電子眼鏡及びその充電装置
【課題】電子眼鏡を装着したままで充電できる電子眼鏡及びその充電装置を提供する。
【解決手段】可変焦点レンズと、前記可変焦点レンズを取り付けたフレームと、前記可変焦点レンズを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の駆動用電池と、前記駆動用電池を電磁誘導にて充電するための受電コイルを備えたモダンとからなる電子眼鏡、及びこの電子眼鏡に用いるための、前記モダン部を貫通するように嵌め込み前記受電コイルに電力を供給するための送電コイルが対向した位置に配置されている充電装置。
【解決手段】可変焦点レンズと、前記可変焦点レンズを取り付けたフレームと、前記可変焦点レンズを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の駆動用電池と、前記駆動用電池を電磁誘導にて充電するための受電コイルを備えたモダンとからなる電子眼鏡、及びこの電子眼鏡に用いるための、前記モダン部を貫通するように嵌め込み前記受電コイルに電力を供給するための送電コイルが対向した位置に配置されている充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電磁誘導式充電を使用する電子眼鏡およびその充電装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、眼鏡には、近視者用には凹、遠視者用には凸の単レンズの単レンズ眼鏡が用いられていた。しかし、老眼（遠視）の近視又は遠視者には、このような単レンズ眼鏡を複数使用しなければなない。一つの眼鏡で両方の機能を満たすために、異なる焦点距離を持つレンズを組み合わせた２焦点レンズが考案された。ところが、この２焦点レンズを用いた遠近両用眼鏡では、焦点の合うレンズ領域が狭く見えにくいため、使用者に不快感を与えてしまう。そこで、レンズの焦点距離を電気的に制御することにより、近視と遠視の両方で、広い視野範囲を確保できる遠近両用の電子眼鏡が考案されている。
【０００３】
電子眼鏡は、液晶レンズとフレームと電気回路とで構成されている。この液晶レンズは、光の通過する方向（配向状態）により屈折率が異なる液晶素子を用いた可変焦点レンズである。また、液晶レンズの液晶層の両端には、電圧を印加するための透明電極を設けている。フレームは、レンズを固定するリムと眼前にレンズを維持するためのテンプルとノーズパッドで構成される。電気回路は、液晶レンズの駆動制御回路、電源制御回路、電源、スイッチで構成される。また、電気回路はフレームに組み込まれ、液晶レンズと電気的に接続している。
【０００４】
液晶レンズ内の液晶素子が予め屈折率の高くなる向きに配向されている場合には、近視矯正時は、液晶レンズに電圧を印加しないで使用する。一方、遠視矯正時には、液晶レンズに電圧を印加して、強制的に液晶素子の配向を屈折率の低くなる向きに変えて使用する。近視と遠視の切り替えには、手動または自動スイッチを用いる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００５】
このような電子眼鏡は携帯して用いられるため、電源には小型電池が使用される。さらに、使用者が電池交換をしないで長時間使用するためには充電可能な二次電池が用いられる。二次電池の充電方法としては、使用者が眼鏡を外して、眼鏡ホルダに置くことにより充電がおこなわれる。フレームには受電部、眼鏡ホルダには給電部が設けられ、眼鏡ホルダの給電部からフレームの受電部を介して二次電池に電力が供給される（例えば、特許文献２参照。）。
【０００６】
また、携帯電話などでは、二次電池へ充電するための充電方式として、外部電源との電力接続が不要でかつ耐水性の高い電磁誘導方式が提案されている。電磁誘導方式による電極供給は、本体側に受電コイルを充電装置側に送電コイルが設けられ、充電時には本体を充電装置に設置して充電をおこなう方式が提案されている（例えば、特許文献３参照。）。
【特許文献１】特開平４−３２２２１４号公報
【特許文献２】特開２００４−２４５９００号公報
【特許文献３】特開平１０−００４６３９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、前記従来の電子眼鏡用充電装置では、電子眼鏡を外して充電する必要があり、充電中は電子眼鏡を使用できないという課題を有していた。
