説明

電子機器と時刻同期方法およびプログラム

【課題】撮像機能を有する電子機器と表示機能を有する電子機器間で、容易に時刻を同期させる。
【解決手段】同期元の電子機器20では、計時部21で計時された現在時刻を示すコード情報の生成をコード情報生成部22で行い、生成されたコード情報に基づき表示部23でコード表示を行う。同期先の電子機器30では、撮像部31で撮像された画像におけるコード表示の解析を画像解析部33で行う。時刻補正部34は、解析して得られた解析時刻と、解析に用いた画像の撮像時刻に基づき時刻補正量を算出して、この時刻補正量に基づき計時部35の時刻の補正を行う。同期先の電子機器30の時刻を同期元の電子機器20の時刻に容易に同期させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、電子機器と時刻同期方法およびプログラムに関する。詳しくは、複数の電子機器間で、容易に時刻を同期させることができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像機能を有した電子機器例えばデジタルカメラやビデオカメラを複数台用いて、各デジタルカメラで生成された静止画を時刻順に並べたり、各ビデオカメラで生成された動画を1つの動画にまとめる編集作業等が行われている。このような編集作業等を行う場合、静止画や動画と共に記録された時刻情報を利用することで、容易に作業を行うことができる。しかし、各電子機器の時刻が同期していない場合、時刻情報を利用した編集作業等の結果は正しい時刻順とならない。このため、例えば画像の内容を確認しながら、正しい時刻順に静止画を並べたり動画の編集点を設定しなければならず、編集作業等を容易に行うことができないことから、時刻情報を利用した編集作業等行う場合には各電子機器の時刻を一致させる必要がある。例えば特許文献1では、伝送路を介して接続されているマスター装置とスレーブ装置間で通信を行いスレーブ装置の時刻をマスター装置に同期させることが行われている。また、時刻を自動補正する方法として時刻情報が重畳されている無線信号を利用する方法が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−197320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、伝送路を介して各電子機器を接続して通信を行う場合、時刻情報の通信を正しく行うために時刻同期化のためのプロトコルに対応した通信回路を設けなければならない。また、時刻情報が重畳されている無線信号、例えば航法衛星から送信された無線信号や無線通信ネットワークシステムの基地局や通信端末から送信された無線信号、時刻同期プロトコル(NTP: Network Time Protocol)サーバから通信端末を介して送信された時刻情報を示す無線信号等を利用する場合、無線信号の受信回路を設けなければならない。さらに、ネットワーク接続のための設定等も必要となる。
【0005】
また、手動で各電子機器の時刻調整を行う場合には煩雑な手順を追う必要がある上に、正確に調整を行うことが容易でない。
【0006】
そこで、本技術では、撮像機能を有する電子機器と表示機能を有する電子機器間で、容易に時刻を同期させることができる電子機器と時刻同期方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術の第1の側面は、撮像部と、時刻を計時する計時部と、前記撮像部で撮像された画像のコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する画像解析部と、前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき前記計時部の時刻を補正する時刻補正部とを備える電子機器にある。
【0008】
この技術の電子機器では、撮像部で撮像された画像におけるコード表示を解析して得られた時刻と、解析に用いた画像の撮像時刻との時間差が時刻補正量とされて、この時刻補正量に基づき計時部の時刻が補正される。また、画像に複数のコード表示が含まれており、コード表示を解析して複数の時刻が得られた場合、例えばコード表示に対応して表示されている更新間隔を示す情報に基づき、またはコード表示の並び順に基づき、更新間隔の短い時刻と撮像時刻との時間差が時刻補正量とされる。
【0009】
この技術の第2の側面は、計時部で時刻を計時する工程と、撮像部で撮像された画像におけるコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する工程と、前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき前記計時部の時刻を補正する工程とを含む時刻同期方法にある。
【0010】
