説明

電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置

【課題】本発明は簡単に目的の薄膜試料片が観察視野に入るように多軸ステージ移動することができる電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置を提供することを目的としている。
【解決手段】電子線を出射する電子線源21と、電子線の電流量を調整する照射レンズ系22と、試料23を保持する試料台24と、該試料台24を動作させる多軸ステージ28と、該多軸ステージ28の移動を制御する制御ユニット31と、試料23を透過した電子を拡大結像する結像レンズ系25と、電子線の軌道を修正するアライメント偏向器と、前記レンズ系のレンズやアライメント偏向器を制御する制御ドライバと、前記制御ユニット31を制御するコンピュータ30と、拡大結像した像をCCDカメラを用いてデジタル情報として取得する手段26と、前記デジタル情報をコンピュータ30に記憶する手段33と、前記デジタル情報をコンピュータで演算する手段32と、を有して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置に関し、更に詳しくは電子線を試料に照射し、試料を透過した透過電子を結像電子光学系により拡大結像した像を取得できる、又は電子線を走査して試料に照射し、試料から発生する2次電子、反射電子、透過電子を検出し、画像化可能な電子顕微鏡に属し、試料メッシュ上に置かれた1つ、若しくは複数の薄膜試料片の位置を自動認識する技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄鋼など材料メーカ以外にも、半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)などの分野で電子顕微鏡が使用される機会が増えてきている。材料メーカでは、研究開発での使用が主であったが、半導体やFPDなどの分野では、研究開発以外にも製品の不良解析や寸法測長(以下観察と記す)、分析などを行なう場合が多い。製品の不良解析や寸法測長では観察する試料をメッシュ状の支持台(以下試料メッシュと記す)に置く。観察する試料は、FIB(集束イオンビーム装置)などを使用して薄膜試料を作製する。
【0003】
作製した試料薄膜は、図3,図4に示すように、上述の試料メッシュ上に手動又は自動で1つ、若しくは複数設置される。図3は試料メッシュの構成例を示す図である。図において、10が試料メッシュで、試料が乗せられる載置部を構成している。試料メッシュ10の直径は3mm程度である。この中が格子状部材12を用いて格子状になっている。11はこの格子を構成する単位領域であり、その内部は拡大図に示すように複数の微細な穴11aが開けられている。16は試料メッシュ10の中心部に設けられた付属部である。
【0004】
図4は試料メッシュ上に試料を載置した状態を示す図である。図3と同一のものは、同一の符号を付して示す。同図では、複数の単位領域11に薄膜試料片1が載置されている。該薄膜試料片1は、それぞれ格子状部材12で作られる単位領域11に任意の角度で設置されている。
【0005】
FIBなどで加工される薄膜試料片は1辺が数μmである場合が多く、電子顕微鏡で観察するには、オペレータが試料メッシュ中から探さなければならない。電子顕微鏡で薄膜試料を探すには低倍率(モニター上の倍率で数百〜数千倍)にして探すか、STEM(走査透過型電子顕微鏡)などの電子線を走査する機能が併設されている装置であれば、その低倍率での観察モードで探すことになる。観察する薄膜試料片を見つけると、倍率を高倍率にして、目的の観察や分析を行なう。
【0006】
しかしながら、試料メッシュ上に設置された薄膜試料片は、半導体やFPDの工場において、図4のように複数設置される場合が多い。これは1日に観察、分析する試料が数十、場合によっては100個以上あるからである。このように試料メッシュ上に複数の試料薄片がある場合、薄膜試料片毎に倍率を低倍率にして薄膜試料片を探し、その後高倍率にして観察、分析作業を繰り返すことになる。
【0007】
もう1つの手法として、最初に試料メッシュ上に設置した全て、若しくは一部の薄膜試料片について低倍率で全て探し、電子顕微鏡の試料座標のメモリ機能を用いて薄膜試料片毎に記憶する。薄膜試料片の位置情報はコンピュータにのメモリに記憶される。オペレータは、観察、分析する際に目的の薄膜試料片位置をメモリから呼び出すことにより自動で薄膜試料片のある座標に試料ステージが移動するようになっている。
【0008】
