電子機器およびアンテナの配置方法
【課題】ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現する電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、第1の無線通信モジュールと、第2の無線通信モジュールと、前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナとを具備する。前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置され、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記第2の辺の中央部に配置される。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、第1の無線通信モジュールと、第2の無線通信モジュールと、前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナとを具備する。前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置され、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記第2の辺の中央部に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信機能を有し、かつ、片手または両手で把持された状態で利用され得る電子機器および同機器におけるアンテナの配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばタブレット端末などと称される、手書き入力機能を備えた電子機器が普及し始めている。また、この種の電子機器は、無線通信機能を有することが一般的になりつつある。この種の電子機器を携行すれば、ユーザは、例えば外出先や移動中でも、電子メールを送受信したり、Webページを閲覧するといったことが可能となる。
【0003】
つまり、この種の電子機器は、例えば車中などにおいて、ユーザによって把持された状態で利用されるものと考えられる。このような利用形態を考慮して、ユーザによって把持された状態でも良好な無線通信が行えるようにアンテナを構成する仕組み等がこれまでも種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4389540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、薄いボード状の筐体を有し、筐体の前面に配置されたタッチパネルディスプレイを(長手方向にY軸を取った)縦長または(長手方向にX軸を取った)横長のいずれの方向でも利用でき、かつ、片手または両手のいずれでも持たれ得る電子機器が増えている。また、(音声通話およびデータ通信の少なくとも一方を含む)移動体通信サービスを受けるための無線通信システム、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システム、周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システム等、複数の無線通信システムを搭載する電子機器も増えている。
【0006】
これに伴い、電子機器がいずれの方向で用いられ、また、電子機器が片手または両手のいずれで持たれたとしても、即ち、筐体のどの部分を握られても、複数の無線通信システムそれぞれが常時良好に無線通信を行うことのできる対策が求められている。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現する電子機器および同機器におけるアンテナの配置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、電子機器は、表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、第1の無線通信モジュールと、第2の無線通信モジュールと、前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナとを具備する。前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置され、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記第2の辺の中央部に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図2】第1実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例を示す図。
【図3】第1実施形態の電子機器を両手で握って利用する形態を説明するための図。
【図4】第1実施形態の電子機器を片手で握って利用する形態を説明するための図。
【図5】2つの無線通信システムを搭載する電子機器における一般的なアンテナ配置の第1の例を示す図。
【図6】2つの無線通信システムを搭載する電子機器における一般的なアンテナ配置の第2の例を示す図。
【図7】第1実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例の変形例を示す図。
【図8】第1実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例の変形例を示す図。
【図9】第2実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図10】第2実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例を示す図。
【図11】第3実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図12】第3実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例を示す図。
【図13】第4実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの回路基板上への載置例を示すための外観図。
【図14】第4実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの回路基板上への載置例を示すための部分断面図。
【図15】第5実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図16】第5実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図17】第6実施形態の電子機器が充電機能付きの拡張ユニットにセットされた様子を示す図。
【図18】第6実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの配置例を示す第1の図。
【図19】第6実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの配置例を示す第2の図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。本電子機器100は、例えば、タブレット端末などと称される、データ入力をタッチパネルディスプレイ4によって受け付ける携帯情報端末として実現されている。
【0013】
本電子機器100は、薄いボード状の筐体を有している。ユーザは、筐体の前面中央に配置されるタッチパネルディスプレイ4に例えばペンで触れることにより、クリック操作や筆記入力操作など、様々なデータ入力操作を行うことができる。タッチパネルディスプレイ4への入力は、例えば指によっても可能である。タッチパネルディスプレイ4の表示画面は、(筐体の前面の面積の半分以上を占めるサイズである)例えば7インチ程度のサイズを有する。従って、本電子機器100は、手のひらサイズなどと称される携帯情報端末のように手のひらに載せて利用するのではなく、筐体の端部を両手または片手で握って利用するタイプの携帯情報端末である。また、本電子機器100は、タッチパネルディスプレイ4を(長手方向にY軸を取った)縦長または(長手方向にX軸を取った)横長のいずれの方向でも利用することができる。
【0014】
なお、ここでは、本電子機器100が、表示装置として、データ入力機能を有するタッチパネルディスプレイ4を搭載する例を示すが、これに限定されず、例えばポインティングデバイス等のデータ入力手段を別途設け、データ入力機能を有しないLCD(Liquid crystal display)等を搭載することも可能である。
【0015】
また、本電子機器100は、移動体通信サービスを受けるための無線通信システム、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システムおよび周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システムを有している。移動体通信サービスを受けるための無線通信システム用のアンテナとして、本電子機器100には、送受信(Tx,Rx)用のセルラメインアンテナ1aと、受信(Rx)用のセルラサブアンテナ1bとが搭載される。また、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システム用および周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システム用のアンテナとして、本電子機器100には、送受信用のBluetooth(登録商標)/WiFiアンテナ2a(以下、BT/WiFiアンテナ2aと称する。)と、受信用のWiFi[2]アンテナ2bとが搭載される。さらに、本電子機器100は、GPS(Global positioning system)機能を有しており、当該GPS機能用のGPSアンテナ3を搭載する。
