説明

電子機器

【課題】録画番組の再生中におけるチャンネル切替動作の操作性の向上を図った電子機器及び録画番組制御方法を提供することを実現する。
【解決手段】テレビジョン放送受信装置100は、チューナ3と、HDD17と、録画再生制御部22と、再生チャンネル切替制御部40を有している。録画再生制御部22は、番組情報と、時刻情報と、HDD17におけるアドレスとを対応付けた時刻情報テーブル42をチャンネルごとに作成する。再生チャンネル切替制御部40は、1つの指定した録画番組を再生している場合は切替指示されたチャンネルの放送中の番組に切り替える。同時刻に放送された複数のチャンネル間で切替可能な場合は、切替指示されたチャンネルの録画番組中から、切替指示を受信した時点の再生位置と同時刻に記録されている位置を時刻情報テーブル42から探索し再生番組を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器及びチャンネル切替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDDの記録容量の増大に伴い、同時に放送されている複数の放送波を複数のチューナによって受信し、チャンネルや時間帯等の条件を満たす番組を全て自動録画する機能を備えた記録再生装置が登場している。
【0003】
このような装置において、ある番組データの再生中にチャンネル番号順に切り替えるボタンを押下すると、再生中の番組データの再生部分の時刻データと同じ時刻データの部分から他のチャンネルを再生することができる機能がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/116773号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の技術を用いることができるのは、同時に複数の放送波を録画している場合のみであり、個々の番組を指定して録画している場合には切り替えることが出来ない。
【0006】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、録画番組の再生中におけるチャンネル切替動作の操作性の向上を図った電子機器及び録画番組制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、複数のチャンネルの映像信号を受信する放送受信部と、前記複数のチャンネル間で、受信した切替指示に従ったチャンネルの映像信号に切り替えるチャンネル切替制御部と、前記放送受信部にて受信した映像信号を、一のチャンネルの映像信号を記録する第1の記録方法と、複数のチャンネルの映像信号を記録する第2の記録方法との何れかで記録媒体に記録し、前記第1の記録方法により記録した前記一のチャンネルの映像信号を再生する第1の再生方法と、前記第2の記録方法により記録した前記複数のチャンネルの映像信号をチャンネル間で切替可能に再生する第2の再生方法の何れかで再生する記録再生制御部と、を有し、前記記録再生制御部が前記第1の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記切替指示を受信したときには、前記チャンネル切替制御部は、前記切替指示に従って放送されているチャンネルの映像信号に切り替え、前記記録再生制御部が前記第2の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記切替指示を受信したときには、前記チャンネル切替制御部は、前記記録再生制御部で再生する映像信号のチャンネルを前記切替指示に従ったチャンネルの映像信号に切り替え、前記記録再生制御部は、前記チャンネル切替制御部が前記切替指示を受信した時点の再生位置と略同時刻に前記記録媒体に記録されている位置から、前記切り替えたチャンネルの映像信号を再生することを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係るチャンネル切替方法は、複数のチャンネルの映像信号を受信し、受信した一のチャンネルの映像信号を記録する第1の記録方法と、受信した複数のチャンネルの映像信号を同時に記録する第2の記録方法との何れかで記録し、前記第1の記録方法により記録したチャンネルの映像信号を再生する第1の再生方法と、前記第2の記録方法により記録した複数のチャンネルの映像信号をチャンネル間で切替可能に再生する第2の再生方法との何れかで再生を行い、前記第1の再生方法により映像信号の再生を行っているときには、チャンネルの切替指示に従ったチャンネルの現在放送されている映像信号に切り替え、前記第2の再生方法により映像信号の再生を行っているときには、前記切替指示を受信した時点の再生位置と略同時刻に記録されている位置から前記切り替えたチャンネルの切替指示に従ったチャンネルの映像信号を再生することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、録画番組の再生中におけるチャンネル切替動作の操作性の向上を図った電子機器及び録画番組制御方法を提供することが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の外観図。
【図2】本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置が備えるリモートコントローラの外観図。
【図3】本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の機能ブロック図。
【図4】本実施の形態におけるHDDの記録状態の概念図の一例を示す図。
【図5】本実施の形態における時刻情報テーブルの記録状態の概念図。
【図6】本実施の形態における過去番組表の一例を示す図。
【図7】本実施の形態における第2の再生方法による再生中のチャンネル切替を示す模式図。
【図8】本実施の形態におけるチャンネル切替制御部が実行する第2の再生方法による処理手順のフローチャートを示す図。
【図9】本実施の形態におけるチャンネル切替制御部が実行する第1の再生方法による処理手順のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1〜図9を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る電子機器として、テレビジョン放送受信装置100を例に説明をする。
図1は、本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100の外観図である。尚、本実施の形態では、本発明に係る電子機器としてテレビジョン放送受信装置を例に説明するが、これに限定されることはない。即ち、放送受信装置、放送受信機能付き携帯電話、放送受信機能付きパーソナルコンピュータ、及び放送受信装置が搭載された映像記録装置等、放送受信装置を備えた機器であれば何でも良い。また、放送は空中を伝播してくる電波を受信するものに限らず、ケーブルやIP(インターネット・プロトコル)網等のネットワークを介して放送局から配信される番組を受信可能な放送でも良い。
【0012】