従来のこの種の装置としては、透過型電子顕微鏡の倍率を第1の倍率に設定し、この倍率でメッシュを移動させて各視野の像を取得し、取得した多数の画像データをつなぎ合わせてメッシュ全域の像を取得し、観察領域全域の像からより高い第2の倍率で観察すべき観察箇所を任意に指定し、指定された各観察箇所を自動的に撮像してディスプレイ上に表示する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−216645号公報(段落0051〜0056、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在、電子顕微鏡で薄膜試料片位置を試料メッシュ上から探す方法は、手動で探す方法が一般的である。前述のように試料メッシュ上に設置された薄膜試料片の位置を探すには倍率を低倍率にして薄膜試料片毎に一つずつ探さなければならないので、試料メッシュ上の薄膜試料片の数が多くなればなるほど多くの時間を要する。オペレータは、薄膜試料片を観察、分析することが目的であって、探すことが目的ではない。そのため、全ての薄膜試料片の位置を短時間で、かつ自動で探す機能が求められる。
【0011】
また、近年、半導体デバイスの断面を電子顕微鏡で観察、分析を行なう場合が増加している。半導体デバイスの場合、配線幅の精密測長を行なう場合が多い。図5に示すように、シリコン基板部分を観察領域の下部になるようにして精密測長を行なうことが望まれる。これは、測長する領域を水平か垂直にするためである。測長する領域が(a)に示すように斜めになると、画素数の誤差が発生するため、精密測長では敬遠される。精密測長する場合には、(b)に示すように測長対象物が水平か又は垂直の状態にして測長される。
【0012】
しかしながら、上述のように試料メッシュ上に設置された薄膜試料片は、シリコン基板部分が必ずしも観察領域の下部にはならない。これはFIBなどの薄膜加工装置から試料メッシュに乗せ替える際に薄膜試料片の回転を考慮できないことが多いからである。特に、上述のように観察、分析対象の薄膜試料片が増加傾向である現在、薄膜試料片別に回転を意識した作業は現実的ではない。
【0013】
更に、電子顕微鏡で試料メッシュ上の薄膜試料片を観察、分析する場合、試料メッシュを専用の試料ホルダに固定する。試料メッシュを試料ホルダに固定する場合、試料メッシュの回転を考慮することは現実的ではない。これは、試料メッシュが直径3mm程度であり、オペレータが回転角を考慮しながら作業することは難しいためである。
【0014】
走査型電子顕微鏡や走査透過型電子顕微鏡では、容易に電子線を走査する方向を電気的に変化してシリコン基板位置を観察領域の下部にすることができる。しかしながら、透過型電子顕微鏡では、通常、像を任意回転することができない。最近、透過電子像を取得するCCDカメラを回転することにより、像を任意回転して取り込むことができる技術が考案されている。しかしながら、オペレータが薄膜試料片毎にCCDカメラの回転角を調整しなければならず、使い勝手が悪い。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、薄膜試料片の位置をコンピュータのメモリに自動記憶でき、簡単に目的の薄膜試料片が観察視野に入るように多軸ステージ移動することができる電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した課題を解決するために、本発明は以下に示すような構成をとっている。
(1)請求項1記載の発明は、電子線を出射する電子線源と、電子線の電流量を調整する照射レンズ系と、試料を保持する試料台と、該試料台を動作させる多軸ステージと、該多軸ステージの移動を制御する制御ユニットと、試料を透過した電子を拡大結像する結像レンズ系と、電子線の軌道を修正するアライメント偏向器と、前記レンズ系のレンズやアライメント偏向器を制御する制御ドライバと、前記制御ユニットを制御するコンピュータと、拡大結像した像をCCDカメラを用いてデジタル情報として取得する手段と、前記デジタル情報をコンピュータに記憶する手段と、前記デジタル情報をコンピュータで演算する手段と、を少なくとも有する電子顕微鏡において、低倍率像から試料メッシュ上に置かれた1つ若しくは複数の薄膜試料片位置を認識し、その薄膜試料片の重心座標を算出・記録することを特徴とする。
【0017】
(2)請求項2記載の発明は、前記薄膜試料片が設置されていない試料メッシュの電子顕微鏡像を予め倍率別にコンピュータに登録しておき、薄膜試料片が設置されている試料メッシュの電子顕微鏡像と前記薄膜試料片が設置されていない試料メッシュの薄膜試料片が設置されている試料メッシュの電子顕微鏡像と同じ倍率で取得した電子顕微鏡像とを画像処理し、薄膜試料片位置を算出することを特徴とする。
