説明

電子機器

【課題】運搬装置に搭載されて用いられる電子機器であり、運搬装置がおかれている状況に応じて配信情報の取得及び出力を好適に行うことが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の電子機器は、出力部と、無線部と、通信制御部と、操作部と、記録部と、運搬装置への着脱を行う着脱部とを備えている。また、通信網に接続された所定の情報処理装置から配信情報の概略情報を取得する取得選択部を備えている。取得選択部は、取得した概略情報を示す概略画像を出力部に出力し、複数の配信情報の中から、取得する配信情報の選択を受け付ける。そして選択された配信情報を取得するよう通信制御部を制御する。さらに取得した配信情報を出力するよう、出力部を制御する。またこの電子機器は、記録部に記録されている配信情報の概略を示す第二概略画像を出力部に出力し、再生する配信情報の選択を受け付ける再生選択部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカー等の運搬装置に着脱可能な電子機器に関するものであり、特に画像又は音声を含む配信情報を取得して出力する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ベビーカー等の運搬装置において、運搬以外の用途に使用する装置、例えば通信装置や表示装置等を搭載した運搬装置が実用化されている。
【0003】
例えば特許文献1には、監視対象者の状態を随時把握することができる監視装置が開示されている。この監視装置は、監視対象となる人物又は物品を運搬する運搬装置と、この運搬装置に取り付けられ、運搬装置に乗っている人物又は物品を撮像するカメラ部を備えている。
【0004】
監視装置は、監視者が画像を確認できる位置に取り付けられたモニタ部であり、カメラ部により撮像された画像を表示するモニタ部を備えている。また、カメラ部により撮像された画像を記録材料にプリントする記録手段を備えている。これにより運搬装置の使用者は、運搬装置を使用している状況において、監視対象者の状態を随時把握することができる。
【0005】
また特許文献2には、運搬装置に搭載して使用する音楽装置が開示されている。この音楽装置は、長さや太さの異なる多数のピアノ線を内側に配した車輪を撥羽付固定軸で結び、両車輪間を筒で覆い、軸先にハンドルを付けている。この音楽装置をベビーカーや車椅子の下部に取り付け、ハンドル操作で路面に付けて転がすことにより、運搬中に音楽を奏でることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−92747号公報
【特許文献2】特開2006−309094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら従来の運搬装置に搭載される各種装置は、その内部に記録されている情報が限定されており、その内容を更新するにはメモリの着脱を行う等の作業が必要であった。つまり、運搬装置がおかれている環境や、運搬装置の搭乗者又は操縦者の好みにあわせた情報の取得及び出力を行うことが難しかった。
【0008】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、運搬装置に搭載され、運搬装置の搭乗者又は操縦者に対して音楽、動画、又は文字情報等の配信情報を出力する電子機器であり、且つ運搬装置がおかれている状況に応じて、配信情報の取得及び出力をより好適に行うことが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、画像又は音声の出力を行う出力部と、無線電波の送受信を行う無線部と、前記無線部を用いて基地局との通信を行い、前記基地局を介して通信網への接続を行う通信制御部と、操作指示を受け付ける操作部と、情報の記録を行う記録部と、搭乗者を運搬する運搬装置に対して着脱を行う着脱部とを備えた電子機器において、予め定められた情報処理装置から前記通信網を介して取得可能な情報である配信情報の概略を示す概略情報を取得するよう前記通信制御部を制御し、取得した前記概略情報を示す概略画像を前記出力部に出力し、前記概略画像に示されている前記配信情報の中から取得対象とする前記配信情報の選択を前記操作部により受け付け、選択された前記配信情報を前記情報処理装置から取得するよう前記通信制御部を制御し、取得した前記配信情報を出力するよう前記出力部を制御する取得選択部を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によると、本発明の通信機器は、モニタやスピーカ等を含む出力部と、無線電波の送受信を行う無線部とを備えている。また、無線部を用いて基地局との通信を行い、基地局を介してインターネット等の通信網への接続を行う通信制御部を備えている。また、ユーザ操作を受け付ける操作部と、メモリ等の記録部とを備えている。また、人間や動物等の搭乗者を運搬する運搬装置への着脱を行う、着脱部を備えている。また、通信網に接続された所定の情報処理装置から画像又は音声を含む配信情報の概略情報、例えば取得タイトル一覧等を取得する取得選択部を備えている。取得選択部は、取得した概略情報を示す概略画像を出力部に出力する。取得選択部はさらに、概略情報に示されている複数の配信情報の中から、取得する配信情報の選択を操作部により受け付け、選択された配信情報を取得するよう通信制御部を制御する。そして取得した配信情報を出力するよう、出力部を制御する。これにより、運搬装置の操縦者又は搭乗者が、動画や音楽等の配信情報を、移動中であっても取得及び視聴することができる。
【0011】
また上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、前記取得選択部が、取得した前記配信情報を前記記録部に記録し、前記電子機器が、前記記録部に記録されている前記配信情報の概略を示す第二概略画像を前記出力部に出力し、前記第二概略画像に示されている前記配信情報の中から再生対象とする前記配信情報の選択を前記操作部により受け付け、選択された前記配信情報を出力するよう前記出力部を制御する再生選択部を備える。
