説明

電子装置

【課題】マイクロコンピュータとメモリを接続する信号ラインの数を抑えることができる電子装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置1は、マイクロコンピュータ11と、メモリ17とを備えている。マイクロコンピュータ11の駆動信号を伝達するための信号ライン190a〜190fを備えている。マイクロコンピュータ11が動作状態であり、かつ、信号ライン190a〜190fがハイインピーダンス状態のとき、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間で、信号ライン190a〜190dを利用してチップセレクト信号等を伝達する。そのため、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間に、これらの信号を伝達するための専用の信号ラインを別途設ける必要がない。従って、信号ラインの数を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロコンピュータとメモリを備えた電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロコンピュータとメモリを備えた電子装置として、例えば特許文献1に開示されている電子制御装置がある。この電子制御装置は、CPUと、フラッシュメモリとを備えている。フラッシュメモリは、アドレスバス、データバス、チップ選択信号ライン、リード指令信号ライン及びライト指令信号ラインを介してCPUに接続されている。
【特許文献1】特開2008−140018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前述した電子制御装置では、CPUとフラッシュメモリは、複数の信号ラインによって接続されている。これらの信号ラインは、CPUとフラッシュメモリの間で信号を伝達するための専用のラインである。そのため、信号ラインの数を抑えることが困難であった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、マイクロコンピュータとメモリを接続する信号ラインの数を抑えることができる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0005】
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号以外の信号を伝達するために設けられた信号ラインを、所定条件のときに利用することで、マイクロコンピュータとメモリを接続する信号ラインの数を抑えられることを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、請求項1に記載の電子装置は、マイクロコンピュータと、メモリと、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号以外の信号を伝達するために設けられた信号ラインと、を備えた電子装置において、マイクロコンピュータとメモリは、信号ラインに接続され、所定条件のとき、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号を、信号ラインを介して伝達することを特徴とする。この構成によれば、所定条件のとき、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号以外の信号を伝達するために設けられた信号ラインを利用して、マイクロコンピュータとメモリの間で信号を伝達する。そのため、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号を伝達するための専用の信号ラインを別途設ける必要がない。従って、信号ラインの数を抑えることができる。
【0007】
請求項2に記載の電子装置は、請求項1に記載の電子装置において、マイクロコンピュータとメモリは、マイクロコンピュータが動作状態であり、かつ、信号ラインがハイインピーダンス状態のとき、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号を、信号ラインを介して伝達することを特徴とする。ここで、信号ラインがハイインピーダンス状態であるとは、信号ラインが、本来接続されている回路等から遮断された状態にあることをいう。この構成によれば、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号以外の信号を伝達するために設けられた信号ラインを利用して、マイクロコンピュータとメモリの間で信号を確実に伝達することができる。
【0008】
請求項3に記載の電子装置は、請求項2に記載の電子装置において、マイクロコンピュータとメモリは、電源投入後の所定期間に、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号を、信号ラインを介して伝達することを特徴とする。この構成によれば、電源投入後の所定期間に、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号以外の信号を伝達するために設けられた信号ラインを利用して、マイクロコンピュータとメモリの間で信号を確実に伝達することができる。そのため、電源投入後の初期設定期間等において、マイクロコンピュータとメモリの間で効率的に信号を伝達することができる。
