説明

電子機器

【課題】 ノートブック型パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体に、非接触ICカードを正確に位置決めして保持しておくことのできるICカード読み取り部を提供することを課題とする。
【解決手段】 電子機器の本体10は、操作者が操作を行なう操作部12を備える。非接触ICカード30を筐体14の上面に対して平行な状態で収容するICカード収容部16が本体10の筐体14に設けられる。非接触ICカード30とデータ通信を行なうリーダ/ライタ18が、筐体14内でICカード収容部に対応した位置に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非接触ICカードと通信可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
カードの内部にICが組み込まれた接触ICカードが普及しつつある。接触ICは、内部のICの入出力端子に接続された端子を有し、当該端子はカードの表面に露出している。接触ICカードを使用する際には、ICに記録されたデータを接触式のリーダ/ライタで読み取る必要がある。このため、接触ICカードをリーダ/ライタに装着して電気的接続を行なう必要があり、ICカードの装着機構が必要となり且つ装着作業が必要となる。
【0003】
そこで、接触ICカードに代わり、リーダ/ライタ機器との接触(電気的接続接)を必要としない非接触ICカードの需要が増大している。一般的に、非接触ICカードには、ICチップと周辺回路、及びループアンテナが組み込まれている。非接触ICカードは、リーダ/ライタからの微弱な電磁波をループアンテナで電力に変換して動作することができる。そして、非接触ICカードは、ICチップに記録されたデータをループアンテナを介してリーダ/ライタに送り返す。
【0004】
このような非接触ICカードを、各種電子機器で用いる記録媒体として使用することが提案されている。すなわち、非接触ICカードのリーダ/ライタを様々な電子機器、例えば、パーソナルコンピュータに組み込んで、非接触ICカードから情報やデータを得ることが提案されている。
【0005】
非接触ICカードは接続端子による電気的接続を必要としないため、非接触ICカード(のループアンテナ)をICカード読み取り部に近接させるか載置しておくだけで、非接触ICカードとの通信(情報、データの送受信)を行なうことができる。反面、非接触ICカードが正しくICカード読み取り部に装着されていないと、良好に通信できなくなるおそれがある。
【0006】
そこで、ノートブック型パーソナルコンピュータのICカード読み取り部を膨出部として、非接触ICカードを膨出部に置くことで非接触ICカードを正確にICカード読み取り部に位置決めすることを促すことが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、無線式携帯端末装置の本体に底面が傾斜した凹部を設け、この凹部をICカード読み取り部として非接触ICカードを収容することが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
【0008】
さらに、携帯端末の筐体に小型の非接触ICカードを装着する部分に窓空き部を設けて小型の非接触ICカードの一部が露出するようにし、小型の非接触ICカードの着脱を容易にすることが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−107341号公報
【特許文献2】特開平10−261055号公報
【特許文献3】特開平10−261054号公報
【特許文献4】特開2002−342720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば、非接触ICカードをノートブック型パーソナルコンピュータで使用する場合、非接触ICカードを載置する部分(すなわち、ICカード読み取り部)は、キーパッド等の手で入力操作を行なう部分の近傍となる。この場合、コンピュータへの入力操作中に非接触ICカードに操作者の手あるいは腕が接触して、非接触ICカードがICカード読み取り部から動いてしまい、非接触ICカードとリーダ/ライタとの間の通信ができなくなるおそれがある。
【0011】
ICカード読み取り部を膨出部(凸部)とした場合、最初に非接触ICカードをICカード読み取り部に正しく載置しても、コンピュータの操作中に手が触れて非接触ICカードが動いてしまうおそれがある。
【0012】
ICカード読み取り部を底面が傾斜した凹部とした場合、凹部を設ける部分の厚みが大きくなり、特に薄型が要求されるノートブック型パーソナルコンピュータの筐体などには採用できない。また、傾斜した底面を有する凹部を設ける理由は、凹部から非接触ICカードの一部を突出させるためであるが、非接触ICカードの一部が突出していると、操作中に手が触れて非接触ICカードが凹部から外れてしまうおそれがある。
【0013】