【０００８】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電子眼鏡を装着したままで充電できる電子眼鏡及びその充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子眼鏡及びその充電装置は、可変焦点レンズと、前記可変焦点レンズを取り付けたフレームと、前記可変焦点レンズを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の駆動用電池と、前記駆動用電池を電磁誘導にて充電するための受電コイルを備えたモダンとからなることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の電子眼鏡及びその充電装置によれば、電子眼鏡を装着したままで充電できるので、充電中も継続して使用することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下に、本発明の電子眼鏡用充電装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【００１２】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における本発明の電子眼鏡の概略図を示す。本発明の電子眼鏡は、可変焦点レンズ１とフレーム２で構成される。フレーム２は、リム３、ブリッジ４、テンプル５、ヨロイ６、ヒンジ７、モダン８、ノーズパッド９の部品によって構成されている。フレーム２の各部品の機能を説明する。リム３は可変焦点レンズ１の周りを囲んで固定している。ブリッジ４は、２つのリム３を接続している。テンプル５と、テンプル５の先端にあるモダン８と、ノーズパッド９は、顔にメガネを固定する。ヨロイ６は、テンプル５につながるリム３の両端部である。ヒンジ７は、リム３とブリッジ４で構成されるフロント部とテンプル５を接続している。図示していないが、フレーム２には、可変焦点レンズ１を駆動するための電気回路と焦点距離を切り替えるスイッチが組み込まれている。
【００１３】
図２は、図１における電子眼鏡の側面図である。図２に示すように、モダン８の先端に受電コイル１０を設けることで、非接触充電出来る電磁誘導型の充電器が使用できる。この受電コイル１０の位置は、充電器をモダン８に取り付けた際に頭部を不必要に圧迫としない場所でかつ確実に受電コイル１０に電力供給できる場所が好ましい。モダン８の材料には、樹脂材料が良い。受電コイル１０の近傍に磁性体で出来た金属フレームを配しないことが好ましい。電磁誘導により発生した磁束のほとんどが受電コイル１０に集まるため、充電ロスが少なくなる。樹脂材料の代わりに、比透磁率が１．００００００４未満の材料、例えば、銅や銀を用いても良い。
【００１４】
図３は、電子眼鏡の側面図で電源制御回路１１と駆動回路１２とを示したものである。電源制御回路１１は、コイル制御、充電回路、整流回路等から構成されており、受電コイル１０と接続されている。図３に示すように、受電コイル１０を樹脂材料で形成されたモダン８の内部に設け、受電コイル１０から離れた場所であるヨロイ６に電源制御回路１１と駆動回路１２と駆動用二次電池１３を含む電子回路を設けている。この構成により、電子回路は、充電中の漏れ磁束の影響を受けることが少なくなるため、電子回路部分に電磁シールドを設ける必要がない。また、各電気部品で発熱が生じることを防ぐことができる。
【００１５】
（実施の形態２）
図４は、本発明の実施の形態２における電子眼鏡と電子眼鏡用充電装置の概略図を示す。図４において、電子眼鏡は、可変焦点レンズ１とフレーム２で構成される。フレーム２は、リム３、ブリッジ４、テンプル５、ヨロイ６、ヒンジ７、モダン８、ノーズパッド９の部品によって構成されている。フレーム２の各部品の機能を説明する。リム３は可変焦点レンズ１の周りを囲んで固定している。ブリッジ４は、２つのリム３を接続している。テンプル５と、テンプル５の先端にあるモダン８と、ノーズパッド９は、顔にメガネを固定する。ヨロイ６は、テンプル５につながるリム３の両端部である。ヒンジ７は、リム３とブリッジ４で構成されるフロント部とテンプル５を接続している。携帯型充電部１４は、充電時にモダン８に嵌め込む。図示していないが、電気回路はヨロイ６のいずれかの左右どちらか一方、または両方に取り付けられる。図４は、電気回路が両方取り付けられている場合の電子眼鏡用充電装置を示している。