この技術の第3の側面は、撮像部で撮像された画像におけるコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する機能と、前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき計時部の時刻を補正する機能とをコンピュータで実現させるためのプログラムにある。
【0011】
この技術の第4の側面は、時刻を計時する計時部と、前記計時部で計時された現在時刻に基づきコード情報を生成するコード情報生成部と、前記コード情報に基づきコード表示を行う表示部とを備える電子機器にある。
【0012】
この技術の電子機器では、計時された現在時刻に基づきコード情報が生成されて、このコード情報に基づきコード表示、例えば二次元コードまたはバーコードの表示が行われる。また、コード情報の生成では、更新間隔が異なる複数のコード情報の生成が行われて、コード表示に更新間隔を示す情報が対応されて表示される。または、コード表示が更新間隔の時間間隔順に並べて表示される。また、時刻情報を示す無線信号を受信する受信部が設けられて、計時部では、受信された無線信号で示された時刻に現在時刻を調整する処理が行われる。
【0013】
この技術の第5の側面は、時刻を計時する工程と、計時された現在時刻を示すコード情報を生成する工程と、前記コード情報に基づきコード表示を行う工程とを含む時刻同期方法にある。
【0014】
この技術の第6の側面は、計時部で計時された現在時刻を示すコード情報を生成する機能と、前記コード情報に基づきコード表示を表示部で行わせる機能とをコンピュータで実現させるためのプログラムにある。
【0015】
なお、本技術のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ上でプログラムに応じた処理が実現される。
【発明の効果】
【0016】
この技術によれば、同期元の電子機器では、計時を行うことにより生成された現在時刻情報に基づき、現在時刻を示すコード情報の生成が行われて、生成されたコード情報に基づきコード表示が行われる。また、同期先の電子機器では、撮像部で撮像された画像におけるコード表示の解析を行って得られた時刻と、解析に用いた画像の撮像時刻とに基づき時刻補正量が算出されて、この時刻補正量に基づき計時部の時刻の補正が行われる。このため、表示機能を有する電子機器を同期元、撮像機能を有する電子機器を同期先の機器として用いることで、同期元と同期先の電子機器間で通信を行うことなく、容易に時刻を同期させることができる。また、同期先の電子機器が複数であっても、同時に同期元の電子機器に時刻を同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】時刻同期システムの構成を示す図である。
【図2】同期元機器の動作を示すフローチャートである。
【図3】コード表示を例示した図である。
【図4】同期先機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】時刻同期処理のタイミングチャートを示す図である。
【図6】コード表示の他の例を示す図である。
【図7】同期元機器の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.時刻同期システムの構成
2.時刻同期処理
【0019】
<1.時刻同期システムの構成>
図1は、時刻同期システムの構成を示している。時刻同期システム10では、時計機能と表示機能を有した電子機器20と、時計機能と撮像機能を有した電子機器30を用いて構成されている。電子機器20は、時刻の同期元としての動作を行い、時刻を示すコード情報の表示を行う。また、電子機器30は、時刻の同期先としての動作を行い、電子機器20で表示されたコード情報の撮像画像を画像処理して時刻情報の取得を行い、取得した時刻情報に基づき、時刻を電子機器20の時刻に同期させる。
【0020】
時刻の同期元としての動作を行う電子機器(以下「同期元機器」という)20は、計時部21、コード情報生成部22、表示部23および制御部25を備えている。
【0021】
計時部21は、時刻の計時を行い、現在時刻を示す時刻情報を生成してコード情報生成部22に出力する。
【0022】
コード情報生成部22は、計時部21から供給された時刻情報(以下「同期元時刻情報」という)に基づきコード情報を生成して表示部23に出力する。コード情報生成部22は、コード情報として同期元時刻情報を示すコード例えばバーコードや二次元コードの情報を生成する。
【0023】
表示部23は、液晶や有機EL等の表示素子を用いて構成されている。表示部23は、コード情報に基づいて表示素子を駆動して、バーコードや二次元コードのコード表示を行う。
【0024】
制御部25は、同期元機器20の各部の動作を制御する。制御部25は、例えば時刻同期処理の開始が指示された場合、コード情報生成部22や表示部23の動作を制御して、同期元時刻情報のコード表示処理を行う。なお、制御部25は、時刻同期処理の終了が指示された場合または時刻同期処理の開始から所定時間が経過した場合等のタイミングで、コード表示処理を終了する。