【0016】
前述したように、本電子機器100は、筐体の端部を両手または片手で握って利用するタイプの携帯情報端末であり、タッチパネルディスプレイ4を縦長または横長のいずれの方向でも利用することができる。また、本電子機器100は、図1に示したように、(表示画面が筐体の前面の面積の半分以上を占めるサイズを有する)タッチパネルディスプレイ4が筐体の前面中央に配置され、かつ、筐体は、薄いボード状である。従って、セルラメインアンテナ1a、セルラサブアンテナ1b、BT/WiFiアンテナ2a、WiFi[2]アンテナ2bおよびGPSアンテナ3は、必然的に、タッチパネルディスプレイ4の周辺部であって、手で握られる可能性のある筐体の端部に配置されることになる。
【0017】
このような条件下において、本電子機器100は、いずれの方向で用いられ、また、片手または両手のいずれで持たれたとしても、即ち、筐体のどの部分を握られても、複数の無線通信システムそれぞれが常時良好に無線通信を行えるように、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑える仕組みを備えたものであり、以下、この点について詳述する。
【0018】
図1に示すように、本電子機器100は、第1に、移動体通信サービスを受けるための無線通信システム用のアンテナであるセルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bの2つのアンテナと、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システム用および周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システム用のアンテナであるBT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの2つのアンテナとのうち、それぞれの少なくとも1つを、筐体の直交する2辺中の互いに異なる辺の中央部に各々配置するようにした。
【0019】
また、本電子機器100は、第2に、上記2つの無線通信システムそれぞれについて、(各辺の中央部に配置したアンテナ以外の)その他のアンテナの少なくとも1つを、他の無線通信システムのアンテナが中央部に配置された辺に配置し、かつ、当該その他のアンテナが、その辺の中央部から自システムの別アンテナが中央部に配置された辺方向と対向する領域に位置するようにした。
【0020】
より具体的には、第1に、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bの2つのアンテナのうち、セルラメインアンテナ1aを、筐体の長手方向の辺の中央部に配置すると共に、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの2つのアンテナのうち、BT/WiFiアンテナ2aを、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺と直交する辺の中央部に配置する。各無線通信システムの2つのアンテナのうち、辺の中央部に配置するアンテナは、受信専用のアンテナよりも(受信に加えて)送信の用途を含むアンテナを優先して選択することが好ましい。
【0021】
また、第2に、セルラサブアンテナ1bを、BT/WiFiアンテナ2aが中央部に配置された辺の当該BT/WiFiアンテナ2aよりもセルラメインアンテナ1aから離れる側に配置すると共に、WiFi[2]アンテナ2bを、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺の当該セルラメインアンテナ1aよりもBT/WiFiアンテナ2aから離れる側に配置する。
【0022】
なお、GPSアンテナ3は、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺(スペースが確保し易い筐体の長手方向の辺)の当該セルラメインアンテナ1aからWiFi[2]アンテナ2b方向と対向する位置に配置する。
【0023】
このセルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係は、図2に示すように、互いに入れ替えることも可能である。
【0024】
ここで、図1および図2に加えて、図3および図4を参照しながら、図1および図2に示した本電子機器100におけるアンテナ配置の基本的な考え方を説明する。
【0025】
図3は、本電子機器100を両手で握って利用する形態を説明するための図である。図3中、”a1”および”a2”は、タッチパネルディスプレイ4を縦長の方向で利用する場合を示し、”b1”および”b2”は、タッチパネルディスプレイ4を横長の方向で利用する場合を示している。
【0026】
図3に示すように、本電子機器100を両手で握って利用する場合、タッチパネルディスプレイ4を縦長または横長のいずれの方向で利用する場合でも、筐体の対向する2辺が握られると考えられる。また、各辺の中央部よりも下端部が握られる可能性が高いと推測される。従って、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを辺の中央部に配置することにより、当該アンテナを、手で覆われていない状態に維持する確率を高めることができ、かつ、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置することにより、(可能性が低いと推測される)中央部が握られた場合であっても、少なくとも1つのアンテナを、手で覆われていない状態に維持することができる。
【0027】
なお、前述した「各無線通信システムの2つのアンテナのうち、辺の中央部に配置するアンテナは、受信専用のアンテナよりも(受信に加えて)送信の用途を含むアンテナを優先して選択することが好ましい」理由は、ここで説明した、各辺の中央部よりも下端部が握られる可能性が高いと推測されることに基づいている。
【0028】
また、図4は、本電子機器100を片手で握って利用する形態を説明するための図である。図4中、”c1”および”c2”は、タッチパネルディスプレイ4を縦長の方向で利用する場合を示し、”d1”および”d2”は、タッチパネルディスプレイ4を横長の方向で利用する場合を示している。
【0029】
図4に示すように、本電子機器100を片手で握って利用する場合には、筐体の端部の2箇所が同時に手で覆われることはない。よって、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置する本電子機器100のアンテナ配置によれば、少なくとも1つのアンテナが、手で覆われてない状態に維持される。
【0030】
図5および図6は、2つの無線通信システムを搭載する電子機器における一般的なアンテナ配置の例を示す図である。
【0031】
図5に示す電子機器では、2つの無線通信システムのアンテナ(1,2a)を、筐体の対向する2辺中の互いに異なる辺にそれぞれ配置させている。また、図6に示す電子機器では、2つの無線通信システムのアンテナ(1,2)を、筐体の同じ1辺に配置させている。これら2つの電子機器のいずれも、持ち方によっては、いずれの無線通信システムについても、そのアンテナが手で覆われて、アンテナ特性劣化を招くおそれがある。
【0032】
これに対して、図1または図2に示した、(1)各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを辺の中央部に配置する、(2)各無線通信システムの2つのアンテナを直交する2辺に配置する、といったアンテナ配置を採用する本電子機器100は、いずれの無線通信システムについてもアンテナ特性劣化を招くことがない。
【0033】
このように、本電子機器100は、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現する。
【0034】
なお、ここでは、セルラサブアンテナ1bを、BT/WiFiアンテナ2aが中央部に配置された辺の当該BT/WiFiアンテナ2aよりもセルラメインアンテナ1aから離れる側に配置し、また、WiFi[2]アンテナ2bを、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺の当該セルラメインアンテナ1aよりもBT/WiFiアンテナ2aから離れる側に配置する例を示した。これは、セルラメインアンテナ1aとセルラサブアンテナ1bとの距離、および、BT/WiFiアンテナ2aとWiFi[2]アンテナ2bとの距離を確保することを意図するものである(距離を離すことによるアンテナ間アイソレーションの向上)。
【0035】