【００１６】
図５に、携帯型充電部１４の構成図を示す。図５において、電子眼鏡の充電に非接触の電磁誘導型充電を用いるため、受電コイル１０がモダン８の頭部と接触しない側寄りに設けられ、さらに電源制御回路１１と接続されている。電源制御回路１１は、コイル制御、充電回路、整流回路等を含んでいる。携帯型充電部１４の頭部と接触しない側に、送電コイル１５と電池１６と制御回路１７を設ける。また、電池１６には、薄型の電池が用いられ、送電コイル１５と電池１６の全部または、一部が重なるように配置される。そのため、送電コイル１５と電池１６の間には、約１ｃｍの間隔が空けられるか、電磁シールド処理が施される。携帯型充電部１４に設けられる電池１６の種類は、例えば、一次電池、二次電池、燃料電池等が用いられる。
【００１７】
電子眼鏡用充電装置の動作説明をおこなう。電池切れが生じた場合、もしくは電池残量の警告表示がなされた場合に、携帯型充電部１４をモダン８に嵌め込む。携帯型充電部１４が嵌め込まれると、送電コイル１５から受電コイル１０へ電力が供給される。充電しながら眼鏡を使用したい場合は、そのまま眼鏡を装着し、充電が終了したら携帯型充電部１４を外して使用してもよい。
【００１８】
以上のように、実施の形態２においては、携帯型充電部１４とモダン８を密着して固定させることにより、送電コイル１５と受電コイル１０の間隔を数ミリの距離で維持できることになり、高効率で充電がおこなうことができる。また、実施の形態２の携帯型充電部１４の材料として、例えば、シリコーン樹脂やエラストマー等の軟質材を用いると、頭部への痛みは少なくなり、充電中に眼鏡から携帯型充電部１４が外れにくくなるという効果がある。さらに、携帯型充電部１４の頭部へ接触する側ともう一方側の厚みが異なるため、左右両方に取り付ける場合でも、左右の取り違えを少なくすることができる。
【００１９】
図６は、本発明の第２の実施の形態における携帯型充電部１４の別の形態を示す。図６に示すように、携帯型充電部１４をモダン８に嵌め込み耳の裏を囲うような形状をしている。携帯型充電部１４の頭部と接触しない側に、送電コイル１５と制御回路１７を設け、送電コイル１５の下側、すなわち携帯型充電部１４の下端に電池１６を設ける。この構成にすることにより、携帯型充電部１４を薄型にすることができ、さらに、取り付け時の位置決めを確実にし、取り付け間違いをなくすることができる。
【００２０】
図７は、本発明の第２の実施の形態における携帯型充電部１４の別の形態を示す。図７では、携帯型充電部１４の内側側面にスイッチ１８を設けているのが特徴である。携帯型充電部１４がモダン８に嵌め込まれ、モダン８がスイッチ１８に接触することにより、携帯型充電部１４の制御回路１７が駆動して充電動作が開始される。この構成にすることにより、充電時のみにスイッチ１８がＯＮされる凸部のない携帯充電部１４にすることができる。
【００２１】
また、図８に示すように、携帯型充電部１４の内側奥にスイッチ１８設けても良い。モダン８が携帯型充電部１４の奥まで嵌め込まれ、モダン８の先端がスイッチ１８に接触することにより、携帯型充電部１４の制御回路１７が駆動して充電動作が開始される。この構成では、送電コイル１５と受電コイル１０が確実に同心円になる位置、すなわち効率が高い位置でスイッチ１８がＯＮされる。別の方法として、図９に示すように、スイッチ１８をセンサ、例えば、フォトダイオード１９とフォトトランジスタ２０としたことにより、モダン８がフォトダイオード１９とフォトトランジスタ２０の間を通過することで充電が開始される非接触式スイッチとなり、モダン８に傷をつけないようにすることができる。
【００２２】
図１０は、本発明の実施の形態２における携帯型充電部１４の別の形態を示す。図１０において、携帯型充電部１４に発光体２１を設ける。発光体２１には、例えば、ＬＥＤなどを用いる。携帯型充電部１４に設けられたスイッチ１８がＯＮされた時、または、送電コイル１５と受電コイル１０が同心円の位置になった時に発光させる。充電が終了すると同時に発光をやめて通知する。
