説明

電子郵便通信網と送信方法とその受信装置

【目的】 自動受信ができ、低廉で、汎用性、安全性、機密性、経済性に対応して、マルチデメデアの普及に貢献する。
【構成】 送信サーバー2と、これに公衆回線1を介して接続される複数の電話機等3から構成される広域な電子郵便通信網において、送信サーバー側では、識別番号と電話機側から返送されて来る識別番号と比較して、各電話番号と組となる固有の識別番号と文書区別を示す区別信号とを記憶し、電話機側では、公衆回線からの発呼信号を所定回数検知して桁上り信号を発生し、多重周波数信号を検知して検知信号を出力する回路を設け、桁上り信号または検知信号により公衆回線をメモリに接続させ、検知信号により公衆回線から電話機等を切り離す記憶回路から識別番号を公衆回線に発信するとともに、受信した区別信号に従いプリンタの印刷を禁止する中央演算装置とからなるメイルレシーバー22を設けた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルチデメデアを構築する電子式郵便システムに関し、特に文書用のデータを配送する電子郵便通信網と送信方法とその受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日では、電話は勿論のことファクシミリが広く事業所や公共施設等に普及している。また一般の家庭や個人住宅にも徐々に広まりつつある。電話は意志を伝えたり、人間的な音声で状況を伝達するには優れている、一方ファクシミリは文字や数字や画像を正確に伝えるのに最適である。従来のファクシミリは汎用性が高く送信受信と双方向の通信ができる。汎用性のため外形が大きく、また双方向性のため価格を低廉にするにも限界があり、個人に住宅に普及するにはまだ費用価格の壁を越えられないのが現状である。また送信時に相手ファクシミリの番号を間違えると全然意図しない所へ過って送信され、誤配信が発生し、自他ともに迷惑することがあった。配信の信頼性が低く秘密漏洩防止が充分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとするの課題】そこで本発明は、上記従来例の問題を解決すべく、用紙をハガキのサイズに統一し、低価格で個人家庭にも導入し易くし、自動受信が可能で、機密性を保持し、配信の信頼性が高い電子郵便通信網と送信方法とその受信装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願の発明は、送信部と電話番号に対応した有用データが蓄積されたデータファイルとこれらを制御する中央演算装置とからなる情報センターと、この情報センターから離れた位置にあり公衆回線を介して送信部からの発呼により、接続される複数の顧客の電話機及びファクシミリとから構成される広域な電子郵便通信網において、情報センターでは、送信部に多重周波数信号を発生する発生器を設け、データファイルに各電話番号と組になる固有の識別番号と、文書区別を示す区別信号とをそれぞれ記憶し、識別番号と顧客の電話機側から返送されて来る識別番号とを比較し一致信号を出力する比較器を設けるとともに、顧客の電話機側では、公衆回線らの発呼信号を所定回数検知して桁上り信号を発生する第一検知回路と、多重周波数信号を検知して検知信号を出力する第二検知回路と、識別番号と同一の番号を記憶する記憶回路と、送信部から受信した有用データを格納するメモリと、このデータを印刷するプリンタと、第一検知回路の桁上り信号によりまたは第二検知回路の検知信号により公衆回線をメモリに接続する第1切り替え回路と、第二検知回路の検知信号により公衆回線から前記電話機及びファクシミリを切り離す第2切り替え回路と、記憶回路から識別番号を公衆回線に発信するとともに、公衆回線から受信した区別信号に従いプリンタに印刷を禁止する命令を出力する他の中央演算装置とからなる受信装置を、電話機及びファクシミリに追加して設けた。情報センターから公衆回線を介し顧客の電話番号の電話機側に発呼し、この発呼信号を電話機側で受け、情報センターから電話機側に所定の多重周波数信号を送信し、この多重周波数信号が着信した時に、情報センターと電話機側に追加して設けた受信装置とを第1切り替え回路により接続し、情報センターが顧客に関する固有の識別番号を問い合わせ、他の中央演算装置が情報センターに自己の識別番号を返送する。