説明

電子流量制御を使用する溶接パージ制御

アーク溶接機のためのパージシステムが開示され、パージシステムは、制御システム(20)と、パージガス(28、30)のための少なくとも1つの自動流量制御設備(MFC)とを備え、該流量制御設備(WlFC)は、該制御システム(20)に動作可能に関連付けられ、該制御システム(20)は、溶接作業中に、溶接部位(W)へのパージガス(28、30)の流量を制御するように、該少なくとも1つの自動流量制御(MFC)の動作を制御する。さらに、溶接システムのパージ制御のための装置が開示される。さらに、溶接システム(10)が開示される。さらに、溶接作業中にパージを制御するための方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、係属中の米国仮特許出願第60/862,233号(名称「WELDING PURGE CONTROL USING MASS FLOW CONTROL)、2006年10月20日出願)の利益を主張し、該仮特許出願のすべての開示は、全体として本明細書において参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
例えば、軌道溶接機のようなアーク溶接において、安定したアークを維持するために、低電圧高電流の電力源を形成する、溶接機電源が使用される。アークは、電極と加工部品との間の空隙をまたぐ高電圧絶縁破壊によって開始され、または点弧(struck)される。いったんアークが点弧されると、空隙をまたぐ電圧は、絶縁破壊電圧よりもはるかに低くなり、電流は大幅に増加する。アークを点弧するために、アーク始動回路が使用され得、次いで、溶接作業中に溶接機電源が使用される。
【0003】
今日、一般的に使用される溶接機の一種類は、溶接作業中に電極が溶接部位の周囲を回転する軌道溶接機である。電極の移動は、溶接部位を概ね包囲し、かつ概ね囲む、溶接ヘッド内で生じる。軌道溶接機は、例えば、2つのチューブまたはパイプを共に突き合わせ溶接するために、一般的に使用される。例えば、ステンレス鋼チューブに使用されるTIG溶接のような、一部の種類の溶接中に、溶接部位に不活性パージガスを提供することが重要である。パージガスは、溶接作業中の酸化およびその他の有害な作用を防止する。パージガスは、チューブ内(IDパージ)に、およびチューブの外側の周囲(ODパージ)に提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の発明的な一局面に従って、パージガスの流れおよび/または圧力を制御するために、例えば、質量流量制御器(MFC)のような自動流量制御機能を使用する、パージシステムまたは設備が提供される。一実施形態においては、動的OD(外径)パージ制御のために、自動流量制御機能が使用され得、別の実施形態においては、動的ID(内径)パージ制御のために、自動流量制御機能が使用され得、さらに別の実施形態においては、動的IDパージ制御のために第1の自動流量制御機能が使用され得、かつ、動的ODパージ制御のために第2の自動流量制御機能が使用され得る。
【0005】
本開示の別の発明的な局面に従って、例えば、MFCのような1つ以上の自動流量制御デバイスが、溶接機電源に組み込まれ、または統合され得る、動的パージ制御のために使用され得る。一実施形態においては、MFC動的パージ制御が、軌道溶接システムの溶接機電源に組み込まれる。
【0006】
本開示の別の発明的な局面に従って、溶接前パージ操作中の増加したパージ流量、およびオプションで、溶接後パージ操作中の増加したパージ流量、または溶接前および溶接後の両方の大流量パージ操作を含む、動的パージ順序であって、溶接前および溶接後の流量は、溶接作業中のパージ流量よりも高い、動的パージ順序を実施するために、動的パージ制御が使用され得る。一実施形態においては、パージガスの流量および/または圧力を制御するために、MFCデバイスのような1つ以上の自動流量制御デバイスが使用される。MFC型デバイスの使用は、例えば、動的パージ順序、ならびに自動パージ順序の両方を可能にする。別の実施形態においては、溶接システムが溶接作業をできるようになる前に、パージが始まることを確認するために、自動流量制御機能が使用され得る。
【0007】
本開示の別の発明的な局面に従って、溶接作業中の動的IDパージ制御、動的ODパージ制御、およびオプションでその両方を含む、動的パージ制御のための方法が提供される。一実施形態においては、溶接作業中のIDパージ圧力変動を補正するために、自動流量制御機能が使用され得る。
【0008】
