説明

電子機器及びその制御方法

【課題】複数の表示画面を有し、ユーザによる表示画面のスライド動作や回動動作をトリガーとして、表示画面に表示される情報を操作することのできる電子機器及びその制御方法を提供する。
【解決手段】相対的に移動可能に連結された複数の表示画面21,31に情報を表示可能な電子機器であって、表示画面どうしが所定の位置関係となる第1ポジションから、所定時間内に、第1ポジション以外の第2ポジションを検知し再度第1ポジションを検知すると、トリガー信号を発し、オペレーティングシステム及び/又はアプリケーションの操作を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示画面を有する電子機器に関するものであり、より具体的には、1つの表示画面に対して他の表示画面が回動、スライド又はこれらの組み合わせ等により相対的に移動可能な電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文字や画像、映像などの情報を表示可能な複数の表示画面を有する電子機器が知られている。この種の電子機器では、起動しているアプリケーション等に基づいて、表示画面毎に異なる情報を表示可能としたものも提案されている。
【0003】
表示画面毎に異なる情報を表示可能な電子機器では、ユーザが一方の表示画面に表示された情報と、他方の表示画面に表示された情報とを入れ替えて表示したいという要望や、その他、アプリケーションの操作、オペレーティングシステムの操作等を行ないたいという要望がある。
【0004】
特許文献1の2画面表示テレビジョン受信機では、2画面表示可能な表示部を有し、表示部に表示された2つの映像を操作ボタンの操作により、1画像表示に切り替えたり、操作ボタンの操作により、音声出力する映像を切り替えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−38130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のテレビジョン受信機では、ユーザは、映像の切替えや、音声の切替えに、ある特定の操作ボタンを選択して操作する必要があり、不便を感じることが考えられる。
【0007】
本発明の目的は、複数の表示画面を有し、ユーザによる表示画面のスライド動作や回動動作をトリガーとして、表示画面に表示される情報を操作することのできる電子機器及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、
情報を表示可能な複数の表示画面と、
前記複数の表示画面どうしを相対的に移動可能に連結する連結機構と、
前記複数の表示画面どうしが所定の位置関係となる第1ポジションと、該第1ポジション以外の第2ポジションであることを検知する検知手段と、
オペレーティングシステムを作動させるオペレーティングシステム制御部と、
1又は複数のアプリケーションを起動可能なアプリケーション制御部と、
前記複数の表示画面及び検知手段に電気的に接続される制御手段と、
を具え、
検知手段が、前記複数の表示画面どうしが第1ポジションであることを検知している状態から、所定時間内に、第2ポジションを検知し再度第1ポジションを検知するとトリガー信号を発するトリガー発信部を具え、
該トリガー発信部からのトリガー信号を受けて、オペレーティングシステム制御部及び/又はアプリケーション制御部を介してオペレーティングシステム及び/又はアプリケーションを操作するようにしたものである。
【0009】
アプリケーションが起動している場合にトリガー発信部からのトリガー信号を受けて行なわれる操作として、アプリケーションの一時停止、オペレーティングシステムによるアプリケーションの起動、終了、表示の入替え、切替え、オペレーティングシステムのアラームの停止、メニュー画面やホーム画面の切替え等を例示できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子機器によれば、表示画面の開閉動作やスライド動作により、表示画面どうしが予め設定された第1ポジションから、それ以外の第2ポジションに移行し、さらに、第1ポジションに戻ったことを検知したときに、オペレーティングシステムやアプリケーションの操作を行なうトリガー信号を発信して、オペレーティングシステムやアプリケーションを操作することができる。従って、ユーザは特定の操作ボタンを操作する必要がないから、電子機器の操作性を可及的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明が適用される電子機器の一例を示す斜視図であって、表示画面どうしが略同一平面に位置し、接近した第1ポジションを示している。
【図2】図2は、図1の状態から表示画面どうしを離間させた状態(第2ポジション)を示す電子機器の斜視図である。
【図3】図3は、本実施例の電子機器のブロック図である。
【図4】図4は、電子機器が、図4(a)に示す第1ポジションから図4(b)に示す第2ポジション(b)に移行し、図4(c)に示す第1ポジションに戻る遷移を表す説明図である。
【図5】図5は、動作の一例を示すフローチャート図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、アプリケーションの表示を入れ替えた状態を示す電子機器の説明図である。