【００２３】
（実施の形態３）
図１１は、本発明の実施の形態３における電子眼鏡用充電装置の側面図を示す。実施の形態２の構成と異なるところは、携帯型充電部１４に送電コイル１５と充電用二次電池２２と外部電源２３と接続するための外部端子２４を設けた点である。図１１において、携帯型充電部１４の頭部と接触しない側に、送電コイル１５と充電用二次電池２２と制御回路１７を設ける。さらに、外部電源２３、例えば、電池ボックスやＡＣ電源と接続するための外部端子２４が設けられる。この電子眼鏡用充電装置の動作は、駆動用二次電池１３を充電した後、モダン８から取り外した携帯型充電部１４と外部電源２３をケーブル２５で接続し、充電用二次電池２２を充電する。
【００２４】
以上のように、実施の形態３においては、携帯型充電部１４だけを充電し、充電完了した携帯型充電部１４を携帯するだけで眼鏡の充電ができるため、より携帯性が高まった再充電可能な電子眼鏡用充電装置となる。また、実施の形態３の携帯型充電部１４を外部電源２３に収納できる構造としたことにより、充電しながら持ち運ぶことができ、充電中の携帯性を高めることもできる。
【産業上の利用可能性】
【００２５】
本発明にかかる電子眼鏡用充電装置は、装着中の充電でもデザイン性を損なうことなく、高耐水性でかつ高効率に充電が可能な携帯型充電装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】一般的な電子眼鏡の概略図
【図２】本発明の実施の形態１における電子眼鏡の側面図
【図３】本発明の実施の形態１における別の電子眼鏡の側面図
【図４】本発明の実施の形態２における電子眼鏡と電子眼鏡用充電装置の概略図
【図５】本発明の実施の形態２における電子眼鏡用充電装置の構成図
【図６】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図７】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図８】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の上面図
【図９】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図１０】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図１１】本発明の実施の形態３における電子眼鏡用充電装置の側面図
【符号の説明】
【００２７】
１ 可変焦点レンズ
２ フレーム
３ リム
４ ブリッジ
５ テンプル
６ ヨロイ
７ ヒンジ
８ モダン
９ ノーズパッド
１０ 受電コイル
１１ 電源制御回路
１２ 駆動回路
１３ 駆動用二次電池
１４ 携帯型充電部
１５ 送電コイル
１６ 電池
１７ 制御回路
１８ スイッチ
１９ フォトダイオード
２０ フォトトランジスタ
２１ 発光体
２２ 充電用二次電池
２３ 外部電源
２４ 外部端子
２５ ケーブル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電磁誘導式充電を使用する電子眼鏡およびその充電装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、眼鏡には、近視者用には凹、遠視者用には凸の単レンズの単レンズ眼鏡が用いられていた。しかし、老眼（遠視）の近視又は遠視者には、このような単レンズ眼鏡を複数使用しなければなない。一つの眼鏡で両方の機能を満たすために、異なる焦点距離を持つレンズを組み合わせた２焦点レンズが考案された。ところが、この２焦点レンズを用いた遠近両用眼鏡では、焦点の合うレンズ領域が狭く見えにくいため、使用者に不快感を与えてしまう。そこで、レンズの焦点距離を電気的に制御することにより、近視と遠視の両方で、広い視野範囲を確保できる遠近両用の電子眼鏡が考案されている。
【０００３】
電子眼鏡は、液晶レンズとフレームと電気回路とで構成されている。この液晶レンズは、光の通過する方向（配向状態）により屈折率が異なる液晶素子を用いた可変焦点レンズである。また、液晶レンズの液晶層の両端には、電圧を印加するための透明電極を設けている。フレームは、レンズを固定するリムと眼前にレンズを維持するためのテンプルとノーズパッドで構成される。電気回路は、液晶レンズの駆動制御回路、電源制御回路、電源、スイッチで構成される。また、電気回路はフレームに組み込まれ、液晶レンズと電気的に接続している。
