説明

電子機器

【課題】本発明は、既に放送中のテレビ番組、あるいはまもなく放送開始となるテレビ番組について予約録画を行う際、簡単な操作で瞬時に録画を開始することが可能となる電子機器を提供する。
【解決手段】テレビ放送を受信して録画する電子機器であって、少なくとも録画の開始時刻や録画するチャンネルを含んだ録画予約情報の入力を受け付ける入力受付手段と、開始時刻の入力を受け付けたとき(S201)、チャンネルの入力を受け付けているか否かを判断する入力判断手段(S203)と、入力判断手段によりチャンネルの入力を受け付けているものと判断された場合、開始時刻が現在時刻より以前であるか否かを判断する時刻判断手段(S207)と、時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前であると判断された場合、入力受付手段により受け付けたチャンネルに基づいてバックグラウンドで録画処理を開始する録画開始手段(S213)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送を受信して視聴できる電子機器に係り、特に、受信したテレビ放送を予約録画できる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の電子機器の多機能化に伴い、携帯電話機に地上波デジタル放送等のテレビ放送を受信して視聴するテレビ視聴機能が搭載されるようになってきた。さらに、本体メモリあるいは外部メモリへの番組録画機能、及びタイマーにより起動し自動的に録画を開始する予約録画機能を備えた携帯電話機も開発されている。
【0003】
例えば特許文献1には、予約設定中に予約可否判定を行い、適切な予約設定を行えるようにした番組予約システムが記載されている。この番組予約システムは、記憶部の残記録可能容量や予約する番組の記録時間等から予約可否判定を行い、予約可能であればこの番組の予約設定を行うものである。
【特許文献1】特開2007−129659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の携帯電話機では、既に放送中のテレビ番組、あるいはまもなく放送開始となるテレビ番組について予約録画を手動にて設定する場合、録画の開始時刻が現在時刻よりもある程度先(未来)でないと予約ができないようになっている。よって、予約録画を即座に開始できずに録画したいシーンを逃してしまうという問題があった。また、録画の開始時刻と終了時刻の双方が設定されないと録画の予約が完了しないため、予約の設定に手間取ってしまうとその間の録画したいシーンを逃してしまうという問題もあった。
【0005】
一方、予約録画を行わずに、ユーザが直接、録画を開始するための操作キーを押下することにより録画を開始させたり、録画を停止させるための操作キーを押下することにより録画を停止させたりする方法を用いることも可能ではあるが、この場合、録画を停止させるための操作キーが押下されない限りは録画が停止しないため、録画の終了時刻にユーザが録画を停止させるための操作キーを押下する必要が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、既に放送中のテレビ番組、あるいはまもなく放送開始となるテレビ番組について予約録画を行う際、簡単な操作で瞬時に録画を開始することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、テレビ放送を受信して録画する電子機器であって、少なくとも録画の開始時刻や録画するチャンネルを含んだ録画予約情報の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段により開始時刻の入力を受け付けたとき、前記入力受付手段によりチャンネルの入力を受け付けているか否かを判断する入力判断手段と、前記入力判断手段によりチャンネルの入力を受け付けているものと判断された場合、前記入力受付手段により受け付けた開始時刻が現在時刻より以前であるか否かを判断する時刻判断手段と、前記時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前であると判断された場合、前記入力受付手段により受け付けたチャンネルに基づいてバックグラウンドで録画処理を開始する録画開始手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子機器によると、既に放送中のテレビ番組、あるいはまもなく放送開始となるテレビ番組について予約録画を行う際、予約設定完了前であっても、予約録画開始にあたって最低限必要な情報が揃った時点で録画をバックグラウンドで開始しておくことにより、簡単な操作で瞬時に録画を開始することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る電子機器の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る電子機器として、複数の筐体が開閉自在に結合されてなるクラムシェル型の携帯電話機1を例にあげて説明する。図1は、携帯電話機1の開いた状態を示す斜視図である。
【0010】
