説明

電子透かしの同期回復装置及び電子透かしの同期回復プログラム

【課題】ドキュメントの一部が切り取られて一部の基準点が失われても、電子透かしの同期回復を行うことができるとともに、基準点を規則的に配置して、秘匿性の劣化を招くことなく、電子透かしの同期回復を行うことができるようにする。
【解決手段】複数の基準点の対応関係に基づいてオリジナルの紙面画像と印刷紙面画像間の幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを算出する幾何学変換パラメータ算出部10を設け、印刷紙面画像補正部11が幾何学変換パラメータ算出部10により算出された幾何学変換パラメータを用いて、印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、印刷紙面画像を幾何学的に補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドキュメントに埋め込まれている複数の基準点の位置を検出して、電子透かしの埋め込み位置の特定を可能にする電子透かしの同期回復装置及び電子透かしの同期回復プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、印刷物などのドキュメントにうすくパターンを重畳し、そのパターンの微視的な形状に情報を秘匿することにより、印刷物のセキュリティを向上させる手法が存在する。
例えば、以下の特許文献1には、ドットでパターンを形成し、特定位置のドットの有無によって、バイナリ情報を秘匿する手法が開示されている。
また、以下の特許文献2には、情報ユニットと呼ばれる複数種類の波形を有するブロックをドキュメント上に配置して印刷し、どの種類のブロックが特定位置に存在するかによって情報を埋め込む手法が開示されている。この情報を埋め込んだパターンは、しばしば電子透かしと呼ばれる。
【0003】
これらの手法は、ドキュメントの位置と特定のドット(または、ブロック)を対応させて情報を埋め込んでいるので、埋め込んだ情報の検出を行うには、埋め込み時の位置情報が回復されなければならない。
即ち、埋め込み時と検出時では、同じ座標軸を用いて、埋め込み処理と検出処理を行う必要がある。これを電子透かしの同期回復と称される。
【0004】
電子透かしの同期回復を行う手法として、多くの手法が提案されているが、代表的な手法は、同期回復用のパターンを電子透かしと同時に埋め込む方法である。
以下の特許文献1には、ドットの集合で矩形の情報ブロックを構成し、この情報ブロックの四隅(または、その一部)に同期回復用の基準パターンを配置する方法が開示されている。
この情報ブロックは、ドキュメント上に繰り返し配置されるので、基準パターンも情報ブロックと同様に周期的に配置される。
従来の電子透かしの同期回復装置は、パターンマッチングの手法を用いて、周期的に配置されている基準パターンを抽出し、その基準パターンを基準にして座標を定めることによって電子透かしの同期回復を行うようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−112787号公報(段落番号[0012]から[0013]、図13)
【特許文献1】特開2003−209676号公報(段落番号[0010]から[0012]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電子透かしの同期回復装置は以上のように構成されているので、ドキュメントの一部が切り取られた場合には、一部の基準パターンを抽出しても、どの部分が切り取られたかを特定することができず、電子透かしの同期回復を行うことができないことがある課題があった。
また、基準パターンを情報ブロックと同様に周期的に配置する必要があるが、人間の目は規則性に敏感であるため、周期的な基準パターンは目につきやすく、電子透かしの秘匿性が劣化することがある課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ドキュメントの一部が切り取られて一部の基準点が失われても、電子透かしの同期回復を行うことができるとともに、基準点を規則的に配置して、秘匿性の劣化を招くことなく、電子透かしの同期回復を行うことができる電子透かしの同期回復装置及び電子透かしの同期回復プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電子透かしの同期回復装置は、オリジナル紙面画像基準点位置取得手段により取得された基準点間を結ぶ線分の長さと印刷紙面画像基準点位置算出手段により算出された基準点間を結ぶ線分の長さとの比である線分比を算出する線分比算出手段と、オリジナル紙面画像基準点位置取得手段により取得された基準点間を結ぶ線分がなす方向角と印刷紙面画像基準点位置算出手段により算出された基準点間を結ぶ線分がなす方向角との差分である方向角差分を算出する方向角差分算出手段と、線分比算出手段により算出された線分比と方向角差分算出手段により算出された方向角差分から、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