【図7】図7(a)は、各表示画面にアプリケーションを表示している状態、図7(b)は、一方のアプリケーションを全画面表示に切り替えた状態を示す説明図である。
【図8】図8(a)は、ブラウザを起動している状態、図8(b)は、ブラウザを前ページに戻す操作を行なった状態を示す説明図である。
【図9】図9(a)は、電子書籍アプリケーションを起動している状態、図8(b)は、次のページへ進める操作を行なった状態を示す説明図である。
【図10】図10は、表示画面を上下に並べて使用している状態を示す電子機器の説明図であって、図10(a)は、各表示画面にアプリケーションを表示している状態、図10(b)は、一方のアプリケーションを全画面表示に切り替えた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、複数の表示画面(21)(31)を有し、少なくともその2つにタッチパネル(22)(32)を具え、プラットフォームとなるオペレーティングシステムを作動させると共に、該オペレーティングシステム上で1又は複数のアプリケーションを起動して、表示画面(21)(31)に文字、図形、画像、映像、動画等の情報を表示することのできる電子機器(10)に適用することができる。
【0013】
以下、本発明の電子機器(10)について、携帯型の電子機器を例に挙げて図面を用いて説明するが、以下に示す具体的な電子機器の構造、構成は、説明のためのものであって、本発明を限定的に解釈すべきでないことは勿論である。
【0014】
まず、本実施例に係る携帯型電子機器(10)の構造について説明を行なう。
電子機器(10)は、図1及び図2に示すように、文字、図形、画像、動画等の情報を表示可能な表示画面(21)(31)と、該表示画面の表面にユーザが触れることで操作可能なタッチパネル(22)(32)とを有する複数の表示部(20)(30)を、連結機構(40)によって相対的に開閉やスライド等により移動可能に連結したものである。これにより、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)の相対的な位置関係を変えることができる。
【0015】
図示の実施例では、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)が略同一平面に位置し、且つ、第1表示部(20)の端部と第2表示部(30)の端部が接近した状態(以下「第1ポジション」と称する)と、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)が略同一平面に位置してはいるが、第1表示部(20)の端部と第2表示部(30)の端部が矢印方向に相対的にスライドして離間した状態(以下「第2ポジション」と称する)を採ることができる電子機器(10)を例に挙げて説明する。
【0016】
なお、前記第1ポジションは、上記に限定されるものではない。また、第2ポジションとは、第1ポジション以外の状態を意味し、上記に限定されるものではない。
例えば、開閉により表示画面どうしの位置関係の変わる電子機器の場合であれば、表示画面どうしが最も開いた状態を第1ポジションとすることができ、それ以外の状態を第2ポジションとすることができる。
また、第1表示画面に対して第2表示画面が重なった状態でスライドする電子機器では、第2表示画面が最も引き出された状態を第1表示画面とすることができる。
【0017】
第1表示部(20)及び第2表示部(30)は、夫々図に示すように、一方の面、即ち、図1における上面が開口した筺体(23)(33)内に、情報を表示可能な表示画面(21)(31)が開口側から視認可能となるように収容されている。表示画面(21)(31)は、液晶ディスプレイを例示でき、後述する制御手段(60)(図3参照)に電気的に接続され、各種情報を表示可能となっている。なお、図1において、奥側に位置する表示部を第1表示部(20)、手前側に位置する表示部を第2表示部(30)と称する。
【0018】
表示画面(21)(31)の開口側には、ユーザが指等で触れることにより操作可能なタッチパネル(22)(32)を有する。タッチパネル(22)(32)は、筺体(23)(33)の開口を塞ぐように配設され、表示画面(21)(31)が視認可能となるよう透明に形成されている。タッチパネル(22)(32)として、静電容量方式や抵抗膜方式のものを例示できる。
タッチパネル(22)(32)は、タッチパネル判定部(25)(35)を介して制御手段(60)(図3参照)に電気的に接続されており、ユーザがタッチパネル(22)(32)を指等で触れて操作することにより、該当する座標情報がタッチパネル判定部(25)(35)を介して制御手段(60)に入力され、各種操作等に用いられる。
【0019】
タッチパネル(22)(32)を用いたユーザの操作として、比較的短くタッチパネル(22)(32)に触れるタップ、ダブルタップや、タッチパネル(22)(32)に触れる時間が、これらよりも長いドラッグ、フリック、ピンチ、ロングタッチを例示できる。
【0020】
第1表示部(20)と第2表示部(30)は、連結機構(40)により、相対的に移動可能となっており、本実施例の電子機器(10)では、図1及び図2に示すように、第1表示部(20)を第2表示部(30)に対してスライド可能としている。なお、図示の電子機器(10)の連結機構(40)について、その詳細な説明及び図示は省略するが、電子機器(10)は、図2の状態から第1表示部(20)を第2表示部(30)に対して回動し、第1表示画面(21)を起こした状態、さらに、第2表示部(30)の上に第1表示部(20)を重ねた状態でも使用することができる。