この識別番号が情報センターに登録済の識別番号と一致であると比較器により判定されれば、データファイルから電話番号に対応して蓄積した有用データを受信装置に送信し、受信装置は受信した有用データをメモリに記憶し、必要に応じて用紙に印刷し、受信装置から固有の識別番号の返答がない時または比較器により一致なしの判定があれば、情報センターは有用データを送信することなく、情報センターと受信装置との接続を終了する。この発明では、自動送信、受信であり、安価なものとなり、誤配信がなく人手を要しないので、広く市場に普及する受信装置となる。低価格で個人家庭にも導入し易く、普及性が高く、マルチデメデアの一翼を担うものとなる。
【0005】
【実施例】ガス、電気、水道、電話等の料金通知書は加入者個人や事業所に郵便で発送される、準親展扱いの通知伝票である。例えば電話料金の通知伝票は、通常先月分領収書と今月分の使用料請求書とがセットになっている。図4において、公衆電話回線1には、電力会社及びガス会社の送信サーバ2と一般家庭の送受信装置3とその他の電話機T、ファクシミリFが接続されている。送信サーバ2は電力会社やガス会社の計算機センター内に構築される。一般家庭の送受信装置3は本願のデータ受信専用の印刷用の受信装置即ち、メイルレシーバ(MR)22と電話機TとファクシミリFから構成され、MR22は既設の電話機TやファクシミリFに後から付加的に追加できる。
【0006】公衆電話回線1は、NTT回線であり、広義には公衆電信電話回線網のデータ通信専用のファクシミリネット(Fnet)やISDN(高密度通信網)を含むものである。外部の一般の電話機T及びファクシミリFは、送受信装置3の電話機T及びファクシミリFとも従来通り通信できる。以下の説明をガス会社から顧客、例えば一般家庭に、ガス料金の先月分領収書と今月分の使用料請求書を送信する場合について説明する。
【0007】図2において、情報センターについて説明する。情報センター即ち、計算機センターの送信サーバ2には大容量の磁気記憶装置5が設けられ、入出力装置6から各種のデータ、新規契約の顧客に関する事項が入力され、契約顧客の毎月の使用料金が入力され、解約顧客に関するデータが消去される。磁気記憶装置5はハードディスク等からなり、中央制御装置(CPU)9により管理されている。中央制御装置(CPU)9はフロントプロッセサであり、アドレスバス7、データバス8が接続されている。さて、磁気記憶装置5内にはデータファイル14が形成されており、データファイル14の内容はアドレスレコーダ13からの指定アドレスに従って読み出される。
【0008】RAM4は読み書き可能なメモリで、各種のデータをCPU9により演算中に一時記憶される。ROM20は読み出し専用のメモリで、送信サーバ2を制御するCPU9の動作プログラムを記憶している。比較器10はデータファイル14からの特定信号と外部の公衆電話回線1から受信した特定信号とを比較し、これらが一致した時に一致信号を出力する。ゲイト12はこの一致信号を受信した時に開となる。
【0009】データファイル14から読み出された送信データはバッファーレジスタ11に一時的に格納される。バッファーレジスタ11の内容はゲイト12が開のとき外部に取り出される、ゲイト12は通常閉の状態になっている。CPU9やバッファーレジスタ11からの各種データはモデム(MODEM)15で変調され、回線制御回路(NCU)16を介し外部の公衆(電話)回線1に送信される。
【0010】モデム15で変調される各種データは、送信先ダイヤル番号、FAX通信制御信号、画像データである。外部の公衆電話回線1からNCU16を介し受信されるデータは、モデム15で復調され、CPU9やRAM4に送られる。比較器10、バッファーレジスタ11、ゲイト12、モデム15、NCU16は送信部21を形成し、多数の顧客に対応するために、同一の送信サーバ2内に複数の送信部21を設置し、平行通信処理を実行できる。