【0018】
(3)請求項3記載の発明は、前記薄膜試料片の重心位置を算出し、薄膜試料片の重心座標情報から薄膜試料片を観察視野内に入るために必要な前記多軸ステージを移動するための移動量を算出し、オペレータの指示により、指示された薄膜試料片が観察視野内に入るように多軸ステージが移動することを特徴とする。
【0019】
(4)請求項4記載の発明は、認識した薄膜試料片について、位置情報や認識した際の画像情報をリストとしてユーザインタフェースに表示し、オペレータの指示により薄膜試料片が観察視野内に入るように多軸ステージが自動で移動することを特徴とする。
【0020】
(5)請求項5記載の発明は、レシピで予め電子顕微鏡の動作を登録し、登録された通り動作することができる電子顕微鏡において、全ての薄膜試料片位置の認識から多軸ステージ移動を行なうことを特徴とする。
【0021】
(6)請求項6記載の発明は、前記薄膜試料片の像の回転補正された電子顕微鏡像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄片試料片が観察視野に入るように多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと前記画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準領域が水平となるように回転可能なCCDカメラの回転角を算出し、CCDカメラが回転することを特徴とする。
【0022】
(7)請求項7記載の発明は、電子線の電流量を調整する照射レンズ系内にある偏向器を用いて走査2次電子像、走査反射電子像、走査透過像を取得できる電子顕微鏡において、低倍率走査像により試料メッシュ上に置かれた1つ、若しくは複数の薄膜試料片位置を認識し、その薄膜試料片の重心座標を算出・記録し、かつ前記請求項2乃至5の動作を有し、薄膜試料片の回転補正された画像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄膜試料片が観察視野内に入るように自動的に多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準位置が水平となるように電子線を走査する方向の補正量を算出し、走査像を回転することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
(1)請求項1記載の発明によれば、前記制御ユニットを制御するコンピュータと、拡大結像した像をCCDカメラを用いてデジタル情報として取得する手段と、前記デジタル情報をコンピュータに記憶する手段と、前記デジタル情報をコンピュータで演算する手段と有する電子顕微鏡において、低倍率像から試料メッシュ上に置かれた1つ若しくは複数の薄膜試料片位置を自動認識し、その薄膜試料片の重心座標を自動で算出・記録することができる。
【0024】
(2)請求項2記載の発明によれば、薄膜試料片が設置されている試料メッシュの電子顕微鏡像と前記薄膜試料片が設置されていない試料メッシュの薄膜試料片が設置されている試料メッシュの電子顕微鏡像と同じ倍率で取得した電子顕微鏡像とを画像処理し、薄膜試料片位置を自動で算出することができる。
【0025】
(3)請求項3記載の発明によれば、多軸ステージを移動させて、指示された薄膜試料片が観察視野内に入るようにすることができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、認識した薄膜試料片について、位置情報や認識した際の画像情報をリストとしてユーザインタフェースに表示し、オペレータの指示により薄膜試料片が観察視野内に入るように多軸ステージを自動で移動させることができる。
【0026】
(5)請求項5記載の発明によれば、レシピで予め電子顕微鏡の動作を登録し、登録された通り自動で動作することができる電子顕微鏡において、全ての薄膜試料片位置の認識から多軸ステージ移動を自動で行なうことができる。
【0027】
(6)請求項6記載の発明によれば、薄膜試料片の像の回転補正された電子顕微鏡像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄膜試料片が観察視野に入るように自動的に多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと前記画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準領域が水平となるように回転可能なCCDカメラの回転角を自動算出することができる。