【０００４】
液晶レンズ内の液晶素子が予め屈折率の高くなる向きに配向されている場合には、近視矯正時は、液晶レンズに電圧を印加しないで使用する。一方、遠視矯正時には、液晶レンズに電圧を印加して、強制的に液晶素子の配向を屈折率の低くなる向きに変えて使用する。近視と遠視の切り替えには、手動または自動スイッチを用いる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００５】
このような電子眼鏡は携帯して用いられるため、電源には小型電池が使用される。さらに、使用者が電池交換をしないで長時間使用するためには充電可能な二次電池が用いられる。二次電池の充電方法としては、使用者が眼鏡を外して、眼鏡ホルダに置くことにより充電がおこなわれる。フレームには受電部、眼鏡ホルダには給電部が設けられ、眼鏡ホルダの給電部からフレームの受電部を介して二次電池に電力が供給される（例えば、特許文献２参照。）。
【０００６】
また、携帯電話などでは、二次電池へ充電するための充電方式として、外部電源との電力接続が不要でかつ耐水性の高い電磁誘導方式が提案されている。電磁誘導方式による電極供給は、本体側に受電コイルを充電装置側に送電コイルが設けられ、充電時には本体を充電装置に設置して充電をおこなう方式が提案されている（例えば、特許文献３参照。）。
【特許文献１】特開平４−３２２２１４号公報
【特許文献２】特開２００４−２４５９００号公報
【特許文献３】特開平１０−００４６３９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、前記従来の電子眼鏡用充電装置では、電子眼鏡を外して充電する必要があり、充電中は電子眼鏡を使用できないという課題を有していた。
【０００８】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電子眼鏡を装着したままで充電できる電子眼鏡及びその充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子眼鏡及びその充電装置は、可変焦点レンズと、前記可変焦点レンズを取り付けたフレームと、前記可変焦点レンズを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の駆動用電池と、前記駆動用電池を電磁誘導にて充電するための受電コイルを備えたモダンとからなることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の電子眼鏡及びその充電装置によれば、電子眼鏡を装着したままで充電できるので、充電中も継続して使用することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下に、本発明の電子眼鏡用充電装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【００１２】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における本発明の電子眼鏡の概略図を示す。本発明の電子眼鏡は、可変焦点レンズ１とフレーム２で構成される。フレーム２は、リム３、ブリッジ４、テンプル５、ヨロイ６、ヒンジ７、モダン８、ノーズパッド９の部品によって構成されている。フレーム２の各部品の機能を説明する。リム３は可変焦点レンズ１の周りを囲んで固定している。ブリッジ４は、２つのリム３を接続している。テンプル５と、テンプル５の先端にあるモダン８と、ノーズパッド９は、顔にメガネを固定する。ヨロイ６は、テンプル５につながるリム３の両端部である。ヒンジ７は、リム３とブリッジ４で構成されるフロント部とテンプル５を接続している。図示していないが、フレーム２には、可変焦点レンズ１を駆動するための電気回路と焦点距離を切り替えるスイッチが組み込まれている。
【００１３】
