説明

電子機器

【課題】機器の機能設定が他のユーザにより変更されたり、ユーザが意図せずに機能設定を変更してしまったりする場合であっても、簡便且つ迅速にユーザ専用の機能設定に戻すことができる電子機器を提供する。
【解決手段】
複数の操作キーを有する入力部と、ユーザ毎の機能設定である個人設定情報と、複数の操作キーのうちの1つの操作キーをその個人設定情報に関連付ける関連キー情報と、を格納する記憶部と、機器に機能設定を再設定するとき、1つの操作キーの入力がなされると、その操作キーに関連付けられた個人設定情報を記憶部から読み出すとともに、読み出した個人設定情報に基づいて機能設定を再設定する個人設定呼出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の機能設定に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDレコーダーや液晶テレビなどの電子機器はユーザの好みや使用状況に応じて、ユーザ毎に異なる機能設定で利用されることが多くなってきている。ユーザは表示画面のサイズや明るさ、画質などを好みに応じて設定して、たとえば、シネマ設定で映画を鑑賞したり、ワイド画面設定でデジタル放送の番組を鑑賞したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−049831号公報
【特許文献2】特開2008−219545号公報
【特許文献3】特開2008−205610号公報
【特許文献4】特開2005−043721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電子機器をたとえば各家庭などで使用するとき、複数のユーザ電子機器を利用することになる。そのため、あるユーザの知らないうちに他のユーザ(たとえば、家族)が電子機器の機能設定を変えてしまったり、ユーザが子供や老人である場合には自分で予期しない間に機能設定を変えてしまったりすることがある。その場合、ユーザが自分専用の機能設定に戻そうとしても、現在の設定内容がどのようになっているのかわからない。そのため、ユーザは、希望する機能以外の機能設定の内容もチェックして、最初から設定し直さなければならないので、かなりの手間と労力が必要であった。
【0005】
これに対して、特許文献1では、画像表示装置に特有のネイティブ解像度情報を抽出し、そのネイティブ解像度で表示出力させることで、自動的に最適な解像度で表示を行うようにしている。また、特許文献2では、所定の操作キーに設定変更可能な機能を割り当てておき、それらの操作キーの操作の許可/不許可をユーザ毎に設定している。また、特許文献3では、電子機器を起動時に設置環境に応じた設定データで機能設定を行うことにより、電子機器を用途に応じて使用できるようにしている。また、特許文献4では、機能設定を変更する際にユーザの確認を行ない、その結果に基づいて、設定操作可能モードまたは設定操作禁止モードに移行することにより、他のユーザにより機能設定の内容が変更されないようにしている。しかしながら、これら特許文献1〜4では、機器の機能設定が他のユーザにより変更されたり、ユーザが意図せずに機能設定を変更してしまったりする場合であっても、簡便且つ迅速にユーザ専用の機能設定に戻すことはできない。
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑み、機器の機能設定が他のユーザにより変更されたり、ユーザが意図せずに機能設定を変更してしまったりする場合であっても、簡便且つ迅速にユーザ専用の機能設定に戻すことができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、複数の操作キーを有する入力部と、ユーザ毎の機能設定である個人設定情報と、前記複数の操作キーのうちの1つの操作キーを前記個人設定情報に関連付ける関連キー情報と、を格納する記憶部と、機能設定を再設定するとき、前記1つの操作キーの入力がなされると、前記1つの操作キーに関連付けられた前記個人設定情報を前記記憶部から読み出すとともに、読み出した前記個人設定情報に基づいて前記機能設定を再設定する個人設定呼出部と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、機器の機能設定を再設定するとき、操作キーの入力がなされると、その操作キーに関連付けられた個人設定情報に基づいて、機器の機能設定を再設定することができる。従って、複数のユーザが利用する電子機器において、機器の機能設定が他のユーザにより変更されたり、ユーザが意図せずに機能設定を変更してしまったりする場合であっても、簡便且つ迅速にユーザ専用の機能設定に戻すことができる。
【0009】
