説明

電子機器の冷却装置

【課題】 電子機器内の温度と電源電圧の変動とに応じてファンを制御し、効率良く電子機器内を冷却できる冷却装置を提供する。
【解決手段】 機器内を冷却するファンと、機器の内部温度を検出し、該温度に応じて検出電圧を出力する温度検出部と、該ファンを駆動する駆動部と、該ファンの動作を制御する制御部とを備え;該制御部が、該検出電圧を基に機器内の温度を監視する温度監視手段と、機器に供給される電源電圧を監視し、該電源電圧の変動によって生じる機器内の温度変化を算出する電圧監視手段と、該温度監視手段で監視した該機器内の温度を、該温度変化に基づいて補正して補正温度を算出する補正手段と、該補正温度と第1閾値とを比較する第1比較手段とを有し;比較結果に基づいてファンの動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却用ファンを備える電子機器の冷却装置に関する。詳細には、電源電圧の変動と電子機器内の温度変化とを検知して冷却ファンを制御する電子機器の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器が備える冷却用ファンの制御は、アンプの出力や電子機器内の温度変化を検知することにより行っている。電子機器内の複数個所について温度の監視を行えば、電子機器内の温度変化に応じてファンを制御することができ、効率良く電子機器内を冷却することができるが、その分だけ温度センサー等が必要となり、コストアップ等の問題は避けられない。従って、大抵の場合、電子機器内の温度検知は、温度上昇の激しいアンプのヒートシンクのみを対象とすることが多い。しかし、電子機器の使用条件等により、電子機器内において大きく温度上昇する箇所が他にも局所的に発生する。例えば、電子機器がオーディオアンプの場合、小音量出力時には、アンプのヒートシンクの温度上昇は低いが、商用電源の電源環境が悪く電源電圧が上昇すると、レギュレータ付近の天面カバーや、電源回路の基板面の温度が高くなる場合がある。これを想定して、アンプのヒートシンクの低い温度上昇でファンを回転させることが考えられるが、ファンの動作音等の別の問題が生じる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−121891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子機器内の温度変化と電源電圧の変動とに応じてファンを制御し、効率良く電子機器内を冷却することができる電子機器の冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置は、機器内を冷却するファンと、機器の内部温度を検出し、該温度に応じて検出電圧を出力する温度検出部と、該ファンを駆動する駆動部と、該ファンの動作を制御する制御部とを備え;該制御部が、該検出電圧を基に機器内の温度を監視する温度監視手段と、機器に供給される電源電圧を監視し、該電源電圧の変動によって生じる機器内の温度変化を算出する電圧監視手段と、該温度監視手段で監視した該機器内の温度を、該温度変化に基づいて補正して補正温度を算出する補正手段と、該補正温度と第1閾値とを比較する第1比較手段とを有し;該補正温度が第1閾値未満である場合、該制御部から該駆動部へ第1制御電圧が出力され、該駆動部が第1駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第1動作モードに制御し、該補正温度が第1閾値以上である場合、該制御部から該駆動部へ第2制御電圧が出力され、該駆動部が第2駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第2動作モードに制御する。
【0006】
電源電圧を監視して電源電圧の変動によって生じる電子機器内の温度変化を算出し、温度検出回路で監視した電子機器内の温度を、電源電圧変動による温度変化に基づいて補正し、その補正した温度(補正温度)に応じてファンの動作モードを制御する。これにより、電子機器内の温度変化のみでなく、電源電圧の変動に応じてファンの動作モードを制御し、効率良くかつ簡単な回路構成で、より的確に電子機器内を冷却することができる。
【0007】
さらに好ましい実施形態においては、上記制御部が、上記第1閾値よりも小さい第2閾値と上記補正温度とを比較する第2比較手段をさらに有し;該補正温度が該第2閾値未満である場合、上記制御部から上記駆動部へ上記第1制御電圧及び第3制御電圧が出力され、該駆動部が第3駆動電圧を上記ファンへ出力して該ファンの動作モードを第3動作モードに制御し、該補正温度が該第2閾値以上かつ第1閾値未満である場合、該制御部から該駆動部へ該第1制御電圧及び第4制御電圧が出力され、該駆動部が第4駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第4動作モードに制御し、該補正温度が該第1閾値以上である場合、該制御部から該駆動部へ上記第2制御電圧及び該第4制御電圧が出力され、該駆動部が第5駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第5動作モードに制御する。
【0008】
