説明

電子機器

【課題】人体の皮膚に固定するための固定部材の交換を容易に行う。
【解決手段】電子機器は、生体信号取得装置と、第1シートと、第2シートとを具備する。生体信号取得装置は、人体の皮膚に固定した状態で人体の生体信号を取得する。第1シートは、生体信号取得装置と接着するための一の面と、他のシートと接着するための他の面とを備える。また、第1シートの一の面および生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力よりも、第1シートの他の面および他のシート間における単位面積当たりの接着力が大きい。第2シートは、第1シートにおける他の面と接着するための一の面と、人体の皮膚と接着するための他の面とを備える。また、第2シートの他の面および人体の皮膚間における単位面積当たりの接着力よりも、第1シートにおける一の面および生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力が大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電子機器に関する。詳しくは、人体に固定した状態で人体の生体信号を取得する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の皮膚表面にマイクロフォンを取り付け、その人物の呼吸音、心音、血管音、肺胞音等の生体信号をそのマイクロフォンにより取得する電子機器が存在する。
【0003】
例えば、両面に接着剤層が設けられている中間シート部材を用いて、センサユニット(集音ユニット)を人体の皮膚表面に貼り付ける生体信号採取装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−302052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、中間シート部材およびセンサユニットを貼り付けるための接着剤の接着力について、センサユニット側の接着力を中間シート部材側の接着力よりも大きくしている。このため、生体信号の取得が終了した後にセンサユニットを人体の皮膚表面から取り外す場合において、センサユニットから中間シート部材を剥がす際には、中間シート部材の接着剤層がセンサユニットに残ることになる。
【0006】
ここで、一般に、接着剤は貼ったり剥がしたりを繰り返すと接着力が低下する傾向がある。このため、使用中にセンサユニットが予期せず剥がれることを防止するため、中間シート部材は、センサユニットを使用する毎に更新することが好ましい。この場合に、上述したように、センサユニットに接着剤層が残っていると、中間シート部材をセンサユニットに適切に接着することができないおそれがある。
【0007】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、人体の皮膚に固定するための固定部材の交換を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、人体の皮膚に固定した状態で上記人体の生体信号を取得する生体信号取得装置と、上記生体信号取得装置と接着するための一の面と、他のシートと接着するための他の面とを備え、当該一の面および上記生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力よりも、当該他の面および上記他のシート間における単位面積当たりの接着力が大きい第1シートと、上記第1シートにおける上記他の面と接着するための一の面と、上記人体の皮膚と接着するための他の面とを備え、当該他の面および上記人体の皮膚間における単位面積当たりの接着力よりも、上記第1シートにおける上記一の面および上記生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力が大きい第2シートとを具備する電子機器である。これにより、第1シートの一の面および生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力よりも、第1シートの他の面および第2シート間における単位面積当たりの接着力を大きくし、第2シートの他の面および人体の皮膚間における単位面積当たりの接着力よりも、第1シートにおける一の面および生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力を大きくして、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記第1シートにおける上記一の面と、上記第1シートにおける上記他の面と、上記第2シートにおける上記他の面とのそれぞれには粘着材が設けられ、上記第1シートにおける上記一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、上記第1シートにおける上記他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力を大きくし、上記第2シートにおける上記他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、上記第1シートにおける上記一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力を大きくするようにしてもよい。これにより、第1シートにおける一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、第1シートにおける他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力を大きくし、第2シートにおける他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、第1シートにおける一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力を大きくするようにして、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記第1シートは、上記第1シートにおける上記一の面に係る粘着材と、上記第1シートにおける上記他の面に係る粘着材とが互いに接着されて形成されるようにしてもよい。これにより、一の面に係る粘着材と、他の面に係る粘着材とが互いに接着されて形成される第1シートを用いて、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記第1シートは、上記第1シートにおける上記一の面に係る粘着材が接着される一の面と、上記第1シートにおける上記他の面に係る粘着材が接着される他の面とを有するシート部材を備えるようにしてもよい。これにより、シート部材を備える第1シートを用いて、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記生体信号取得装置は、上記第1シートにおける上記一の面と接着するための接着面と、上記接着面の中心部に設けられている凹部と、上記凹部の底部に設けられ、上記生体信号を取得する生体信号取得部とを備え、上記第1シートは、上記第1シートにおける上記一の面および上記他の面のそれぞれの中心部に設けられている孔を備え、上記電子機器は、上記生体信号取得装置および上記第1シートが接着され、上記第1シートおよび上記第2シートが接着されている状態で、上記生体信号取得部と上記凹部と上記孔と上記第2シートにおける上記一の面とにより形成される密閉空間をさらに具備するようにしてもよい。これにより、第1シートおよび第2シートが接着されている状態で、生体信号取得部と凹部と孔と第2シートにおける一の面とにより密閉空間が形成されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記凹部の開口部の周縁と、上記孔の周縁とを略同一とし、上記凹部の開口部の周縁と上記孔の周縁とが略一致するように上記生体信号取得装置および上記第1シートが接着されるようにしてもよい。これにより、凹部の開口部の周縁と孔の周縁とが略一致するように、生体信号取得装置および第1シートが接着されるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記生体信号取得部を、マイクロフォンとするようにしてもよい。これにより、生体信号取得部としてマイクロフォンを用いるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記第2シートにおける上記一の面および上記他の面のそれぞれの面積を、上記第1シートにおける上記一の面および上記他の面のそれぞれの面積よりも大きくするようにしてもよい。これにより、第2シートにおける両面のそれぞれの面積を、第1シートにおける両面のそれぞれの面積よりも大きくした状態で、第1シートおよび第2シートが接着されるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記生体信号取得装置は、上記生体信号として、呼吸音、心音、血管音、肺胞音の何れか1つ、または、これらの組合せを取得するようにしてもよい。