また、上記構成において、前記個人設定情報の作成、及び前記個人設定情報の内容の編集を行う個人設定入力部をさらに備えるものとしてもよく、さらに、前記個人設定入力部により作成又は編集された前記個人設定情報に前記1つの操作キーを関連付ける前記関連キー情報を作成する関連キー設定部をさらに備えるものとしてもよい。
【0010】
また、上記構成において、前記複数の操作キーは、前記個人設定情報に基づいて前記機能設定を再設定する処理の開始を前記個人設定呼出部に指示するための個人設定キーを含むものとしてもよい。
【0011】
また、上記構成において、前記1つの操作キーは、4色カラーボタン及び/又は数字キーのうちの1つであってもよい。なお、4色カラーボタンとは、一般に地上デジタル放送に対応するAV機器のリモートコントローラに設けられる4色(赤色、青色、黄色、及び緑色)の操作キーである。この構成により、ユーザが認識しやすい操作キーにより、そのユーザ専用の機能設定に戻すことができる。従って、ユーザはストレスを感じることなく、容易に操作キーを操作することができる。
【0012】
また、上記構成において、前記個人設定情報に暗証番号が設定されてもよい。この構成により、暗証番号を知り得たユーザのみがその個人設定情報を利用したり、編集したりすることができる。従って、その個人設定情報をそのユーザ専用にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機器の機能設定を再設定するとき、操作キーの入力がなされると、その操作キーに関連付けられた個人設定情報に基づいて、機器の機能設定を再設定することができる。従って、複数のユーザが利用する電子機器において、機器の機能設定が他のユーザにより変更されたり、ユーザが意図せずに機能設定を変更してしまったりする場合であっても、簡便且つ迅速にユーザ専用の機能設定に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る光ディスク装置の構成図である。
【図2】本実施形態に係るリモートコントローラの外観図である。
【図3】本実施形態において個人設定情報を新規作成又は編集するためのフローチャートである。
【図4】個人設定情報の新規作成・編集処理を開始するときの表示画面の一例である。
【図5】本実施形態において個人設定情報の新規作成を行うためのフローチャートである。
【図6】本実施形態において既存の個人設定情報を編集するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る個人設定画面の一例である。
【図8】本実施形態において個人設定情報を呼び出すためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本実施形態では、本発明を光ディスク装置1に適用している。この光ディスク装置1(電子機器)では、ユーザが予め設定した光ディスク装置1の各種機能の設定が、そのユーザ専用の個人設定情報として記憶されている。ユーザは、その個人設定情報を任意に呼び出すことができる。ユーザにより個人設定情報が呼び出されると、光ディスク装置1は、光ディスク装置1の各種機能設定の内容と、呼び出した個人設定情報の設定内容とが一致するように、各種機能を設定し直す。従って、この光ディスク装置1を複数のユーザが使用する環境であっても、簡単にユーザの専用の機能設定を呼び出して、設定し直すことができる。
【0016】
図1は本実施形態に係る光ディスク装置の構成図である。図1に示すように、光ディスク装置1は、通信部11と、主制御部12と、メモリ13(記憶部)と、HDD(ハードディスクドライブ)14と、光ディスクドライブ15と、表示部16と、音声出力部17と、再生信号制御部18と、リモートコントローラ2(入力部)と、を備える。なお、このほかに、リモートコントローラ2と同様の機能を有する入力装置が光ディスク装置1に内蔵されていてもよい。
【0017】
通信部11は、リモートコントローラ2から各種信号を受信し、その信号又はその信号が示す情報や動作の指示を主制御部12に入力する。
【0018】
主制御部12は光ディスク装置1の全体の動作を制御している。また、主制御部12は、個人設定入力部121と、関連キー設定部122と、個人設定呼出部123とを有している。個人設定入力部121は、個人設定情報の新規作成、及び個人設定情報の内容の編集に関する制御を行う。個人設定入力部121は、通信部11がリモートコントローラ2から受信した信号やその信号が示す情報及び動作の指示に基づいて、個人設定情報の新規作成、又は個人設定情報の内容の編集を行うとともに、その個人設定情報に設定される暗証番号を示す暗証番号情報を作成して、メモリ13に記憶させる。また、関連キー設定部122は、メモリ13に格納される個人設定情報と、ユーザが設定する1つの操作キーとを関連付ける関連キー情報を作成するとともに、作成した関連キー情報をメモリ13に記憶させる。個人設定呼出部123は、リモートコントローラ2での操作入力に応じて光ディスク装置1の機能設定を再設定するとき、それに続けてリモートコントローラ2の1つの操作キーが押下されると、その操作キーに関連付けられた個人設定情報をメモリ13から読み出す。さらに、個人設定呼出部123は、読み出した個人設定情報の設定内容と一致するように、光ディスク装置1の各種の機能設定を再設定する。
