説明

電子機器の構造

【課題】コストアップの問題を生ずることなく、作業性に優れ、組み付け順序を選択する自由度を高める。
【解決手段】機器ケーシング2は、下面板2A(アッセンブリ部品)が取り外し可能に取り付けられる。この取り付けは、接栓4A〜4Eの、外部に突出するネジ部4b,4b’を利用してなされる。下面板2Aに形成される小径の貫通穴2Aaに、入力部ユニット3Aから突出する入力用接栓4A〜4Cのネジ部4bが挿通され、ナット部5aとスリーブ部5bとを有するスリーブ付きナット5にて固定される。また、下面板2Aに形成される大径の貫通穴2Abに、機器ユニット3B,3Cから突出する接栓4D,4Eのネジ部4b’がそれぞれ挿通され、ナット6にて固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器ケーシングの内部に、接栓の固定ナット部および固定ネジ部が外部に突出する機器ユニットを有する場合、前記接栓の、前記機器ユニットへの取付けを利用して、前記機器ユニットの外側に配置されるアッセンブリ部品を取り付けることが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。つまり、機器ユニットに接栓を取り付ける際に、機器ユニットの外側に位置することになるアッセンブリ部品(例えば意匠プレート板)も、一緒に取付固定するようにしている。
【0003】
具体的には、例えば図6(a)(b)に示すように構成されたものが一般に知られている。すなわち、接栓101は、筒状で、ナット部101a(固定ナット部)の一方の側に第1のネジ部101bを、他方の側に円筒部101c(自己融着テープ(接栓防水用テープ)を巻き付ける部分)及び第2のネジ部101d(固定ネジ部)をそれぞれ有する。この第1のネジ部101bが、機器ユニット102のケーシング103を構成する面板部103Aの貫通穴103aと、機器ユニット102に取り付けられるアッセンブリ部品104の貫通穴104aとを通じてケーシング103内に挿入される。そして、ケーシング103内部で第1のネジ部101bに平ワッシャ105及び六角ナット106を適用し、接栓101と共にアッセンブリ部品104を機器ユニット102に取り付けるようにしている。そして、この接栓101及びアッセンブリ部品104の取り付け後に、ケーシング103内部で内装品である例えば回路基板107の所定の箇所に、接栓101側の端子101eを半田付けするようになっている(半田付け部分については、図6(b)のBの部分参照)。このような機器ユニットを、前述したように機器ケーシング内に収納する構成とするのは、例えば防水性、耐熱性などの耐環境性を確保するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−75698号公報
【特許文献2】特開昭63−306772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の構造では、アッセンブリ部品104を取り付けた状態で、ケーシング103内において半田付けなどの各種作業をする必要があるので、作業性が劣る、特に、アッセンブリ部品104が大きい場合には、作業性をできるだけ損なわないことが望まれるので、組み付け順序を選択する自由度が低くなる。
【0006】
また、図6(b)に示すように、接栓101やアッセンブリ部品104の組み付け完了状態では、接栓101がケーシング103外部に突出しているので、そのような接栓101が突出している側を下にして平坦面上に置くことが困難であり、ケーシング103内部での半田付けやネジ止めなどの作業を円滑に行うことの妨げになる。また、アッセンブリ部品104を最初に取り付けているので、その後の、ケーシング103内部についての各種作業時において、誤ってアッセンブリ部品104を破損あるいは損傷してしまうおそれもある。
【0007】
そこで、アッセンブリ部品を最後に取り付ける構造にすればよいと考えられるが、接栓には、自己融着テープの巻きしろが設けられているために、組み付け順序の自由度には制限がある。
【0008】
