説明

電子機器

【課題】夜間や暗い所でも調整等の作業を効率的に行うことができ、且つ、部品点数を増加させることなく無駄な電力消費を抑えることができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、開口部を有する筐体1と、前記開口部を開閉可能な蓋2と、電子回路と、照度センサー3と、機器稼働中は常時点灯するパイロットランプ用LED4と、前記電子回路を調整するための操作部(ボリューム6、スイッチ7)と、前記操作部を照明するための照明用LEDとを備える。蓋2が閉じている状態である場合には、前記照明用LEDが消灯し、蓋2が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記照明用LEDが消灯し、蓋2が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合には、前記照明用LEDが点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、開口部を有する筐体と、前記開口部を開閉可能な蓋とを備え、前記筐体が電子回路を内部に収納する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なブースターは、開口部を有する筐体と、前記開口部を開閉可能な蓋とを備え、前記筐体が電子回路を内部に収納する構成であって、設置時や保守点検時に前記電子回路の調整等の作業が行われる。
【0003】
当該調整等の作業は夜間や暗い所で行われることがある。この場合、視認性が悪く手探りで作業を行うことが多く、作業性が悪くなる。懐中電灯やヘッドランプを用いることにより視認性を改善することができるが、作業員が作業現場に携行する装備に懐中電灯やヘッドランプを加えなければならず、装備が増加する。また、懐中電灯を用いる場合、作業員が片手で懐中電灯を持ち、もう一方の手で作業を行わなければならないため、視認性が改善されても作業性の大幅な向上は見込めない。
【0004】
このような問題点を解決することができる中継増幅器(ブースター)が特許文献1で提案されている。特許文献1で提案されている中継増幅器(ブースター)は、蓋が開放されると、前記蓋が開放されたことを検知手段が検知し、照明手段が点灯し、筐体内部を照明する構成であるので、夜間や暗い所で調整等の作業を行う場合でも、手探りで作業を行う必要がなく、しかも懐中電灯等を手にもって作業員が作業をする必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0005】
また、特許文献1で提案されている中継増幅器(ブースター)は、さらに、中継増幅器(ブースター)の前記筐体内に光センサーと制御手段を設け、前記蓋が開放されたことを前記検知手段が検知し、且つ、前記光センサーが光を非検知のときにのみ前記制御手段が前記照明手段を作動させることにより、昼間に作業を行う場合即ち照明する必要がない場合に前記照明手段が点灯することを防止し、無駄な電力消費を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−64417号公報(要約、段落0008、及び段落0009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で提案されている中継増幅器(ブースター)は、無駄な電力消費を抑えるために、蓋が開放されたことを検知する検知手段とは別に光センサーを設ける構成であるので、無駄な電力消費を抑えるために部品点数の増加が必要であるという課題を有している。
【0008】
このような課題は、ブースターに限らず、開口部を有する筐体と、前記開口部を開閉可能な蓋とを備え、前記筐体が電子回路を内部に収納する電子機器全般に共通する課題である。
【0009】
本発明は、上記の状況に鑑み、夜間や暗い所でも調整等の作業を効率的に行うことができ、且つ、部品点数を増加させることなく無駄な電力消費を抑えることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る電子機器は、開口部を有する筐体と、前記開口部を開閉可能な蓋と、電子回路と、照度センサーと、機器稼働中は常時点灯する光源と、前記電子回路を調整するための操作部と、前記操作部を照明するための照明用光源と、前記照度センサーの出力に応じて前記照明用光源の輝度を調整する照明調整部とを備え、前記電子回路、前記光源、前記照度センサー、前記操作部、前記照明用光源、前記照明調整部が前記筐体の内部に収納され、前記蓋が閉じている状態である場合には、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が大きくなり、前記照明調整部が前記照明用光源の輝度を低くし、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が大きくなり、前記照明調整部が前記照明用光源の輝度を低くする構成(第1の構成)とする。
【0011】
また、無駄な電力消費を極力抑える観点から、上記構成の電子機器において、前記蓋が閉じている状態である場合には、前記照明調整部が前記照明用光源を消灯させ、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記照明調整部が前記照明用光源を消灯させる構成(第2の構成)とすることが望ましい。
【0012】