本明細書の開示および発明の、これらおよびその他の局面ならびに利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことによって容易に理解され認識される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、溶接システムの例示的な機能ブロック図である。
【図2】図2は、例えば、図1のシステムに実装され得る、パージ機能の例示的な流れ図である。
【図3】図3は、共通の筺体内にパージ流量制御を含む、軌道溶接機電源の実施形態の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書においては、軌道溶接機および管状加工部品を参照して、発明的な局面および例示的な実施形態が記載され、図示されるが、このような実施例は、本明細書に示される本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載される種々の発明は、軌道溶接または管状加工部品の域を超える用途を見出すこととなる。さらに、質量流量制御器(MFC)が、自動流量制御機能および自動パージ制御の例示的な実施形態で使用されるように図示されるが、自動または電子流量制御は、MFCだけでなく、その他の数多くの方法において実現され得ることが周知であり、本開示は、公知であるか後に開発されるかに関わらず、全てのそのような代替的な手段を含むことが意図される。
【0011】
本発明の種々の発明的な局面、概念、および特徴が、本明細書において、例示的な実施形態の中で組み合わされて具現化されるように記載され、図示され得るが、その一方で、これらの種々の局面、概念、および特徴は、数多くの代替的な実施形態の中で、個別に、またはそれらの種々の組み合わせ、および小結合のいずれかで、使用され得る。本明細書において明白に除外されない限り、全てのこのような組み合わせ、および小結合は、本発明の範囲内であることが意図される。またさらに、代替の材料、構造、構成、方法、回路、デバイスおよびコンポーネント、ソフトウェア、ハードウェア、制御論理、ならびに、形態、適合、および機能についての代替案のような、本発明の種々の局面、概念、および特徴についての、種々の代替的な実施形態が、本明細書において記載され得るが、そのような記載は、現在公知であるか後に開発されるかに関わらず、使用可能な代替的な実施形態の完全な、または包括的な一覧であることを意図しない。当業者は、その実施形態が本明細書において明白に開示されていない場合にも、発明的な局面、概念、または特徴のうちの1つ以上を追加の実施形態の中に容易に採用し得、かつ、本発明の範囲内で使用する。さらに、本発明の一部の特徴、概念、または局面は、好適な設備または方法として本明細書において記載されるけれども、そのような記載は、明白にそのように提示されない限り、その特徴が要求され、または必要であることを示唆することを意図しない。またさらに、例示的または代表的な値および範囲が、本開示を理解することを助長するために含まれ得るが、しかしながら、そのような値および範囲は、制限する意味で解釈されるべきではなく、そのように明白に提示される場合に限り、重要な値または範囲であることが意図される。さらに、種々の局面、特徴、および概念が、本明細書において、発明的であるか、または発明の形成部分であるとして明白に識別され得るが、その一方で、そのような識別は、排他的であることは意図されず、むしろ、そのようなまたは具体的な発明の部分として明白に識別されることなく、本明細書において完全に説明される発明的な局面、概念、および特徴が存在し得、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲あるいは関連または継続出願の特許請求の範囲において示される。例示的な方法またはプロセスの説明は、全てのステップを、全ての場合に要求されるものとして包含することに限定されず、また、ステップが提示される順序は、明白にそのように記述されない限り、要求される、または必要であると解釈されるべきではない。
【0012】
図1を参照すると、溶接システム10が概略的に示されており、本例示的な実施形態では、電極14を有する溶接ヘッド12を含む。本開示の一部である発明的な局面は、数多くの種類の溶接機電源および溶接ヘッド、例えば、Swagelok Company,Cleveland,Ohioから入手可能なモデルSWS−5H−Cのような溶接ヘッドで使用され得る。溶接ヘッド12は、手動または自動であり得、一般的に、溶接作業のために加工部品WPを、電極14付近に保持または配置する固定具13を含むか、またはそれと関連付けられる。例えば、軌道溶接機は、電極14(および電極を回転するためのモータ)を保持し、かつ、固定具13または2つのチューブ端を支持するホルダとインタフェースする、溶接ヘッド15を含み得る。チューブの端は、一般的に、端と端とを突き合わせた係合状態に固定され、突き合わされた端は、溶接用電極14に近接する溶接部位Wである。