する対応関係決定手段と、対応関係決定手段により決定された複数の基準点の対応関係に基づいてオリジナルの紙面画像と印刷紙面画像間の幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを算出する幾何学変換パラメータ算出手段とを設け、印刷紙面画像補正手段が幾何学変換パラメータ算出手段により算出された幾何学変換パラメータを用いて、印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、印刷紙面画像を幾何学的に補正するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、オリジナル紙面画像基準点位置取得手段により取得された基準点間を結ぶ線分の長さと印刷紙面画像基準点位置算出手段により算出された基準点間を結ぶ線分の長さとの比である線分比を算出する線分比算出手段と、オリジナル紙面画像基準点位置取得手段により取得された基準点間を結ぶ線分がなす方向角と印刷紙面画像基準点位置算出手段により算出された基準点間を結ぶ線分がなす方向角との差分である方向角差分を算出する方向角差分算出手段と、線分比算出手段により算出された線分比と方向角差分算出手段により算出された方向角差分から、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する対応関係決定手段と、対応関係決定手段により決定された複数の基準点の対応関係に基づいてオリジナルの紙面画像と印刷紙面画像間の幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを算出する幾何学変換パラメータ算出手段とを設け、印刷紙面画像補正手段が幾何学変換パラメータ算出手段により算出された幾何学変換パラメータを用いて、印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、印刷紙面画像を幾何学的に補正するように構成したので、ドキュメントの一部が切り取られて一部の基準点が失われても、電子透かしの同期回復を行うことができるとともに、基準点を規則的に配置して、秘匿性の劣化を招くことなく、電子透かしの同期回復を行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電子透かしの同期回復装置を示す構成図である。
図1において、電子透かし埋め込み装置1は例えばパソコンやプリンタなどから構成されており、電子透かしをオリジナルの紙面画像に埋め込むとともに、その電子透かしの埋め込み位置の特定用として、配置が既知である複数の基準点をオリジナルの紙面画像に埋め込み、そのオリジナルの紙面画像を紙面に印刷する処理を実施する。
ここで、基準点の配置については実施の形態2で説明するが、例えば、上記の特許文献2に開示されているような基準パターンを配置するようにしてもよい(図4を参照)。
【0011】
オリジナル紙面画像基準点位置取得部2は例えば通信器やUSBポートなどの情報入力インタフェースを備えており、電子透かし埋め込み装置1からオリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を取得する処理を実施する。なお、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2はオリジナル紙面画像基準点位置取得手段を構成している。
因みに、オリジナルの紙面画像が文書である場合、電子透かし埋め込み装置1により基準点が電子透かしとして埋め込まれる。この場合、電子透かし埋め込み装置1から電子透かしとして埋め込まれている基準点の位置を示す位置情報を取得する。あるいは、電子透かし埋め込み装置1からオリジナルの紙面画像の画像データ(電子データ)を受け取り、その画像データから基準点の位置を算出する。
オリジナルの紙面画像がデジタル化された自然物を撮影している自然画像などである場合には、基準点が電子透かしとして埋め込まれていなくてもよい。基準点が電子透かしとして埋め込まれていない場合、適当なフィルタ等を使用して、自然画像等の画像信号から特徴点を抽出し、この特徴点を基準点として用いるようにする。
【0012】
オリジナル紙面画像ベクトル算出部3は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2により取得された複数の基準点の中から任意の2つの基準点を選択して、2つの基準点を結ぶベクトル(線分)を決定するとともに、そのベクトルの長さを算出する処理を実施する。
【0013】
印刷紙面画像取得部4は例えばデジタルスキャナなどから構成されており、電子透かし埋め込み装置1により印刷された紙面を走査して、紙面上の印刷紙面画像を取得する処理を実施する。
印刷紙面画像基準点位置算出部5は例えば画像検出器やMPUなどの演算装置から構成されており、例えばパターンマッチング法を実施して、印刷紙面画像取得部4により取得された印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点を検出し、複数の基準点の位置を算出する処理を実施する。
