説明

電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラム

【課題】映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示が、表示画面上で重なって表示されることを防止する。
【解決手段】映像に係る映像信号を受信し、前記映像に文字が含まれるかを検出し、文字が含まれる場合は、前記映像における文字の位置に係る情報を取得する位置情報取得部を備える。前記映像に重畳表示するOSD表示を作成し、出力するOSD表示出力部を備える。前記取得された文字の位置情報を用い、前記文字と前記OSD表示が重なるかを検出し、前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合は、前記文字と前記OSD表示が重ならないように前記OSD表示をずらして出力するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラムに関
する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送等から映像コンテンツを受信し、映像表示部に受信した映像コンテンツに係
る映像を表示する電子機器(映像表示装置)が普及している。
上記映像コンテンツには、例えば、映像である文字、すなわち、映像に埋め込まれた文
字(「埋め込み文字」)が含まれることがある。この「埋め込み文字」は、ユーザが文字
として視認可能であるが、映像である。
【0003】
これに対し、クローズドキャプション(closed captioning)等の字幕に係る技術があ
る。これらの字幕は、上記映像に付加したり、付加しなかったりすることが可能であり、
例えば、ユーザが、上記映像に対する文字の表示・非表示を切り替えることができる。
【0004】
クローズドキャプションは、例えば、テレビ画面の映像上に文字(すなわち字幕)を表
示し、この文字(字幕)により、例えば、聴覚障害者や難聴の人、あるいは、英語等を理
解しにくい人等が、テレビ放送やビデオソフトを楽しむことができる技術である。
【0005】
クローズドキャプションは、米国のNational Captioning Institute(NCI)によっ
て開発され、米国の連邦通信委員会によって承認された米国方式のテレビ画面文字表示技
術である。
【0006】
なお、同様に、日本の字幕放送においても、映像に対する文字の表示・非表示を切り替
えることが可能である。
すなわち、「埋め込み文字」は映像であるのに対し、クローズドキャプションや字幕放
送等で表示される字幕文字は、映像に対し、表示・非表示を切り替えることが可能な文字
である点で、「埋め込み文字」と字幕文字は異なる。
【0007】
また、上記クローズドキャプションに対し、上記のように映像に埋め込まれた「埋め込
み文字」はオープンキャプション(Open Caption)と呼ばれることがある。
【0008】
上記のような「埋め込み文字」は、例えば、作成者によって作成された映像コンテンツ
に埋め込まれ、テレビ画面等(映像表示部)に表示され、ユーザの利便性を向上させてい
る。
【0009】
また、上記電子機器(映像表示装置)においては、例えば、電子機器(映像表示装置)
自身で、チャンネル情報等の所定の情報に関するOSD(オンスクリーンディスプレイ、
On Screen Display)表示を作成し、これを上記映像表示部に表示し、提供する機能を備
えるものがある。これにより、ユーザの利便性を向上させている。
【0010】
しかし、通常、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表
示は作成者が異なるため、「埋め込み文字」とOSD表示が表示画面上で重なって表示さ
れ、ユーザの利便性が低下してしまうことがあった。
【0011】
このため、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示が
、表示画面上で重なって表示されることを防止し、ユーザの利便性を向上させることが課
題になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−257959号公報
【特許文献2】特開2002−344805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示が、表示画面
上で重なって表示されることを防止し、ユーザの利便性を向上させることが課題になって
いた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施形態の電子機器は、映像に係る映像信号を受信し、前記映像に文字が含まれるかを
検出し、文字が含まれる場合は、前記映像における文字の位置に係る情報を取得する位置
情報取得部を備える。
【0015】
また、前記映像に重畳表示するOSD表示を作成し、出力するOSD表示出力部を備え
る。
また、前記取得された文字の位置情報を用い、前記文字と前記OSD表示が重なるかを
検出し、前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合は、前記文字と前記OSD
表示が重ならないように前記OSD表示をずらして出力するよう制御する制御部を備える

【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の外観を示す図。
【図2】実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の構成の一例を示すブロック図。
【図3】一般的な電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図。
【図4】実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図。
【図5】他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図。
【図6】他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、「黒幕」が表示される場合の、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図。