一方、各アンテナのアンテナ特性は、例えば、グランドパターンがどのように形成されているかによっても左右される。従って、例えば、このグラウンドパターンの形状を調整することにより、図7および図8に示すように、セルラサブアンテナ1bおよびWiFi[2]アンテナ2bを、(BT/WiFiアンテナ2aおよびセルラメインアンテナ1aを基点として)セルラメインアンテナ1aおよびBT/WiFiアンテナ2aの近い方にそれぞれ配置するアンテナ集約実装も可能である。
【0036】
つまり、本電子機器100は、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置すると共に、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを、各辺の中央部に配置する点を本質としており、中央部に配置したアンテナ以外のその他のアンテナを、中央部に配置したアンテナから離すべく配置することに限定されるものではない。
【0037】
(第2実施形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0038】
図9は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0039】
本電子機器100は、図9に示すように、筐体の側面に、充電コネクタ5が設けられている。充電コネクタ5は、本電子機器100が電源として内蔵するバッテリ(電池)6を充電する電力を入力するために設けられる。充電コネクタ5は、本電子機器100が充電器やドッカーなどと称される充電機能付きの拡張ユニットと接続された際、充電器または拡張ユニット側のコネクタと連結されるように構成されている。
【0040】
そして、本電子機器100は、送受信用のセルラメインアンテナ1aを、この充電コネクタ5が配置される辺と対向する辺に配置する。言い換えれば、セルラメインアンテナ1aを配置する辺は、充電コネクタ5が配置される辺と対向する辺とする。
【0041】
本電子機器100が充電器または拡張ユニットと接続された状態で無線通信が実行される場合を考える。セルラメインアンテナ1aを、充電コネクタ5が配置される辺と対向する辺に配置することにより、本電子機器100が充電器または拡張ユニットと接続された状態におけるセルラメインアンテナ1aのアンテナ特性劣化を抑えることができる。
【0042】
また、図10に示すように、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係を、互いに入れ替えることも可能である。例えば、セルラメインアンテナ1aを用いる無線通信システムをBT/WiFiアンテナ2aを用いる無線通信システムよりも優先する場合、図9に示したアンテナ配置を採用し、一方、BT/WiFiアンテナ2aを用いる無線通信システムをセルラメインアンテナ1aを用いる無線通信システムよりも優先する場合には、図10に示したアンテナ配置を採用すれはよい。
【0043】
(第3実施形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0044】
図11は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0045】
本電子機器100は、図11に示すように、筐体の前面のタッチパネルディスプレイ4の周辺部に、操作用のハードキー7が設けられている。そして、本電子機器100は、セルラメインアンテナ1a、セルラサブアンテナ1b、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの各アンテナを、このハードキー7が配置される辺とは異なる辺に配置する。言い換えれば、セルラメインアンテナ1aおよびWiFi[2]アンテナ2bを配置する辺と、BT/WiFiアンテナ2aおよびセルラサブアンテナ1bを配置する辺との直交する2辺は、ハードキー7が配置される辺とは異なる辺とする。
【0046】
無線通信の実行中にハードキー7が操作された場合を考える。各アンテナを、ハードキー7が配置される辺とは異なる辺に配置することにより、無線通信の実行中にハードキー7が操作された場合における各アンテナのアンテナ特性劣化を抑えることができる。
【0047】
また、図12に示すように、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係を、互いに入れ替えることも可能である。
【0048】
(第4実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0049】
図13は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0050】
前述した第2の実施形態では、電池6を充電する電力を入力するための充電コネクタ5が筐体の側面に設けられる場合のアンテナ配置例を説明した。これに対して、本電子機器100は、電池6を充電する電力を電気的に非接触な状態で入力するためのワイヤレス充電アンテナ9を筐体に内蔵する。そして、本電子機器100は、このワイヤレス充電アンテナ9を筐体に内蔵するにあたって、当該ワイヤレス充電アンテナ9を、回路基板8の背面側に載置する。図14は、ワイヤレス充電アンテナ9の回路基板8上への載置例を示すための部分断面図である。
【0051】
図14に示すように、ワイヤレス充電アンテナ9は、回路基板8上のタッチパネルディスプレイ4方向と対向する側に載置される。正面側と比較すると一般的に回路の密集度の低い背面側にワイヤレス充電アンテナ9を配置することで、電池6の発熱を少しでも低下させる。これにより、本電子機器100は、さらに、電池6の特性劣化を抑えること(長寿命化を図ること)を実現する。
【0052】
(第5実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
【0053】
図15は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0054】
前述した第1乃至第4の実施形態では、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置すると共に、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを、各辺の中央部に配置する例を説明した。
【0055】
一方、本電子機器100のような携帯型の電子機器では、最近、静止画像や動画像を撮影するためのカメラを搭載する場合が増えてきている。そして、カメラは、表示画面の周辺部であって、筐体の一辺の中央部に配置される場合が多い。また、カメラを配置する辺は、同時に、(ユーザの体から離れる)アンテナを配置するのに好適な辺でもある。カメラの位置とアンテナの位置とではカメラの位置が優先されるので、当該辺の中央部にアンテナを配置することはできない。即ち、前述した第1乃至第4の実施形態のように、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを、各辺の中央部に配置することを実施できない。
【0056】
このような場合、本電子機器100は、カメラ10が配置される辺と、この辺と直交する辺との2辺に、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bの2つのアンテナと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの2つのアンテナとをそれぞれ配置し、これら2組みのアンテナのうちの一方を、カメラ10が配置される辺と直交する辺の中央部に配置する。図15の例では、セルラメインアンテナ1aを、カメラ10が配置される辺と直交する辺の中央部に配置している。また、BT/WiFiアンテナ2aは、カメラ10が配置される辺であって、当該カメラ10の近傍に配置している。このセルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係は、図16に示すように、互いに入れ替えることも可能である。
【0057】
本電子機器100では、2つの無線通信システムのアンテナのうち、一方のみを(手で握られる可能性が低いと推測される)辺の中央部に配置するが、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置することにより、少なくとも1つのアンテナを、手で覆われていない状態に維持することができる。よって、本電子機器100でも、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることが実現できる。
【0058】
(第6実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
【0059】
前述した第4の実施形態では、電力を電気的に非接触な状態で入力可能なワイヤレス充電アンテナ9を用いて電池6の充電が行われる場合を例示した。このワイヤレス充電アンテナ9を用いた電池6の充電は、例えばクレードルなどと称される充電機能付きの拡張ユニットにセットすることによって実行する。
【0060】
本電子機器100が拡張ユニットにセットされた状態で利用される場合を考える。前述したように、本電子機器100は、タッチパネルディスプレイ4を縦長および横長のいずれの方向でも利用することができる。また、ワイヤレス充電アンテナ9は、電力を電気的に非接触な状態で入力可能なので、この利点を活かすべく、例えば図17に示すように、拡張ユニット200への本電子機器100のセットを、縦長(図17の”e1”)および横長(図17の”e2”)のいずれの方向でも行えるように、拡張ユニット200を構成することが好ましい。