第2比較手段をさらに有し、補正温度が第2閾値未満である場合と、第2閾値以上かつ第1閾値未満である場合と、第1閾値以上である場合とにおいて、駆動回路から出力する駆動電圧を変え、ファンの動作モードを制御する。これにより、電子機器内の温度変化と電源電圧の変動とに応じてより細かくファンの動作モードを制御することができ、より的確に電子機器内を冷却することができる。
【0009】
さらに好ましい実施形態においては、上記制御部が、上記第1閾値よりも小さい第3閾値と上記補正温度とを比較する第3比較手段をさらに有し;該補正温度が該第3閾値未満である場合、上記制御部から上記駆動部へ該第5制御電圧が出力され、該駆動部が上記ファンへ第6駆動電圧を出力して該ファンの動作モードを第6動作モードに制御し、該補正温度が該第3閾値以上かつ該第1閾値未満である場合、該制御部から該駆動部へ第6制御電圧が出力され、該駆動部が該ファンへ第7駆動電圧を出力して該ファンの動作モードを第7動作モードに制御し、該補正温度が該第1閾値以上である場合、該制御部から該駆動部へ第7制御電圧が出力され、該駆動部が該ファンへ第8駆動電圧を出力して該ファンの動作モードを第8動作モードに制御する。
【0010】
第3比較手段が補正温度と第3閾値とをさらに比較し、補正温度が第3閾値未満である場合と、第3閾値以上かつ第1閾値未満である場合と、第1閾値以上である場合とにおいて、駆動回路から出力する駆動電圧を変え、ファンの動作モードを制御する。このようにすることで、制御部がアナログ出力可能で制御電圧をリニアに調整できる場合において、電子機器内の温度変化と電源電圧の変動とに応じてより細かくファンの動作モードを制御し、効率良く電子機器内を冷却することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子機器内の温度変化のみでなく、電源電圧の変動に応じてファンを制御し、効率良く電子機器内を冷却することができる電子機器の冷却装置を簡単な回路構成によって提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を援用する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の電子機器の冷却装置1の回路構成を説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置1を示す概略回路図である。
【0014】
電子機器の冷却装置1は、トランス2と、整流平滑回路3と、温度検出回路4と、制御部(以下、マイコンという)5と、駆動回路6と、ファン7とを備える。冷却装置1は、電源電圧の変動によって生じる電子機器内の温度変化Tsを算出し、温度検出回路4で監視した電子機器内の温度Taを温度変化Tsに基づいて補正し、その補正した温度(以下、補正温度Tという)に応じてファン7を制御する。
【0015】
トランス2は、商用交流電源に接続され一次交流電圧が入力される一次巻線2Aと、一次巻線2Aとの巻数比に基づいて一次交流電圧を二次交流電圧に変換して出力する二次巻線2B、2C、2D…とを有する。二次巻線2Bから出力される二次交流電圧は、例えば電子機器の各種回路を制御するマイコン5に供給する電源電圧として用いられる。二次巻線2C、2D…から出力される二次交流電圧は、アンプ回路(図示せず)等の電源電圧として用いられる。
【0016】
整流平滑回路3は、トランス2の二次巻線2Bから二次交流電圧が供給され、二次交流電圧を整流及び平滑して、マイコン5に出力する直流の電源電圧(以下、単に電源電圧Vaという)を生成する。整流平滑回路3は、整流ダイオードD13、D14と平滑コンデンサC12とを有し、二次巻線2Bから供給される二次交流電圧を、二次巻線2Bと接続される整流ダイオードD13、D14によって全波整流電圧に整流し、コンデンサC12によって平滑して電源電圧Vaを出力する。整流ダイオードD13、D14のカソード側端子は互いに接続され、アノード側端子は二次巻線2Bに接続される。コンデンサC12は、正極側端子が整流ダイオードD13、D14のカソード側端子に接続され、負極側端子は接地される。
【0017】
抵抗R11、R12は、整流平滑回路3から出力される電源電圧Vaを電圧調整する役割を有し、抵抗R12の一端がダイオードD13、D14のカソード側に接続され、他端がマイコン5に接続される。抵抗R11は、その一端が抵抗R12とマイコン5との接続ノードに接続され、他端は接地される。また、コンデンサC11は、電源電圧Vaのノイズ成分をカットする役割を有し、一端が抵抗R12とマイコン5との接続ノードに接続され、他端側が接地される。
【0018】
温度検出回路4は、電子機器内の温度を検出し、検出した温度に応じて検出電圧Vbを後述のマイコン5に出力する。例えば、温度検出回路4は、温度検出素子であるサーミスタ(図示せず)を含み、サーミスタはアンプ回路が有する発熱素子であるトランジスタに取り付けられたヒートシンクに取り付けられる。そして、サーミスタはアンプ回路の温度を検出し、その温度を電圧として変換して出力する。本実施例では、検出する温度が高いほど検出電圧Vbは高くなる。
【0019】