【0011】次に、データファイル14について、図3で説明する。データファイル14にはガス供給を受けている家庭、いわゆる顧客の代表者の氏名と、この氏名に結合された住所と電話番号とこの電話番号を特定する固有の識別番号(以下ID番号という)が登録されている。この登録は入出力装置6から契約時にキーにより、またはOCRにより行う。以下顧客は電話番号で代表して説明を行う。このID番号は、顧客の電話機に追加して接続される本願のデータ受信専用の受信装置、メイルレシーバ(MR)22に付された固有番号と同一の番号である。
【0012】データファイル14には各顧客の電話番号毎に毎月のガス使用料と料金と先月の受領金額とが入出力装置6から入力され蓄積されている。各顧客の毎月のガス使用料等は月毎に入出力装置6から追加されていき、顧客へ毎月の通知を送信したかどうかCPU9から書き込まれる。発送済はフラグ1、未発送はフラグ0で、相手からの受信確認は、受信返事はフラグ1で、未返事はフラグ0で記録する。入出力装置6は人手によるキー式でも自動光学読み取り式でもよい。
【0013】次に、図5において、MODEM15は多重周波数信号(DTMF)を発生するDTMF発生器17、発呼トーン/非音声端末識別音(CNG)を発生するCNG発生器18、回線切断命令(DCN)を発生するDCN発生器19等を備えている。多重周波数信号(DTMF)はプッシュホン回線用の呼び出し信号等に使用されるダイヤル信号で、低群・高群の周波数の組み合わせて、0〜9、*、#、AーFの18種類のダイヤル信号が使用できる。非音声端末識別音(CNG)は1100Hzの断続信号、回線切断命令(DCN)は x1011111のバイナリコード信号である。
【0014】更に図5において、ROM20には、文書の区別、親展通信等を示す区別信号の親展信号Kと制御用のプログラムとが記憶されている。この親展信号Kはいわゆる制御信号であり、データファイル14から出力される実際データに付加されて、CPU9により顧客宛に送信される。親展信号Kは発信者側と顧客との合意の基づいた事項についてのみ付加する。一般的に親展信号Kを付加するのは、請求書の督促状等顧客本人以外に見られたら迷惑するような文書が該当する。親展通信等を示す区別信号、親展信号Kはデータファイル14に記憶しても良い。さて、データファイル14から比較器10に入力される信号は各電話番号と組となる固有の識別番号であり、MODEM15から入力される信号は顧客から返信号されてくるメイルレシーバ(受信装置)22に付された固有の識別番号である。
【0015】図1は、図4の一般家庭の送受信装置3全体の構成図である。公衆電話回線1にはメイルレシーバ22、電話機T、たまにファクシミリF等が接続されている。公衆電話回線1には、同様に多くの一般家庭の送受信装置3が網状に繋がれており、各一般家庭の送受信装置3はメイルレシーバ22、電話機T、ファクシミリFから同様に構成されている。メイルレシーバ22はDTMF検出装置23、CPU24、レジスタ31を含むプログラムROM25、モデム26、第2切り替え器27、ICメモリ28、プリンタ29、表示ランプ30、第1切り替え器33、CI検出回路38、音声ROM40から構成されている。このメイルレシーバ22のプリンタ29はガス会社の送信サーバ2からの電子伝票を受信し、用紙に印刷し出力する。ファクシミリFは通常のNTT回線対応のものであり、電話機Tと同一の電話回線を使用している。
【0016】電話機Tは通常のNTTの加入電話であり、ガス会社の顧客の電話の場合はその番号が、計算機センターのデータファイル14に登録される。別体のメイルレシーバ22はガス会社と顧客の合意の元に顧客の電話機に追加的に設置される。その際メイルレシーバ22の固有の識別番号(ID番号)が顧客の電話番号に対応して組になって図2のデータファイル14に登録される。回路上ではメイルレシーバ22が、公衆電話回線1と電話機Tとの間に割り込んで介在するものとなる。
【0017】プログラムROM25には、信号受信時に実行する制御プログラムとID番号を記憶している、ID番号の例えば#5は、製造時にメイルレシーバ22に固有のものとして付けられ、プログラムROM25内のレジスタ31に焼き付けられる。このID番号はメイルレシーバ22毎に異なり、同一番号が複数のメイルレシーバ22に付けられることはない。DTMF検出装置23は公衆電話回線1から送られてくる発呼信号中にDTMF信号やFネットの呼び出し信号1300Hzがあれば検知し、CPU24に通知する。モデム26は公衆電話回線1から送られてくる配送データをICメモリ32に復調して伝え、変調機能も有する。配送データは画像データとして文字や記号、絵柄を転送し、プリンタ29はこれらを画像イメージとして印刷する(コード化した文字の転送ではない)。DTMF検出装置23が第二検知回路を構成し、DTMF検出信号が検知信号となる。