【図7】他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図。
【図8】他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示(メニュー表示)の表示例を示す図。
【図9】他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示を「字幕」に適用した場合の表示例を示す図。
【図10】実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)1において、「埋め込み文字」の領域を検出する検出動作の一例を説明する図。
【図11】実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)で利用する、一般的な文字認識技術(例えば、OCR)の動作を説明するフローチャート。
【図12】実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の動作を説明するフローチャート。
【図13】他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、実施の形態を説明する。
図1は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の外観を示す図である。
1はこの実施の形態に係わる電子機器(映像表示装置)である。ここでは、電子機器(
映像表示装置)1は、例えば、放送を受信し、映像を表示するテレビである。
なお、ここでは、電子機器(映像表示装置)1の一例としてテレビを用いて説明するが
、この実施の形態は、パーソナルコンピュータ(PC)や映像表示部を備える携帯型電子
機器等にも適用可能である。
【0018】
例えば、ユーザが、電子機器(映像表示装置)1のリモコン21を操作し、所定の入力
を行うと、リモコン21からリモコン信号が出力され、電子機器(映像表示装置)1の操
作受信部で受信される。
【0019】
例えば、この電子機器(映像表示装置)1の動作は、このリモコン21から出力される
リモコン信号によって操作され、放送番組が受信され、映像表示部8への表示や放送番組
の録画、録画された放送番組の再生等が指示される。
【0020】
図2は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の構成の一例を示すブロック図で
ある。
図2に示すように、例えば、電子機器(映像表示装置)1は、アンテナ2、チューナ3
、信号処理部4、映像処理部5、音声処理部6、表示装置7、表示画面(映像表示部)8
、スピーカ9、バス10、制御部11、MPU12、RAM13、ROM14、フラッシ
ュメモリ15、記憶部16、内部記録装置17、外部インターフェース18、操作受信部
20、送受信部(ネットワークインターフェース)22を備えている。
【0021】
また、外部記憶装置19は外部インターフェース18を介して電子機器(映像表示装置
)1に接続される。
ユーザは、例えば、リモートコントローラ(リモコン)21を操作する。リモコン21
から出力されたリモコン信号は、電子機器(映像表示装置)1の操作受信部20で受信さ
れる。
【0022】
また、電子機器(映像表示装置)1は、ネットワーク(インターネット)26を介して
、サーバ27と接続される。例えば、ネットワーク(インターネット)26を介して、イ
ンターネット放送を受信可能である。
【0023】
ここでは、制御部11はMPU(12)を備え、電子機器(映像表示装置)1を制御す
る。例えば、RAM(13)、ROM(14)、フラッシュメモリ15は、制御部11で
行われる処理に利用される。
【0024】
25は放送局である。例えば、デジタル放送で放送局25から映像コンテンツが放送さ
れる。
放送局25から放送されたデジタル放送はチューナ3で受信され、選局処理が行われ、
デジタル信号の映像コンテンツが信号処理部4に送信される。
信号処理部4で受信されたデジタル信号の映像コンテンツは信号処理が施され、音声処
理部6および映像処理部5に送信される。
音声処理部6は信号処理が施された映像コンテンツを受信し、音声処理を施した信号を
スピーカ9に送信する。
スピーカ9は音声処理が施された信号を受信し、音声を出力する。
また、映像処理部5は信号処理が施された映像コンテンツを受信し、映像処理を施した
信号を表示装置7に送信する。
表示装置7は映像処理が施された信号を受信し、LCDパネル等で構成される表示画面
(映像表示部)8に映像を表示する。
また、この実施の形態においては、電子機器(映像表示装置)1は内部記憶装置17を
備え、上記受信された映像コンテンツを記録することが可能である。
また、この実施の形態においては、電子機器(映像表示装置)1は上記のようにUSB
接続やLAN接続される外部記憶機器19を備えている。上記受信された映像コンテンツ
はこの外部記憶機器19に記録することも可能である。
【0025】
また電子機器(映像表示装置)1に対するユーザの操作は、例えば、上記のように、リ
モコン(リモートコントローラ)21等の操作機器によって指示される。
これらの処理は、制御部11に制御される。
また、上記のように、電子機器(映像表示装置)1は送受信部(ネットワークインター
フェース)22を介してサーバ27に接続され、例えば、インターネット放送等を受信す
ることが可能である。
【0026】
図3は、一般的な電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「埋め込み
文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図である。
図3(a)は、上記のように放送番組や録画番組等の映像コンテンツに係る映像の一部
に、文字が埋め込まれた映像を示している。この映像は、例えば、映像表示部8に表示さ
れる。
【0027】
また、この映像には、「埋め込み文字」が表示されている。この「埋め込み文字」は、
上記のように、例えば、オープンキャプションと呼ばれる。
31は、この映像に埋め込まれた「埋め込み文字」(オープンキャプション)である。
ここでは、「埋め込み文字」(オープンキャプション)31は、映像表示部8に表示さ
れた映像の右上角(角部)に表示されている。
この実施の形態においては、電子機器(映像表示装置)1の映像処理部5において、例