これにより、生体信号として、呼吸音、心音、血管音、肺胞音の何れか1つ、または、これらの組合せを取得するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記第2シートを粘着性フィルムドレッシング材とするようにしてもよい。これにより、第2シートとして粘着性フィルムドレッシング材を用いるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記第1シートおよび上記第2シートのそれぞれを識別可能とするための色を、上記第1シートおよび上記第2シートの少なくとも一方に付すようにしてもよい。これにより、それぞれを識別可能とするための色が付されている第1シートおよび第2シートを用いて、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記第2シートの色を半透明とするようにしてもよい。これにより、半透明とする第2シートを用いて、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記第2シートにおける上記一の面に格子型の模様を付すようにしてもよい。これにより、一の面に格子型の模様を付されている第2シートを用いて、生体信号取得装置を人体の皮膚に固定させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0021】
本技術によれば、人体の皮膚に固定するための固定部材の交換を容易に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100の使用例を簡略化して示す図である。
【図2】本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100の構成例を示す断面図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態における生体信号取得装置200の構成例を示す断面図および側面図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態における第1粘着シート300の構成例を示す断面図および側面図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態における第2粘着シート400の構成例を示す断面図および側面図である。
【図6】本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100を使用している状態を示す断面図である。
【図7】本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100の使用が終了した後の状態を示す断面図である。
【図8】本技術の第1の実施の形態における第2粘着シート500の構成例を示す断面図および側面図である。
【図9】本技術の第2の実施の形態における生体信号取得ユニット110の構成例を示す断面図である。
【図10】本技術の第2の実施の形態における粘着シート600の構成例を示す断面図および側面図である。
【図11】本技術の第2の実施の形態における粘着シート600の構成例を示す断面図および側面図である。
【図12】本技術の第2の実施の形態における生体信号取得ユニット110を使用している状態を示す断面図である。
【図13】本技術の第2の実施の形態における粘着シート700の構成例を示す断面図および側面図である。
【図14】本技術の第2の実施の形態における粘着シート700の構成例を示す断面図および側面図である。
【図15】本技術の実施の形態における生体信号取得装置200により取得された生体信号を用いる電子機器の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(第1粘着シートおよび第2粘着シートを用いて生体信号取得装置を人体の皮膚表面に固定する例)
2.第2の実施の形態(第1粘着シートおよび第2粘着シートに相当する1つのシートを用いて生体信号取得装置を人体の皮膚表面に固定する例)
3.適用例
【0024】
<1.第1の実施の形態>
[生体信号取得ユニットの使用例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100の使用例を簡略化して示す図である。なお、生体信号取得ユニット100の構成(矢印Aから見た場合における生体信号取得ユニット100の断面(CS1−CS2断面))については、図2を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1では、人物10の頚部(頸部)20の皮膚表面30に生体信号取得ユニット100を取り付けて使用する状態を示す。人物10は、生体信号を取得(計測)する対象者であり、例えば、患者、被験者である。
【0026】
また、生体信号取得ユニット100に備えられる信号ケーブル230は、電子機器50に接続される。なお、電子機器50は、生体信号取得ユニット100により取得された生体信号について各種処理(例えば、A/D(Analog/Digital)変換処理、信号解析処理)を行うものである。なお、生体信号取得ユニット100により取得された生体信号について各種処理を行う電子機器の例については、図15を参照して詳細に説明する。
【0027】
[生体信号取得ユニットの構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100の構成例を示す断面図である。また、図2では、生体信号取得ユニット100とともに、人物10の頚部20の断面図を示す。すなわち、図2では、人物10の頚部20の皮膚表面30に生体信号取得ユニット100を取り付ける前の状態における生体信号取得ユニット100と皮膚表面30との関係を簡略化して示す。
【0028】
生体信号取得ユニット100は、生体信号取得装置200と、第1粘着シート300と、第2粘着シート400とを備える。なお、生体信号取得ユニット100は、特許請求の範囲に記載の電子機器の一例である。
【0029】
生体信号取得装置200は、ハウジング210と、マイクロフォン220と、信号ケーブル230とを備える。
【0030】
ハウジング210は、円柱形状のハウジングであり、円柱形状の一端面に相当する面が第1粘着シート300との接着面211となる。また、接着面211の中心部には、すり鉢状の凹部212が形成され、凹部212の底部には、マイクロフォン220が設けられている。また、ハウジング210の内部には中空部213が形成され、マイクロフォン220に接続されている信号ケーブル230が中空部213を介してハウジング210の外部に出力されている。
【0031】
なお、本技術の実施の形態では、生体信号取得装置のハウジングとして、円柱形状のハウジングを一例として示すが、他の形状(例えば、角柱形状、円錐形状)のハウジングを用いるようにしてもよい。
【0032】
マイクロフォン220は、生体信号として音を取得する生体信号取得部である。例えば、マイクロフォン220は、人物10の頚部20の皮膚表面30に生体信号取得装置200が取り付けられている状態で、皮膚表面30から発生される音を生体信号として取得する。例えば、マイクロフォン220は、生体信号として、呼吸音、心音、血管音、肺胞音の何れか1つ、または、これらの組合せを取得する。また、マイクロフォン220により取得された生体信号は、信号ケーブル230を介して外部装置(例えば、図1に示す電子機器50)に出力される。なお、マイクロフォン220は、特許請求の範囲に記載の生体信号取得部の一例である。
【0033】
例えば、マイクロフォン220は、エレクトレットコンデンサーマイクロフォンにより実現される。なお、生体信号取得部として、エレクトレットコンデンサーマイクロフォン以外の他のマイクロフォン(例えば、シリコンマイクロフォン)を用いるようにしてもよい。
【0034】
また、本技術の実施の形態では、図示およびその詳細な説明を省略するが、生体信号取得装置200に、電源用の電池、A/D変換装置、無線通信装置を内蔵するようにしてもよい。なお、電源用の電池は、生体信号取得装置200に電源を供給する電池である。また、A/D変換装置は、マイクロフォン220により取得された生体信号をA/D変換する装置である。このように、生体信号取得装置200にA/D変換装置を内蔵する場合には、A/D変換装置により変換されたデジタル信号を生体信号取得装置200から出力することができるため、他のA/D変換装置が不要となる。また、無線通信装置は、マイクロフォン220により取得された生体信号を無線を介して外部装置に伝送するための装置である。例えば、信号ケーブル230が擦れる際にノイズが発生することも想定される。そこで、生体信号取得装置200に無線通信装置を内蔵することにより、信号ケーブル230が擦れる際に発生するノイズを防止することができる。
【0035】
信号ケーブル230は、マイクロフォン220により取得された生体信号を外部装置に出力するための信号ケーブルである。
【0036】