また、機器周囲が暗い状況下で作業者が前記光源から照射された光をまぶしいと感じその光が作業の妨げになると感じることを防止する観点から、上記いずれかの構成の電子機器において、前記照度センサーの出力に応じて前記光源の輝度を調整する調整部を備え、前記調整部が前記筐体の内部に収納され、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合には、前記蓋が閉じている状態である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が小さくなり、前記調整部が前記光源の輝度を低くすることが望ましい。
【0013】
また、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に、前記照度センサーによって検知される照度が前記照明用光源から照射された光の影響を受けて変動することを確実に防止する観点から、上記第1または第2の構成の電子機器において、前記蓋が開いている状態において前記照明用光源から照射された光が前記照度センサーに入射することを防止する部材を前記筐体の内部に設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る電子機器は、開口部を有する筐体と、前記開口部を開閉可能な蓋と、電子回路と、照度センサーと、機器稼働中は常時点灯する光源と、前記電子回路を調整するための操作部と、前記操作部を照明するための照明用光源と、前記照度センサーの出力に応じて前記照明用光源の輝度を調整する照明調整部とを備え、前記電子回路、前記光源、前記照度センサー、前記操作部、前記照明用光源、前記照明調整部が前記筐体の内部に収納され、前記蓋が閉じている状態である場合には、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が大きくなり、前記照明調整部が前記照明用光源の輝度を低くし、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が大きくなり、前記照明調整部が前記照明用光源の輝度を低くする構成である。
【0015】
このような構成によると、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合には、前記照明用光源の輝度が高くなるので、夜間や暗い所でも調整作業を効率的に行うことができる。
【0016】
また、このような構成によると、特許文献1で提案されている中継増幅器(ブースター)のように蓋が開放されたことを検知する検知手段と光センサーとを別個に設ける構成にはならず、尚かつ、前記蓋が閉じている状態である場合、及び、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記照明用光源の輝度が低くなるので、部品点数を増加させることなく無駄な電力消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るブースターの概略構成例を示す正面図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの要部ブロック図である。
【図3】図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの概略動作を示すフローチャートである。
【図4】図1を蓋が閉じている状態にした場合のAA部分断面図である。
【図5】図1のAA部分断面図である。
【図6】図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの他の要部ブロック図である。
【図7】図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの他の概略動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明は、開口部を有する筐体と、前記開口部を開閉可能な蓋とを備え、前記筐体が電子回路を内部に収納する電子機器全般に適用することができるが、ここでは、当該電子機器の一例であるブースターに本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0019】
<<本発明の一実施形態に係るブースターの概略構成>>
まず、本発明の一実施形態に係るブースターの概略構成について図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るブースターの概略構成例を示す正面図であって、ブースターの蓋が開いている状態を図示している。図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターは、開口部を有する筐体1と、前記開口部を開閉可能な蓋2とを備える。筐体1の下面からは各種端子T1〜T4が突出している。
【0020】
筐体1は、電子回路(図示せず)と、照度センサー3と、パイロットランプ用LED(Light Emitting Diode)4と、照明用LED5(図2参照)と、前記電子回路を調整するための操作部を構成するボリューム6及びスイッチ7と、照度判定部11(図2参照)と、パイロットランプ用LED駆動部12(図2参照)と、照明用LED駆動部13(図2参照)とが実装されている電子回路基板8を内部に収納している。前記電子回路は、例えば、増幅回路や、ブースターの動作状態をチェックしそのチェックした情報を外部に伝送するためのステータスモニタ回路を含むようにしてもよい。ボリューム6は、例えば、下り信号や上り信号のレベル、チルト特性等を調整するための調整ボリュームである。スイッチ7は、例えば、下り信号、上り信号の減衰量を切り換える切換スイッチである。
