれ仮想第1面11a及び仮想第2面11bに表示させる。また、制御部18は、表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されている場合、表示部11に対して、第1情報が表示された仮想第1面11aをリスト形式で複数表示させると共に、複数の第1情報それぞれに対応する第2情報が表示された仮想第2面11bを第1情報が表示された仮想第1面11aに隣り合わせて表示させる。
【0040】
また、制御部18は、表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されている場合、仮想第1面11aを斜視表示させると共に、仮想第2面11bを仮想第1面11aの斜視表示とは異なる向きに斜視表示させる。なお、本実施形態では、制御部18は、表示モードが第2表示モードに設定されている場合、仮想第1面11aを表示部11に表示させるものとして説明を進めるが、制御部18は、表示モードが第2表示モードに設定されている場合、仮想第1面11a及び仮想第2面11bの少なくとも一方を、他方に対して斜視表示させるようにしてもよい。
【0041】
また、制御部18は、表示モードが第2表示モードに設定されている場合に、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度に応じて、表示部11に表示される第1情報に対する第2情報の表示態様を変更する。具体的には、制御部18は、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度が大きくなるに従って、第1情報の表示領域の面積を小さくすると共に、第2情報の表示領域の面積を大きくするように表示制御を行う。
【0042】
図4は、本実施形態に係る表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されている場合に、仮想第1面11a及び仮想第2面11bが表示部11に表示された例を示す図である。図4(a)は、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度が基準角度ではない第1の角度である場合の表示部11の表示態様を示す図である。図4(b)は、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度が第1の角度より大きい第2の角度である場合の表示部11の表示態様を示す図である。
【0043】
図4(a)及び図4(b)に示されているように、仮想第1面11a及び仮想第2面11bは、表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されている場合、立体的に表示されていることが確認できる。また、図4(a)及び図4(b)に示されているように、表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されている場合、第1情報がリスト形式で複数表示されると共に、複数の第1情報それぞれに対応する第2情報が第1情報に隣り合って表示部11に表示されることが確認できる。
【0044】
また、図4(b)における第1情報の表示領域の面積が、図4(a)における第1情報の表示領域の面積に比べて小さくなっていると共に、図4(b)における第2情報の表示領域の面積が、図4(a)における第2情報の表示領域の面積に比べて大きくなっていることが確認できる。
【0045】
なお、表示態様を変更する際、上述した表示態様では、仮想第1面11aと仮想第2面11bとの表示面積の比率を変更する態様を示したものの、実施形態はこれに限られない。例えば、制御部18は、面積比率を維持しつつも、仮想的に仮想第1面11aと仮想第2面とが向いている方向を、傾き検出部15によって検出された角度に応じて変更させるようにしてもよい。
【0046】
なお、上述の説明では、制御部18は、仮想多面体の仮想第1面11aに文字情報を表示させると共に、当該仮想第1面11aと隣り合う仮想第2面11bに文字情報を表示させて、表示制御を行うものとしたが、これに限らない。例えば、制御部18は、仮想第3面11cに第1情報が表示されると共に、仮想空間において仮想第3面11cと所定方向に離間すると共に所定方向において当該仮想第3面11cの一部又は全てと重畳する仮想第4面11dに第2情報が表示された仮想表示状態に基づいて表示制御を行うようにしてもよい。
【0047】
この場合、制御部18は、表示モードが第1表示モードに設定されている場合、表示部11に対して仮想第3面11cを平面的に表示させると共に、仮想第4面11dの全てが仮想第3面11cに重畳するようにして表示部11に表示されないように規制する。この場合、第1情報は、図3に示す表示例と同様に表示される。
【0048】
また、制御部18は、表示モードが第2表示モードに設定されている場合、仮想第3面11c及び仮想第4面11dを、同じ向きに立体的に表示部11に斜視表示させる。つまり、制御部18は、表示モードが第2表示モードに設定されている場合、仮想第3面11c及び仮想第4面11dの両方が表示される表示態様で当該仮想第3面11c及び仮想第4面11dを表示部11に表示させる。具体的には、制御部18は、仮想第3面11cが仮想第4面11dの一部と重畳することによって、仮想第3面11cと仮想第4面11dとの両方を表示部11に表示させる。そして、制御部18は、第1情報を斜視表示させると共に、第2情報が第1情報の斜視表示と同じ向きに斜視表示させる。
【0049】
図5は、本実施形態に係る表示部の表示モードが第2表示モードに設定されている場合に、仮想第3面11cと仮想第4面11dとが表示部11に表示された例を示す図である。図5では、第1情報及び第2情報が、図4に示す表示例と異なり、同じ向きに斜視表示されていることが確認できる。なお、図5では、仮想第4面11dの一部が表示されていない状態で当該仮想第4面11dが表示されているが、制御部18は、傾き検出部15により検出された筐体2の傾きの角度が大きくなるに従って、仮想第4面11dの表示されていない領域を減らすように表示制御してもよい。
【0050】