【0028】
(7)請求項7記載の発明によれば、低倍率走査像により試料メッシュ上に置かれた1つ、若しくは複数の薄膜試料片位置を自動認識し、その薄膜試料片の重心座標を自動で算出・記録し、薄膜試料片の回転補正された画像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄膜試料片が観察視野内に入るように自動的に多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準位置が水平となるように電子線を走査する方向の補正量を算出し、走査像を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】試料メッシュの方向識別の説明図である。
【図3】試料メッシュの構成例を示す図である。
【図4】試料メッシュに試料を載置した状態を示す図である。
【図5】シリコン基板の観察領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図である。図において、20は透過型電子顕微鏡(TEM)である。該TEM20において、21は電子線を出射する電子線源としての電子銃、22は電子線の電流量を調整する照射レンズ系としての照射電子光学系、24は試料を保持する試料台、23は該試料台24の上に載置される試料である。25は試料を透過した電子を拡大結像する結像レンズとしての結像電子光学系である。26は結像電子光学系25により拡大結像した像をCCDカメラを用いてデジタル情報として取得する手段としての像取得装置である。
【0031】
28は試料台24を動作させる多軸ステージとしての試料移動機構である。30は像取得装置26で得られた画像データを記憶して各種の画像処理を行なうコンピュータである。該コンピュータ30としては、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン)が用いられる。コンピュータ30において、33は像取得装置26で取得したデジタル画像データの他、画像データの重心位置を記憶するメモリ、34は該メモリ33に記憶された画像データを表示する像表示機構、32はメモリ33に記憶された画像データを読み出して解析する解析部、31は該解析部32の出力を受けて試料の位置補正を行なう制御ユニットとしての試料位置補正部である。該試料位置補正部31は、前記試料移動機構28に制御信号を与える。
【0032】
図中には示されていないが、電子線を高速に加速する加速管と、電子線の軌道を修正するアライメント偏向器と、前記レンズ系のレンズやアライメント偏向器を制御する制御ドライバが設けられている。そして、低倍率像から試料メッシュ上に置かれた1つ若しくは複数の薄膜試料片位置を自動認識し、その薄膜試料片の重心座標を自動で算出・記録するようになっている。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
(実施例1)
図1,図2,図3,図4を参照して実施例1を説明する。図2は試料メッシュの方向識別の説明図、図3は試料メッシュの構成例を示す図、図4は試料メッシュに試料を載置した状態を示す図である。観察、分析する薄膜試料片が設置された試料メッシュを電子顕微鏡の試料室に搬入する前に、薄膜試料片が設置されていない試料メッシュ(図3)で、かつ薄膜試料片を探索する際の低倍率(数百倍)で取得した画像Iを準備し、コンピュータ
30のメモリ33に記憶しておく。
【0033】
通常の透過電子顕微鏡は蛍光板上に透過電子像を投影し観察するが、透過電子像をCCDカメラで取得できる透過型電子顕微鏡では、倍率を極低倍率にすることにより試料メッシュ10のほぼ全域をデジタル情報としてコンピュータ30に取り込むことができる。試料メッシュ10の全域を取得できない場合は分割して像を取得し、メモリ33に記憶する。
【0034】
次に、試料メッシュ10上に薄膜試料片1が試料メッシュ(図4)を電子顕微鏡の試料室に搬入する。ここで、薄膜試料片1はFIBなどの薄膜加工装置を用いて作製しておく。また、作製した薄膜試料片1は自動又は手動で試料メッシュ10上に設置する。試料室に搬入された薄膜試料片1は、画像Iと同じ観察条件で試料メッシュ10の画像を取得する。この画像を画像IIとする。ここで、画像Iと画像IIを取得する時、試料メッシュ10の位置を変える多軸ステージ28はニュートラル位置(基準位置)とする。
【0035】
画像Iと画像IIをパターンマッチングすることにより、画像Iに対する画像IIの回転角
を算出することができる。試料メッシュ10は電子顕微鏡用の専用試料ホルダに取り付けるため、メッシュ自体が回転していることになる。画像Iの状態を基本位置とし、それに