【0061】
そこで、本実施形態の電子機器100は、図18または図19に示すように、各無線通信システムの2つのアンテナが配置される直交する2辺が交わる一角と対向する一角にワイヤレス充電アンテナ9を配置する。図18は、ワイヤレス充電アンテナ9を矩形に形成した例を示し、図19は、ワイヤレス充電アンテナ9をL字形に形成した例を示している。ワイヤレス充電アンテナ9を矩形またはL字型に形成することにより、ワイヤレス充電アンテナ9が配置される一角で交わる2辺のいずれにも、ワイヤレス充電アンテナ9のいずれかの辺が沿うことになる。よって、ワイヤレス充電アンテナ9が配置される一角で交わる2辺のいずれを下端として電子機器100を拡張ユニット200にセットしても、ワイヤレス充電アンテナ9を介した電池6の充電が可能となる。
【0062】
また、この位置(各無線通信システムの2つのアンテナが配置される直交する2辺が交わる一角と対向する一角)にワイヤレス充電アンテナ9を配置することにより、本電子機器100を縦長および横長のいずれで拡張ユニット200にセットしても、辺の中央部に配置したアンテナが拡張ユニット200で覆われることがない。
【0063】
なお、前述した第4の実施形態では、ワイヤレス充電アンテナ9を回路基板8の背面側に載置する例を説明したが、回路基板8上に限らず、ワイヤレス充電アンテナ9は、例えば筐体の背面側の内壁に配置して、ハーネスや同軸ケーブル等で回路基板8と接続するようにしても良い。
【0064】
このように、本電子機器100は、いずれの向きでセットしても充電を行うことのできるワイヤレス充電アンテナ9の配置を実現でき、また、ユーザによって把持された場合に加えて、拡張ユニット200にセットされた状態におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現できる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、
第1の無線通信モジュールと、
第2の無線通信モジュールと、
前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、
前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナと、
を具備し、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記表示画面の周辺部であって、前記筐体の直交する2辺に配置され、かつ、前記2辺に配置される前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々1つが、前記2辺の中央部に配置される、
電子機器。
[2] 前記筐体の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナおよび前記筐体の1辺と直交する前記筐体の他辺の中央部に配置される前記第2のアンテナは、送信用または送受信用のアンテナである[1]に記載の電子機器。
[3] 前記筐体の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナ以外のその他の前記第1のアンテナは、前記筐体の他辺であって前記第2のアンテナが配置される中央部から前記筐体の1辺方向と対向する位置に配置され、前記筐体の他辺の中央部に配置される前記第2のアンテナ以外のその他の前記第2のアンテナは、前記筐体の1辺であって前記第1のアンテナが配置される中央部から前記筐体の他辺方向と対向する位置に配置される[2]に記載の電子機器。
[4] 前記筐体の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナ以外のその他の前記第1のアンテナおよび前記筐体の他辺の中央部に配置される前記第2のアンテナ以外のその他の前記第2のアンテナは、受信用のアンテナである[1]に記載の電子機器。
[5] バッテリと、
前記筐体の側面に設けられ、前記バッテリの充電に用いられる電力を入力するためのコネクタと、
を具備し、
前記筐体の1辺または前記筐体の他辺の一方は、前記コネクタが位置する前記筐体の辺と対向する前記筐体の辺である[1]に記載の電子機器。
[6] 前記筐体の前面に設けられる操作キーを具備し、
前記筐体の1辺および前記筐体の他辺は、前記操作キーが位置する前記筐体の辺と異なる辺である[1]に記載の電子機器。
[7] バッテリと、
前記バッテリを電気的に非接触で充電するためのワイヤレス充電アンテナと、
を具備し、
前記ワイヤレス充電アンテナは、前記筐体の1辺と前記筐体の他辺とが交わる前記筐体の一角と対向する前記筐体の一角に配置される[1]に記載の電子機器。
[8] 前記ワイヤレス充電アンテナは、矩形に形成され、第1の辺が、前記筐体の1辺と対向する辺に沿い、前記第1の辺と直交する第2の辺が、前記筐体の他辺と対向する辺に沿うように配置される[7]に記載の電子機器。
[9] 前記ワイヤレス充電アンテナは、第1の部分と前記第1の部分と直交する第2の部分とからなるL字型に形成され、前記第1の部分が、前記筐体の1辺と対向する辺に沿い、前記第2の部分が、前記筐体の他辺と対向する辺に沿うように配置される[7]に記載の電子機器。
[10] 表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、
第1の無線通信モジュールと、
第2の無線通信モジュールと、
前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、
前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナと、
を具備し、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記表示画面の周辺部であって、前記筐体の直交する2辺に配置され、かつ、前記2辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記2辺中の1辺の中央部に配置される、
電子機器。
[11] 前記2辺中の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つは、送信用または送受信用のアンテナである[10]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0066】
1a…セルラメインアンテナ、1b…セルラサブアンテナ、2a…BT/WiFiアンテナ、2b…WiFi[2]アンテナ、3…GPSアンテナ、4…タッチパネルディスプレイ、5…充電コネクタ、6…電池、7…ハードキー、8…回路基板、9…ワイヤレス充電アンテナ、10…カメラ、100…電子機器、200…拡張ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信機能を有し、かつ、片手または両手で把持された状態で利用され得る電子機器および同機器におけるアンテナの配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばタブレット端末などと称される、手書き入力機能を備えた電子機器が普及し始めている。また、この種の電子機器は、無線通信機能を有することが一般的になりつつある。この種の電子機器を携行すれば、ユーザは、例えば外出先や移動中でも、電子メールを送受信したり、Webページを閲覧するといったことが可能となる。
【0003】
つまり、この種の電子機器は、例えば車中などにおいて、ユーザによって把持された状態で利用されるものと考えられる。このような利用形態を考慮して、ユーザによって把持された状態でも良好な無線通信が行えるようにアンテナを構成する仕組み等がこれまでも種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4389540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、薄いボード状の筐体を有し、筐体の前面に配置されたタッチパネルディスプレイを(長手方向にY軸を取った)縦長または(長手方向にX軸を取った)横長のいずれの方向でも利用でき、かつ、片手または両手のいずれでも持たれ得る電子機器が増えている。また、(音声通話およびデータ通信の少なくとも一方を含む)移動体通信サービスを受けるための無線通信システム、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システム、周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システム等、複数の無線通信システムを搭載する電子機器も増えている。
【0006】
