電子機器
【課題】電磁波の透過性を低下させることなく、美的外観に優れる装飾板を提供する。
【解決手段】電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うアンテナ13よりも外光入射側に当該アンテナ13と重なるように配設される文字板14であって、電波透過性を有する基材14aと、この基材14aの外光入射側に配設され、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光域の全ての波長の光を反射する光反射フィルム14bとを備えている。
【解決手段】電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うアンテナ13よりも外光入射側に当該アンテナ13と重なるように配設される文字板14であって、電波透過性を有する基材14aと、この基材14aの外光入射側に配設され、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光域の全ての波長の光を反射する光反射フィルム14bとを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計、携帯電話機などの各種の電子機器に適用される装飾板及びこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、腕時計等に備わる文字板等の装飾板としては、より装飾性に優れた高級感のあるもの、例えば金属感を備えるものなどが好まれている。
ところで、文字板に金属感を備えさせる方法として、金属蒸着やメタリック印刷又は塗装等が知られている。しかしながら、かかる方法により形成される文字板では、電波を通過させることが困難となるために、電波を用いて外部通信機器に情報を送信したり外部通信機器から送信された情報を受信するためのアンテナを配置しても、情報の送信や受信を適正に行うことができないといった問題がある。
そこで、文字板として、プラスチックなどの非導電性、且つ、非磁性の材料から形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、腕時計として、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を搭載し、当該太陽電池により発電された電力により駆動するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−3675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1等の場合、文字板等の装飾板に高級感を備えさせることができず、腕時計等の電子機器の高級感の向上を図ることができないといった問題がある。
また、太陽電池を搭載する腕時計等の場合、文字板の一部を切り欠き、この切り欠かれた部分に太陽電池がその表面を露出させるように搭載されるため、文字板の装飾性が低下してしまうといった問題もある。一方、文字板を切り欠かずに当該文字板の外光入射側と反対側に太陽電池を配設することも考えられるが、この場合には、太陽電池による発電をより効率良く行うことができるように当該太陽電池による受光を遮らない光透過性を有する文字板を配設する必要があるため、文字板に高級感を備えさせることが困難となる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、電磁波の透過性を低下させることなく、美的外観に優れる装飾板及びこれを備える電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図2のアンテナ13等)よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板(例えば、図2の文字板14等)であって、
電波透過性を有する基材(例えば、図2の基材14a等)と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図2の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図4のアンテナ13等)よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板(例えば、図4の文字板114等)であって、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材(例えば、図4の基材14a等)と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図4の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の装飾板において、
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図5の光屈折部b1)が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の装飾板において、
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図6の光屈折部a1)が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図2のアンテナ13等)と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図2の文字板14等)と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有する基材(例えば、図2の基材14a等)と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図2の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図4のアンテナ13等)と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図4の文字板114等)と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材(例えば、図4の基材14a等)と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図4の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の電子機器において、
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図5の光屈折部b1)が形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の電子機器において、
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図6の光屈折部a1)が形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8の何れか一項に記載の電子機器において、
前記装飾板は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過し、
前記装飾板と前記通信素子との間に、前記装飾板を透過した赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)が設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載の発明の電子機器(例えば、図8の腕時計200等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図8の時計ケース2)と、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図8の文字板14)と、を備え、
前記装飾板は、
光透過性を有する基材(例えば、図8の基材14a)と、
この基材の外光入射側に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図8の光反射フィルム14b)とを備えることを特徴としている。
【0017】
請求項11に記載の発明の電子機器(例えば、図8の腕時計200等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図8の時計ケース2)と、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図10の文字板114)と、を備え、
前記装飾板は、
透明若しくは半透明に形成された光透過性を有する基材(例えば、図10の基材14a)と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図10の光反射フィルム14b)とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、光反射フィルムは、通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、光反射フィルムの外光入射側と反対側に配設された基材は、光反射フィルムを透過した電波を透過するので、当該装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、基材は電波透過性を有し、さらに、基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムは、基材を透過した通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するので、当該装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材を透過することとなるので、通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、光反射フィルムに光屈折部が形成されているので、当該光屈折部に対して光が斜めに入射することで可視光の一部の波長の光が光屈折部を透過することとなり、これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、基材に光屈折部が形成されているので、当該光屈折部を透過した光が光反射フィルムに対して斜めに入射することとなって、可視光の一部の波長の光が光反射フィルムを透過することとなる。これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、光反射フィルムは通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、光反射フィルムの外光入射側と反対側に配設された基材は、光反射フィルムを透過した電波を透過するので、装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。これにより、機器ケースを金属製としても通信素子による通信を適正に行うことができる。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、基材は電波透過性を有し、さらに、基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムは、基材を透過した通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するので、装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材を透過することとなるので、通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5又は6に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、光反射フィルムに光屈折部が形成されているので、当該光屈折部に対して光が斜めに入射することで可視光の一部の波長の光が光屈折部を透過することとなり、これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、基材に光屈折部が形成されているので、当該光屈折部を透過した光が光反射フィルムに対して斜めに入射することとなって、可視光の一部の波長の光が光反射フィルムを透過することとなる。これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5〜8に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、装飾板は赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するので、太陽電池よりも外光入射側に装飾板を配設しても、当該装飾板によって太陽電池による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池による発電を効率良く行うことができる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、光反射フィルムは太陽電池により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過して、さらに、光反射フィルムの外光入射側と反対側に配設された基材は、光反射フィルムを透過した光を透過するので、太陽電池よりも外光入射側に装飾板を配設しても、当該装飾板によって太陽電池による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池による発電を効率良く行うことができる。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって太陽電池が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、基材は光透過性を有し、さらに、基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムは、基材を透過した太陽電池により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するので、太陽電池よりも外光入射側に装飾板を配設しても、当該装飾板によって太陽電池による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池による発電を効率良く行うことができる。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射して、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材を透過することとなるので、太陽電池が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用した実施形態1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線における要部の拡大断面図である。