図２は、図１における電子眼鏡の側面図である。図２に示すように、モダン８の先端に受電コイル１０を設けることで、非接触充電出来る電磁誘導型の充電器が使用できる。この受電コイル１０の位置は、充電器をモダン８に取り付けた際に頭部を不必要に圧迫としない場所でかつ確実に受電コイル１０に電力供給できる場所が好ましい。モダン８の材料には、樹脂材料が良い。受電コイル１０の近傍に磁性体で出来た金属フレームを配しないことが好ましい。電磁誘導により発生した磁束のほとんどが受電コイル１０に集まるため、充電ロスが少なくなる。樹脂材料の代わりに、比透磁率が１．００００００４未満の材料、例えば、銅や銀を用いても良い。
【００１４】
図３は、電子眼鏡の側面図で電源制御回路１１と駆動回路１２とを示したものである。電源制御回路１１は、コイル制御、充電回路、整流回路等から構成されており、受電コイル１０と接続されている。図３に示すように、受電コイル１０を樹脂材料で形成されたモダン８の内部に設け、受電コイル１０から離れた場所であるヨロイ６に電源制御回路１１と駆動回路１２と駆動用二次電池１３を含む電子回路を設けている。この構成により、電子回路は、充電中の漏れ磁束の影響を受けることが少なくなるため、電子回路部分に電磁シールドを設ける必要がない。また、各電気部品で発熱が生じることを防ぐことができる。
【００１５】
（実施の形態２）
図４は、本発明の実施の形態２における電子眼鏡と電子眼鏡用充電装置の概略図を示す。図４において、電子眼鏡は、可変焦点レンズ１とフレーム２で構成される。フレーム２は、リム３、ブリッジ４、テンプル５、ヨロイ６、ヒンジ７、モダン８、ノーズパッド９の部品によって構成されている。フレーム２の各部品の機能を説明する。リム３は可変焦点レンズ１の周りを囲んで固定している。ブリッジ４は、２つのリム３を接続している。テンプル５と、テンプル５の先端にあるモダン８と、ノーズパッド９は、顔にメガネを固定する。ヨロイ６は、テンプル５につながるリム３の両端部である。ヒンジ７は、リム３とブリッジ４で構成されるフロント部とテンプル５を接続している。携帯型充電部１４は、充電時にモダン８に嵌め込む。図示していないが、電気回路はヨロイ６のいずれかの左右どちらか一方、または両方に取り付けられる。図４は、電気回路が両方取り付けられている場合の電子眼鏡用充電装置を示している。
【００１６】
図５に、携帯型充電部１４の構成図を示す。図５において、電子眼鏡の充電に非接触の電磁誘導型充電を用いるため、受電コイル１０がモダン８の頭部と接触しない側寄りに設けられ、さらに電源制御回路１１と接続されている。電源制御回路１１は、コイル制御、充電回路、整流回路等を含んでいる。携帯型充電部１４の頭部と接触しない側に、送電コイル１５と電池１６と制御回路１７を設ける。また、電池１６には、薄型の電池が用いられ、送電コイル１５と電池１６の全部または、一部が重なるように配置される。そのため、送電コイル１５と電池１６の間には、約１ｃｍの間隔が空けられるか、電磁シールド処理が施される。携帯型充電部１４に設けられる電池１６の種類は、例えば、一次電池、二次電池、燃料電池等が用いられる。
【００１７】
電子眼鏡用充電装置の動作説明をおこなう。電池切れが生じた場合、もしくは電池残量の警告表示がなされた場合に、携帯型充電部１４をモダン８に嵌め込む。携帯型充電部１４が嵌め込まれると、送電コイル１５から受電コイル１０へ電力が供給される。充電しながら眼鏡を使用したい場合は、そのまま眼鏡を装着し、充電が終了したら携帯型充電部１４を外して使用してもよい。
【００１８】
以上のように、実施の形態２においては、携帯型充電部１４とモダン８を密着して固定させることにより、送電コイル１５と受電コイル１０の間隔を数ミリの距離で維持できることになり、高効率で充電がおこなうことができる。また、実施の形態２の携帯型充電部１４の材料として、例えば、シリコーン樹脂やエラストマー等の軟質材を用いると、頭部への痛みは少なくなり、充電中に眼鏡から携帯型充電部１４が外れにくくなるという効果がある。さらに、携帯型充電部１４の頭部へ接触する側ともう一方側の厚みが異なるため、左右両方に取り付ける場合でも、左右の取り違えを少なくすることができる。
【００１９】