【0025】
時刻の同期先としての動作を行う電子機器(以下「同期先機器」という)30は、撮像部31、画像入力部32、画像解析部33、時刻補正部34、計時部35、制御部36を備えている。
【0026】
撮像部31は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子やCCD(Charge Coupled Device)撮像素子等の固体撮像素子と、固体撮像素子の撮像面に被写体像を結像させる光学系ブロック等で構成されている。撮像部31は、撮像画像の画像信号を画像入力部32に出力する。
【0027】
画像入力部32には、後述する計時部35から時刻情報が供給されている。画像入力部32は、撮像部31で撮像された画像の取り込みを行い、取り込んだ画像を画像解析部33に出力する。また、画像入力部32は、画像の取り込みを行った時の時刻情報を撮像時刻情報として時刻補正部34に出力する。
【0028】
画像解析部33は、取り込まれた画像の画像解析を行う。画像解析部33は、画像解析としてコード表示の判別および判別したコード表示によって示されている時刻の解析を行い、解析結果を示す解析時刻情報を生成する。画像解析部33は、生成した解析時刻情報を時刻補正部34に出力する。
【0029】
時刻補正部34は、画像入力部32から供給された撮像時刻情報と、この撮像時刻情報が示す時刻で取り込まれた画像を画像解析部33で解析して生成された解析時刻情報に基づき、時刻補正量を算出する。また、時刻補正部34は、時刻補正量に基づき計時部35から供給された時刻情報の補正を行い、同期元機器20に同期した時刻を示す同期時刻情報を生成して計時部35に出力する。
【0030】
計時部35は、時刻の計時を行い、現在時刻を示す時刻情報を生成して画像入力部32と時刻補正部34に出力する。また、計時部35は、時刻補正部34から同期時刻情報が供給された場合、現在時刻を同期時刻情報が示す時刻に補正して計時を行う。
【0031】
制御部36は、同期先機器30の各部の動作を制御する。制御部36は、例えば時刻同期処理の開始が指示された場合、各部の動作を制御して、同期元機器20でのコード表示に基づき計時部35の時刻を同期元機器20の時刻に同期させる。
【0032】
<2.時刻同期処理>
次に、時刻同期システムの動作について説明する。図2は、同期元機器20の動作を示すフローチャートである。ステップST1で同期元機器20は、時刻同期処理を行うか判別する。同期元機器20の制御部25は、時刻同期処理の開始が指示された場合、各部を制御してステップST2以降の処理を行わせる。また、制御部25は、時刻同期処理の開始が指示されていない場合、ステップST2以降の処理を行わないようにする。
【0033】
ステップST2で同期元機器20、時刻情報の取得を行う。コード情報生成部22は、計時部21で生成されている時刻情報(同期元時刻情報)を取得してステップST3に進む。
【0034】
ステップST3で同期元機器20は、コード情報の生成を行う。コード情報生成部22は、取得した同期元時刻情報を示すコード例えばバーコードや二次元コードの情報を生成してステップST4に進む。
【0035】
ステップST4で同期元機器20は、コード表示を行う。表示部23は、ステップST3で生成されたコード情報に基づき表示素子を駆動してコード表示を行いステップST5に進む。
【0036】
ステップST5で同期元機器20は、時刻同期処理を終了するか判別する。制御部25は、時刻同期処理の終了が指示された場合や時刻同期処理の開始から所定時間が経過した場合、時刻同期処理の終了と判別して処理を終了する。また、同期元機器20は、時刻同期処理の終了と判別していない場合ステップST2に戻り、新たに時刻情報を取得してコード表示を行う。
【0037】
図3は、同期元機器20が撮像装置である場合のコード表示例を示している。同期元機器20は、時刻同期処理を行う場合、例えば撮像画像やメニュー表示等を行う表示部23に現在時刻を示す二次元コードを表示する。なお、表示部23のコード表示は、所定時間間隔、例えば1秒毎に順次更新される。
【0038】
図4は、同期先機器30の動作を示すフローチャートである。ステップST11で同期先機器30は、時刻同期処理を行うか判別する。同期先機器30の制御部36は、時刻同期処理の開始が指示された場合、各部を制御してステップST12以降の処理を行わせる。また、制御部36は、時刻同期処理の開始が指示されていない場合、ステップST12以降の処理を行わないようにする。
【0039】
ステップST12で同期先機器30は、撮像動作を開始する。撮像部31は、撮像画像の画像信号の生成を開始してステップST13に進む。
【0040】