【0021】
また、筐体1は、シールド板9も内部に収納している。シールド板9は、電子回路基板8に対向するように電子回路基板8と蓋2との間に設けられる。シールド板9には、照度センサー3、パイロットランプ用LED4、ボリューム6、及びスイッチ7に対応する位置に開口部が設けられている。
【0022】
一方、蓋2には、蓋2が閉じている状態で照度センサー3及びパイロットランプ用LED4の周囲を囲む遮光板10が設けられている。
【0023】
<<本発明の一実施形態に係るブースターの概略動作>>
次に、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの概略動作について図2〜図5を参照して説明する。図2は、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの要部ブロック図である。なお、図2(a)は蓋2が閉じている状態を示しており、図2(b)は蓋2が開いている状態を示している。図3は、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの概略動作を示すフローチャートである。図4は、図1を蓋2が閉じている状態にした場合のAA部分断面図である。図5は、図1のAA部分断面図である。
【0024】
図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの稼働中、パイロットランプ用LED駆動部12は、パイロットランプ用LED4に駆動電流を供給してパイロットランプ用LED4を駆動する(図2参照)。これにより、パイロットランプ用LED4は、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの稼働中、常時点灯する。
【0025】
また、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターに電源が投入され、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターが稼動すると、図3に示すフロー動作が開始される。図3に示すフロー動作が開始されると、照度判定部11(図2参照)は、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。照度判定部11は、例えば、内蔵メモリに前記所定値を予め記憶しているMCU(Micro Controller Unit)で構成してもよく、また、例えば、前記所定値に対応する定電圧を出力する定電圧源と、照度センサー3の出力と前記定電圧源の出力とを比較するコンパレータとで構成してもよい。
【0026】
照度センサー3によって検知された照度が所定値以上でなければ(ステップS10のNO)、照度判定部11は、照明用LED駆動部13が照明用LED5に駆動電流を供給して照明用LED5を駆動するように、照明用LED駆動部13を制御し(ステップS30)、その後ステップS10に戻る。これにより、照明用LED5が点灯する。
【0027】
一方、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上であれば(ステップS10のYES)、照度判定部11は、照明用LED駆動部13が照明用LED5を駆動しないように、照明用LED駆動部13を制御し(ステップS20)、その後ステップS10に戻る。これにより、照明用LED5が消灯する。
【0028】
<蓋2が閉じている状態での動作>
蓋2が閉じている状態においては、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの稼働中常時点灯するパイロットランプ用LED4から照射された光が、蓋2の内面で反射し、照度センサー3の検知部に入射する(図2(a)及び図4参照)。この場合に照度センサー3によって検知された照度が所定値以上であるようにし、蓋2が閉じているときにはブースターの周囲の明るさに関係なく照明用LED5が消灯するようにする。このような動作により、蓋2が閉じている状態において照明用LED5が点灯することを防止し、無駄な電力消費を抑えることができる。なお、蓋2の内面の反射位置(蓋2が閉じている状態においてパイロットランプ用LED4から照射された光が反射する位置)に、光の反射率が高い反射板を設けるようにしていもよい。また、パイロットランプ用LED4から照射された光の一部は蓋2を透過するように蓋2に表示窓(不図示)を設け、パイロットランプ用LED4の点灯をブースターの外部から視認できるようにしてもよい。
【0029】
<蓋2が開いている状態でブースターの周囲が暗いときの動作>
蓋2が開いている状態においては、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの稼働中常時点灯するパイロットランプ用LED4から照射された光が、蓋2で反射しないため、照度センサー3の検知部に入射しない(図2(b)及び図5参照)。そして、ブースターの周囲が暗いときは、照度センサー3の検知部に入射する外乱光の輝度が低いので、照度センサー3によって検知された照度が所定値未満になり、照明用LED5が点灯する。このような動作により、蓋2が開いている状態でブースターの周囲が暗いときは、照明用LED5の点灯でボリューム6およびスイッチ7が照明されるので、夜間や暗い所でも調整等の作業を効率的に行うことができる。
