説明

電子装置、ゲームプログラム

【課題】特別な攻撃切り替え操作を行うことなく多彩な攻撃を可能とし、ゲーム内容に変化を与えることができるようにする。
【解決手段】携帯電話機1は、ゲーム実行部10dによって、ゲーム画面中に表示されるオブジェクトの移動を制御する。ゲーム実行部10dは、オブジェクトの移動状態の変化を検出し、このオブジェクトの移動状態が変化したことが検出された場合に、オブジェクトから発射される飛しょうオブジェクトの動きの制御を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム画面中においてオブジェクトから弾丸等のショットを表す飛しょう体オブジェクトを発射させる電子装置、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プレーヤにより操作される自機オブジェクトと、自機オブジェクトに対してショット(敵弾、ビーム、レーザなど)を発射して攻撃をする敵オブジェクトとをゲーム画面に表示させた各種のビデオゲームが存在している。この種のシューティングゲームでは、ゲーム空間内に存在する敵オブジェクト(飛行機、キャラクタ(インベーダ)、動物、人など)から発射されるショット(攻撃)を、プレーヤ操作によって自機オブジェクト移動させて避けながら、敵オブジェクトに攻撃を加えて撃破していくといった内容のものが多い。
【0003】
通常、自機オブジェクトからの攻撃は、プレーヤによるボタン操作(押下)に応じてショットを発射させたり、あるいはボタンが押し続けられる(またはオートショットの設定の)場合に連続的にショットを発射させたりすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたゲーム装置では、プレーヤがシューティングボタンを押すと、移動体からショットが発射され、ショットの位置や方向が予め決められた演算式に基づいて算出される。
【特許文献1】特開2000−107452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のシューティングゲームでは、自機オブジェクトから発射されたショット(攻撃)の動きが予め決められた演算式に基づいて算出されていた。すなわち、自機オブジェクトから発射されたショットは一定のパターン(スピード)によって移動されていた。このため、ゲーム状況に関わらす常に同じ攻撃しかできず、戦略性の乏しいゲームとなっていた。
【0006】
また、ゲーム内容に変化を与えるために複数種のショットを用意し、自機オブジェクトから多彩な攻撃ができるようにするすることもできるが、この場合には、攻撃の方法(ショットの種類)を切り替えるために、シューティングボタンの他に攻撃切り替えボタンなどを設定し、ゲーム途中でプレーヤに操作させなくてはならない。このため、ゲーム中の操作を複雑化し、またゲーム状況に合わせて攻撃切り替え操作をすることになりゲームへの集中が途切れてしまう。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、特別な攻撃切り替え操作を行うことなく多彩な攻撃を可能とし、ゲーム内容に変化を与えることができる電子装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ゲーム画面中に表示されるオブジェクトの移動を制御する第1オブジェクト制御手段と、前記第1オブジェクト制御手段により制御される前記オブジェクトの移動状態の変化を検出する移動検出手段と、前記ゲーム画面中に表示される前記オブジェクトから発射させる飛しょうオブジェクトの移動を制御する第2オブジェクト制御手段と、前記移動検出手段によって前記オブジェクトの移動状態が変化したことが検出された場合に、前記第2オブジェクト制御手段による前記飛しょうオブジェクトの動きの制御を前記移動状態が変化する前と切り替える制御切替手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特別な攻撃切り替え操作を行うことなく多彩な攻撃を可能とし、ゲーム内容に変化を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、電子装置として携帯電話機1を例にして説明するが、その他の電子装置、例えばアミューズメントセンタなどに設置される業務用ゲーム装置、家庭用(設置型、携帯型)のゲーム機、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステムなど、プロセッサによりプログラムを実行するものであれば何れにおいても実現可能である。