携帯電話機1は、図1に示すように、主に、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とにより構成されていて、これらの上筐体10及び下筐体11は、閉じた状態において相互に一面を覆うように積層されている。上筐体10及び下筐体11は、ヒンジ部12を挟むようにヒンジ結合されていて、上筐体10は下筐体11に対して、ヒンジ部12を軸にして、図1のX方向に所定角度だけ回転自在なように形成されている。携帯電話機1は、上筐体10を下筐体11に対して回転させることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0011】
上筐体10の内面(下筐体11に対面する側の面)には、文字や画像等の情報を含んだ表示画面を表示するための液晶ディスプレイ13、音声を出力するためのスピーカ14が設けられている。これらの液晶ディスプレイ13やスピーカ14は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、下筐体11により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0012】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、例えば、カーソルや表示画面を上下左右に移動させるための十字キーや、項目を選択するための選択キーや、数字を入力するための数字キー、発信処理を行うための発信キー等の操作キー15が設けられている。また下筐体11には、音声を集音するためのマイクロフォン16が設けられている。これらの操作キー15やマイクロフォン16は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0013】
図2は、本発明に係る携帯電話機1の機能ブロック図である。携帯電話機1は、図2に示すように、主制御部20、電源回路部21、表示制御部22、記憶部23、外部メモリ接続部24、音声制御部25、通信制御部26、地デジ受信部27、映像再生制御部28、及びタイマー部29を備えていて、これらはバスBによって相互に通信可能に接続されている。
【0014】
主制御部20は、様々なデータ処理や演算を行うCPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、様々な演算処理や制御処理等を行う。また主制御部20は、操作キー15に対する入力インタフェースを備え、操作キー15を介した入力に基づいて様々な処理を行う。さらに主制御部20は、例えばRTC(Real Time Clock)回路を用いて計時する内蔵時計を備えていて、常時現在時刻を計時している。
【0015】
電源回路部21は、ユーザによる操作キー15を介した入力に基づいて電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合には電力供給源(バッテリ等)から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。表示制御部22は、液晶ディスプレイ13の表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書や静止画像、動画像等の表示情報を液晶ディスプレイ13に表示する。
【0016】
記憶部23は、主制御部20が処理を行う際に使用するデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、主制御部20が行う処理の処理プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、ハードディスク、不揮発性メモリ等の記憶装置を具備する。主制御部20が後述する予約録画処理や録画開始処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されている。
【0017】
外部メモリ接続部24は、例えばSD(Secure Digital)カード(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部メモリMに対する入出力インタフェースを備え、外部メモリMが携帯電話機1に電気的に接続された際に、この外部メモリMに対してデータの書き込み処理や読み込み処理を行う。
【0018】
音声制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音した音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部25は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ14から音声として出力する。
【0019】
通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、アンテナ26aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、液晶ディスプレイ13に表示されたり記憶部23に記録されたりする。また通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、操作キー15を介して入力されたデータや記憶部23に記憶されたデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、アンテナ26aを介して送信する。
【0020】