【0009】
請求項4に記載の電子装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子装置において、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号を、信号ラインを介して伝達するときには、マイクロコンピュータを信号ラインに接続し、それ以外のときには、マイクロコンピュータを信号ラインから切断する第1スイッチを有することを特徴とする。この構成によれば、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号と、それら以外の信号の衝突を防止することができる。
【0010】
請求項5に記載の電子装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子装置において、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号を、信号ラインを介して伝達するときには、メモリを信号ラインに接続し、それ以外のときには、メモリを信号ラインから切断する第2スイッチを有することを特徴とする。この構成によれば、マイクロコンピュータとメモリの間で伝達される信号と、それら以外の信号の衝突を防止することができる。
【0011】
請求項6に記載の電子装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子装置において、メモリは、信号ラインを介してマイクロコンピュータとの間でシリアルにデータを伝達することを特徴とする。この構成によれば、信号ラインの数をさらに抑えることができる。
【0012】
請求項7に記載の電子装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子装置において、マイクロコンピュータとメモリは、それぞれ別々の配線基板に実装され、信号ラインのうち配線基板間は、ケーブルからなることを特徴とする。この構成によれば、ケーブルの本数を抑えることができる。
【0013】
請求項8に記載の電子装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子装置において、マイクロコンピュータは、メモリから伝達されたデータに基づいて動作し、インバータを制御することを特徴とする。この構成によれば、信号ラインの数を抑え、インバータを制御することができる。
【0014】
請求項9に記載の電子装置は、請求項8に記載の電子装置において、信号ラインは、インバータを制御するための駆動信号を伝達するために設けられたラインであることを特徴とする。この構成によれば、信号ラインの数を確実に抑え、インバータを制御することができる。
【0015】
請求項10に記載の電子装置は、請求項8又は9のいずれか1項に記載の電子装置において、インバータは、車両に搭載されたモータを制御することを特徴とする。この構成によれば、信号ラインの数を抑え、車両に搭載されたモータを制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る電子装置を、自動車等の車両に搭載された3相交流モータを制御するモータ制御装置に適用した例を示す。
【0017】
まず、図1を参照してモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【0018】
図1に示すモータ制御装置1(電子装置)は、バッテリ(図略)の出力する直流電圧を3相交流電圧に変換して、3相交流モータM1に供給する装置である。モータ制御装置1は、インバータ10と、マイクロコンピュータ11と、駆動回路12と、スイッチ13〜16(第1スイッチ)と、メモリ17とを備えている。
【0019】
インバータ10は、直流電圧を3相交流電圧に変換するための回路である。インバータ10は、例えば、IGBTを3相ブリッジ接続して構成されている。インバータ10は、インバータ配線基板180aに接続されている。インバータ10の駆動信号入力端子は、駆動回路12に接続されている。また、出力端子は、モータケーブルを介して3相交流モータM1にそれぞれ接続されている。
【0020】
マイクロコンピュータ11は、外部から入力される指令、3相交流モータM1から入力される回転位置情報、及び、メモリ17から読み出されるインバータに関するデータに基づいてインバータ10を制御する素子である。具体的には、インバータ10を構成するIGBTをオン、オフするための駆動信号を出力する素子である。マイクロコンピュータ11は、インバータ配線基板180aとは別の制御配線基板180bに実装されている。マイクロコンピュータ11の駆動信号出力端子PWM1〜PWM6は、駆動回路12に接続されている。チップセレクト信号出力端子CSO、クロック信号出力端子CLKO、シリアルデータ出力端子SDO、シリアルデータ入力端子SDI及びスイッチ制御信号出力端子SW1〜SW4は、スイッチ13〜16にそれぞれ接続されている。電源端子は、回路用電源に接続されている。
【0021】