そこで、発明者は、接栓を用いてアッセンブリ部品を取り付けるのではなく、接栓だけを、アッセンブリ部品とは切り離して取り付け、それから、接栓のネジ部を利用してアセンブリ品を取り付けるようにすれば、組み付け作業性を損なうこともなく、また、組み付け順序を選択する自由度も増すことを知見し、例えば図7(a)(b)に示すように構成すればよいと考えた。つまり、接栓201は、ナット部201aの一方の側に第1のネジ部201bを、他方の側に第2のネジ部201c、円筒部201d(自己融着テープを巻き付ける部分)及び第3のネジ部201e(固定ネジ部)をそれぞれ有することになる。この第1のネジ部201bが、ケーシング103の貫通穴103aに挿入され、ケーシング103内部で第1のネジ部201bに平ワッシャ105及び六角ナット106を適用し、ケーシング103に取り付ける。この状態で、つまりアッセンブリ部品104’を取り付ける前に、ケーシング103内部で回路基板107の所定の箇所に、接栓201側の端子201fを半田付けすることができる(半田付け部分については、図7(b)のCの部分参照)。それから、アッセンブリ部品104’の貫通穴104bを第2のネジ部201cに対し挿通し、ナット部材202を用いてアッセンブリ部品104’を取り付ければよいので、この図7(a)(b)に示す試作例は、作業性の向上や組み付け順序の自由度増加の点で、図6(a)(b)に示す従来例よりも優れる。
【0009】
しかしながら、図7(a)(b)に示す試作例の構造では、接栓201に、固定ネジ部として機能する第3のネジ部201eに加えて、アッセンブリ部品104’を取り付けるための第2のネジ部201cが必要となり、コストアップの原因となる。また、第2のネジ部201cと第3のネジ部201eとの関係で、第2のネジ部201cの径を第3のネジ部201eの径よりも大きくする必要があるので、接栓201自体が大型化し、この点からも、コストアップの傾向となる。
【0010】
そこで、発明者は、さらに構造を改良して、自己粘着テープを巻き付ける部分となる円筒部を、接栓側ではなく、ナット部材側に設けるようにすれば、接栓に設けるネジ部を増加させる必要がなくなり、コストアップの問題を解消できることに着想し、本発明をなしたものである。
【0011】
本発明は、コストアップの問題を生ずることなく、作業性に優れ、組み付け順序を選択する自由度を高めた電子機器の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、機器ケーシングの内部に、接栓の固定ナット部および固定ネジ部が外部に突出する機器ユニットを有し、前記接栓の固定ネジ部を利用して、前記機器ユニットの外側に配置されるアッセンブリ部品の取付部が前記機器ユニットの面板部に対し取り付けられている電子機器の構造であって、前記取付部は、前記固定ネジ部が貫通する貫通穴を有するものであり、前記固定ネジ部は、前記取付部の貫通穴を貫通した状態で、取付ナット部材が螺合されることで前記面板部に対し前記アッセンブリ部品が取付固定され、前記取付ナット部材は、前記固定ナット部との間に前記取付部を挟持する取付ナット部と、自己融着テープを巻き付け可能であるスリーブ部とを有することを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、機器ユニットのケーシング内での作業を行う前に、アッセンブリ部品を組み付ける必要がなくなり、機器ユニットのケーシング内での作業を、アッセンブリ部品とは関係なく、行うことができる。よって、機器ユニットのケーシング内部への基板の取り付け、半田付け、内部機構部品の取り付けなどの作業性を改善することができる。
【0014】
特に、アッセンブリ部品を最後に取り付ければよい構造としているので、アッセンブリ部品が組立作業時において破損したり損傷したりして、外観が損なわれるリスクを低減させることができる。
【0015】
この場合、請求項2に記載のように、前記アッセンブリ部品は、前記機器ケーシングの1つの面を構成する板状部材とすることができる。
【0016】
このようにすれば、機器ケーシング内の作業を、1つの面を構成する板状部材がない状態で行うことができ、作業性の向上を図る上で有利となる。
【0017】
請求項3に記載のように、前記機器ユニットは、ネジのみで前記機器ケーシングに固定されている構成とすることが望ましい。
【0018】
このようにすれば、アッセンブリ部品を取り外した後、ネジを取り外すことで、機器ユニットを機器ケーシング内から取り出すことができるので、故障などの際における機器ユニットの交換を簡単に行うことができる。しかも、アッセンブリ部品をナット部材を用いて取り付けることで再利用することもできる。
【0019】
請求項4に記載のように、前記取付ナット部材は、前記接栓の固定ネジ部との間にシール剤が充填されていることが望ましい。
【0020】