これに伴い、電子機器がいずれの方向で用いられ、また、電子機器が片手または両手のいずれで持たれたとしても、即ち、筐体のどの部分を握られても、複数の無線通信システムそれぞれが常時良好に無線通信を行うことのできる対策が求められている。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現する電子機器および同機器におけるアンテナの配置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、電子機器は、表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、第1の無線通信モジュールと、第2の無線通信モジュールと、前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナとを具備する。前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置され、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記第2の辺の中央部に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図2】第1実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例を示す図。
【図3】第1実施形態の電子機器を両手で握って利用する形態を説明するための図。
【図4】第1実施形態の電子機器を片手で握って利用する形態を説明するための図。
【図5】2つの無線通信システムを搭載する電子機器における一般的なアンテナ配置の第1の例を示す図。
【図6】2つの無線通信システムを搭載する電子機器における一般的なアンテナ配置の第2の例を示す図。
【図7】第1実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例の変形例を示す図。
【図8】第1実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例の変形例を示す図。
【図9】第2実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図10】第2実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例を示す図。
【図11】第3実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図12】第3実施形態の電子機器の第2のアンテナ配置例を示す図。
【図13】第4実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの回路基板上への載置例を示すための外観図。
【図14】第4実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの回路基板上への載置例を示すための部分断面図。
【図15】第5実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図16】第5実施形態の電子機器の第1のアンテナ配置例を示す図。
【図17】第6実施形態の電子機器が充電機能付きの拡張ユニットにセットされた様子を示す図。
【図18】第6実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの配置例を示す第1の図。
【図19】第6実施形態の電子機器のワイヤレス充電アンテナの配置例を示す第2の図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。本電子機器100は、例えば、タブレット端末などと称される、データ入力をタッチパネルディスプレイ4によって受け付ける携帯情報端末として実現されている。
【0013】
本電子機器100は、薄いボード状の筐体を有している。ユーザは、筐体の前面中央に配置されるタッチパネルディスプレイ4に例えばペンで触れることにより、クリック操作や筆記入力操作など、様々なデータ入力操作を行うことができる。タッチパネルディスプレイ4への入力は、例えば指によっても可能である。タッチパネルディスプレイ4の表示画面は、(筐体の前面の面積の半分以上を占めるサイズである)例えば7インチ程度のサイズを有する。従って、本電子機器100は、手のひらサイズなどと称される携帯情報端末のように手のひらに載せて利用するのではなく、筐体の端部を両手または片手で握って利用するタイプの携帯情報端末である。また、本電子機器100は、タッチパネルディスプレイ4を(長手方向にY軸を取った)縦長または(長手方向にX軸を取った)横長のいずれの方向でも利用することができる。
【0014】
なお、ここでは、本電子機器100が、表示装置として、データ入力機能を有するタッチパネルディスプレイ4を搭載する例を示すが、これに限定されず、例えばポインティングデバイス等のデータ入力手段を別途設け、データ入力機能を有しないLCD(Liquid crystal display)等を搭載することも可能である。
【0015】
また、本電子機器100は、移動体通信サービスを受けるための無線通信システム、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システムおよび周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システムを有している。移動体通信サービスを受けるための無線通信システム用のアンテナとして、本電子機器100には、送受信(Tx,Rx)用のセルラメインアンテナ1aと、受信(Rx)用のセルラサブアンテナ1bとが搭載される。また、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システム用および周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システム用のアンテナとして、本電子機器100には、送受信用のBluetooth(登録商標)/WiFiアンテナ2a(以下、BT/WiFiアンテナ2aと称する。)と、受信用のWiFi[2]アンテナ2bとが搭載される。さらに、本電子機器100は、GPS(Global positioning system)機能を有しており、当該GPS機能用のGPSアンテナ3を搭載する。
【0016】
前述したように、本電子機器100は、筐体の端部を両手または片手で握って利用するタイプの携帯情報端末であり、タッチパネルディスプレイ4を縦長または横長のいずれの方向でも利用することができる。また、本電子機器100は、図1に示したように、(表示画面が筐体の前面の面積の半分以上を占めるサイズを有する)タッチパネルディスプレイ4が筐体の前面中央に配置され、かつ、筐体は、薄いボード状である。従って、セルラメインアンテナ1a、セルラサブアンテナ1b、BT/WiFiアンテナ2a、WiFi[2]アンテナ2bおよびGPSアンテナ3は、必然的に、タッチパネルディスプレイ4の周辺部であって、手で握られる可能性のある筐体の端部に配置されることになる。
【0017】
このような条件下において、本電子機器100は、いずれの方向で用いられ、また、片手または両手のいずれで持たれたとしても、即ち、筐体のどの部分を握られても、複数の無線通信システムそれぞれが常時良好に無線通信を行えるように、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑える仕組みを備えたものであり、以下、この点について詳述する。
【0018】
図1に示すように、本電子機器100は、第1に、移動体通信サービスを受けるための無線通信システム用のアンテナであるセルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bの2つのアンテナと、公衆無線LANサービスを受けるための無線通信システム用および周辺機器との間で無線通信を行うための無線通信システム用のアンテナであるBT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの2つのアンテナとのうち、それぞれの少なくとも1つを、筐体の直交する2辺中の互いに異なる辺の中央部に各々配置するようにした。
【0019】
また、本電子機器100は、第2に、上記2つの無線通信システムそれぞれについて、(各辺の中央部に配置したアンテナ以外の)その他のアンテナの少なくとも1つを、他の無線通信システムのアンテナが中央部に配置された辺に配置し、かつ、当該その他のアンテナが、その辺の中央部から自システムの別アンテナが中央部に配置された辺方向と対向する領域に位置するようにした。
【0020】
より具体的には、第1に、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bの2つのアンテナのうち、セルラメインアンテナ1aを、筐体の長手方向の辺の中央部に配置すると共に、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの2つのアンテナのうち、BT/WiFiアンテナ2aを、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺と直交する辺の中央部に配置する。各無線通信システムの2つのアンテナのうち、辺の中央部に配置するアンテナは、受信専用のアンテナよりも(受信に加えて)送信の用途を含むアンテナを優先して選択することが好ましい。
【0021】
また、第2に、セルラサブアンテナ1bを、BT/WiFiアンテナ2aが中央部に配置された辺の当該BT/WiFiアンテナ2aよりもセルラメインアンテナ1aから離れる側に配置すると共に、WiFi[2]アンテナ2bを、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺の当該セルラメインアンテナ1aよりもBT/WiFiアンテナ2aから離れる側に配置する。