地デジ受信部27は、チューナ27a、復調部27c、TSデコーダ27dを備えている。チューナ27aは、地上波デジタル放送の放送局(図示せず)から放送された地上波デジタル放送(地上波デジタルワンセグ放送も含む)の変調波aを、アンテナ27bを介して受信する。復調部27cは、チューナ27aが受信した変調波aを取得して復調し、地上波デジタル放送の符号化映像情報bを生成する。TSデコーダ27dは、復調部27cが生成した符号化映像情報bを取得して復号し、符号化映像情報bのうちの音声情報cを音声制御部25へ伝送するとともに、符号化映像情報bのうちの動画像情報dを映像再生制御部28に伝送する。音声情報cを受信した音声制御部25は、この音声情報cをスピーカ14から音声として出力する。動画像情報dを受信した映像再生制御部28は、この動画像情報dを表示制御部22を介して液晶ディスプレイ13に表示する。
【0021】
また、TSデコーダ27dは、主制御部20の指示に基づいて、地上波デジタル放送の音声情報cや動画像情報dを、記憶部23、または外部メモリ接続部24に接続された外部メモリMに記憶する。これが録画処理である。
【0022】
映像再生制御部28は、地デジ受信部27により受信された地上波デジタル放送の動画像情報dや記憶部23に記憶されている動画像情報dを取得すると、これらの動画像情報dを表示制御部22を介して液晶ディスプレイ13に表示する。
【0023】
タイマー部29は、主制御部20の指示に基づいて、所定時間の経過を通知するタイマー処理を行う。タイマー部29は、主制御部20からタイマー開始指示を受信すると、このタイマー開始指示に基づいて所定時間(タイマー時間)の計時を開始し、所定時間が経過した際に、主制御部20にタイマー終了通知を送信する。
【0024】
携帯電話機1は、地デジ受信部27により受信した地上波デジタル放送のテレビ番組を録画する録画機能を備えていて、また、テレビ番組の録画を予め指定された開始時刻に開始するとともに、予め指定された終了時刻に終了する予約録画機能を備えている。
【0025】
記憶部23は、予約録画を行うための録画予約情報を記憶する。録画予約情報は、録画の開始時刻を示す開始時刻情報、録画の終了時刻を示す終了時刻情報、録画するチャンネルを示すチャンネル情報、録画したテレビ番組の映像情報の保存先を示す保存先情報、録画したテレビ番組の番組名を示す番組名情報、録画したテレビ番組の放送局を示す放送局情報等がそれぞれ対応付けられた情報である。保存先情報には、例えば「本体」(記憶部23)や「外部メモリ」(外部メモリM)等が記される。携帯電話機1において、この録画予約情報に基づいて録画処理が行われる。
【0026】
一般的な携帯電話機は、録画予約情報を入力するための予約入力画面を表示して、ユーザがこの予約入力画面に基づいて録画予約情報を入力することにより、予約録画が設定される。そして、録画の開始時刻が現在時刻よりもある程度先(未来)でないと予約ができないようになっている。よって、予約録画を即座に開始できずに録画したいシーンを逃してしまう恐れがあった。また、録画の開始時刻と終了時刻の双方が設定されないと録画の予約が完了しないため、予約の設定に手間取ってしまうとその間の録画したいシーンを逃してしまう恐れもあった。
【0027】
一方、予約録画を行わずに、ユーザが直接、録画を開始するための操作キー15を押下することにより録画を開始させたり、録画を停止させるための操作キー15を押下することにより録画を停止させたりする方法を用いることも可能ではあるが、この場合、録画を停止させるための操作キー15が押下されない限りは録画が停止しないため、録画の終了時刻にユーザが録画を停止させるための操作キー15を押下する必要が生じてしまう。
【0028】
そこで携帯電話機1では、予約録画を行う際に、録画に最低限必要な項目である開始時刻およびチャンネルが入力された時点で即座に録画を開始するようにするとともに、録画が開始された後でも録画の終了時刻等の入力を受け付けるようにすることにより、録画が開始された後でも予約録画の設定を完了することができるようにする。
【0029】
携帯電話機1がこの予約録画処理を行う際の手順について、図3、図5、図7、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図5は、録画の開始時刻の入力に基づいた録画開始処理を示すフローチャート、図7は、録画するチャンネルの入力に基づいた録画開始処理を示すフローチャート、図8は、タイマーに基づいた録画開始処理を示すフローチャートである。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0030】
始めに、主制御部20は液晶ディスプレイ13に、ユーザが録画の予約入力を行うための予約入力画面30を表示する。予約入力画面30は、図4(A)に示すように、予約録画の手動設定を行うための手動設定ボタン31を備えている。ユーザは、予約録画の手動設定を行う際、操作キー15を介して手動設定ボタン31を選択することにより携帯電話機1に対して予約録画の手動設定を指示する。
【0031】
図3に示すように、主制御部20は、予約録画の手動設定が指示されたか否かを判断する(S101)。手動設定が指示されていない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。手動設定が指示された場合(S101のYes)は、主制御部20は、録画予約情報を操作キー15を介して手動で入力するための手動設定画面32を表示する(S103)。手動設定画面32は、図4(B)に示すように、録画の開始時刻を入力するための開始時刻入力欄33、録画の終了時刻を入力するための終了時刻入力欄34、録画するチャンネルを入力するためのチャンネル入力欄35、録画する番組の保存先を入力するための保存先入力欄36、録画する番組名を入力するための番組名入力欄37、録画する番組の放送局名を入力するための放送局名入力欄38を備えている。