【0011】
図1は、本実施形態における携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、携帯電話機1は、電話網やインターネットなどを含むネットワーク2を介して、他のモバイル端末3との通信(音声通話やデータ通信)、あるいは各種コンテンツを提供するサーバ4との通信が可能である。サーバ4は、携帯電話機1において実行可能なゲームプログラムをダウンロードするサービスを提供しているものとする。
【0012】
図1に示すように、携帯電話機1には、制御部10、表示部11、入力部12、サウンド部13、カメラ部14、通信部15、ROM16、RAM17、メモリデバイス着脱ユニット18、メモリデバイス着脱ユニット18に装着されるメモリデバイス19、及びバイブレータ20が設けられている。
【0013】
制御部10は、携帯電話機1全体の制御を司るもので、プロセッサ(CPU)やメモリ等を含む。制御部10は、プロセッサによりROM16及びRAM17に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御部10により実現される機能には、電話機能部10a、Web機能部10b(ダウンロード部10c)、ゲーム実行部10dが含まれる。
【0014】
電話機能部10aは、音声通話のための通信を制御する。
【0015】
Web機能部10bは、ネットワーク2(インターネット)を通じて、Webページにアクセスするための制御を行う。Web機能部10bは、例えば、サーバ4が公開しているWebページを通じて、ダウンロード部10cによってゲームプログラムなどをダウンロードすることができる。
【0016】
ゲーム実行部10dは、RAM17に記憶されたゲームプログラム17aを実行することで実現される。ゲーム実行部10dは、ゲームプログラム17aに従い、入力部12を通じて入力される、プレーヤのキー操作に応じた指示に応じてゲームを進行させる。ゲーム実行部10dは、ゲーム画面において表示される敵オブジェクトや自機オブジェクトの制御や、敵オブジェクトや自機オブジェクトから発射される攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)の制御(ショット制御処理)、ショットの命中(ヒット)判定処理、ヒット判定の結果に応じた各種処理などを実行する。
【0017】
表示部11は、制御部10の制御のもとで、ディスプレイにおいて映像、静止画像、テキストなどを表示させる。
【0018】
入力部12は、プレーヤからの入力操作を受け付けるもので、複数のキーが設けられている。複数のキーには、電話としての機能を実行するための数字キー、発呼キー、切断キーなどの他、上下左右方向を指示するための十字キー、選択実行を指示するためのするための決定キー、各種機能に対応する機能キーなどが含まれる。
【0019】
サウンド部13は、制御部10の制御のもとで音声を出力させる。サウンド部13は、入力部12により受け付けられた操作に応じた操作音の他、ゲーム実行時における楽曲データ(BGMデータ)の再生や効果音などの音を出力する。
【0020】
カメラ部14は、制御部10の制御のもとで、プレーヤ操作に応じて静止画像あるいは動画像を撮影する。
【0021】
通信部15は、制御部10の制御のもとで、ネットワーク2を通じて、モバイル端末3やサーバ4との通信を制御する。
【0022】
ROM16は、携帯電話機1に予め搭載された基本機能(音声通話等)を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。
【0023】
RAM17は、通信部15によりダウンロードされたプログラムや各種データ、あるいはメモリデバイス着脱ユニット18を通じてメモリデバイス19から読み出されたプログラムやデータなどが記憶される。本実施形態では、サーバ4からダウンロードされたゲームプログラム17aなどが記憶される。
【0024】
メモリデバイス着脱ユニット18は、メモリデバイス19を着脱させるためのユニットであり、制御部10によるメモリデバイス19に対するデータの読み書きを仲介する。メモリデバイス19は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)5によって記録されたゲームプログラムやデータを読み込む場合に利用される。