【0021】
第1表示部(20)と第2表示部(30)との位置関係は、検知センサ(80)によって検知することができる。
検知センサ(80)は、第1表示部(20)と第2表示部(30)の接近、離間を検知する接触型のスイッチや、図1に示すように、マグネット(82)とマグネットセンサ(81)からなる非接触型のセンサ等を例示できる。
検知センサ(80)も制御手段(60)(図3参照)に電気的に接続されている。
【0022】
検知センサ(80)として、本実施例では、図1に示すように、第1表示部(20)の端部にマグネット(82)を埋設し、上記した第1ポジションである接近状態にて該マグネット(82)と接近する第2表示部(30)の端部にマグネットセンサ(81)を収容し、第1表示部(20)と第2表示部(30)の接近、離間を検知できるようにしている。これにより、電子機器(10)が図1に示すように、表示画面(21)(31)どうしが接近した第1ポジションにあるか、それ以外の状態である第2ポジションにあるかを検知することができる。
【0023】
図3は、本発明の電子機器のブロック図の一例を示している。
電子機器(10)のすべての制御は、図3に示すように、CPU等から構成される制御手段(60)により行なわれる。制御手段(60)には、電子機器(10)にインストールされているオペレーティングシステムを制御するオペレーティングシステム制御部(70)、オペレーティングシステム上で各種のアプリケーションを起動するアプリケーション制御部(71)を有し、1又は複数のアプリケーションを同時に立ち上げる機能を有するものを例示できる。
【0024】
制御手段(60)には、前述した第1表示画面(21)、第2表示画面(31)が電気的に接続されており、オペレーティングシステムや各アプリケーションに関する情報を表示可能となっている。
【0025】
また、第1タッチパネル(22)及び第2タッチパネル(32)は、夫々第1タッチパネル判定部(25)、第2タッチパネル判定部(35)を介して制御手段(60)に電気的に接続されており、第1タッチパネル(22)及び第2タッチパネル(32)からのユーザの入力は、タッチパネル判定部(25)(35)を介して制御手段(60)に送信され、制御手段(60)は、入力に応じて、オペレーティングシステム制御部(70)、アプリケーション制御部(71)により、オペレーティングシステムや起動中のアプリケーションを操作し、表示画面(21)(31)の情報を編集、操作等行なう。
【0026】
オペレーティングシステムとして、各種基本ソフトを含むシステムソフトウェアを例示することができる。
アプリケーションとして、ユーザの所望によりダウンロード等される各種のソフトウェアを例示できる。アプリケーションとして、ブラウザ、電子書籍、ゲーム、ワープロ等を挙げることができる。
【0027】
制御手段(60)には、その他、電子機器(10)の各種動作やデータ等を記憶するメモリ(61)等が電気的に接続されている。
【0028】
一般的な操作においては、制御手段(60)は、第1表示画面(21)及び第2表示画面(31)への情報の表示、第1タッチパネル(22)や第2タッチパネル(32)の入力に基づく各種制御に基づいて、第1表示画面(21)や第2表示画面(31)に表示される情報を切り替えることができる。
【0029】
より具体的には、電子機器(10)の一般的な動作として、オペレーティングシステム制御部(70)によりオペレーティングシステムを作動させ、ユーザの所望に応じた1又は複数のアプリケーションをアプリケーション制御部(71)により起動して、第1表示画面(21)及び/又は第2表示画面(31)にオペレーティングシステムやアプリケーションの情報を表示する。
【0030】
ユーザのタッチパネル(22)(32)を用いた操作は、タッチパネル判定部(25)(35)を通じて制御手段(60)に入力され、オペレーティングシステム制御部(70)やアプリケーション制御部(71)により処理される。
【0031】
本発明では、さらに、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)との相対的な位置関係を変えることで、上記オペレーティングシステム及び/又はアプリケーションの操作を行なうことができるようにしている。
【0032】
表示画面(21)(31)の相対的な位置関係の具体例として、図4に示すように、両表示画面(21)(31)が接近した第1ポジションから(図4(a))、所定時間内に両表示画面(21)(31)が離間した第2ポジションに移行し(図4(b))、さらに第1ポジションに戻ったこと(図4(c))を例示できる。これら相対位置の変化は、検知センサ(80)により検知することができ、該検知センサ(80)からの出力に基づいて、オペレーティングシステム制御部(70)によるオペレーティングシステムの操作、及び/又は、アプリケーション制御部(71)によるアプリケーションが操作されるようにしたものである。
【0033】