図６は、本発明の第２の実施の形態における携帯型充電部１４の別の形態を示す。図６に示すように、携帯型充電部１４をモダン８に嵌め込み耳の裏を囲うような形状をしている。携帯型充電部１４の頭部と接触しない側に、送電コイル１５と制御回路１７を設け、送電コイル１５の下側、すなわち携帯型充電部１４の下端に電池１６を設ける。この構成にすることにより、携帯型充電部１４を薄型にすることができ、さらに、取り付け時の位置決めを確実にし、取り付け間違いをなくすることができる。
【００２０】
図７は、本発明の第２の実施の形態における携帯型充電部１４の別の形態を示す。図７では、携帯型充電部１４の内側側面にスイッチ１８を設けているのが特徴である。携帯型充電部１４がモダン８に嵌め込まれ、モダン８がスイッチ１８に接触することにより、携帯型充電部１４の制御回路１７が駆動して充電動作が開始される。この構成にすることにより、充電時のみにスイッチ１８がＯＮされる凸部のない携帯充電部１４にすることができる。
【００２１】
また、図８に示すように、携帯型充電部１４の内側奥にスイッチ１８設けても良い。モダン８が携帯型充電部１４の奥まで嵌め込まれ、モダン８の先端がスイッチ１８に接触することにより、携帯型充電部１４の制御回路１７が駆動して充電動作が開始される。この構成では、送電コイル１５と受電コイル１０が確実に同心円になる位置、すなわち効率が高い位置でスイッチ１８がＯＮされる。別の方法として、図９に示すように、スイッチ１８をセンサ、例えば、フォトダイオード１９とフォトトランジスタ２０としたことにより、モダン８がフォトダイオード１９とフォトトランジスタ２０の間を通過することで充電が開始される非接触式スイッチとなり、モダン８に傷をつけないようにすることができる。
【００２２】
図１０は、本発明の実施の形態２における携帯型充電部１４の別の形態を示す。図１０において、携帯型充電部１４に発光体２１を設ける。発光体２１には、例えば、ＬＥＤなどを用いる。携帯型充電部１４に設けられたスイッチ１８がＯＮされた時、または、送電コイル１５と受電コイル１０が同心円の位置になった時に発光させる。充電が終了すると同時に発光をやめて通知する。
【００２３】
（実施の形態３）
図１１は、本発明の実施の形態３における電子眼鏡用充電装置の側面図を示す。実施の形態２の構成と異なるところは、携帯型充電部１４に送電コイル１５と充電用二次電池２２と外部電源２３と接続するための外部端子２４を設けた点である。図１１において、携帯型充電部１４の頭部と接触しない側に、送電コイル１５と充電用二次電池２２と制御回路１７を設ける。さらに、外部電源２３、例えば、電池ボックスやＡＣ電源と接続するための外部端子２４が設けられる。この電子眼鏡用充電装置の動作は、駆動用二次電池１３を充電した後、モダン８から取り外した携帯型充電部１４と外部電源２３をケーブル２５で接続し、充電用二次電池２２を充電する。
【００２４】
以上のように、実施の形態３においては、携帯型充電部１４だけを充電し、充電完了した携帯型充電部１４を携帯するだけで眼鏡の充電ができるため、より携帯性が高まった再充電可能な電子眼鏡用充電装置となる。また、実施の形態３の携帯型充電部１４を外部電源２３に収納できる構造としたことにより、充電しながら持ち運ぶことができ、充電中の携帯性を高めることもできる。
【産業上の利用可能性】
【００２５】
本発明にかかる電子眼鏡用充電装置は、装着中の充電でもデザイン性を損なうことなく、高耐水性でかつ高効率に充電が可能な携帯型充電装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】一般的な電子眼鏡の概略図
【図２】本発明の実施の形態１における電子眼鏡の側面図
【図３】本発明の実施の形態１における別の電子眼鏡の側面図
【図４】本発明の実施の形態２における電子眼鏡と電子眼鏡用充電装置の概略図
【図５】本発明の実施の形態２における電子眼鏡用充電装置の構成図
【図６】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図７】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図８】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の上面図
【図９】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図１０】本発明の実施の形態２における別の電子眼鏡用充電装置の側面図