【図3】図1の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図4】変形例1の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図5】変形例2の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図6】変形例3の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図7】変形例4の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図8】本発明を適用した実施形態2の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。
【図9】図8の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図10】変形例5の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図11】変形例6の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図12】変形例7の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図13】変形例8の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図14】本発明を適用した実施形態3の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。
【図15】図14の腕時計に備わる無線モジュールを示す平面図(a)及び底面図(b)である。
【図16】変形例9の腕時計の要部の拡大断面図である。
【図17】本発明を適用した実施形態4の電子機器として例示する腕時計を示す平面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線における要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0031】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線における要部の拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、実施形態1の腕時計100には、時計計時部1を内部に収納する機器ケースとしての時計ケース2が備えられ、この時計ケース2の時計計時部1を挟んだ両端部、即ち、時計ケース2の当該腕時計100における12時方向側及び6時方向側のそれぞれの端部には、当該時計ケース2を手首に装着するためのバンド部材3がバンド軸(図2においては、6時方向側の端部のバンド軸31のみを図示する。)31を介して取付けられている。
【0032】
時計ケース2の上部中央には、その開口を塞ぐようにパッキン4を介して時計ガラス5が装着され、さらに、時計ケース2の上部外周にはベゼル6が配設されている。
また、時計ケース2の下面には、防水リング7を介して裏蓋8が取付けられており、裏蓋8と時計計時部1との間には、緩衝部材9が設けられている。
さらに、時計ケース2の外周部には、当該腕時計100の各種機能の実行を指示するスイッチ10が設けられている(図1参照)。
【0033】
時計計時部1は、図2に示すように、アナログ指針機構11を備える上部ハウジング1Aと、この上部ハウジング1Aよりも外光入射側(図2における上側)と反対側(図2における下側)に配設された下部ハウジング1Bとを備えて構成されている。
【0034】
下部ハウジング1Bには、アナログ指針機構11等の当該腕時計100の各部を動作させるための電池(図示略)が組み込まれている。下部ハウジング1Bと上部ハウジング1Aとの間には、回路基板12が配置され、この回路基板12には、通信素子としてのアン
テナ13が配設されている。
上部ハウジング1Aの上面には、文字板14が配置され、この文字板14の上面に枠状部材15が配置されている。
文字板14、上部ハウジング1A、回路基板12及び下部ハウジング1Bは、時計ケース2の中枠2Aに取付けられた構造となっている。
【0035】
アンテナ13は、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うものである。具体的には、例えば、アンテナ13は、電波時計用のものであっても良いし、RF−ID(Radio Frequency Identification)システムを構成するデータキャリアモジュール用のものであっても良い。
【0036】
文字板14は、基材14aと、この基材14aの外光入射側の面に貼設され、文字等を表す装飾部141が印刷等により成形された光反射フィルム14bとを備えている。
基材14aは、例えば、プラスチック、ガラス、セラミック等から形成され、電波透過性を有するものである。
光反射フィルム14bは、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するように所定の高分子材料から構成されている。具体的には、光反射フィルム14bは、例えば、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等からなる2種類の薄層が交互に積層され、可視光(例えば、420〜800[nm])を反射するように隣合う薄層どうしの境界面にて可視光域の所定の波長の光を反射するものである。即ち、複数の薄層は、隣合う2種類の薄層を一組とし、各組を構成する各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定され、さらに、各組を可視光域の異なる波長の光に対応させることにより可視光域の全ての波長の光を反射することができるようになっている。これにより、光反射フィルム14bの表面は、鏡面のような状態となって、当該文字板14に金属感を備えさせることができる。
【0037】
以下に、文字板14の電磁波の透過状態について図3を参照して説明する。ここで、図3は、文字板14の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
図3に示すように、所定の外部通信機器から送信され、文字板14に対して腕時計100の外光入射側から入射される電波信号は、光反射フィルム14b及び基材14aを透過して、基材14aよりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで達することとなる一方で、アンテナ13から送信される電波信号は文字板14を透過して当該腕時計100の外部に出力されることとなる。
また、腕時計100に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光(例えば、赤外線や紫外線など)は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過するようになっている。
このように、上記構成の文字板14は、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波と可視光以外の光を透過するとともに、可視光を反射するようになっている。
【0038】
また、文字板14には、基材14a及び文字板14を上下に貫通して、アナログ指針機構11の指針軸が挿通される軸孔142が形成されている。
【0039】
アナログ指針機構11は、文字板14の軸孔142からその上方に延びる指針軸11aと、この指針軸11aに取付けられた時針、分針などの指針と、文字板14の上方にて指針11bを指針軸11aを中心として運針する運針機構部11cとを備えて構成されている。
【0040】
枠状部材15は、例えば、合成樹脂で形成され、平面視略円形状をなす時計ケース2の内周面部に沿うように略環状に形成された部材である。また、枠状部材15は、その下端面を文字板14の周縁部の上面に当接させるとともに、当該枠状部材15の上端面を時計ガラス5の下面にほぼ当接させるようにして、時計ケース2の内周面に装着されている(図2参照)。
【0041】
以上のように、実施形態1の腕時計100によれば、光反射フィルム14bは、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、光反射フィルム14bの外光入射側と反対側に配設された基材14aは、光反射フィルム14bを透過した電波を透過するので、文字板14をアンテナ13よりも外光入射側に配設しても、当該アンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。これにより、時計ケース2を金属製としてもアンテナ13による通信を適正に行うことができる。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによってアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計100の美的外観をより向上させることができる。
【0042】
<変形例1>
なお、上記実施形態1では、文字板14として基材14aの外光入射側の面に光反射フィルム14bが配設されたものを例示したが、例えば、光反射フィルム14bが基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されたものであっても良い(図4参照)。
即ち、図4に示すように、変形例1の腕時計には、電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材14aの外光入射側と反対側の面に光反射フィルム14bが配設された文字板114が設けられている。
そして、かかる場合、文字板114に対して腕時計の外光入射側から入射された電波は、上記実施形態1と同様に、文字板114を透過して、当該文字板114よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで達することとなる一方で、アンテナ13から送信される電波信号は文字板114を透過して当該腕時計の外部に出力されることとなる。
また、腕時計に入射される光のうち、可視光は文字板114の基材14aを透過して光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板114を透過するようになっている。
【0043】
なお、基材14aの外光入射側の所定位置には、装飾部141が設けられている。
【0044】
従って、変形例1の腕時計によれば、基材14aは電波透過性を有し、さらに、基材14aの外光入射側と反対側に配設された光反射フィルム14bは、基材14aを透過したアンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するので、文字板114をアンテナ13よりも外光入射側に配設しても、当該アンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材14aを透過することとなるので、文字板114に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、アンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板114を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