【0013】
溶接システム10は、溶接機電源16、例えば、Swagelok Company,Cleveland,Ohioから入手可能なモデルSWS−M100−1−1をさらに含む。電源16は、それぞれの溶接作業を実施するために適切な電圧および電流プロファイルを提供する。溶接機電源16は、一般的に、溶接アークが点弧発生された後に必要となる電力を提供し、また、アーク始動回路を含むか、またはそれを働かせ得る。制御システム20は、電源16、溶接ヘッドの電極駆動モータ、パージ制御、などの制御を含む、溶接作業の全体の制御を実施する。例示的な制御システム20は、Swagelok Company,Cleveland,Ohioから入手可能なモデルM100であり得る。若干の例として、ソフトウェアベースのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、PLC型システム、ディスクリート回路、などを含むが、これらに限定されない、任意の適切な制御設備が制御システム20に使用され得る。機能的に、アーク始動回路は、電極14と加工部品WPとの間の空隙Gを破壊する、または電離する、パルスのような高電圧、低電流電力を提供する。いったんアークが点弧されると、アーク始動回路は無効にされ得、溶接作業中のアークを維持するための低電圧、高電流電力を供給するために、電源16が使用される。電源16は、電気ケーブル17を使用して、電極14と、加工部品の負の基準電圧または接地とに接続され得る。
【0014】
電源16およびシステム10全体に電力を供給するために、従来のAC壁面コンセントのような、一般的な電力源22が使用される。一部の溶接システム10は、電力源22として持ち運び可能な電源または発電機を含むか、またはそれらを使用し得る。したがって、電力源22は、従来の110VAC、220VAC、またはシステム10に電力を供給するのに十分なその他の入力であり得る。システム10はまた、DC電源で動作し得る。
【0015】
本開示の発明的な局面に従って、自動パージ制御をもたらすために、例えば、自動流量制御機能性を達成するために1つ以上の質量流量制御器(MFC)またはその他の適した設備を有する、自動流量制御機能が実現され得る。自動流量制御機能性に適したデバイスは、AALBORG,Orangeburg,New Yorkから入手可能なGFCシリーズのような質量流量制御器である。例示的な実施形態において、第1のMFCがODパージ制御24に使用され得、第2のMFCがIDパージ制御26に使用され得る。ODパージ制御24は、注入口29で第1のソース接続28からのパージガスを受け入れ、IDパージ制御26は、注入口31で第2のソース接続30からのパージガスを受け入れる。両方のパージ制御は、代替的に共通のパージガス入口に接続され得る。また、代替的な実施形態においては、溶接システム10は、2つのパージ制御のうちの1つのみを必要とし得、または、両方が存在するが、特定の溶接作業中にはそれらのうちの1つのみを使用し得る。
【0016】
ODパージ制御24から流出するパージガスは、溶接部位Wの外側表面および周囲体積に沿って流れるように、接続またはホース32を通って溶接ヘッド12に流れる。IDパージ制御26から流出するパージガスは、共に溶接されている加工部品の内側体積を通って流れるように、コネクタまたはホース34を通って加工部品WPに流れる。
【0017】
パージ制御のための、例えばMFCを用いるもののような、本明細書において教示されるような自動流量制御機能の使用は、手動の調整弁および流量計を使用した先行システムとは対照的に、自動パージガス流量プロファイルおよび制御を可能にする。これらの先行システムは、特定の溶接作業のための適切なパージガス流量を達成するために、相当な準備時間を必要とする。自動パージ制御とは、流量弁を手動で調節し、流量計の流量を監視しなければならないというのではなく、パージ流量プロファイルおよび順序が、例えば、制御システム20をプログラムすることによって電子的に実施され得ることを、単に意味する。溶接機制御システム20よりはむしろ、別個の制御機能が、代替的に自動パージ制御に使用され得る。そのような代替の実施形態においては、パージ制御機能は、溶接作業が可能となる前に、パージが正常に開始されたことを示す信号を制御システム20に送信し得る。「自動」という用語は、操作者がパージ順序に対する変更を入力できるようにするオプションを除外することを意図しない。自動パージ制御という用語は、流量制御および流量制御を介した圧力制御のオプションを含むことが意図される。例えば、溶接作業が変更されるときには、パージガス流量プロファイルを変更することが必要となり得る。自動パージ制御の使用はまた、動的パージ順序の使用を促進し、それは、溶接作業の過程を通じて、ならびに溶接前および溶接後パージ作業の間に、パージガス流量および/または圧力が調節または変更され得ることを意味する。