第1粘着シート300は、両面が接着面となる環状(例えば、図4(b)に示す)のシートであり、シート310と、粘着材320と、粘着材330とを備える。ここで、図4(b)に示すように、皮膚表面30側から見た場合において、第1粘着シート300における中心部の孔301は円状であり、その周縁のサイズは、生体信号取得装置200の凹部212の開口部の周縁のサイズに略同一である。なお、第1粘着シート300は、特許請求の範囲に記載の第1シートの一例である。
【0037】
シート310は、一方の面に粘着材320が取り付けられ、他方の面に粘着材330が取り付けられている環状のシート部材である。シート310の材質として、ポリエチレン等の樹脂、不織布等の材質を用いることができる。
【0038】
粘着材320は、一方の面がシート310に取り付けられ、他方の面が生体信号取得装置200への接着面321となる環状の粘着材である。皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、粘着材320の接着面321が、生体信号取得装置200の接着面211に貼り付けられる。
【0039】
粘着材330は、一方の面がシート310に取り付けられ、他方の面が第2粘着シート400への接着面331となる環状の粘着材である。皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、粘着材330の接着面331が、第2粘着シート400の接着面411に貼り付けられる。
【0040】
第2粘着シート400は、一方の面が粘着面となる円状(例えば、図5(b)に示す)のシートであり、シート410および粘着材420を備える。
【0041】
シート410は、一方の面が粘着材420に取り付けられ、他方の面が第1粘着シート300への接着面411となる円状のシートである。シート410の材質としては、皮膚表面30の振動を効率的にマイクロフォン220に伝えることができる材質を用いることが好ましい。例えば、シート410の材質として、アクリル樹脂、ポリウレタン、ナイロン等の材質を用いることができる。また、皮膚表面30の動きに順応することができるように伸縮性を有するシートを用いることにより、人物10の皮膚の負担を低減することができる。この特性を有するシートとして、例えば、医療用の粘着性フィルムドレッシング材を用いることができる。なお、ドレッシング材は、皮膚表面を保護するため、巻いたり覆ったりする部材を意味する。
【0042】
粘着材420は、一方の面がシート410に取り付けられ、他方の面が皮膚表面30と接着するための接着面421となる円状の粘着材である。皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、粘着材420の接着面421が、皮膚表面30に貼り付けられる。
【0043】
このように、皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、生体信号取得装置200および第1粘着シート300が粘着材320によって貼り付けられ、第1粘着シート300および第2粘着シート400が粘着材330によって貼り付けられる。また、第2粘着シート400および皮膚表面30が粘着材420によって貼り付けられる。
【0044】
[生体信号取得装置の構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における生体信号取得装置200の構成例を示す断面図および側面図である。すなわち、図3(a)には、生体信号取得装置200の断面図を示し、図3(b)には、生体信号取得装置200の側面図(接着面211側(皮膚表面30側)から見た場合における側面図)を示す。なお、図3(a)に示す生体信号取得装置200の断面図は、時計回りに90度回転させた点以外は、図2に示す生体信号取得装置200の断面図と同一であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0045】
上述したように、接着面211の中心部には、すり鉢状の凹部212が形成され、凹部212の底部には、マイクロフォン220が設けられている。
【0046】
ここで、凹部212を含む接着面211に対応する円の半径をR1とし、凹部212の開口部に対応する円の半径をR2とし、接着面211の面積をA1とする場合には、次の式が成り立つ。
A1=π(R1)−π(R2)
【0047】
[第1粘着シートの構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における第1粘着シート300の構成例を示す断面図および側面図である。すなわち、図4(a)には、第1粘着シート300の断面図を示し、図4(b)には、第1粘着シート300の側面図(接着面331側(皮膚表面30側)から見た場合における側面図)を示す。なお、図4(a)に示す第1粘着シート300の断面図は、時計回りに90度回転させた点以外は、図2に示す第1粘着シート300の断面図と同一であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0048】
上述したように、第1粘着シート300には、円柱形状の孔301が形成されている。ここで、生体信号取得装置200の接着面211に対応する円の外周のサイズと、第1粘着シート300に対応する円の外周のサイズとは、同一である。また、凹部212の開口部に対応する円の外周のサイズと、第1粘着シート300の孔301に対応する円の外周のサイズとは、同一であるものとする。
【0049】
このため、第1粘着シート300に対応する円の半径をR3とし、第1粘着シート300の孔301に対応する円の半径をR4とし、接着面331の面積をA2とする場合には、R1=R3、R2=R4、A1=A2であり、次の式が成り立つ。
A2=π(R3)−π(R4)
【0050】
また、接着面331における半径方向の長さをR5とする場合には、次の式が成り立つ。
R5=R3−R4
【0051】
[第2粘着シートの構成例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における第2粘着シート400の構成例を示す断面図および側面図である。すなわち、図5(a)には、第2粘着シート400の断面図を示し、図5(b)には、第2粘着シート400の側面図(接着面421側(皮膚表面30側)から見た場合における側面図)を示す。なお、図5(a)に示す第2粘着シート400の断面図は、時計回りに90度回転させた点以外は、図2に示す第2粘着シート400の断面図と同一であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0052】
上述したように、第2粘着シート400には、第1粘着シート300とは異なり、孔が形成されていない。また、第2粘着シート400の接着面421に対応する円の外周のサイズは、第1粘着シート300に対応する円の外周のサイズよりも大きいものとする。
【0053】
このため、第2粘着シート400に対応する円の半径をR6とし、接着面421の面積をA3とする場合には、R1=R3<R6、A1=A2<A3であり、次の式が成り立つ。
A3=π(R6)
【0054】
ここで、第1粘着シート300および第2粘着シート400と、各粘着材(粘着材320、330、420)の粘着力とについて説明する。
【0055】
例えば、第1粘着シート300として、両面の粘着力が異なる両面テープを用いることができる。この両面テープを用いる場合には、一方の面(生体信号取得装置200を貼り付ける面)の粘着力は、生体信号取得装置200から剥がす際に、接着面211に粘着材が残らない程度の粘着力とすることが好ましい。ただし、この粘着力は、次の関係が成り立つものとする。
【0056】
また、例えば、第2粘着シート400として、皮膚の損傷を抑えることが可能であり、呼吸音等の生体信号を通過させることができる程度に薄くて柔らかい医療用フィルム(例えば、片面テープ)を用いることができる。
【0057】
生体信号取得装置200および第1粘着シート300間の単位面積当たりの粘着力(粘着材320の単位面積当たりの粘着力)を第1の粘着力AS1とする。また、第2粘着シート400および皮膚表面30間の単位面積当たりの粘着力(粘着材420の単位面積当たりの粘着力)を第2の粘着力AS2とする。また、第1粘着シート300および第2粘着シート400間の単位面積当たりの粘着力(粘着材330の単位面積当たりの粘着力)を第3の粘着力AS3とする。この場合に、これらの3つの粘着力の間には、次の関係が成り立つものとする。
AS2<AS1<AS3
【0058】
すなわち、第1粘着シート300の接着面321および生体信号取得装置200間における単位面積当たりの接着力よりも、第1粘着シート300の接着面331および第2粘着シート400間における単位面積当たりの接着力が大きくなるように設定される。また、第2粘着シート400の接着面421および皮膚表面30間における単位面積当たりの接着力よりも、第1粘着シート300の接着面321および生体信号取得装置200間における単位面積当たりの接着力が大きくなるように設定される。
【0059】
具体的には、第2の粘着力(粘着材420の単位面積当たりの粘着力)AS2は、第2粘着シート400を皮膚表面30から剥がす際に皮膚の損傷が低く抑えられる程度に低く設定される。この場合に、接着面421の面積A3は、第2の粘着力AS2の弱い分を十分に補うだけの広さを有するように設定される。例えば、接着面421の単位面積当たりの粘着力を半分にする場合には、接着面421の面積A3を2倍にするように設定される。