マイコン5は、温度検出回路4から出力される検出電圧Vbを基に電子機器内の温度Taを監視する。また、マイコン5は、整流平滑回路3から出力される電源電圧Vaを監視し、電源電圧Vaの変動によって生じる電子機器内の温度変化Tsを算出する。そしてマイコン5は、その温度変化Tsに基づいて電子機器内の温度Taを補正することで補正温度Tを算出する。マイコン5は、その補正温度Tに応じて後述の駆動回路6へ制御電圧Vc1を出力する。
【0020】
具体的には、マイコン5は、入力ポートIN1に入力される検出電圧Vbを基に電子機器内の温度Taを算出する。また、マイコン5は、下記数1に示すように、入力ポートIN2に入力される電源電圧Vaを基に電源電圧の変動分Vsを算出する。数1において、Voは基準電源電圧であり、電源電圧の変動によって取り得る最小の電圧値である。そして、マイコン5は、下記数2に示すように、電源電圧の変動分Vsと定数Cとを基に、電源電圧の変動分Vsによって生じる電子機器内の温度変化Tsを算出する。定数Cは、温度検出回路4における温度から電圧への変換度合いに応じて適宜設定し得るものである。さらに、マイコン5は、下記数3に示すように、電子機器内の温度Taを温度変化Tsで補正して補正温度Tを算出する。
(数1)
Vs=Va−Vo
(数2)
Ts=C・Vs
(数3)
T=Ta+Ts
【0021】
次にマイコン5は、補正温度Tを所定の閾値T1と比較し、その比較結果に基づいて制御電圧Vc1を出力ポートOUT1から駆動回路6へ出力する。補正温度Tが閾値T1未満である場合、マイコン5はファン7がオフ状態となるように駆動回路6へハイレベルの制御電圧Vc1を出力する。補正温度Tが閾値T1以上である場合、マイコン5はファン7がオン状態となるように駆動回路6へローレベルの制御電圧Vc1を出力する。ここでいうマイコン5が駆動回路6へローレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、後述の駆動回路6が有するトランジスタQ1をオフ状態にさせることができる程度の電圧である制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力することをいい、制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力しない場合も含む。また、マイコン5が駆動回路6へハイレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、トランジスタQ1をオン状態にする程度の電圧である制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力することをいう。
【0022】
一般的に電子機器の電源電圧Vaは、所定の電圧を基準としてある一定の範囲の電圧が正常な電源電圧として規定される。基準となる電圧は、例えば商用交流電源が比較的安定しているときの電源電圧Vaであり、これを通常の電源電圧V100%とする。電源電圧Vaが電源電圧V100%である場合、マイコン5は電源電圧Vaの変動分Vsを上記数1によってV100%−Voと算出し、その電源電圧の変動分Vsによって生じる電子機器内の温度変化Tsを上記数2からC・(V100%−Vo)と算出する。そしてマイコン5は、上記数3によって、温度検出回路4によって検出した電子機器内の温度Taを補正して補正温度Tを算出する。また、電源電圧Vaが通常時よりも10%上昇した場合(電源電圧V110%)や電源電圧Vaが通常時よりも10%減少した場合(電源電圧V90%)なども同様に、上記数1〜3により電子機器内の温度Taを補正する。このように、電源電圧Vaの変動に応じて温度検出回路4によって検出した電子機器内の温度Taを補正し、その補正温度Tに応じてファン7の動作を制御することで、電源電圧Vaの変動によって生じる電子機器内の温度変化も考慮して電子機器をより的確に冷却することができる。
【0023】
抵抗R1、R2は、マイコン5から出力される制御電圧Vc1の電圧を調整する役割を有し、抵抗R1の一端がマイコン5の出力ポートOUT1に接続され、他端が駆動回路7に接続される。抵抗R2は、その一端がマイコン5の出力ポートOUT1と駆動回路7との接続ノードに接続され、他端は接地される。
【0024】
駆動回路6は、マイコン5から出力される制御電圧Vc1に応じてファン7を駆動させる駆動電圧Vfを出力する。具体的には、駆動回路6は、マイコン5からハイレベルの制御電圧Vc1が入力された場合、ファン7へローレベルの駆動電圧Vfを出力し、ファン7をオフ状態にする。また、駆動回路6は、マイコン5からローレベルの制御電圧Vc1が入力された場合、ファン7へハイレベルの駆動電圧Vfを出力し、ファン7をオン状態とする。
【0025】