【0032】
主制御部20は、タイマー部29にタイマー開始指示を送信することにより、所定時間のタイマーを起動する(S105)。この際の所定時間は、予約録画を開始すべきか否かを判断するための時間間隔であり、例えば3秒である。
【0033】
主制御部20は、開始時刻が入力された際に録画の開始時刻の入力に基づいた録画開始処理を行う。図5に示すように、主制御部20は録画の開始時刻が入力されたか否かを判断する(S201)。この際、手動設定画面32の開始時刻入力欄33に時刻を示す情報が入力されている場合、開始時刻が入力されたものと判断される。録画の開始時刻が入力されていない場合(S201のNo)は、主制御部20は録画の開始時刻が入力されるまで待機する。
【0034】
録画の開始時刻が入力された場合(S201のYes)は、主制御部20は、録画するチャンネルが入力されているか否かを判断する(S203)。この際、手動設定画面32のチャンネル入力欄35にチャンネルを示す情報が入力されている場合、録画するチャンネルが入力されているものと判断される。録画するチャンネルが入力されていない場合(S203のNo)は、チャンネルがわからず録画処理を行うことができないため、録画処理を開始せずに、録画の開始時刻の入力に基づいた録画開始処理を終了する。
【0035】
録画するチャンネルが入力されている場合(S203のYes)は、主制御部20は現在時刻を取得する(S205)。そして主制御部20は、ステップ201にて入力された録画の開始時刻がステップS205にて取得した現在時刻より以前か否かを判断する(S207)。例えば、録画の開始時刻が「2008年1月1日18時00分」であり、現在時刻が「2008年1月1日19時00分」であった場合は、録画の開始時刻が現在時刻より以前であるものと判断される。録画の開始時刻が現在時刻より以前ではなかった場合(S207のNo)は、未だ録画開始時刻を経過していないため、録画処理を開始せずに、録画の開始時刻の入力に基づいた録画開始処理を終了する。
【0036】
録画の開始時刻が現在時刻より以前であった場合(S207のYes)は、主制御部20は液晶ディスプレイ13に、録画処理を開始するか否かを入力するための録画指示ダイアログ39を表示する等により、ユーザに対して録画処理を開始するか否かの入力を促す(S209)。録画指示ダイアログ39は、図6に示すように、録画処理を開始するための「YES」ボタン40、録画処理を開始しないための「NO」ボタン41を備えている。
【0037】
主制御部20は、録画処理が指示されたか否かを判断する(S211)。この際、録画指示ダイアログ39の「YES」ボタン40が選択された場合には録画処理が指示されたものと判断され、「NO」ボタン41が選択された場合には録画処理が指示されなかったものと判断される。録画処理が指示されなかった場合(S211のNo)は、主制御部20は、録画処理を開始せずに、録画の開始時刻の入力に基づいた録画開始処理を終了する。
【0038】
録画処理が指示された場合(S211のYes)は、主制御部20は、バックグラウンドで録画処理を開始する(S213)。すなわち主制御部20は、ステップS103にて液晶ディスプレイ13に表示した手動設定画面32を表示したままの状態で、ステップS201にて入力された開始時刻、ステップS203にて入力されていたチャンネルに基づいて、録画処理を開始する。この際、ユーザは手動設定画面32に基づいて、録画予約情報の入力を継続することができる。
【0039】
あるいは、主制御部20は、チャンネルが入力された際に録画するチャンネルの入力に基づいた録画開始処理を行う。図7に示すように、主制御部20は録画するチャンネルが入力されたか否かを判断する(S301)。この際、手動設定画面32のチャンネル入力欄35にチャンネルを示す情報が入力されている場合、録画するチャンネルが入力されたものと判断される。録画するチャンネルが入力されていない場合(S301のNo)は、主制御部20は録画するチャンネルが入力されるまで待機する。
【0040】
録画するチャンネルが入力された場合(S301のYes)は、主制御部20は、録画の開始時刻が入力されているか否かを判断する(S303)。この際、手動設定画面32の開始時刻入力欄33に時刻を示す情報が入力されている場合、録画の開始時刻が入力されているものと判断される。録画の開始時刻が入力されていない場合(S303のNo)は、開始時刻がわからず録画処理を行うことができないため、録画処理を開始せずに、録画するチャンネルの入力に基づいた録画開始処理を終了する。
【0041】
録画の開始時刻が入力されている場合(S303のYes)は、主制御部20は現在時刻を取得する(S305)。そして主制御部20は、ステップS207と同様に、ステップ303にて入力されていた録画の開始時刻がステップS305にて取得した現在時刻より以前か否かを判断する(S307)。録画の開始時刻が現在時刻より以前ではなかった場合(S307のNo)は、未だ録画開始時刻を経過していないため、録画処理を開始せずに、録画するチャンネルの入力に基づいた録画開始処理を終了する。