【0060】
このように、接着面421の面積A3を広く設定することにより、第2の粘着力AS2を低く抑えることが可能となる。これにより、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30に安定して固定することができ、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30から剥がす際には、皮膚表面30の損傷を抑えることが可能となる。
【0061】
ここで、仮に、生体信号取得装置200の凹部212の開口部に対応する円の外周のサイズと同一サイズの孔を第2粘着シート400に設けることを想定する。この場合には、第1粘着シート300の孔301の位置と、第2粘着シート400の孔との位置を正確に合わせて貼ることが困難となることが想定される。そこで、第2粘着シート400の形状を、孔を設けない形状とすることにより、接着面421の面積A3を広くすることができる。これにより、生体信号取得ユニット100の使用者が、第1粘着シート300および第2粘着シート400を貼り付ける際には、位置合わせを厳密にすることなく容易に貼り付けることができる。
【0062】
なお、本技術の第1の実施の形態では、第2粘着シート400の外周のサイズを第1粘着シート300の外周のサイズよりも大きくする例を示すが、これらのサイズを略同一とするようにしてもよい。例えば、第1粘着シート300には孔301が形成されているのに対し、第2粘着シート400には孔が形成されていない。このため、第2粘着シート400の外周のサイズと、第1粘着シート300の外周のサイズとが同一であっても、第1粘着シート300の孔301に相当する面積だけ、第2粘着シート400の接着面の面積が広くなる。例えば、狭い部分(例えば、乳児の頚部)に生体信号取得ユニット100を貼り付ける場合には、第2粘着シート400の外周のサイズを小さくすることが有効である。
【0063】
このように、本技術の第1の実施の形態では、第2粘着シート400における接着面411、421のそれぞれの面積は、第1粘着シート300における接着面321、331のそれぞれの面積よりも大きく設定される。
【0064】
[生体信号取得ユニットの使用状態例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100を使用している状態を示す断面図である。すなわち、図6では、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30に装着した際における断面を示す。
【0065】
ここで、図6では、図2に示す生体信号取得ユニット100における各接着面211、321、331、411がそれぞれ貼り付けられ、接着面421が皮膚表面30に貼り付けられた状態の生体信号取得ユニット100を示す。
【0066】
図6に示すように、生体信号取得装置200の凹部212の開口部の周縁と、第1粘着シート300の孔301の周縁とが略一致するように、生体信号取得装置200および第1粘着シート300が接着される。
【0067】
また、生体信号取得ユニット100における各接着面211、321、331、411がそれぞれ貼り付けられた状態では、生体信号取得装置200の凹部212と、第1粘着シート300の孔301とにより密閉空間101が形成される。すなわち、密閉空間101は、生体信号取得装置200のマイクロフォン220および凹部212の内側面と、第1粘着シート300の孔301の内側面と、第2粘着シート400の接着面411とで囲まれている閉じた空間である。このように、生体信号取得ユニット100は、生体信号取得装置200および第1粘着シート300が接着され、第1粘着シート300および第2粘着シート400が接着されている状態で形成される密閉空間101を備える。
【0068】
例えば、人物(例えば、被験者)10が呼吸をすると、気道内の気体の振動が皮膚表面30に伝わる。このように、皮膚表面30に伝わった振動は、第2粘着シート400に伝わり、第2粘着シート400に伝わった振動は、さらに密閉空間101内の空気を振動させる。そして、密閉空間101内の空気の振動が、マイクロフォン220に伝わると、その空気の振動をマイクロフォン220が電気信号に変換する。このようにマイクロフォン220により変換された電気信号は、信号ケーブル230を介して外部装置(例えば、図1に示す電子機器50)に伝えられる。
【0069】
このように、密閉空間101内の空気を振動させることによりマイクロフォン220に皮膚表面30の振動が伝えられるため、密閉空間101が密閉されていることは重要となる。例えば、密閉空間101に隙間が存在すると音圧が低下してしまい、マイクロフォン220により取得可能な生体信号が著しく小さくなってしまうおそれがある。
【0070】
そこで、第1粘着シート300における半径方向の長さ(図4(b)に示すR5)は、貼り付け時に部分的な隙間ができない程度に広くする必要がある。例えば、第1粘着シート300における半径方向の長さ(図4(b)に示すR5)を2mm以上とすることが好ましい。さらには、3mm以上とすることが好ましい。
【0071】
図7は、本技術の第1の実施の形態における生体信号取得ユニット100の使用が終了した後の状態を示す断面図である。すなわち、図7では、人物10の生体信号の計測が終了した後に、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30から剥がした際における断面を示す。
【0072】
例えば、人物10の生体信号の計測が終了した場合には、皮膚表面30に貼り付けられている第2粘着シート400を引っ張ることにより、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30から剥がすことができる。
【0073】
ここで、上述したように、第3の粘着力AS3(第1粘着シート300および第2粘着シート400間の単位面積当たりの粘着力)は、第1の粘着力AS1(生体信号取得装置200および第1粘着シート300間の単位面積当たりの粘着力)よりも大きい。このため、第2粘着シート400を引っ張ることにより生体信号取得装置200から剥がそうとすると、第1粘着シート300は、第2粘着シート400に貼り付いた状態で生体信号取得装置200から剥がれることになる。
【0074】
なお、別の手順により、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30から剥がすようにしてもよい。例えば、生体信号取得装置200を引っ張ることにより第1粘着シート300から剥がす場合を想定する。この場合には、第3の粘着力AS3は第1の粘着力AS1よりも大きいため、第1粘着シート300は、第2粘着シート400に貼りついた状態で、生体信号取得装置200から剥がれることになる。続いて、第1粘着シート300が貼り付いた状態の第2粘着シート400を引っ張ることにより皮膚表面30から剥がすことができる。
【0075】
このように、生体信号取得ユニット100を皮膚表面30から剥がす場合には、第3の粘着力AS3が第1の粘着力AS1よりも大きいため、第1粘着シート300および第2粘着シート400が貼り付いた状態とすることができる。このため、第1粘着シート300を生体信号取得装置200から容易に剥がすことができる。
【0076】
ここで、生体信号取得ユニット100の色について説明する。
【0077】
例えば、第1粘着シート300および第2粘着シート400のそれぞれに異なる色を付すことにより、各粘着シートの存在を容易に確認することができる。
【0078】
例えば、第1粘着シート300については、生体信号取得装置200の色と容易に違いが分かる色を付すことができる。このように第1粘着シート300に色を付すことにより、生体信号取得装置200に第1粘着シート300を貼り忘れたことを、生体信号取得ユニット100の使用者に容易に気付かせることができる。また、生体信号取得装置200から第1粘着シート300を剥がし忘れたことを、生体信号取得ユニット100の使用者に容易に気付かせることができる。このため、生体信号取得ユニット100の誤使用を防ぐことができる。
【0079】
また、第2粘着シート400については、貼付対象となる皮膚表面30の色と容易に違いが分かる色を付すことができる。このように第2粘着シート400に色を付すことにより、例えば、皮膚表面30に貼り付けられた第2粘着シート400の上に第1粘着シート300を貼り付ける場合には、第2粘着シート400上の位置を容易に確認することができる。このため、第1粘着シート300の貼り付け間違いを防ぐことができる。
【0080】
このように、第1粘着シート300および第2粘着シート400のそれぞれを識別可能とするための色を、第1粘着シート300および第2粘着シート400の少なくとも一方に付すことができる。
【0081】
ここで、例えば、皮膚表面30に貼り付けられた第2粘着シート400の上に第1粘着シート300を貼り付ける場合を想定する。この場合には、第2粘着シート400からはみ出した位置への貼り付けや、第2粘着シート400を貼っていない位置(皮膚表面30上の位置)への貼り付け等を行うことにより、貼り付け間違いをすることも想定される。
