説明

電子機器

【課題】
より簡単に内蔵部品を取り出せるようにする。
【解決手段】
二次電池14の外部からの取り出しを許容する開口に、この開口より小さい座面12を配置する。座面12は、リブ28a〜28dで筐体に接続する。座面12と筐体との間にはスリット12a〜12dがある。リブ28a〜28dを切断することで、座面12を取り外しでき、二次電池14が外部に露出し、容易に二次電池14を取り外せるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内蔵部品、例えば電池を容易に取り出し可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの電子機器は、環境への配慮から、廃棄時の分別及びリサイクルが行われている。特に、撮像装置には、データバックアップ用二次電池等が設けられており、廃棄時の分別及びリサイクルが必要とされている。また、廃棄時の分別やリサイクルがスムーズに行えるように、様々な工夫がされている。
【0003】
特許文献1には、撮像装置に電池蓋を設け、電池蓋の内側に二次電池を取り付け、電池蓋と一緒に二次電池を取り外すことが記載されている。
【0004】
一方、近年の撮像装置は、技術の進歩に伴い、機器の小型化が図られている。
【特許文献1】特開2005−079017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の構造では、複雑なロック機構を設けたため、撮像装置の内部に多くのスペースを確保しなければならず、構造上の制約が多い。その結果、撮像装置全体が大きくなってしまい、これに更にロック機構を設けると、更に大きくなってしまう。
【0006】
また、複雑なロック機構を設けると、内蔵部品を取り外すために蓋部材が必要となり、コストアップを招いてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、構造の制約が少なく、内蔵部品を取り出せる電子機器を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、破棄時に分離する必要のある内蔵部品を具備する電子機器であって、当該内蔵部品の外部からの取り出しを許容する開口を当該電子機器の筐体に設け、当該筐体と少なくとも2つのリブで接続する、当該開口よりも小さい板材を当該開口に配置してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リブを切断して当該板材を除去することで、当該内蔵部品を外部から取り出せる。これにより、内蔵部品を容易に電子機器から分離できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1及び図2を用いて、本発明の一実施例の構成を説明する。図1は、本発明の実施例1に係る撮像装置の外観図である。図2は、実施例1の座面の裏側を示す図である。撮像装置10は、座面12、二次電池(リチウムイオン電池、ニッカド電池又はニッケル水素電池等)14、フレキシブル基板16、端子18、ピン20a、20b、ボス22a,22b、位置決め孔24a,24b、ボス止め孔26a,26b、リブ28a,28b,28c、28d及びシート材30を具備する。
【0012】
座面12は裏面に二次電池14を具備し、四方にスリット12a〜12dを具備する。二次電池14は繰り返し充電・放電が行える電池であり、フレキシブル基板16に半田付けされている。また、二次電池14は、フレキシブル基板16を介して撮像装置10に電力を供給する。フレキシブル基板16は柔軟性を持ったプリント基板であり、折り曲げて撮像装置10に格納される。端子18は撮像装置10の基板(不図示)に電気的に接続されている。ピン20a,20b及びボス22a,22bは座面12に立設されている。位置決め孔24a、24b及びボス止め孔26a、26bは、フレキシブル基板16に設けられている。すなわち、ピン20aは位置決め孔24aに嵌合し、ピン20bは位置決め孔24bに嵌合する。また、ボス22aはボス止め孔26aに嵌合し、ボス22bはボス止め孔26bに嵌合する。
【0013】
リブ28a〜28dは座面12の外周を取り囲む4箇所に形成され、座面12の厚さよりも肉薄になっている。また、リブ28a〜28dはニッパー等の工具で切断できる程度の幅を具備する。二次電池14の取り外し方法等が表記されたシート材30が、両面テープで座面12を隠蔽するように、座面12上に接着される。また、シート材30は、座面12を隠すようなサイズである。
【0014】
ここで、図3を用いて、シート材30が座面12に貼り付けられる様子を説明する。図3は、シート材30が座面12に貼り付けられるイメージ図である。工業出荷時に、両面テープを用いて、シート材30が座面12に貼り付けられる。シート材30が貼り付けられると、スリット12a〜12dが覆い隠される。また、撮像装置10の外観のカバー(不図示)に接触しないように、且つ、スリット12a〜12dの窪みが出るように、シート材30を貼り付ける。シート材30の表面には、二次電池14の取り外し方法を記載する。例えば、「このシートを剥がし、周囲をニッパーなどで切断して外してください。」等と表記したり、注意ラベルを印刷したりする。
【0015】