対する回転角を算出する。
【0036】
ところで、従来のパターンマッチングはX方向(画像横方向),Y方向(画像縦方向)の画素数のズレ量を算出する。アルゴリズムによっては、1画素以下の精度でズレ量を算出することができる。しかしながら、画像の回転や拡大・縮小までを考慮したパターンマッチングはできなかった。しかしながら、近年、コンピュータの高機能化やアルゴリズムの改良により回転や拡大・縮小を考慮したアプリケーションが市販されはじめたため、上述の2画像間の回転量を定量的に算出することが可能となった。
【0037】
パターンマッチングで回転量を算出する際、試料メッシュ10のような格子状の画像であると、正確な回転角を算出することができない。そこで、試料メッシュの種類にもよるが、例えば図2に示すように、試料メモリ中心部に設けた非点対称な形状の領域16を設け、この領域16を利用してパターンマッチングの参照部とすることで、回転角を算出することができる。
【0038】
次に、画像IIについて上述の手法で算出した回転角分を画像処理により回転させる。こ
の画像を画像IIIとする。次に、画像Iから画像IIIの差分を算出する。この差分画像を画像IVとする。次に、画像Iと画像IVの差分画像を画像処理により作成し、この画像を画像V
とする。画像Vは、画像Iと画像IVではほぼ同じ階調の画素は、差分により0階調付近と
なり黒として表れ、大きく異なる階調の画素は差分の度合いが大きくなればなるほど白として表れる。即ち、黒以外で表われる画素の集合体が薄膜試料片候補となる。
【0039】
しかしながら、ノイズなどの要因により薄膜試料片以外も黒以外で表れる場合がある。そこで、エラーを小さくするために、薄膜試料片候補となる画素の集合体とする輝度の閾値を予め決めておき、2値化して薄膜試料片候補を絞り込む。更に、薄膜試料片のおおよその大きさは予め分かるので、画像IIの取得倍率が決まれば薄膜試料片の候補となる画素
の集合体の画素数の範囲を決めることができ、その範囲内の薄膜試料片候補を薄膜試料片と絞り込む。少なくても上述の条件を満たす画素の集合体を薄膜試料片と識別する。
【0040】
次に、識別した試料メッシュ10上の1つ、若しくは複数の薄膜試料片座標を算出する。算出した各薄膜試料片1は、上述の通り画素の集合体である。この画素の集合体の輝度重心を算出することにより薄膜試料片1の重心(中心)を求めることができる。輝度重心の算出は一般的な画像処理手法であり、容易に実施することができる。算出した薄膜試料片1の全てについて重心位置を算出する。
【0041】
画像I,画像IIは多軸ステージ位置がニュートラル位置で取得しているので、各画像の
中心部は多軸ステージ28がニュートラル時の高倍率観測を行なう場合の観察視野となる。そこで、画像IIIにおいて、画像の中心と各薄膜試料片1の重心位置との差(画素数)をX方向,Y方向ともに算出する。画像を取得した倍率は既知であるので、この画素数より観察視野中心位置と各薄膜試料片1との距離を算出することができる。ただし、電子光学系によっては、低倍率モードと高倍率モードで視野中心が変わる場合があり、その場合はその変化量が予め分かるので、補正量を予めメモリ33に記憶しておき、補正して観察視野中心と各薄膜試料片1との距離を算出する。
【0042】
算出した観察視野中心と各薄膜試料片1との距離は、上述の画像や距離、算出した薄膜試料片1の仮名などと共にコンピュータ30のメモリ33に記憶し、ユーザインタフェース(UI)などにリストとして表示する。薄膜試料片の仮名は、予め名前の定義を決めておけばよい。
【0043】
オペレータは、UIにリストアップされた薄膜試料片1を選択することにより、多軸ステージは、算出した観察視野中心と各薄膜試料片1との距離情報により自動的に薄膜試料片1が観察視野内に入るように移動することができる。ここで、UIに表示するリストには、該当する薄膜試料片領域の2値化画像、又は2値化画像を元に抽出した薄膜試料片1の形状を表す画像を同時に表示することにより、オペレータは目的の薄膜試料片1が誤検出した薄膜試料片以外のものかどうか判断することができる。そのため、多軸ステージ移動を行なう前に薄膜試料片かどうか判断でき、誤検出した位置に多軸ステージを移動することがないため、オペレータは効率よく作業を進めることができる。
【0044】
この実施例によれば、低倍率像から試料メッシュ上に置かれた1つ若しくは複数の薄膜試料片位置を自動認識し、その薄膜試料片の重心座標を自動で算出・記録することができる。
(実施例2)