【0018】
先行システムは、一般的に、溶接機および電源から分離したパージシステムを有し、その結果として、操作者がパージ作業を行うことを忘れる可能性がある。本明細書における本発明に係る自動パージ制御の使用は、制御システム20が、溶接の前、途中、および後の種々のパージ流量プロファイルを実行するように容易にプログラムされ得るために、先行の手動システムに関する数多くの問題を克服する。自動パージ制御は、例えば、制御システム20へのフィードバックを可能にし、その結果として、溶接システム10は、適切なパージがない場合には抑止され得る。
【0019】
ODパージに関しては、パージガス流量は、重要な考慮すべき事項である。酸化を防止するために、十分な流量があるべきであるが、大きすぎる流量は、アークの「屈曲」、場合によっては消滅を引き起こし得る。自動流量制御機能性の使用は、ODパージガス流量の自動制御を可能にする。具体的な溶接作業に使用される流量は、経験的に決定され得る。
【0020】
IDパージに関しては、流量に加えて、一部の場合には、特に溶接部位で、加工部品の内側の圧力を維持することが望まれ得る。内圧は、例えば、溶融池への重力の影響をオフセットするために使用され得る。また、溶接作業が進むにつれて、溶接部を通じてのパージガス「排出」の減少により、内部圧力が高まる可能性がある。自動流量制御機能の使用は、流量の関数として、自動化された、または動的な内部圧力調節を可能にする。加工部品内の所望の圧力を達成するための流量設定点は、経験的に決定され得る。例えば、T接続(図示せず)が、較正手順の一部として溶接部分に挿入され得る。対応するMFCからの異なる流量での圧力を感知するために、T接続にマグネヘリック(magnahelic)圧力センサ(図示せず)が挿入され得る。T接続は、次いで取り外され、指示された流量と所望の内部圧力の読み取り値との間の関係を保存する制御システム20を用いて、溶接作業が実施され得る。
【0021】
IDパージ制御およびODパージ制御の両方に対して、パージ時間を最小化または削減するために、溶接作業の前には、増加したパージガス流量を有することが望まれ得る。また、溶接作業が完了した後には、パージ時間を削減し、溶接部を冷却し、酸化を最小限にするために、やはり、増加したパージガス流量を有することが望まれ得る。両方のシナリオにおいて、MFCデバイスを用いるような自動パージ制御の使用は、例えば、自動かつ正確な動的制御およびパージガス流量の変更を可能にし、それは、先行システムにおいては、時間を要し、かつ手動で行われ、多くの場合においては不可能でさえある。
【0022】
引き続き図1を参照して、別の実施形態においては、経験的に決定される流量対圧力プロファイルから区別される、よりリアルタイムベースの動的流量制御が実現され得る。このような動的流量制御は、特にIDパージ制御に関する動的パージ制御に使用され得る。本明細書において上記に記載されたように、IDパージガス圧力は、溶接が形成されるにつれて排出が減少するために、一般的に溶接作業中に変化する。本開示の別の発明的な局面に従って、動的パージ制御は、本明細書において上述されたように、圧力感知を自動流量制御と組み合わせて使用することによって実現され得る。動的とは、パージガス流量が、例えば、溶接部位での圧力のような、感知された条件に応答して、リアルタイムまたはほぼリアルタイムベースで調節され得ることを、単に意味する。
【0023】
本局面に従って、溶接作業の前にIDパージガス圧力を感知するために、圧力変換器50またはその他の圧力感知設備が、溶接部位Wの付近に配置され(本明細書において上記に記載されたようなT接続を使用するなどして)得る。次いで、上述されたマグネヘリックを使用するものとほぼ同じ方法で、種々の圧力の流量が決定され得る。次いで、溶接作業のために、変換器50が取り外される。第2の圧力変換器52またはその他の圧力感知設備が、MFC26の出口の近くなどに、MFC ID26と溶接機との間の流路に沿って配置され得る。溶接作業中、制御システム20は、溶接作業が行われるあいだの動的圧力変化を検出する圧力センサ52を監視する。制御システム20は、これらの圧力変化に応答して、所望のID圧力を維持するようにMFC26からのパージガスの流量を動的に調節し得る。一部の場合には、MFC出口で感知される圧力は、圧力低下または流路に沿った流動抵抗のために、溶接部位Wでの圧力と同一でない可能性がある。これらの偏差は、第1の変換器50を用いた流量対圧力特性をプロファイリングする間のキャリブレーション中に容易に決定され、溶接作業中の調節因子として使用され得る。