【0045】
<変形例2>
変形例2の腕時計の文字板214は、入射される光を所定方向に所定角度屈折させるような形状の光屈折部b1が形成された光反射フィルム214bを備えている(図5(a)及び図5(b)参照)。
光屈折部b1は、例えば、光反射フィルム214bの所定位置に凹凸加工が施されることで形成されるものである。この光屈折部b1の表面に対して斜めに可視光が入射する場合、当該可視光の入射方向に沿った光屈折部b1の各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4よりも大きく、このために、可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなる。
なお、光屈折部b1を有する光反射フィルム214bは、図5(a)に示すように、基材14aの外光入射側の面に配設されても良いし、図5(b)に示すように、基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されても良い。
【0046】
また、図5(b)に示す腕時計にあっては、基材14aの外光入射側と反対側の面の所定位置には装飾部141が設けられ、当該基材14aの外光入射側と反対側の面を被覆するように光反射フィルム214bが貼設されている。
【0047】
従って、変形例2の腕時計によれば、光反射フィルム214bに対して斜めに光が入射することで可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなり、これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板214をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0048】
<変形例3>
変形例3の腕時計の文字板314は、入射される光を所定方向に所定角度屈折させるような形状の光屈折部a1が形成された基材314aを備えている(図6(a)及び図6(b)参照)。
光屈折部a1は、図6(a)に示すように、基材314aの外光入射側の面に形成されても良いし、図6(b)に示すように、基材314aの外光入射側と反対側の面に形成されても良い。
また、光屈折部a1は、例えば、基材314aの所定位置に所定の凹凸加工が施されることで形成されるものである。
【0049】
従って、変形例3の腕時計によれば、基材314aの光屈折部a1を透過した光が光反射フィルム14bに対して斜めに入射することとなって、可視光域の一部の波長の光が光反射フィルム14bを透過することとなる。これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板314をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0050】
<変形例4>
上記実施形態1並びに変形例1〜3では、回路基板12に通信素子としてのアンテナ13のみが配設されたものを例示したが、アンテナ13に加えて赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を検出するためのセンサ16(受光素子)が配設されていても良い(図7参照)。
かかる場合、文字板14に対して腕時計の外光入射側から入射された光のうち、可視光以外の光は、文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過してセンサ16に入射されるようになっている。
【0051】
従って、変形例4の腕時計によれば、文字板14を透過した赤外線又は紫外線がセンサ16により受光されることとなって、当該センサ16により赤外線及び紫外線の検出を効率良く行うことができる。
【0052】
[実施形態2]
以下に、実施形態2の腕時計200について図8及び図9を参照して説明する。
ここで、図8は、本発明を適用した実施形態2の電子機器として例示する腕時計200の要部の拡大断面図であり、図9は、腕時計200に備わる文字板14及び太陽電池17の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
なお、実施形態2の腕時計200は、太陽電池17を備える以外の点では上記実施形態1と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0053】
図8に示すように、実施形態2の腕時計200には、アンテナ13と文字板14との間に、外光入射側から見て当該文字板14と重なるように太陽電池17が配設されている。
太陽電池17は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電するように構成されている。具体的には、例えば、赤外線領域の波長の光を受光することにより効率良く発電する結晶系シリコン太陽電池や、紫外線領域の波長の光を受光することにより効率良く発電する、酸化亜鉛半導体と銅アルミ酸化物半導体とを接合してなる太陽電池等が知られている。
なお、太陽電池17により発電された電力は、二次電池(図示略)に充電され、この二次電池に充電した電力が腕時計200の電力として使用されるようになっている。
【0054】
次に、図9を参照して文字板14及び太陽電池17の電磁波の透過状態について説明する。
図9に示すように、文字板14に対して腕時計200の外光入射側から入射された電磁波のうち、電波は文字板14を構成する光反射フィルム14b及び基材14aを透過し、さらに、太陽電池17を透過して、アンテナ13まで達するようになっている。一方、腕時計200に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光(例えば、赤外線や紫外線など)は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
【0055】
以上のように、実施形態2の腕時計200によれば、光反射フィルム14bは太陽電池17により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過して、さらに、光反射フィルム14bの外光入射側と反対側に配設された基材14aは、光反射フィルム14bを透過した光を透過するので、太陽電池17よりも外光入射側に文字板14を配設しても、当該文字板14によって太陽電池17による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。また、文字板14及び太陽電池17は電波を透過するので、これら文字板14及び太陽電池17よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
さらに、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、光反射フィルム14bによって太陽電池17及びアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計200の美的外観をより向上させることができる。
【0056】
<変形例5>
変形例5の腕時計の文字板114は、光反射フィルム14bが基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されている(図10参照)。
即ち、図10に示すように、変形例5の腕時計には、光反射フィルム14bが電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材14aの外光入射側と反対側の面に配設された文字板114が設けられている。
そして、文字板114に対して腕時計の外光入射側から入射された電波は、上記実施形態2と同様に、文字板114を透過し、さらに、太陽電池17を透過してアンテナ13まで達するようになっている。一方、腕時計に入射される光のうち、可視光は文字板114の基材14aを透過して光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板114を透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
【0057】
従って、変形例5の腕時計によれば、上記実施形態2と同様に、文字板114よりも外光入射側と反対側に太陽電池17を配設しても、太陽電池17による受光が文字板14によって妨げられることがなく、太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。また、文字板114及び太陽電池17よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
さらに、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板114に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、光反射フィルム14bによって太陽電池17及びアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板114を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
【0058】
<変形例6>
変形例6の腕時計の文字板214は、光屈折部b1が形成された光反射フィルム214bを備えている(図11(a)及び図11(b)参照)。
光屈折部b1を有する光反射フィルム214bは、図11(a)に示すように、基材14aの外光入射側の面に配設されても良いし、図11(b)に示すように、基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されても良い。
【0059】
また、文字板214の外光入射側と反対側には、例えば、赤外線及び紫外線のうちの何れか一方に加えて、可視光域の所定の波長の光を受光して発電するように構成された太陽電池17が配設されている。
【0060】
従って、変形例6の腕時計によれば、光反射フィルム214bに対して斜めに光が入射することで可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなる。これにより、光反射フィルム214bの色調を変化させることができ、当該文字板214をより装飾性に優れたものとすることができるとともに、太陽電池17は、文字板214を透過した赤外線及び紫外線に加えて可視光域の波長の光を利用して発電することができ、当該太陽電池17による発電効率を高めることができる。
【0061】
<変形例7>
変形例7の腕時計の文字板314は、光屈折部a1が形成された基材314aを備えている(図12(a)及び図12(b)参照)。
光屈折部a1は、図12(a)に示すように、基材314aの外光入射側の面に形成されても良いし、図12(b)に示すように、基材314aの外光入射側と反対側の面に形成されても良い。
【0062】
また、文字板314の外光入射側と反対側には、変形例6の太陽電池17と略同様の機能を有する太陽電池17が配設されている。
【0063】
従って、変形例7の腕時計によれば、基材314aの光屈折部a1を透過した光が光反射フィルム14bに対して斜めに入射することとなって、可視光域の一部の波長の光が光反射フィルム14bを透過することとなる。これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板314をより装飾性に優れたものとすることができるとともに、太陽電池17は文字板314を透過した可視光域の波長の光を利用して発電することができ、当該太陽電池17による発電効率を高めることができる。
【0064】
<変形例8>
上記実施形態2並びに変形例5〜7では、回路基板12に通信素子としてのアンテナ13が配設されたものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、アンテナ13が配設されていない腕時計であっても良い(図13(a)及び図13(b)参照)。
かかる場合、文字板14に対して腕時計の外光入射側から入射された光のうち、可視光は、文字板14の光反射フィルム14bにて反射され、一方、可視光以外の光は、文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
【0065】
従って、変形例8の腕時計によれば、光反射フィルム14bは太陽電池17により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過して、さらに、光反射フィルム14bの外光入射側と反対側に配設された基材14aは、光反射フィルム14bを透過した光を透過するので、太陽電池17よりも外光入射側に文字板14を配設しても、当該文字板14によって太陽電池17による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。