えば、チャンネル情報等の所定の情報に関するOSD(オンスクリーンディスプレイOn S
creen Display)表示を作成し、これを映像表示部8に表示する。
【0028】
図3(b)は、上記映像表示部8に表示された映像に、電子機器(映像表示装置)1で
作成されたOSD表示を重畳表示する例である。32はOSD表示である。
このOSD表示32は、映像表示部8に表示された映像の右上角部に表示されている。
ここでは、このOSD表示32は、チャンネル情報等の情報が表示されている。すなわ
ち、ここでは、図3(b)に示すように、表示されている映像を放送する放送のチャンネ
ル番号「1」、この放送の種別「地デジ(地上デジタル放送)」、現在の時刻「PM5:
55」が表示されている。
【0029】
図3(c)は、上記「埋め込み文字」と上記電子機器(映像表示装置)1で作成された
OSD表示の両者が、上記映像表示部8に表示された例を示している。
ここでは、「埋め込み文字」(オープンキャプション)31は、映像表示部8に表示さ
れた映像の右上角部に表示されている。
また、OSD表示32は、映像表示部8に表示された映像の右上角部に表示され、映像に
埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示が、表示画面上で重な
って(重畳)表示され、例えば、「埋め込み文字」31を視認しにくくなり、ユーザの利
便性が低下している。
【0030】
図4は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれた「
埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図である。
図4に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」3
1および電子機器で作成されたOSD表示32は、両者が重ならないように、電子機器で
作成されたOSD表示32をずらして、映像表示部8に表示出力している。
【0031】
ここで、この実施の形態における「ずらす」とは、例えば、上記「埋め込み文字」31
と上記OSD表示32が重ならないように、OSD表示32の表示位置を変更することで
ある。
【0032】
そして、この実施形態においては、例えば、CPU12の制御により、放送番組や録画
番組等の映像に係る映像信号を受信し、この映像に文字(「埋め込み文字」)31が含ま
れるかを検出する。
【0033】
そして、映像に文字(「埋め込み文字」)31が含まれる場合は、この映像における文
字(「埋め込み文字」)31の位置に係る情報を取得する。
また、この映像に重畳表示するOSD表示を電子機器1において作成し、出力する。
また、上記取得された文字(「埋め込み文字」)31の位置情報を用い、上記文字(「
埋め込み文字」)31と上記電子機器1において作成されたOSD表示32を表示しよう
とする位置が重なるかを検出する。
【0034】
そして、上記文字(「埋め込み文字」)31と上記電子機器1において作成されたOS
D表示32を表示しようとする位置が重なると検出された場合は、上記電子機器1におい
て作成されたOSD表示32を表示しようとする位置を、他にずらして出力するよう制御
する。
【0035】
ここでは、上記電子機器1において作成されたOSD表示32を上記文字(「埋め込み
文字」)31の下にずらして表示している。このOSD表示32は、図4に示すように、
映像表示部8の角部近傍に表示されている。
【0036】
なお、この実施の形態においては、上記文字(「埋め込み文字」)31の表示における
移動は、例えば、視覚的に、アニメーション表示を行って移動させても良いし、瞬間的に
移動するように表示させても良い。
【0037】
図5は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれ
た「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の表示例を示す図である。
【0038】
図5に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」3
1および電子機器で作成されたOSD表示32は、両者が重ならないように、電子機器で
作成されたOSD表示32をずらして、映像表示部8に表示出力している。
【0039】
そして、この実施形態においては、上記と同様に、例えば、CPU12の制御により、
放送番組や録画番組等の映像に係る映像信号を受信し、この映像に文字(「埋め込み文字
」)31が含まれるかを検出する。
【0040】
そして、映像に文字(「埋め込み文字」)31が含まれる場合は、この映像における文
字(「埋め込み文字」)31の位置に係る情報を取得する。
また、この映像に重畳表示するOSD表示を電子機器1において作成し、出力する。
また、上記取得された文字(「埋め込み文字」)31の位置情報を用い、上記文字(「
埋め込み文字」)31と上記電子機器1において作成されたOSD表示32を表示しよう
とする位置が重なるかを検出する。
【0041】
そして、上記文字(「埋め込み文字」)31と上記電子機器1において作成されたOS
D表示32を表示しようとする位置が重なると検出された場合は、上記電子機器1におい
て作成されたOSD表示32を表示しようとする位置を、他にずらして出力するよう制御
する。
【0042】
ここでは、上記電子機器1において作成されたOSD表示32を上記文字(「埋め込み
文字」)31の横(画面左側)にずらして表示している。このOSD表示32は、図5に
示すように、映像表示部8の周辺部近傍に表示されている。
【0043】
図6は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、「黒帯」が表示さ
れる場合の、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示の
表示例を示す図である。
【0044】
例えば、映画等の映像コンテンツが放送で放送される際に、図6に示すように、映像表
示部8に表示される映像の上下等に黒帯が表示されることがある。61aは表示される映
像の、例えば、上部に表示される黒帯である。また、61bは表示される映像の、例えば
、下部に表示される黒帯である。
【0045】
そして、ここでは、これらの黒帯61a、黒帯61b以外の映像表示領域に上記映像が
表示される。