【0022】
なお、GPSアンテナ3は、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺(スペースが確保し易い筐体の長手方向の辺)の当該セルラメインアンテナ1aからWiFi[2]アンテナ2b方向と対向する位置に配置する。
【0023】
このセルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係は、図2に示すように、互いに入れ替えることも可能である。
【0024】
ここで、図1および図2に加えて、図3および図4を参照しながら、図1および図2に示した本電子機器100におけるアンテナ配置の基本的な考え方を説明する。
【0025】
図3は、本電子機器100を両手で握って利用する形態を説明するための図である。図3中、”a1”および”a2”は、タッチパネルディスプレイ4を縦長の方向で利用する場合を示し、”b1”および”b2”は、タッチパネルディスプレイ4を横長の方向で利用する場合を示している。
【0026】
図3に示すように、本電子機器100を両手で握って利用する場合、タッチパネルディスプレイ4を縦長または横長のいずれの方向で利用する場合でも、筐体の対向する2辺が握られると考えられる。また、各辺の中央部よりも下端部が握られる可能性が高いと推測される。従って、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを辺の中央部に配置することにより、当該アンテナを、手で覆われていない状態に維持する確率を高めることができ、かつ、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置することにより、(可能性が低いと推測される)中央部が握られた場合であっても、少なくとも1つのアンテナを、手で覆われていない状態に維持することができる。
【0027】
なお、前述した「各無線通信システムの2つのアンテナのうち、辺の中央部に配置するアンテナは、受信専用のアンテナよりも(受信に加えて)送信の用途を含むアンテナを優先して選択することが好ましい」理由は、ここで説明した、各辺の中央部よりも下端部が握られる可能性が高いと推測されることに基づいている。
【0028】
また、図4は、本電子機器100を片手で握って利用する形態を説明するための図である。図4中、”c1”および”c2”は、タッチパネルディスプレイ4を縦長の方向で利用する場合を示し、”d1”および”d2”は、タッチパネルディスプレイ4を横長の方向で利用する場合を示している。
【0029】
図4に示すように、本電子機器100を片手で握って利用する場合には、筐体の端部の2箇所が同時に手で覆われることはない。よって、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置する本電子機器100のアンテナ配置によれば、少なくとも1つのアンテナが、手で覆われてない状態に維持される。
【0030】
図5および図6は、2つの無線通信システムを搭載する電子機器における一般的なアンテナ配置の例を示す図である。
【0031】
図5に示す電子機器では、2つの無線通信システムのアンテナ(1,2a)を、筐体の対向する2辺中の互いに異なる辺にそれぞれ配置させている。また、図6に示す電子機器では、2つの無線通信システムのアンテナ(1,2)を、筐体の同じ1辺に配置させている。これら2つの電子機器のいずれも、持ち方によっては、いずれの無線通信システムについても、そのアンテナが手で覆われて、アンテナ特性劣化を招くおそれがある。
【0032】
これに対して、図1または図2に示した、(1)各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを辺の中央部に配置する、(2)各無線通信システムの2つのアンテナを直交する2辺に配置する、といったアンテナ配置を採用する本電子機器100は、いずれの無線通信システムについてもアンテナ特性劣化を招くことがない。
【0033】
このように、本電子機器100は、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現する。
【0034】
なお、ここでは、セルラサブアンテナ1bを、BT/WiFiアンテナ2aが中央部に配置された辺の当該BT/WiFiアンテナ2aよりもセルラメインアンテナ1aから離れる側に配置し、また、WiFi[2]アンテナ2bを、セルラメインアンテナ1aが中央部に配置された辺の当該セルラメインアンテナ1aよりもBT/WiFiアンテナ2aから離れる側に配置する例を示した。これは、セルラメインアンテナ1aとセルラサブアンテナ1bとの距離、および、BT/WiFiアンテナ2aとWiFi[2]アンテナ2bとの距離を確保することを意図するものである(距離を離すことによるアンテナ間アイソレーションの向上)。
【0035】
一方、各アンテナのアンテナ特性は、例えば、グランドパターンがどのように形成されているかによっても左右される。従って、例えば、このグラウンドパターンの形状を調整することにより、図7および図8に示すように、セルラサブアンテナ1bおよびWiFi[2]アンテナ2bを、(BT/WiFiアンテナ2aおよびセルラメインアンテナ1aを基点として)セルラメインアンテナ1aおよびBT/WiFiアンテナ2aの近い方にそれぞれ配置するアンテナ集約実装も可能である。
【0036】
つまり、本電子機器100は、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置すると共に、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを、各辺の中央部に配置する点を本質としており、中央部に配置したアンテナ以外のその他のアンテナを、中央部に配置したアンテナから離すべく配置することに限定されるものではない。
【0037】
(第2実施形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0038】
図9は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0039】
本電子機器100は、図9に示すように、筐体の側面に、充電コネクタ5が設けられている。充電コネクタ5は、本電子機器100が電源として内蔵するバッテリ(電池)6を充電する電力を入力するために設けられる。充電コネクタ5は、本電子機器100が充電器やドッカーなどと称される充電機能付きの拡張ユニットと接続された際、充電器または拡張ユニット側のコネクタと連結されるように構成されている。
【0040】
そして、本電子機器100は、送受信用のセルラメインアンテナ1aを、この充電コネクタ5が配置される辺と対向する辺に配置する。言い換えれば、セルラメインアンテナ1aを配置する辺は、充電コネクタ5が配置される辺と対向する辺とする。
【0041】
本電子機器100が充電器または拡張ユニットと接続された状態で無線通信が実行される場合を考える。セルラメインアンテナ1aを、充電コネクタ5が配置される辺と対向する辺に配置することにより、本電子機器100が充電器または拡張ユニットと接続された状態におけるセルラメインアンテナ1aのアンテナ特性劣化を抑えることができる。
【0042】
また、図10に示すように、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係を、互いに入れ替えることも可能である。例えば、セルラメインアンテナ1aを用いる無線通信システムをBT/WiFiアンテナ2aを用いる無線通信システムよりも優先する場合、図9に示したアンテナ配置を採用し、一方、BT/WiFiアンテナ2aを用いる無線通信システムをセルラメインアンテナ1aを用いる無線通信システムよりも優先する場合には、図10に示したアンテナ配置を採用すれはよい。
【0043】
(第3実施形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0044】
図11は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0045】
本電子機器100は、図11に示すように、筐体の前面のタッチパネルディスプレイ4の周辺部に、操作用のハードキー7が設けられている。そして、本電子機器100は、セルラメインアンテナ1a、セルラサブアンテナ1b、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの各アンテナを、このハードキー7が配置される辺とは異なる辺に配置する。言い換えれば、セルラメインアンテナ1aおよびWiFi[2]アンテナ2bを配置する辺と、BT/WiFiアンテナ2aおよびセルラサブアンテナ1bを配置する辺との直交する2辺は、ハードキー7が配置される辺とは異なる辺とする。
【0046】
無線通信の実行中にハードキー7が操作された場合を考える。各アンテナを、ハードキー7が配置される辺とは異なる辺に配置することにより、無線通信の実行中にハードキー7が操作された場合における各アンテナのアンテナ特性劣化を抑えることができる。
【0047】
また、図12に示すように、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係を、互いに入れ替えることも可能である。
【0048】