なお、印刷紙面画像取得部4及び印刷紙面画像基準点位置算出部5から印刷紙面画像基準点位置算出手段が構成されている。
【0014】
印刷紙面画像ベクトル算出部6は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、印刷紙面画像基準点位置算出部5により検出された複数の基準点の中から任意の2つの基準点を選択して、2つの基準点を結ぶベクトル(線分)を決定するとともに、そのベクトルの長さを算出する処理を実施する。
線分比算出部7は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3により算出されたベクトルの長さと、印刷紙面画像ベクトル算出部6により算出されたベクトルの長さの比である線分比を算出する処理を実施する。
なお、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3、印刷紙面画像ベクトル算出部6及び線分比算出部7から線分比算出手段が構成されている。
【0015】
方向角差分算出部8は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3により決定されたベクトルがなす方向角と印刷紙面画像ベクトル算出部6によりにより決定されたベクトルがなす方向角との差分である方向角差分を算出する処理を実施する。
なお、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3、印刷紙面画像ベクトル算出部6及び方向角差分算出部8から方向角差分算出手段が構成されている。
【0016】
基準点対応関係決定部9は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、線分比算出部7により算出された線分比と、方向角差分算出部8により算出された方向角差分とから、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する処理を実施する。なお、基準点対応関係決定部9は対応関係決定手段を構成している。
【0017】
幾何学変換パラメータ算出部10は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、基準点対応関係決定部9により決定された複数の基準点の対応関係に基づいて、オリジナルの紙面画像と印刷紙面画像間の幾何学的変化(オリジナルの紙面画像と印刷紙面画像との間で生じた幾何学変換)を示す幾何学変換パラメータを算出する処理を実施する。なお、幾何学変換パラメータ算出部10は幾何学変換パラメータ算出手段を構成している。
【0018】
印刷紙面画像補正部11は例えばMPUなどの演算装置から構成されており、幾何学変換パラメータ算出部10により算出された幾何学変換パラメータを用いて、印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、その印刷紙面画像を幾何学的に補正する処理を実施する。
なお、印刷紙面画像補正部11は印刷紙面画像補正手段を構成している。
【0019】
図1の例では、電子透かしの同期回復装置の構成要素であるオリジナル紙面画像基準点位置取得部2、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3、印刷紙面画像取得部4、印刷紙面画像基準点位置算出部5、印刷紙面画像ベクトル算出部6、線分比算出部7、方向角差分算出部8、基準点対応関係決定部9、幾何学変換パラメータ算出部10及び印刷紙面画像補正部11のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを示しているが、電子透かしの同期回復装置がコンピュータで構成される場合、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3、印刷紙面画像取得部4、印刷紙面画像基準点位置算出部5、印刷紙面画像ベクトル算出部6、線分比算出部7、方向角差分算出部8、基準点対応関係決定部9、幾何学変換パラメータ算出部10及び印刷紙面画像補正部11の処理内容を記述している電子透かしの同期回復プログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されている電子透かしの同期回復プログラムを実行するようにしてもよい。
図2はこの発明の実施の形態1による電子透かしの同期回復装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0020】
次に動作について説明する。
この実施の形態1における電子透かしの同期回復装置の概略を説明すると、オリジナルの紙面画像上の2つの特徴点を結んだベクトルの長さ及び方向と、印刷紙面画像上の2つの特徴点を結んだベクトルの長さ及び方向とを比較する一般化ハフ変換を実施して、オリジナル紙面画像上の特徴点と印刷紙面画像上の特徴点との対応関係を決定することで、幾何学変換のパラメータを決定し、さらに、その幾何学変換のパラメータを用いる幾何学変換によって印刷紙面画像を補正することで、電子透かしの同期回復を行うものである。