また、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによって太陽電池17が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
【0066】
[実施形態3]
以下に、実施形態3の腕時計300について図14及び図15を参照して説明する。
ここで、図14は、本発明を適用した実施形態3の電子機器として例示する腕時計300の要部の拡大断面図である。
なお、実施形態3の腕時計300は、アンテナ13の代わりに無線モジュール18を備える以外の点では上記実施形態1及び実施形態2と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0067】
図14に示すように、実施形態3の腕時計300は、その時計ケース2内の文字板14よりも外光入射側と反対側に設けられ、外部通信機器(図示略)との間で電波により情報の送受信を行うための無線モジュール(通信素子)18を備えている。
【0068】
以下に、無線モジュール18について図15を参照して説明する。
ここで、図15(a)は、無線モジュール18の枠状部181の外光入射側を示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)の無線モジュール18の裏側、即ち、枠状部181の外光入射側と反対側を示す底面図である。
【0069】
図15に示すように、無線モジュール18は、例えば、平面視略環状に形成されてなる枠状部181と、この枠状部181の外周の一端部から延出して形成されたリード部182とを有するフレキシブル基板183を備えている。
【0070】
枠状部181は、時計ケース2に時計ガラス5が取付けられている開口の内部形状に応じた形状に形成されている。即ち、枠状部181は、その外周部が平面視略円形状をなす時計ケース2に時計ガラス5が取付けられている開口の内周面部に沿うような略円環状に形成されている。そして、枠状部181のほぼ全面には、その表裏面に亘って略渦巻き状にコイルが配線され、外部通信機器との間で情報の送受信を行うためのアンテナ18Aが設けられている。
【0071】
リード部182は、その枠状部181と反対側となる部分の裏面に、アンテナ18Aと電気的に接続されたICチップ184と、所定数(図15(b)には、3つ図示)のコンデンサ185と、ICチップ184と接続線を介して接続され、当該ICチップ184と回路基板12とを電気的に接続するための所定数(図15(b)には、5つ図示)の接続端子186が配設されている。
さらに、リード部182は、その枠状部181側の端部が枠状部181に対し略直角となるように第一折曲部182aにて時計ケース2の奥側に折り曲げられ、また、第一折曲部182aよりも先端側が、枠状部181と対向するように第二折曲部182bにて時計ケース2の中心側に折り曲げられており、時計ケース2内に配設された状態で全体として断面略コ字状となるように形成されている(図14参照)。
【0072】
また、接続端子186と回路基板12の端子接続部(図示略)とは、下部ハウジング1Bの回路基板12側の面に形成された座ぐり部19内に収容された抑え板20によって接続端子186が下側から回路基板12側に押圧されることにより電気的に接続されている(図14参照)。
なお、この際の押圧力は、抑え板20の板厚や座ぐり部19の深さによって調整可能となっている。
【0073】
上記構成によれば、文字板14に対して腕時計300の外光入射側から入射される電波信号は、文字板14を構成する光反射フィルム14b及び基材14aを透過して、文字板14よりも外光入射側と反対側に配設された無線モジュール18のアンテナ18Aまで達することとなる一方で、無線モジュール18のアンテナ18Aから送信される電波信号は、文字板14を透過して当該腕時計300の外部に出力されることとなる。
また、腕時計300に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射するようになっている。
【0074】
以上のように、実施形態3の腕時計300によれば、光反射フィルム14bは、無線モジュール18のアンテナ18Aにより送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、基材14aは光反射フィルム14bを透過した電波を透過するので、文字板14を無線モジュール18よりも外光入射側に配設しても、当該無線モジュール18のアンテナ18Aまで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによって無線モジュール18が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計300の美的外観をより向上させることができる。
【0075】
<変形例9>
変形例9の腕時計400は、実施形態3の腕時計300における文字板14と無線モジュール18との間に、太陽電池17が配設されている(図16参照)。即ち、太陽電池17は、その外光入射側の面を文字板14の外光入射側と反対側の面に対向させるように配設されている。
【0076】
従って、変形例9の腕時計400によれば、文字板14は赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するので、太陽電池17よりも外光入射側に文字板14を配設しても、当該文字板14によって太陽電池17による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。
【0077】
なお、上記実施形態1〜3並びに変形例1〜9にあっては、装飾板として文字板14、114、214、314を例示したが、これに限られるものではなく、所定の装飾が施されたものであれば如何なるものであっても良い。
【0078】
[実施形態4]
以下に、実施形態4の腕時計500について図17及び図18を参照して説明する。
ここで、図17は、本発明を適用した実施形態4の電子機器として例示する腕時計500を示す平面図であり、図18は、図17のXVIII−XVIII線における要部の拡大断面図である。
【0079】
図17及び図18に示すように、実施形態4の腕時計500は、時計ケース502内に時計計時部501が収納され、その時計計時部501の回路基板512に、文字板514の所定位置(例えば、12時方向側の端部)を照明するためのLED21が接続されている。
また、時計ケース502の12時方向側の端部に形成されたバンド取付部502Aには、回路基板512と接続線131を介して電気的に接続されたアンテナ13が配設されている。
具体的には、バンド取付部502Aには、アンテナ13を収納するためのアンテナ収納部521が形成され、このアンテナ収納部521の外光入射側の開口を覆うように光反射カバー部材522が配設されている。この光反射カバー部材522は、例えば、所定の樹脂に光反射フィルム14bをインサート成形することで形成されている。これにより、電波は、当該光反射カバー部材522を透過することでアンテナ13まで達するようになっており、また、可視光は光反射カバー部材522にて反射されるようになっている。
【0080】
従って、実施形態4の腕時計500によれば、光反射カバー部材522は、アンテナ13により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ13による電波信号の通信感度が低下することがない。
また、光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射するので、光反射カバー部材522に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射カバー部材522によってアンテナ13が時計ケース502の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計500を美的外観に優れたものとすることができる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態1〜4の腕時計100〜400並びに変形例1〜9の腕時計に係る光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射することができれば良い。即ち、光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522よりも外光入射側と反対側に配設されるアンテナ13、センサ16及び無線モジュール18が、時計ケース2、502の外光入射側からは見えないこととすることができれば良く、これにより、腕時計100〜400並びに変形例1〜9に係る腕時計を美的外観に優れたものとすることができる。
なお、可視光のうち、光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522により反射される所定の波長の光は、複数の薄層のうちの、隣合う2種類の薄層からなる各組の各々の薄層の厚さを目的とする所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定することで調整することができる。
【0082】
また、光反射フィルム14b、214bとして、例えば、ガラス等の所定の基材に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
また、光反射カバー部材522はインサート成形に限らず、光反射カバー部材522自体に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
【0083】
さらに、電子機器として腕時計100〜400を例示したが、これに限られるものではなく、装飾板を備える電子機器であれば如何なるものであっても良い。
【符号の説明】
【0084】
100、200、300、400、500 腕時計(電子機器)
2、502 時計ケース(機器ケース)
13 アンテナ(通信素子)
14、114、214、314 文字板(装飾板)
14a、314a 基材
14b、214b 光反射フィルム
a1、b1 光屈折部
17 太陽電池
18 無線モジュール(通信素子)
18A アンテナ
522 光反射カバー部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計、携帯電話機などの各種の電子機器に適用される装飾板及びこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、腕時計等に備わる文字板等の装飾板としては、より装飾性に優れた高級感のあるもの、例えば金属感を備えるものなどが好まれている。
ところで、文字板に金属感を備えさせる方法として、金属蒸着やメタリック印刷又は塗装等が知られている。しかしながら、かかる方法により形成される文字板では、電波を通過させることが困難となるために、電波を用いて外部通信機器に情報を送信したり外部通信機器から送信された情報を受信するためのアンテナを配置しても、情報の送信や受信を適正に行うことができないといった問題がある。
そこで、文字板として、プラスチックなどの非導電性、且つ、非磁性の材料から形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、腕時計として、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を搭載し、当該太陽電池により発電された電力により駆動するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−3675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1等の場合、文字板等の装飾板に高級感を備えさせることができず、腕時計等の電子機器の高級感の向上を図ることができないといった問題がある。
また、太陽電池を搭載する腕時計等の場合、文字板の一部を切り欠き、この切り欠かれた部分に太陽電池がその表面を露出させるように搭載されるため、文字板の装飾性が低下してしまうといった問題もある。一方、文字板を切り欠かずに当該文字板の外光入射側と反対側に太陽電池を配設することも考えられるが、この場合には、太陽電池による発電をより効率良く行うことができるように当該太陽電池による受光を遮らない光透過性を有する文字板を配設する必要があるため、文字板に高級感を備えさせることが困難となる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、電磁波の透過性を低下させることなく、美的外観に優れる装飾板及びこれを備える電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図2のアンテナ13等)よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板(例えば、図2の文字板14等)であって、