【0012】
この構成によると、取得選択部は、取得した配信情報を記録部に記録する。また電子機器は、再生選択部を備える。再生選択部は、記録部に記録されている配信情報の概略を示す第二概略画像、例えば再生タイトル一覧等を出力部に出力する。そして第二概略画像に示されている複数の配信情報の中から、再生する配信情報の選択を操作部により受け付ける。そして選択された配信情報を出力するよう、出力部を制御する。これにより操縦者又は搭乗者は、それぞれが好む動画や音楽を任意のタイミングで選択して視聴することができる。
【0013】
また上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、前記取得選択部に対して取得を許可する前記配信情報の条件を定めた取得条件、又は前記再生選択部に対して再生を許可する前記配信情報の条件を定めた再生条件を前記操作部により受け付け、受け付けた前記取得条件又は前記再生条件を示す条件情報を前記記録部に記録する条件登録部と、前記取得条件を満たす前記配信情報を取得するよう前記通信制御部を制御する自動取得部と、前記再生条件を満たす前記配信情報を再生するよう前記出力部を制御する自動再生部とを備える。
【0014】
この構成によると、取得選択部が取得する配信情報の条件を定めた取得条件、又は再生選択部が再生する配信情報の条件を定めた再生条件を操作部により受け付ける条件登録部を備える。条件登録部は、受け付けた内容を示す条件情報を記録部に記録する。また、取得条件を満たす配信情報を取得するよう通信制御部を制御する自動取得部を備える。また、再生条件を満たす配信情報を再生するよう出力部を制御する自動再生部を備える。これにより、ユーザ操作を必要とすることなく、所定ジャンルの配信情報の取得及び再生が可能である。
【0015】
また上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、前記出力部が、前記運搬装置の操縦者が視聴可能な位置に設けられた第一出力部と、前記運搬装置の搭乗者が視聴可能な位置に設けられた第二出力部とを含み、前記再生選択部が、前記第二概略画像に示されている前記配信情報の中から選択された前記配信情報を前記第一出力部又は前記第二出力部に出力するよう前記出力部を制御する。
【0016】
この構成によると、出力部は、操縦者が視聴可能な位置に設けられた第一出力部を備えている。また、搭乗者が視聴可能な位置に設けられた第二出力部を備えている。再生選択部は、第一出力部又は前記第二出力部に対して、操作部により選択された配信情報を出力するよう指示する。これにより、操縦者と搭乗者とが、複数のモニタ等を用いて配信情報を視聴することができる。
【0017】
また上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、前記条件登録部が、前記第一出力部に対して出力を許可する前記配信情報の条件を定めた第一出力条件、又は前記第二出力部に対して出力を許可する前記配信情報の条件を定めた第二出力条件を前記操作部により受け付け、前記第一出力条件又は前記第二出力条件を前記条件情報に含めて前記記録部に記録し、前記再生選択部が、前記第一出力条件又は前記第二出力条件に基づいて、前記第一出力部又は前記第二出力部に出力する前記配信情報を決定する。
【0018】
この構成によると、条件登録部は、第一出力部に出力する配信情報の条件を定めた第一出力条件を受け付ける。また、第二出力部に出力する配信情報の条件を定めた第二出力条件を受け付ける。そして第一出力条件又は第二出力条件を条件情報に含めて記録部に記録する。再生選択部は、この第一出力条件又は第二出力条件に基づいて、第一出力部又は第二出力部に出力する配信情報を決定する。これにより、ユーザの好みに合ったジャンルの配信情報の出力を、第一出力部と第二出力部とで個別に行うことができる。
【0019】
また上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、前記操作部が、前記運搬装置の操縦者が操作可能な位置に設けられた第一操作部と、前記運搬装置の搭乗者が操作可能な位置に設けられた第二操作部とを含み、前記取得選択部が、前記第一操作部又は前記第二操作部により、取得対象とする前記配信情報の選択を受け付け、前記再生選択部が、前記第一操作部又は前記第二操作部により、前記第一出力部又は前記第二出力部に出力する前記配信情報の選択を受け付ける。
【0020】
この構成によると、操作部は、操縦者が操作可能な位置に設けられた第一操作部を備えている。また、搭乗者が操作可能な位置に設けられた第二操作部を備えている。取得選択部は、第一操作部又は第二操作部により、取得する配信情報の選択を受け付ける。また再生選択部は、第一操作部又は第二操作部により、再生する配信情報の選択を受け付ける。これにより、操縦者と搭乗者とが、複数の操作部を用いて個別に取得操作及び再生操作を行うことができる。
【0021】
また上記の目的を達成するために本発明の通信機器は、前記再生選択部が、前記第一出力部に出力する前記配信情報の選択を受け付けるための第一選択画像を前記第一出力部に出力し、該選択を前記第一操作部により受け付け、前記第二出力部に出力する前記配信情報の選択を受け付けるための第二選択画像を前記第二出力部に出力し、該選択を前記第二操作部により受け付け、選択された前記配信情報を前記第一出力部又は前記第二出力部へ出力するよう前記出力部を制御する。
【0022】