【0021】
ここで、ハフ変換は、画像の中から特定の図形を検出する手法であり、基本的には、パターンマッチングの手法であるが、投票によって対応点を決定するため、総当り法と比べて、処理効率が高い特徴がある。
ハフ変換は、当初、直線を検出する手法として提案されたものであるが、例えば、円など、少数のパラメータで定式化される図形の検出にも利用することができる。
一般化ハフ変換は、輪郭の各点の座標と、各点における輪郭の方向を登録することによって、任意形状の図形を検出できるようにハフ変換を拡張したものである。
この実施の形態1では、この手法をオリジナルの紙面画像に埋め込まれた電子透かしの基準点と、そのオリジナルの紙面画像が印刷された紙の印刷物をスキャンして取得した電子データである印刷紙面画像から検出した基準点との対応関係の決定に利用している。
【0022】
以下、電子透かしの同期回復装置の処理内容を具体的に説明する。
まず、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2は、電子透かし埋め込み装置1からオリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を示す位置情報を取得する(ステップST1)。このとき、電子透かし埋め込み装置1からオリジナルの紙面画像の画像データを受け取り、その画像データから基準点の位置を算出するようにしてもよい。
ここでは、説明の便宜上、M個の基準点Pk1(k1=0,1,2,…,M−1)の位置を示す位置情報を取得するものとする。
【0023】
オリジナル紙面画像ベクトル算出部3は、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2がM個の基準点Pk1の位置を取得すると、M個の基準点Pk1の中から任意の2つの基準点Ppi=(xpi,ypi),Ppj=(xpj,ypj)を選択して、2つの基準点Ppi,Ppjを結ぶベクトルPpipjを決定し、下記の式(1)に示すように、そのベクトルPpipjの長さupipjを算出する(ステップST2)。図3は2つの基準点間を結ぶ線分の方向と線分の中点の座標を示す説明図である。
ベクトル :Ppipj=(xpi−xpj,ypi−ypj)=(px,py)
ベクトルPpipjの長さ:upipj=((px)2+(py)21/2
(1)
なお、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3は、全ての基準点Pk1(k1=0,1,2,…,M−1)の組み合わせについてベクトルの長さを算出する。ただし、同じ2つの基準点の組み合わせに対しては、1つのベクトルの長さのみを算出し、逆方向のベクトルの長さは算出しない。
【0024】
印刷紙面画像取得部4は、電子透かし埋め込み装置1により印刷された紙面を走査して、紙面上の印刷紙面画像を示す電子データを取得する(ステップST3)。
印刷紙面画像基準点位置算出部5は、印刷紙面画像取得部4が印刷紙面画像を示す電子データを取得すると、例えば、パターンマッチング法を実施して、その印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点を検出し、複数の基準点の位置を算出する(ステップST4)。
ここでは、説明の便宜上、N個の基準点Qk2(k2=0,1,2,…,N−1)の位置を算出するものとする。
因みに、印刷紙面画像基準点位置算出部5が基準点Qk2の位置を算出する際の座標系は暫定的に決定すればよいが、一般に、ハフ変換では、ドキュメントの中心に原点を取ると性能が向上する。
【0025】
ここで、電子透かし埋め込み装置1によりオリジナルの紙面画像が紙に印刷され、その紙面を走査して、紙面上の印刷紙面画像を示す電子データを取得する場合、オリジナルの紙面画像と印刷紙面画像との間で幾何学的変化が生じる。
この実施の形態1では、幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを(a,b,c,d,e,f)で表すものとする。
このとき、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2により取得されたM個の基準点Pk1の位置(xk1,yk1)と、印刷紙面画像基準点位置算出部5により算出されたN個の基準点Qk2の位置(xk2,yk2)は、下記のように表される。
k1=a×xk2+b×yk2+c
k1=d×xk2+e×yk2+d
なお、印刷紙面画像基準点位置算出部5によるN個の基準点Qk2の検出には一定量の誤りが含まれていてもよく、そのような誤りは、以下のステップST9における基準点の対応関係を決定する処理の段階で排除される。
【0026】
印刷紙面画像ベクトル算出部6は、印刷紙面画像基準点位置算出部5がN個の基準点Qk2を検出すると、N個の基準点Qk2の中から任意の2つの基準点Qqi=(xqi,yqi),Qqj=(xqj,yqj)を選択して、2つの基準点Qqi,Qqjを結ぶベクトルQqiqjを決定し、下記の式(2)に示すように、そのベクトルQqiqjの長さvqiqjを算出する(ステップST5)。