テレビジョン放送受信装置100は、主として薄型のキャビネット110と、これを支持する支持台120とから構成されている。キャビネット110は、後述するチューナ3等の電子装置を格納する。また、キャビネット110の正面中央部に映像表示部130が配置され、両側面にはスピーカ140が配置されステレオ音声再生が行えるようになっている。映像表示部130は、例えばSED(Surface−conduction Electron−emitter Display)表示パネル、LCD(Liquid Crystal Display)表示パネル等である。
【0013】
キャビネット110の正面下部には、リモートコントローラ150から無線送信された操作信号を受信するための受信部24が設けられる。また、テレビジョン放送受信装置100のキャビネット110の側面には、電源スイッチ等の操作部23が配置されている。テレビジョン放送受信装置100は、図示しないプラグを介して外部から電力供給を受け、後述するアンテナ1を介して各種の放送波を受信して、この受信した放送波の信号を信号処理部12でデコードすることにより映像信号、及び音声信号を出力する。映像表示部130はデコードされた映像信号を処理して映像を表示し、スピーカ140はデコードされた音声信号を処理して音声を出力する。
【0014】
尚、本実施の形態においては、キャビネット110内にチューナ等の電子装置を格納するとしたが、これに限定されることはない。即ち、チューナ3等の電子装置をキャビネット110とは別の筐体に格納し、この筐体とテレビジョン放送受信装置100とを接続して、テレビジョン放送受信装置100に備えられる映像表示部130及びスピーカ140にて映像音声を出力するとしても良い。
【0015】
次に、図2を用いてテレビジョン放送受信装置100に設けられるリモートコントローラ150の構造について説明する。図2は、本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置が備えるリモートコントローラ150の外観図である。
【0016】
リモートコントローラ150は、電源キー150aと、放送切替キー150bと、ダイレクト選局キー150cと、音量調節キー150dと、チャンネルアップダウンキー150eと、カーソルキー150fと、決定キー150gと、青、赤、緑、黄のカラーキー150hと、特殊再生キー150iと、画面表示キー150j、タイムシフトキー150kと、番組表キー150lとを備え、構成されている。
【0017】
電源キー150aは、テレビジョン放送受信装置100の電源のオン/オフの切り替えの指示をするためのキーである。放送切替キー150bは、テレビジョン放送受信装置100にて表示する放送を地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送との間で切り替える指示をするためのキーである。ダイレクト選局キー150cは、それぞれのキーと対応するチャンネルをテレビジョン放送受信装置100にて表示する指示をするためのキーである。音量調節キー150dは、スピーカ140から出力する音量を変更する指示をするためのキーである。
【0018】
チャンネルアップダウンキー150eは、テレビジョン放送受信装置100にて表示するチャンネルをチャンネル番号順に変更する指示をするためのキーである。カーソルキー150fは、映像表示部130に表示されるカーソルを移動させる指示をするためのキーである。決定キー150gは、カーソルキー150fが位置する項目を選択する指示をするためのキーである。
【0019】
カラーキー150hは、画面上に表示される各カラーキーに割りあてられた操作案内に対応した操作を指示するためのキーである。特殊再生キー150iは、早送り、巻き戻し、停止、再生、次番組スキップ、前番組スキップ等の特殊再生の指示をするためのキーである。画面表示キー150jは、録画番組中の再生位置を示すバナー等を表示するためのキーである。
【0020】
タイムシフトキー150kは、後述する第2の録画方法により同時録画した番組を表示する過去番組表44を表示させるためのキーである。番組表キー150lは、EPG(Electronic Program Guide)情報に基づいて放送中の番組表を表示させるためのキーである。それぞれのキーが操作されると、指示の内容を示す操作信号が、受信部24を介して図3に示す制御部18に入力される。
【0021】
図3は、本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100の機能ブロック図である。この図3を用いて、本実施の形態に係るチャンネル切替を行うテレビジョン放送受信装置100の機能について説明する。
【0022】
テレビジョン放送受信装置100は、アンテナ1と、入力端子2と、チューナ3と、TS(Transport Stream)処理部11と、信号処理部12と、グラフィック処理部13と、OSD(On Screen Display)信号生成部14と、音声処理部15と、映像処理部16と、HDD(Hard Disk Drive)17と、制御部18と、操作部23と、受信部24と、第1のカードI/F(Interface)25と、第1のカードホルダ26と、第2のカードI/F28と、第2のカードホルダ29と、明るさセンサ31と、通信I/F32と、LAN端子33と、USB I/F34と、USB端子35と、i.LINK I/F36と、i.LINK端子37と、HDMI I/F38と、HDMI端子39と、映像表示部130と、スピーカ140とを備える。
【0023】
また、制御部18は、ROM(Read Only Memory)19と、RAM(Random Access Memory)20と、不揮発性メモリ21と、録画再生制御部22と、チャンネル切替制御部40と、CPU(Central Processing Unit)を備えている。
【0024】
アンテナ1は、放送形式として地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送等を受信することができるように構成されたアンテナである。
入力端子2は、アンテナ1から受信した放送信号を複数のチューナ3に入力する。
チューナ3は、制御部18からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の3種類の中から選局し、この選局された放送信号を復調(地上デジタル放送の場合にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の場合にはPSK(Phase Shift Keying)復調)し、所望の番組を含んだTS(Transport Stream)を得てTS処理部11に入力する。
【0025】
チューナ3は、複数設けられ、受信する放送波に応じてチューナ3A、3B、3Cと符号をつけ、特に区別する必要が無い場合にはこれらを単にチューナ3と称す。本明細書においては、チューナ3Aを視聴用、チューナ3B及び3Cを録画用とする。チューナ3Bと3Cのそれぞれで選局した放送信号を用いた録画方法の違いについては後述する。
【0026】
TS処理部11は、選局されたチャンネルのTSがチューナ3から入力され、これら複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部12に出力する。