【0024】
図3を参照して、本開示の別の発明的な局面に従って、自動パージ制御の使用は、パージ機能を、電源と共に単一の、好ましくは持ち運び可能なアセンブリに組み込めるようにする。例えば、筺体40(例えば、ハンドル41を使用することによって、例えば、持ち運び可能であり得る)は、パージ制御24、26を、電源16および制御システム20と共に囲む。操作者は、単に、電源16をコンセント22にプラグ接続し、パージガス接続28、30とパージガス供給タンク(図示せず)との間にガス管(図示せず)を接続し、電源出力コネクタ19a、19bと溶接ヘッド12との間に電気ケーブル17を接続し、パージ管32、34を溶接ヘッド12につなぎさえすればよい。制御システム20は、アークが点弧されるようにする前に、溶接機への正確なパージ流量が存在するかを確認するようにプログラムされ得る。これは、操作者が、溶接の前に、システムを適切に接続し、パージすることを忘れることを防ぐ。このようにして、システム10は、適切なパージを自己チェックすることができ、しかるに、先行システムにおいては、パージ操作は別個に独立したアセンブリであって、操作者は、電力系統から分離し独立している手動のパージ作業を使用し、その結果として、溶接システムを無効にすることなく、パージエラーが発生する可能性があった。
【0025】
図2は、自動パージ制御を使用することによって助長される、例示的なパージ操作の例示的な機能流れ図を示す。
【0026】
ステップ100において、制御システム20は、選択された溶接作業に対するIDおよびODパージ設定点を、メモリまたはユーザ入力のいずれかから取得する。例えば、異なる溶接作業中のIDおよびODパージの異なる流量設定点を保存するために、参照テーブルが使用され得る。ステップ102および104において、上述されたように、増加したパージ流量が使用され得る。ステップ106において、溶接作業中には、減少したパージ流量が使用される。これらの流量は、ステップ108、110において、MFCデバイスとインタフェースする制御20によって制御される。ステップ112において、溶接作業が完了する。ステップ114および116において、やはり上述されたように、増加したパージ流量が使用され得る。図2には図示されていないが、制御システム20は、溶接システムを動作可能にする前に、パージシステムが正常に機能していることを判断するためのルーチンを実行し得る。
【0027】
本発明は、好適な実施形態を参照して記載されてきた。本明細書を読み、理解することによって、その他に対する修正形態および代替形態が生じる。本発明は、全てのそのような修正形態および代替形態を、それらが添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内に入る限りにおいて、含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システムと、
パージガスのための少なくとも1つの自動流量制御設備であって、該流量制御設備は、該制御システムに動作可能に関連付けられ、該制御システムは、溶接作業中に溶接部位へのパージガスの流量を制御するために、該少なくとも1つの自動流量制御の動作を制御する、自動流量制御設備と、
を備える、アーク溶接機のためのパージシステム。
【請求項2】
前記溶接機は、軌道溶接機を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御システムは、溶接作業前の増加したパージ流量と、溶接作業中の減少したパージ流量と、溶接作業後の増加したパージ流量とを含む、動的パージ流量順序を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記自動流量制御設備は、質量流量制御器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの自動流量制御設備は、IDパージ制御のための第1の質量流量制御器と、ODパージ制御のための第2の質量流量制御器との、2つの質量流量制御器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