【0019】
HDD(Hard Disk Drive)14は、光ディスクドライブ15が光記憶媒体から読み出した情報や放送番組情報などを記憶する大容量の記憶装置である。また、メモリ13は、不揮発性の記憶媒体であり、リモートコントローラ2から送信される各種信号が示す情報や、主制御部12によって利用されるプログラムなどを記憶している。また、メモリ13は個人設定記憶部131を有している。なお、これに限定されず、HDD14が個人設定記憶部131を有するものとしてもよい。個人設定記憶部131は、ユーザ毎の機能設定である個人設定情報と、リモートコントローラ2の複数の操作キーのうちの1つの操作キーを個人設定情報に関連付ける関連キー情報と、この個人設定情報に設定される暗証番号を示す暗証番号情報と、を格納している。
【0020】
光ディスクドライブ15は、CDやDVD、BDなどの着脱可能な光記憶媒体に対して、映像情報や音声情報、文字情報など情報の読み込みや書き込みをするための装置である。
【0021】
表示部16は、たとえば液晶ディスプレイなどの表示装置である。音声出力部17は、たとえば、スピーカなどの音声出力装置である。
【0022】
再生信号制御部18は、光ディスクドライブ15の光記憶媒体やHDD14から読み出された情報(映像情報や音声情報、文字情報、放送番組情報など)の再生を制御し、それらの情報を表示部16に表示させたり、音声出力部17から出力させたりする。光記憶媒体やHDD14に格納されている情報を再生する旨の信号がリモートコントローラ2から光ディスク装置1に入力されると、該当する情報が光ディスクドライブ15の光記憶媒体やHDD14から読み出され、再生信号として主制御部12を介して再生信号制御部18に入力される。再生信号制御部18はこの再生信号から映像信号や音声信号を抽出し、抽出した映像信号を表示部16に出力して、映像信号に基づく表示を表示部16に行わせる。また、再生信号制御部18は、抽出した音声信号を音声出力部17に出力して、音声信号に基づく音声出力を音声出力部17に行わせる。
【0023】
リモートコントローラ2は、光ディスク装置1と無線通信(たとえば赤外線通信など)を行う無線通信部25と、複数の操作キーと、を有する外部入力装置である。図2は本実施形態に係るリモートコントローラの外観図である。ユーザはリモートコントローラ2の操作キーを利用して、光ディスク装置1に与える情報や動作の指示を入力できる。リモートコントローラ2は、ユーザが操作入力した情報や動作の指示を光ディスク装置1に与えるための各種信号を無線通信部25から光ディスク装置1に送信する。
【0024】
また、リモートコントローラ2には、操作キーとして、個人設定キー201や、4色キー202、数字キー203、メニューキー204、取消キー205、カーソルキー206、決定キー207などが設けられている。個人設定キー201は、個人設定情報に基づいて光ディスク装置1の機能設定を再設定する処理の開始を個人設定呼出部123に指示するために利用される。4色キー202は、一般に地上デジタル放送に対応するAV機器のリモートコントローラ2に設けられる所謂4色カラーボタンであり、赤色キー202a、青色キー202b、黄色キー202c、及び緑色キー202dで構成される。また、数字キー203は「1」〜「12」キーで構成されている。また、メニューキー204はメニュー画面を呼び出すために利用される。取消キー205は光ディスク装置1の動作モードや入力した情報を取り消す場合などに利用される利用される。また、カーソルキー206や決定キー207は、ユーザが情報や動作の指示を光ディスク装置1に与えるために利用される。
【0025】
そのほか、リモートコントローラ2には、音声出力部17から出力される音声の音量を調節するためのボリュームキー208や、光ディスク装置1の電源のON/OFFを指示するための電源キー209、光ディスクドライブ15の光記録媒体やHDD14に所定の情報(たとえば、放送番組情報など)を格納するための録画キー210、光ディスクドライブ15の光記録媒体やHDD14から所定の情報(たとえば、映像情報や音声情報、放送番組情報など)を読み出して、表示部16や音声出力部17に出力させるための再生キー211、光ディスクドライブ15の光記録媒体やHDD14に対する情報の読み出し/書き込み動作や、表示部16や音声出力部17での再生出力動作などを停止させるための停止キー212なども設けられている。