電波透過性を有する基材(例えば、図2の基材14a等)と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図2の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図4のアンテナ13等)よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板(例えば、図4の文字板114等)であって、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材(例えば、図4の基材14a等)と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図4の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の装飾板において、
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図5の光屈折部b1)が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の装飾板において、
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図6の光屈折部a1)が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図2のアンテナ13等)と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図2の文字板14等)と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有する基材(例えば、図2の基材14a等)と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図2の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明の電子機器(例えば、図1の腕時計100等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図2の時計ケース2等)と、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子(例えば、図4のアンテナ13等)と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図4の文字板114等)と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材(例えば、図4の基材14a等)と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図4の光反射フィルム14b等)とを備えることを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の電子機器において、
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図5の光屈折部b1)が形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の電子機器において、
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部(例えば、図6の光屈折部a1)が形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8の何れか一項に記載の電子機器において、
前記装飾板は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過し、
前記装飾板と前記通信素子との間に、前記装飾板を透過した赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)が設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載の発明の電子機器(例えば、図8の腕時計200等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図8の時計ケース2)と、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図8の文字板14)と、を備え、
前記装飾板は、
光透過性を有する基材(例えば、図8の基材14a)と、
この基材の外光入射側に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図8の光反射フィルム14b)とを備えることを特徴としている。
【0017】
請求項11に記載の発明の電子機器(例えば、図8の腕時計200等)は、
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケース(例えば、図8の時計ケース2)と、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池(例えば、図8の太陽電池17)と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板(例えば、図10の文字板114)と、を備え、
前記装飾板は、
透明若しくは半透明に形成された光透過性を有する基材(例えば、図10の基材14a)と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルム(例えば、図10の光反射フィルム14b)とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、光反射フィルムは、通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、光反射フィルムの外光入射側と反対側に配設された基材は、光反射フィルムを透過した電波を透過するので、当該装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、基材は電波透過性を有し、さらに、基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムは、基材を透過した通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するので、当該装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材を透過することとなるので、通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、光反射フィルムに光屈折部が形成されているので、当該光屈折部に対して光が斜めに入射することで可視光の一部の波長の光が光屈折部を透過することとなり、これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、基材に光屈折部が形成されているので、当該光屈折部を透過した光が光反射フィルムに対して斜めに入射することとなって、可視光の一部の波長の光が光反射フィルムを透過することとなる。これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、光反射フィルムは通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、光反射フィルムの外光入射側と反対側に配設された基材は、光反射フィルムを透過した電波を透過するので、装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。これにより、機器ケースを金属製としても通信素子による通信を適正に行うことができる。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、基材は電波透過性を有し、さらに、基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムは、基材を透過した通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するので、装飾板を通信素子よりも外光入射側に配設しても、当該通信素子まで電波が達することとなって、通信素子による電波の通信感度が低下することがない。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材を透過することとなるので、通信素子が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5又は6に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、光反射フィルムに光屈折部が形成されているので、当該光屈折部に対して光が斜めに入射することで可視光の一部の波長の光が光屈折部を透過することとなり、これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、基材に光屈折部が形成されているので、当該光屈折部を透過した光が光反射フィルムに対して斜めに入射することとなって、可視光の一部の波長の光が光反射フィルムを透過することとなる。これにより、光反射フィルムの色調を変化させることができ、当該装飾板をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5〜8に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、装飾板は赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するので、太陽電池よりも外光入射側に装飾板を配設しても、当該装飾板によって太陽電池による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池による発電を効率良く行うことができる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、光反射フィルムは太陽電池により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過して、さらに、光反射フィルムの外光入射側と反対側に配設された基材は、光反射フィルムを透過した光を透過するので、太陽電池よりも外光入射側に装飾板を配設しても、当該装飾板によって太陽電池による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池による発電を効率良く行うことができる。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射するので、当該光反射フィルムによって太陽電池が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、基材は光透過性を有し、さらに、基材の外光入射側と反対側に配設された光反射フィルムは、基材を透過した太陽電池により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するので、太陽電池よりも外光入射側に装飾板を配設しても、当該装飾板によって太陽電池による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池による発電を効率良く行うことができる。また、光反射フィルムは可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射して、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材を透過することとなるので、太陽電池が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、装飾板を備える電子機器の美的外観をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用した実施形態1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線における要部の拡大断面図である。
【図3】図1の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図4】変形例1の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図5】変形例2の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図6】変形例3の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図7】変形例4の腕時計に備わる文字板の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図8】本発明を適用した実施形態2の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。