そこで、特に薄型が要求されるノートブック型パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体に、非接触ICカードを正確に位置決めして保持しておくことのできるICカード読み取り部の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施形態によれば、操作者が操作を行なう操作部を備えた本体と、該本体の筐体に設けられ、非接触ICカードを該筐体の上面に対して平行な状態で収容するICカード収容部と、前記筐体内で該ICカード収容部に対応した位置に設けられ、前記非接触ICカードとデータ通信を行なうリーダ/ライタとを有する電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0015】
非接触ICカードがICカード収容部に収容された状態で操作部を操作するため、操作者の手や腕が非接触ICカードに触れても非接触ICカードが動くことが無い。このため、電子機器の操作中に非接触ICカードを常にICカード読み取り位置に保持しておくことができ、確実に非接触ICカードとの通信を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態による電子機器の一例であるノートブック型パーソナルコンピュータの斜視図である。
【図2】図1に示す本体の平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】第2の実施形態によるノートPCの本体の斜視図である。
【図5】第2の実施形態によるノートPCの本体の側面図である。
【図6】第3の実施形態によるノートPCの本体の斜視図である。
【図7】第3の実施形態によるノートPCの本体の側面図である。
【図8】第4の実施形態によるノートPCの本体の斜視図である。
【図9】第4の実施形態によるノートPCの本体の平面図である。
【図10】図9のX−X線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は第1の実施形態による電子機器の一例であるノートブック型パーソナルコンピュータ(以下ノートPCと略称する)の斜視図である。
【0019】
第1の実施形態によるノートPCは、本体10と、本体10の一辺側に回動可能に取り付けられた表示部20とを有する。本体10には、入力操作用のキーパッド等を含む操作部12が設けられている。操作部12と本体10の前縁との間の部分は筐体14の上面となっており、図1において点線で囲んだ部分は操作者の腕を置くことができるようにパームレストとして機能する部分である。
【0020】
本実施形態では、操作部12と本体10の前縁との間の筐体14の上面に、ICカード収容部の一例として凹部16が形成される。凹部16の内側(筐体14の内部)には、非接触ICカード30と通信を行なうリーダ/ライタ18(図3参照)が組み込まれており、凹部16はICカード読み取り部に相当する。
【0021】
図2は図1に示す本体10の平面図である。図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。凹部16は、例えばFeliCa(登録商標)等の非接触ICカード30を収容するためのICカード収容部の一例であり、筐体14の上面の凹部として形成される。凹部16の外形形状は、収容する非接触ICカード30の外形形状に対応しており、その外形寸法は非接触ICカード30より僅かに大きい程度である。したがって、凹部16は非接触ICカード30の位置決め及び保持機能も有する。凹部16に収容された非接触式カード30は凹部16に嵌り込んだ状態となり、例えば操作者の腕が接触しても動くことは無い。
【0022】
また、凹部16の深さは、収容する非接触ICカード30の厚みと同じ程度かそれ以上であることが好ましい。すなわち、凹部16の深さを非接触ICカード30の厚みと同じ程度とすることで、凹部16に非接触ICカード30が収容された状態で、非接触ICカード30の上面が筐体14の上面と同じ高さとなる。これにより、操作者が腕を置いても違和感が無く、通常通りに操作部12の操作を行なうことができる。また、凹部16に非接触ICカード30が収容されていない状態であっても、凹部16の深さが非接触ICカード30の厚みと同じ程度の小さな寸法であれば、操作者が腕を置いても違和感が無く、通常通りに操作部12の操作を行なうことができる。
【0023】
また、凹部16の深さを極力小さくすることで、凹部16を形成することによる筐体14の厚みの増大を抑制することができる。すなわち、ノートPCのように薄型が要求される電子機器にとって、厚みを増大させずにICカード読み取り部を設けることができることは大きな利点となる。
【0024】
以上のように、ICカード収容部の一例である凹部16は、非接触ICカード30を筐体14の上面に平行な状態で収容する。このため、筐体14の厚みを極力小さくしながら、筐体14に凹部16を形成することができる。
【0025】