この構成によると、再生選択部は、第一出力部に出力する配信情報の選択を受け付ける第一選択画面を第一出力部に出力し、第一操作部による選択を受け付ける。また、第二出力部に出力する配信情報の選択を受け付ける第二選択画面を第二出力部に出力し、第二操作部による選択を受け付ける。そして選択された配信情報を第一出力部又は第二出力部へ出力する。これにより、第一表示部を第一操作部で操作し、第二表示部を第二操作部で操作するといった、個別操作が可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、運搬装置の搭乗者及び操縦者が、移動中に配信情報を取得して視聴することが可能である。このため、より最新の配信情報を視聴することが可能である。また、基地局との通信が確立できない状況においても、予め取得して記録部に記録している配信情報を視聴することが可能である。
【0024】
また本発明によれば、複数の出力部及び操作部を用いて、個別に配信情報の再生指示を受け付け、個別に再生処理を行うことが可能である。このため、運搬装置の搭乗者と操縦者とが、再生する配信情報の選択及び視聴を個別に行うことが可能である。これにより、例えば操縦者用の出力部に表示する配信情報の選択を搭乗者が行うことにより、操縦者はより操縦に集中することができる。
【0025】
また本発明によれば、ユーザ操作を必要とすることなく、所定の条件を満たす配信情報のみを自動取得することが可能である。また、所定の条件を満たす配信情報のみを再生選択画面に表示するため、ユーザが再生選択を行う際の利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の電子機器が含まれる情報配信システムを示す模式図である。
【図2】本発明の電子機器の構成を示すブロック図である。
【図3】第一の実施形態に係る取得コンテンツ選択画面を示す画面図である。
【図4】第一の実施形態に係る再生コンテンツ選択画面を示す画面図である。
【図5】第一の実施形態に係るコンテンツ取得処理を示すフロー図である。
【図6】第一の実施形態に係るコンテンツ再生処理を示すフロー図である。
【図7】第二の実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【図8】第二の実施形態に係るコンテンツ取得処理を示すフロー図である。
【図9】第三の実施形態に係る再生コンテンツ選択画面を示す画面図である。
【図10】第三の実施形態に係るコンテンツ再生処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
[実施の形態1]
〈1−1.システム構成について〉
【0028】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る通信装置100(=電子機器)を含む、情報配信システムの構成を示すブロック図である。この情報配信システムは少なくとも、通信装置100を搭載したベビーカー200(=運搬装置)、コンテンツサーバ300(=情報処理装置)、広域通信網400(=通信網)、及びアクセスポイント500(=基地局)を含むように構成されている。
【0029】
通信装置100は、例えばIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)により策定された無線LANの規格であるIEEE802.11等により、アクセスポイント500と無線通信を行う。なお通信装置100は、WiFi(Wireless Fidelity、登録商標)Allianceが認可したIEEE802.11装置であるWiFi装置であることが、より望ましい。
【0030】
ベビーカー200は、通信装置100を搭載した運搬装置である。ベビーカー200は、例えば搭乗者として赤子を搭乗させ、その保護者が操縦者としてベビーカーを操縦することにより、赤子を運搬する装置である。
【0031】
コンテンツサーバ300は、所定の画像データ又は音声データから構成されるコンテンツ(=配信情報)の配信を行うサーバ装置である。コンテンツサーバ300は例えば、映画、歌謡曲、ショッピング情報、気象情報等をコンテンツとして配信する。なおコンテンツの配信は、広域通信網400を介して不特定多数の情報端末に対して行うことが可能である。
【0032】
広域通信網400は、例えばインターネットや専用線等により構成される通信網である。本実施形態では、コンテンツサーバ300とアクセスポイント500とを相互接続するために用いられる。
【0033】
アクセスポイント500は、コンテンツサーバ300より受信したコンテンツを多重化した無線電波を生成して発信する。アクセスポイント500は、通信装置100と同じく、IEEE802.11等の無線規格により無線通信を行う。或いは、デジタル放送波等の放送波の一部帯域を使用して、無線電波を発信する形態でもよい。
〈1−2.通信装置の構成について〉
【0034】
ここで、本発明の第一の実施形態に係る通信装置100の概略構成を、図2のブロック図を用いながら説明する。図2に示すように通信装置100は少なくとも、本体部110、スピーカ120(=出力部)、モニタ130(=出力部)、及びアタッチメント140(=着脱部)を含むように構成されている。なお本体部110には、複数のスピーカ120及びモニタ130を接続することが可能である。
【0035】
本体部110は、アンテナ10(=無線部)、通信制御部11、信号分離部12、オーディオデコーダ13、音声出力部14、ビデオデコーダ15、画像出力部16、メモリ17(=記録部)、操作部18、及び制御部20を備えている。
【0036】
アンテナ10は、アクセスポイント500との間で無線通信波の送受信を行う。無線通信波としては、例えば2.4GHz帯の電波が用いられる。
【0037】
通信制御部11は、アンテナ10で送受信される無線通信波の復調又は変調を行う。また通信制御部11は、アクセスポイント500を介してコンテンツサーバ300と相互通信を行うための通信制御を行う。
【0038】
信号処理部12は、通信制御部11により復調されたデータ信号を入力し、音声データ、画像データ、及びその他データに変換する。その他データの一例としては、例えばインターネット等で用いられるHTML(HyperText Markup Language)データ等があげられる。生成された音声データはオーディオデコーダ13へ、画像データはビデオデコーダ15へ、その他データはメモリ17又は制御部20へ与えられる。