(第4実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0049】
図13は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0050】
前述した第2の実施形態では、電池6を充電する電力を入力するための充電コネクタ5が筐体の側面に設けられる場合のアンテナ配置例を説明した。これに対して、本電子機器100は、電池6を充電する電力を電気的に非接触な状態で入力するためのワイヤレス充電アンテナ9を筐体に内蔵する。そして、本電子機器100は、このワイヤレス充電アンテナ9を筐体に内蔵するにあたって、当該ワイヤレス充電アンテナ9を、回路基板8の背面側に載置する。図14は、ワイヤレス充電アンテナ9の回路基板8上への載置例を示すための部分断面図である。
【0051】
図14に示すように、ワイヤレス充電アンテナ9は、回路基板8上のタッチパネルディスプレイ4方向と対向する側に載置される。正面側と比較すると一般的に回路の密集度の低い背面側にワイヤレス充電アンテナ9を配置することで、電池6の発熱を少しでも低下させる。これにより、本電子機器100は、さらに、電池6の特性劣化を抑えること(長寿命化を図ること)を実現する。
【0052】
(第5実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
【0053】
図15は、本実施形態の電子機器100の外観およびアンテナ配置を示す図である。
【0054】
前述した第1乃至第4の実施形態では、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置すると共に、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを、各辺の中央部に配置する例を説明した。
【0055】
一方、本電子機器100のような携帯型の電子機器では、最近、静止画像や動画像を撮影するためのカメラを搭載する場合が増えてきている。そして、カメラは、表示画面の周辺部であって、筐体の一辺の中央部に配置される場合が多い。また、カメラを配置する辺は、同時に、(ユーザの体から離れる)アンテナを配置するのに好適な辺でもある。カメラの位置とアンテナの位置とではカメラの位置が優先されるので、当該辺の中央部にアンテナを配置することはできない。即ち、前述した第1乃至第4の実施形態のように、各無線通信システムの少なくとも1つのアンテナを、各辺の中央部に配置することを実施できない。
【0056】
このような場合、本電子機器100は、カメラ10が配置される辺と、この辺と直交する辺との2辺に、セルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bの2つのアンテナと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bの2つのアンテナとをそれぞれ配置し、これら2組みのアンテナのうちの一方を、カメラ10が配置される辺と直交する辺の中央部に配置する。図15の例では、セルラメインアンテナ1aを、カメラ10が配置される辺と直交する辺の中央部に配置している。また、BT/WiFiアンテナ2aは、カメラ10が配置される辺であって、当該カメラ10の近傍に配置している。このセルラメインアンテナ1aおよびセルラサブアンテナ1bと、BT/WiFiアンテナ2aおよびWiFi[2]アンテナ2bとの位置関係は、図16に示すように、互いに入れ替えることも可能である。
【0057】
本電子機器100では、2つの無線通信システムのアンテナのうち、一方のみを(手で握られる可能性が低いと推測される)辺の中央部に配置するが、各無線通信システムの2つのアンテナを、直交する2辺に配置することにより、少なくとも1つのアンテナを、手で覆われていない状態に維持することができる。よって、本電子機器100でも、ユーザによって把持された場合におけるアンテナ特性劣化を抑えることが実現できる。
【0058】
(第6実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
【0059】
前述した第4の実施形態では、電力を電気的に非接触な状態で入力可能なワイヤレス充電アンテナ9を用いて電池6の充電が行われる場合を例示した。このワイヤレス充電アンテナ9を用いた電池6の充電は、例えばクレードルなどと称される充電機能付きの拡張ユニットにセットすることによって実行する。
【0060】
本電子機器100が拡張ユニットにセットされた状態で利用される場合を考える。前述したように、本電子機器100は、タッチパネルディスプレイ4を縦長および横長のいずれの方向でも利用することができる。また、ワイヤレス充電アンテナ9は、電力を電気的に非接触な状態で入力可能なので、この利点を活かすべく、例えば図17に示すように、拡張ユニット200への本電子機器100のセットを、縦長(図17の”e1”)および横長(図17の”e2”)のいずれの方向でも行えるように、拡張ユニット200を構成することが好ましい。
【0061】
そこで、本実施形態の電子機器100は、図18または図19に示すように、各無線通信システムの2つのアンテナが配置される直交する2辺が交わる一角と対向する一角にワイヤレス充電アンテナ9を配置する。図18は、ワイヤレス充電アンテナ9を矩形に形成した例を示し、図19は、ワイヤレス充電アンテナ9をL字形に形成した例を示している。ワイヤレス充電アンテナ9を矩形またはL字型に形成することにより、ワイヤレス充電アンテナ9が配置される一角で交わる2辺のいずれにも、ワイヤレス充電アンテナ9のいずれかの辺が沿うことになる。よって、ワイヤレス充電アンテナ9が配置される一角で交わる2辺のいずれを下端として電子機器100を拡張ユニット200にセットしても、ワイヤレス充電アンテナ9を介した電池6の充電が可能となる。
【0062】
また、この位置(各無線通信システムの2つのアンテナが配置される直交する2辺が交わる一角と対向する一角)にワイヤレス充電アンテナ9を配置することにより、本電子機器100を縦長および横長のいずれで拡張ユニット200にセットしても、辺の中央部に配置したアンテナが拡張ユニット200で覆われることがない。
【0063】
なお、前述した第4の実施形態では、ワイヤレス充電アンテナ9を回路基板8の背面側に載置する例を説明したが、回路基板8上に限らず、ワイヤレス充電アンテナ9は、例えば筐体の背面側の内壁に配置して、ハーネスや同軸ケーブル等で回路基板8と接続するようにしても良い。
【0064】
このように、本電子機器100は、いずれの向きでセットしても充電を行うことのできるワイヤレス充電アンテナ9の配置を実現でき、また、ユーザによって把持された場合に加えて、拡張ユニット200にセットされた状態におけるアンテナ特性劣化を抑えることを実現できる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、
第1の無線通信モジュールと、
第2の無線通信モジュールと、
前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、
前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナと、
を具備し、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記表示画面の周辺部であって、前記筐体の直交する2辺に配置され、かつ、前記2辺に配置される前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々1つが、前記2辺の中央部に配置される、
電子機器。
[2] 前記筐体の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナおよび前記筐体の1辺と直交する前記筐体の他辺の中央部に配置される前記第2のアンテナは、送信用または送受信用のアンテナである[1]に記載の電子機器。
[3] 前記筐体の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナ以外のその他の前記第1のアンテナは、前記筐体の他辺であって前記第2のアンテナが配置される中央部から前記筐体の1辺方向と対向する位置に配置され、前記筐体の他辺の中央部に配置される前記第2のアンテナ以外のその他の前記第2のアンテナは、前記筐体の1辺であって前記第1のアンテナが配置される中央部から前記筐体の他辺方向と対向する位置に配置される[2]に記載の電子機器。
[4] 前記筐体の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナ以外のその他の前記第1のアンテナおよび前記筐体の他辺の中央部に配置される前記第2のアンテナ以外のその他の前記第2のアンテナは、受信用のアンテナである[1]に記載の電子機器。
[5] バッテリと、
前記筐体の側面に設けられ、前記バッテリの充電に用いられる電力を入力するためのコネクタと、
を具備し、
前記筐体の1辺または前記筐体の他辺の一方は、前記コネクタが位置する前記筐体の辺と対向する前記筐体の辺である[1]に記載の電子機器。
[6] 前記筐体の前面に設けられる操作キーを具備し、
前記筐体の1辺および前記筐体の他辺は、前記操作キーが位置する前記筐体の辺と異なる辺である[1]に記載の電子機器。
[7] バッテリと、
前記バッテリを電気的に非接触で充電するためのワイヤレス充電アンテナと、
を具備し、