より具体的には、制御手段(60)は、図3に示すように、前記検知センサ(80)からの出力に基づいてトリガー信号を発信するトリガー発信部(72)を有する構成とすることができる。トリガー発信部(72)は、フローチャート図5に示すように、検知センサ(80)の検知により、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)の位置関係が、第1ポジションから所定時間内に第2ポジションに移行し、第1ポジションに戻ったことが検出されると(ステップ1のYes)、トリガー信号を発する(ステップ2)。
【0034】
制御手段(60)は、トリガー信号を受けると、アプリケーションが起動中であるかどうかを判定し(ステップ3)、アプリケーションが起動中であれば(ステップ3のYes)、トリガー信号に基づき、アプリケーション制御部(71)により起動中のアプリケーションの操作を行なう。
【0035】
アプリケーションが起動中でない場合には(ステップ3のNo)、前記トリガー信号に基づき、オペレーティングシステム制御部(70)により、オペレーティングシステムの操作を行なう。
【0036】
アプリケーションの操作として、例えば、図6(a)に示すように、2つのアプリケーションを起動し、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)に各アプリケーションを表示(A、B)している場合、トリガー信号に基づき、図6(b)に示すように、表示されているアプリケーションを第1表示画面(21)と第2表示画面(31)で入れ替える操作を例示できる。
【0037】
また、図7(a)に示すように、2つのアプリケーションを起動し、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)に各アプリケーションを表示(A、B)している場合、トリガー信号に基づき、図7(b)に示すように、何れか一方の表示画面(図示では第2表示画面(31))に表示されているアプリケーションを、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)に亘って全画面表示(A)する操作を例示できる。
【0038】
なお、全画面表示されるアプリケーションは、第2表示画面(31)に表示されているものに限定されず、第1表示画面(21)のアプリケーションを全画面表示してもよい。
【0039】
また、ユーザが全画面表示を所望するアプリケーションを選択できるようにすることもできる。例えば、第1ポジションから第2ポジションへの表示画面(21)(31)の移行の際に、ユーザが何れかのタッチパネル(22)又は(32)に触れておくことで、触れているタッチパネル(22)又は(32)に対応する表示画面(21)又は(31)のアプリケーションを全画面表示するようにすればよい。
【0040】
トリガー信号に基づく操作の例として、さらに、アプリケーションとしてブラウザを起動し、図8(a)に示すように、全画面表示(A)している場合、トリガー信号に基づき、図8(b)に示すように、一画面前に表示していたブラウザ画面(A’)に戻る操作を例示できる。
【0041】
アプリケーションとして、図9(a)に示すように、電子書籍アプリケーションを起動している場合、トリガー信号に基づき、図9(b)に示すようにページを捲る操作を例示できる。
【0042】
オペレーティングシステムの操作として、アラーム鳴動中であれば、トリガー信号に基づきアラームの停止を行なう操作、ホーム画面とメニュー画面の切替え操作等、音量のオン、オフ切替えなどを挙げることができる。
【0043】
また、前記トリガー信号に基づいて、アプリケーションの起動や、起動中のアプリケーションの終了、一時停止等の操作を行なうこともできる。アプリケーションの起動をトリガー信号に基づいて行なう場合、起動するアプリケーションとして、ユーザが予め設定したアプリケーションとしたり、最後に起動したアプリケーションとすることができる。
【0044】
さらに、上記では、第1ポジションとして、第1表示部(20)と第2表示部(30)が接近した状態、第2ポジションとして、第1表示部(20)と第2表示部(30)が離間した状態を示している。しかしながら、例えば、第1表示部(20)と第2表示部(30)が回動可能な連結機構(40)にて連繋されている場合、検知センサ(80)にポテンショメータ(83)(図3参照)等を用い、第1表示部(20)が、ある設定角度又は任意の角度で一定時間以上保持された状態を第1ポジションとし、その角度から第1表示部(20)が第2表示部(30)に対して回動した状態を第2ポジションとして、所定時間以内に第1ポジションに戻ったことを検知センサ(80)が検知したときに、トリガー信号を発するようにしてもよい。
【0045】
さらには、任意の角度で一定時間以上保持された状態を第1ポジションとし、その角度から開き方向又は閉じ方向に第1表示部(20)が回動したことを検知センサ(80)が検知し、その逆方向に再度第1表示部(20)が回動したことを検知すると、トリガー信号を発するようにしてもよい。
【0046】
加えて、前記トリガー発信部(72)からのトリガー信号を受信した後、再度トリガー発信部(72)からのトリガー信号を受信すると、オペレーティングシステム及び/又はアプリケーションに対する直前の操作をキャンセルするようにしてもよい。例えば、上記した何れかの操作のキャンセル操作や、図6乃至図8の夫々(b)から(a)に戻る操作を例示できる。
【0047】
上記で例示したトリガー信号に基づく各操作について、例えば、第1ポジションから第2ポジションへ移行した状態で、タッチパネル(22)(32)の一方又は両方にユーザが何らかの操作、具体的には、タップ、ロングタップ、フリック、ドラッグ等の操作を行なうことで、アプリケーション及び/又はオペレーティングシステムに対して行なわれる操作を選択可能とすることもできる。