非接触ICカード30は、例えば、操作者の認証用のデータをノートPCに提供するために使用されることがある。例えば、操作者が実行しようとしているタスクの権限を当該操作者が有しているかの認証を行なう際に、ノートPCは非接触ICカード30から認証データを取得して操作者の認証を行なう。このような場合、ICカード読み取り部である凹部16に非接触ICカード30を収容してからノートPCを操作する。認証が必要なタスクを実行するときに、ノートPCは非接触ICカード30から自動的に認証データを取得する。
【0026】
以上のように、非接触ICカード30を凹部16に収容した状態で、操作者はノートPCの操作部12を操作してタスク実行の指令を入力する。この際、操作者の手や腕が非接触ICカード30に触れたとしても、非接触ICカード30は凹部16に嵌り込んで収容されているので、凹部16から外れることなく保持される。したがって、操作者は、非接触ICカード30に接触することを気遣うことなくノートPCの操作部12を操作することができ、操作性が損なわれることはない。
【0027】
また、非接触ICカード30は凹部16に嵌り込んで収容されているので、ノートPCを傾けて使用してもある程度の傾きであれば非接触ICカード30が滑り落ちることはなく、この点においても操作性が損なわれることはない。
【0028】
ここで、凹部16に嵌り込んで収容されている非接触ICカード30を凹部16から取り上げる際には、取り出し部16aに指等を入れて非接触ICカード30の側面を持ち上げるようにすることで、容易に非接触ICカード30を凹部16から取り外すことができる。取り出し部16aは凹部16の外形の一部を外側に広げて形成された部分であり、指が入る程度の大きさであればよい。取り出し部16aの深さは凹部16と同じ深さでよいが、凹部16より深くすることで、指を非接触ICカード30の側面に引っ掛け易くすることができる。
【0029】
次に、第2の実施形態について説明する。図4は第2の実施形態によるノートPCの本体の斜視図である。図5は第2の実施形態によるノートPCの本体の側面図である。
【0030】
第2の実施形態では、第1の実施形態における凹部16を覆うようにカバー40が設けられる。カバー40は凹部16全体を覆う程度の大きさであり、一辺側が筐体14に対して回動可能に支持されている。カバー40は筐体14と同様な樹脂とすることが好ましく、また、透明な樹脂とすることがより好ましい。
【0031】
非接触ICカード30を凹部16に収容するときには、カバー40を引き起こして凹部16内に非接触ICカード30を載置する。そして、カバー40を倒すことで、非接触ICカード30は凹部16に収容された状態で上からカバー40により覆われた状態となる。これにより、操作者の手や腕はカバー40に触れるだけで、非接触ICカード30には接触せず、非接触ICカード30を凹部16内に確実に保持することができる。また、ノートPCを大きく傾けたとしても、非接触ICカード30が凹部16から外れることが防止される。
【0032】
カバー40を透明な樹脂とすることで、非接触ICカード30が凹部16に収容されているかをカバー40の外側から視認することができる。これにより、非接触ICカード30を装着し忘れたり、ノートPCの操作が終了してから非接触ICカード30の取り外しを忘れたりすることを防止することができる。
【0033】
また、非接触ICカード30を凹部16に収容していない状態では、凹部16が空間となり、カバー40と筐体14の上面との間に薄い空気の層が形成される。したがって、筐体14の内部での発熱で筐体14の上面が暖かくなったとしても、その熱が凹部16の空気層により遮断され、カバー40に伝わり難くなる。カバー40は操作者の腕が置かれるパームレストの位置にあるが、カバー40は筐体14よりも低い温度に維持されるので、操作者が腕で感じる熱を抑制することができ、操作性を向上することができる。
【0034】
非接触ICカード30が凹部16に収容されているときにも、非接触ICカード30とカバー40との間に小さな空隙が形成されるようにしておけば、非接触ICカード30が凹部16に収容されていても、カバー40に伝わる熱を抑制することができる。これにより、カバー40は筐体14よりも低い温度に維持されるので、操作者が腕で感じる熱を抑制することができ、操作性を向上することができる。
【0035】
次に、第3の実施形態について説明する。図6は第3の実施形態によるノートPCの本体の斜視図である。図7は第3の実施形態によるノートPCの本体の側面図である。
【0036】
第3の実施形態では、第2の実施形態における凹部16を覆うカバー40が横に延長され、操作部12と本体10の前縁との間の筐体14の部分を覆う大きさのカバー42となっている。操作部12と本体10の前縁との間の部分で左右方向の中央部分には、ポインタを移動するためのマウスパッド13等が設けられているので、カバー42の中央部分には開口部42aが設けられている。これにより、カバー42を閉じた状態でもマウスパッド13等を操作することができる。
【0037】