図6(a)は、この映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31と電子機器(映像表示装
置)1で作成されたOSD表示32が、表示画面8上で重なって(重畳)表示される例を
示している。ここでは、例えば、「埋め込み文字」31を視認しにくくなり、ユーザの利
便性が低下している。
【0046】
この「埋め込み文字」31とOSD表示32は、ここでは、映像表示部8に表示された
映像の右上角部に表示されている。
図6(b)は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込ま
れた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示32の表示例を示す図であ
る。
【0047】
図6(b)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示32は、両者が重ならないように、上記
と同様に、電子機器で作成されたOSD表示32をずらして、映像表示部8に表示出力し
ている。
【0048】
そして、この実施形態においては、上記電子機器1において作成されたOSD表示32
を、上記文字(「埋め込み文字」)31の上の、上記黒帯61aが表示される位置にずら
して表示している。
【0049】
また、このOSD表示32は、図6(b)に示すように、映像表示部8の角部近傍に表
示されているが、映像表示部8の周辺部近傍の、上記黒帯61aが表示される位置にずら
して表示するようにしても良い。
【0050】
また、このOSD表示32を、例えば、上記映像の下部に表示される黒帯61bが表示
される位置にずらして表示するようにしても良い(図示せず)。
図7は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれ
た「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示32の表示例を示す図である

【0051】
図7(a)は、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOS
D表示32が、映像表示部8に、重複して表示された例を示している。
ここでは、上記「埋め込み文字」31と上記OSD表示32は、映像表示部8に表示さ
れた映像の左上角部に表示されている。このため、例えば、「埋め込み文字」31を視認
しにくくなり、ユーザの利便性が低下している。
【0052】
図7(b)は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め
込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示32の表示例を示す図
である。
【0053】
図7(b)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示32は、両者が重ならないように、OS
D表示32の表示位置を「埋め込み文字」31の下側にずらして、映像表示部8に表示出
力している。
【0054】
このOSD表示32は、図7(b)に示すように、映像表示部8の角部近傍に表示され
ている。
また、ここでは、上記「埋め込み文字」31と上記OSD表示32は、映像表示部8に
表示された映像の左上角部に表示されている。
図7(c)は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め
込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示32の表示例を示す図
である。
【0055】
図7(c)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示32は、両者が重ならないように、OS
D表示32の表示位置を「埋め込み文字」31の横(ここでは画面に向かって右)にずら
して、映像表示部8に表示出力している。
【0056】
ここでは、上記「埋め込み文字」31は上記映像の左上角部に表示されている。また、
上記OSD表示32は、上記映像の右上角部に表示されている。
また、この「埋め込み文字」31およびこのOSD表示32は、図7(c)に示すよう
に、映像表示部8の角部近傍に表示されている。
図8は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれ
た「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示(メニュー表示)の表示例を示す
図である。
【0057】
この実施の形態においては、上記OSD表示32を、上記説明したチャンネル情報等の
情報を表示する内容から、放送種別等をユーザに選択可能に提供する、OSD表示(メニ
ュー)80に変更している。
【0058】
ここでは、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31は、「○○社 デジタルTV」と
表示されている。また、OSD表示(メニュー)80は、例えば、「メニュー」の下に「
地上波デジタル放送」、「BSデジタル放送」、「インターネット放送」と表示され、ユ
ーザは、例えばリモコン21を操作し、これらの放送を選択し、指定することが可能であ
る。
【0059】
図8(a)は、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31と上記OSD表示(メニュー
)80が、映像表示部8に、重複して表示された例を示している。
ここでは、上記「埋め込み文字」31と上記OSD表示(メニュー)80は、映像表示
部8に表示された映像のほぼ中央部に重複して表示されている。このため、例えば、「埋
め込み文字」31を視認しにくくなり、ユーザの利便性が低下している。
【0060】
図8(b)は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め
込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示(メニュー)80の表
示例を示す図である。
【0061】
図8(b)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示(メニュー)80は、両者が重ならない