【0048】
具体的実施形態として、図9(a)に示す第1ポジションから、電子機器(10)を第2ポジションに移行させた状態で、ページ進行側の第2タッチパネル(32)をタップしてから第1ポジションへ戻すと、次のページを進める操作(図9(b))を行ない、逆に、ページ戻り側の第1タッチパネル(22)をタップしてから第1ポジションへ戻すと、前ページへ戻る操作とすることができる。その他、アプリケーションやオペレーティングシステムに応じて、選択可能な操作を設定すればよい。
【0049】
また、上記では、何れも表示画面(21)(31)が左右に並んだ状態での操作例を示しているが、図10に示すように、表示画面(21)(31)が上下に並んだ状態で実施することも勿論可能である。
【0050】
加えて、電子機器(10)の適所に加速度センサ(図示せず)等の電子機器(10)の向きを検知可能な方向検知手段を配備し、該方向検知手段により検知された電子機器(10)の向きに応じて、トリガー信号に基づくアプリケーション及び/又はオペレーティングシステムの操作を変えることもできる。
【0051】
上記のとおり、本発明では、表示画面の相対的な位置関係を変えることで、オペレーティングシステムやアプリケーションの各種操作を実行可能としているから、感覚的に操作しやすい電子機器(10)を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、複数の表示画面(21)(31)を有する電子機器の操作性の向上に有用である。
【符号の説明】
【0053】
(10) 電子機器
(20) 第1表示部
(21) 第1表示画面
(22) 第1タッチパネル
(30) 第2表示部
(31) 第2表示画面
(32) 第2タッチパネル
(40) 連結機構
(60) 制御手段
(70) オペレーティングシステム制御部
(71) アプリケーション制御部
(72) トリガー発信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示可能な複数の表示画面と、
前記複数の表示画面どうしを相対的に移動可能に連結する連結機構と、
前記複数の表示画面どうしが所定の位置関係となる第1ポジションと、該第1ポジション以外の第2ポジションであることを検知する検知手段と、
オペレーティングシステムを作動させるオペレーティングシステム制御部と、
1又は複数のアプリケーションを起動可能なアプリケーション制御部と、
前記複数の表示画面及び検知手段に電気的に接続される制御手段と、
を具え、
検知手段が、前記複数の表示画面どうしが第1ポジションであることを検知している状態から、所定時間内に、第2ポジションを検知し再度第1ポジションを検知するとトリガー信号を発するトリガー発信部を具え、
該トリガー発信部からのトリガー信号を受けて、オペレーティングシステム制御部又はアプリケーション制御部を介してオペレーティングシステム及び/又はアプリケーションを操作することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記アプリケーション制御部は、複数のアプリケーションを起動し、
前記オペレーティングシステム制御部は、複数の表示画面の夫々に異なるアプリケーションを表示し、前記前記トリガー発信部からのトリガー信号を受けて、各表示画面に表示されている情報を、相互に入れ替える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記アプリケーション制御部は、複数のアプリケーションを起動し、
前記オペレーティングシステム制御部は、複数の表示画面の夫々に異なるアプリケーションを表示し、前記トリガー発信部からのトリガー信号を受けて、ユーザの選択しているアクティブなアプリケーションが表示されている表示画面の情報を、複数の表示画面に亘って連続して表示する請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記オペレーティングシステム制御部は、前記トリガー発信部からのトリガー信号を受信した後、再度トリガー発信部からのトリガー信号を受信すると、オペレーティングシステム及び/又はアプリケーションに対する直前の操作をキャンセルする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1ポジションは、複数の表示画面が略同一平面に位置し、表示画面の端部どうしが接近した状態である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電子機器。
【請求項6】
相対的に移動可能に連結された複数の表示画面に情報を表示可能な電子機器の制御方法であって、
表示画面どうしが所定の位置関係となる第1ポジションから、所定時間内に、第1ポジション以外の第2ポジションを検知し再度第1ポジションを検知すると、トリガー信号を発し、オペレーティングシステム及び/又はアプリケーションの操作を行なうことを特徴とする電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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