御システムは、前記溶接機へのパージガスの流れを感知することによって、パージ作業が開始したことを確認していない場合には、溶接作業を抑止する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御システムは、溶接作業中に前記溶接部位での圧力を維持するように流量を調節する、動的パージ流量操作を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御システムは、前記自動流量制御設備のための質量流量制御器を使用することによって、前記流量を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
制御システムと、
質量流量制御器と、
を備える、溶接システムのパージ制御のための装置であって、
該質量流量制御器は、溶接作業中に、パージガスを受け入れる入口と、パージガスを溶接部位に提供する出口と、を備え、
該制御システムは、溶接作業中に、該溶接部位へのパージガスの流れを調節する、
装置。
【請求項10】
前記制御システムは、管状加工部品の溶接部位における外径領域へのパージガスの流量を調節する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御システムは、前記溶接部位でのパージガス圧力を制御するために、管状加工部品の溶接部位における内径領域へのパージガスの流量を調節する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記制御システムは、軌道溶接機の溶接部位へのID流量およびOD流量の一方または両方を調節する、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
パージ作業中に前記パージガスの圧力を検出する圧力センサを備える、請求項9に記載の装置であって、
前記制御システムは、該検出された圧力に基づいて、前記質量流量制御器からのパージガスの流量を調節する、
装置。
【請求項14】
溶接電源と、
少なくとも1つの質量流量制御器と、
該質量流量制御器からのパージガスの流量を制御するために、該質量流量制御器に動作可能に連結される、制御システムと、
該電源、該少なくとも1つの質量流量制御器、および該制御システムを囲む、筺体と、
を備える、溶接システム。
【請求項15】
前記筺体は、手で握ることができるハンドルを備え、該筺体は、前記システムの可搬性を提供する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御システムは、前記電源に動作可能に連結され、パージ作業が開始するまで溶接作業を抑止する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
溶接作業を実施するステップと、
溶接作業中に、溶接部位へのパージガスに対する流量プロファイルを適用するステップと、
を包含する、溶接作業中にパージを制御するための方法であって、
該流量プロファイルは、少なくとも、溶接作業が開始する前のより高い流量と、溶接作業中のより低い流量と、溶接作業が終了した後のより高い流量と、を備える、
方法。
【請求項18】
端と端とを突き合わせた円筒形加工部品において、溶接作業を実施するステップと、
溶接作業中に、溶接部位へのIDパージガスに対する流量プロファイルを適用するステップと、
を包含する、溶接作業中にパージを制御するための方法であって
該流量プロファイルは、該溶接作業中にIDパージガス圧力が変化するにつれて、溶接作業中に流量を調節するステップを備える、
方法。
【請求項19】
流量を調節する前記ステップは、電子的に行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
流量を調節する前記ステップは、質量流量制御器を使用して行われる、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−507481(P2010−507481A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533558(P2009−533558)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/081903
【国際公開番号】WO2008/051829
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(500120266)スウエイジロク・カンパニー (30)
【Fターム(参考)】