【0030】
なお、照度センサー3及びパイロットランプ用LED4を囲む遮光板14が電子回路基板8に設けられている。蓋2が開いている状態において照明用LED5から照射された光が照度センサー3の検知部に入射することを、シールド板9及び遮光板14によって防止している。
【0031】
仮に、遮光板14を設けずに、蓋2が開いている状態において照度センサー3の検知部に照明用LED5から照射された光が入射可能な構成にすることを考えると、蓋2が開いている状態でブースターの周囲が暗いとき、照明用LED5から照射された光が照度センサー3の検知部に入射して、その結果照明用LED5が消灯し、その後、照明用LED5から光が照射されなくなり、その結果照明用LED5が点灯するというサイクルが繰り返されるおそれがある。このようなサイクルの発生を確実に防止するために、本実施形態では遮光板14を設けている。
【0032】
<蓋2が開いている状態でブースターの周囲が明るいときの動作>
蓋2が開いている状態においては、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの稼働中常時点灯するパイロットランプ用LED4から照射された光が、蓋2で反射しないため、照度センサー3の検知部に入射しない(図2(b)及び図5参照)。そして、ブースターの周囲が明るいときは、照度センサー3の検知部に入射する外乱光の輝度が高いので、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上になり、照明用LED5が消灯する。このような動作により、蓋2が開いている状態でブースターの周囲が明るいときは、照明用LED5が点灯することを防止し、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0033】
<<その他>>
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【0034】
例えば、無駄な電力消費の抑制効果は若干劣ることになるが、図3中のステップS20において、照明用LED5を消灯させるのではなく、ステップS30での輝度よりも低い輝度で照明用LED5を点灯させるようにしてもよい。
【0035】
また、上述した図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターにおいては、ブースターの周囲が暗い状況下で蓋2を開けボリューム6やスイッチ7を操作して調整等の作業を行うときに、作業者がパイロットランプ用LED4から照射された光をまぶしいと感じその光が作業の妨げになると感じることがあった。
【0036】
そこで、例えば、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの要部ブロックを図2から図6に変更し、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの概略動作を図3から図7に変更してもよい。なお、図6(a)は蓋2が閉じている状態を示しており、図6(b)は蓋2が開いている状態を示している。当該変更後の概略動作について以下に説明する。
【0037】
図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターに電源が投入され、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターが稼動すると、パイロットランプ用LED駆動部12がパイロットランプ用LED4に駆動電流を供給してパイロットランプ用LED4を駆動した上で(図6参照)、図7に示すフロー動作が開始される。図7に示すフロー動作が開始されると、照度判定部11(図6参照)は、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。
【0038】
照度センサー3によって検知された照度が所定値以上でなければ(ステップS10のNO)、照度判定部11は、照明用LED駆動部13が照明用LED5に駆動電流を供給して照明用LED5を駆動するように、照明用LED駆動部13を制御し、さらに、パイロットランプ用LED駆動部12がパイロットランプ用LED4を駆動しないように、パイロットランプ用LED駆動部12を制御し(ステップS35)、その後ステップS10に戻る。これにより、照明用LED5が点灯し、図1に示す本発明の一実施形態に係るブースターの稼働中に常時点灯するパイロットランプ用LED4が例外的に消灯する。
【0039】
一方、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上であれば(ステップS10のYES)、照度判定部11は、照明用LED駆動部13が照明用LED5を駆動しないように、照明用LED駆動部13を制御し、さらに、パイロットランプ用LED駆動部12がパイロットランプ用LED4に駆動電流を供給してパイロットランプ用LED4を駆動するように、パイロットランプ用LED駆動部12を制御し(ステップS25)、その後ステップS10に戻る。これにより、照明用LED5が消灯し、パイロットランプ用LED4が点灯する。
【0040】