カバー42は筐体14と同様な樹脂で形成することができる。また、カバー42に模様を付けたり色を付けることで、ノートPCのデザインを変えたりすることもできる。カバー42を異なる色やデザインのものに取り替えることができるようにすれば、ノートPCのデザインバリエーションを豊富にすることもできる。なお、第2の実施形態のようにカバー42を透明にすることとしてもよいし、凹部16を覆う部分だけを透明にしてもよい。
【0038】
非接触ICカード30を凹部16に収容するときには、カバー42を引き起こして凹部16内に非接触ICカード30を載置する。そして、カバー42を倒すことで、非接触ICカード30は凹部16に収容された状態で上からカバー42により覆われた状態となる。これにより、操作者の手や腕はカバー42に触れるだけで、非接触ICカード30には接触せず、非接触ICカード30を凹部16内に確実に保持することができる。また、ノートPCを大きく傾けたとしても、非接触ICカード30が凹部16から外れることが防止される。
【0039】
カバー42を透明な樹脂とすることで、非接触ICカード30が凹部16に収容されているかをカバー42の外側から視認することができる。これにより、非接触ICカード30を装着し忘れたり、ノートPCの操作が終了してから非接触ICカード30の取り外しを忘れたりすることを防止することができる。
【0040】
ここで、第2の実施形態におけるカバー40は、凹部16を覆う程度の大きさであるが、本実施形態におけるカバー42は、右側から左側までの全体を覆うような大きさとなっている。すなわち、操作者の右腕も左腕もカバー42の上に置かれるようになっている。第2の実施形態で説明したように、カバー42とその下の筐体14との間に小さな空隙が形成されるようにしておけば、筐体14の内部での発熱で筐体14の上面が暖かくなったとしても、その熱が空隙の空気層により遮断される。したがって、筐体14内で発生した熱がカバー42に伝わり難くなる。カバー42は操作者の左右の両方の腕が置かれるパームレストの位置にあり、カバー42は筐体14よりも低い温度に維持されるので、操作者が腕で感じる熱を抑制することができ、操作性を向上することができる。
【0041】
すなわち、第2の実施形態ではカバー40は凹部16が位置する右側の部分を覆って右腕のパームレストに相当しているが、本実施形態ではカバー42は左右両腕のパームレストに相当している。
【0042】
なお、カバー42と筐体14との間に小さな空隙が形成されるようにするには、カバー42の裏面に複数の小さな突起を形成しておき、カバー42を閉じたときに突起だけが筐体14の上面に当たるようにしておけばよい。これにより、カバー42と筐体14の上面との間に突起の高さに相当する空隙を形成することができる。
【0043】
次に、第4の実施形態について説明する。図8は第4の実施形態によるノートPCの本体の斜視図である。図9は第4の実施形態によるノートPCの本体の平面図である。図10は図9のX−X線に沿った断面図である。
【0044】
第4の実施形態では、ICカード収容部の一例として、凹部16の代りにスリット17が筐体14に設けられている。スリット17は筐体14の前端面に開口部17aを有するカード形状の空間である。スリット17が形成する空間の外形寸法は、非接触ICカード30が挿入できるような寸法である。すなわち、非接触ICカード30を開口部17aからスリット17に差し込んで、非接触ICカード30をスリット17内に収容しておくことができる。スリットは筐体14の上面に対して平行な平たい空間であり、非接触ICカード30を筐体14の上面に平行状態で収容することができる。このため、筐体14の厚みを増大することなく筐体14中にスリットを形成することができる。
【0045】
スリット17の下側の筐体14の内部には、リーダ/ライタ18が設けられており、スリット17に収容された非接触ICカード30と通信を行なって、非接触ICカード30からデータを取得することができる。例えば、操作者の認証が必要となった場合に、リーダ/ライタ18が動作して非接触ICカードから認証情報を取得することができる。したがって、スリットはICカード収容部であり、且つICカード読み取り部に相当する。
【0046】
ここで、スリット17に収容されている非接触ICカード30をスリット17から取り出す際には、取り出し開口17bに指等を入れて非接触ICカード30の表面を指を押し当てる。取り出し開口17bは、筐体14のスリット17の上部中央付近に形成された細長い開口である。指を非接触ICカードに押し付けながら取り出し開口17bに沿って開口部17aの方向に移動させることにより、容易に非接触ICカード30をスリット17から取り出すことができる。取り出し開口17bは、開口部17aから続く切り欠きのような形状の開口としてもよい。
【0047】
なお、本実施形態ではスリット17の開口部17aを本体10の前端面に設けたが、本体10の側面に設けることとしてもよい。
【0048】