【0025】
バイブレータ20は、制御部10の制御のもとで、着呼時やゲームプログラムの実行時に振動を発生させる。ゲームプログラムの実行時には、例えば敵オブジェクトからの攻撃が自機オブジェクトに接触(ヒット)した場合などにおいて、ゲーム演出のために動作される。
【0026】
図2は、本実施形態における携帯電話機1の外観構成を示す図である。
図2に示す携帯電話機1は、折り畳み型に構成されたもので、本体ユニット30とディスプレイユニット31とがヒンジ機構によって連結されている。ヒンジ機構は、本体ユニット30にディスプレイユニット31を重ね合わせた閉状態から、ディスプレイユニット31を離間させた開状態となるように回動可能としている。図2は、ゲームを実行する場合における、ディスプレイユニット31をヒンジ機構によって開いた(本体ユニット30と重ね合わされていない)開状態を示している。
【0027】
本体ユニット30は、主要な構成部品が収納されるもので、図2に示すように、本体ユニット30のユニット表面には決定キー32、十字キー33、数字キー、発呼キー、切断キーなどの電話としての機能を実行するための複数のキーの他、各種機能が割り当てられる複数の機能キー37が設けられている。
【0028】
ゲーム実行時には、決定キー32は、自機オブジェクト41からのショット(攻撃)を指示するために用いられる。十字キー33は、自機オブジェクト41のゲーム画面中における移動方向を指示するために用いられる。また、「*」キーはサウンド切替キー34、「0」キーはオートショット切替キー35、「#」キーはバイブ切替キー36としての機能がそれぞれ割り当てられている。サウンド切替キー34、オートショット切替キー35、バイブ切替キー36は、それぞれの機能のオン/オフを指示するために用いられる。機能キー37は、ディスプレイに表示されたソフトキーの選択に用いられる。ソフトキーは、制御部10(ゲーム実行部10d)の制御によって、ゲームの状況に応じて表示される。例えば、メニュー表示用のソフトキーを表示している時に機能キー37が操作(押下)されると、ゲーム実行部10dは、ディスプレイにおいてメニューを表示させる。
【0029】
次に、本実施形態における携帯電話機1において実行されるゲームの動作について説明する。
図3、図4、及び図5は、本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図である。本実施形態の携帯電話機1(ゲームプログラム17a)により実行されるゲームは、複数のゲームステージが用意されており、プレーヤがゲームプレイによって獲得したスコアに応じて、順次、難易度が高くなるように異なるステージに移行していく。
【0030】
図3に示すステージのゲーム画面では、複数の敵オブジェクト40が配置されており、例えば左右方向に移動しながら、次第に下方に移動するように制御される。敵オブジェクト40は、自機オブジェクト41が配置された下方向に、ランダムに攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)を発射させる。なお、攻撃用のショットを表す飛しょうオブジェクトとしては、ゲーム空間中におけるビーム、敵弾、レーザ、ミサイルなど、様々な形態のものを含む。
【0031】
自機オブジェクト41は、図3に示すステージでは、ゲーム画面下部において、プレーヤの十字キー33の左右キーに対する操作に応じて左右方向に移動するように制御される。また、自機オブジェクト41は、オートショット切替キー35によりオートショットがオンにされた場合、または決定キー32の押下によってショットが指示された場合に、敵オブジェクト40の方向(上方向)に攻撃用のショット(飛しょうオブジェクト)を発射させる。オートショットがオンされている場合には、プレーヤ操作がなくても自機オブジェクト41から連続してショットを発射させる(継続的に攻撃する)。決定キー32が押下された場合には、その都度、自機オブジェクト41からショットを発射させる。このショットが敵オブジェクト40に命中(ヒット)した場合には、スコアが加算される。プレーヤは、敵オブジェクト40からの攻撃を避けるように自機オブジェクト41の位置を移動させながら、敵オブジェクト40に対して攻撃を加えることでスコアアップを図る。
【0032】
図4は、図3に示すステージからステージアップされた例を示している。図4に示すステージでは、敵オブジェクト40の種類が変化して、敵オブジェクト40かの攻撃の量が増大している。また、自機オブジェクト41のタイプも変更され、攻撃力(ショットを発射できる数)が増大されている。