続いて、制御部18が第1情報及び第2情報を表示部11に表示させる処理の流れについて説明する。図6は、本実施形態に係る制御部18が第1情報及び第2情報を表示部11に表示させる処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
ステップS1において、制御部18は、接触検出部12を介して第1情報の表示操作を受け付ける。
ステップS2において、制御部18は、表示部11の表示モードが第1表示モードに設定されているか否かを判定する。制御部18は、この判定がYESの場合、ステップS3に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS6に処理を移す。
【0052】
ステップS3において、制御部18は、表示部11に第1情報を平面的に表示させる。
ステップS4において、制御部18は、傾き検出部15によって検出した筐体2の角度が一定時間にわたって所定の角度以上であるか否かを判定する。制御部18は、この判定がYESの場合、ステップS5に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS6に処理を移す。
ステップS5において、制御部18は、表示部11の表示モードを第1表示モードから第2表示モードに変更する。
【0053】
ステップS6において、制御部18は、表示部11の表示モードが第2表示モードに設定されているか否かを判定する。制御部18は、この判定がYESの場合、ステップS7に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS10に処理を移す。
【0054】
ステップS7において、制御部18は、表示部11に第1情報及び第2情報を立体的に表示させる。そして、制御部18は、傾き検出部15によって検出した筐体2の角度に応じて、表示部11に表示される第1情報の表示領域の面積と、第2情報の表示領域の面積との比率を変化させる。
【0055】
ステップS8において、制御部18は、傾き検出部15によって検出した筐体2の角度が一定時間にわたって所定の角度未満か否かを判定する。制御部18は、この判定がYESの場合、ステップS9に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS10に処理を移す。
【0056】
ステップS9において、制御部18は、表示部11の表示モードを第2表示モードから第1表示モードに変更する。
【0057】
ステップS10において、制御部18は、接触検出部12を介して表示部11に表示されている第1情報の表示を終了する操作が受け付けられたか否かを判定する。制御部18は、この判定がYESの場合、本フローチャートに係る処理を終了し、この判定がNOの場合、ステップS2に処理を移す。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、携帯電話機1は、制御部18により、表示部11における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定する。そして、携帯電話機1は、制御部18により、第2表示モードに設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を表示部11に表示させ、第1表示モードに設定されている場合には、第1情報又は第2情報のいずれか一方を表示部に表示させる。
【0059】
よって、携帯電話機1は、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を表示部11に表示させることができるので、1の表示領域に情報を効率的に表示させることができる。
【0060】
また、携帯電話機1は、第2表示モードに設定されている場合に、第2情報を第1情報に対応して表示部11に表示させるので、ユーザに対して第1情報に対応した第2情報を容易に把握させることができる。
【0061】
また、携帯電話機1は、第1表示モードに設定されている場合、仮想第1面11aを表示部11に平面的に表示させ、第2表示モードに設定されている場合、仮想多面体を表示部11に立体的に表示させ、第1情報及び第2情報をそれぞれ仮想第1面11a及び仮想第2面11bに表示させる。また、携帯電話機1は、第2表示モードに設定されている場合に、第1情報及び第2情報の少なくとも一方を他方に対して斜視表示させる。
よって、携帯電話機1は、第2表示モードに設定されている場合に、第1情報及び第2情報を立体的に表示させることができる。
【0062】
また、携帯電話機1は、傾き検出部15によって検出された筐体2の傾きに応じて、第1表示モードと第2表示モードとのいずれかに表示モードを設定するので、ユーザにとって直感的な操作によって第1表示モード又は第2表示モードに設定することができる。
【0063】
また、携帯電話機1は、第2表示モードが設定されている場合に、傾き検出部15によって検出された傾きに応じて、表示部11に表示される第1情報に対する第2情報の表示態様を変更するので、ユーザは、表示部11に表示されている3次元の形状を傾ける感覚で操作することができる。
【0064】
また、携帯電話機1は、第1情報が表示される仮想第3面11cと、仮想第3面11cと一部又は全てが重畳する仮想第4面11dを表示部11に表示させ、第1表示モードに設定されている場合、仮想第3面11cを表示させると共に、仮想第4面11dを仮想第3面11cに対して全て重畳させることによって、仮想第4面の表示を規制する。
よって、携帯電話機1は、第2表示モードである場合に、仮想第3面11cの下に配置されている仮想第4面11dを覗き込むような感覚で第2情報を立体的に表示させることができる。
【0065】
また、携帯電話機1は、第1表示モードに設定されている場合、複数の前記第1情報を表示部11に表示させ、第2表示モードに設定されている場合、複数の第1情報それぞれに対応する第2情報を、当該第1情報に隣り合わせて表示部11に表示させる。よって、携帯電話機1は、複数の第1情報及び第2情報がそれぞれ対応するように、当該第1情報及び第2情報を効率よく表示させることができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0067】