【0018】さて、第2切り替え器27は電子スイッチからなり、通常では公衆電話回線1を電話機T及びファクシミリFに接続している。また、CPU24からの制御信号により公衆電線1を電話機T及びファクシミリFから切り離す。また、第1切り替え器33も電子スイッチからなり、通常では公衆電線1からモデム26を切り離している。また、CPU24からの制御信号により公衆電線1をモデム26に接続する。
【0019】モデム26の出力端にはICメモリ28の入力端が接続され、ICメモリ28の出力端にはプリンタ29が接続されている。CPU24はDTMF検出装置23から検知信号がある場合は、第2切り替え器27に公衆電線1から電話機T、ファクシミリFを切り離しさせる。。また、CPU24はDTMF検出装置23から検知信号がある場合は、第1切り替え器33に公衆電線1をモデム26に接続させる。
【0020】また、CPU24はモデム26を介して制御信号の親展信号Kを受信した場合は、プリンタ29に対し、プリント禁止命令を出し、受信データをICメモリ28に親展データとして蓄積させる。ICメモリ28に親展データが蓄積された時ランプ30がCPU24により点灯される。また、CPU24は親展信号Kを受信しない場合は、プリンタ29に対し、プリント命令を出し、受信データを印刷させる。
【0021】CI検出回路38は、電話機T等のオフフックがない時に有効なもので、呼び出し信号を計数し、予め設定したn回を計数したら、桁上げ信号をCPU24に通報する。CPU24は桁上げ信号を受けて、第1切り替え器33にモデム26を公衆電話回線1に接続させる、この時オフフック状態が公衆電話回線1に伝達される。DTMF信号の検出時と、呼び出し信号のn回検出時に、公衆電話回線1はメイルレシーバ22のモデム26に接続される。CI検出回路38は第一検知回路を構成し、桁上げ信号が第一検知信号となる。音声ROM40は、メイルレシーバ22に必要な操作手順を示す声や留守番応答音声を記憶し、必要時にCPU24により読み出される。
【0022】プリンタ29は供給紙装置を内蔵し、ICメモリ28を介し受信する配送データを印刷する。供給紙装置の用紙は事務整理を統一し、価格を低廉にするために規格A6のハガキ大に統一している。ROM25のIDレジスタ欄31には、例えば#5等が記憶され、他の別の一般家庭のメイルレシーバ22には別の番号#6等が記憶され、メイルレシーバ22の製造時に個々の器機に別々に異なる番号を付けるものとする。ICメモリ28は公衆電話回線1からの受信データをCPU24からリセット命令があるまで、親展信号Kを含む場合はプリンタ29が印刷しない時、そのデータを記録する。
【0023】図6、図7に従って、動作を説明する。図6R>6は計算機センターの送信サーバ2のCPU9の動作を示し、図7は一般家庭のCPU24の動作を示している。図6において、入力装置6からキー入力するか、送信サーバ2が自動プログラムにより、顧客の自宅や事業所の電話番号に、電話を掛けて開始する。ステップS1では、通話中かどうか判定し、通話中でなければ、ステップS2に行き、通話中ならば、ステップS5に行く。ステップS2では、被呼局のファクシミリFまたは電話機Tがオフフックすれば、回線が接続される(ステップS3)。ステップS4では、MODEM15のDTMF発生器17から多重周波数信号(DTMF)を発生し、一定時間、公衆回線1に送信する。ステップS1で、通話中かファクシミリ通信中であれば、ステップS5に行き、呼び出しを中止し終了する。ステップS2で、メイルレシーバ22がオフフックしなければ、メイルレシーバ22が備えつけていないか、接続されていないので、ステップS5に行き、呼び出しを中止し終了する。