ステップST13で同期先機器30は、画像の取り込み指示がなされたか判別する。同期先機器30は、画像の取り込み指示がなされたと判別された場合、ステップST14に進み、取り込み指示がなされたと判別されていない場合、ステップST13に戻る。画像の取り込み指示は、例えばコード表示の撮像が行われていることをユーザが確認して、ユーザが取り込み指示を行う。また、画像解析によってコード表示が撮像されていることを確認したとき、自動的に取り込み指示を行うようにしてもよい。
【0041】
ステップST14で同期先機器30は、撮像画像の取り込みと撮像時刻情報の生成を行う。画像入力部32は、コード表示を含む撮像画像の取り込みを行う。また、画像入力部32は、画像の取り込みを行った時の時刻情報を撮像時刻情報としてステップST15に進む。
【0042】
ステップST15で同期先機器30は、画像解析を行う。画像解析部33は、ステップST14で取り込まれた撮像画像のコード表示によって示されている時刻の解析を行い、解析結果を示す解析時刻情報を生成してステップST16に進む。
【0043】
ステップST16で同期先機器30は、時刻補正を行う。時刻補正部34は、ステップST14で生成された撮像時刻情報と、ステップST15で生成された解析時刻情報に基づき、時刻補正量を算出する。また、時刻補正部34は、時刻補正量に基づき計時部35から供給された時刻情報の補正を行い、同期元機器20に同期した時刻を示す同期時刻情報を生成する。さらに、時刻補正部34は、生成した同期時刻情報を計時部35に出力して、計時部35の現在時刻を同期時刻情報が示す時刻に補正して、時刻同期処理を終了する。
【0044】
図5は、時刻同期処理のタイミングチャートを示している。なお、図5の(A)は、同期元機器20における計時部21の時刻TM、図5の(B)は同期先機器30における計時部35の時刻TSを示している。
【0045】
同期元機器20は、時点t1(=TM1)で時刻同期処理が開始された場合、計時部21の時刻を示す同期元時刻情報のコード表示を行う。
【0046】
時点t2(=TM2,TS2)でコード表示の撮像画像が同期先機器30で取り込まれると、撮像時刻Pcmは時刻「TS2」となる。その後、画像解析が完了して画像解析によって得られた同期元時刻Pds(=TM2)に基づき時点t3(=TM3,TS3)で時刻補正を行う。この場合、時点t2から時点t3までの時間は「TS3−TS2」であるから、時点t3の時刻TM3は、式(1)に示すように、同期元時刻情報で示された時刻「TM2」に時間「TS3−TS2」を加算した時刻となる。
TM3=TM2+(TS3−TS2) ・・・(1)
【0047】
一方、同期先機器30において、時点t2における同期元時刻Pdsと撮像時刻Pcmから、同期元機器20と同期先機器30の時刻差が「TM2−TS2」であることが明らかとなる。したがって、式(2)に示すように、時点t3における同期先機器30の時刻TS3に時間差を加算して、計時部35の時刻TS3を時刻TS3cに補正する。
TS3c=TS3+(TM2−TS2) ・・・(2)
【0048】
ここで、時刻TM3と時刻TS3cは、等しい時刻であることから、同期先機器30の計時部35の時刻を、同期元機器20の計時部21の時刻に同期させることができる。
【0049】
ところで、コード表示の更新間隔を短くすれば、同期先機器30の時刻を同期元機器20の時刻に精度よく同期させることができる。しかし、コード表示の更新間隔が短くなると、画像入力部32で取り込まれる画像の電荷蓄積期間中にコード表示の切り替えが行われて、時刻を正しく解析できないおそれが高くなってしまう。そこで、同期元機器20は、更新間隔が異なる複数のコード情報を生成して、表示部23の画面上に複数のコード表示を設ける。
【0050】
図6は、同期元機器20で更新間隔が異なる2つのコード情報を生成して、表示部23の画面上に更新間隔の異なる2つコード表示を設けた場合を例示している。図6のように、表示部23の画面上に更新間隔の異なる複数のコードを表示すれば、同期先機器30は、コード表示が1つである場合に比べてより確実に解析時刻情報を生成することが可能となる。したがって、計時部35の時刻を同期先機器30の時刻により確実に同期させることができる。さらに、表示部23の画面上に更新間隔の異なる複数のコードを表示する場合、更新間隔を識別可能とする更新間隔情報を合わせて表示してもよい。この場合、同期先機器30は、画像解析によって複数の時刻情報が得られたとき、更新間隔の最も短いコード表示から解析した時刻情報を解析時刻情報として用いる。このようにすれば、同期先機器30の時刻を同期元機器20の時刻に精度よく確実に同期させることができる。なお、更新間隔情報は、更新間隔を識別することができればよく、例えばコードや数字、記号等の表示を用いる。また、更新間隔に応じてコード表示の配置を予め取り決めておくようにしてもよい。例えば、左側のコード表示に比べて右側のコード表示の更新間隔が短くなるように同期元きき20と同期先機器30で取り決めておく。このようにすれば、同期先機器30は、画像解析によって複数の時刻情報が得られた場合、最も右側に位置するコード表示の解析結果を選択することで、更新間隔の最も短い時刻情報を解析時刻情報として用いることができる。