【0039】
オーディオデコーダ13は、信号処理部12より与えられた音声データをデジタル音声信号にデコードする。音声出力部14は、音声信号のD/A変換を行い、アナログ音声信号をスピーカ120へ出力する。なお、図示していないが、音声出力部14は複数の出力端子を備えており、各出力端子から個別のアナログ音声信号を出力することが可能である。
【0040】
ビデオデコーダ15は、信号処理部12より与えられた画像データをデジタル画像信号にデコードする。画像出力部16は、画像信号のD/A変換を行い、アナログ画像信号をモニタ130へ出力する。なお、モニタ130がデジタル画像信号の入力端子を備えている場合、D/A変換を行わず、デジタル画像信号をモニタ130へ出力する形態でもよい。また図示していないが、画像出力部16は複数の出力端子を備えており、各出力端子から個別の画像信号を、各モニタ130へ出力することが可能である。
【0041】
メモリ17は、各種情報を記録するための不揮発性の記録媒体である。本実施形態においては例えば、信号処理部12により生成された各データを記録するのに用いられる。また、後述する条件情報やコンテンツ管理情報等を記録するのに用いられる。
【0042】
操作部18は、ユーザがコンテンツの蓄積や再生等の各種指示を通信装置100に対して行うための入力インタフェースである。操作部18が受け付けた指示内容は、制御部20に送られる。これを受けた制御部20は、指示内容に基づいて各種処理を行う。
【0043】
制御部20は、通信装置100の各部材の駆動を有機的に制御して、通信処理等を統括制御するものである。また制御部20は、制御部20が備える演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現される機能部として、記録制御部21、再生制御部22、取得選択部23、及び再生選択部24を備えている。
【0044】
記録制御部21は、コンテンツの記録制御を行う機能部である。記録制御部21は、信号処理部12により復号されるデータの中から、所定のコンテンツをメモリ17へ記録するよう、信号処理部12を制御する。
【0045】
再生制御部22は、予め記録制御部21によりメモリ17へ記録されているコンテンツの再生制御を行う機能部である。再生制御部22は、操作部18によりユーザから選択されたコンテンツをメモリ17より読み出し、スピーカ120やモニタ130へ出力するよう、信号処理部12を制御する。
【0046】
取得選択部23は、TCP/IP等の通信プロトコルにより、コンテンツサーバ300との通信を行う。そして取得可能なコンテンツを示すコンテンツリストの取得リクエストを送信する。取得リクエストに対して正常応答が返り、コンテンツリスト(=概略情報)が受信されると、コンテンツリストに基づいて取得コンテンツ選択画像(=概略画像)を生成し、モニタ130へ表示する。
【0047】
図3は、取得コンテンツ選択画像が表示された状態のモニタ130を示す、取得コンテンツ選択画面800の一例である。図3に示すように、取得コンテンツ選択画面800は、取得するコンテンツの選択をユーザより受け付けるためのコンテンツ表示領域810を含んでいる。
【0048】
ユーザは操作部18を操作することにより、コンテンツ表示領域810に表示されているコンテンツの選択指示、例えばコンテンツ番号の選択等を行う。取得選択部23はこの選択操作を検知すると、選択されたコンテンツの取得を行う。取得が完了すると、受信したコンテンツをメモリ17へ記録するよう、記録制御部21へ指示する。
【0049】
再生選択部24は、再生対象とするコンテンツの選択を受け付けるための、再生コンテンツ選択画像(=第二概略画像)を生成する。そして生成した画像を、モニタ130へ表示する。図4は、再生コンテンツ選択画像が表示された状態のモニタ130を示す、再生コンテンツ選択画面900の一例である。図4に示すように、再生コンテンツ選択画面900はコンテンツ表示領域910を含んでいる。
【0050】
ユーザは操作部18を操作することにより、コンテンツ表示領域910に表示されているコンテンツの選択指示、例えばコンテンツ番号の選択等を行う。再生選択部24はこの選択指示を検知すると、選択されたコンテンツを再生するよう、再生制御部22へ指示する。これにより、コンテンツの再生が行われ、各モニタ130に選択されたコンテンツが表示される。
【0051】
スピーカ120は、音声を出力する出力装置である。モニタ130は画像を表示する出力装置であり、例えば液晶ディスプレイ等の薄型のものが用いられる。アタッチメント140は、本体部110〜モニタ130をベビーカー200へ着脱するための着脱具である。
〈1−3.コンテンツ取得処理について〉
【0052】
以上に説明した情報配信システムにおいて実施されるコンテンツ取得処理について、図5のフロー図を用いながら説明する。図5は、通信装置100の電源が起動状態であり、且つコンテンツ取得処理の実行指示を取得選択部23が検知した場合に開始される。なおコンテンツ取得処理の実行指示は、例えば操作部18がユーザより所定の操作を受け付けた場合等に発行される。
【0053】
本処理の開始後、取得選択部23はステップS110において、アンテナ10及び通信制御部11等を用いて、無線通信可能なアクセスポイント500の探索を行う。具体的には例えば、通信回線の確立要求を含む無線電波を所定の周波数及び電波強度で発信し、これに対する応答が得られたか否かを監視する。
【0054】
次に取得選択部23はステップS120において、アクセスポイント500の探索に成功したか否かに基づき、処理の分岐を行う。探索に失敗した場合、例えば所定時間を経過しても応答が得られなかった場合、ステップS205へ移行し、アクセスポイント500に対する通信要求を終了する。
【0055】