【図9】図8の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図10】変形例5の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図11】変形例6の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図12】変形例7の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図13】変形例8の腕時計に備わる文字板及び太陽電池の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
【図14】本発明を適用した実施形態3の電子機器として例示する腕時計の要部の拡大断面図である。
【図15】図14の腕時計に備わる無線モジュールを示す平面図(a)及び底面図(b)である。
【図16】変形例9の腕時計の要部の拡大断面図である。
【図17】本発明を適用した実施形態4の電子機器として例示する腕時計を示す平面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線における要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0031】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の電子機器として例示する腕時計を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線における要部の拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、実施形態1の腕時計100には、時計計時部1を内部に収納する機器ケースとしての時計ケース2が備えられ、この時計ケース2の時計計時部1を挟んだ両端部、即ち、時計ケース2の当該腕時計100における12時方向側及び6時方向側のそれぞれの端部には、当該時計ケース2を手首に装着するためのバンド部材3がバンド軸(図2においては、6時方向側の端部のバンド軸31のみを図示する。)31を介して取付けられている。
【0032】
時計ケース2の上部中央には、その開口を塞ぐようにパッキン4を介して時計ガラス5が装着され、さらに、時計ケース2の上部外周にはベゼル6が配設されている。
また、時計ケース2の下面には、防水リング7を介して裏蓋8が取付けられており、裏蓋8と時計計時部1との間には、緩衝部材9が設けられている。
さらに、時計ケース2の外周部には、当該腕時計100の各種機能の実行を指示するスイッチ10が設けられている(図1参照)。
【0033】
時計計時部1は、図2に示すように、アナログ指針機構11を備える上部ハウジング1Aと、この上部ハウジング1Aよりも外光入射側(図2における上側)と反対側(図2における下側)に配設された下部ハウジング1Bとを備えて構成されている。
【0034】
下部ハウジング1Bには、アナログ指針機構11等の当該腕時計100の各部を動作させるための電池(図示略)が組み込まれている。下部ハウジング1Bと上部ハウジング1Aとの間には、回路基板12が配置され、この回路基板12には、通信素子としてのアン
テナ13が配設されている。
上部ハウジング1Aの上面には、文字板14が配置され、この文字板14の上面に枠状部材15が配置されている。
文字板14、上部ハウジング1A、回路基板12及び下部ハウジング1Bは、時計ケース2の中枠2Aに取付けられた構造となっている。
【0035】
アンテナ13は、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行うものである。具体的には、例えば、アンテナ13は、電波時計用のものであっても良いし、RF−ID(Radio Frequency Identification)システムを構成するデータキャリアモジュール用のものであっても良い。
【0036】
文字板14は、基材14aと、この基材14aの外光入射側の面に貼設され、文字等を表す装飾部141が印刷等により成形された光反射フィルム14bとを備えている。
基材14aは、例えば、プラスチック、ガラス、セラミック等から形成され、電波透過性を有するものである。
光反射フィルム14bは、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するように所定の高分子材料から構成されている。具体的には、光反射フィルム14bは、例えば、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等からなる2種類の薄層が交互に積層され、可視光(例えば、420〜800[nm])を反射するように隣合う薄層どうしの境界面にて可視光域の所定の波長の光を反射するものである。即ち、複数の薄層は、隣合う2種類の薄層を一組とし、各組を構成する各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定され、さらに、各組を可視光域の異なる波長の光に対応させることにより可視光域の全ての波長の光を反射することができるようになっている。これにより、光反射フィルム14bの表面は、鏡面のような状態となって、当該文字板14に金属感を備えさせることができる。
【0037】
以下に、文字板14の電磁波の透過状態について図3を参照して説明する。ここで、図3は、文字板14の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
図3に示すように、所定の外部通信機器から送信され、文字板14に対して腕時計100の外光入射側から入射される電波信号は、光反射フィルム14b及び基材14aを透過して、基材14aよりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで達することとなる一方で、アンテナ13から送信される電波信号は文字板14を透過して当該腕時計100の外部に出力されることとなる。
また、腕時計100に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光(例えば、赤外線や紫外線など)は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過するようになっている。
このように、上記構成の文字板14は、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波と可視光以外の光を透過するとともに、可視光を反射するようになっている。
【0038】
また、文字板14には、基材14a及び文字板14を上下に貫通して、アナログ指針機構11の指針軸が挿通される軸孔142が形成されている。
【0039】
アナログ指針機構11は、文字板14の軸孔142からその上方に延びる指針軸11aと、この指針軸11aに取付けられた時針、分針などの指針と、文字板14の上方にて指針11bを指針軸11aを中心として運針する運針機構部11cとを備えて構成されている。
【0040】
枠状部材15は、例えば、合成樹脂で形成され、平面視略円形状をなす時計ケース2の内周面部に沿うように略環状に形成された部材である。また、枠状部材15は、その下端面を文字板14の周縁部の上面に当接させるとともに、当該枠状部材15の上端面を時計ガラス5の下面にほぼ当接させるようにして、時計ケース2の内周面に装着されている(図2参照)。
【0041】
以上のように、実施形態1の腕時計100によれば、光反射フィルム14bは、アンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、光反射フィルム14bの外光入射側と反対側に配設された基材14aは、光反射フィルム14bを透過した電波を透過するので、文字板14をアンテナ13よりも外光入射側に配設しても、当該アンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。これにより、時計ケース2を金属製としてもアンテナ13による通信を適正に行うことができる。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによってアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計100の美的外観をより向上させることができる。
【0042】
<変形例1>
なお、上記実施形態1では、文字板14として基材14aの外光入射側の面に光反射フィルム14bが配設されたものを例示したが、例えば、光反射フィルム14bが基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されたものであっても良い(図4参照)。
即ち、図4に示すように、変形例1の腕時計には、電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材14aの外光入射側と反対側の面に光反射フィルム14bが配設された文字板114が設けられている。
そして、かかる場合、文字板114に対して腕時計の外光入射側から入射された電波は、上記実施形態1と同様に、文字板114を透過して、当該文字板114よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで達することとなる一方で、アンテナ13から送信される電波信号は文字板114を透過して当該腕時計の外部に出力されることとなる。
また、腕時計に入射される光のうち、可視光は文字板114の基材14aを透過して光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板114を透過するようになっている。
【0043】
なお、基材14aの外光入射側の所定位置には、装飾部141が設けられている。
【0044】
従って、変形例1の腕時計によれば、基材14aは電波透過性を有し、さらに、基材14aの外光入射側と反対側に配設された光反射フィルム14bは、基材14aを透過したアンテナ13により送信又は受信される波長の電波を透過するので、文字板114をアンテナ13よりも外光入射側に配設しても、当該アンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射し、反射された可視光は透明若しくは半透明に形成された基材14aを透過することとなるので、文字板114に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、アンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板114を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
【0045】
<変形例2>
変形例2の腕時計の文字板214は、入射される光を所定方向に所定角度屈折させるような形状の光屈折部b1が形成された光反射フィルム214bを備えている(図5(a)及び図5(b)参照)。
光屈折部b1は、例えば、光反射フィルム214bの所定位置に凹凸加工が施されることで形成されるものである。この光屈折部b1の表面に対して斜めに可視光が入射する場合、当該可視光の入射方向に沿った光屈折部b1の各薄層の厚さが可視光の所定の波長(λ)の1/4よりも大きく、このために、可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなる。
なお、光屈折部b1を有する光反射フィルム214bは、図5(a)に示すように、基材14aの外光入射側の面に配設されても良いし、図5(b)に示すように、基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されても良い。
【0046】
また、図5(b)に示す腕時計にあっては、基材14aの外光入射側と反対側の面の所定位置には装飾部141が設けられ、当該基材14aの外光入射側と反対側の面を被覆するように光反射フィルム214bが貼設されている。
【0047】
従って、変形例2の腕時計によれば、光反射フィルム214bに対して斜めに光が入射することで可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなり、これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板214をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0048】
<変形例3>
変形例3の腕時計の文字板314は、入射される光を所定方向に所定角度屈折させるような形状の光屈折部a1が形成された基材314aを備えている(図6(a)及び図6(b)参照)。
光屈折部a1は、図6(a)に示すように、基材314aの外光入射側の面に形成されても良いし、図6(b)に示すように、基材314aの外光入射側と反対側の面に形成されても良い。
また、光屈折部a1は、例えば、基材314aの所定位置に所定の凹凸加工が施されることで形成されるものである。
【0049】
従って、変形例3の腕時計によれば、基材314aの光屈折部a1を透過した光が光反射フィルム14bに対して斜めに入射することとなって、可視光域の一部の波長の光が光反射フィルム14bを透過することとなる。これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板314をより装飾性に優れたものとすることができる。