【0051】
また、図7に示すように、時刻情報が重畳されている無線信号を受信する受信部24を同期元機器20aに設けることで、同期先機器に受信部を設けることなく、各電子機器の時刻を正しい時刻に設定できる。すなわち、受信部24は、例えば航法衛星からの無線信号や無線通信ネットワークシステムの基地局や通信端末からの無線信号、時刻同期プロトコルサーバから通信端末を介して送信された時刻情報を示す無線信号等を受信する。受信部24は、受信した無線信号によって示された時刻に計時部21の時刻を補正する。このように、同期元機器20aの時刻を正しい時刻に設定すれば、上述の処理を行うことで、各同期先機器30の時刻も正しい時刻に、容易に調整することができる。
【0052】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0053】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリカード等のリムーバブル記録媒体に、一時的または永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0054】
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトからLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、コンピュータに無線または有線で転送してもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0055】
なお、本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この技術の実施の形態は、例示という形態で本技術を開示しており、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0056】
また、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 撮像部と、
時刻を計時する計時部と、
前記撮像部で撮像された画像におけるコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する画像解析部と、
前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき前記計時部の時刻を補正する時刻補正部とを備える電子機器。
(2) 前記時刻補正部は、前記撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻との時間差を前記時刻補正量とする(1)に記載の電子機器。
(3) 前記画像解析部は、前記時刻の解析により異なる更新間隔の複数の時刻が得られた場合、更新間隔の短い時刻を示す解析時刻情報を生成する(1)または(2)に記載の電子機器。
(4) 前記画像解析部は、前記コード表示に対応させて表示されている更新間隔を示す情報に基づき、更新間隔の短い時刻を示す解析時刻情報を生成する(3)に記載の電子機器。
(5) 前記表示部は、前記コード表示の並び順に基づき更新間隔の順序を判別して、判別結果に基づき、更新間隔の短い時刻を示す解析時刻情報を生成する(3)に記載の電子機器。
(6) 時刻を計時する計時部と、
前記計時部で計時された現在時刻に基づきコード情報を生成するコード情報生成部と、
前記コード情報に基づきコード表示を行う表示部とを備える電子機器。
(7) 前記コード情報生成部は、更新間隔が異なる複数の前記コード情報を生成する(6)に記載の電子機器。
(8) 前記表示部は、前記コード表示に更新間隔を示す情報を対応させて表示する(7)に記載の電子機器。
(9) 前記表示部は、前記コード表示を前記更新間隔の時間間隔順に並べて表示する(7)に記載の電子機器。
(10) 前記コード情報生成部は、前記コード情報として二次元コードまたはバーコードを生成する(6)乃至(9)の何れかに記載の電子機器。
(11)) 時刻情報を示す無線信号を受信する受信部をさらに備え、
前記計時部は、前記受信された無線信号で示された時刻に現在時刻を調整する(6)乃至(10)の何れかに記載の電子機器。
【産業上の利用可能性】
【0057】
この技術の電子機器と時刻同期方法およびプログラムでは、時刻の同期元では、計時を行うことにより生成された現在時刻情報に基づき、現在時刻を示すコード情報の生成が行われて、生成されたコード情報に基づきコード表示が行われる。また、時刻の同期先では、撮像部で撮像された画像におけるコード表示の解析を行って得られた時刻と、解析に用いた画像の撮像時刻とに基づき時刻補正量が算出されて、この時刻補正量に基づき計時部の時刻の補正が行われる。このため、表示機能を有する電子機器を同期元、撮像機能を有する電子機器を同期先の機器として用いることで、同期元と同期先との間で通信を行うことなく、容易に時刻を同期させることができる。また、同期先の電子機器が複数であっても、同時に同期元の電子機器に時刻を同期させることができる。したがって、撮像装置等の時刻を同期させる場合に適している。