探索に成功した場合、取得選択部23はステップS130において、アクセスポイント500との間で通信回線の確立を試みる。なお通信回線の確立にあたっては、不正アクセス防止のため、ユーザIDやパスワード等の送信をアクセスポイント500が要求する、いわゆる認証処理を行う形態でもよい。ただし本実施形態では、ユーザの利便性を優先し、認証処理は行わないものとする。
【0056】
次に取得選択部23はステップS140において、通信回線の確立に成功したか否かに基づき、処理の分岐を行う。確立に失敗した場合、例えばアクセスポイント500がサービスに対応していない場合や、アクセスを拒否した場合、ステップS205へ移行する。
【0057】
確立に成功した場合、取得選択部23はステップS150において、最新のコンテンツリストをコンテンツサーバ300より取得する。コンテンツリストの取得に成功すると、取得選択部23はコンテンツサーバ300との確立を切断する。
【0058】
なお本実施形態においては、コンテンツリストを格納しているコンテンツサーバ300のアドレス、例えばIPアドレス等を示すアドレス情報が、予めメモリ17等に記録されているものとする。
【0059】
次に取得選択部23はステップS160において、取得したコンテンツリストを用いて、取得コンテンツ選択画面800をモニタ130に表示する。そして、コンテンツ選択の待ち受け状態に移行する。
【0060】
次に取得選択部23はステップS170において、コンテンツの選択指示を検知したか否かに基づき、処理の分岐を行う。所定時間を経過しても選択指示を検知しなかった場合、ステップS205へ移行する。選択指示を検知した場合、取得選択部23はステップS180において、選択されたコンテンツの取得を試行するよう、通信制御部11へ指示する。
【0061】
次に取得選択部23はステップS190において、コンテンツの取得に成功したか否かに基づき、処理の分岐を行う。取得に失敗した場合、例えばコンテンツサーバ300が選択されたコンテンツを保持していない場合や、広域通信網400において通信エラーが発生した場合、リトライを繰り返す。リトライが所定回数に達しても取得に失敗した場合、ステップS205へ移行する。
【0062】
取得に成功した場合、取得選択部23はステップS200において、取得されたコンテンツをメモリ17に記録するよう記録制御部21へ指示し、再びステップS160へ移行する。これにより、ユーザが取得対象として選択したいコンテンツが複数存在する場合に、繰り返しコンテンツ取得処理を実行することが可能である。
〈1−4.コンテンツ再生処理について〉
【0063】
次に、本発明の第一の実施形態に係る通信装置100において実施されるコンテンツ再生処理について、図6のフロー図を用いながら説明する。図6は、通信装置100の電源が起動状態であり、且つコンテンツ再生処理の実行指示を再生選択部24が検知した場合に開始される。なおコンテンツ再生処理の実行指示は、例えば操作部18がユーザより所定の操作を受け付けた場合等に発行される。
【0064】
本処理の開始後、再生選択部24はステップS210において、メモリ17に記録されているコンテンツの一覧を示す、再生リストの生成を行う。なお、再生リストの対象とするコンテンツとしては、取得選択部23により予めコンテンツサーバ300より取得されているコンテンツを対象とする。もしくは、メモリ17に記録されている再生可能な画像データ又は音声データの全てを対象とする形態でもよい。
【0065】
次に再生選択部24はステップS220において、再生リストの生成に成功したか否かに基づき、処理の分岐を行う。生成に失敗した場合、例えばメモリ17にコンテンツが記録されていない場合、本処理を終了する。生成に成功した場合、再生選択部24はステップS230において、再生リストに基づいて、再生コンテンツ選択画面900の表示を行う。
【0066】
次に再生選択部24はステップS240において、再生選択の待ち受け状態に移行する。そしてステップS250において、操作部18による選択操作を検知したか否かを判定する。所定時間を経過しても選択操作を検知しなかった場合、本処理を終了する。
【0067】
選択操作を検知した場合、再生選択部24はステップS260において、選択されたコンテンツの再生を行うよう、再生制御部22へ指示する。これにより、選択されたコンテンツの再生が行われる。再生が完了すると、再びステップS240へ移行する。これにより、ユーザが再生したいコンテンツが複数存在する場合に、繰り返しコンテンツ再生処理を実行することが可能である。
【0068】
以上に説明した本実施形態によれば、ベビーカー200の搭乗者及び操縦者が、移動中に配信コンテンツを取得し、視聴することが可能である。このため、より最新のコンテンツを視聴することが可能である。また、アクセスポイント500との通信が確立できない状況においても、予め取得してメモリ17に記録しているコンテンツを視聴することが可能である。
【0069】
[実施の形態2]
〈2−1.システム構成について〉
実施の形態1と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
【0070】
〈2−2.通信装置の構成について〉
構成要素は実施の形態1と同内容であるが、制御部20が備える機能部の機能が、実施の形態1と異なる。本実施形態の制御部20は図7に示すように、条件登録部25、自動取得部26、及び自動再生部27を備えている。
【0071】
条件登録部25は、取得選択部23が取得対象とするコンテンツのジャンル指定(=取得条件)や、再生制御部22が再生対象とするコンテンツのジャンル指定(=出力条件)を受け付ける。そして受け付けた内容を示す条件情報を、メモリ17に記録する。
【0072】
自動取得部26は、上記の条件情報を参照し、取得対象とされているジャンルのコンテンツを、ユーザ操作を必要とすることなく自動取得する。自動取得部26は、周期的にアクセスポイント500の検知を行う。そして通信可能なアクセスポイント500が検知されると、条件情報において指定されているジャンルのコンテンツを、コンテンツサーバ300から取得する。
【0073】