ように、OSD表示(メニュー)80の表示位置を上記映像表示の右上にずらして、映像
表示部8に表示出力している。
【0062】
また、このOSD表示(メニュー)80は、図8(b)に示すように、映像表示部8の
角部近傍に表示されている。
また、ここでは、上記「埋め込み文字」31は、映像表示部8に表示された映像のほぼ
中央部に表示されている。
図8(c)は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め
込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示(メニュー)80の表
示例を示す図である。
【0063】
図8(c)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示(メニュー)80は、両者が重ならない
ように、OSD表示(メニュー)80の表示位置を上記映像表示の左上にずらして、映像
表示部8に表示出力している。
【0064】
また、このOSD表示(メニュー)80は、図8(c)に示すように、映像表示部8の
角部近傍に表示されている。
また、ここでは、上記「埋め込み文字」31は、映像表示部8に表示された映像のほぼ
中央部に表示されている。
図9は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め込まれ
た「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示を「字幕」に適用した場合の表示
例を示す図である。
【0065】
この実施の形態においては、上記OSD表示32を、上記チャンネル情報等の情報を表
示する内容から、上記のようなクローズドキャプションや字幕放送に係る字幕を表示する
OSD表示(字幕)90に変更している。
【0066】
ここでは、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31は、「○○社 デジタルTV」と
表示されている。また、OSD表示(字幕)90は、例えば、字幕 「○○○×××○○
○×××」と表示されている。
【0067】
図9(a)は、映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31と上記OSD表示(字幕)9
0が、映像表示部8に、重複して表示された例を示している。
ここでは、上記「埋め込み文字」31は、映像表示部8に表示された映像のほぼ中央部
に表示されている。また、OSD表示(字幕)90は、映像表示部8に表示された映像の
高さ方向にはやや下側の高さであるが、横方向には上記映像のほぼ中央部に表示されてい
る。
【0068】
このため、上記映像に埋め込まれた「埋め込み文字」31と上記OSD表示(字幕)9
0は、重複し、例えば、「埋め込み文字」31を視認しにくくなり、ユーザの利便性が低
下している。
【0069】
図9(b)は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め
込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示(字幕)90の表示例
を示す図である。
【0070】
図9(b)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示(字幕)90は、両者が重ならないよう
に、OSD表示(字幕)90の表示位置を上記映像表示の上側にずらして、映像表示部8
に表示出力している。
【0071】
このとき、このOSD表示(字幕)90は、図9(b)に示すように、映像表示部8の
周辺部近傍に表示されている。
また、ここでは、上記「埋め込み文字」31は、映像表示部8に表示された映像のほぼ
中央部に表示されている。
図9(c)は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)における、映像に埋め
込まれた「埋め込み文字」31と電子機器で作成されたOSD表示(字幕)90の表示例
を示す図である。
【0072】
図9(c)に示すように、この実施形態においては、映像に埋め込まれた「埋め込み文
字」31および電子機器で作成されたOSD表示(字幕)90は、両者が重ならないよう
に、OSD表示(字幕)90の表示位置を上記映像表示の下側にずらして、映像表示部8
に表示出力している。
【0073】
また、このOSD表示(字幕)90は、図9(c)に示すように、映像表示部8の周辺
部近傍に表示されている。
また、ここでは、上記「埋め込み文字」31は、映像表示部8に表示された映像のほぼ
中央部に表示されている。
図10は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)1において、「埋め込み文字」
の領域を検出する検出動作の一例を説明する図である。
図10(a)は、映像表示部8に表示される映像における「埋め込み文字」の検出領域
(領域検出)100、すなわち、上記「埋め込み文字」の位置に係る情報を検出し、取得
するようすを示す図である。
【0074】
この取得される「埋め込み文字」の位置に係る情報は、上記映像における「埋め込み文
字」の表示領域に係る情報を含んでいる。
ここでは、この「埋め込み文字」の表示領域は、例えば、図10(a)に示すように、
この「埋め込み文字」を含む矩形(四角形)の領域である。
また、この実施の形態においては、後述するように、例えば、上記映像の映像信号から
少なくとも1画面分のビットマップ映像(静止画等)を作成し、このビットマップ映像(
静止画等)を用い、この「埋め込み文字」を含む四角形の領域100の位置に係る情報を
取得する。
【0075】
図10(b)は、上記「埋め込み文字」を含む四角形の領域100の位置の例を特定す
る方法の一例を説明する図である。
例えば、電子機器1の映像表示部は、横方向は1920ピクセル、縦方向は1080ピ
クセルのLCD等で構成される。
そして、ここでは、上記「埋め込み文字」を含む四角形の領域100は、例えば、図1
0(b)に示すように、基準座標(X,Y)は(1200,0)、ここから長さ方向に7
20ピクセル、高さ方向に200ピクセルと表現される。
【0076】
このように、「埋め込み文字」を含む四角形の領域100の位置が特定される。
図11は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)で利用する、一般的な文字認識