【0033】
図5は、図4に示すステージからさらにステージアップされた例を示している。図5に示すステージでは、敵オブジェクト40がランダムに配列されており、また形状が大きく異なる敵オブジェクト40も含まれている。図5に示すステージでは、自機オブジェクト41が左右方向だけでなく、十字キー33の上下キーに対する操作に応じて上下方向にも移動するように制御される。
【0034】
なお、ゲーム画面中には、プレーヤが獲得したスコア、プレーヤが保有している自機の残存数(ゲーム終了となるまでの敵オブジェクト40からの攻撃を許容できる回数)、チェイン数(連続して敵オブジェクト40を撃墜(ヒット)した回数)などが表示されている。
【0035】
次に、本実施形態のゲームにおけるショット制御処理について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、図3に示すステージでゲームが実行されているものとする。すなわち、自機オブジェクト41は、十字キー33の左右方向キーに対する操作によって、ゲーム画面中において左右方向に移動させることができる。ゲーム実行部10dは、十字キー33が押下されている状態では、自機オブジェクト41を継続して移動させ、十字キー33の操作が停止された時点で、自機オブジェクト41を停止させる。自機オブジェクト41は、十字キー33に対する操作の有無によって自機オブジェクト41の移動状態の変化を検出することができる。
【0036】
ゲーム実行部10dは、決定キー32の押下によってショットが指示された場合(ここでは連続発射のために押し続けられているものとする)、またはオートショット切替キー35によりオートショットがオンにされた場合には(ステップA1、Yes)、この時、自機オブジェクト41が移動中であるかを、十字キー33の左右キーに対する操作中であるか否かに基づいて判別する。
【0037】
ここで、自機オブジェクト41が移動中であると判別された場合には(ステップA2、Yes)、ゲーム実行部10dは、自機オブジェクト41から発射されるショット42に対して、通常スピードによる表示(以下、通常スピードショット表示)を行う(ステップA3)。
【0038】
図7(a)は、自機オブジェクト41が移動中にショット42の発射が指示された場合のゲーム画面の一例を示している。ゲーム実行部10dは、ディスプレイにゲーム画面を表示する場合に、フレーム(例えば1フレーム1/30秒)毎に各オブジェクトの位置を算出し、その位置に応じてオブジェクトの表示位置を変更する制御を実行している。自機オブジェクト41から発射されたショット42については、フレーム毎に、通常スピードショット表示に対して予め決められた速度(以下、速度N)をもとにショット42の位置を算出し、この算出された位置に応じてショット42の表示を行う。ゲーム実行部10dは、自機オブジェクト41が移動中にある間、通常スピードショット表示によってショット42を表示する(ステップA3〜A4)。
【0039】
ここで、十字キー33に対する操作が停止され、自機オブジェクト41の移動を停止する操作がされると(ステップA4、Yes)、ゲーム実行部10dは、予め設定された一定時間だけ通常スピードショット表示を継続する(ステップA5〜A6)。なお、一定時間は例えば0.1秒とする。
【0040】
その後、ゲーム実行部10dは、ショット42に対する動きの制御を、通常スピードショット表示よりもハイスピード(例えば2倍)で移動させるための表示(以下、ハイスピードショット表示)に切り替える。
【0041】
図7(b)は、自機オブジェクト41が停止された場合のゲーム画面の一例を示している。ゲーム実行部10dは、自機オブジェクト41から発射されるショット42について、フレーム毎に、ハイスピードショット表示に対して予め決められた速度(以下、速度H。ただし速度H=速度N×2)をもとにショット42の位置を算出し、この算出された位置に応じてショット42の表示を行う(ステップA7)。ゲーム実行部10dは、自機オブジェクト41が停止状態にある間、ハイスピードショット表示によってショット42を表示する(ステップA7〜A8)。
【0042】
従って、プレーヤは、あるゲーム状況において敵オブジェクトなどに対して激しく攻撃を加えたい場合には、ショット42に対する制御を切り替えるための特別な操作をすることなく、単に自機オブジェクト41の移動を停止させる、すなわち十字キー33に対する操作を止めるだけでよい。従って、緊迫したゲーム状況下において、攻撃の方法(ショットの種類)を切り替えるための操作によってゲームが中断されることもないため、ゲームに集中することができる。