<個人設定情報の設定方法>
【0026】
次に、個人設定情報の新規作成や編集を行う手順について説明する。図3は本実施形態において個人設定情報を新規作成又は編集するためのフローチャートである。
【0027】
ユーザによりリモートコントローラ2のメニューキー204が押下されると、主制御部12は表示部16にメニュー画面を表示させる。そのメニュー画面には、ユーザが自分専用の個人設定を新規作成・編集するための項目が表示される。ユーザがこの項目を選択すると、主制御部12はこのユーザ専用の個人設定を新規作成・編集する旨を表示部16に表示させる(ステップS101)。図4は、個人設定情報の新規作成・編集処理を開始するときの表示画面の一例である。ステップS101において、主制御部12は、個人設定に関連付けることが可能な操作キー(4色キー202や数字キー203)を全て表示させる。また、主制御部12は、メモリ13から個人設定情報を読み出し、読み出した個人設定情報に関連付けられている操作キーの背景色を所定の色(たとえば、グレーや赤色など)に変えて表示させる。この背景色は、表示画面の背景色とは異なる色である。こうすると、新規に作成する個人設定情報に関連付けることが可能な操作キーと、関連付けることができない操作キーとを見分けやすくすることができる。従って、個人設定情報の新規作成や編集処理をし易くすることができる。
【0028】
次に、主制御部12は、リモートコントローラ2の4色キー202又は数字キー203のうちの1つが押下されたか否かを判定する(ステップS102)。4色キー202又は数字キー203のうちの1つが押下されたと判定すると(ステップS102でYes)、主制御部12の個人設定呼出部123は、個人設定記憶部131から関連キー情報を読み出す。さらに、個人設定呼出部123は、その関連キー情報に基づいて、押下された操作キーに対応する個人設定情報が個人設定記憶部131に格納されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0029】
個人設定呼出部123は、対応する個人設定情報が個人設定記憶部131に格納されていないと判定するとき(ステップS103でNo)、押下された操作キーに対応する個人設定がない旨、及び、個人設定情報を新規に作成するかを問う旨を表示部16に表示させる(ステップS104)。そして、例えばカーソルキー206や決定キー207などを用いたユーザの操作入力により、個人設定情報を新規に作成する旨が入力されると(ステップS105でYes)、主制御部12の個人設定入力部121は、後述する図5の個人設定情報の新規作成処理を開始する。なお、ユーザによるリモートコントローラ2の操作入力により、個人設定情報を新規に作成しない旨が入力されると(ステップS105でNo)、個人設定入力部121は処理をステップS101に戻す。
【0030】
また、個人設定呼出部123は、対応する個人設定情報が個人設定記憶部131に格納されていると判定するとき(ステップS103でYes)、押下された操作キーに対応する個人設定情報が既にある旨、及び、その個人設定情報の設定内容を編集するかを問う旨を表示部16に表示させる(ステップS106)。そして、例えばカーソルキー206や決定キー207などを用いたユーザの操作入力により、その個人設定情報を編集する旨が入力されると(ステップS107でYes)、主制御部12の個人設定入力部121は、後述する図6の個人設定情報の編集処理を開始する。なお、ユーザによるリモートコントローラ2の操作入力により、その個人設定情報を編集しない旨が入力されると(ステップS107でNo)、個人設定入力部121は処理をステップS101に戻す。
<個人設定の新規作成処理>
【0031】
次に、個人設定情報の新規作成方法について説明する。図5は本実施形態において個人設定情報の新規作成を行うためのフローチャートである。主制御部12の個人設定入力部121は、個人設定情報の新規作成処理を開始すると、個人設定画面160(たとえば図7)を表示部16に表示させる(ステップS201)。ユーザは、リモートコントローラ2を操作入力して、個人設定画面160に表示される項目の設定を任意に入力することができる。また、後述するように、この個人設定画面160では、新規作成する個人設定情報に対応する暗証番号も設定することができる(ステップS202)。
【0032】