次に、図4及び図5を用いて、二次電池14が取り出されるまでの手順を説明する。図4は、スリット12a〜12dの切断を示す図である。図5は、本実施例で二次電池14を取り外した状態を示す図である。図4において、座面12からシート材30を引き剥がす。スリット12aとスリット12dの間にニッパーの先端部分を入れて、リブ28aを切断する。同様にして、リブ28b〜28dを切断する。リブ28a〜リブ28dが切断されると、スリット12a〜12dを境界にして、座面12が外側と内側に分離される。ピン20a,20b及びボス22a,22bがフレキシブル基板16に固定されているので、座面12の外側が固定され、座面12の内側だけが取り外し可能である。座面12の内側が手前に引かれると、フレキシブル基板16に半田付けされた二次電池14が、撮像装置10の外部に露出する。そして、撮像装置10の外部から二次電池14が取り出される。
【0016】
本実施例では、二次電池14が取り出されるまでの手順を説明したが、二次電池14に限定されることはなく、電子機器の内蔵部品であれば、同様の構成及び手順で取り出し可能である。
【0017】
また、リブ28a〜28dを4箇所に備えたが、必ず4箇所に備えなければならないというわけではない。すなわち、座面12が固定されていればよいので、構造的に2箇所以上にリブを設ければよい。
【0018】
さらに、座面12の形状を四角形としたが、内蔵部品の形状に合わせて三角形又は五角形等の多角形を採用してもよい。
【0019】
このように、スリット12a〜12dとリブ28a〜28dの簡単な構造を座面12に設けたので、ニッパー等の簡単な工具があれば、簡単に二次電池14を取り外せる。座面12の形状を変更すればいいので、部品にかかるコストアップを免れる。
【実施例2】
【0020】
図6及び図7を用いて、本発明の実施例2を説明する。図6は、実施例2における座面の裏側を示す図である。図7は、実施例2で二次電池が取り出された様子を示す図である。
【0021】
実施例2では、ピン20a,20b、ボス22a,22b、位置決め孔24a,24b及びボス止め孔26a,26bを実施例1とは異なる位置に配置した。また、実施例1と同じ機能の要素には、同じ符号を付してある。実施例1とは異なる部分を説明する。
【0022】
実施例2では、スリット12aとスリット12dの間にニッパーの先端部分を入れて、リブ28aを切断する。同様にして、リブ28b〜28dを切断する。リブ28a〜28dが切断されると、スリット12a〜12dを境界にして、座面212が外側と内側に分離される。ピン20a,20b及びボス22a,22bがフレキシブル基板16に固定されているので、座面212の外側が固定され、座面212の内側だけが取り外せる。座面212の内側が手前に引かれると、フレキシブル基板16に半田付けされた二次電池14が、撮像装置200の外部に露出する。座面212の内側が取り出されると同時に、フレキシブル基板16と二次電池14も撮像装置200の外部に取り出される。このようにして、撮像装置200から二次電池14を簡単に取り出せる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1に係る撮像装置の外観図である。
【図2】実施例1における座面の裏側を示す図である。
【図3】実施例1で、シート材が座面に貼り付けられるイメージ図である。
【図4】実施例1でスリットの切断を示す図である。
【図5】実施例1で二次電池が取り出される様子を示す図である。
【図6】実施例2における座面の裏側を示す図である。
【図7】実施例2で二次電池が取り出された様子を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
10,200 撮像装置
12,212 座面
12a,12b,12c,12d スリット形状
14 二次電池
16 フレキシブル基板
18 端子
20a,20b ピン
22a,22b ボス
24a,24b 位置決め孔部
26a,26b ボス止め孔部
28a,28b,28c,28d リブ形状
30,130 シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破棄時に分離する必要のある内蔵部品を具備する電子機器であって、当該内蔵部品の外部からの取り出しを許容する開口を当該電子機器の筐体に設け、当該筐体と少なくとも2つのリブで接続する、当該開口よりも小さい板材を当該開口に配置してあることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
当該リブは、前記板材よりも肉薄であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記内蔵部品が電池であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
さらに、当該板材及び当該板材と当該外部筐体との間の隙間が、前記内蔵部品の取り出し方を表記するシール材で隠蔽されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
当該電子機器が撮像装置であることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−67298(P2007−67298A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254120(P2005−254120)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】