【0082】
そこで、例えば、第2粘着シート400の接着面411に格子型の模様等を付けることにより、その貼り付け間違いを防止することができる。これにより、第2粘着シート400に第1粘着シート300を貼り付ける際における位置合わせを容易にすることができる。また、第2粘着シート400の色を半透明にすることにより、第2粘着シート400を貼り付けた部分の皮膚の状態を確認することができる。
【0083】
[第2粘着シートの他の構成例]
以上では、円形状の第2粘着シート400を例にして説明したが、円形状以外の第2粘着シートを用いるようにしてもよい。そこで、図8では、円形状以外の第2粘着シートの一例を示す。
【0084】
図8は、本技術の第1の実施の形態における第2粘着シート500の構成例を示す断面図および側面図である。すなわち、図8(a)には、第2粘着シート500の断面図を示し、図8(b)には、第2粘着シート500の側面図(接着面521側(皮膚表面30側)から見た場合における側面図)を示す。
【0085】
なお、第2粘着シート500は、接着面511および接着面521の形状が矩形状である点以外は、図5等に示す第2粘着シート400と同一である。このため、ここでは、第2粘着シート400と異なる点を中心に説明し、他の説明についてはその一部を省略する。
【0086】
ここで、第2粘着シート500には、第2粘着シート400と同様に、孔が形成されていない。また、第2粘着シート500の接着面521に対応する矩形の外周のサイズは、第1粘着シート300に対応する円の外周のサイズよりも大きいものとする。
【0087】
具体的には、第2粘着シート500に対応する矩形の長辺をH1とし、短辺をW1とし、接着面521の面積をA4とする場合には、R1=R3≦W1/2≦H1/2、A1=A2<A4であり、次の式が成り立つ。
A4=H1×W1
【0088】
このように、使用状況に応じて、第2粘着シートとして各種形状の粘着シートを用いることができる。
【0089】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、第1粘着シートおよび第2粘着シートを用いて生体信号取得装置を人体の皮膚表面に固定する例を示した。しかしながら、本技術の第1の実施の形態における第1粘着シートおよび第2粘着シートに相当する1つのシートを用いて生体信号取得装置を固定することも考えられる。
【0090】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、本技術の第1の実施の形態における第1粘着シートおよび第2粘着シートに相当する1つのシートを用いて生体信号取得装置を固定する例を示す。
【0091】
[生体信号取得ユニットの構成例]
図9は、本技術の第2の実施の形態における生体信号取得ユニット110の構成例を示す断面図である。また、図9では、生体信号取得ユニット110とともに、人物10の頚部20の断面図を示す。すなわち、図9では、人物10の頚部20の皮膚表面30に生体信号取得ユニット110を取り付ける前の状態における生体信号取得ユニット110と皮膚表面30との関係を簡略化して示す。
【0092】
生体信号取得ユニット110は、生体信号取得装置200および粘着シート600を備える。なお、生体信号取得装置200は、本技術の第1の実施の形態における生体信号取得装置200と同一である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付してその説明の一部を省略する。
【0093】
粘着シート600は、両面が接着面となる円状(例えば、図10(b)および図11(b)に示す)のシートであり、シート610と、粘着材621と、粘着材622と、粘着材630とを備える。ここで、シート610は、本技術の第1の実施の形態におけるシート410に相当し、粘着材630は、本技術の第1の実施の形態における粘着材420に相当する。また、粘着材621は、本技術の第1の実施の形態における粘着材320に相当し、粘着材622は、本技術の第1の実施の形態における粘着材330に相当する。すなわち、シート610および粘着材630は、本技術の第1の実施の形態における第2粘着シート400に相当する。また、粘着材621および粘着材622は、シート310が省略された点以外は、本技術の第1の実施の形態における第1粘着シート300に相当する。このため、本技術の第2の実施の形態では、本技術の第1の実施の形態と異なる点を中心に説明し、共通する部分については、その説明の一部を省略する。
【0094】
シート610は、一方の面が粘着材630に取り付けられ、他方の面が粘着材622に取り付けられている円状のシートである。なお、シート610の材質等については、シート410と同様である。
【0095】
粘着材630は、一方の面がシート610に取り付けられ、他方の面が皮膚表面30と接着するための接着面631となる円状の粘着材である。皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、粘着材630の接着面631が、皮膚表面30に貼り付けられる。
【0096】
粘着材621および粘着材622は、対向する一の面で互いに接着されている環状(例えば、図10(b)に示す)の粘着材であり、粘着材621および粘着材622の孔により凹部640が形成される。ここで、凹部640の開口部の周縁のサイズは、生体信号取得装置200の凹部212の開口部の周縁のサイズと略同一である。
【0097】
また、粘着材621は、粘着材622が接着されている面の反対側の面が生体信号取得装置200への接着面623となる。皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、粘着材621の接着面623が、生体信号取得装置200の接着面211に貼り付けられる。
【0098】
また、粘着材622は、粘着材621が接着されている面の反対側の面がシート610に取り付けられている。
【0099】
このように、粘着材621、622が互いに接着されて形成されるシートが、本技術の第1の実施の形態における第1粘着シート300に相当するものとなる。
【0100】
また、皮膚表面30に生体信号取得装置200を装着する場合には、生体信号取得装置200および粘着シート600が粘着材621によって貼り付けられ、粘着シート600および皮膚表面30が粘着材630によって貼り付けられる。
【0101】
ここで、各粘着材(粘着材621、622、630)の粘着力について説明する。生体信号取得装置200および粘着シート600間の単位面積当たりの粘着力(粘着材621の単位面積当たりの粘着力)を第1の粘着力AS4とする。また、粘着シート600および皮膚表面30間の単位面積当たりの粘着力(粘着材630の単位面積当たりの粘着力)を第2の粘着力AS5とする。また、粘着材622およびシート610間の単位面積当たりの粘着力(粘着材622の単位面積当たりの粘着力)を第3の粘着力AS6とする。この場合に、これらの3つの粘着力の間には、次の関係が成り立つものとする。
AS5<AS4<AS6
【0102】
[粘着シートの構成例]
図10および図11は、本技術の第2の実施の形態における粘着シート600の構成例を示す断面図および側面図である。すなわち、図10(a)および図11(a)には、粘着シート600の断面図を示す。また、図10(b)には、粘着シート600の側面図(接着面623側(生体信号取得装置200側)から見た場合における側面図)を示す。また、図11(b)には、粘着シート600の側面図(接着面631側(皮膚表面30側)から見た場合における側面図)を示す。なお、図10(a)および図11(a)に示す粘着シート600の断面図は、時計回りに90度回転させた点以外は、図9に示す粘着シート600の断面図と同一であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0103】
図10に示すように、粘着シート600には、円柱形状の凹部640が形成されている。ここで、生体信号取得装置200の接着面211に対応する円の外周のサイズと、粘着シート600における粘着材621に対応する円の外周のサイズとは、同一であるものとする。また、凹部212の開口部に対応する円の外周のサイズと、粘着シート600の凹部640の開口部に対応する円の外周のサイズとは、同一であるものとする。
【0104】
ここで、粘着シート600における粘着材621に対応する円の半径をR7とし、粘着シート600の凹部640の開口部に対応する円の半径をR8とし、接着面623の面積をA5とする場合には、R1=R7、R2=R8、A1=A5であり、次の式が成り立つ。
A5=π(R7)−π(R8)
【0105】
また、接着面623における半径方向の長さをR9とする場合には、次の式が成り立つ。
R9=R7−R8
【0106】
また、図11に示すように、粘着シート600における反対側の面(接着面631)には、凹部640が形成されていない。また、粘着シート600における接着面631に対応する円の外周のサイズは、粘着シート600における粘着材621に対応する円の外周のサイズよりも大きいものとする。