ユーザにより個人情報画面160を終了する旨が入力されると、主制御部12は、設定内容の確認画面を表示部16に表示させる(ステップS203)。ユーザにより表示された設定内容でよい旨が入力されると(ステップS204でYes)、個人設定入力部121は個人設定情報と、この個人設定情報に設定される暗証番号を示す暗証番号情報とを作成し、これらを個人設定記憶部131に格納する。さらに、関連キー設定部122は、関連キー情報を作成し、個人設定記憶部131に格納する(ステップS205)。そして、主制御部12は処理を終了する。
【0033】
また、ユーザにより表示された設定内容を希望しない旨が入力されると(ステップS204でNo)、個人設定入力部121は個人設定情報を修正すべく、主制御部12は処理をステップS201に戻す。なお、ユーザにより個人設定情報の新規作成処理中に取消キー205が押下されると、主制御部12は、作成中の個人設定情報を個人設定記憶部131に格納することなく、個人設定情報の新規作成処理を終了する。
<個人設定の編集処理>
【0034】
次に、個人設定情報の編集方法について説明する。図6は、本実施形態において既存の個人設定情報を編集するためのフローチャートである。個人設定入力部121は、個人設定情報の編集処理を開始すると、まず入力回数nを1に設定し(ステップS301)、個人設定情報に対応する暗証番号の入力を促す旨の表示とともに、暗証番号の入力画面を表示部16に表示させる(ステップS302)。そして、例えば数字キー203などを用いて、ユーザが暗証番号を入力すると、主制御部12は入力された暗証番号と、その個人設定情報に対応する暗証番号情報とを照合する(ステップS303)。
【0035】
入力された暗証番号と、暗証番号情報とが一致しないとき(ステップS303でNo)、個人設定入力部121は、入力された暗証番号が間違っていると判断し、その旨を表示部16に表示させる(ステップS304)。そして、個人設定入力部121は、入力回数nが予め設定した値k(例えば、k=2又は3)以上であるか否かを判定する(ステップS305)。入力回数nが予め設定した値k以上であれば(ステップ305でYes)、個人設定入力部121は処理を終了する。一方、入力回数nが予め設定した値k以上でなければ(ステップ305でNo)、個人設定入力部121は、入力回数nに1を加え(ステップS306)、処理をステップS302に戻す。
【0036】
一方、入力された暗証番号と、暗証番号情報とが一致するとき(ステップS303でYes)、個人設定入力部121は、入力された暗証番号が正しいと判断し、個人設定画面160(たとえば図7)を表示部16に表示させる(ステップS307)。ユーザは、リモートコントローラ2を操作入力して、個人設定画面160に表示される項目の設定を任意に入力することができる。
【0037】
ユーザが個人情報画面160を終了する旨を入力すると、主制御部12は、設定内容の確認画面を表示部16に表示させる(ステップS308)。ユーザにより表示された設定内容でよい旨が入力されると(ステップS309でYes)、個人設定入力部121は個人設定情報や暗証番号情報を編集し、これらを個人設定記憶部131に格納する。さらに、関連キー設定部122は、関連キー情報を編集して個人設定記憶部131に格納する(ステップS310)。そして、主制御部12は処理を終了する。
【0038】
また、ユーザにより表示された設定内容を希望しない旨が入力されると(ステップS309でNo)、個人設定入力部121は、個人設定情報の編集内容を修正すべく、処理をステップS307に戻す。なお、ユーザにより個人設定情報の編集処理中に取消キー205が押下されると、主制御部12は、編集中の個人設定情報を個人設定記憶部131に格納することなく、処理を終了する。
<個人設定画面の説明>
【0039】
次に、個人設定情報の新規作成や編集を行うための個人設定画面160について説明する。個人設定画面160では、ユーザは、個人設定情報として、光ディスク装置1の機能や、その個人設定情報に関連付ける操作キー、個人設定情報を利用又は編集する際に必要となる暗証番号を設定することができる。図7は本実施形態に係る個人設定画面の一例である。個人設定画面160には、機能設定項目160aと、個人設定情報に関連付ける操作キーの設定項目160bと、暗証番号の設定項目160cと、設定終了項目160dとが表示される。ユーザは、リモートコントローラ2のカーソルキー206や決定キー207などを用いて、それらの項目を任意に設定することができる。
【0040】
機能設定項目160aには、ユーザが変更可能な光ディスク装置1の各種機能(たとえば、音声出力の種類や字幕表示に利用される言語、表示画面のサイズ、画質、明るさなど)とそれらを設定するための入力欄が表示される。なお、これらの機能設定項目160aは、ユーザにより任意に設定できるものとしてもよい。たとえば、メニュー画面において個人設定の項目編集を選択すれば、主制御部12は機能項目選択画面を表示部16に表示させる。この機能項目選択画面において、ユーザは操作キーを利用して、個人設定情報にて設定したい機能を任意に選択すればよい。