駆動回路6は、トランジスタQ1、Q21を有する。トランジスタQ21のベース端子は、抵抗R22、R3を介して電源電圧Ve(例えば、+12V)の電源ラインと接続され、また、一端が接地されたコンデンサC22と接続される。このコンデンサC22に生じる電圧が、トランジスタQ21のベース電圧となる。トランジスタQ21のコレクタ端子もまた電源電圧Veの電源ラインと接続される。トランジスタQ21のエミッタ端子はファン7と接続される。トランジスタQ1のベース端子はマイコン5と接続され、制御電圧Vc1が入力される。トランジスタQ1のコレクタ端子は、抵抗R22と抵抗R3との接続ノードに接続され、エミッタ端子は接地される。トランジスタQ1のベース電圧がローレベルでトランジスタQ1がオフ状態である場合、電源電圧Veの電源によって生じるコンデンサC22の電圧が所定の電圧以上(ハイレベル)となり、トランジスタQ21がオン状態となる。その結果、駆動回路7はトランジスタQ21からファン7へハイレベルの駆動電圧Vfを出力する。トランジスタQ1のベース電圧がハイレベルでトランジスタQ1がオン状態である場合、コンデンサC22の電圧は所定の電圧未満(ローレベル)になり、トランジスタQ21はオフ状態となる。その結果、駆動回路7はトランジスタQ21からファン7へローレベルの駆動電圧Vfを出力する。ここで駆動回路6がファン7へローレベルの駆動電圧Vfを出力するとは、駆動回路6がファン7をオフ状態にさせることができる程度の電圧である駆動電圧Vfを出力することをいい、駆動回路6がファン7へ駆動電圧Vfを出力しない場合も含む。また、駆動回路6がファン7へハイレベルの駆動電圧Vfを出力するとは、駆動回路6がファン7をオン状態にする程度の電圧である駆動電圧Vfを出力することをいう。
【0026】
抵抗R22、R3は、トランジスタQ1がオン状態のときに、トランジスタQ1に大電流が流れないようにする役割を有し、抵抗R3の一端が電源電圧Veの電源ラインに接続され、他端がトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。抵抗R22は、一端が抵抗R3とトランジスタQ1のコレクタとの接続ノードに接続され、他端がトランジスタQ21のベース端子に接続される。また、コンデンサC21は、駆動電圧Vfのノイズ成分をカットする機能を有し、その正極端がトランジスタQ21のエミッタ端子に接続され、他端が接地される。なお、コンデンサC22は、トランジスタQ21のベース電圧を安定させる機能を有する。
【0027】
ファン7は、電子機器内の所定の位置に取り付けられ、発熱部品の冷却や、電子機器内全体の温度を下げるための冷却ファンである。ファン7は、駆動回路6から出力される駆動電圧Vfに応じて回転数が変化し、高い駆動電圧ほど回転速度が速くなる。本実施例の場合、ローレベルの駆動電圧Vfが入力されると、ファン7はオフ状態となり動作を停止し、駆動回路6からハイレベルの駆動電圧Vfが入力されると、ファン7はオン状態となり所定の回転速度で回転する。
【0028】
次に、以上の構成から成る電子機器の冷却装置1の動作について図2及び図3を参照して説明する。図2は、マイコン5の動作を示すフロー図である。図3は、冷却装置の動作1を示す図であり、電源電圧Vaと補正温度Tとの関係を示すグラフである。
【0029】
まず、マイコン5は入力ポートIN2に入力される電源電圧Vaを監視する(S1)。次に、マイコン5は入力ポートIN1に入力される検出電圧Vbを基に電子機器内の温度Taを監視する(S2)。そしてマイコン5は、上記数1〜3に示すように、ステップ2で監視した温度Taを電源電圧Vaの変動によって生じる電子機器内の温度変化Tsで補正して補正温度Tを算出する(S3)。
【0030】
次に、ステップS3で算出した補正温度Tと閾値T1とを比較する(S4)。補正温度Tが閾値T1未満である場合、マイコン5はファン7がオフ状態となるように、出力ポートOUT1からハイレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力する(S5)。その結果、駆動回路6は、ローレベルの駆動電圧Vfを出力し、ファン7がオフ状態となり動作を停止する。ここで、補正温度Tが閾値T1未満である場合とは、例えば図3で示すように、電子機器内の温度Taが閾値T1より充分小さく、電源電圧Vaが正常なとき(図3中、電源電圧V100%)などである。
【0031】
補正温度Tが閾値T1以上である場合、マイコン5はファン7がオン状態となるように、出力ポートOUT1からローレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力する(S6)。その結果、駆動回路6は、ハイレベルの駆動電圧Vfを出力し、ファン7はオン状態となり所定の回転速度で回転する。ここで、補正温度Tが閾値T1以上である場合とは、例えば図3で示すように、電子機器内の温度Taは閾値T1より小さいが、電源電圧Vaが正常時よりも10%上昇したとき(図3中、電源電圧V110%)などである。
【0032】
次に、本発明の別の好ましい実施形態である電子機器内の冷却装置10について図4を参照して説明する。図4は、本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置10を示す概略回路図である。前述の冷却装置1との違いは、冷却装置1は、マイコン5が補正温度Tと閾値T1とを比較し、その比較結果に応じてファン7のオンオフ状態を制御するのに対し、冷却装置10では、マイコン5が補正温度Tを閾値T2とさらに比較し、比較結果に応じてファン7を3つの動作モードで制御する。ここでいう3つの動作モードとは、ファン7の回転速度が低速のローモード、回転速度が高速のハイモード、ローモードよりも速く、ハイモードよりも遅い回転速度のミドルモードである。
【0033】