【0107】
このため、粘着シート600における粘着材630に対応する円の半径をR10とし、接着面631の面積をA6とする場合には、R1=R7<R10、A1=A5<A6であり、次の式が成り立つ。
A6=π(R10)
【0108】
なお、各粘着材(粘着材621、622、630)の粘着力と、各接着面(623、631)の面積との関係については、これらに相当する本技術の第1の実施の形態の関係と略同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0109】
[生体信号取得ユニットの使用状態例]
図12は、本技術の第2の実施の形態における生体信号取得ユニット110を使用している状態を示す断面図である。すなわち、図12では、生体信号取得ユニット110を皮膚表面30に装着した際における断面を示す。
【0110】
ここで、図12では、図9に示す生体信号取得ユニット110における各接着面211、623が貼り付けられ、接着面631が皮膚表面30に貼り付けられた状態の生体信号取得ユニット110を示す。
【0111】
また、生体信号取得ユニット110における各接着面211、623が貼り付けられた状態では、生体信号取得装置200の凹部212と、粘着シート600の凹部640とにより密閉空間111が形成される。すなわち、密閉空間111は、生体信号取得装置200のマイクロフォン220および凹部212の内側面と、粘着シート600の凹部640の内側面および底面(シート610の表面)とで囲まれている閉じた空間である。なお、密閉空間111は、本技術の第1の実施の形態における密閉空間101に対応する。
【0112】
なお、密閉空間111内の空気の振動によるマイクロフォン220の電気信号(生体信号)の取得については、本技術の第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0113】
ここで、図9および図12を参照して、人物10の生体信号の計測が終了した後に、生体信号取得ユニット110を皮膚表面30から剥がす場合について説明する。
【0114】
例えば、人物10の生体信号の計測が終了した場合には、皮膚表面30に貼り付けられている粘着シート600を引っ張ることにより、生体信号取得ユニット110を皮膚表面30から剥がすことができる。続いて、生体信号取得装置200から粘着シート600を引っ張ることにより、粘着シート600を生体信号取得装置200から剥がすことができる。
【0115】
なお、別の手順により、生体信号取得ユニット110を皮膚表面30から剥がすようにしてもよい。例えば、生体信号取得装置200を引っ張ることにより粘着シート600から剥がす。続いて、生体信号取得装置200が剥がれた状態の粘着シート600を引っ張ることにより皮膚表面30から剥がすことができる。
【0116】
ここで、上述したように、AS5<AS4<AS6の関係が成り立つ。このため、生体信号取得装置200から粘着シート600を引っ張る動作や、皮膚表面30に貼り付けられている生体信号取得装置200を直接引っ張る動作を行っても、粘着材621、622とシート610とが剥がれることがない。このため、粘着シート600を生体信号取得装置200から容易に剥がすことができる。
【0117】
[粘着シートの他の構成例]
以上では、円形状の粘着シート600を例にして説明したが、円形状以外の粘着シートを用いるようにしてもよい。そこで、図13および図14では、円形状以外の粘着シートの一例を示す。
【0118】
図13および図14は、本技術の第2の実施の形態における粘着シート700の構成例を示す断面図および側面図である。すなわち、図13(a)および図14(a)には、粘着シート700の断面図を示す。また、図13(b)には、粘着シート700の側面図(接着面723側(生体信号取得装置200側)から見た場合における側面図)を示す。また、図14(b)には、粘着シート700の側面図(接着面731側(皮膚表面30側)から見た場合における側面図)を示す。
【0119】
なお、粘着シート700は、接着面731(シート710および粘着材730)の形状が矩形状である点以外は、図10および図11等に示す粘着シート600と同一である。このため、ここでは、粘着シート600と異なる点を中心に説明し、他の説明についてはその一部を省略する。
【0120】
ここで、粘着シート700における接着面731に対応する矩形の外周のサイズは、粘着面723に対応する円の外周のサイズよりも大きいものとする。
【0121】
具体的には、粘着シート700における接着面731に対応する矩形の長辺をH2とし、短辺をW2とし、接着面731の面積をA7とする場合には、R1=R7≦W2/2≦H2/2、A1=A5<A7であり、次の式が成り立つ。
A7=H2×W2
【0122】
このように、使用状況に応じて、粘着シートとして各種形状の粘着シートを用いることができる。
【0123】
<3.適用例>
本技術の第1および第2の実施の形態では、粘着シートおよび生体信号取得装置により構成される生体信号取得ユニットを人体の皮膚表面に固定する例を示した。このように取得された生体信号については、各種処理を行い、利用することができる。そこで、以下では、生体信号取得ユニットにより取得された生体信号を利用する例を示す。
【0124】
[生体信号を用いる電子機器例]
図15は、本技術の実施の形態における生体信号取得装置200により取得された生体信号を用いる電子機器の例を示す図である。すなわち、図15では、生体信号取得装置200により取得された生体信号(被験者の生体信号)をモニタリングするシステム構成を示す。
【0125】
図15(a)には、生体信号について音声出力および記録をする場合におけるシステム構成例を示す。
【0126】
例えば、生体信号取得装置200により取得された生体信号が信号増幅装置801およびA/D変換装置803に出力される。信号増幅装置801は、生体信号取得装置200から出力された生体信号を増幅してスピーカ802に出力し、スピーカ802から音声出力させる。このように、生体信号取得装置200により取得された生体信号をスピーカ802から音声出力することにより、生体信号をリアルタイムで聞くことができる。なお、異常時にのみ、その旨の音声をスピーカ802から出力するようにしてもよい。
【0127】
また、A/D変換装置803は、生体信号取得装置200から出力された生体信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して記録装置804に出力し、記録装置804に記録させる。このように、記録装置804に生体信号を記録しておくことにより、その生体信号の取得時以降においても、その生体信号を使用することができる。なお、この例では、スピーカ802により生体信号を音声出力するとともに、その生体信号を記録装置804に記録する例を示した。ただし、このように生体信号の音声出力および記録を同時に行うようにしてもよく、何れか一方のみを行うようにしてもよい。
【0128】
図15(b)には、生体信号について波形表示および記録をする場合におけるシステム構成例を示す。
【0129】
例えば、生体信号取得装置200により取得された生体信号がA/D変換装置811に出力される。A/D変換装置811は、生体信号取得装置200から出力された生体信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換してフィルタリング装置812に出力する。
【0130】
フィルタリング装置812は、A/D変換装置811から出力された生体信号(デジタル信号)について所定のフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理は、例えば、必要とする生体信号以外の信号を減衰させる処理である。例えば、必要とする生体信号が呼吸音である場合には、必要とする生体信号以外の信号は、心音等である。このように、必要とする生体信号が呼吸音である場合には、心音等(必要とする生体信号以外の信号)を減衰させる処理がフィルタリング処理として行われる。
【0131】
波形表示装置813は、フィルタリング装置812によりフィルタリング処理が施された生体信号の波形を表示する。このように、生体信号を波形表示装置813に表示させることにより、生体信号の状態をモニタ上で視覚的に容易に確認することができる。
【0132】
記録装置814は、フィルタリング装置812によりフィルタリング処理が施された生体信号を記録する。このように、フィルタリング処理が施された生体信号を記録装置814に記録しておくことにより、その生体信号の取得時以降においても、その生体信号を使用することができる。なお、この例では、波形表示装置813に生体信号を表示するとともに、その生体信号を記録装置814に記録する例を示した。このように、生体信号の波形表示および記録を同時に行うようにしてもよく、何れか一方のみを行うようにしてもよい。
【0133】
図15(c)には、生体信号について信号解析結果表示および記録をする場合におけるシステム構成例を示す。
【0134】