【0041】
また、個人設定情報に関連付ける操作キーの設定項目160bには、個人設定情報に関連付ける操作キーを設定するための入力欄が表示される。この入力欄には、個人設定に関連付けることが可能な操作キー(4色キー202や数字キー203)を全て表示されている。また、個人設定記憶部131に格納されている個人設定情報に関連付けられている操作キーの背景色は所定の色(たとえば、グレーや赤色など)で表示されている。この背景色は、個人設定画面160の背景色とは異なる色である。そのため、個人設定情報に関連付けることが可能な操作キーと、関連付けることができない操作キーとを見分けやすくなっている。なお、個人設定作成画面が表示されたとき、この入力欄では当初、図3のステップS102で押下された操作キー(たとえば、赤キー202a)が選択されているが、ユーザがこの入力欄に別の操作キーを入力すれば、新規作成する個人設定情報に関連付ける操作キーの設定を変更することも可能である。
【0042】
また、暗証番号の設定項目160cには、暗証番号の入力欄が表示される。ユーザは数字キー203を用いて、暗証番号を入力することができる。入力された暗証番号は、数字のまま新規作成画面に表示されてもよいし、「*」などの伏せ字で表示されてもよい。
【0043】
また、設定終了項目160dには、個人設定画面160を終了させるための入力欄が表示される。
<個人設定情報の呼び出し処理>
【0044】
次に、ユーザが自分専用の個人設定を呼び出す手順について説明する。図8は、本実施形態において個人設定情報を呼び出すためのフローチャートである。
【0045】
主制御部12の個人設定呼出部123は、リモートコントローラ2の個人設定キー201が押下されたか否かを判定する(ステップS401)。個人設定キー201がユーザにより押下されると、個人設定呼出部123は、個人設定キー201が押下されたと判断して(ステップS401でYes)、関連キー情報を個人設定記憶部131から読み出し、さらに、個人設定情報を呼び出す旨を表示部16に表示させる(ステップS402)。続いて、個人設定呼出部123は、リモートコントローラ2の操作キーが押下されたか否かを判定する(ステップS403)。ユーザによりリモートコントローラ2の操作キーが押下されると(ステップS403でYes)、個人設定呼出部123は押下された操作キーが4色キー202又は数字キー203であるか否かを判定する(ステップS404)。個人設定呼出部123は、押下された操作キーが4色キー202又は数字キー203ではないと判定すると(ステップS404でNo)、個人設定情報を呼び出す処理を終了させる。
【0046】
また、個人設定呼出部123は、押下された操作キーが4色キー202又は数字キー203のうちの1つであると判定すると(ステップS404でYes)、入力回数nを1に設定する(ステップS405)。そして、個人設定呼出部123は、関連キー情報に基づいて、押下されたキーに対応する個人設定情報とその暗証番号情報とを個人設定記憶部131から読み出し、さらに、暗証番号の入力画面を表示部16に表示させる(ステップS406)。そして、ユーザが数字キー203などを用いて暗証番号を入力すると、主制御部12は入力された暗証番号と暗証番号情報とを照合する(ステップS407)。
【0047】
両者が一致するとき(ステップS407でYes)、個人設定呼出部123は、入力された暗証番号が正しいと判断し、その個人設定情報の設定内容と一致するように、光ディスク装置1の各種機能の設定内容を設定し直す(ステップS408)。そして、個人設定情報を呼び出す処理を終了する。
【0048】
一方、両者が一致しないとき(ステップS407でNo)、個人設定呼出部123は、入力された暗証番号が間違っていると判断し、その旨を表示部16に表示させる(ステップS409)。そして、個人設定呼出部123は、入力回数nが予め設定した値m(例えば、m=1〜3)以上であるか否かを判定する(ステップS410)。入力回数nが予め設定した値m以上であれば(ステップS410でYes)、個人設定呼出部123は処理を終了する。一方、入力回数nが予め設定した値m以上でなければ(ステップS410でNo)、個人設定呼出部123は、入力回数nに1を加え(ステップS411)、処理をステップS406に戻す。
【0049】
なお、ユーザにより個人設定情報を呼び出す処理中に取消キー205が押下されると、個人設定呼出部123は直ちに個人設定情報を呼び出す処理を終了する。
【0050】