例えば、第1表示モードが設定されている場合においては、図3を用いた説明では仮想第1面11a(仮想第3面11c)のみが表示部11に表示される態様を示したが、これに限らず、仮想第2面11b(仮想第4面11d)のみが表示部11に表示されるようにしてもよい。
【0068】
本発明では、タッチパネル10を備えた携帯電話機1について説明したが、タッチパネル10を備えていない携帯電話機に本発明を適用してもよい。携帯電話機は、ストレートタイプや、2つの筐体をヒンジによって結合した折畳み式や、2つの筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)でもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、本発明が携帯電話機1に適用される場合を例示して説明したが、これに限らない。本発明は、例えば、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)やポータブルゲーム機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 携帯電話機(電子機器)
10 タッチパネル
11 表示部
12 接触検出部
15 傾き検出部
16 通信部
17 記憶部
18 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定するモード設定部と、
前記第2表示モードが設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を前記表示部に表示させ、前記第1表示モードが設定されている場合には、前記第1情報又は前記第2情報のいずれか一方を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2表示モードの場合、前記第2情報を前記第1情報に対応して前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2表示モードの場合、前記第1情報及び第2情報の少なくとも一方を他方に対して斜視表示させる、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2表示モードが設定されている場合、仮想的な面から構成される仮想多面体を前記表示部に立体的に表示させると共に、前記仮想多面体の仮想第1面に前記第1情報を表示し、当該仮想第1面と隣り合う仮想第2面に前記第2情報を表示する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1表示モードが設定されている場合、前記仮想第1面又は前記仮想第2面のいずれかを前記表示部に平面的に表示する、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示部を有する筐体部と、
当該筐体部の傾きを検出する傾き検出部と、
を更に備え、
前記モード設定部は、前記傾き検出部によって検出された前記筐体部の傾きに応じて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのいずれかに前記表示モードを設定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2表示モードが設定されている場合に、前記傾き検出部によって検出された傾きに応じて、前記表示部に表示される前記第1情報に対する前記第2情報の表示態様を変更する、
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1情報が表示される仮想第3面と、前記仮想第3面と一部又は全てが重畳する仮想第4面とを前記表示部に表示させ、
前記第1表示モードが設定されている場合、前記仮想第3面を表示させると共に、前記仮想第4面を前記仮想第3面に対して全て重畳させることによって、当該仮想第4面の表示を規制し、
前記第2表示モードが設定されている場合、前記仮想第3面及び当該仮想第3面と一部が重畳した前記仮想第4面を、同じ向きに前記表示部に斜視表示させる、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1表示モードが設定されている場合、複数の前記第1情報を前記表示部に表示させ、
前記第2表示モードが設定されている場合、複数の前記第1情報それぞれに対応する前記第2情報を、当該第1情報に対応して前記表示部に表示させる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
表示部を備える電子機器が当該表示部に情報を表示させる表示制御方法であって、
前記電子機器は、前記表示部における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定可能であり、
前記表示制御方法は、
前記第2表示モードが設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を前記表示部に表示させ、前記第1表示モードが設定されている場合には、前記第1情報又は前記第2情報のいずれか一方を前記表示部に表示させるステップを含む、
表示制御方法。
【請求項11】
表示部を備える電子機器に、当該表示部に情報を表示させるため処理を実行させるための表示制御プログラムであって、
前記表示部における表示モードを、平面的表示を行う第1表示モードと、立体的表示を行う第2表示モードとのいずれかに設定する処理と、
前記電子機器が前記第2表示モードに設定されている場合には、第1情報と当該第1情報の下層情報である第2情報の両方を前記表示部に表示させ、前記電子機器が前記第1表示モードに設定されている場合には、前記第1情報又は前記第2情報のいずれか一方を前記表示部に表示させる処理と、
を前記電子機器に実行させる表示制御プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−203768(P2012−203768A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69335(P2011−69335)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】