【図１１】本発明の実施の形態３における電子眼鏡用充電装置の側面図
【符号の説明】
【００２７】
１ 可変焦点レンズ
２ フレーム
３ リム
４ ブリッジ
５ テンプル
６ ヨロイ
７ ヒンジ
８ モダン
９ ノーズパッド
１０ 受電コイル
１１ 電源制御回路
１２ 駆動回路
１３ 駆動用二次電池
１４ 携帯型充電部
１５ 送電コイル
１６ 電池
１７ 制御回路
１８ スイッチ
１９ フォトダイオード
２０ フォトトランジスタ
２１ 発光体
２２ 充電用二次電池
２３ 外部電源
２４ 外部端子
２５ ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
可変焦点レンズと、
前記可変焦点レンズを取り付けたフレームと、
前記可変焦点レンズを駆動するための駆動回路と、
前記駆動回路の駆動用電池と、
前記駆動用電池を電磁誘導にて充電するための受電コイルを備えたモダンとからなる電子眼鏡。
【請求項２】
前記モダンは、樹脂材料で形成されている請求項１に記載の電子眼鏡。
【請求項３】
前記モダンは、比透磁率が１．００００００４未満である物質からなる請求項１に記載の電子眼鏡。
【請求項４】
請求項１に記載の電子眼鏡に用いる充電装置において、
前記モダン部を貫通するように嵌め込み前記受電コイルに電力を供給するための送電コイルが対向した位置に配置されている充電装置。
【請求項５】
請求項１に記載の電子眼鏡に用いる充電装置において、
前記モダン部を包み込むように嵌め込み前記受電コイルに電力を供給するための送電コイルが対向した位置に配置されている充電装置。
【請求項６】
前記充電装置は、耳の裏を囲う形状をした請求項４又は５に記載の充電装置。
【請求項７】
前記充電装置は、携帯型充電部の内側に充電開始を行うスイッチを備えた請求項４又は５に記載の充電装置。
【請求項８】
前記充電装置は、携帯型充電部に発光体を備えた４又は５に記載の充電装置。
【請求項９】
前記充電装置は、送電コイルと充電用二次電池と外部電源と接続するための外部端子を備えた請求項４又は５に記載の充電装置。
【請求項１】
可変焦点レンズと、
前記可変焦点レンズを取り付けたフレームと、
前記可変焦点レンズを駆動するための駆動回路と、
前記駆動回路の駆動用電池と、
前記駆動用電池を電磁誘導にて充電するための受電コイルを備えたモダンとからなる電子眼鏡。
【請求項２】
前記モダンは、樹脂材料で形成されている請求項１に記載の電子眼鏡。
【請求項３】
前記モダンは、比透磁率が１．００００００４未満である物質からなる請求項１に記載の電子眼鏡。
【請求項４】
請求項１に記載の電子眼鏡に用いる充電装置において、
前記モダン部を貫通するように嵌め込み前記受電コイルに電力を供給するための送電コイルが対向した位置に配置されている充電装置。
【請求項５】
請求項１に記載の電子眼鏡に用いる充電装置において、
前記モダン部を包み込むように嵌め込み前記受電コイルに電力を供給するための送電コイルが対向した位置に配置されている充電装置。
【請求項６】
前記充電装置は、耳の裏を囲う形状をした請求項４又は５に記載の充電装置。
【請求項７】
前記充電装置は、携帯型充電部の内側に充電開始を行うスイッチを備えた請求項４又は５に記載の充電装置。
【請求項８】
前記充電装置は、携帯型充電部に発光体を備えた４又は５に記載の充電装置。
【請求項９】
前記充電装置は、送電コイルと充電用二次電池と外部電源と接続するための外部端子を備えた請求項４又は５に記載の充電装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００９−２５１０６８（Ｐ２００９−２５１０６８Ａ）
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−９５６３５（Ｐ２００８−９５６３５）
【出願日】平成２０年４月２日（２００８．４．２）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月２日（２００８．４．２）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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