このようにすれば、接栓の接続部分についてのシール性が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記のように構成したから、機器ユニットのケーシング内での作業を行う前に、アッセンブリ部品を組み付ける必要がなくなり、機器ユニットのケーシング内での作業を、アッセンブリ部品とは関係なく、行うことができる。よって、機器ユニットのケーシング内部への基板の取り付け、半田付け、内部機構部品の取り付けなどの作業性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る電子機器の構造が適用される電子機器(地上デジタル放送用ヘッドアンプ)の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る電子機器の構造についての一実施の形態についての、内部機構を省略した断面図である。
【図3】下面板(アッセンブリ部品)を取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図4】接栓の取り付け部分の断面図である。
【図5】(a)(b)はそれぞれ接栓及び下面板の取り付け手順の説明図である。
【図6】(a)(b)はそれぞれ従来例についての接栓及び下面板の取り付け手順の説明図である。
【図7】(a)(b)はそれぞれ比較例についての接栓及び下面板の取り付け手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。なお、この実施の形態においては、電子機器は、共同受信施設の受信点において、地上デジタル放送の各チャンネル信号の信号レベルを最適な信号レベルに揃えて伝送する地上デジタル放送用ヘッドアンプであるが、本発明は、それに限定されず、機器ケーシングの内部に、接栓の固定ナット部および固定ネジ部が外部に突出する機器ユニットを有し、前記接栓の固定ネジ部を利用して、前記機器ユニットの外側に配置されるアッセンブリ部品の取付部が前記機器ユニットの面板部に対し取り付けられている電子機器であれば、同様に適用することができる。また、以下の説明では、図1及び図2の電子機器1において、ヘッドアンプ用電源ユニット3Dが設けられている側を上側とし、機器ケーシングの2のケーシング開口がある側を前側とする。
【0024】
図1〜図3に示すように、電子機器1(地上デジタル放送用ヘッドアンプ)は、複数の機器ユニットとして、機器ケーシング2内の下部左側に入力部ユニット3Aが、下部右側に出力部ユニット3Bが、側部右側にトランスユニット3Cが、上部にヘッドアンプ用電源ユニット3Dがそれぞれ配置され、入力部ユニット3Aとヘッドアンプ用電源ユニット3Dとの間であって左側に複数のコンバータユニット3Eが、右側に1つの出力アンプユニット3Fが並んで設けられている。この機器ケーシング2のケーシング開口は、扉17にて開閉される。なお、11は遮熱板、12はマスト取付金具、13は扉開閉金具、14は電源確認ランプ、15は本体給電用接栓(AC100V)である。各ユニット3A〜3Dは機器ケーシング2に取り外し可能になるように取付ネジ16のみにてネジ止めされている。
【0025】
この機器ケーシング2においては、下面(底面)を構成する下面板2A(アッセンブリ部品)が取り外し可能に取り付けられている。この下面板2Aの取り付けは、入力用接栓4A〜4C(例えば広域局入力用のライン入力用接栓4A、県域局入力用のヘッド1入力用接栓4B及びヘッド2入力用接栓4C)および、出力用接栓4D、本体給電用接栓(AC30/60V)4Eを利用してなされる。つまり、入力用接栓4A〜4C、出力用接栓4D,給電用接栓4Eの、ユニット外部に突出するネジ部4b,4b’(固定ネジ部)を利用してなされる。ここで、入力用接栓4A〜4Cは、入力用接栓4Aについて図4及び図5に示すように、ナット部4a(固定ナット部)と、このナット部4aを挟んで、ケーシング3AA外部にナット部4aと共に配置されるネジ部4b(固定ネジ部)と、ケーシング3AA内部に配置されるネジ部4cとを有する。なお、出力用接栓4D、給電用接栓4Eも、入力用接栓4A〜4Cと同様な構造である。
【0026】
具体的には、下面板2Aに形成される小径の貫通穴2Aaに、入力部ユニット3Aから突出する入力用接栓4A〜4Cのネジ部4b(固定ネジ部)が挿通され、ナット部5aとスリーブ部5bとを有するスリーブ付きナット5にて固定されている。また、下面板2Aに形成される大径の貫通穴2Abに、出力部ユニット3Bから突出する出力用接栓4Dのネジ部4b’およびトランスユニット3Cから突出する給電用接栓4Eのネジ部4b’がそれぞれ挿通され、ナット6にて固定される。