また、TS処理部11は、録画を行う場合、チューナ3B及び3Cで選局された複数のTSがチューナ3から入力され、これら複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部12に出力する。
【0027】
信号処理部12は、TS処理部11から出力された複数のチャンネルが多重されたTSに、適切なデジタル信号処理を施す。デジタル信号処理が施されたTSは、データ信号、映像信号及び音声信号に分離される。この分離された映像信号はグラフィック処理部13に、音声信号は音声処理部15に、データ信号はOSD信号生成部14若しくは制御部18に、それぞれ出力される。また、録画するためにTS処理部11によって再多重されたTSは、制御部18に出力される。
【0028】
このデータ信号には、放送された番組に関する各種の情報が含まれている。番組に関する情報として、時刻情報がある。日本の地上デジタル放送においては、社団法人電波産業会(ARIB)の標準規格であるARIB STD−B10で番組配列情報のテーブルとして、時刻日付テーブル(TDT:Time and Date Table)と、サマータイム実施時のオフセット時間情報を含む時刻日付オフセットテーブル(TOT:Time Offset Table)とが定められており、これらのテーブルにより日本標準時(JST=協定世界時(UTC)+9)と修正ユリウス日(MJD)による現在日付と現在時刻とが伝送される。
【0029】
本明細書においては、現在日付と現在時刻として、時刻日付オフセットテーブル(TOT)を用いるものとする。日本の地上デジタル放送の運用規定を定めたARIB TR−B14では、時刻日付オフセットテーブル(TOT)が送信されるデフォルト周期として、5秒が定められており、TOTは5秒に1回の周期で送信される。
【0030】
また、データ信号に含まれる番組に関する情報としては、EPG情報がある。このEPG情報には、チャンネル情報や、チャンネル番号や、番組名や、スケジュール等が含まれる。このEPG情報は、本実施の形態においては、現在から一週間先までの番組についての番組表と、録画した番組についての過去番組表44とを生成するために用いられる。
【0031】
グラフィック処理部13は、信号処理部12から出力されるデジタルの映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部14から出力されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部16に出力される。グラフィック処理部13は、デコードされた映像信号又はOSD信号を、映像処理部16に選択的に出力することもできる。
【0032】
OSD信号生成部14は、制御部18の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また上述の信号処理部12において、デジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部14により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部13に出力される。
【0033】
音声処理部15は、信号処理部12から入力された音声信号を、スピーカ140で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログに変換された音声信号は、スピーカ140に出力されて再生される。
【0034】
映像処理部16は、グラフィック処理部13から出力された信号を、映像表示部130で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログに変換された映像信号は、映像表示部130に出力される。
【0035】
HDD17は、録画再生制御部22による制御に基づいて、チャンネルごとのTSを格納する。HDD17の記録状態については図4を用いて後述する。
制御部18は、操作部23から入力される操作信号や、リモートコントローラ150から送信され受信部24を介して受信される操作信号に応じて、ROM19に予め記録されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部18は、起動したプログラムに従って、RAM20をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。
【0036】
ROM19は、CPUが実行するシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを格納するメモリである。
RAM20は、CPUが各種プログラムを展開するための、いわゆるワーキングメモリである。
不揮発性メモリ21は、各部の動作制御に必要な各種の設定情報及び制御情報等を格納する。本実施の形態においては、録画番組を再生する直前に視聴していた放送のチャンネル情報を格納しているとする。
【0037】
録画再生制御部22は、テレビジョン放送受信装置100の録画及び録画した番組を再生する機能の制御を行う。即ち、録画再生制御部22は、TS処理部11から出力された複数チャンネルが多重されているTSをチャンネルごとのTSに戻し、HDD17に記録する。
【0038】
また、録画再生制御部22は、録画したデータの再生する制御を実行し、HDD17に格納したチャンネルごとのTSを読み出して再生させた後、映像表示部130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。LAN対応HDD専用ポートとしてのLAN端子33を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD17に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行うことが可能となる。
【0039】
本実施の形態において、テレビジョン放送受信装置100は、2種類の録画方法を備えている。ここでまず第1の録画方法は、録画対象とする番組を個々に指定する若しくは任意の時間に録画の開始終了を指定する録画方法のことをいう。即ち、第1の録画方法においては、指定した番組を放送している1つの放送波を受信し、HDD17に記録する。この方法は、従来の個々に録画する番組を指定するHDDレコーダ等と同じ録画方法である。第1の録画方法に用いる放送波を受信するチューナを、チューナ3Bとする。
【0040】
第2の録画方法は、個々の番組を指定するのではなく、チャンネル、時間、曜日等の条件を指定し、条件を満たす全ての番組を録画するものである。即ち、条件に該当する複数の放送波を受信し、これらを並行してチャンネルごとにHDD17に記録する。第2の録画方法に用いる放送波を受信するチューナを、チューナ3Cとする。
【0041】
図4は、本実施の形態におけるHDD17の記録状態の概念図の一例を示す図である。以上の2種類の録画方法により録画される番組の記録状態について、図4を用いて説明する。
【0042】
録画再生制御部22は、HDD17を第1の記録領域171と、第2の記録領域172とに区画して記録を行う。第1の記録領域171には、第1の録画方法により録画された番組のTS、第2の記録領域172には、チャンネルごとに作成された時刻情報テーブル42と第2の録画方法により録画されたチャンネルごとのTS43とを格納する。