ベクトル :Qqiqj=(xqi-xqj,yqi-yqj)=(qx,qy)
ベクトルQqiqjの長さ:vqiqj=((qx)2+(qy)21/2
(2)
なお、印刷紙面画像ベクトル算出部6は、全ての基準点Qk2(k2=0,1,2,…,N−1)の組み合わせについてベクトルの長さを算出する。ただし、同じ2つの基準点の組み合わせに対しては、1つのベクトルの長さのみを算出し、逆方向のベクトルの長さは算出しない。
【0027】
線分比算出部7は、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3がベクトルPpipjの長さupipjを算出し、印刷紙面画像ベクトル算出部6がベクトルQqiqjの長さvqiqjを算出すると、下記の式(3)に示すように、そのベクトルPpipjの長さupipjとベクトルQqiqjの長さvqiqjの比である線分比SPQを算出する(ステップST6)。
線分比:SPQ=vqiqj/upipj (3)
【0028】
方向角差分算出部8は、オリジナル紙面画像ベクトル算出部3がベクトルPpipjを決定し、印刷紙面画像ベクトル算出部6がベクトルQqiqjを決定すると、下記の式(4)に示すように、そのベクトルPpipjがなす方向角と、そのベクトルQqiqjがなす方向角との差分である方向角差分θPQを算出する(ステップST7)。
内積=ベクトルPpipj×ベクトルQqiqj
=upipj×vqiqjcosθPQ
=px×qx+py×qy
∴ θPQ=cos-1((px×qx+py×qy)/(upipj×vqiqj)
(4)
【0029】
基準点対応関係決定部9は、線分比算出部7が線分比SPQを算出し、方向角差分算出部8が方向角差分θPQを算出すると、その線分比SPQと方向角差分θPQから、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する(ステップST8)。
以下、基準点対応関係決定部9におけるオリジナルの紙面画像上の基準点Pk1(k1=0,1,2,…,M−1)と、印刷紙面画像上の基準点Qk2(k2=0,1,2,…,N−1)との対応関係の決定処理を具体的に説明する。
【0030】
まず、基準点対応関係決定部9は、ハフ変換において投票に用いる2次元のバッファh(s,θ)をN−1面分用意する。
この2次元のバッファhは、k2=0〜N−1の各k2に対して、幾何学変換パラメータs,θの取り得る値の(s,θ)の組み合わせ分だけ用意する。従って、バッファhは(k2,s,θ)の3次元バッファとみなすこともできる。なお、sは上記の線分比SPQを意味し、θは上記の方向角差分θPQを意味する。
【0031】
次に、k2=0〜N−1のすべてのk2に対する2次元のバッファh(s,θ)の値を全て“0”に初期化する。
オリジナルの紙面画像上の基準点Pk1(k1=0,1,2,…,M−1)において、k1=piである基準点Ppiから、同紙面画像上のk1=pi以外のすべての基準点Ppj(pj=0,1,2,…,M−1)へのベクトルPpipj(pi=0,1,2,…,M−1であり、pjはpiを除く、k1=0,1,2,…,M−1のいずれかである。合計(M−1)×(M−1)個)は、以下のようになる。
【0032】
ベクトル: P01,P0P2, …,P0Ppj, …,P0M-2,P0M-1←M-1個
ベクトル: P10, P1P2, …,P1Ppj, …,P1M-2,P1M-1←M-1個
ベクトル: P20, P21, …,P2Ppj, …,P2M-2,P2M-1←M-1個
ベクトル: P30, P31,P3P2, …,P3Ppj, …,P3M-2,P3M-1←M-1個
ベクトル: ……………………………………PpiPpj………… ←M-1個
ベクトル: PM-10,PM-11,PM-1P2,…,PM-1Ppj,…,PM-1M-2 ←M-1個
【0033】
次に、印刷紙面画像上の基準点Qk2(k2=0,1,2,…,N−1)において、k2=qiである点Qqiから、同紙面画像上のk2=qi以外のすべての基準点Qqj(qj=0,1,2,…,N−1)へのベクトルQqiqj(qi=0,1,2,…,N−1であり、qjはqiを除く、k2=0,1,2,…,N−1のいずれかである。合計(N−1)×(N−1)個)は、以下のようになる。
ベクトル: Q01,Q0Q2, …,Q0Qqj, …,Q0N-2,Q0N-1←N-1個
ベクトル: Q10, Q1Q2, …,Q1Qqj, …,Q1N-2,Q1N-1←N-1個
ベクトル: Q20, Q21, …,Q2Qqj, …,Q2N-2,Q2N-1←N-1個
ベクトル: Q30, Q31,Q3Q2, …,Q3Qqj, …,Q3N-2,Q3N-1←N-1個
ベクトル: ……………………………………QqiQqj………… ←N-1個
ベクトル: QN-10,QN-11,QN-1Q2,…,QN-1Qqj, …,QN-1QN-2 ←N-1個
【0034】