【0027】
例えば入力用接栓4Aについて具体的に説明すれば、ネジ部4bには、図4に示すように、同軸ケーブル8が防水接栓9を介して接続され、スリーブ付きナット5のスリーブ部5bから防水接栓9に亘って、それらの外周部に自己融着テープ10が巻き付けられ、さらにその上にビニールテープが巻き付けられ、従来と同様の防水処理が施される。
【0028】
そして、電子機器1(地上デジタル放送用ヘッドアンプ)においては、入力用接栓4A〜4Cからの入力信号は入力部ユニット3Aにて調整され、コンバータユニット3Eにて地上デジタル放送信号が任意のUHF帯域またはMID帯域に変換され、出力アンプユニット3Fにて各コンバータユニット3Eからの信号を混合し、出力部ユニット3Bにて出力信号レベルが確認され、出力用接栓4Dから出力される。このとき、ヘッドアンプ用電源ユニット3Dにてコンバータユニット3Eや出力アンプユニット3Fに電源が送出され、トランスユニット3Cにて受電状況にあった電源電圧に設定される。
【0029】
続いて、入力部ユニット3A、出力部ユニット3B及びトランスユニット3Cについての入力用接栓4A〜4Eを用いた、下面板2A(アッセンブリ部品)の、それぞれのユニット3A〜3Cへの取り付け手順について説明する。
【0030】
例えば入力用接栓4Aについて図5(a)(b)を参照して説明すれば、まず、入力用接栓4Aが入力部ユニット3Aのケーシング3AAを構成する面板部3ABに取り付けられる。入力用接栓4Aのネジ部4cを、ケーシング3AAの貫通穴3Aaに挿入し、ケーシング3AA内部でネジ部4cに平ワッシャ21及び六角ナット22を適用してケーシング3AAと一体になるように取り付ける。
【0031】
この状態で、つまり下面板2Aを入力部ユニット3Aに対して取り付ける前に、たとえば、入力部ユニット3Aのケーシング3AA内部で回路基板23の所定の箇所に、接栓4側の端子4dを半田付けすることができる。下面板2Aを取り付けていない状態で、ケーシング3AA内部における半田付けなどの各種作業を行うことができるので、作業性がよい(半田付け部分は、図5(b)のAの部分参照)。また、ケーシング3AAに入力用接栓4Aを取付け、ケーシング3AA内部についての各種作業を終了して、入力部ユニット3Aを完成した後、機器ケーシング2に入力部ユニット3Aを取付ネジ16にて取付固定することができる。同様に、他のユニット3B〜3Dも取付固定される。これらの取付固定は、下面板2Aと関係なく行うことができ、これらの、機器ケーシング2内への取付作業性にも優れる。
【0032】
それから、必要とする機器ケーシング2内部についての作業が終了してから、下面板2Aの貫通穴2Aaを入力用接栓4Aのネジ部4bに対し挿通し、スリーブ付きナット5を用いて下面板2Aを取り付ける。同様にして、入力用接栓4B,4Cに対してはスリーブ付きナット5を用いて、出力用接栓4D,給電用接栓4Eに対してはナット6を用いて、それらに対し下面板2Aを取付固定する。
【0033】
この状態では、入力用接栓4A〜4Cのナット部4a(固定ナット部)と、スリーブ付きナット5のナット部5aとの間に、下面板2Aが挟持された状態で入力部ユニット3A、出力部ユニット3B及びトランクユニット3Cに取付固定され、下面板2Aが機器ケーシング2の下面を構成することになる。なお、出力用接栓4D及び給電用接栓4Eのナット部とナット6との間にも下面板2Aが挟持されている。
【0034】
この後、前述したように、防水接栓9を用いて同軸ケーブル8を入力用接栓4Aに接続し、スリーブ付きナット5のスリーブ部5bから防水接栓9にかけて、図4に示すように、周知の自己融着テープ10が巻き付けられ、防水が図られる。
【0035】
上記のように構成すれば、ユニット3A〜3C内での各種作業、機器ケーシング2内での各種作業を行い、それらの作業が終了するまで、機器ケーシング2の1つの面(壁面)である下面を構成する下面板2A(アッセンブリ部品)を組み付ける必要がない。よって、各ユニット3A〜3Cに対し、下面板2Aとは関係なく、接栓4A〜4Eをそれぞれ組み付けて、その組み付け後にユニット3A〜3C内での半田付け作業を行うことができる。よって、各ユニット3A〜3Cのケーシング内部への基板の取り付け、半田付け、内部機構部品の取り付けなどの作業性が大幅に改善される。
【0036】