なお上記の自動取得は、アクセスポイント500との通信が断絶した場合、又は指定されたジャンルのコンテンツを全て取得した場合、又はメモリ17の容量が不足した場合まで行うものとする。
【0074】
自動再生部27は、上記の条件情報を参照し、再生対象とされているジャンルのコンテンツを、ユーザ操作を必要とすることなくメモリ17から読み出す。そして読み出したコンテンツを再生するよう、再生制御部22へ指示する。なお自動再生部27は、自動取得部26が取得した順番に基づいて、コンテンツの再生制御を行う形態でもよい。
〈2−3.コンテンツ取得処理について〉
【0075】
ここで、本発明の第二の実施形態に係る通信装置100において実施されるコンテンツ取得処理について、図8のフロー図を用いながら説明する。なお、実施の形態1の図5と同内容の処理については、同一のステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0076】
図8に示す処理フローは、通信装置100の電源が起動された場合に開始される。ステップS110〜ステップS150の実施後、自動取得部26はステップS171において、予め条件登録部25により設定されている取得対象のジャンルを参照する。そして該当するジャンルのコンテンツが取得可能か否かを判定する。
【0077】
取得可能である場合、ステップS180移行の処理を実施し、コンテンツの取得を行う。取得可能ではない場合、ステップS205へ移行し、アクセスポイント500との通信を切断する。その後、所定時間が経過すると、再び本処理を実施する。これにより、周期的にアクセスポイント500の検知、及び所定ジャンルのコンテンツの自動取得を、繰り返し行う。
【0078】
〈2−4.コンテンツ再生処理について〉
実施の形態1と同内容であるため、ここでは説明を省略する。なお、自動再生部27が実施する自動再生処理については、記録されているコンテンツの再生を繰り返し行うのみであるため、処理詳細の説明を省略するものとする。
【0079】
以上に説明した本実施形態によれば、ユーザ操作を必要とすることなく、所定ジャンルのコンテンツの自動取得及び自動再生を行うことが可能である。
[実施の形態3]
〈3−1.システム構成について〉
【0080】
実施の形態1と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈3−2.通信装置の構成について〉
【0081】
実施の形態2と同内容であるが、本実施形態では、再生コンテンツ選択画面900で選択されたコンテンツを複数のモニタ130に同時表示するのではなく、複数のモニタ130に個別のコンテンツを表示することを特徴とする。
【0082】
このため本実施形態の再生選択部24は、複数のモニタ130の設置位置を判別する機能を備える。例えば、操縦者が視聴可能な位置に設けられたモニタ130(以下、「メインモニタ131(=第一出力部)」という)と、搭乗者が視聴可能な位置に設けられたモニタ130(以下、「サブモニタ132(=第二出力部)」という)との判別を行う。
【0083】
なお上記の判別を行うために、各モニタ130を識別するための識別子と、各モニタ130の設置位置とを関連付けた関連情報を、予めメモリ17に記録しているものとする。なお関連情報には、モニタ130を本体部110へ接続する接続端子番号と、モニタ130の設置位置とを示す情報も含まれるものとする。再生選択部24はこの関連情報を参照することにより、各画面を表示するモニタ130を決定する。
【0084】
また本実施形態の再生選択部24は、複数種の再生コンテンツ選択画面900をモニタ130に表示する。例えば図9(a)は、メインモニタ131に表示される再生コンテンツ選択画面901である。再生コンテンツ選択画面901においては、再生コンテンツの選択を操縦者から受け付けるための第一選択画像が、コンテンツ表示領域911に表示されている。
【0085】
また図9(b)は、サブモニタ132に表示される再生コンテンツ選択画面902である。再生コンテンツ選択画面902においては、再生コンテンツの選択を搭乗者から受け付けるための第二選択画像が、コンテンツ表示領域912に表示されている。
【0086】
また本実施形態の条件登録部25は、再生対象とするジャンルの指定を、モニタ130毎に受け付けるものとする。つまり、メインモニタ131に表示するコンテンツのジャンルを示す第一出力条件と、サブモニタ132に表示するコンテンツのジャンルを示す第二出力条件とを、個別に受け付けて記録する。
【0087】
このため再生選択部24は、コンテンツ表示領域に表示するコンテンツのジャンルを、上記の各条件に基づいて決定する。そして再生対象とされているジャンルのコンテンツのみを、コンテンツ表示領域に表示する。例えば、メインモニタ131に表示するコンテンツのジャンルとして「買物」が設定されている場合、図9(a)に示すように、買物情報のみが含まれるコンテンツ表示領域911を表示する。
【0088】
また本実施形態では、特に図示していないが、操縦者が使用する操作部18として主操作部18a(=第一操作部)、搭乗者が使用する操作部18として副操作部18b(=第二操作部)を、操作部18が備える。
【0089】
メインモニタ131に表示された再生コンテンツ選択画面901を見た操縦者が、主操作部18aを用いて所定のコンテンツを選択すると、選択されたコンテンツがメインモニタ131に表示される。この際、搭乗者が視聴するサブモニタ132には該当コンテンツは表示されない。
【0090】
また、サブモニタ132に表示された再生コンテンツ選択画面902を見た搭乗者が、副操作部18bを用いて所定のコンテンツを選択すると、選択されたコンテンツがサブモニタ132に表示される。この際、操縦者が視聴するメインモニタ131には該当コンテンツは表示されない。
〈3−3.コンテンツ取得処理について〉
【0091】
実施の形態1又は実施の形態2と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈3−4.コンテンツ再生処理について〉