【0024】公衆回線1を介してメイルレシーバ22から被呼局端末信号、CED信号が2.6〜4秒間返送されてきたら、ステップS6では、ID要求を発信する。ステップS7では、返送されてきたID番号を受信し、発呼した電話番号と組になっているデータファイル14のID番号と一致しているかどうかを調べる。一致検出は図2において、データファイル14からきた電話番号に組なっているID番号と、外部からMODEM15を介して返送されて来たID番号とを比較器10で比較し、一致したら一致検出信号を出力する。一致検出信号によりゲート12は開となり、バッファーレジスタ11にある配送データはMODEM15を介して、被呼局に送信可能となる。
【0025】一致であれば、次に、ステップS8で、送るデータが一般データか親展データかを決定し、請求領収書などの親展ものであれば、ステップS9では親展信号KをROM20から読み出し、通知するデータの先頭にこの親展信号Kを付加してステップS10で送信する。ステップS8で、親展信号Kがなく単なる領収書であればステップS10に行き、そのまま通知するデータを送信する。ステップS9の親展信号Kは、請求・領収書やさらに一段上の督促状が親展データに相当する。これは予め、契約時にガス会社と契約者との間で取り決めてROM20に記録しておく。被呼局即ち、顧客あての配送データはこの時点には、データファイル14から読み出され、バッファーレジスタ11にあり、またゲート12は開となっているので送信できる。ステップS10で、通知するデータを送信した後、交信を終了する。ステップS7でID番号の一致がなければ、電話の所有権が他人に移転した可能性があり、誤配信を避けるために、交信を終了する。
【0026】図7において、一般家庭の個人宅や事業所では、外部の公衆回線1から発呼があると、ステップS20では、受話器を取り上げるか、ファクシミリFが補足した場合は、オフフックで発呼局と接続される。ステップS21では、DTMF検出装置23が、発呼局から1.8〜2.5秒の間にDTMF信号があるかどうか調べる。DTMF信号があれば、送信サーバ2からの発呼であるので、ステップS22に進み、CPU24は第1切り替え器33によりモデム26を公衆回線1に接続させる。同時に、CPU24は第2切り替え器27により電話機TとファクシミリFを公衆回線1から切り離しさせる。公衆回線1(発呼局)をメイルレシーバ22へ接続する。
【0027】次に、ステップS23では、着信信号内にID要求があるので、ROM25のレジスタ31からID番号を読み出し、公衆回線1を介し送信サーバー2へ自己のID番号を返送する。送信サーバ2がID番号を了承し、公衆回線1を介し請求書等の配送データが送信されてくるので、ステップS24では、配送データをICメモリ28に蓄える(配送データが終了した時点で接続は送信サーバ2側から切断される)。ステップS25では、配送データ内に親展信号Kがあるかどうかを調べる。親展信号KがあればステップS26に進み、プリンタ29に印刷禁止命令を与える。後で当事者が取り出せるように、ステップS27で、ICメモリ28に配送データがあることを示すランプ30を点灯させた後、終了する。この場合はその後ランプ30の光りを見て、顧客が所定の印刷命令を与え、配送データを取り出すことができ、その際ランプ30をリセットする。ステップS25で、親展信号KがなければステップS28に進み、プリンタ29に印刷命令を与え、ICメモリ28にある受信データをステップS29で印刷した後、終了する。
【0028】ステップS21でDTMF信号がなければステップS29に進み、CPU24は第2切り替え器27により、引き続き公衆回線1を電話機TとファクシミリFへ接続したままとする。これは通常の外部電話対電話機Tまたは、外部のファクシミリ対ファクシミリFの通信であり、続行する。従って電話機Tにメイルレシーバ22を追加設置してもなんら障害がないことを示している。Fネットの発呼の場合でも同様に動作する。
【0029】ステップS20で、発呼がファクシミリFのCNG信号、1100Hzでなくかつ、顧客が不在で受話器を取り上げない場合は、ステップS30に進み、CI検出回路38で呼び出し信号をn回(予め適当に設定)検出し、CPU24が第1切り替え器33によりが公衆回線1をモデム26に接続し、回線が接続される。
【0030】その後ステップS31でのDTMF信号の有無をチェックし、有なら送信サーバ2の発呼だから、ステップS22に行く。ステップS31でDTMF信号が無なら、外部の電話による発呼だから、ステップS32に進み音声ROM40から”不在です”の音声を取り出し、モデム26を介して相手に送信する。