駆動回路12は、マイクロコンピュータ11の駆動信号に基づいてインバータ10を駆動するための回路である。具体的には、インバータ10を構成するIGBTをオン、オフするための回路である。駆動回路12は、FET120a〜120fと、フォトカプラ121a〜121fと、ドライバIC122a〜122fとから構成されている。
【0022】
FET120a〜120fは、マイクロコンピュータ11の駆動信号に基づいて、フォトカプラ121a〜121fを駆動するための素子である。つまり、マイクロコンピュータ11の駆動信号をフォトカプラ121a〜121fに伝達する素子である。FET120a〜120fは、制御配線基板180bに実装されている。FET120a〜120fのゲートは、マイクロコンピュータ11の駆動信号出力端子PWM1〜PWM6にそれぞれ接続されている。ドレインは、信号ライン190a〜190fを介してフォトカプラ121a〜121fにそれぞれ接続されている。ソースは、接地されている。
【0023】
フォトカプラ121a〜121fは、FET120a〜120fを介して伝達される駆動信号を、電気的に絶縁してドライブIC122a〜122fに伝達するための素子である。フォトカプラ121a〜121fは、インバータ配線基板180aに実装されている。フォトカプラ121a〜121fの入力側の一方の端子は、回路用電源に接続されている。入力側の他方の端子は、信号ライン190a〜190fを介してFET120a〜120fのドレインにそれぞれに接続されている。また、出力側の一方の端子は、回路用電源とは絶縁されたドライブIC用電源に接続されるとともに、ドライブIC122a〜122fにそれぞれされている。出力側の他方の端子は接地されている。
【0024】
ドライブIC122a〜122fは、フォトカプラ121a〜121fを介して伝達される駆動信号に基づいて、インバータ10を構成するIGBTをオン、オフするための素子である。ドライブIC122a〜122fは、インバータ配線基板180aに実装されている。ドライブIC122a〜122fの入力端子は、フォトカプラ121a〜121fの出力側の一方の端子にそれぞれ接続されている。また、出力端子は、インバータ10の駆動信号入力端子にそれぞれ接続されている。
【0025】
なお、信号ライン190a〜190fのうち、制御配線基板180bとインバータ配線基板180aの間は、ケーブル191a〜191fによって構成されている。ケーブル191a〜191fは、制御配線基板180bとインバータ配線基板180aにコネクタ接続されている。
【0026】
スイッチ13〜16は、マイクロコンピュータ11から出力されるスイッチ制御信号に基づいて、チップセレクト信号出力端子CSO、クロック信号出力端子CLKO、シリアルデータ出力端子SDO及びシリアルデータ入力端子SDIを、信号ライン190a〜190dに接続、又は、信号ライン190a〜190dから切断するための素子である。スイッチ13〜16は、制御配線基板180bに実装されている。スイッチ13〜16の一端は、マイクロコンピュータ11のチップセレクト信号出力端子CSO、クロック信号出力端子CLKO、シリアルデータ出力端子SDO及びシリアルデータ入力端子SDIにそれぞれ接続されている。また、他端は、制御配線基板180b内で、信号ライン190a〜190dにそれぞれ接続されている。スイッチ制御信号入力端子は、マイクロコンピュータ11のスイッチ制御信号出力端子SW1〜SW4にそれぞれ接続されている。
【0027】
メモリ17は、インバータ10の制御に必要なIGBTの温度補正用データを記憶し、マイクロコンピュータ11からの読み出し指令及びアドレスに基づいて、マイクロコンピュータ11にシリアル出力する素子である。例えば、1度のみ書き込み可能なワンタイムROMである。メモリ17は、インバータ配線基板180aに実装されている。メモリ17のチップセレクト信号入力端子CSI、クロック信号入力端子CLKI、シリアルデータ入力端子SDI及びシリアルデータ出力端子SDOは、インバータ配線基板180a内で、信号ライン190a〜190dに接続されている。電源端子は、回路用電源に接続されている。
【0028】
次に、モータ制御装置の動作について説明する。図1において回路用電源が投入されると、マイクロコンピュータ11は、動作を開始する。回路用電源の電圧が正常状態に安定するまでの期間、マイクロコンピュータ11は、駆動信号を強制的にオフする。そのため、FET120a〜120fは遮断される。また、回路用電源の電圧が正常状態に安定しても、ドライブIC用電源が正常状態になるまでは、フォトカプラ121a〜121fも遮断される。従って、回路用電源の電源が正常状態に安定するまでの期間、信号ライン190a〜190fは、ハイインピーダンス状態となる。ここで、信号ライン190a〜190fがハイインピーダンス状態とは、信号ライン190a〜190fが、マイクロコンピュータ11の駆動信号出力端子PWM1〜PWM6及びドライブIC122a〜122fの駆動信号入力端子から遮断された状態をいう。
【0029】
マイクロコンピュータは11は、回路用電源投入後、回路用電源の電圧が正常状態に安定するまでの初期設定期間のみ、スイッチ13〜16をオンする。そして、チップセレクト信号出力端子CSOからチップセレクト信号を出力するとともに、クロック信号出力端子CLKOからクロック信号を出力する。また、シリアルデータ出力端子SDOから読み出し命令及びアドレスを順次シリアル出力する。チップセレクト信号、クロック信号、並びに、読み出し命令及びアドレスは、本来、駆動信号が伝達される信号ライン190a〜190dを介してメモリ17のチップセレクト信号入力端子CSI、クロック信号入力端子CLKI及びシリアルデータ入力端子SDIにそれぞれ入力される。このとき、信号ライン190a〜190dは、ハイインピーダンス状態であるため、チップセレクト信号、クロック信号、並びに、読み出し指令及びアドレスが駆動回路12等に影響を与えることはない。