【0042】
録画の開始時刻が現在時刻より以前であった場合(S307のYes)は、主制御部20は液晶ディスプレイ13に、図6に示すように、録画処理を開始するか否かを入力するための録画指示ダイアログ39を表示する等により、ユーザに対して録画処理を開始するか否かの入力を促す(S309)。
【0043】
主制御部20は、録画処理が指示されたか否かを判断する(S311)。この際、録画指示ダイアログ39の「YES」ボタン40が選択された場合には録画処理が指示されたものと判断され、「NO」ボタン41が選択された場合には録画処理が指示されなかったものと判断される。録画処理が指示されなかった場合(S311のNo)は、主制御部20は、録画処理を開始せずに、録画するチャンネルの入力に基づいた録画開始処理を終了する。
【0044】
録画処理が指示された場合(S311のYes)は、主制御部20は、ステップS213と同様に、バックグラウンドで録画処理を開始する(S313)。すなわち主制御部20は、ステップS103にて液晶ディスプレイ13に表示した手動設定画面32を表示したままの状態で、ステップS303にて入力されていた開始時刻、ステップS301にて入力されたチャンネルに基づいて、録画処理を開始する。この際、ユーザは手動設定画面32に基づいて、録画予約情報の入力を継続することができる。
【0045】
次に、主制御部20は、ステップS105にて起動したタイマーに基づいた録画開始処理を行う。この処理は、例えば開始時刻情報やチャンネル情報が入力された時点で、録画の開始時刻が現在時刻よりも以後であった場合に行われる。
【0046】
図8に示すように、始めに主制御部20は、ステップS105(または後述するステップS406)にて起動されたタイマーが終了したか否かを判断する(S401)。この際、主制御部20は、タイマー部29からタイマー終了通知を受信することに基づいて、タイマーが終了したものと判断する。タイマーが終了していない場合(S401のNo)は、主制御部20はタイマーが終了するまで待機する。
【0047】
タイマーが終了した場合(S401のYes)は、主制御部20は、液晶ディスプレイ13に表示されている手動設定画面32に入力されている録画予約情報、または記憶部23に既に記憶されている録画予約情報を取得する(S403)。
【0048】
主制御部20は、ステップS403にて取得した録画予約情報に基づいて、録画するチャンネルが入力されたか否かを判断する(S405)。この際、ステップS403にて手動設定画面32に入力されている録画予約情報を取得した場合、手動設定画面32のチャンネル入力欄35にチャンネルを示す情報が入力されているときに、録画するチャンネルが入力されたものと判断される。またはステップS403にて記憶部23から録画予約情報を取得した場合、録画予約情報がチャンネル情報を含んでいるときに、録画するチャンネルが入力されたものと判断される。
【0049】
録画するチャンネルが入力されていない場合(S405のNo)は、主制御部20は、再びタイマーを起動する(S406)。すなわち、主制御部20は、ステップS105と同様に、タイマー部29にタイマー開始指示を送信することにより、所定時間(例えば3秒)のタイマーを起動する。そして主制御部20は、チャンネルがわからず録画処理を行うことができないため、録画処理を開始せずに、ステップS401に戻ってタイマーが終了するまで待機する。
【0050】
録画するチャンネルが入力された場合(S405のYes)は、主制御部20は、録画の開始時刻が入力されているか否かを判断する(S407)。この際、ステップS403にて手動設定画面32に入力されている録画予約情報を取得した場合、手動設定画面32の開始時刻入力欄33に時刻を示す情報が入力されているときに、録画の開始時刻が入力されたものと判断される。またはステップS403にて記憶部23から録画予約情報を取得した場合、録画予約情報が開始時刻情報を含んでいるときに、録画の開始時刻が入力されたものと判断される。
【0051】
録画の開始時刻が入力されていない場合(S407のNo)は、主制御部20は、再びタイマーを起動する(S406)。すなわち、主制御部20は、ステップS105と同様に、タイマー部29にタイマー開始指示を送信することにより、所定時間(例えば3秒)のタイマーを起動する。そして主制御部20は、開始時刻がわからず録画処理を行うことができないため、録画処理を開始せずに、ステップS401に戻ってタイマーが終了するまで待機する。
【0052】
録画の開始時刻が入力されている場合(S407のYes)は、主制御部20は現在時刻を取得する(S409)。そして主制御部20は、ステップS207と同様に、ステップ407にて入力されていた録画の開始時刻がステップS409にて取得した現在時刻より以前か否かを判断する(S411)。録画の開始時刻が現在時刻より以前ではなかった場合(S411のNo)は、未だ録画開始時刻を経過していないため、録画処理を開始せずに、ステップS401に戻ってタイマーが終了するまで待機する。
【0053】
録画の開始時刻が現在時刻より以前であった場合(S411のYes)は、主制御部20は液晶ディスプレイ13に、図6に示すように、録画処理を開始するか否かを入力するための録画指示ダイアログ39を表示する等により、ユーザに対して録画処理を開始するか否かの入力を促す(S413)。
【0054】