図4を参照して、本発明の電子機器の冷却装置10の回路構成を説明する。図4は、本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置10を示す概略回路図である。冷却装置1と違う点のみを説明すると、マイコン5は駆動回路6へ制御電圧Vc1を出力するための出力ポートOUT1と制御電圧Vc2を出力する出力ポートOUT2を有している。マイコン5は、補正温度Tが閾値T2未満である場合、出力ポートOUT1からハイレベルの駆動電圧Vc1を出力し、出力ポートOUT2からハイレベルの駆動電圧Vc2を出力する。補正温度Tが閾値T2以上閾値T1未満である場合、マイコン5は出力ポートOUT1からハイレベルの制御電圧Vc1を出力し、出力ポートOUT2からローレベルの制御電圧Vc2を出力する。補正温度Tが閾値T1以上である場合には、マイコン5は出力ポートOUT1からローレベルの制御電圧Vc1を出力し、出力ポートOUT2からもローレベルの制御電圧Vc2を出力する。ここで、マイコン5が駆動回路6へローレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、駆動回路6が有するトランジスタQ1をオフ状態にさせることができる程度の電圧である制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力することをいい、マイコン5が制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力しない場合も含む。また、マイコン5が駆動回路6へハイレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、トランジスタQ1をオン状態にする程度の電圧である制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力することをいう。同様に、マイコン5が駆動回路6へローレベルの制御電圧Vc2を出力するとは、駆動回路6が有するトランジスタQ21(詳細は後述)をオフ状態にさせることができる程度の電圧である制御電圧Vc2を駆動回路6へ出力することをいい、マイコン5が制御電圧Vc2を駆動回路6へ出力しない場合も含む。また、マイコン5が駆動回路6へハイレベルの制御電圧Vc2を出力するとは、トランジスタQ21をオン状態にする程度の電圧である制御電圧Vc2を駆動回路6へ出力することをいう。
【0034】
抵抗R31、R32は、マイコン5の出力ポートOUT2から出力される制御電圧Vc2の電圧を調整する役割を有し、抵抗R31の一端がマイコン5の出力ポートOUT2に接続され、他端が駆動回路7に接続される。抵抗R32は、その一端がマイコン5の出力ポートOUT2と駆動回路7との接続ノードに接続され、他端は接地される。
【0035】
駆動回路6は、トランジスタQ1、Q21に加えさらにトランジスタQ31を有する。トランジスタQ31のベース端子は、マイコン5の出力ポートOUT2と接続され、制御電圧Vc2が入力される。トランジスタQ31のコレクタ端子は、ツェナーダイオードD31を介してトランジスタQ21のベース端子と接続されている。また、トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ21のベース端子との間にツェナーダイオードD1が接続されている。ここで、本実施例において、ツェナーダイオードD1のツェナー電圧Vz1は、ツェナーダイオードD31のツェナー電圧Vz2よりも大きく、電源電圧Veよりも小さいものとする(Vz2<Vz1<Ve)。
【0036】
トランジスタQ1、Q31が共にオン状態になると、トランジスタQ21は、ツェナーダイオードD31に発生するツェナー電圧Vz2(<Vz1)によってオン状態となる。トランジスタQ1がオン状態で、トランジスタQ31がオフ状態のとき、トランジスタQ21は、ツェナーダイオードD1に発生するツェナー電圧Vz1によってオン状態となる。トランジスタQ1、Q31が共にオフ状態である場合は、トランジスタQ21は、電源ラインから供給される電源電圧Veによってオン状態となる。このように、トランジスタQ1、Q31のオンオフ状態によって、トランジスタQ21のベース端子にかかる電圧が異なることにより、トランジスタQ21からの出力電圧も異なる。つまり、トランジスタQ1、Q31が共にオン状態のときにトランジスタQ21が出力する駆動電圧Vf1と、トランジスタQ1がオン状態でトランジスタQ31がオフ状態のときにトランジスタQ21が出力する駆動電圧Vf2と、トランジスタQ1、Q31が共にオフ状態のときにトランジスタQ21が出力する駆動電圧Vf3との関係は、トランジスタQ21のベース電圧の基となるツェナー電圧Vz1、Vz2及び電源電圧Veの関係がVz2<Vz1<Veであるので、Vf1<Vf2<Vf3となる。
【0037】
次に、以上の構成から成る電子機器の冷却装置10の動作について図5〜図7を参照して説明する。図5は、マイコン5の動作を示すフロー図である。図6及び図7は、冷却装置10の動作を示す図であり、電源電圧Vaと補正温度Tとの関係を示すグラフである。マイコン5は、補正温度Tが閾値T2未満であればファン7をローモードで駆動し、補正温度Tが閾値T2以上かつ閾値T1未満であればファン7をミドルモードで駆動し、補正温度Tが閾値T1以上であればファン7をハイモードで駆動する。以下、具体的に説明する。
【0038】