例えば、生体信号取得装置200により取得された生体信号がA/D変換装置821に出力される。A/D変換装置821は、生体信号取得装置200から出力された生体信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して信号解析装置822に出力する。
【0135】
信号解析装置822は、A/D変換装置821から出力された生体信号(デジタル信号)について所定の信号解析処理を行う。ここで、例えば、解析対象となる生体信号が呼吸音である場合を想定する。この場合には、信号解析処理として、例えば、単位時間当たりの呼吸回数や呼吸の間隔を求める処理を行う。また、信号解析処理として、例えば、正常状態の呼吸と異常状態の呼吸とを判別する処理を行う。例えば、異常状態の呼吸は、直前の呼吸からの経過時間に基づいて判断することができる。例えば、直前の呼吸から20秒が経過した場合には、異常状態(例えば、呼吸がつまりそうな状態)の呼吸であると判断される。
【0136】
解析結果表示装置823は、信号解析装置822による信号解析結果を表示する。ここで、解析結果を表示する場合に、単位時間当たりの呼吸回数が設定した閾値(例えば、上限値または下限値)を超えた場合や、異常状態の呼吸を検出した場合等にアラームを表示させたり、アラーム音で知らせたりするようにしてもよい。例えば、直前の呼吸から20秒が経過した場合には、異常状態の呼吸であると判断されるため、その旨のアラームが表示される(または、その旨のアラームが音声出力される)。また、解析結果を解析結果表示装置823に表示する場合には、呼吸回数等よりも高度な情報が得られるため、使用者は他の重要なことに意識を集中することができるようになる。また、異常な状態になったことをアラームで知ることにより、生体信号の状態を使用者が常に観察する必要がなく、使用者の利便性を向上させることができる。
【0137】
記録装置824は、信号解析装置822による信号解析処理の解析結果を記録する。このように、信号解析処理の解析結果を記録装置824に記録しておくことにより、その解析結果の取得時以降においても、その解析結果を使用することができる。なお、この例では、解析結果表示装置823に信号解析処理の解析結果を表示するとともに、その解析結果を記録装置824に記録する例を示した。このように、信号解析処理の解析結果の表示および記録を同時に行うようにしてもよく、何れか一方のみを行うようにしてもよい。
【0138】
なお、図15(a)乃至(c)に示す各システム構成について、これらを組み合わせたシステム構成とするようにしてもよい。例えば、図15(a)および(c)を組み合わせることにより、生体信号をリアルタイムで聞くことができるとともに、異常状態をアラームにより確認することもできる。
【0139】
ここで、従来、患者の呼吸音や心音等の生体音を観察する際には、聴診器が広く使われている。一般に、聴診器は、患者の皮膚に当てて呼吸音や心音等の聴診音を拾うチェストピース部(生体信号取得部)と、これにより拾われた聴診音をイヤーピース部に伝えるチューブ部と、その聴診音を聞くために耳に差し込むイヤーピース部とから構成されている。
【0140】
また、近年では、電子聴診器が実用化され、複数の者が同時に聴診音を聞いたり、聴診音を記録に残したりすることが可能である。また、睡眠時無呼吸症候群の検査等では、生体音(生体信号)を長時間連続してモニタリングする検査方法も増えてきている。ここで、長時間連続してモニタリングする検査方法では、モニタリングの安定性が重要となる。
【0141】
例えば、生体信号取得装置が皮膚から剥がれ落ちてしまうと生体音(生体信号)を取得することができなくなる。また、剥がれ落ちていない状態であっても、生体信号取得装置が部分的に剥がれ、皮膚表面から少しだけ浮いた状態になると、生体音(生体信号)を取得することができなくなるおそれがある。この場合において、仮に生体音(生体信号)を取得することができた場合でも、とても小さい音になったり、生体音(生体信号)に周囲の音(環境音)が大きく混ざったりすることも想定される。
【0142】
このため、生体音(生体信号)を長時間連続して安定的にモニタリングするためには、生体信号取得装置が皮膚にしっかりと固定されている必要がある。例えば、生体信号取得装置を皮膚に固定するためにゲルシートを使用する技術が提案されている。このように、ゲルシートを使用することにより、生体信号取得装置に内蔵されているマイクロフォンと皮膚表面との間の密閉空間の機密性を確保すると同時に、剥がれ難さを実現することができる。
【0143】
このように、生体音(生体信号)を長時間連続して安定的にモニタリングするためには、強い粘着材の使用により、生体信号取得装置の皮膚からの剥がれを防ぐことは重要である。
【0144】
ここで、生体信号取得装置を患者の皮膚に装着して生体信号を取得した後には、その使用後に患者の皮膚から生体信号取得装置を剥がす必要がある。しかしながら、生体信号取得装置の装着のために強い粘着材を使用する場合には、生体信号取得装置を剥がす際における患者の皮膚の損傷を防止することが重要である。すなわち、モニタリングの安定性を実現するために生体信号取得装置の皮膚からの剥がれを防ぐとともに、患者の皮膚の損傷を防止することも重要となる。
【0145】
ここで、一般に、粘着材は貼ったり剥がしたりを繰り返すと粘着力が低下する傾向がある。このため、生体信号取得装置の固定を行う際に、使用頻度が大きい粘着材を使用する場合には、粘着力が低下した状態で使用するおそれがある。この場合には、使用中に生体信号取得装置が予期せず剥がれるおそれがあるため、粘着材は使用する毎に更新することが好ましい。
【0146】
しかしながら、生体信号取得装置から粘着材が剥がれ難いと、剥がす際の使用者の手間が増えてしまう。また、不要な粘着材が生体信号取得装置に部分的に残り、それに気付かずに、その粘着材が残った部分に新たな粘着材を貼り付けて生体信号を取得する場合には、使用中に生体信号取得装置が剥がれてしまうおそれもある。さらに、正確な生体信号を取得することができなくなるおそれもある。
【0147】
上述したように、生体信号を長時間連続して安定的にモニタリングするためには、生体信号取得装置を皮膚表面から剥がれ難くしておく必要がある。しかしながら、生体信号取得装置を固定するために強い粘着材を使用してしまうと、生体信号のモニタリングの終了時に、生体信号取得装置を皮膚から取り外すことが困難となることも想定される。すなわち、生体信号取得装置を皮膚から取り外す場合には、皮膚表面の損傷を防止することが重用となる。また、生体信号取得装置から粘着材を取り外し難い場合には、不要に残った粘着材により、次に行うモニタリングに悪影響を与えてしまうおそれがある。
【0148】
そこで、本技術の実施の形態では、生体信号取得装置の固定に用いる固定部材(例えば、第1粘着シート300、第2粘着シート400、粘着シート600、)を構成する粘着材の粘着力や面積を適切に設定する。これにより、長時間連続で使用しても皮膚から剥がれ難く、かつ、使用後に皮膚から剥がす際の皮膚の損傷を抑えることができる。また、その固定部材(例えば、第1粘着シート300、第2粘着シート400、粘着シート600、)の交換を容易に行うことができる。
【0149】
なお、本技術の実施の形態では、生体信号取得装置として円柱形の形状を有する生体信号取得装置を例にして示したが、円柱形以外の他の形状(例えば、角柱や円錐)を有する生体信号取得装置についても本技術の実施の形態を適用することができる。また、本技術の実施の形態では、頚部に装着して生体信号を取得する生体信号取得装置を例にして説明したが、人体の他の部分(例えば、胸部や腹部)に装着して生体信号を取得する生体信号取得装置についても本技術の実施の形態を適用することができる。
【0150】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0151】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 人体の皮膚に固定した状態で前記人体の生体信号を取得する生体信号取得装置と、
前記生体信号取得装置と接着するための一の面と、他のシートと接着するための他の面とを備え、当該一の面および前記生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力よりも、当該他の面および前記他のシート間における単位面積当たりの接着力が大きい第1シートと、
前記第1シートにおける前記他の面と接着するための一の面と、前記人体の皮膚と接着するための他の面とを備え、当該他の面および前記人体の皮膚間における単位面積当たりの接着力よりも、前記第1シートにおける前記一の面および前記生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力が大きい第2シートと
を具備する電子機器。
(2) 前記第1シートにおける前記一の面と、前記第1シートにおける前記他の面と、前記第2シートにおける前記他の面とのそれぞれには粘着材が設けられ、
前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、前記第1シートにおける前記他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力が大きく、