ここで、k2をqiに固定し、qjを0〜N−1(qiを除く)で変化させたN−1個のベクトルQqiqjに対し、k1(=pi)を0〜N−1に変化させた場合のそれぞれにおいて、pjを0〜M−1(piを除く)に変化させた(M−1)×(M−1)個のベクトルPpipjとの間で得られた線分比SPQと方向角差分θPQとに相当する2次元のバッファhの値を“1”だけインクリメントする(図7を参照)。
【0035】
qiを固定し、qjを0〜N−1(qiを除く)で変化させたN−1個のベクトルQqiqjに対し、上記線分比SPQと方向角差分θPQの算出をすべての(M−1)×(M−1)個のベクトルPpipjに対して行った後、k1=0〜M−1のそれぞれの2次元バッファh(s,θ)の値を比較し、最も大きな値を含む2次元バッファhを持つk1の値がpiであるとき、印刷紙面画像上の基準点Qk2(k2=qi)は、オリジナル紙面画像上の基準点Pk1(k1=pi)と対応するものとする。
これを0〜N−1のすべての基準点Qk2に行うことで、印刷紙面画像上で検出された全ての基準点Qk2に対応するオリジナル紙面画像上の基準点Pk1を決定することができる。
【0036】
上記の例では、単純に“最も大きな値を含む2次元バッファh”をもつk1の値を探して対応関係を決定するものについて示したが、例えば、バッファhの値に対して、ある閾値を設定し、その閾値以上のバッファhが見つからない場合、印刷紙面画像上の基準点Qk2(k2=qi)に対応するオリジナル紙面画像上の基準点Pk1(k1=pi)が見つからないものとしてもよい。
【0037】
幾何学変換パラメータ算出部10は、基準点対応関係決定部9がオリジナルの紙面画像上の基準点Pk1(k1=0,1,2,…,M−1)と印刷紙面画像上の基準点Qk2(k2=0,1,2,…,N−1)との対応関係を決定すると、それらの基準点の対応関係に基づいて、ドキュメントが通信路で生じている幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータ(a,b,c,d,e,f)を算出する(ステップST9)。
【0038】
即ち、幾何学変換パラメータ算出部10は、オリジナルの紙面画像上の特徴点(xk1,yk1)と、印刷紙面画像上の特徴点(xk2,yk2)との対応関係が、以下のアフィン変換によって近似できると仮定して、幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータ(a,b,c,d,e,f)を決定する。
k1=a×xk2+b×yk2+c
k1=d×xk2+e×yk2+d
変換前座標と変換後座標の二乗和の誤差は、以下のように表される。
x=Σi=1n(axk2+byk2+c−xk12
y=Σi=1n(cxk2+dyk2+e−xk12
ただし、nはオリジナルの紙面画像と印刷紙面画像との間で対応がとれている特徴点の数である。
幾何学変換パラメータ算出部10は、これらの二乗和の誤差Sx,Syが最小になるように、最小二乗法の計算を実施して、幾何学変換パラメータ(a,b,c,d,e,f)を決定する。
【0039】
印刷紙面画像補正部11は、幾何学変換パラメータ算出部10が幾何学変換パラメータ(a,b,c,d,e,f)を決定すると、その幾何学的パラメータ(a,b,c,d,e,f)をアフィン変換のパラメータとして、印刷紙面画像のアフィン変換を実行することで、その印刷紙面画像を幾何学的に補正する(ステップST10)。
また、印刷紙面画像補正部11は、補正後の印刷紙面画像が、オリジナルの紙面画像上のどこに対応するかを決定する。
【0040】
図示せぬ後段の電子透かし検出装置では、印刷紙面画像に埋め込まれている電子透かしを検出する際、印刷紙面画像補正部11により補正された印刷紙面画像を参照して、電子透かしの同期回復を行う。
【0041】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2により取得された基準点間を結ぶ線分の長さと印刷紙面画像基準点位置算出部5により算出された基準点間を結ぶ線分の長さとの比である線分比を算出する線分比算出部7と、オリジナル紙面画像基準点位置取得部2により取得された基準点間を結ぶ線分がなす方向角と印刷紙面画像基準点位置算出部5により算出された基準点間を結ぶ線分がなす方向角との差分である方向角差分を算出する方向角差分算出部8と、線分比算出部7により算出された線分比と方向角差分算出部8により算出された方向角差分から、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する基準点対応関係決定部9と、基準点対応関係決定部9により決定された複数の基準点の対応関係に基づいてオリジナルの紙面画像と印刷紙面画像間の幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを算出する幾何学変換パラメータ算出部10とを設け、印刷紙面画像補正部11が幾何学変換パラメータ算出部10により算出された幾何学変換パラメータを用いて、印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、印刷紙面画像を幾何学的に補正するように構成したので、ドキュメントの一部が切り取られて一部の基準点が失われても、電子透かしの同期回復を行うことができるとともに、基準点を規則的に配置して、秘匿性の劣化を招くことなく、電子透かしの同期回復を行うことができる効果を奏する。