【0043】
第1の記録領域171には、ユーザが個々に番組を指定することで録画した番組a〜eのTSが格納されている。これらの番組a〜eのそれぞれのTSには、各番組についてチャンネル情報や番組名等の番組情報が共に格納されている。
【0044】
図5は、本実施の形態における時刻情報テーブル42の記録状態の概念図である。時刻情報テーブル42A〜Cは、それぞれチャンネル1〜3に対応している。それぞれの時刻情報テーブル42には、チャンネル情報、番組情報、時刻情報、アドレスとを対応付けて記録している。この時刻情報テーブル42は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2の放送のGOP(Group of Picture)間隔と同様に、0.5秒ごとに作成するものとする。また、アドレスとは、論理アドレス若しくは物理アドレスとする。
【0045】
また、第2の記録領域172には、チャンネル1〜3において時間帯や曜日等の条件を指定することで録画した番組A〜PがチャンネルごとにTS43として格納されている。第2の記録領域172の記録容量が限界に達した場合、記録時刻が古いものから順次消去しながら録画を続けていくものとする。これに伴い、時刻情報テーブル42も記録時刻の古いものから順次消去され、新たに録画した番組のものが作成され格納されていく。
【0046】
この時刻情報テーブル42は、第2の記録領域172に記録すると限られるものでは無い。即ち、不揮発性メモリ21でも良いし、各種のインターフェースを介して接続される記録媒体に記録するとしても良い。
【0047】
また、本実施の形態において、テレビジョン放送受信装置100は、録画した番組を再生する方法として2種類の再生方法を備えている。
まず、第1の再生方法として第1の記録領域171に格納した番組の中から、選択された1つの番組のみを再生する方法である。即ち、第1の記録領域171に格納している番組a〜eまでをリスト表示し、このリストに基づいて選択された1つの番組を再生する場合を第1の再生方法とする。
【0048】
第2の再生方法として、第2の記録領域172に格納した複数のチャンネルのTSを、チャンネル切替可能且つ録画時刻に沿って順に連続して再生する方法である。即ち、第2の記録領域172に格納しているチャンネル1〜3のTS43a〜cの何れかを再生中にチャンネルを切り替えると、再生していたチャンネルの時刻と略同時刻に記録されている時点からチャンネル切替先のチャンネルが第2の記録領域172から再生されて表示される。従って、過去に遡ってリアルタイムで放送を視聴しているように、チャンネルを切り替えて番組を視聴することが可能になる。
【0049】
略同時刻とは、再生していた位置の録画時刻の前後10秒前後を指す。TS43を再生し始めてから、映像表示部130に映像を表示するまでに数秒要するため、同じ録画時刻に記録されている位置に遷移すると、実際に表示されるのは数秒遅れた映像からになる虞がある。そこで、チャンネル切替動作を行った時点で再生しているTS43の時刻情報と比べて、数秒前に記録されている位置に遷移するとしても良い。数秒前のTS43の位置に遷移することで、チャンネル切替動作以前に視聴していたチャンネルの録画時刻と同じ時刻に録画されている映像が実際に表示されることになる。
【0050】
また、チャンネル切替動作を行った時点で再生しているTS43の時刻情報と比べて、数秒後に記録されている位置に遷移するとしても良い。数秒後のTS43の位置に遷移することで、過去に遡ってリアルタイムで放送を視聴している際にチャンネルを切り替えた場合の動作を再現することができる。
【0051】
第2の再生方法は、図6に示す過去番組表44の中から番組を指定した場合に実行される。即ち、過去番組表44のように示す第2の録画方法により録画された番組A〜Pの中から、再生する番組を選択することで第2の再生方法による再生が実行される。この第2の再生方法によれば、選択した録画番組から録画時刻に沿って順に連続して録画番組の再生が行われる。
【0052】
過去番組表44は、タイムシフトキー150kを押下することで表示される。タイムシフトキー150kが押下されると、録画再生制御部22は第2の記録領域172に格納しているTS43に含まれているEPG情報を取得し、過去番組表44を生成する。
【0053】
図6は、本実施の形態における過去番組表44の一例を示す図である。図6に示すように過去番組表44は、カーソル45と、テーブル46と、録画時刻表示47と、チャンネル表示48と、再生時刻表示49とから構成される。
【0054】
カーソル45は、カーソルキー150fによる操作に応じてテーブル46上を移動する。
第2の再生方法による再生を開始する直前に視聴していたチャンネルが第2の録画方法により録画されている場合には、視聴していたチャンネルの最新の録画番組の位置にカーソル45を表示する。第2の再生方法による再生を開始する直前に視聴していたチャンネルが第2の録画方法により録画されていない場合には、第2の録画方法において録画されているチャンネルの内でチャンネル番号が最も小さいチャンネルの最新の録画番組の位置にカーソル45を表示する。
【0055】
第2の再生方法により再生を行っている場合に、番組表キー150lを押下し、過去番組表44を表示する場合、番組表キー150lを押下した時点で再生している録画番組の位置にカーソル45を表示する。
【0056】
テーブル46は、縦軸を録画時刻表示47、横軸をチャンネル表示48とし、録画済みの番組を表示するテーブルである。テーブル46の各セルには、EPG情報に基づいて、チャンネル情報及び時刻情報から決定される番組情報が表示される。
【0057】
録画時刻表示47は、第2の録画方法で録画済みの録画番組の内、最新の録画済み番組の録画時刻から遡り最長で6時間分のテーブルを表示する。録画時刻が6時間に満たない場合には、録画を行っている分のみを表示する。
【0058】
チャンネル表示48は、第2の記録領域172に格納しているTS43のチャンネルを表示する。
再生時刻表示49は、第2の再生方法により再生を行っている番組を録画したときの録画時刻を表示する。
テーブル46中でカーソルキー150fによる操作によりカーソル45を移動させ、カーソル45を所望の番組に置いた状態で決定キー150gを押下すると、このカーソル45が置かれていた番組の再生を録画再生制御部22が実行する。図6に示した例では、番組Cにカーソル45を置いた状態で決定キー150gを押下すると、まず録画再生制御部22は番組Cを再生し、番組Cの再生が終了すると続けて番組Dを再生する。
【0059】
尚、タイムシフトキー150kを押下した時点で、第2の録画方法による録画を行っている場合には、この録画中の番組がテーブル46の最下行に表示される。また、録画中の番組のセル中の録画中の部分を、テーブル46上の他の部分と異なる表示とする。
【0060】
操作部23は、ユーザによる操作に応じた操作信号を受け付け、制御部18に入力する。
受信部24は、ユーザによるリモートコントローラ150の操作に応じた操作信号を受け付け、制御部18に入力する。