【符号の説明】
【0058】
10・・・時刻同期システム、20,20a・・・電子機器(同期元機器)、21・・・計時部、22・・・コード情報生成部、23・・・表示部、24・・・受信部、25・・・制御部、30・・・電子機器(同期先機器)、31・・・撮像部、32・・・画像入力部、33・・・画像解析部、34・・・時刻補正部、35・・・計時部、36・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
時刻を計時する計時部と、
前記撮像部で撮像された画像におけるコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する画像解析部と、
前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき前記計時部の時刻を補正する時刻補正部と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記時刻補正部は、前記撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻との時間差を前記時刻補正量とする
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記画像解析部は、前記時刻の解析により異なる更新間隔の複数の時刻が得られた場合、更新間隔の短い時刻を示す解析時刻情報を生成する
請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記画像解析部は、前記コード表示に対応させて表示されている更新間隔を示す情報に基づき、更新間隔の短い時刻を示す解析時刻情報を生成する
請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示部は、前記コード表示の並び順に基づき更新間隔の順序を判別して、判別結果に基づき、更新間隔の短い時刻を示す解析時刻情報を生成する
請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
計時部で時刻を計時する工程と、
撮像部で撮像された画像におけるコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する工程と、
前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき前記計時部の時刻を補正する工程と
を含む時刻同期方法。
【請求項7】
撮像部で撮像された画像におけるコード表示が示している時刻を解析して解析時刻情報を生成する機能と、
前記解析に用いた画像の撮像時刻と前記解析時刻情報が示す時刻に基づき時刻補正量を算出して、該時刻補正量に基づき計時部の時刻を補正する機能と
をコンピュータで実現させるためのプログラム。
【請求項8】
時刻を計時する計時部と、
前記計時部で計時された現在時刻に基づきコード情報を生成するコード情報生成部と、
前記コード情報に基づきコード表示を行う表示部と
を備える電子機器。
【請求項9】
前記コード情報生成部は、更新間隔が異なる複数の前記コード情報を生成する
請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
前記表示部は、前記コード表示に更新間隔を示す情報を対応させて表示する
請求項9記載の電子機器。
【請求項11】
前記表示部は、前記コード表示を前記更新間隔の時間間隔順に並べて表示する
請求項9記載の電子機器。
【請求項12】
前記コード情報生成部は、前記コード情報として二次元コードまたはバーコードを生成する
請求項8記載の電子機器。
【請求項13】
時刻情報を示す無線信号を受信する受信部をさらに備え、
前記計時部は、前記受信された無線信号で示された時刻に現在時刻を調整する
請求項8記載の電子機器。
【請求項14】
時刻を計時する工程と、
計時された現在時刻を示すコード情報を生成する工程と、
前記コード情報に基づきコード表示を行う工程と
を含む時刻同期方法。
【請求項15】
計時部で計時された現在時刻を示すコード情報を生成する機能と、
前記コード情報に基づきコード表示を表示部で行わせる機能と
をコンピュータで実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−40796(P2013−40796A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176235(P2011−176235)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】