前記第2シートにおける前記他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力が大きい
前記(1)に記載の電子機器。
(3) 前記第1シートは、前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材と、前記第1シートにおける前記他の面に係る粘着材とが互いに接着されて形成される前記(2)に記載の電子機器。
(4) 前記第1シートは、前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材が接着される一の面と、前記第1シートにおける前記他の面に係る粘着材が接着される他の面とを有するシート部材を備える前記(2)に記載の電子機器。
(5) 前記生体信号取得装置は、
前記第1シートにおける前記一の面と接着するための接着面と、
前記接着面の中心部に設けられている凹部と、
前記凹部の底部に設けられ、前記生体信号を取得する生体信号取得部とを備え、
前記第1シートは、前記第1シートにおける前記一の面および前記他の面のそれぞれの中心部に設けられている孔を備え、
前記電子機器は、前記生体信号取得装置および前記第1シートが接着され、前記第1シートおよび前記第2シートが接着されている状態で、前記生体信号取得部と前記凹部と前記孔と前記第2シートにおける前記一の面とにより形成される密閉空間をさらに具備する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の電子機器。
(6) 前記凹部の開口部の周縁と、前記孔の周縁とを略同一とし、
前記凹部の開口部の周縁と前記孔の周縁とが略一致するように前記生体信号取得装置および前記第1シートが接着される
前記(5)に記載の電子機器。
(7) 前記生体信号取得部は、マイクロフォンである前記(5)または(6)に記載の電子機器。
(8) 前記第2シートにおける前記一の面および前記他の面のそれぞれの面積は、前記第1シートにおける前記一の面および前記他の面のそれぞれの面積よりも大きい前記(1)から(7)のいずれかに記載の電子機器。
(9) 前記生体信号取得装置は、前記生体信号として、呼吸音、心音、血管音、肺胞音の何れか1つ、または、これらの組合せを取得する前記(1)から(8)のいずれかに記載の電子機器。
(10) 前記第2シートは、粘着性フィルムドレッシング材である前記(1)から(9)のいずれかに記載の電子機器。
(11) 前記第1シートおよび前記第2シートのそれぞれを識別可能とするための色が、前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方に付されている前記(1)から(10)のいずれかに記載の電子機器。
(12) 前記第2シートの色を半透明とする前記(1)から(10)のいずれかに記載の電子機器。
(13) 前記第2シートにおける前記一の面に格子型の模様が付されている前記(1)から(10)のいずれかに記載の電子機器。
【符号の説明】
【0152】
10 人物
20 頚部
30 皮膚表面
50 電子機器
100、110 生体信号取得ユニット
101、111 密閉空間
200 生体信号取得装置
210 ハウジング
212 凹部
213 中空部
220 マイクロフォン
230 信号ケーブル
300 第1粘着シート
301 孔
310 シート
320、330 粘着材
400 第2粘着シート
410 シート
420 粘着材
500 第2粘着シート
510 シート
520 粘着材
600 粘着シート
610 シート
621、622、630 粘着材
640 凹部
700 粘着シート
710 シート
721、722、730 粘着材
740 凹部
801 信号増幅装置
802 スピーカ
803、811、821 A/D変換装置
804、814、824 記録装置
812 フィルタリング装置
813 波形表示装置
822 信号解析装置
823 解析結果表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の皮膚に固定した状態で前記人体の生体信号を取得する生体信号取得装置と、
前記生体信号取得装置と接着するための一の面と、他のシートと接着するための他の面とを備え、当該一の面および前記生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力よりも、当該他の面および前記他のシート間における単位面積当たりの接着力が大きい第1シートと、
前記第1シートにおける前記他の面と接着するための一の面と、前記人体の皮膚と接着するための他の面とを備え、当該他の面および前記人体の皮膚間における単位面積当たりの接着力よりも、前記第1シートにおける前記一の面および前記生体信号取得装置間における単位面積当たりの接着力が大きい第2シートと
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記第1シートにおける前記一の面と、前記第1シートにおける前記他の面と、前記第2シートにおける前記他の面とのそれぞれには粘着材が設けられ、
前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、前記第1シートにおける前記他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力が大きく、
前記第2シートにおける前記他の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力よりも、前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材の単位面積当たりの粘着力が大きい
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1シートは、前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材と、前記第1シートにおける前記他の面に係る粘着材とが互いに接着されて形成される請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1シートは、前記第1シートにおける前記一の面に係る粘着材が接着される一の面と、前記第1シートにおける前記他の面に係る粘着材が接着される他の面とを有するシート部材を備える請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記生体信号取得装置は、
前記第1シートにおける前記一の面と接着するための接着面と、
前記接着面の中心部に設けられている凹部と、
前記凹部の底部に設けられ、前記生体信号を取得する生体信号取得部とを備え、
前記第1シートは、前記第1シートにおける前記一の面および前記他の面のそれぞれの中心部に設けられている孔を備え、
前記電子機器は、前記生体信号取得装置および前記第1シートが接着され、前記第1シートおよび前記第2シートが接着されている状態で、前記生体信号取得部と前記凹部と前記孔と前記第2シートにおける前記一の面とにより形成される密閉空間をさらに具備する
請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記凹部の開口部の周縁と、前記孔の周縁とを略同一とし、
前記凹部の開口部の周縁と前記孔の周縁とが略一致するように前記生体信号取得装置および前記第1シートが接着される
請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記生体信号取得部は、マイクロフォンである請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
前記第2シートにおける前記一の面および前記他の面のそれぞれの面積は、前記第1シートにおける前記一の面および前記他の面のそれぞれの面積よりも大きい請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
前記生体信号取得装置は、前記生体信号として、呼吸音、心音、血管音、肺胞音の何れか1つ、または、これらの組合せを取得する請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
前記第2シートは、粘着性フィルムドレッシング材である請求項1記載の電子機器。
【請求項11】
前記第1シートおよび前記第2シートのそれぞれを識別可能とするための色が、前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方に付されている請求項1記載の電子機器。
【請求項12】
前記第2シートの色を半透明とする請求項1記載の電子機器。
【請求項13】
前記第2シートにおける前記一の面に格子型の模様が付されている請求項1記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−103040(P2013−103040A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250245(P2011−250245)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)