それに続いて、各ユニット3A〜3Cを機器ケーシング2内に配置して取付ネジ16を用いて取り外し可能に取付固定することになるが、このときも、下面板2Aを組み付けていない状態で行うことができる。この機器ケーシング2内の各種作業についても、下面板2Aを取り付ける前の状態で行うことができ、作業性の向上を図る上で有利となる。
【0037】
そして、すべての機器ユニット(入力部ユニット3A、出力部ユニット3Bが、トランスユニット3C、ヘッドアンプ用電源ユニット3D、コンバータユニット3E及び出力アンプユニット3F)を機器ケーシング2内に取り付け、機器ケーシング2内についての作業がすべて終了した後、最後に下面板2Aを取り付ければよい。よって、下面板2Aが、前述したような各種作業時において、破損したり損傷したりして、結果として外観が損なわれるというリスクを低減させることができる。
【0038】
また、入力部ユニット3Aなどは、機器ケーシング2への取付固定は取付ネジ16のみであるので、下面板2Aを取り外した後、取付ネジ16を取り外すことで、入力部ユニット3Aなどを機器ケーシング2内から簡単に取り出すことができる。よって、メンテナンスなどの際における入力部ユニット3Aなどの交換を簡単に行うことができる。しかも、下面板2Aはスリーブ付きナット5を用いて取り付けることで、再利用することができる。
【0039】
本発明は、前述した実施の形態のほか、次のように変更して実施することも可能である。
【0040】
(i)前記実施の形態では、アッセンブリ部品が機器ケーシング2の下面(1つの面)を構成する下面板2A(板状部材)であり、下面板2Aの一部が板状の取付部となっている場合について説明しているが、アッセンブリ部品はそのような下面板に限定されず、アッセンブリ部品が、本体部分から取付部が突出しているような構造のものである場合にも同様に適用することができる。
【0041】
(ii)自己融着テープ10を巻き付けるのに加えて、入力用接栓4A〜4Cの固定ネジ部とスリーブ付きナット5との間にも、つまり接栓の固定ネジ部と取付ナット部材との螺合部分にも、シール剤を充填して、さらに高い防水性能を得るようにすることができる。このようにすれば、シール剤が前記螺合部分に充填されていることで、スリーブ付きナット5が不用意に緩むのを回避する上でも有利となる。
【0042】
(iii)取付ナット部材(スリーブ付きナット)のスリーブ部の長さを調整することで、接栓のネジ部の長さに関係なく、本発明を適用することができるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0043】
1 電子機器
2 機器ケーシング
2A 下面板(アッセンブリ部品)
2Aa,2Ab 貫通穴
3A 入力部ユニット(機器ユニット)
3AA ケーシング
3AB 面板部
3B 出力部ユニット(機器ユニット)
4A〜4C 入力用接栓
4a ナット部(固定ナット部)
4b ネジ部(固定ネジ部)
5 スリーブ付きナット(取付ナット部材)
5a ナット部
5b スリーブ部
16 取付ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器ケーシングの内部に、接栓の固定ナット部および固定ネジ部が外部に突出する機器ユニットを有し、前記接栓の固定ネジ部を利用して、前記機器ユニットの外側に配置されるアッセンブリ部品の取付部が前記機器ユニットの面板部に対し取り付けられている電子機器の構造であって、
前記取付部は、前記固定ネジ部が貫通する貫通穴を有するものであり、
前記固定ネジ部は、前記取付部の貫通穴を貫通した状態で、取付ナット部材が螺合されることで前記面板部に対し前記アッセンブリ部品が取付固定され、
前記取付ナット部材は、前記固定ナット部との間に前記取付部を挟持する取付ナット部と、自己融着テープを巻き付け可能であるスリーブ部とを有することを特徴とする電子機器における外板取付構造。
【請求項2】
前記アッセンブリ部品は、前記機器ケーシングの1つの面を構成する板状部材である請求項1記載の電子機器の構造。
【請求項3】
前記機器ユニットは、ネジのみで前記機器ケーシングに固定されている請求項1または2記載の電子機器の構造。
【請求項4】
前記取付ナット部材は、前記接栓の固定ネジ部との間にシール剤が充填されていることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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