第1のカードホルダ26は、第1のカードI/F25を介して制御部18に接続されている。第1のカード27は、この第1のカードI/F25に装着可能である。第1のカード27は、例えばSD(Secure Digital)メモリーカード、MMC(Multimedia Card)及びCF(Compact Flash)(登録商標)カード等の記録媒体である。第1のカードホルダ26に装着された第1のカード27と、制御部18は、第1のカードI/F25を介して情報の伝達を行うことができる。制御部18は、第1のカード27に、画像や音楽、放送番組等のデータを格納することができる。また制御部18は、第1のカード27に格納された画像や音楽、放送番組等のデータを読み出し、音声処理部15及び映像処理部16等でデコード処理がされることにより、映像表示部130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。
【0061】
第2のカードホルダ29は、第2のカードI/F28を介して制御部18に接続されている。第2のカード30は、この第2のカードI/F28に装着可能である。第2のカード30は、例えば放送受信契約の契約情報等を記録する記録媒体である。第2のカードホルダ29に装着された第2のカード30と制御部18は、第2のカードI/F28を介して情報の伝達を行うことができる。
【0062】
明るさセンサ31は、キャビネット110の前面に配置され、テレビジョン放送受信装置100が配置されている周囲の明るさを検出し、この検出結果を制御部18に入力する。制御部18は、入力された明るさに関する検出結果に基づいて、映像表示部130の輝度を制御する。
【0063】
LAN(Local Area Network)端子33は、通信I/F32を介して制御部18に接続されている。LAN端子33は、イーサネット(登録商標)を用いたLAN対応HDD専用ポートとして使用される。LAN端子33にLAN対応のHDDがNAS(Network Attached Storage)として接続された場合、HDD17及び制御部18は、通信I/F32を介して、情報の伝達を行うことができる。この場合、制御部18は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとして機能し、LAN端子33に接続された当該LAN対応のHDDにIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0064】
通信I/F32を介して制御部18に接続されるHDD、PC、DVDレコーダ等の機器には、ハードディスクやDVD(光ディスク)等の記録媒体を装着することが可能である。制御部18は、当該記録媒体に、ハブ及び当該ハブに接続される機器を介して画像や音楽、放送番組等のデータを格納することができる。また制御部18は、当該記録媒体に格納された画像や音楽、放送番組等のデータを読み出し再生して、映像表示部130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。
【0065】
USB(Universal Serial Bus)端子35は、USB I/F34を介して制御部18に接続されている。USB端子35は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子35には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリーカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部18は、USB端子35及びUSB I/F34を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0066】
i.LINK端子37は、i.LINK I/F36を介して制御部18に接続されている。i.LINK端子37には、例えばAV−HDD、D(Digital)−VHS(Video Home System)等がシリアル接続される。制御部18は、i.LINK端子37及びi.LINK I/F36を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0067】
HDMI端子39は、HDMI I/F38を介して制御部18に接続されている。HDMI端子39には、例えばパーソナルコンピュータや液晶ディスプレイやAVアンプ等に接続される。制御部18は、HDMI端子39及びHDMI I/F38を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0068】
チャンネル切替制御部40は、第1及び第2の再生方法の内の何れかによる再生中に、チャンネルの切替動作の制御を行う。チャンネルの切替動作は、ダイレクト選局キー150cとチャンネルアップダウンキー150eの何れかにより指示される。本実施の形態において、チャンネル切替動作は、再生方法により異なる。
【0069】
まず、第1の再生方法により再生している場合には、現在放送中の番組に遷移する。即ち、番組を指定して再生している場合、この再生中の番組と同じ時刻に他のチャンネルを録画しているとは限らない。従って、録画番組間でチャンネル切替を行わず、現在放送中の番組に切り替える。
【0070】
第2の再生方法により再生している場合には、略同時刻に録画されている他のチャンネルの番組に遷移する。再生時刻を基準として、他の録画チャンネルに切り替えることで、過去に遡ってリアルタイムで放送を視聴しているように、チャンネルを切り替えて番組を視聴することが可能になる。尚、略同時刻に他のチャンネルを録画されていない場合には、指示されたチャンネルに遷移できない旨のワーニング表示を行う。
【0071】
次に、各再生方法における、リモートコントローラ150のダイレクト選局キー150c及びチャンネルアップダウンキー150eの操作によるチャンネル切替動作について説明する。
【0072】
まず、第1の再生方法により選択された所望の番組を視聴している場合に、ダイレクト選局キー150cによりチャンネル切替が指示された場合について説明する。第1の再生方法により選択された所望の番組を再生している場合に、ダイレクト選局キー150cが押下されると、チャンネル切替制御部40は、ダイレクト選局キー150cにより指定されるチャンネルの現在放送中の番組に遷移する。
【0073】
次に、第1の再生方法により選択された所望の番組を視聴している場合に、チャンネルアップダウンキー150eによりチャンネル切替が指示された場合について説明する。第1の再生方法により選択された所望の番組を再生している場合に、チャンネルアップダウンキー150eが押下されると、チャンネル切替制御部40は不揮発性メモリ21から録画番組を再生する直前に視聴していたチャンネル情報を取得し、このチャンネル情報に基づくチャンネルの現在放送中の番組に遷移する。又は、録画番組を再生する直前に視聴していたチャンネルの前後のチャンネルの現在放送中の番組に遷移するとしても良い。
【0074】
図7は、本実施の形態における第2の再生方法による再生中のチャンネル切替を示す模式図である。図7を用いて、第2の再生方法により再生を行っている場合のチャンネル切替動作について説明する。以下の説明においては、再生している時刻と同時刻に録画されている切替先のチャンネルのTS43の位置に遷移する場合を説明するが、略同時刻に録画されている位置としても良い。