【0031】図8にメイルレシーバ22の詳しい具体例を示す。公衆回線1には、回数検出回路38が直接、電話機Tが継電器RL3を介して接続されている。ファクシミリFは継電器RL4を介して公衆回線1に接続されている。更に公衆回線1には、DTMF検出装置23がトランス36、コンデンサー35、継電器RL3を介して接続されている。モデム26はトランス37、継電器RL1、継電器RL3を介して公衆回線1に接続されている。DTMF検出装置23とモデム26はCPU24に監視される。継電器RL1が図1の第1切り替え回路33に、継電器RL2、継電器RL4が図1の第2切り替え回路27に相当している。また、コンデンサー35、トランス36、DTMF検出装置23の組で、図1のDTMF検出装置23に相当する。
【0032】モデム26には音声ROM40が接続され、図1のICメモリ28が接続される(ここでは図示せず)。コンデンサー35は公衆回線1からの交流成分DTMF信号やFネットの1300HzをDTMF検出装置23に伝える。CI検出回路38は公衆回線1からの呼び出し信号400Hz/16Hzの検出を行う、1秒on/2秒offの組み合わせを検出し、呼び出し1回として計数し、CPU24に通知する。音声ROM40には、メイルレシーバ22の使用案内音声や留守番電話応答音声、進展データがICメモリ32に記録されている時の通報音声が予め記憶されている。CPU24は各フック検出器を監視し、継電器RL1〜RL4の動作を制御する。
【0033】図8では継電器RL1、継電器RL2、継電器RL3、継電器RL4は全て無励磁の状態を示し、ファクシミリFと電話機Tが継電器RL2〜RL4を介して公衆回線1に接続、モデム26は継電器RL1により公衆回線1から切り離されている。ファクシミリFと電話機Tが通常の待機状態にあり、本願のメイルレシーバ22の付加により何ら不都合は発生しないことを示している。
【0034】送信サーバ2と顧客の送受信装置3との間のプロトコールを、図8の継電器RL1〜RL4が動作した図9、図10を使用し、図11に従って説明する。図8の各継電器状態で、図11のaでは送信サーバ2が発呼し、bではメイルレシーバ(MR)22が公衆回線1から呼び出し信号を受信し、cではファクシミリFまたは電話機Tが先にオフフックし応答する。即ち、呼び出し音で受話器をとるか、一般ファクシミリからの通信をファクシミリFが取り込む、ここでのファクシミリFと電話機Tとの間の取り合いは本願とは直接関係しないので説明は省略する。MR22向けの通信でない場合は、前記ステップS21の状態で、通常のファクシミリまたは電話コールが優先しており、只ちに、hでの文書データ転送になる(電話の相互通話は省略)、各継電器RL1〜継電器RL4はそのままの状態で終了する。
【0035】MR22向けの通信である場合は、前記ステップS21の状態で、送信サーバ2からDTMF信号がdで送信され、コンデンサー35は直流閉回路を形成しないので、図8の状態で交流信号のDTMF信号を通過させ、DTMF検出装置23はDTMF信号を検出する。これを受けてCPU24は継電器RL1、継電器RL2、継電器RL4を励磁し、図9の状態に移行する。即ち、継電器RL1が接となりモデム26が公衆回線1に接続、継電器RL2と継電器RL4が断となり、ファクシミリFと電話機Tとが公衆回線1から切り離される。そしてCPU24はモデム26を介してCED信号、2100Hz信号を2.6秒〜4秒間返送する。送信サーバ2がID番号をfでは要求し、応答したMR22が自己のID番号をgで返送し、送信サーバ2側でID番号の一致が確認されると、hでは配送データの転送になる。送信サーバ2は送信後、データファイル14の送信フラグを1にする。(MR22側では、プリンタ29はモデム26を介して、データファイル14からのデータを受信し、印刷する)。MR22は通信終了時に、プリンタ9が印刷をしたら、送信サーバ2に受信確認信号を返送し、CPU9はデータファイル14の受信フラグを1にする。