まず、マイコン5は入力ポートIN2に入力される電源電圧Vaを監視する(S1)。次に、マイコン5は入力ポートIN1に入力される検出電圧Vbを基に電子機器内の温度Taを監視する(S2)。そしてマイコン5は、上記数1〜3に示すように、ステップ2で監視した温度Taを電源電圧Vaの変動によって生じる電子機器内の温度変化Tsで補正して補正温度Tを算出する(S3)。
【0039】
次に、ステップS3で算出した補正温度Tと閾値T2とを比較する(S4)。補正温度Tが閾値T2未満である場合、マイコン5はファン7の動作モードがローモードとなるように、出力ポートOUT1からハイレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6のトランジスタQ1へ出力し、出力ポートOUT2からハイレベルの制御電圧Vc2を駆動回路6のトランジスタQ31へする(S5)。これにより、駆動回路6のトランジスタQ1、Q31がオン状態となるので、トランジスタQ21は、ツェナーダイオードD31に発生するツェナー電圧Vz2によってオン状態となる。その結果、駆動回路6はトランジスタQ21からローレベルの駆動電圧Vf1を出力して、ファン7をローモードで動作させる。ここで、補正温度Tが閾値T2未満である場合とは、例えば図6で示すように、電子機器内の温度Taが閾値T2より充分小さく、電源電圧Vaが正常なとき(図中、電源電圧V100%)などである。
【0040】
補正温度Tが閾値T2以上である場合、マイコン5は補正温度Tと閾値T1とを比較する(S6)。補正温度Tが閾値T1未満である場合、マイコン5はファン7の動作モードがミドルモードとなるように、出力ポートOUT1からハイレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6のトランジスタQ1へ出力し、出力ポートOUT2からローレベルの制御電圧Vc2を駆動回路6のトランジスタQ31へする(S7)。これにより、駆動回路6のトランジスタQ1がオン状態、トランジスタQ31がオフ状態となるので、トランジスタQ21は、ツェナーダイオードD1に発生するツェナー電圧Vz1によってオン状態となる。その結果、駆動回路6はトランジスタQ21からミドルレベルの駆動電圧Vf2を出力して、ファン7をミドルモードで動作させる。ここで、補正温度Tが閾値T2以上閾値T1未満である場合とは、例えば図6で示すように、電子機器内の温度Taは閾値T2より小さいが、電源電圧Vaが正常時よりも10%上昇したとき(図6中、電源電圧V110%)や、図7に示すように、電子機器内の温度Taが閾値T2以上閾値T1未満で、電源電圧Vaが正常なとき(図7中、電源電圧V100%)などである。
【0041】
ステップS6で、補正温度Tが閾値T1以上である場合、マイコン5はファン7の動作モードがハイモードとなるように、出力ポートOUT1からローレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6のトランジスタQ1へ出力し、出力ポートOUT2からローレベルの制御電圧Vc2を駆動回路6のトランジスタQ31へする(S8)。その結果、駆動回路6はハイレベルの駆動電圧Vf3を出力し、ファン7の動作モードがハイモードとなる。これにより、駆動回路6のトランジスタQ1、Q31がオフ状態となるので、トランジスタQ21は、電源ラインから供給される電源電圧Veによってオン状態となる。その結果、駆動回路6はトランジスタQ21からハイレベルの駆動電圧Vf3を出力して、ファン7をハイモードで動作させる。ここで、補正温度Tが閾値T1以上である場合とは、例えば図7で示すように、電子機器内の温度Taが閾値T2以上閾値T1未満であるが、電源電圧Vaが正常時よりも10%上昇したとき(図7中、電源電圧V110%)などである。
【0042】
なお、駆動回路6がファン7へローレベルの駆動電圧Vf1を出力するとは、ファン7の動作モードをローモードに制御することができる程度の電圧である駆動電圧Vf1をファン7へ出力することをいう。駆動回路6がファン7へミドルレベルの駆動電圧Vf2を出力するとは、ファン7の動作モードをミドルモードに制御することができる程度の電圧である駆動電圧Vf2をファン7へ出力することをいう。駆動回路6がファン7へハイレベルの駆動電圧Vf3を出力するとは、ファン7の動作モードをハイモードに制御することができる程度の電圧である駆動電圧Vf3をファン7へ出力することをいう。
【0043】
次に、本発明の別の好ましい実施形態である電子機器内の冷却装置20について図8を参照して説明する。図8は、本発明の別の好ましい実施形態である電子機器内の冷却装置20の概略回路図である。上記冷却装置1ではマイコン5の出力ポートOUT1からハイレベルとローレベルの2値の制御電圧Vcを出力させ、上記冷却装置10ではマイコンの出力ポートOUT1、OUT2からハイレベルとローレベルの2値の制御電圧Vc1、Vc2を出力させるようにしたが、冷却装置20のマイコン5が出力ポートOUT1からアナログ出力可能であれば、制御電圧Vcをリニアに調整できる。冷却装置10のように2つの閾値T1、T2を設定して補正温度Tと比較し、その比較結果に基づいて出力ポートOUT1から任意のレベルの制御電圧Vcを出力させれば、1つの出力ポートのみの使用で、ファン7を複数の動作モードで制御することができる。本実施例において複数の動作モードは、ファン7の回転速度が低速のローモード、回転速度が高速のハイモード、ローモードよりも速く、ハイモードよりも遅い回転速度のミドルモードである。