以上のように、非接触ICカード30をスリット17に収容するため、操作部12を操作する際に操作者の手や腕が非接触ICカード30に触れることがなく、非接触ICカード30をICカード読み取り部に正確に位置決めしたまま保持しておくことができる。したがって、操作者は、非接触ICカード30に接触することを気遣うことなくノートPCの操作部12を操作することができ、操作性が損なわれることはない。
【0049】
また、非接触ICカード30はスリット17に挿入されて収容されているので、ノートPCを傾けて使用しても非接触ICカード30が滑り落ちることはなく、この点においても操作性が損なわれることはない。
【0050】
スリット17の幅は非接触ICカード30の厚みと同程度であり、筐体14の厚み内で形成可能であるか、スリット17を設ける部分の筐体14の厚みを僅かに大きくする程度でスリット17を形成することができる。したがって、スリット17を設けることで筐体14の厚みを大幅に増大することなく、ノートPCの薄型化を妨げることがない。
【0051】
以上の実施携帯では非接触ICカードと通信を行なう電子機器としてノートPCを例として説明したが、ノートPCに限られず、例えば、小型コンピュータ、携帯データ通信端末等の電子機器に上述の凹部16やスリット17を設けてICカード読み取り部としてもよい。
【0052】
以上のように、本明細書は以下の事項を開示する。
(付記1)
操作者が操作を行なう操作部を備えた本体と、
該本体の筐体に設けられ、非接触ICカードを該筐体の上面に対して平行な状態で収容するICカード収容部と、
前記筐体内で該ICカード収容部に対応した位置に設けられ、前記非接触ICカードとデータ通信を行なうリーダ/ライタと
を有する電子機器。
(付記2)
付記1記載の電子機器であって、
前記ICカード収容部は前記操作部の近傍において前記筐体の上面に形成された凹部であり、該凹部の外形は前記非接触ICカードの外形に等しい電子機器。
(付記3)
付記2記載の電子機器であって、
前記凹部の深さは前記非接触ICカードの厚みに等しい電子機器。
(付記4)
付記2又は3記載の電子機器であって、
前記ICカード収容部は、前記凹部の外周の一部を外側に広げて形成された取り出し部を有する電子機器。
(付記5)
付記2乃至4のうちいずれか一項記載の電子機器であって、
前記凹部を覆うカバーをさらに有する電子機器。
(付記6)
付記5記載の電子機器であって、
前記カバーは透明である電子機器。
(付記7)
付記5記載の電子機器であって、
前記カバーは前記凹部以外の前記筐体の上面も覆う形状であり、前記カバーが前記凹部を覆っている状態で、前記カバーと前記筐体の上面との間に空隙が形成される電子機器。
(付記8)
付記7記載の電子機器であって、
前記カバーの少なくとも前記凹部を覆う部分は透明である電子機器。
(付記9)
付記1記載の電子機器であって、
前記ICカード収容部は前記筐体に形成されたスリットであり、該スリットの外形は前記非接触ICカードの外形に等しい電子機器。
(付記10)
付記9記載の電子機器であって、
前記筐体の上面に形成され、前記スリットに繋がる取り出し開口を有する電子機器。
(付記11)
付記1乃至10のうちいずれか一項記載の電子機器であって、
前記電子機器はノートブック型パーソナルコンピュータであり、前記ICカード収容部は前記筐体のパームレストに相当する部分に設けられる電子機器。
【符号の説明】
【0053】
10 本体
12 操作部
14 筐体
16 凹部
16a 取り出し部
17 スリット
17a 開口部
17b 取り出し開口
18 リーダ/ライタ
20 表示部
30 非接触ICカード
40,42 カバー
42a 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が操作を行なう操作部を備えた本体と、
該本体の筐体に設けられ、非接触ICカードを該筐体の上面に対して平行な状態で収容するICカード収容部と、
前記筐体内で該ICカード収容部に対応した位置に設けられ、前記非接触ICカードとデータ通信を行なうリーダ/ライタと
を有する電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器であって、
前記ICカード収容部は前記操作部の近傍において前記筐体の上面に形成された凹部であり、該凹部の外形は前記非接触ICカードの外形に等しい電子機器。
【請求項3】
請求項2記載の電子機器であって、
前記凹部を覆うカバーをさらに有する電子機器。
【請求項4】
請求項3記載の電子機器であって、
前記カバーは前記凹部以外の前記筐体の上面も覆う形状であり、前記カバーが前記凹部を覆っている状態で、前記カバーと前記筐体の上面との間に空隙が形成される電子機器。
【請求項5】
請求項1記載の電子機器であって、
前記ICカード収容部は前記筐体に形成されたスリットであり、該スリットの外形は前記非接触ICカードの外形に等しい電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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