技術(例えば、OCR)の動作を説明するフローチャートである。
画像等から文字を認識する技術に、例えば、光学文字認識(こうがくもじにんしき、Op
tical Character Recognition)がある。光学文字認識は、活字の文書の画像(通常はイ
メージスキャナーで取り込まれる)をコンピュータが編集できる形式(文字コードの列)
に変換であり、例えば、ソフトウェア等で構成される。
【0077】
光学文字認識は、一般に、OCRと略記される。光学文字認識は、以前は、鏡やレンズ
という光学技術を使用していたためこのように呼ばれるが、現在は、スキャナーやアルゴ
リズムによるデジタル文字認識も光学文字認識に含まれることが多い。
【0078】
ここでは、例えば、OCRで文字を認識する際に、画像としてではなく、文字として読
み込む動作を説明する。
OCRにおいては、(1)まず、2値化処理(白と黒に分離)、または濃淡の変化点か
ら文字の切り出しを行う。
(2)次に、文字と背景の分離を行なう。例えば、文字を連続した塊として認識し、そ
の境界線を探し、矩形で領域(エリア)を求める。
(3)次に、上記切り出した文字の塊を、ベクトル化や交点位置情報や端点位置情報等
のデーターベース化した辞書と比較する。
(4)次に、上記比較した辞書で、スコアが高い(似ている)辞書文字を出力する。
この実施の形態においては、この光学文字認識(デジタル文字認識)技術を利用する。
なお、この実施の形態においては、上記光学文字認識(デジタル文字認識)技術の一部
、すなわち、上記(1)および上記(2)の処理を利用する。
図11に示す、ステップS100は、ここでの開始ステップである。続いて、ステップ
S101に進む。
ステップS101は、映像を取得するステップである。この実施の形態においては、映
像は、例えば、ビットマップ形式等で取得される。続いて、ステップS102に進む。
【0079】
ステップS102は、上記取得された映像に文字が含まれるかを判別するステップであ
る。上記取得された映像に文字が含まれると判別される場合は、ステップS103に進む
(Yes)。上記取得された映像に文字が含まれないと判別される場合は、ステップS1
05に進む(No)。この映像に文字が含まれるかの判別に、例えば、上記(1)の文字
の切り出しが用いられる。
【0080】
ステップS103は、上記映像における文字の領域を検出するステップである(領域検
出)。例えば、上記(2)のように、映像に含まれる文字の領域を、矩形の領域(エリア
)として求める。続いて、ステップS104に進む。
【0081】
ステップS104は、上記検出された文字領域における文字を認識するステップである
(文字認識)。例えば、上記(3)および(4)のように、検出された文字領域における
文字を認識する。続いて、ステップS105に進む。
【0082】
ステップS105は、終了ステップであり、ここでの処理は終了する。
図12は、実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)1の動作を説明するフローチャ
ートである。
ステップS200は、ここでの開始ステップである。続いて、ステップS201に進む

ステップS201は、電子機器(映像表示装置)1の電源をONにするステップである
。続いて、ステップS202に進む。
ステップS202は、デジタル放送やインターネット放送等の放送で放送される映像コ
ンテンツや記録媒体等から再生出力された映像コンテンツの映像信号を受信するステップ
である。続いて、ステップS203に進む。
【0083】
ステップS203は、受信した映像コンテンツに係る映像信号をデコード処理するステ
ップである。続いて、ステップS204に進む。
ステップS204は、上記デコード処理された映像信号から、例えば、1画面分のビッ
トマップ映像(静止画)を作成するステップである。続いて、ステップS205に進む。
【0084】
ステップS205は、上記映像信号から作成された映像(例えば、ビットマップ映像)
に文字が含まれるかを検出するステップである。ここで、この実施の形態においては、上
記のような、光学文字認識(デジタル文字認識)技術を利用する。続いて、ステップS2
06に進む。
【0085】
ステップS206は、上記映像信号から作成された映像(例えば、ビットマップ映像)
に文字が含まれるかを判別するステップである。上記映像信号から作成された映像(例え
ば、ビットマップ映像)に文字が含まれると判別される場合は、ステップS207に進む

【0086】
ステップS207は、上記映像信号から作成された映像(例えば、ビットマップ映像)
における文字領域の位置を検出(文字領域位置検出)するステップである。ここでは、例
えば、上記図10に示すように、基準座標(X,Y)=(1200,0)、長さ720ピ
クセル、高さ200ピクセルが「埋め込み文字」31の文字領域の位置として検出されて
いる。続いて、ステップS208に進む。
【0087】
ステップS208は、上記図4、図5、図6、図7、図8、図9に示すようなOSD表
示(OSD32、OSD(メニュー)80、OSD(字幕)90)の表示指示があるかを
判別するステップである。上記OSD表示の表示指示があると判別される場合は、ステッ
プS209に進む(Yes)。上記OSD表示の表示指示がないと判別される場合は、ス
テップS210に進む(No)。
【0088】
ステップS209は、上記検出された「埋め込み文字」の文字領域100と上記OSD
表示の表示予定位置は重複する部分があるかを判別するステップである。上記検出された
「埋め込み文字」の文字領域100と上記OSD表示の表示予定位置は重複する部分があ
ると判別される場合は、ステップS211に進む(Yes)。上記検出された「埋め込み
文字」の文字領域100と上記OSD表示の表示予定位置は重複する部分はないと判別さ
れる場合は、ステップS212に進む(No)。
【0089】
ステップS210は、上記OSD表示を表示しないステップである。続いて、ステップ
S213に進む。
ステップS211は、上記OSD表示領域を上記表示予定位置からずらし、上記「埋め
込み文字」の文字領域100に重ならない位置にOSD表示を表示出力するステップであ
る。上記図4乃至図9に示すように、OSD表示を、例えば、上記「埋め込み文字」の文
字領域100の上、下、横に表示する。続いて、ステップS212に進む。