主制御部20は、録画処理が指示されたか否かを判断する(S415)。この際、録画指示ダイアログ39の「YES」ボタン40が選択された場合には録画処理が指示されたものと判断され、「NO」ボタン41が選択された場合には録画処理が指示されなかったものと判断される。録画処理が指示されなかった場合(S415のNo)は、主制御部20は、録画開始処理を終了する。
【0055】
なお、主制御部20は、ステップS415において録画処理が指示されなかった場合に、タイマー時間を長く設定して(例えば1分)、タイマー部29にタイマー開始指示を送信することにより、タイマーを起動するようにしても良い。この際には、主制御部20は、ステップS401に戻ってタイマーが終了するまで待機する。
【0056】
録画処理が指示された場合(S415のYes)は、主制御部20は、ステップS213と同様に、バックグラウンドで録画処理を開始する(S417)。すなわち主制御部20は、ステップS403にて手動設定画面32に入力されている録画予約情報を取得した場合は、液晶ディスプレイ13に表示した手動設定画面32を表示したままの状態で、ステップS407にて入力された開始時刻、ステップS405にて入力されたチャンネルに基づいて、録画処理を開始する。
【0057】
なお、ステップS209及びS211、ステップS309及びS311、ステップS413及びS415のユーザに対して録画を開始するか否かの指示を促す処理を行わずに、バックグラウンドでの録画処理を開始するようにしても良い。
【0058】
このようにして携帯電話機1は、手動設定で録画の開始時刻情報が入力された際に、チャンネル情報が入力済みか否かの判断を行い、チャンネル情報が入力済みであれば、録画の開始時刻と現在時刻との比較を行う。そして携帯電話機1は、録画の開始時刻が現在時刻より以前であれば、この録画処理を開始する。この際、携帯電話機1はバックグラウンドで録画処理を行い、液晶ディスプレイ13の表示画面には手動設定画面32を表示したままにする。これにより、ユーザは録画処理が開始された状態で、録画の終了時間情報等のその他の情報を入力することができる。
【0059】
また、携帯電話機1は、手動設定でチャンネル情報が入力された際に、録画の開始時刻情報が入力済みか否かの判断を行い、開始時刻情報が入力済みであれば、録画の開始時刻と現在時刻との比較を行う。そして携帯電話機1は、録画の開始時刻が現在時刻より以前であれば、この録画処理を開始する。この際、携帯電話機1はバックグラウンドで録画処理を行い、液晶ディスプレイ13の表示画面には手動設定画面32を表示したままにする。これにより、ユーザは録画処理が開始された状態で、録画の終了時間等のその他の情報を入力することができる。
【0060】
さらに、録画の開始時刻情報やチャンネル情報が入力された際に、録画の開始時刻が現在時刻よりも未来であれば、周期タイマーを用いて一定の間隔で、録画の開始時刻と現在時刻との比較を行う。そして携帯電話機1は、録画の開始時刻が現在時刻より以前となったときに、この録画処理を開始する。この際も同様に、携帯電話機1はバックグラウンドで録画処理を行い、液晶ディスプレイ13に手動設定画面32が表示されていたなら、この手動設定画面32の表示を継続する。
【0061】
本発明に係る電子機器(携帯電話機1)によると、既に放送中のテレビ番組、あるいはまもなく放送開始となるテレビ番組について予約録画処理を行う際、予約設定完了前であっても、予約録画開始にあたって最低限必要な情報(開始時刻情報やチャンネル情報)が入力された時点で録画処理をバックグラウンドで開始しておくことにより、簡単な操作で瞬時に録画処理を開始することが可能となる
また、本発明に係る電子機器(携帯電話機1)によると、録画処理を開始した後でも録画の終了時刻等の録画予約情報の入力を受け付けるため、ユーザは、録画の開始時刻が経過した後に予約録画の設定を行った場合であっても、録画処理を瞬時に開始させるとともに、所望の時刻に、録画処理を停止されるための操作を行わなくとも、予約録画機能により録画処理を停止させることが可能となる。
【0062】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型テレビ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽プレイヤー、PC(Personal Computer)等の予約録画処理を行う情報処理端末であれば任意の情報処理端末であって良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る電子機器(携帯電話機)を示す斜視図。
【図2】本発明に係る電子機器(携帯電話機)を示す機能ブロック図。
【図3】本発明に係る電子機器(携帯電話機)が予約録画処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図4】(A)は、予約入力画面を示す画面図、(B)は、手動設定画面を示す画面図。
【図5】本発明に係る電子機器(携帯電話機)が録画の開始時刻の入力に基づいた録画開始処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図6】録画指示ダイアログを示す画面図。