【0050】
<変形例4>
上記実施形態1並びに変形例1〜3では、回路基板12に通信素子としてのアンテナ13のみが配設されたものを例示したが、アンテナ13に加えて赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を検出するためのセンサ16(受光素子)が配設されていても良い(図7参照)。
かかる場合、文字板14に対して腕時計の外光入射側から入射された光のうち、可視光以外の光は、文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過してセンサ16に入射されるようになっている。
【0051】
従って、変形例4の腕時計によれば、文字板14を透過した赤外線又は紫外線がセンサ16により受光されることとなって、当該センサ16により赤外線及び紫外線の検出を効率良く行うことができる。
【0052】
[実施形態2]
以下に、実施形態2の腕時計200について図8及び図9を参照して説明する。
ここで、図8は、本発明を適用した実施形態2の電子機器として例示する腕時計200の要部の拡大断面図であり、図9は、腕時計200に備わる文字板14及び太陽電池17の電磁波の透過状態を模式的に示した図である。
なお、実施形態2の腕時計200は、太陽電池17を備える以外の点では上記実施形態1と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0053】
図8に示すように、実施形態2の腕時計200には、アンテナ13と文字板14との間に、外光入射側から見て当該文字板14と重なるように太陽電池17が配設されている。
太陽電池17は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電するように構成されている。具体的には、例えば、赤外線領域の波長の光を受光することにより効率良く発電する結晶系シリコン太陽電池や、紫外線領域の波長の光を受光することにより効率良く発電する、酸化亜鉛半導体と銅アルミ酸化物半導体とを接合してなる太陽電池等が知られている。
なお、太陽電池17により発電された電力は、二次電池(図示略)に充電され、この二次電池に充電した電力が腕時計200の電力として使用されるようになっている。
【0054】
次に、図9を参照して文字板14及び太陽電池17の電磁波の透過状態について説明する。
図9に示すように、文字板14に対して腕時計200の外光入射側から入射された電磁波のうち、電波は文字板14を構成する光反射フィルム14b及び基材14aを透過し、さらに、太陽電池17を透過して、アンテナ13まで達するようになっている。一方、腕時計200に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光(例えば、赤外線や紫外線など)は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
【0055】
以上のように、実施形態2の腕時計200によれば、光反射フィルム14bは太陽電池17により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過して、さらに、光反射フィルム14bの外光入射側と反対側に配設された基材14aは、光反射フィルム14bを透過した光を透過するので、太陽電池17よりも外光入射側に文字板14を配設しても、当該文字板14によって太陽電池17による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。また、文字板14及び太陽電池17は電波を透過するので、これら文字板14及び太陽電池17よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
さらに、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、光反射フィルム14bによって太陽電池17及びアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計200の美的外観をより向上させることができる。
【0056】
<変形例5>
変形例5の腕時計の文字板114は、光反射フィルム14bが基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されている(図10参照)。
即ち、図10に示すように、変形例5の腕時計には、光反射フィルム14bが電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材14aの外光入射側と反対側の面に配設された文字板114が設けられている。
そして、文字板114に対して腕時計の外光入射側から入射された電波は、上記実施形態2と同様に、文字板114を透過し、さらに、太陽電池17を透過してアンテナ13まで達するようになっている。一方、腕時計に入射される光のうち、可視光は文字板114の基材14aを透過して光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板114を透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
【0057】
従って、変形例5の腕時計によれば、上記実施形態2と同様に、文字板114よりも外光入射側と反対側に太陽電池17を配設しても、太陽電池17による受光が文字板14によって妨げられることがなく、太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。また、文字板114及び太陽電池17よりも外光入射側と反対側に配設されたアンテナ13まで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
さらに、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板114に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、また、光反射フィルム14bによって太陽電池17及びアンテナ13が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板114を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
【0058】
<変形例6>
変形例6の腕時計の文字板214は、光屈折部b1が形成された光反射フィルム214bを備えている(図11(a)及び図11(b)参照)。
光屈折部b1を有する光反射フィルム214bは、図11(a)に示すように、基材14aの外光入射側の面に配設されても良いし、図11(b)に示すように、基材14aの外光入射側と反対側の面に配設されても良い。
【0059】
また、文字板214の外光入射側と反対側には、例えば、赤外線及び紫外線のうちの何れか一方に加えて、可視光域の所定の波長の光を受光して発電するように構成された太陽電池17が配設されている。
【0060】
従って、変形例6の腕時計によれば、光反射フィルム214bに対して斜めに光が入射することで可視光域の一部の波長の光が光屈折部b1を透過することとなる。これにより、光反射フィルム214bの色調を変化させることができ、当該文字板214をより装飾性に優れたものとすることができるとともに、太陽電池17は、文字板214を透過した赤外線及び紫外線に加えて可視光域の波長の光を利用して発電することができ、当該太陽電池17による発電効率を高めることができる。
【0061】
<変形例7>
変形例7の腕時計の文字板314は、光屈折部a1が形成された基材314aを備えている(図12(a)及び図12(b)参照)。
光屈折部a1は、図12(a)に示すように、基材314aの外光入射側の面に形成されても良いし、図12(b)に示すように、基材314aの外光入射側と反対側の面に形成されても良い。
【0062】
また、文字板314の外光入射側と反対側には、変形例6の太陽電池17と略同様の機能を有する太陽電池17が配設されている。
【0063】
従って、変形例7の腕時計によれば、基材314aの光屈折部a1を透過した光が光反射フィルム14bに対して斜めに入射することとなって、可視光域の一部の波長の光が光反射フィルム14bを透過することとなる。これにより、光反射フィルム14bの色調を変化させることができ、当該文字板314をより装飾性に優れたものとすることができるとともに、太陽電池17は文字板314を透過した可視光域の波長の光を利用して発電することができ、当該太陽電池17による発電効率を高めることができる。
【0064】
<変形例8>
上記実施形態2並びに変形例5〜7では、回路基板12に通信素子としてのアンテナ13が配設されたものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、アンテナ13が配設されていない腕時計であっても良い(図13(a)及び図13(b)参照)。
かかる場合、文字板14に対して腕時計の外光入射側から入射された光のうち、可視光は、文字板14の光反射フィルム14bにて反射され、一方、可視光以外の光は、文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射されるようになっている。
【0065】
従って、変形例8の腕時計によれば、光反射フィルム14bは太陽電池17により受光される赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過して、さらに、光反射フィルム14bの外光入射側と反対側に配設された基材14aは、光反射フィルム14bを透過した光を透過するので、太陽電池17よりも外光入射側に文字板14を配設しても、当該文字板14によって太陽電池17による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。
また、光反射フィルム14bは可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによって太陽電池17が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計の美的外観をより向上させることができる。
【0066】
[実施形態3]
以下に、実施形態3の腕時計300について図14及び図15を参照して説明する。
ここで、図14は、本発明を適用した実施形態3の電子機器として例示する腕時計300の要部の拡大断面図である。
なお、実施形態3の腕時計300は、アンテナ13の代わりに無線モジュール18を備える以外の点では上記実施形態1及び実施形態2と略同様であるので、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0067】
図14に示すように、実施形態3の腕時計300は、その時計ケース2内の文字板14よりも外光入射側と反対側に設けられ、外部通信機器(図示略)との間で電波により情報の送受信を行うための無線モジュール(通信素子)18を備えている。
【0068】
以下に、無線モジュール18について図15を参照して説明する。
ここで、図15(a)は、無線モジュール18の枠状部181の外光入射側を示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)の無線モジュール18の裏側、即ち、枠状部181の外光入射側と反対側を示す底面図である。
【0069】
図15に示すように、無線モジュール18は、例えば、平面視略環状に形成されてなる枠状部181と、この枠状部181の外周の一端部から延出して形成されたリード部182とを有するフレキシブル基板183を備えている。
【0070】
枠状部181は、時計ケース2に時計ガラス5が取付けられている開口の内部形状に応じた形状に形成されている。即ち、枠状部181は、その外周部が平面視略円形状をなす時計ケース2に時計ガラス5が取付けられている開口の内周面部に沿うような略円環状に形成されている。そして、枠状部181のほぼ全面には、その表裏面に亘って略渦巻き状にコイルが配線され、外部通信機器との間で情報の送受信を行うためのアンテナ18Aが設けられている。
【0071】
リード部182は、その枠状部181と反対側となる部分の裏面に、アンテナ18Aと電気的に接続されたICチップ184と、所定数(図15(b)には、3つ図示)のコンデンサ185と、ICチップ184と接続線を介して接続され、当該ICチップ184と回路基板12とを電気的に接続するための所定数(図15(b)には、5つ図示)の接続端子186が配設されている。
さらに、リード部182は、その枠状部181側の端部が枠状部181に対し略直角となるように第一折曲部182aにて時計ケース2の奥側に折り曲げられ、また、第一折曲部182aよりも先端側が、枠状部181と対向するように第二折曲部182bにて時計ケース2の中心側に折り曲げられており、時計ケース2内に配設された状態で全体として断面略コ字状となるように形成されている(図14参照)。
【0072】