【0090】
ステップS212は、上記表示予定位置に上記OSD表示を表示するステップである。
続いて、ステップS213に進む。
ステップS213は、例えば、上記のように「地上波デジタル放送」、「BSデジタル
放送」、「インターネット放送」等の放送や受信チャンネルが切替えられたり、記憶媒体
に記憶された映像コンテンツの再生出力が切替えられたりして、電子機器1が受信する映
像コンテンツが切替えられ、新しい映像コンテンツが受信されたかを判別するステップで
ある。上記のように、新しい映像コンテンツが受信されたと判別される場合は、ステップ
S202に進み、上記処理を繰り返す(Yes)。新しい映像コンテンツが受信されない
と判別される場合は、ステップS214に進む(No)。
【0091】
ステップS214は、例えば、予め決められた一定時間をカウントするステップである
。例えば、1/30秒程度から数秒程度カウントする。続いて、ステップS215に進む。
【0092】
ステップS215は、上記一定時間が経過したかを判別するステップである。上記一定
時間が経過したと判別される場合は、ステップS202に進み、上記処理を繰り返す(Y
es)。上記一定時間が経過しないと判別される場合は、ここでの処理を繰り返す(No
)。
【0093】
上記のように、この実施の形態においては、放送番組等の映像に含まれる、例えば、ア
イコン(ロゴ等)や映像に埋め込まれた文字等の「埋込み文字」31の領域が、電子機器
1で作成されたOSD表示(32、80、90)等と重なって表示されないように、OS
D表示の表示位置をずらして表示する。
【0094】
また、この応用例として、「埋込み文字」31の領域が、OSD表示の表示予定位置と
重なる場合は、上記OSD表示を、一時的に、表示しないようにすることも可能である(
非表示)。
【0095】
また、上記OSD表示は、例えば、ユーザによってリモコン21が操作され、表示指示
を受けた場合に、その都度、表示出力されるように構成することも可能である。この場合
も、上記のように、「埋込み文字」31の領域が、電子機器1で作成されたOSD表示と
重なって表示されないように、OSD表示の表示位置をずらして表示することが望ましい

【0096】
図13は、他の実施形態に係わる電子機器(映像表示装置)の動作を説明するフローチ
ャートである。
ここでは、例えば、図3(c)に示すように、「埋込み文字」31の領域が、上記OS
D表示32の表示位置と重なる場合の他の実施形態を説明する。
この、他の実施形態においては、「埋込み文字」31の領域とOSD表示32の表示位
置が重なる場合に、「埋込み文字」31が、例えば、所定時間表示されるかを判別し、「
埋込み文字」31が所定時間表示されると判別される場合は、OSD表示32の表示位置
をずらしたり、OSD表示32の表示を止めたりする。
【0097】
ステップS300は、ここでの開始ステップである。続いて、ステップS301に進む

ステップS301は、上記OSD表示32と上記「埋込み文字」31を表示する文字領
域は重なるかを判別するステップである。上記OSD表示32と上記「埋込み文字」31
を表示する文字領域が重なると判別される場合は、ステップS302に進む(Yes)。
上記OSD表示32と上記「埋込み文字」31を表示する文字領域が重ならないと判別さ
れる場合は、ステップS301の処理を繰り返す(No)。
【0098】
ステップS302は、上記「埋込み文字」31を表示する文字領域と重なったままOS
D表示32を表示するステップである。続いて、ステップS303に進む。
ステップS303は、予め決めた所定時間(例えば5秒間)をカウントするステップで
ある。続いて、ステップS304に進む。
ステップS304は、上記のようにOSD表示32を重ねて表示し、予め決めた所定時
間が経過したかを判別するステップである。上記のようにOSD表示32を重ねて表示し
、予め決めた所定時間が経過したと判別される場合は、ステップS305に進む(Yes
)。予め決めた所定時間が経過しないと判別される場合は、ステップS304の処理を繰
り返す(No)。
【0099】
ステップS305は、上記「埋込み文字」31の文字領域に文字は表示されているかを
判別するステップである。上記「埋込み文字」31の文字領域に文字は表示されていると
判別される場合は、ステップS306に進む(Yes)。上記「埋込み文字」31の文字
領域に文字は表示されていないと判別される場合は、ステップS301に進み、上記処理
を繰り返す(No)。
【0100】
ステップS306は、上記OSD表示32を上記「埋込み文字」31の文字領域からず
らして表示する、またはOSD表示32をOFF表示(OSD表示32を表示しない)す
るステップである。続いて、ステップS307に進む。
【0101】
ステップS307は、終了ステップであり、ここでの処理は終了する。
このように構成することにより、例えば、上記「埋込み文字」31が図3(c)に示す
ような「時刻情報(時報)」や野球中継のスコア情報、サッカー中継等のスコア情報等は
、「埋込み文字」が比較的長時間、継続して表示されるので、上記のように、OSD表示
32を「埋込み文字」31の文字領域からずらして表示したり、OSD表示32をOFF
表示したりすることで、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0102】
なお、上記OSD表示32をずらした表示や、上記OSDのOFF表示は、所定時間経
過後に、元の位置へ表示するようにすることも可能である。
また、上記「埋込み文字」31がニュース番組等で表示される「キャスター名」等や図
9に示すような社名の表示(例えば、「○○社デジタルTV」)等の場合は、「埋込み文
字」31の表示が短時間の間に、表示ONされたり、OFFされたりすることがある。
【0103】
この短時間の表示ON、OFFに応じて逐次、OSD表示32をずらして表示すると、
ユーザにとって煩雑である。
このため、例えば、上記のように、「埋込み文字」31の表示が短時間に切り替わるよ
うな場合は、OSD表示32を頻繁にずらさないように、例えば、上記所定時間(5秒間
)は、上記重ねた表示を行う。これによって、ユーザの利便性を向上させることが可能に
なる。
【0104】
すなわち、この、他の実施形態においては、「埋込み文字」31の領域とOSD表示3
2の表示位置が重なる場合に、上記所定時間経過後に、OSD表示32の表示位置をずら