【図7】本発明に係る電子機器(携帯電話機)が録画のチャンネルの入力に基づいた録画開始処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明に係る電子機器(携帯電話機)が録画のタイマーに基づいた録画開始処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ヒンジ部,13…液晶ディスプレイ,14…スピーカ,15…操作キー,16…マイクロフォン,20…主制御部,21…電源回路部,22…表示制御部,23…記憶部,24…外部メモリ接続部,25…音声制御部,26…通信制御部,26a…アンテナ,27…地デジ受信部,27a…チューナ,27b…アンテナ,27c…復調部,27d…TSデコーダ,28…映像再生制御部,29…タイマー部,30…予約入力画面,32…手動設定画面,33…開始時刻入力欄,35…チャンネル入力欄,39…録画指示ダイアログ,a…変調波,b…符号化映像情報,c…音声情報,d…動画像情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信して録画する電子機器であって、
少なくとも録画の開始時刻や録画するチャンネルを含んだ録画予約情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段により開始時刻の入力を受け付けたとき、前記入力受付手段によりチャンネルの入力を受け付けているか否かを判断する入力判断手段と、
前記入力判断手段によりチャンネルの入力を受け付けているものと判断された場合、前記入力受付手段により受け付けた開始時刻が現在時刻より以前であるか否かを判断する時刻判断手段と、
前記時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前であると判断された場合、前記入力受付手段により受け付けたチャンネルに基づいてバックグラウンドで録画処理を開始する録画開始手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記入力受付手段が入力の受け付けを開始したのに基づいて、所定時間の周期タイマーを起動し、所定時間の経過を通知する通知手段を備え、
前記入力判断手段は、前記時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前でないと判断された場合、前記通知手段により所定時間の経過が通知される毎に、前記入力受付手段によりチャンネルの入力を受け付けたか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
テレビ放送を受信して録画する電子機器であって、
少なくとも録画の開始時刻や録画するチャンネルを含んだ録画予約情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によりチャンネルの入力を受け付けたとき、前記入力受付手段により開始時刻の入力を受け付けているか否かを判断する入力判断手段と、
前記入力判断手段により開始時刻の入力を受け付けているものと判断された場合、前記入力受付手段により受け付けた開始時刻が現在時刻より以前であるか否かを判断する時刻判断手段と、
前記時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前であると判断された場合、前記入力受付手段により受け付けたチャンネルに基づいてバックグラウンドで録画処理を開始する録画開始手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記入力受付手段が入力の受け付けを開始したのに基づいて、所定時間の周期タイマーを起動し、所定時間の経過を通知する通知手段を備え、
前記入力判断手段は、前記時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前でないと判断された場合、前記通知手段により所定時間の経過が通知される毎に、前記入力受付手段により開始時刻の入力を受け付けたか否かを判断することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
テレビ放送を受信して録画する電子機器であって、
少なくとも録画の開始時刻や録画するチャンネルを含んだ録画予約情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が入力の受け付けを開始したのに基づいて、所定時間の周期タイマーを起動し、所定時間の経過を通知する通知手段と、
前記通知手段により所定時間の経過が通知される毎に、入力受付手段により開始時刻及びチャンネルの双方の入力を受け付けたか否かを判断する入力判断手段と、
前記入力判断手段により開始時刻及びチャンネルの双方の入力を受け付けたものと判断された場合、前記入力受付手段により受け付けた開始時刻が現在時刻より以前であるか否かを判断する時刻判断手段と、
前記時刻判断手段により開始時刻が現在時刻よりも以前であると判断された場合、前記入力受付手段により受け付けたチャンネルに基づいてバックグラウンドで録画処理を開始する録画開始手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−152831(P2009−152831A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328505(P2007−328505)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】