このように、本実施形態の光ディスク装置1は、複数の操作キーを有するリモートコントローラ2(入力部)と、ユーザ毎の機能設定である個人設定情報と、複数の操作キーのうちの1つの操作キーを個人設定情報に関連付ける関連キー情報と、を格納するメモリ13(記憶部)と、光ディスク装置1の機能設定を再設定するとき、1つの操作キーの入力がなされると、その操作キーに関連付けられた個人設定情報をメモリ13から読み出すとともに、読み出した個人設定情報に基づいて機能設定を再設定する個人設定呼出部121と、を備えている。
【0051】
このようにすると、光ディスク装置1の機能設定を再設定するとき、操作キーの入力がなされると、その操作キーに関連付けられた個人設定情報に基づいて、光ディスク装置1の機能設定を再設定することができる。従って、複数のユーザが利用する光ディスク装置1において、光ディスク装置1の機能設定が他のユーザにより変更されたり、ユーザが意図せずに機能設定を変更してしまったりする場合であっても、簡便且つ迅速にユーザ専用の機能設定に戻すことができる。
【0052】
なお、上述の実施形態では、リモコンに個人設定キー201が設けられ、個人設定キー201が押下されると、個人設定情報の呼び出し処理が開始されるものとしているが、これに限定されず、メニュー画面からユーザが個人設定の呼び出しを選択すれば、個人設定情報の呼び出し処理が開始されるようにしてもよい。また、リモコンの操作キーのうちの2つ以上をユーザが同時押しすると、個人設定情報の呼び出し処理が開始されるようにしてもよい。こうすれば、リモコンに個人設定キー201を設けないようにすることができる。
【0053】
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形例が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、CDやDVD、BDのプレーヤやレコーダ、液晶テレビなどの電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 光ディスク装置
11 通信部
12 主制御部
121 個人設定入力部
122 関連キー設定部
123 個人設定呼出部
13 メモリ(記憶部)
131 個人設定記憶部
14 HDD(ハードディスク)
15 光ディスクドライブ
16 表示部
160 個人設定画面
160a 機能設定項目
160b 個人設定情報に関連付ける操作キーの設定項目
160c 暗証番号の設定項目
160d 設定終了項目
17 音声出力部
18 再生信号制御部
2 リモートコントローラ(入力部)
201 個人設定キー
202 4色キー
203 数字キー
204 メニューキー
205 取消キー
206 カーソルキー
207 決定キー
208 ボリュームキー
209 電源キー
210 録画キー
211 再生キー
212 停止キー
25 無線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーを有する入力部と、
ユーザ毎の機能設定である個人設定情報と、前記複数の操作キーのうちの1つの操作キーを前記個人設定情報に関連付ける関連キー情報と、を格納する記憶部と、
機能設定を再設定するとき、前記1つの操作キーの入力がなされると、前記1つの操作キーに関連付けられた前記個人設定情報を前記記憶部から読み出すとともに、読み出した前記個人設定情報に基づいて前記機能設定を再設定する個人設定呼出部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記個人設定情報の作成、及び前記個人設定情報の内容の編集を行う個人設定入力部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記個人設定入力部により作成又は編集された前記個人設定情報に前記1つの操作キーを関連付ける前記関連キー情報を作成する関連キー設定部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の操作キーは、前記個人設定情報に基づいて前記機能設定を再設定する処理の開始を前記個人設定呼出部に指示するための個人設定キーを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記1つの操作キーは、4色カラーボタン又は数字キーのうちの1つであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記個人設定情報に暗証番号が設定されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5382(P2013−5382A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137408(P2011−137408)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】