【0036】図10は継電器RL3により、CI検出回路38以外は全て公衆回線1から切り離され、MR22と電話機Tが接続されている。公衆回線1から見るとオンフック状態である。継電器RL1と継電器RL2は閉であり、継電器RL3と継電器RL4は開である。音声ROMを使用し、MR22の使用法や、操作指示を電話機Tで聞き取る状態である。かくして、顧客側では操作に煩わされることなく、無操作で既存の電話回線を利用して、容易に、低コストで、必要な文字、絵柄データを確実に書類として受信できる。自動受信のため、深夜の回線状態がオフピーク時に配信ができ、料金を更に安価にできる。また、公共料金の請求・領収書では郵便発送までの準備の手間作業の縮小化や郵便料金が不要になる等目に見えるはっきりした効果がある。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によれば、送信部と電話番号に対応した有用データが蓄積されたデータファイルとこれらを制御する中央演算装置とからなる情報センターと、この情報センターから離れた位置にあり公衆回線を介して送信部からの発呼により、接続される複数の顧客の電話機及びファクシミリとから構成される広域な電子郵便通信網において、情報センターでは、送信部に多重周波数信号を発生する発生器を設け、データファイルに各電話番号と組となる固有の識別番号と文書区別を示す区別信号とをそれぞれ記憶し、識別番号と顧客の電話機側から返送されて来る識別番号と比較し一致信号を出力する比較器を設けるとともに、顧客の電話機側では、公衆回線らの発呼信号を所定回数検知して桁上り信号を発生する第一検知回路と、多重周波数信号を検知して検知信号を出力する第二検知回路と、識別番号と同一の番号を記憶する記憶回路と、送信部から受信した有用データを格納するメモリと、このデータを印刷するプリンタと、第一検知回路の桁上り信号によりまたは第二検知回路の検知信号により公衆回線を前記メモリに接続する第1切り替え回路と、第二検知回路の検知信号により公衆回線から前記電話機及びファクシミリを切り離す第2切り替え回路と、記憶回路から識別番号を公衆回線に発信するとともに、公衆回線から受信した区別信号に従いプリンタに印刷を禁止する命令を出力する他の中央演算装置とからなる受信装置を、電話機及びファクシミリに追加して設けた。自動受信のため、人手による操作は不要であるので、家庭やオフィスにおかれた新時代の電子郵便ポストとなる。親展文書を指定本人がのみが読み出せる装置を実現できる。家庭やオフィスにおいて、各種公共料金の請求書、領収書、チケット、クーポン、ホームバンキング、通信販売のアンサリング、各種会員組織事業の情報配信等の印刷出力の端末として、広い範囲の応用が可能である。これら多目的の用途に対応して、汎用性、安全性、機密性、経済性がある。通常の電話機に付設する受信専用装置であり、一般人が容易に設置でき、低廉のため普及性が高く、マルチデメデアの一翼を担うものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受信装置のブロック回路図である。
【図2】本発明の送信サーバのブロック回路図である。
【図3】本発明のデータファイルの構成を示す図である。
【図4】本発明における電子郵便通信網の構成を示す図である。
【図5】本発明の送信サーバの記憶装置の詳細な構成を示す図である。
【図6】本発明の送信サーバの動作のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の受信装置の動作のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の受信装置の具体的な回路の一例を示す図である。
【図9】本発明の受信装置の具体的な回路の動作を示す図である。
【図10】本発明の受信装置の具体的な回路の他の動作を示す図である。
【図11】本発明の送信サーバと受信装置のプロトコルを示す図である。
【符号の説明】
1 公衆電話回線
2 送信サーバー
3 送受信装置
4 RAM
5 磁気記憶装置
6 入力装置
7 アドレスバス
8 データバス
9 CPU
10 比較器
11 バッファーレジスタ
12 ゲート
13 アドレスレコーダ
14 データファイル
15 MODEM(モデム)
16 NCU(回線制御回路)
17 DTMF発生器
18 CNG発生器
19 DCN発生器
20 ROM
21 送信部
22 メイルレシーバ