【0043】
ここで、再び、十字キー33に対する操作が行われて、自機オブジェクト41の移動が指示されると(ステップA8、Yes)、ゲーム実行部10dは、予め設定された一定時間だけハイスピードショット表示を継続する(ステップA9〜A10)。なお、一定時間は例えば0.1秒とする。
【0044】
図7(c)(d)は、停止状態にあった自機オブジェクト41を移動させた場合のゲーム画面の一例を示している。図7(c)は、自機オブジェクト41が移動されてから一定時間(T1)内にある状況を示すもので、ハイスピードショット表示が継続して行われている。図7(d)は、自機オブジェクト41が移動されてから一定時間(T1)が経過した後の状況を示すもので、通常スピードショット表示に切り替えられている。
【0045】
このように、自機オブジェクト41の移動状態が変化してから一定時間経過した後に、ショット42に対する移動制御を切り替えることによって、視覚的に、滑らかに攻撃手法が移行されたことを表現することができる。
【0046】
ゲーム実行部10dは、決定キー32あるいはオートショット切替キー35に対する操作により、ショット42の発射を停止する指示がなければ(ステップA11、No)、前述したショット42に対する制御を継続して実行する(ステップA3〜A11)。
【0047】
このようにして、本実施形態では、自機オブジェクト41の移動状態の変化に応じて、自機オブジェクト41から発射されるショット42に対する移動の制御を切り替えることができるので、前述したように、自機オブジェクト41が移動している状態から停止させるだけで、ショット42の速度を2倍にして敵オブジェクト等に対して2倍の攻撃を加えることができる。
【0048】
すなわち、操作を複雑化することなく多彩な攻撃が可能となり、例えば敵オブジェクトからの攻撃のスキを探して位置取りして(自機オブジェクト41を停止させて)、激しく攻撃を加えるといった戦略性を有無ことができる。
【0049】
なお、前述した説明において、自機オブジェクト41が移動中から停止状態に移行した時に判別する一定時間(ステップA6)と、提示状態から移動状態に移行した時に判別する一定時間(ステップA10)は、異なっていても良い。また、自機オブジェクト41が移動中から停止状態に移行した時には一定時間の判別を行わず、自機オブジェクト41が停止した時点で直ちにハイスピードショット表示の制御に切り替えるようにしても良い。
【0050】
次に、前述した通常スピードショット表示とハイスピードショット表示の表示制御について説明する。図8は、通常スピードショット表示とハイスピードショット表示のフレーム毎のショット42の位置の変化を示している。
【0051】
図8(a1)〜(a4)は、通常スピードショット表示制御による各フレームにおけるショット42の位置を概念的に示している。ここでは、オートショット切替キー35による設定、あるいは決定キー32に対する連続押しによって、オートショット状態(連続撃ち)にある場合には、1フレームにおいて2つのショット42を表すオブジェクト(図8では白丸と黒丸で示す)を書込み、フレーム毎に各オブジェクトの位置を速度N,速度Hをもとに算出して書き換えていくものとする。なお、図8に示す例では、フレーム下部から上方にショット42が発射されている例を示している。
【0052】
例えば、図8(a1)〜(a4)に示す通常スピードショット表示制御では、所定の時間T2内において、フレーム最下部にあるオブジェクトがフレーム上端までに2回到達する速度でショットの位置が更新されるものとする。例えば、時間T2を1秒とすると(1フレーム1/30秒)、図8(a1)〜(a2)の間(15フレーム(0.5秒))と図8(a3)〜(a4)の間のそれぞれにおいて、フレーム最下部にあるオブジェクトがフレーム上端までに到達するように制御される。
【0053】
一方、図8(b1)〜(b8)に示すハイスピードショット表示制御では、所定の時間T2内において、フレーム最下部にあるオブジェクトがフレーム上端までに4回到達する速度でショットの位置が更新されるものとする。例えば、図8(b1)〜(b2)の間、図8(b3)〜(b4)、図8(b5)〜(b6)、図8(b7)〜(b8)の間のそれぞれにおいて、フレーム最下部にあるオブジェクトがフレーム上端までに到達するように制御される。これにより、オブジェクトの数を増大させることなく、通常スピードショット表示制御において表示されるショット42の数を増大させることができる。