【0075】
図7は、第2の記録領域172に格納した録画番組を、縦軸を時間軸としてチャンネルごとに示している。チャンネル1(CH1)、チャンネル2(CH2)、チャンネル3(CH3)において、PM4時からPM10時までに放送された番組を録画していることが示されている。例えば、チャンネル1では、PM4時からPM5時までは番組A、PM5時からPM6時までは番組B、PM6時からPM7時までは番組C、PM7時からPM8時までは番組D、PM8時からPM10時までは番組Eを録画している。
【0076】
まず、第2の再生方法による再生中に、ダイレクト選局キー150cによるチャンネル切替が指示された場合について説明する。第2の再生方法によりあるチャンネルで放送された番組を再生している場合にダイレクト選局キー150cが押下されると、チャンネル切替制御部40は押下されたダイレクト選局キー150cに対応するチャンネルのTS43を読出し再生する。
【0077】
例えば、チャンネル1の番組Cを再生している際に、ダイレクト選局キー150cのチャンネル2を押下する。すると、この時点で再生しているTS43Aのアドレスを時刻情報テーブル42Aから読み出し、このアドレスに対応する時刻情報を取得する。取得した時刻情報に基づいてチャンネル2の時刻情報テーブル42Bから同じ時刻に録画されているTS43Bのアドレスを取得し、このアドレスの位置からTS43Bの読み込みを開始する。
【0078】
例えば、チャンネル1の再生中に18時30分1.0秒の時点でダイレクト選局キー150cのチャンネル2に割り当てられているキーを押下する。すると、チャンネル切替制御部40は、時刻情報テーブル42B中から時刻情報が18時30分1.0秒として記録されている時点を探索する。チャンネル2においては、18時30分1.0秒に記録されている番組は番組Hであり、対応付けて記録されているアドレスからTS43Bを読み込む。このようにして、ダイレクト選局キー150cを押下することによるチャンネル1からチャンネル2への切替動作が完了する。
【0079】
次に、第2の再生方法による再生中に、チャンネルアップダウンキー150eによるチャンネル切替が指示された場合について説明する。第2の再生方法によりあるチャンネルで放送された番組を再生している場合にチャンネルアップダウンキー150eが押下されると、チャンネル切替制御部40は押下されたチャンネルアップダウンキー150eに対応するチャンネルのTS43を読出し再生する。本実施の形態においては、チャンネル1、2、3が第2の録画方法により同時録画されている。チャンネルアップダウンキー150eにおいては、チャンネル番号順にチャンネルがアップ又はダウン方向に切り替わる。
【0080】
例えば、チャンネル1の番組Cを再生している際に、チャンネルアップダウンキー150eのアップキーを押下する。すると、この時点で再生しているTS43Aのアドレスを時刻情報テーブル42Aから読み出し、このアドレスに対応する時刻情報を取得する。チャンネル1よりも1つチャンネル番号の大きいチャンネル2の時刻情報テーブル42Bから、この時刻情報と同じ時刻に対応づけられているアドレスを取得する。取得したアドレスからTS43Bを読み込むことでチャンネル1からチャンネル2へのチャンネルの切替動作が完了する。
【0081】
チャンネル1からチャンネル3までの3チャンネルが記録されている場合、チャンネル2に切り替えた時点で再度アップキーを押下する場合はチャンネル2からチャンネル3に切り替わる。チャンネル3に切り替えた時点で再度アップキーを押下すると、チャンネル1に切り替わるというように、チャンネルの番号順に循環する。また、チャンネル1を再生している際に、ダウンキーを押下する場合はチャンネル3に切り替わる。即ち、アップキーとは逆に循環する。
【0082】
以上のように、第2の再生方法においては、同時刻に放送されたチャンネルごとに時刻情報とアドレスを対応付けた時刻情報テーブル42を参照することで、チャンネル切替が実行される。
【0083】
尚、切り替えたチャンネルにおいて録画されている番組を番組開始時点から視聴したい場合には、特殊再生キー150iの前番組スキップキーを押下することで、番組の頭出しが可能である。
【0084】
図8は、本実施の形態におけるチャンネル切替制御部40が実行する第2の再生方法による処理手順のフローチャートを示す図である。この図8を用いて、第2の再生方法による再生中におけるチャンネル切替が行われるまでの処理手順について説明する。
【0085】
まず、録画再生制御部22は、第2の記録領域172から、過去番組表44で選択された番組のチャンネル及び開始時刻に対応するアドレスを探索し、再生開始位置を取得する(ステップS11)。次に、この取得した再生開始位置のTS43を第2の記録領域172から読み出す(ステップS12)。録画再生制御部22は、読み出したTS43を再生して音声処理部15及び映像処理部16に送出することで番組を再生する(ステップS13)。
【0086】
次に、チャンネル切替制御部40は、チャンネルアップダウンキー150eからの指示を受信したか否かを判別する(ステップS14)。ステップS14で判別した結果、チャンネルアップダウンキー150eからの指示を受信したと判別した場合(ステップS14のYes)、チャンネル切替制御部40はアップキーからの指示であるか否かを判別する(ステップS15)。
【0087】
ステップS15で判別した結果、アップキーからの指示であると判別した場合(ステップS15のYes)、現在再生しているチャンネルのチャンネル番号よりも番号が大きいチャンネル(次チャンネル)の再生開始位置を取得する(ステップS16)。即ち、第2の録画方法により同時録画しているチャンネルの内で、現在再生しているチャンネルよりも番号が大きいチャンネル中から同時刻に記録されている時刻情報を探索し、この時刻情報に対応するアドレスを取得して再生開始位置を取得する。そして、ステップS12に戻り、この取得した再生位置からTS43を読み出すことで、チャンネルの切替が実行される。
【0088】
一方、アップキーからの指示でないと判別した場合(ステップS15のNo)、現在再生しているチャンネルのチャンネル番号よりも番号の小さいチャンネル(前チャンネル)の再生開始位置を取得する(ステップS17)。即ち、第2の録画方法により同時録画しているチャンネルの内で、現在再生しているチャンネルよりも番号が小さいチャンネル中から同時刻に記録されている時刻情報を探索し、この時刻情報に対応するアドレスを取得して再生開始位置を取得する。そして、ステップS12に戻り、この取得した再生位置から指示されたチャンネルのTS43を読み出し再生することで、チャンネルの切替が実行される。
【0089】
ステップS14で判別した結果、チャンネルアップダウンキー150eからの指示を受信していないと判別した場合(ステップS14のNo)、チャンネル切替制御部40はダイレクト選局キー150cからの指示を受信したか否かを判別する(ステップS18)。ステップS18で判別した結果、ダイレクト選局キー150cからの指示を受信していないと判別した場合(ステップS18のNo)、この処理手順を終了する。一方、ダイレクト選局キー150cからの指示を受信したと判別した場合(ステップS18のYes)、チャンネル切替制御部40は、指示されたチャンネルを録画しているか否かを判別する(ステップS19)。