したり、OSD表示32の表示を止めたりする。
【0105】
上記のように構成することによって、この発明の実施形態においては、映像に埋め込ま
れた「埋め込み文字」と電子機器で作成されたOSD表示が、表示画面上で重なって表示
されることを防止し、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0106】
なお、上記実施形態の制御処理の手順はソフトウェアによって実行することが可能であ
る。そして、制御処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能
な記憶媒体を通じ、このプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するこ
とで、上記実施形態と同様の効果を実現することができる。
【0107】
なお、上記実施形態は、記述そのものに限定されるものではなく、実施段階では、その
趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素を種々変形して具体化することが可能である。
【0108】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発
明を形成できる。
例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に
、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…電子機器(映像表示装置)、2…アンテナ、3…チューナ、4…信号処理部、5…
映像処理部、6…音声処理部、7…表示装置、8…表示画面(映像表示部)、9…スピー
カ、10…バス、11…制御部、12…MPU、13…RAM、14…ROM、15…フ
ラッシュメモリ、16…記憶部、17…内部記録装置、18…外部インターフェース、2
5…放送局、31…埋め込み文字、32…OSD(OSD表示)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像に係る映像信号を受信し、前記映像に文字が含まれるかを検出し、文字が含まれる
場合は、前記映像における文字の位置に係る情報を取得する位置情報取得部と、
前記映像に重畳表示するOSD表示を作成し、出力するOSD表示出力部と、
前記取得された文字の位置情報を用い、前記文字と前記OSD表示が重なるかを検出し
、前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合は、前記文字と前記OSD表示が
重ならないように前記OSD表示をずらして出力するよう制御する制御部を備える電子機
器。
【請求項2】
前記映像から検出される文字は、前記映像に埋め込まれた文字である請求項1に記載の
電子機器。
【請求項3】
前記取得される文字の位置に係る情報は、前記映像における文字の表示領域に係る情報
を含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記文字の位置に係る情報は、少なくとも1画面分の映像から検出される請求項1に記
載の電子機器。
【請求項5】
前記OSD表示は、表示指示を受けた場合に出力される請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記映像に文字が含まれるかの検出は、受信される映像コンテンツの切替えに応じて行
われる請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記映像に文字が含まれるかの検出は、予め決められた時間毎に行われる請求項1に記
載の電子機器。
【請求項8】
前記ずらして出力されるOSD表示は、前記映像が表示される映像表示部の周辺部近傍
に出力される請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記ずらして出力されるOSD表示は、前記映像が表示される映像表示部の角部近傍に
出力される請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
映像を表示する映像表示部を備え、前記出力された前記映像と前記OSD表示が表示さ
れる請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合に、予め決めた時間経過後に、前
記OSD表示をずらして出力する請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合に、予め決めた時間経過後に、前
記OSD表示をOFF出力する請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
映像に係る映像信号を受信し、前記映像に文字が含まれるかを検出し、文字が含まれる
場合は、前記映像における文字の位置に係る情報を取得するステップと、
前記映像に重畳表示するOSD表示を作成し、出力するステップと、
前記取得された文字の位置情報を用い、前記文字と前記OSD表示が重なるかを検出し
、前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合は、前記文字と前記OSD表示が
重ならないように前記OSD表示をずらして出力するよう制御するステップを備える電子
機器の制御方法。
【請求項14】
映像に係る映像信号を受信し、前記映像に文字が含まれるかを検出し、文字が含まれる
場合は、前記映像における文字の位置に係る情報を取得するステップと、
前記映像に重畳表示するOSD表示を作成し、出力するステップと、
前記取得された文字の位置情報を用い、前記文字と前記OSD表示が重なるかを検出し
、前記文字と前記OSD表示が重なると検出された場合は、前記文字と前記OSD表示が
重ならないように前記OSD表示をずらして出力するよう制御するステップを備える電子
機器の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−253470(P2012−253470A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122964(P2011−122964)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】