【0030】
チップセレクト信号が入力されるとともに、読み出し命令及びアドレスが入力されると、メモリ17は、シリアルデータ出力端子SDOから、クロック信号に同期して、指定されたアドレスに記憶されているIGBTの温度補正用データをシリアル出力する。IGBTの温度補正用データは、本来、駆動信号が伝達される信号ライン190dを介してマイクロコンピュータ11のシリアルデータ入力端子SDIに入力される。このようにして、マイクロコンピュータ11は、回路用電源投入後の初期設定期間に、メモリ17から温度補正用データを全て読み出す。
【0031】
回路用電源投入後の初期設定期間が経過すると、マイクロコンピュータ11は、スイッチ13〜16をオフする。その後、ドライブIC用電源の電圧が正常状態に安定すると、マイクロコンピュータ11は、外部から入力される指令、3相交流モータM1から入力される回転位置情報、及び、メモリ17から読み出された温度補正用データに基づいて、駆動信号出力端子PWM1〜PWM6から駆動信号を出力する。駆動信号は、信号ライン190a〜190fを介してフォトカプラ121a〜121fに入力され、ドライブIC122a〜122fに伝達される。ドライブIC122a〜122fは、駆動信号に基づいてインバータ10を駆動する。これにより、バッテリの直流電圧が3相交流電圧に変換され、3相交流モータM1に供給される。
【0032】
最後に、具体的効果について説明する。本実施形態によれば、信号ライン190a〜190fは、本来、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間で伝達される信号以外の信号、具体的には駆動信号を伝達するために設けられたラインである。しかし、所定条件のとき、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間で、信号ライン190a〜190dを利用して、伝達が必要とされるチップセレクト信号、クロック信号、読み出し命令及びアドレス、並びに、データを伝達する。そのため、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間に、これらの信号を伝達するための専用の信号ラインを別途設ける必要がない。従って、信号ラインの数を抑えることができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、マイクロコンピュータ11が動作状態であり、かつ、信号ライン190a〜190fがハイインピーダンス状態である、回路用電源投入後の初期設定期間に、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間で、信号ライン190a〜190dを利用して、チップセレクト信号、クロック信号、読み出し命令及びアドレス、並びに、データを伝達する。そのため、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間で、信号ライン190a〜190dを利用して、これらの信号を効率的かつ確実に伝達することができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、回路用電源投入後の初期設定期間は、信号ライン190a〜190fがハイインピーダンス状態であり、信号ライン190a〜190fに駆動信号が伝達されることはない。一方、初期設定期間経過後は、信号ライン190a〜190fに駆動信号が伝達されることとなる。そのため、回路用電源投入後の初期設定期間のみスイッチ13〜16をオンし、マイクロコンピュータ11のチップセレクト信号出力端子CSO、クロック信号出力端子CLKO、シリアルデータ出力端子SDO及びシリアルデータ入力端子SDIを信号ライン190a〜190dに接続することで、マイクロコンピュータ11とメモリ17の間で伝達される信号と、駆動信号の衝突を防止することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、メモリ17は、記憶されたデータをマイクロコンピュータ11にシリアル出力する。そのため、パラレル出力する場合に比べ、信号ラインの数をさらに抑えることができる。
【0036】
さらに、本実施形態によれば、マイクロコンピュータ11は、制御配線基板180bに、メモリ17は、制御配線基板180bとは別のインバータ配線基板180aにそれぞれ実装されている。また、信号ライン190a〜190fの一部は、ケーブル191a〜191fによって構成され、制御配線基板180b及びインバータ配線基板180aにそれぞれコネクタ接続されている。そのため、ケーブルの本数を抑えることができる。また、コネクタの極数も抑えることができる。
【0037】