【0090】
ステップS19で判別した結果、指示されたチャンネルを録画していないと判別した場合(ステップS19のNo)、指示されたチャンネルに切替できない旨のワーニング表示を行う(ステップS20)。一方、指示されたチャンネルを録画していると判別した場合8ステップS19のYes)、指示チャンネルの再生開始位置を取得する(ステップS21)。即ち、第2の録画方法により同時録画しているチャンネルの内で、ダイレクト選局キー150cにて指示されたチャンネルの同時刻に記録されている時刻情報を探索し、この時刻情報に対応するアドレスを取得して再生開始位置を取得する。そして、ステップS12に戻る。この取得した再生位置からデータを読み出すことで、チャンネルの切替が実行される。
【0091】
尚、本実施の形態においては、時刻情報テーブル42から時刻情報を取得するとしたが、これに限定されることはない。即ち、TS43に含まれるTOTを参照して、時刻情報を取得するとしても良い。
【0092】
図9は、本実施の形態におけるチャンネル切替制御部40が実行する第1の再生方法による処理手順のフローチャートを示す図である。この図9を用いて、第1の再生方法による再生中におけるチャンネル切替が行われるまでの処理手順について説明する。
【0093】
まず、録画再生制御部22は、第1の記録領域171から、録画リストから選択された番組のチャンネル及び開始時刻に対応するアドレスを探索し、再生開始位置を取得する(ステップS21)。次に、この取得した再生開始位置のTS41を第1の記録領域171から読み出す(ステップS22)。録画再生制御部22は、ステップS22で読み出したTS41を再生して音声処理部15及び映像処理部16に送出することで番組を再生する(ステップS23)。
【0094】
次に、チャンネル切替制御部40は、チャンネルアップダウンキー150eからの指示を受信したか否かを判別する(ステップS24)。ステップS24で判別した結果、チャンネルアップダウンキー150eからの指示を受信したと判別した場合(ステップS24のYes)、再生を開始する直前に視聴していたチャンネルの現在の放送に切り替える(ステップS25)。又は、再生を開始する直前に視聴していたチャンネルの前後のチャンネルの現在の放送に切り替えるとしても良い。
【0095】
ステップS24で判別した結果、チャンネルアップダウンキー150eからの指示を受信していないと判別した場合(ステップS24のNo)、チャンネル切替制御部40はダイレクト選局キー150cからの指示を受信したか否かを判別する(ステップS26)。ステップS26で判別した結果、ダイレクト選局キー150cからの指示を受信していないと判別した場合(ステップS18のNo)、この処理手順を終了する。一方、ダイレクト選局キー150cからの指示を受信したと判別した場合(ステップS26のYes)、チャンネル切替制御部40は、指示されたチャンネルの現在の放送に切り替える(ステップS27)。以上で、第1の再生方法による再生中におけるチャンネル切替動作を終了する。
【0096】
以上のように構成される本実施の形態によれば、再生している録画番組に応じてチャンネルの切り替えを行うことで操作性の向上を図ることができる。即ち、複数のチャンネルを同時に録画している場合、再生している時刻と同じ時刻に記録している他のチャンネルに切り替えることで、過去に遡ってリアルタイムで放送を視聴しているように、チャンネルを切り替えて番組を視聴することが可能になる。これにより、従来とは別の視点の録画番組の再生が実現し、増大した録画番組の中から視聴する番組を探索する新たな手法を提供することができる。
【0097】
また、ある番組を指定して再生している場合には現在放送中の番組に切り替え、記録時刻と同時刻に他のチャンネルが録画されていない場合にあっても、チャンネルの切り替えが実行される。以ってテレビジョン放送受信装置100の操作性を更に向上させることが実現する。
【0098】
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0099】
1…アンテナ、2…入力端子、3…チューナ、11…TS処理部、12…信号処理部、13…グラフィック処理部、14…OSD信号生成部、15…音声処理部、16…映像処理部、17…HDD、18…制御部、19…ROM、20…RAM、21…不揮発性メモリ、22…録画再生制御部、23…操作部、24…受信部、25…第1のカードI/F、26…第1のカードホルダ、27…第1のカード、28…第2のカードI/F、29…第2のカードホルダ、30…第2のカード、31…明るさセンサ、32…通信I/F、33…LAN端子、34…USB…I/F、35…USB端子、36…i.LINK…I/F、37…i.LINK端子、38…HDMI…I/F、39…HDMI端子、40…チャンネル切替制御部、41…TS、42…時刻情報テーブル、43…TS、44…過去番組表、45…カーソル、46…テーブル、47…録画時刻表示、48…チャンネル表示、49…再生時刻表示、100…テレビジョン放送受信装置、110…キャビネット、120…支持台、130…映像表示部、140…スピーカ、150…リモートコントローラ、150a…電源キー、150b…放送切替キー、150c…ダイレクト選局キー、150d…音量調節キー、150e…チャンネルアップダウンキー、150f…カーソルキー、150g…決定キー、150h…カラーキー、150i…特殊再生キー、150j…画面表示キー、150k…タイムシフトキー、150l…番組表キー、171…第1の記録領域、172…第2の記録領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルの映像信号を受信する放送受信部と、
前記複数のチャンネル間で、受信した切替指示に従ったチャンネルの映像信号に切り替えるチャンネル切替制御部と、
前記放送受信部にて受信した映像信号を、一のチャンネルの映像信号を記録する第1の記録方法と、複数のチャンネルの映像信号を記録する第2の記録方法との何れかで記録媒体に記録し、
前記第1の記録方法により記録した前記一のチャンネルの映像信号を再生する第1の再生方法と、前記第2の記録方法により記録した前記複数のチャンネルの映像信号をチャンネル間で切替可能に再生する第2の再生方法の何れかで再生する記録再生制御部と、
を有し、
前記記録再生制御部が前記第1の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記切替指示に従って放送されているチャンネルの映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部が前記第2の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記記録再生制御部で再生する映像信号のチャンネルを前記切替指示に従ったチャンネルの映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部は、前記チャンネル切替制御部が前記切替指示を受信した時点の再生位置と略同時刻に前記記録媒体に記録されている位置から、前記切り替えたチャンネルの映像信号を再生することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記チャンネル切替制御部に入力される切替指示は、チャンネルをダイレクトに指定する第1の切替指示と、チャンネルをアップまたはダウン方向に変更する第2の切替指示とを有し、