前記ワイヤレス充電アンテナは、前記筐体の1辺と前記筐体の他辺とが交わる前記筐体の一角と対向する前記筐体の一角に配置される[1]に記載の電子機器。
[8] 前記ワイヤレス充電アンテナは、矩形に形成され、第1の辺が、前記筐体の1辺と対向する辺に沿い、前記第1の辺と直交する第2の辺が、前記筐体の他辺と対向する辺に沿うように配置される[7]に記載の電子機器。
[9] 前記ワイヤレス充電アンテナは、第1の部分と前記第1の部分と直交する第2の部分とからなるL字型に形成され、前記第1の部分が、前記筐体の1辺と対向する辺に沿い、前記第2の部分が、前記筐体の他辺と対向する辺に沿うように配置される[7]に記載の電子機器。
[10] 表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、
第1の無線通信モジュールと、
第2の無線通信モジュールと、
前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、
前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナと、
を具備し、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記表示画面の周辺部であって、前記筐体の直交する2辺に配置され、かつ、前記2辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記2辺中の1辺の中央部に配置される、
電子機器。
[11] 前記2辺中の1辺の中央部に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つは、送信用または送受信用のアンテナである[10]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0066】
1a…セルラメインアンテナ、1b…セルラサブアンテナ、2a…BT/WiFiアンテナ、2b…WiFi[2]アンテナ、3…GPSアンテナ、4…タッチパネルディスプレイ、5…充電コネクタ、6…電池、7…ハードキー、8…回路基板、9…ワイヤレス充電アンテナ、10…カメラ、100…電子機器、200…拡張ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、
前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、
第1の無線通信モジュールと、
第2の無線通信モジュールと、
前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、
前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナと、
を具備し、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置され、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記第2の辺の中央部に配置される、
電子機器。
【請求項2】
前記カメラは、前記第1の辺の中央部に配置される請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2の辺の中央部に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つ以外のその他の前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つは、前記第1の辺であって前記カメラが配置される中央部から前記第2の辺方向と対向する位置に配置される請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の辺の中央部に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つは、送信用または送受信用のアンテナである請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
バッテリと、
前記バッテリを電気的に非接触で充電するためのワイヤレス充電アンテナと、
を具備し、
前記ワイヤレス充電アンテナは、前記筐体内の回路基板上の前記表示画面方向と対向する側に載置される請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、第1の無線通信モジュールと、第2の無線通信モジュールと、前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナとを具備する電子機器におけるアンテナの配置方法であって、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つを、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置し、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つを、前記第2の辺の中央部に配置する、
アンテナの配置方法。
【請求項1】
表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、
前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、
第1の無線通信モジュールと、
第2の無線通信モジュールと、
前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、
前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナと、
を具備し、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つが、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置され、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つが、前記第2の辺の中央部に配置される、
電子機器。
【請求項2】
前記カメラは、前記第1の辺の中央部に配置される請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2の辺の中央部に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つ以外のその他の前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つは、前記第1の辺であって前記カメラが配置される中央部から前記第2の辺方向と対向する位置に配置される請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の辺の中央部に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つは、送信用または送受信用のアンテナである請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
バッテリと、
前記バッテリを電気的に非接触で充電するためのワイヤレス充電アンテナと、
を具備し、
前記ワイヤレス充電アンテナは、前記筐体内の回路基板上の前記表示画面方向と対向する側に載置される請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
表示画面が筐体の前面から露出される表示装置と、前記表示画面の周辺部であって前記筐体の第1の辺に配置されるカメラと、第1の無線通信モジュールと、第2の無線通信モジュールと、前記第1の無線通信モジュール用の1以上の第1のアンテナと、前記第2の無線通信モジュール用の1以上の第2のアンテナとを具備する電子機器におけるアンテナの配置方法であって、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの各々少なくとも2つを、前記カメラが配置される前記第1の辺および前記表示画面の周辺部であって前記第1の辺と直交する前記筐体の第2の辺の2辺に配置し、かつ、前記第2の辺に配置される前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの1つを、前記第2の辺の中央部に配置する、
アンテナの配置方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−199918(P2012−199918A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−55837(P2012−55837)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2011−61542(P2011−61542)の分割
【原出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2011−61542(P2011−61542)の分割
【原出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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