23 DTMF信号検出器
24 CPU
25 プログラムROM
26 モデム
27 第2切り替え器
28 ICメモリ
29 プリンタ
30 表示ランプ
31 IDレジスタ
33 第1切り替え器
35 コンデンサー
36 トランス
37 トランス
38 CI検出回路
40 音声ROM
F ファクシミリ
T モデム
RL1〜RL4 継電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】 送信部と、電話番号に対応した有用データが蓄積されたデータファイルと、これらを制御する中央演算装置とからなる情報センターと、この情報センターから離れた位置にあり公衆回線を介して前記送信部からの発呼により接続される複数の顧客の電話機及びファクシミリと、から構成される広域な電子郵便通信網において、前記情報センターでは、前記送信部に多重周波数信号を発生する発生器を設け、前記データファイルに前記各電話番号と組になる固有の識別番号と、文書区別を示す区別信号とをそれぞれ記憶し、識別番号と顧客の電話機側から返送されて来る識別番号とを比較し一致信号を出力する比較器を設けるとともに、前記顧客の電話機側では、前記公衆回線らの発呼信号を所定回数検知して桁上り信号を発生する第一検知回路と、前記多重周波数信号を検知して検知信号を出力する第二検知回路と、前記識別番号と同一の番号を記憶する記憶回路と、前記送信部から受信した有用データを格納するメモリと、このデータを印刷するプリンタと、前記第一検知回路の桁上り信号によりまたは前記第二検知回路の検知信号により前記公衆回線を前記メモリに接続する第1切り替え回路と、前記第二検知回路の検知信号により前記公衆回線から前記電話機及びファクシミリを切り離す第2切り替え回路と、前記記憶回路から前記識別番号を公衆回線に返信するとともに、公衆回線から受信した前記区別信号に従い前記プリンタに印刷を禁止する命令を出力する他の中央演算装置とからなる受信装置を、前記電話機及びファクシミリに追加して設けたことを特徴とする電子郵便通信網。
【請求項2】 情報センターから公衆回線を介し顧客の電話番号の電話機側に発呼し、この発呼信号を受けて前記電話機側で応答し、情報センターから前記電話機側に所定の多重周波数信号を送信し、この多重周波数信号が着信した時に、情報センターに前記電話機側に追加して設けた受信装置を接続し、前記情報センターが顧客に関する固有の識別番号を問い合わせ、前記受信装置が前記情報センターに自己の識別番号を返送し、この識別番号が前記情報センターに登録済の識別番号と一致であれば、データファイルから前記電話番号に対応して蓄積した有用データを前記受信装置に送信し、前記受信装置は受信した前記有用データをメモリに記憶し、必要に応じて用紙に印刷し、前記受信装置から固有の識別番号の返答がない時または識別番号の一致がなければ、前記情報センターは前記有用データを送信することなく、前記情報センターと前記受信装置との接続を終了する電子郵便送信方法。
【請求項3】 送信部から離れた位置にあり公衆電話回線を介して前記送信部からの発呼により応答し接続され、電話機及びファクシミリに付加して設けられる受信装置において、前記受信装置を、前記公衆電話回線からの発呼信号を所定回数検知して桁上り信号を発生する第一検知回路と、前記公衆電話回線からの所定の多重周波数信号を検知して検知信号を出力する第二検知回路と、固有の識別番号記憶する記憶回路と、前記送信部から受信するデータを格納するメモリと、このデータを印刷するプリンタと、前記第一検知回路の桁上り信号によりまたは前記第二検知回路の検知信号により前記公衆電話回線を前記メモリに接続する第1切り替え回路と、前記第二検知回路の検知信号により前記公衆電話回線から前記電話機及びファクシミリを切り離す第2切り替え回路と、前記記憶回路から前記識別番号を公衆電話回線に発信するとともに、公衆電話回線から受信したデータの区別を示す区別信号に従い、前記プリンタに印刷を禁止する命令を出力する中央演算装置とから構成したことを特徴とする受信装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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