前記記録再生制御部が前記第2の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第1の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記記録再生制御部で再生する映像信号のチャンネルを前記第1の切替指示に従ったダイレクトに指定されるチャンネルの映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部は、前記チャンネル切替制御部が前記第1の切替指示を受信した時点の再生位置と略同時刻に前記記録媒体に記録されている位置から、前記切り替えたチャンネルの映像信号を再生し、
前記記録再生制御部が前記第2の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第2の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記記録再生制御部で再生する映像信号のチャンネルを前記第2の切替指示に従った前記再生中のチャンネルのアップまたはダウン方向に設定されているチャンネルの映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部は、前記チャンネル切替制御部が前記第2の切替指示を受信した時点の再生位置と略同時刻に前記記録媒体に記録されている位置から、前記切り替えたチャンネルの映像信号を再生することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記チャンネル切替制御部は、
前記第2の再生方法により映像信号を再生しているときに、前記第1の切替指示によりダイレクトに指定されるチャンネルを記録していない場合、チャンネルの切り替えが不可能である旨の表示を生成することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記記録再生制御部が前記第1の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第1の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記第1の切替指示に従ってダイレクトに指定されるチャンネルの放送されている映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部が前記第1の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第2の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記第2の切替指示に従って前記第1の再生方法による再生を開始する直前に前記記録再生制御部にて再生していたチャンネルの放送されている映像信号に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記記録再生制御部が前記第1の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第1の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記第1の切替指示に従ってダイレクトに指定されるチャンネルの放送されている映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部が前記第1の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第2の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記第2の切替指示に従って前記第1の再生方法による再生を開始する直前に前記記録再生制御部にて再生していたチャンネルのアップまたはダウン方向に設定されているチャンネルの放送されている映像信号に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
前記記録再生制御部は、チャンネルごとに、前記映像信号の時刻情報と、前記映像信号を記録する前記記録媒体中の位置を示すアドレスとを対応付けて記録し、
前記記録再生制御部が前記第2の再生方法により映像信号を再生しているときに前記チャンネル切替制御部が前記第1及び第2の切替指示を受信したときには、
前記チャンネル切替制御部は、前記記録再生制御部で再生する映像信号のチャンネルを前記第1及び第2の切替指示に従ったチャンネルの映像信号に切り替え、
前記記録再生制御部は、前記チャンネル切替制御部が前記第1及び第2の切替指示を受信した時点の再生位置の時刻情報と略同時刻に対応づけられている前記記録媒体中の位置を示すアドレスを取得し、前記アドレスの示す前記記録媒体中の位置から前記切り替えたチャンネルの映像信号を再生することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
更に、前記記録再生制御部により再生される映像信号を表示する表示装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
複数のチャンネルの映像信号を受信し、
受信した一のチャンネルの映像信号を記録する第1の記録方法と、受信した複数のチャンネルの映像信号を同時に記録する第2の記録方法との何れかで記録し、
前記第1の記録方法により記録したチャンネルの映像信号を再生する第1の再生方法と、前記第2の記録方法により記録した複数のチャンネルの映像信号をチャンネル間で切替可能に再生する第2の再生方法との何れかで再生を行い、
前記第1の再生方法により映像信号の再生を行っているときには、チャンネルの切替指示に従ったチャンネルの現在放送されている映像信号に切り替え、
前記第2の再生方法により映像信号の再生を行っているときには、前記切替指示を受信した時点の再生位置と略同時刻に記録されている位置から前記切り替えたチャンネルの切替指示に従ったチャンネルの映像信号を再生することを特徴とするチャンネル切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−71585(P2011−71585A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218566(P2009−218566)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【特許番号】特許第4635098号(P4635098)
【特許公報発行日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】