【0042】
また、基準点を結ぶベクトルの方向と、そのベクトルの長さにより、一般化ハフ変換を用いて電子透かしで埋め込んだ基準点の対応関係を決定するようにしているので、基準点を規則的に配置することなく、電子透かしの同期回復を行うことができる効果を奏する。
また、幾何学変換パラメータ(a,b,c,d,e,f)の算出が主な基準点の一致に基づいて行われるので、一部の基準点が失われている場合や、誤りがある基準点が存在する場合でも、安定的に正しい幾何学変換パラメータ(a,b,c,d,e,f)が得られる効果を奏する。
【0043】
なお、この実施の形態1では、基準点対応関係決定部9が、最大値のバッファh(s,θ)に対応するオリジナルの紙面画像上の基準点Pk1と、印刷紙面画像上の基準点Qk2が対応するものとして対応関係を決定するものについて示したが、印刷紙面画像基準点位置算出部5により検出された基準点Qk2の位置に誤差が存在する場合、投票が真の値の周囲に分散してしまって、検出精度が低下することがある。
この検出精度が低下する問題は、2次元のバッファh(s,θ)をスムージングすることによって軽減することができる。
さらに、2次元のバッファh(s,θ)の±1近傍のパラメータの平均を取って、最終的な2次元のバッファhの値とすることで、検出精度の低下を軽減することができる。
【0044】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、オリジナルの紙面画像に対する基準点の配置について特に言及していないが、オリジナルの紙面画像に対して、複数の基準点がランダムに配置されているようにしてもよい。
即ち、電子透かし埋め込み装置1によりオリジナルの紙面画像に埋め込まれる複数の基準点の位置を、例えば、乱数などを用いて決定することにより、オリジナルの紙面画像に対して、複数の基準点がランダムに配置されるようにしてもよい。
【0045】
図5はランダムに配置された基準点を示す説明図である。
図5において、×は基準点の位置を示しており、複数の基準点が平面内にランダムに配置され、基準点の一部分の配置が他の部分と重なる可能性が低くなるように配置されている。
このため、印刷物の一部分が発見されたとき、その一部分がオリジナルの紙面画像のどの部分に相当するものであるかを、基準点の配置だけから高い確率で推定することができる。
【0046】
例えば、図5の点線で囲まれた中央領域だけが切り出されたとき、その内部の基準点の配置が他の部分と重なる可能性が低い。
これに対して、図6に示すように、基準点が規則的に配置されている場合には、その一部の基準点の配置が他の部分と重なり、切り取られた断片が元のドキュメントのどの部分に相当するのかを、基準点から断定することができない。
【0047】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、オリジナルの紙面画像に対して、複数の基準点がランダムに配置されているので、ドキュメントの一部が切り取られた場合でも、電子透かしの基準点の対応関係を決定することができる効果を奏する。
【0048】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、電子透かし埋め込み装置1からオリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を示す位置情報を取得するものについて示したが、電子透かし埋め込み装置1又は電子透かし埋め込み装置1の保管メモリなどから、電子データであるオリジナルの紙面画像を例えば通信路経由で受け取り、パターンマッチング法などを実施することにより、そのオリジナルの紙面画像から複数の基準点を検出するようにしてもよい。
また、電子透かし埋め込み装置1が複数の基準点を埋め込む際に実施する基準点の埋め込み位置決定アルゴリズムと同じアルゴリズムを実施することで、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を決定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態1による電子透かしの同期回復装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電子透かしの同期回復装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】2つの基準点間を結ぶ線分の方向と線分の中点の座標を示す説明図である。
【図4】基準パターンの配置を示す説明図である。
【図5】ランダムに配置された基準点を示す説明図である。
【図6】規則的に配置された基準点を示す説明図である。