【0092】
ここで、本発明の第三の実施形態に係る通信装置100において実施されるコンテンツ再生処理について、図10のフロー図を用いながら説明する。なお、実施の形態1の図6と同内容の処理については、同一のステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0093】
ステップS210〜ステップS220の実施後、再生選択部24はステップS231において、再生処理の実行操作が行われた操作部18を判別する。そして判別した操作部18に予め関連付けられているモニタ130を、関連情報に基づいて判別する。
【0094】
次に再生選択部24はステップS232において、判別したモニタ130に対応する再生コンテンツ選択画面を、該当するモニタ130へ表示する。例えば、主操作部18aによる操作を検知した場合、メインモニタ131に、操縦者用の再生コンテンツ選択画面901を表示する。
【0095】
次に再生選択部24はステップS241において、上記で判別した操作部18による再生選択操作の待ち受け状態に移行する。そしてステップS251において、該当する操作部18によるユーザ操作を検知したか否かを判定する。
【0096】
なおステップS251においては、上記で判別した操作部18を除く操作部、例えば上記の例では副操作部18bによりユーザ操作を検知したとしても、その操作を無効とみなす。所定時間を経過してもユーザ操作を検知しなかった場合、本処理を終了する。
【0097】
ユーザ操作を検知した場合、再生選択部24はステップS261において、上記で判別したモニタ130を用いて、選択されたコンテンツの再生を行うよう、再生制御部22へ指示する。これにより、選択されたコンテンツの再生が行われる。再生が完了すると、再びステップS241へ移行する。
【0098】
以上に説明した本実施形態によれば、複数のモニタ130及び複数の操作部18を用いて、個別にコンテンツの再生指示を受け付け、個別に再生処理を行うことができる。このため、ベビーカー200の搭乗者と操縦者とが、再生コンテンツの選択及び視聴を個別に行うことが可能である。また、所定ジャンルのコンテンツのみを所定の再生コンテンツ選択画面に表示するため、搭乗者及び操縦者が再生選択を行う際の利便性向上を図ることができる。
[その他の実施の形態]
【0099】
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0100】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0101】
(A)上記実施形態では、本発明の通信装置100を着脱する運搬装置としてベビーカー200を例に説明を行っているが、これ以外の運搬装置に通信装置100を着脱することにより、本発明を実施する形態でもよい。例えば、老人を乗せる車椅子、ペットを乗せるペットキャリー、自転車やオートバイ等の軽車両において実施する形態でもよい。
【0102】
(B)上記実施形態では、本発明のコンテンツ取得処理及びコンテンツ再生処理に関わる通信装置100の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、これらが複数の回路により実現される形態でもよい。
【0103】
(C)上記実施形態では、コンテンツの取得及び記録を行う機能を本体部110が備えているが、本体部110の機能の一部が他装置、例えばスピーカ120やモニタ130に搭載されている形態でもよい。また、本体部110、スピーカ120、及びモニタ130が同一筐体に収納されている形態でもよい。
【0104】
(D)上記実施形態では、無線通信装置100がアクセスポイント500から無線通信波を受けることによりコンテンツを取得しているが、これ以外の方法でコンテンツを取得する形態でもよい。例えば、街頭に設けられた所定の情報端末に対して有線接続を行うための接続端子を本体部110が備え、この接続端子を介してコンテンツを取得する形態でもよい。
【0105】
(E)上記実施形態では、コンテンツサーバ300及びアクセスポイント500が広域通信網400により相互接続されているが、コンテンツサーバ300及びアクセスポイント500が、所定の商業施設に限定されたLAN内にのみ存在する形態でもよい。これにより、所定の商業施設に限定されたローカルな情報配信サービスを提供することが可能である。また、コンテンツサーバ300及びアクセスポイント500が一体となった形態でもよい。
【0106】
(F)上記実施形態では、メインモニタ131に表示する操作を主操作部18aで受け付け、サブモニタ132に表示する操作を副操作部18bで受け付けているが、両操作を主操作部18a又は副操作部18bで受け付ける形態でもよい。この場合、例えば再生選択部24は、搭乗者用の再生コンテンツ選択画面902(図7(b))を、サブモニタ132ではなくメインモニタ131に表示する。そして主操作部18aにより選択操作を受け付ける。そして選択されたコンテンツを、サブモニタ132に表示する。これにより操縦者は、両モニタに対する表示操作を、主操作部18aだけで行うことができる。従って、搭乗者が表示操作に不慣れな幼児や老人等である場合において、操縦者が再生操作の補助を行うことができる。また逆に、操縦者用のモニタ130に表示するコンテンツの選択を搭乗者が行うことにより、操縦者が操縦に集中するのを補助することができる。
【0107】
(G)上記実施形態では、モニタ130が画像を表示する画像表示装置としての機能のみを備えているが、モニタ130の内部にタッチパネルを備えることにより、このタッチパネルを主操作部18a又は副操作部18bとして用いる形態でもよい。
【0108】
(H)上記実施形態では、通信装置100が出力する対象として画像及び音声を例に説明を行っているが、これ以外のものを出力する形態でもよい。例えば、運搬装置の搭乗者に対して芳香や冷風等を出力する気体出力部を備える形態でもよい。
【0109】