【0054】
各フレームには、通常スピードショット表示とハイスピードショット表示の何れにおいても2つのオブジェクトしか存在しないが、ゲーム画面中においては、複数のショット42が発射されているように、プレーヤに視認させることができる。
【0055】
このようにして、通常スピードショット表示からハイスピードショット表示に制御を切り替える場合であっても、フレーム中のオブジェクト数を増加させずに、ゲーム画面においてショット42の発射速度を高速にして、図7(b)などに示すように、視覚上、ショット42の数が増えたように視認させることができる。こうして、オブジェクト数を増加させないことにより、表示制御の切り替えを行ったとしても、プロセッサ(CPU)に対する処理負荷の増大を招かない。さらに、ハイスピードショット表示において、ショット42の速度を速度Hよりも上げることにより、フレーム中に表示されるショットを表すオブジェクトの数を減少させることができる。すなわち、図8に示す例では、1フレームに2つのオブジェクトが存在するが、所定の時間T2において発射されるショットのタイミング(数)を同じとし、ショットの速度を上げることにより、1フレームに1つのオブジェクトが存在するようにできる。フレームに存在するショット(オブジェクト)の数を減少させることにより、プロセッサ(CPU)に対する処理負荷を、通常スピードショット表示時よりも軽減することも可能である。このため、処理性能が低い電子装置であっても、本実施形態におけるショット制御処理を適用したゲームが実行可能となる。
【0056】
なお、前述した説明では、プレーヤの操作に応じて移動が制御される自機オブジェクト41を対象として説明しているが、ゲームプログラム17a(ゲーム実行部10d)によって移動が制御される敵オブジェクト40などの他のオブジェクトを対象とすることもできる。この場合、前述した説明では、自機オブジェクト41の移動状態の変化を、プレーヤによる十字キー33に対する操作の有無をもとにして検出しているが、ゲームプログラム17aによる処理においてオブジェクトの移動の変化を検出し、その検出に応じて同オブジェクトから発射される飛しょうオブジェクト(弾など)の動き(速度等)を制御することもできる。
【0057】
また、前述した説明では、自機オブジェクト41から発射されるショット42の速度を変化(2倍にする)させる例について説明しているが、自機オブジェクト41の移動の変化(移動/停止など)に対して、ショット42の種類に応じた動きの変化をするように制御することができる。例えば、自機オブジェクト41から発射されたショット42が敵オブジェクト40に命中した場合に、その位置から所定の速度で所定範囲まで領域を拡大していき、その領域に含まれる他の敵オブジェクト40に対しても攻撃が及ぶショット42が存在したとする。この場合、自機オブジェクト41が停止している時にショット42が発射された場合には、自機オブジェクト41が動いている時よりも領域を拡大する速度を例えば2倍に変化させる。また、移動の軌跡が直線的でないショット42の場合には、ショット42の移動の変化を大きくしたり、ショット42の影響が及ぶ範囲に幅がある場合には、この幅を変化させたりするなど、ショット42の種類に応じた変化が可能である。
【0058】
また、自機オブジェクト41の移動の変化(移動/停止など)が検出されてから一定時間(前述した例では0.1秒)内は、ショット42に対する制御を切り替えずに同じ動きを継続させるとしているが、この動きを同じにする一定時間をプレーヤが任意に設定できるようにしても良い。また、ショット42の種類によって一定時間が個別に設定されていても良い。
【0059】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0060】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態における携帯電話機1の機能構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における携帯電話機1の外観構成を示す図。
【図3】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるゲーム実行時のゲーム画面の一例を示す図。