このような動作によると、ブースターの周囲が暗い状況下で蓋2を開けボリューム6やスイッチ7を操作して調整等の作業を行うときに、パイロットランプ用LED4が点灯しないので、作業者がパイロットランプ用LED4から照射された光をまぶしいと感じることがなくなる。なお、ステップS35において、パイロットランプ用LED4を消灯させるのではなく、ブースターの稼動開始時及びステップS25での輝度よりも低い輝度でパイロットランプ用LED4を点灯させるようにしてもよい。また、ステップS25において、照明用LED5を消灯させるのではなく、ステップS35での輝度よりも低い輝度で照明用LED5を点灯させるようにしてもよい。
【0041】
上記のような変更を実施する場合、遮光板10及び14を設けないようにする。そして、蓋2が閉じている状態で照明用LED5が点灯している場合に、照明用LED5から照射された光が蓋2で反射し照度センサー3の検知部に入射し、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上となるように所定値や各部品の配置等を設定する。これにより、ブースターの周囲が暗いときに蓋2が開いている状態から閉じている状態に移行した際に、ステップS35をループする状態からステップS25をループする状態に移行することができる。また、蓋2が閉じている状態でパイロットランプ用LED4が点灯している場合に、パイロットランプ用LED4から照射された光が蓋2で反射し照度センサー3の検知部に入射し、照度センサー3によって検知された照度が所定値以上となるように所定値や各部品の配置等を設定する。これにより、ブースターの周囲が明るいときに蓋2が開いている状態から閉じている状態に移行した際に、ステップS25をループする状態を維持することができる。さらに、蓋2が開いている状態でブースターの周囲が暗いために照明用LED5が点灯している場合に、照明用LED5から照射された光の影響で照度センサー3によって検知された照度が所定値以上となることがないように所定値や各部品の配置等を設定する。これにより、蓋2が開いている状態でブースターの周囲が暗いときに、ステップ35からステップS25に移行するおそれがなくなる。
【0042】
また、本実施形態では、光源にLEDを用いたが、LED以外の光源を用いるようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、パイロットランプの光を利用して蓋の開閉を検知したが、パイロットランプ以外の光源であって尚かつ電子機器稼働中は常時点灯する光源の光を利用して蓋の開閉を検知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 筐体
2 蓋
3 照度センサー
4 パイロットランプ用LED
5 照明用LED
6 ボリューム
7 スイッチ
8 電子回路基板
9 シールド板
10 遮光板
11 照度判定部
12 パイロットランプ用LED駆動部
13 照明用LED駆動部
14 遮光板
T1〜T4 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筐体と、
前記開口部を開閉可能な蓋と、
電子回路と、
照度センサーと、
機器稼働中は常時点灯する光源と、
前記電子回路を調整するための操作部と、
前記操作部を照明するための照明用光源と、
前記照度センサーの出力に応じて前記照明用光源の輝度を調整する照明調整部とを備え、
前記電子回路、前記光源、前記照度センサー、前記操作部、前記照明用光源、前記照明調整部が前記筐体の内部に収納され、
前記蓋が閉じている状態である場合には、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が大きくなり、前記照明調整部が前記照明用光源の輝度を低くし、
前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が大きくなり、前記照明調整部が前記照明用光源の輝度を低くすることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記蓋が閉じている状態である場合には、前記照明調整部が前記照明用光源を消灯させ、
前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ以上である場合には、前記照明調整部が前記照明用光源を消灯させる請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記照度センサーの出力に応じて前記光源の輝度を調整する調整部を備え、
前記調整部が前記筐体の内部に収納され、
前記蓋が開いている状態で機器周囲が所定の明るさ未満である場合には、前記蓋が閉じている状態である場合に比べて、前記照度センサーによって検知される照度が小さくなり、前記調整部が前記光源の輝度を低くする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記蓋が開いている状態において前記照明用光源から照射された光が前記照度センサーに入射することを防止する部材を前記筐体の内部に設ける請求項1または請求項2に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−160102(P2011−160102A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18836(P2010−18836)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】