【図7】オリジナルの紙面画像上の基準点と印刷紙面画像上の基準点と対応関係の決定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 電子透かし埋め込み装置、2 オリジナル紙面画像基準点位置取得部(オリジナル紙面画像基準点位置取得手段)、3 オリジナル紙面画像ベクトル算出部(線分比算出手段、方向角差分算出手段)、4 印刷紙面画像取得部(印刷紙面画像基準点位置算出手段)、5 印刷紙面画像基準点位置算出部(印刷紙面画像基準点位置算出手段)、6 印刷紙面画像ベクトル算出部(線分比算出手段、方向角差分算出手段)、7 線分比算出部(線分比算出手段)、8 方向角差分算出部(方向角差分算出手段)、9 基準点対応関係決定部(対応関係決定手段)、10 幾何学変換パラメータ算出部(幾何学変換パラメータ算出手段)、11 印刷紙面画像補正部(印刷紙面画像補正手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子透かしの埋め込み位置の特定用として、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を取得するオリジナル紙面画像基準点位置取得手段と、上記オリジナルの紙面画像が印刷された紙面上の印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を算出する印刷紙面画像基準点位置算出手段と、上記オリジナル紙面画像基準点位置取得手段により取得された基準点間を結ぶ線分の長さと上記印刷紙面画像基準点位置算出手段により算出された基準点間を結ぶ線分の長さとの比である線分比を算出する線分比算出手段と、上記オリジナル紙面画像基準点位置取得手段により取得された基準点間を結ぶ線分がなす方向角と上記印刷紙面画像基準点位置算出手段により算出された基準点間を結ぶ線分がなす方向角との差分である方向角差分を算出する方向角差分算出手段と、上記線分比算出手段により算出された線分比と上記方向角差分算出手段により算出された方向角差分から、上記オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と上記印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する対応関係決定手段と、上記対応関係決定手段により決定された複数の基準点の対応関係に基づいて上記オリジナルの紙面画像と上記印刷紙面画像間の幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを算出する幾何学変換パラメータ算出手段と、上記幾何学変換パラメータ算出手段により算出された幾何学変換パラメータを用いて、上記印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、上記印刷紙面画像を幾何学的に補正する印刷紙面画像補正手段とを備えた電子透かしの同期回復装置。
【請求項2】
オリジナルの紙面画像に対して、複数の基準点がランダムに配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子透かしの同期回復装置。
【請求項3】
電子透かしの埋め込み位置の特定用として、オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を取得するオリジナル紙面画像基準点位置取得処理手順と、上記オリジナルの紙面画像が印刷された紙面上の印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点の位置を算出する印刷紙面画像基準点位置算出処理手順と、上記オリジナル紙面画像基準点位置取得処理手順により取得された基準点間を結ぶ線分の長さと上記印刷紙面画像基準点位置算出処理手順により算出された基準点間を結ぶ線分の長さとの比である線分比を算出する線分比算出処理手順と、上記オリジナル紙面画像基準点位置取得処理手順により取得された基準点間を結ぶ線分がなす方向角と上記印刷紙面画像基準点位置算出処理手順により算出された基準点間を結ぶ線分がなす方向角との差分である方向角差分を算出する方向角差分算出処理手順と、上記線分比算出処理手順により算出された線分比と上記方向角差分算出処理手順により算出された方向角差分から、上記オリジナルの紙面画像に埋め込まれている複数の基準点と上記印刷紙面画像に埋め込まれている複数の基準点との対応関係を決定する対応関係決定処理手順と、上記対応関係決定処理手順により決定された複数の基準点の対応関係に基づいて上記オリジナルの紙面画像と上記印刷紙面画像間の幾何学的変化を示す幾何学変換パラメータを算出する幾何学変換パラメータ算出処理手順と、上記幾何学変換パラメータ算出処理手順により算出された幾何学変換パラメータを用いて、上記印刷紙面画像を幾何学的に変換することで、上記印刷紙面画像を幾何学的に補正する印刷紙面画像補正処理手順とをコンピュータに実行させるための電子透かしの同期回復プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−103925(P2010−103925A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275663(P2008−275663)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】