また、接続端子186と回路基板12の端子接続部(図示略)とは、下部ハウジング1Bの回路基板12側の面に形成された座ぐり部19内に収容された抑え板20によって接続端子186が下側から回路基板12側に押圧されることにより電気的に接続されている(図14参照)。
なお、この際の押圧力は、抑え板20の板厚や座ぐり部19の深さによって調整可能となっている。
【0073】
上記構成によれば、文字板14に対して腕時計300の外光入射側から入射される電波信号は、文字板14を構成する光反射フィルム14b及び基材14aを透過して、文字板14よりも外光入射側と反対側に配設された無線モジュール18のアンテナ18Aまで達することとなる一方で、無線モジュール18のアンテナ18Aから送信される電波信号は、文字板14を透過して当該腕時計300の外部に出力されることとなる。
また、腕時計300に入射される光のうち、可視光は文字板14の光反射フィルム14bにて反射されるとともに、可視光以外の光は文字板14の光反射フィルム14b及び基材14aを透過して太陽電池17に入射するようになっている。
【0074】
以上のように、実施形態3の腕時計300によれば、光反射フィルム14bは、無線モジュール18のアンテナ18Aにより送信又は受信される波長の電波を透過して、さらに、基材14aは光反射フィルム14bを透過した電波を透過するので、文字板14を無線モジュール18よりも外光入射側に配設しても、当該無線モジュール18のアンテナ18Aまで電波が達することとなって、アンテナ13による電波の通信感度が低下することがない。
また、光反射フィルム14bは、可視光域の全ての波長の光を反射するので、文字板14に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射フィルム14bによって無線モジュール18が外光入射側からは見えないこととなって、美的外観に優れたものとすることができる。これにより、文字板14を備える腕時計300の美的外観をより向上させることができる。
【0075】
<変形例9>
変形例9の腕時計400は、実施形態3の腕時計300における文字板14と無線モジュール18との間に、太陽電池17が配設されている(図16参照)。即ち、太陽電池17は、その外光入射側の面を文字板14の外光入射側と反対側の面に対向させるように配設されている。
【0076】
従って、変形例9の腕時計400によれば、文字板14は赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するので、太陽電池17よりも外光入射側に文字板14を配設しても、当該文字板14によって太陽電池17による受光が妨げられることがなく、当該太陽電池17による発電を効率良く行うことができる。
【0077】
なお、上記実施形態1〜3並びに変形例1〜9にあっては、装飾板として文字板14、114、214、314を例示したが、これに限られるものではなく、所定の装飾が施されたものであれば如何なるものであっても良い。
【0078】
[実施形態4]
以下に、実施形態4の腕時計500について図17及び図18を参照して説明する。
ここで、図17は、本発明を適用した実施形態4の電子機器として例示する腕時計500を示す平面図であり、図18は、図17のXVIII−XVIII線における要部の拡大断面図である。
【0079】
図17及び図18に示すように、実施形態4の腕時計500は、時計ケース502内に時計計時部501が収納され、その時計計時部501の回路基板512に、文字板514の所定位置(例えば、12時方向側の端部)を照明するためのLED21が接続されている。
また、時計ケース502の12時方向側の端部に形成されたバンド取付部502Aには、回路基板512と接続線131を介して電気的に接続されたアンテナ13が配設されている。
具体的には、バンド取付部502Aには、アンテナ13を収納するためのアンテナ収納部521が形成され、このアンテナ収納部521の外光入射側の開口を覆うように光反射カバー部材522が配設されている。この光反射カバー部材522は、例えば、所定の樹脂に光反射フィルム14bをインサート成形することで形成されている。これにより、電波は、当該光反射カバー部材522を透過することでアンテナ13まで達するようになっており、また、可視光は光反射カバー部材522にて反射されるようになっている。
【0080】
従って、実施形態4の腕時計500によれば、光反射カバー部材522は、アンテナ13により送信又は受信される電波信号を透過するので、アンテナ13による電波信号の通信感度が低下することがない。
また、光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射するので、光反射カバー部材522に金属感を備えさせて高級感を向上させることができ、さらに、光反射カバー部材522によってアンテナ13が時計ケース502の外光入射側からは見えないこととなって、腕時計500を美的外観に優れたものとすることができる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態1〜4の腕時計100〜400並びに変形例1〜9の腕時計に係る光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522は、可視光域の全ての波長の光を反射するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射することができれば良い。即ち、光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522よりも外光入射側と反対側に配設されるアンテナ13、センサ16及び無線モジュール18が、時計ケース2、502の外光入射側からは見えないこととすることができれば良く、これにより、腕時計100〜400並びに変形例1〜9に係る腕時計を美的外観に優れたものとすることができる。
なお、可視光のうち、光反射フィルム14b、214b並びに光反射カバー部材522により反射される所定の波長の光は、複数の薄層のうちの、隣合う2種類の薄層からなる各組の各々の薄層の厚さを目的とする所定の波長(λ)の1/4となる程度に設定することで調整することができる。
【0082】
また、光反射フィルム14b、214bとして、例えば、ガラス等の所定の基材に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
また、光反射カバー部材522はインサート成形に限らず、光反射カバー部材522自体に誘電体を蒸着等により多層構造に設けたものを適用しても良い。
【0083】
さらに、電子機器として腕時計100〜400を例示したが、これに限られるものではなく、装飾板を備える電子機器であれば如何なるものであっても良い。
【符号の説明】
【0084】
100、200、300、400、500 腕時計(電子機器)
2、502 時計ケース(機器ケース)
13 アンテナ(通信素子)
14、114、214、314 文字板(装飾板)
14a、314a 基材
14b、214b 光反射フィルム
a1、b1 光屈折部
17 太陽電池
18 無線モジュール(通信素子)
18A アンテナ
522 光反射カバー部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板であって、
電波透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする装飾板。
【請求項2】
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板であって、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする装飾板。
【請求項3】
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾板。
【請求項4】
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の装飾板。
【請求項5】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
前記装飾板は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過し、
前記装飾板と前記通信素子との間に、前記装飾板を透過した赤外線及び紫外線のうちの
少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池が設けられていることを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
光透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
透明若しくは半透明に形成された光透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板であって、
電波透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする装飾板。
【請求項2】
電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子よりも外光入射側に当該通信素子と重なるように配設される装飾板であって、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする装飾板。
【請求項3】
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾板。
【請求項4】
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の装飾板。
【請求項5】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側に配設され、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、電波を用いて情報の送信及び受信のうちの少なくとも何れか一方を行う通信素子と、この通信素子よりも外光入射側にて前記通信素子と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
電波透過性を有し、且つ、透明若しくは半透明に形成された基材と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、前記通信素子により送信又は受信される波長の電波を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記光反射フィルムには、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記基材には、入射される光を屈折する光屈折部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
前記装飾板は、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過し、
前記装飾板と前記通信素子との間に、前記装飾板を透過した赤外線及び紫外線のうちの
少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池が設けられていることを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
光透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
少なくとも外光入射側が開口してなる機器ケースと、この機器ケース内に配設され、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を受光して発電する太陽電池と、この太陽電池よりも外光入射側にて前記太陽電池と重なるように前記機器ケース内に配設された装飾板と、を備え、
前記装飾板は、
透明若しくは半透明に形成された光透過性を有する基材と、
この基材の外光入射側と反対側に設けられ、赤外線及び紫外線のうちの少なくとも何れか一方を透過するとともに可視光の全ての波長のうちの少なくとも一部の波長の光を反射する光反射フィルムとを備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−185953(P2011−185953A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141767(P2011−141767)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【分割の表示】特願2005−109995(P2005−109995)の分割
【原出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【分割の表示】特願2005−109995(P2005−109995)の分割
【原出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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