説明

電子機器

【課題】防水構造を担保しつつ運搬用のハンドルを具備する電子機器を提供する。
【解決手段】電子部品が収容され、防水性を具備する防水構造30を具えた電子機器において、前記防水構造30とは連通しない位置にネジ孔27,27を開設し、該ネジ孔27,27に運搬用のハンドル40をネジ止めした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水構造を有し、且つ運搬用のハンドルを有する表示装置等の電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの電子機器では、内部の電子部品に水や埃などが付着すると機器の動作不良が生じることがある。従って、これらの防水する必要がある。特に屋外で使用される電子機器では屋内に比して防水性を高めることが求められており、電子部品等を防水構造の内部に収容するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−277957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外で使用される画像表示装置は、屋内用のものと比較して大型になる場合が多い。特に筺体に金属製のものを採用した場合、重量が大きくなるので、運搬を容易とするため、筺体に持ち手部分となるハンドルを設けることが望まれている。しかし、ハンドルを取り付けるためのネジ孔を筺体に開設すると、そのネジ孔部分から浸水する虞がある。
【0005】
本発明の目的は、防水構造を担保しつつ運搬用のハンドルを具備する電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、
電子部品が収容され、防水性を具備する防水構造を具えた電子機器において、
前記防水構造とは連通しない位置にネジ孔を開設し、
該ネジ孔に運搬用のハンドルをネジ止めしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電子機器によれば、ハンドルの取付けは、防水構造の外側であるから、ハンドルには運搬時等に電子機器の重量が加わって、ネジが緩んでしまったとしても防水性が低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明を適用することのできる一実施例の電子機器の斜視分解図である。
【図2】図2は、ハンドル近傍の断面図である。
【図3】図3は、ハンドル近傍の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
なお、以下では、電子機器として液晶表示装置(10)に適用した実施例について説明するが、電子機器は液晶表示装置(10)に限定されるものではない。
【0010】
図1は、液晶表示装置(10)の分解斜視図である。図に示すように、液晶表示装置(10)は、液晶表示パネルを前面に有する液晶ユニット(12)と液晶ユニット(12)の各種制御を行なう電子部品ユニット(14)を筺体(20)により包囲して構成される。
【0011】
筺体(20)は、液晶表示パネル(図示せず)を覆う前面のガラスパネル(22)と、液晶ユニット(12)及び電子部品ユニット(14)の側面を覆う断面矩形のサイドケーシング(24)と、サイドケーシング(24)を背面側から閉じるリアパネル(26)から構成され、ガラスパネル(22)とサイドケーシング(24)、サイドケーシング(24)とリアパネル(26)は夫々パッキン(28)を挟んだ状態で連結され、筺体(20)の内部に防水構造(30)(図2参照)を形成している。図示の液晶表示装置(10)では、サイドケーシング(24)及びリアパネル(26)はアルミニウム合金から作製している。なお、サイドケーシング(24)には、パッキン(28)を保持するリブ(29)(29)が突設されている。
【0012】
また、サイドケーシング(24)の背面側には、図1に示すように、取り付けられるべきパッキン(28)よりも外周側に複数のネジ孔(25)(25)が開設されている。
【0013】
リアパネル(26)は、図2及び図3に示すように、前記防水構造(30)の境界となるパッキン(28)よりも外周側まで延出しており、延出した端縁近傍に、図1乃至図3に示すように運搬用のハンドル(40)が1又は複数配備されている。なお、図3では、リアパネル(26)とパッキン(28)が当接する防水構造(30)の境界を一点鎖線Aで示している。
【0014】
リアパネル(26)のパッキン(28)よりも外周側に延出した端縁には、ハンドル(40)を取り付けるためのネジ孔(27)(27)と、リアパネル(26)をサイドケーシング(24)に取り付けるためのネジ孔(27a)(27a)が貫通開設されている。
【0015】
該ネジ孔(27)(27)には、運搬用のハンドル(40)がネジ(50)止めされる。図示のハンドル(40)は、断面コ字状であり、ネジ(50)止め用のネジ孔(42)(42)が左右に夫々1つずつ凹設されている。
【0016】
然して、図2及び図3に示すように、ハンドル(40)は、防水構造(30)の外側にネジ(50)止めすることにより、リアパネル(26)に取り付けることができる。なお、図示の実施例では、サイドケーシング(24)がネジ(50)の頭部を隠してしまうため、防水構造(30)を形成する前にハンドル(40)をネジ(50)止めする必要がある。
【0017】
ハンドル(40)をネジ(50)止めした後、サイドケーシング(24)とリアパネル(26)との間にパッキン(28)を介在させた状態で、サイドケーシング(24)のネジ孔(25)(25)とリアパネル(26)のネジ孔(27a)(27a)を位置合わせしてネジ止めすることで、リアパネル(26)はサイドケーシング(24)とを連結することができる。
【0018】
本発明によれば、ハンドル(40)を取り付けるためにリアパネル(26)に開設されるネジ孔(27)(27)や、リアパネル(26)をサイドケーシング(24)に取り付けるためのネジ孔(27a)(27a)は、防水構造(30)の外側に設けられているから、ハンドル(40)の取付けに際して、防水構造(30)が侵されることはない。従って、ハンドル(40)を取り付けるためのネジ(50)等に防水のためのパッキン等の部品は不要であるから、部品点数増やコスト増を抑えることができる。
【0019】
また、電子機器の重量が加わるハンドル(40)は、防水構造(30)の外側に取り付けられるから、ハンドルには運搬時等に電子機器の重量が加わって、ネジが緩んでしまったとしても、防水構造の防水性が低下することはない。
【0020】
即ち、運搬用のハンドルを防水構造とは連通しないネジ孔を用いて取り付けることで防水構造の防水性が低下することはない。また、ハンドルの取付けにパッキン等の防水のための部品を必要とせず、部品点数の増加、コスト増等を抑えることができる。
【0021】
本発明を適用できる電子機器は、液晶表示装置(10)に限定されるものではない。例えば、プラズマの表示パネルを用いた表示装置に適用してもよい。
さらに、ハンドル(40)の取付位置は、リアパネル(26)に限定されず、防水構造(30)の外側であれば、サイドケーシング(24)等であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、防水構造を担保しつつ運搬用のハンドルを具備する電子機器として有用である。
【符号の説明】
【0023】
(10) 液晶表示装置
(20) 筺体
(26) リアパネル
(27) ネジ孔
(30) 防水構造
(40) ハンドル
(42) ネジ孔
(50) ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が収容され、防水性を具備する防水構造を具えた電子機器において、
前記防水構造とは連通しない位置にネジ孔を開設し、
該ネジ孔に運搬用のハンドルをネジ止めしたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−30587(P2013−30587A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165104(P2011−165104)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】