【0044】
駆動回路6は、増幅器8を有し、マイコン5から出力された制御電圧Vcを所定の増幅度で増幅し、駆動電圧Vfとしてファン7へ出力する。増幅器8は、その非反転入力端子がマイコン5の出力ポートOUT1と接続され、制御電圧Vc1が入力される。増幅器8の反転入力端子は抵抗R41を介して接地される。増幅器8の出力端子はファン7と接続され、駆動電圧Vfが出力される。また、増幅器8の出力端子は抵抗42を介して反転入力端子と接続される。
【0045】
次に、冷却装置20のマイコン5の動作について、図5を参照し、冷却装置10と異なる動作について説明する。マイコン5は、ステップS1〜S3により、補正温度Tを算出する。次に、ステップS3で算出した補正温度Tと閾値T2とを比較する(S4)。補正温度Tが閾値T2未満である場合、マイコン5はファン7の動作モードがローモードとなるように、出力ポートOUT1からローレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力する(S5)。これにより、駆動回路6がファン7へローレベルの駆動電圧Vf1を出力する。ローレベルの駆動電圧Vf1が入力されたファン7はローモードとなり動作を停止する。
【0046】
補正温度Tが閾値T2以上である場合、マイコン5は補正温度Tと閾値T1とを比較する(S6)。補正温度Tが閾値T1未満である場合、マイコン5はファン7の動作モードがミドルモードとなるように、出力ポートOUT1からミドルレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力する(S7)。これにより、駆動回路6がファン7へミドルレベルの駆動電圧Vf2を出力する。ミドルレベルの駆動電圧Vf2が入力されたファン7の動作モードはミドルモードとなる。
【0047】
ステップS6で、補正温度Tが閾値T1以上である場合、マイコン5はファン7の動作モードがハイモードとなるように、出力ポートOUT1からハイレベルの制御電圧Vc1を駆動回路6へ出力する(S8)。これにより、駆動回路6がファン7へハイレベルの駆動電圧Vf3を出力する。ハイレベルの駆動電圧Vf3が入力されたファン7の動作モードはハイモードとなる。
【0048】
なお、マイコン5が駆動回路6へローレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、マイコン5がファン7の動作モードをローモードに制御することができる程度の電圧である制御電圧Vc1を出力することをいい、マイコン5が駆動回路6へ制御電圧Vc1を出力しない場合も含む。マイコン5が駆動回路6へ制御電圧Vc1を出力しない場合は、ファン7の動作はオフ状態となり、ファン7は動作を停止する。マイコン5が駆動回路6へミドルレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、マイコン5がファン7の動作モードをミドルモードに制御することができる程度の電圧である制御電圧Vc1を出力することをいう。マイコン5が駆動回路6へハイレベルの制御電圧Vc1を出力するとは、マイコン5がファン7の動作モードをハイモードに制御することができる程度の電圧である制御電圧Vc1を出力することをいう。
【0049】
また、駆動回路6がファン7へローレベルの駆動電圧Vfを出力するとは、ファン7の動作モードをローモードに制御することができる程度の電圧である駆動電圧Vfをファン7へ出力することをいい、駆動回路6がファン7へ駆動電圧Vfを出力しない場合も含む。駆動回路6がファン7へ駆動電圧Vfを出力しないときは、マイコン5が駆動回路6へ制御電圧Vc1を出力しないときであって、ファン7の動作はオフ状態となる。駆動回路6がファン7へミドルレベルの駆動電圧Vfを出力するとは、ファン7の動作モードをミドルモードに制御することができる程度の電圧である駆動電圧Vfをファン7へ出力することをいう。駆動回路6がファン7へハイレベルの駆動電圧Vfを出力するとは、ファン7の動作モードをハイモードに制御することができる程度の電圧である駆動電圧Vfをファン7へ出力することをいう。
【0050】
以上、本発明に係る電子機器の冷却装置は、マイコン5が温度検出回路4から出力される検出電圧Vbを基に電子機器内の温度Taを監視する。また、マイコン5は、電源電圧Vaを基に電源電圧Vaの変動Vsを算出し、変動Vsによって生じる電子機器内の温度変化Tsを算出し、その温度変化Tsに基づいて電子機器内の温度Taを補正して補正温度Tを算出する。マイコン5は、得られた補正温度Tを1又は複数の閾値とを比較し、その比較結果に応じてファン7の動作モードを制御する。これにより、電子機器内の温度変化のみでなく、電源電圧の変動に応じてファンを制御し、効率良く電子機器内を冷却することができる電子機器の冷却装置を簡単な回路構成によって実現することができる。
【0051】