加えて、本実施形態によれば、信号ラインの数を抑え、車両に搭載されたインバータ10を制御することができる。これにより、信号ラインの数を抑え、車両に搭載された3相交流モータM1を制御することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、マイクロコンピュータ11と信号ライン190a〜190dの間にスイッチ13〜16を設けた例を挙げているが、これに限られるものではない。例えば、メモリ17と信号ライン190a〜190dの間にスイッチ(第2スイッチ)を設けてもよい。また、マイクロコンピュータ11と信号ライン190a〜190dの間、メモリ17と信号ライン190a〜190dの間の両方にスイッチを設けてもよい。信号ライン190a〜190dがハイインピーダンス状態のときのみオンすることで、マイクロコンピュータ11とメモリ17との間で伝達される信号と、駆動信号の衝突を防止することができる。
【0039】
また、本実施形態では、信号ライン190a〜190dを利用して、ワンンタイムROMであるメモリ17に記憶されたデータを読み出す例を挙げているが、これに限られるものではない。例えば、メモリ17が複数回に渡って書き込み可能であれば、信号ライン190a〜190dを利用して、データの書き込みを行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・モータ制御装置(電子装置)、10・・・インバータ、11・・・マイクロコンピュータ、12・・・駆動回路、120a〜120f・・・FET、121a〜121f・・・フォトカプラ、122a〜122f・・・ドライブIC、13〜16・・・スイッチ(第1スイッチ)、17・・・メモリ、180a・・・インバータ配線基板、180b・・・制御配線基板、190a〜190f・・・信号ライン、191a〜191f・・・ケーブル、M1・・・3相交流モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロコンピュータと、
メモリと、
前記マイクロコンピュータと前記メモリの間で伝達される信号以外の信号を伝達するために設けられた信号ラインと、
を備えた電子装置において、
前記マイクロコンピュータと前記メモリは、前記信号ラインに接続され、所定条件のとき、前記マイクロコンピュータと前記メモリの間で伝達される信号を、前記信号ラインを介して伝達することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記マイクロコンピュータと前記メモリは、前記マイクロコンピュータが動作状態であり、かつ、前記信号ラインがハイインピーダンス状態のとき、前記マイクロコンピュータと前記メモリの間で伝達される信号を、前記信号ラインを介して伝達することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記マイクロコンピュータと前記メモリは、電源投入後の所定期間に、前記マイクロコンピュータと前記メモリの間で伝達される信号を、前記信号ラインを介して伝達することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記マイクロコンピュータと前記メモリの間で伝達される信号を、前記信号ラインを介して伝達するときには、前記マイクロコンピュータを前記信号ラインに接続し、それ以外のときには、前記マイクロコンピュータを前記信号ラインから切断する第1スイッチを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記マイクロコンピュータと前記メモリの間で伝達される信号を、前記信号ラインを介して伝達するときには、前記メモリを前記信号ラインに接続し、それ以外のときには、前記メモリを前記信号ラインから切断する第2スイッチを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記メモリは、前記信号ラインを介して前記マイクロコンピュータとの間でシリアルにデータを伝達することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記マイクロコンピュータと前記メモリは、それぞれ別々の配線基板に実装され、
前記信号ラインのうち前記配線基板間は、ケーブルからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記マイクロコンピュータは、前記メモリから伝達されたデータに基づいて動作し、インバータを制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載された電子装置。
【請求項9】
前記信号ラインは、前記インバータを制御するための駆動信号を伝達するために設けられたラインであることを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記インバータは、車両に搭載されたモータを制御することを特徴とする請求項8又は9のいずれか1項に記載の電子装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−134520(P2010−134520A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307224(P2008−307224)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】