【図6】本実施形態のゲームにおけるショット制御処理について示すフローチャート。
【図7】自機オブジェクト41からショット42が発射されているゲーム画面の一例を示す図。
【図8】通常スピードショット表示とハイスピードショット表示の表示制御について説明するための図。
【符号の説明】
【0062】
1…携帯電話機、2…ネットワーク、3…モバイル端末、4…サーバ、5…PC、10…制御部、10a…電話機能部、10b…Web機能部、10c…ダウンロード部、10d…ゲーム実行部、11…表示部、12…入力部、13…サウンド部、14…カメラ部、15…通信部、16…ROM、17…RAM、17a…ゲームプログラム、18…メモリデバイス着脱ユニット、19…メモリデバイス、20…バイブレータ、30…本体ユニット、31…ディスプレイユニット、32…決定キー、33…十字キー、34…サウンド切替キー、35…オートショット切替キー、36…バイブ切替キー、40…敵オブジェクト、41…自機オブジェクト、42…ショット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面中に表示されるオブジェクトの移動を制御する第1オブジェクト制御手段と、
前記第1オブジェクト制御手段により制御される前記オブジェクトの移動状態の変化を検出する移動検出手段と、
前記ゲーム画面中に表示される前記オブジェクトから発射させる飛しょうオブジェクトの移動を制御する第2オブジェクト制御手段と、
前記移動検出手段によって前記オブジェクトの移動状態が変化したことが検出された場合に、前記第2オブジェクト制御手段による前記飛しょうオブジェクトの動きの制御を前記移動状態が変化する前と切り替える制御切替手段と
を具備したことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記第2オブジェクト制御手段は、前記制御切替手段による制御の切り替え切替によって、前記飛しょうオブジェクトの移動速度を変化させることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記移動検出手段は、前記オブジェクトが停止しているか、または移動しているかを検出するもので、
前記第2オブジェクト制御手段は、前記オブジェクトが停止している時と、前記オブジェクトが移動している時のそれぞれに応じて、前記飛しょうオブジェクトの移動を制御することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項4】
前記制御切替手段は、前記移動検出手段によって移動状態の変化が検出されてから予め設定された一定時間が経過した後に、前記第2オブジェクト制御手段による前記飛しょうオブジェクトの動きの制御を切り替えることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項5】
前記第2オブジェクト制御手段は、前記ゲーム画面に表示する前記飛しょうオブジェクトの位置を単位時間毎に変更することで、前記前記飛しょうオブジェクトの動きを制御するもので、前記制御切替手段による制御の切り替えに応じて、前記飛しょうオブジェクトの数を変えずに前記単位時間毎の変化量を変化させることで、前記ゲーム画面に表示する前記飛しょうオブジェクトを移動させることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項6】
コンピュータを、
ゲーム画面中に表示されるオブジェクトの移動を制御する第1オブジェクト制御手段と、
前記第1オブジェクト制御手段により制御される前記オブジェクトの移動状態の変化を検出する移動検出手段と、
前記ゲーム画面中に表示される前記オブジェクトから発射させる飛しょうオブジェクトの移動を制御する第2オブジェクト制御手段と、
前記移動検出手段によって前記オブジェクトの移動状態が変化したことが検出された場合に、前記第2オブジェクト制御手段による前記飛しょうオブジェクトの動きの制御を前記移動状態が変化する前と切り替える制御切替手段として機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−142265(P2010−142265A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319455(P2008−319455)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】