また、本発明に係る電子機器の冷却装置1において、補正温度Tが閾値T1未満である場合と、補正温度Tが閾値T1以上である場合とで、ファン7のオンオフ状態を制御するようにしたが、冷却装置10のようにトランジスタQ1のコレクタ端子にツェナーダイオードを接続すれば、補正温度Tが閾値T1未満である場合と、補正温度Tが閾値T1以上である場合とで、ファン7を停止させずに回転速度を制御することもできる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の電子機器の冷却装置は、あらゆる用途の電子機器に用いられ得るが、音響機器などに好適に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置を説明する回路図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置の動作を示すフロー図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置の動作を示す図である。
【図4】本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置を説明する回路図である。
【図5】本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置の動作を示すフロー図である。
【図6】本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置の動作を示す図である。
【図7】本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置の動作を示す図である。
【図8】本発明の別の好ましい実施形態による電子機器の冷却装置を説明する回路図である。
【符号の説明】
【0055】
1、10 冷却装置
2 トランス
2A 一次巻線
2B、2C、2D 二次巻線
3 整流平滑回路
4 温度検出回路
5 マイコン
6 駆動回路
7 ファン
8 増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器内を冷却するファンと、
機器の内部温度を検出し、該温度に応じて検出電圧を出力する温度検出部と、
該ファンを駆動する駆動部と、
該ファンの動作を制御する制御部とを備え;
該制御部が、
該検出電圧を基に機器内の温度を監視する温度監視手段と、
機器に供給される電源電圧を監視し、該電源電圧の変動によって生じる機器内の温度変化を算出する電圧監視手段と、
該温度監視手段で監視した該機器内の温度を、該温度変化に基づいて補正して補正温度を算出する補正手段と、
該補正温度と第1閾値とを比較する第1比較手段とを有し;
該補正温度が第1閾値未満である場合、該制御部から該駆動部へ第1制御電圧が出力され、該駆動部が第1駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第1動作モードに制御し、
該補正温度が第1閾値以上である場合、該制御部から該駆動部へ第2制御電圧が出力され、該駆動部が第2駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第2動作モードに制御する、電子機器の冷却装置。
【請求項2】
前記制御部が、前記第1閾値よりも小さい第2閾値と前記補正温度とを比較する第2比較手段をさらに有し;
該補正温度が該第2閾値未満である場合、前記制御部から前記駆動部へ前記第1制御電圧及び第3制御電圧が出力され、該駆動部が第3駆動電圧を前記ファンへ出力して該ファンの動作モードを第3動作モードに制御し、
該補正温度が該第2閾値以上かつ第1閾値未満である場合、該制御部から該駆動部へ該第1制御電圧及び第4制御電圧が出力され、該駆動部が第4駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第4動作モードに制御し、
該補正温度が該第1閾値以上である場合、該制御部から該駆動部へ前記第2制御電圧及び該第4制御電圧が出力され、該駆動部が第5駆動電圧を該ファンへ出力して該ファンの動作モードを第5動作モードに制御する、請求項1に記載の電子機器の冷却装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記第1閾値よりも小さい第3閾値と前記補正温度とを比較する第3比較手段をさらに有し;
該補正温度が該第3閾値未満である場合、前記制御部から前記駆動部へ該第5制御電圧が出力され、該駆動部が前記ファンへ第6駆動電圧を出力して該ファンの動作モードを第6動作モードに制御し、
該補正温度が該第3閾値以上かつ該第1閾値未満である場合、該制御部から該駆動部へ第6制御電圧が出力され、該駆動部が該ファンへ第7駆動電圧を出力して該ファンの動作モードを第7動作モードに制御し、
該補正温度が該第1閾値以上である場合、該制御部から該駆動部へ第7制御電圧が出力され、該駆動部が該ファンへ第8駆動電圧を出力して該ファンの動作モードを第8動作モードに制御する、請求項1に記載の電子機器の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−34377(P2010−34377A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196048(P2008−196048)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】