(I)上記実施形態では、取得選択部23が、取得したコンテンツをメモリ17に記録しているが、取得コンテンツがストリーミング動画のようなリアルタイム配信に用いられるものである場合、記録を行わずにモニタ130へ表示するよう、信号処理部12へ指示する形態でもよい。
【0110】
(J)上記実施形態では、再生コンテンツ選択画面において、メインモニタ131に再生するコンテンツを選択するためのコンテンツ表示領域911と、サブモニタ132に再生するコンテンツを選択するためのコンテンツ表示領域912との何れか一方のみを表示しているが、この両方を一画面に表示する形態でもよい。これによりユーザは、複数のモニタ130に対する表示指示を、並行して行うことができる。
【符号の説明】
【0111】
100 通信装置(電子機器)
10 アンテナ(無線部)
11 通信制御部
12 信号処理部
17 メモリ(記録部)
18 操作部
20 制御部
21 記録制御部
22 再生制御部
23 取得選択部
24 再生選択部
25 条件登録部
26 自動取得部
27 自動再生部
110 本体部
120 スピーカ(出力部)
130 モニタ(出力部)
140 アタッチメント(着脱部)
200 ベビーカー(運搬装置)
300 情報配信サーバ(情報処理装置)
400 広域通信網(通信網)
500 アクセスポイント(基地局)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像又は音声の出力を行う出力部と、
無線電波の送受信を行う無線部と、
前記無線部を用いて基地局との通信を行い、前記基地局を介して通信網への接続を行う通信制御部と、
操作指示を受け付ける操作部と、
情報の記録を行う記録部と、
搭乗者を運搬する運搬装置に対して着脱を行う着脱部とを備えた電子機器において、
予め定められた情報処理装置から前記通信網を介して取得可能な情報である配信情報の概略を示す概略情報を取得するよう前記通信制御部を制御し、取得した前記概略情報を示す概略画像を前記出力部に出力し、前記概略画像に示されている前記配信情報の中から取得対象とする前記配信情報の選択を前記操作部により受け付け、選択された前記配信情報を前記情報処理装置から取得するよう前記通信制御部を制御し、取得した前記配信情報を出力するよう前記出力部を制御する取得選択部を備えること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記取得選択部が、取得した前記配信情報を前記記録部に記録し、
前記電子機器が、前記記録部に記録されている前記配信情報の概略を示す第二概略画像を前記出力部に出力し、前記第二概略画像に示されている前記配信情報の中から再生対象とする前記配信情報の選択を前記操作部により受け付け、選択された前記配信情報を出力するよう前記出力部を制御する再生選択部を備える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記取得選択部に対して取得を許可する前記配信情報の条件を定めた取得条件、又は前記再生選択部に対して再生を許可する前記配信情報の条件を定めた再生条件を前記操作部により受け付け、受け付けた前記取得条件又は前記再生条件を示す条件情報を前記記録部に記録する条件登録部と、
前記取得条件を満たす前記配信情報を取得するよう前記通信制御部を制御する自動取得部と、
前記再生条件を満たす前記配信情報を再生するよう前記出力部を制御する自動再生部とを備える、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記出力部が、前記運搬装置の操縦者が視聴可能な位置に設けられた第一出力部と、前記運搬装置の搭乗者が視聴可能な位置に設けられた第二出力部とを含み、
前記再生選択部が、前記第二概略画像に示されている前記配信情報の中から選択された前記配信情報を前記第一出力部又は前記第二出力部に出力するよう前記出力部を制御する、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記条件登録部が、前記第一出力部に対して出力を許可する前記配信情報の条件を定めた第一出力条件、又は前記第二出力部に対して出力を許可する前記配信情報の条件を定めた第二出力条件を前記操作部により受け付け、前記第一出力条件又は前記第二出力条件を前記条件情報に含めて前記記録部に記録し、
前記再生選択部が、前記第一出力条件又は前記第二出力条件に基づいて、前記第一出力部又は前記第二出力部に出力する前記配信情報を決定する、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記操作部が、前記運搬装置の操縦者が操作可能な位置に設けられた第一操作部と、前記運搬装置の搭乗者が操作可能な位置に設けられた第二操作部とを含み、
前記取得選択部が、前記第一操作部又は前記第二操作部により、取得対象とする前記配信情報の選択を受け付け、
前記再生選択部が、前記第一操作部又は前記第二操作部により、前記第一出力部又は前記第二出力部に出力する前記配信情報の選択を受け付ける、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記再生選択部が、
前記第一出力部に出力する前記配信情報の選択を受け付けるための第一選択画像を前記第一出力部に出力し、該選択を前記第一操作部により受け付け、
前記第二出力部に出力する前記配信情報の選択を受け付けるための第二選択画像を前記第二出力部に出力し、該選択を前記第二操作部により受け付け、
選択された前記配信情報を前記第一出力部又は前記第二出力部へ出力するよう前記出力部を制御する、
請求項6に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−34272(P2011−34272A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178924(P2009−178924)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】