図1〜図5を用いて実施例2を説明する。図5はシリコン基板の観察領域を示す図である。実施例2は、実施例1において、レシピ(手順)など予め電子顕微鏡の動作を予約し、予約された通り自動で動作することができる電子顕微鏡において、全ての薄膜試料片位置の認識から多軸ステージ移動を自動で行なうようにしたものである。
【0045】
薄膜試料片1が設置された試料メッシュ10が固定されている試料ホルダを電子顕微鏡本体に手動又は自動で搬入する。試料メッシュ10が電子顕微鏡本体に搬入された後、レシピに登録されたプランに従って自動で動作する。試料メッシュ10が電子顕微鏡に自動で搬入できる機能をもつ電子顕微鏡の場合は、試料メッシュ10の導入からレシピで動作させることができる。
【0046】
レシピ動作でCCDカメラの回転も行なうことができる。図5はMOSトランジスタ断面の模式図であるが、図5の(a)と(b)とでは、測長結果が異なる。特に、近年、半導体の微細化が進み、測長する領域が小さくなってきている。そのため、高倍率での測長が求められ、測長誤差がシビアになってきている。
【0047】
実施例1記載の画像Vの白領域(2値化処理しているので最大階調画素の集合体)は、
薄膜試料片を示しているので、薄膜試料片1のおおよその大きさを算出することができる。算出した薄膜試料片1の大きさから最適な観察倍率を自動判別し、観察倍率設定後にCCDカメラにより透過電子像を取得する。この画像を画像VIとする。薄膜試料片中の観察領域をCCDカメラの回転角を補正した状態で取得した画像(画像VIIとする)を予めコンピュータ30のメモリ33に登録しておき、画像VIと画像VIIIをパターンマッチングすることにより像の回転量を算出することができる。ここで算出した像の回転量をCCDカメラの回転角とし、CCDカメラを回転する。上述のCCDカメラ回転機能は、レシピ以外にも上述のUIからオペレータが動作を指示することができる。
【0048】
実施例2によれば、薄膜試料片の像の回転補正された電子顕微鏡像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄膜試料片が観察視野に入るように自動的に多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと前記画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準領域が水平となるように回転可能なCCDカメラの回転角を自動算出することができる。
(実施例3)
実施例3は、電子銃から放出された電子線を試料に照射するための照射電子光学系と、照射電子光学系内に電子線を走査して試料に照射する偏向器(図示せず)と、電子線走査を制御する制御ユニット(図示せず)と、試料をX方向(左右方向)、Y方向(上下方向)、Z方向(高さ方向)に移動させる試料移動機構と、試料を直交する2軸で傾斜可能な試料傾斜機構(図示せず)と、これら試料移動機構、及び試料傾斜機構の動作を制御する制御装置と、電子線を試料上に走査することにより発生する2次電子、反射電子、透過電子を検出する検出器(図示せず)と、検出した信号を走査信号と同期して画像化するユニット(図示せず)と、画像信号をコンピュータのメモリなどに記憶させる手段と、画像信号を解析するコンピュータを少なくとも有する電子顕微鏡において、試料移動機構や試料傾斜機構上に設置された試料メッシュ上に置かれた薄膜試料片の位置を低倍率像から自動で認識し、高倍率観察を行なう際に、その薄膜試料片が観察視野に入るように薄膜試料片座標を算出・記録し、薄膜試料片が観察視野に入るように多軸ステージが移動するようにしたものである。
【0049】
以下、図1〜図5を用いて実施例3を説明する。観察,分析する薄膜試料片1が設置された試料メッシュ10を電子顕微鏡の試料室に搬入する前に、薄膜試料片1が設置されていない試料メッシュ(図3)で、かつ薄膜試料片1を探索する際の低倍率(数百倍)で取得した画像Iを準備し、コンピュータ30のメモリ33に記憶させておく。
【0050】
次に、試料メッシュ10上に薄膜試料片1が設置された試料メッシュ(図4)を電子顕微鏡の試料室に搬入する。ここで、薄膜試料片1はFIBなどの薄膜加工装置を用いて作製しておく。また、作製した薄膜試料片1は自動又は手動で試料メッシュ10上に載置する。試料室に搬入された薄膜試料片1は、画像I取得時と同じ観察条件で試料メッシュ1
0の画像を取得する。この画像を画像IIとする。
【0051】
画像I,画像IIを取得する時、試料メッシュ10位置を変える多軸ステージ28はニュ
ートラル位置とする。
画像Iと画像IIをパターンマッチングすることにより、画像Iに対する画像IIの回転角
を算出することができる。試料メッシュ10は、電子顕微鏡用の専用試料ホルダに取り付けるため、メッシュ自体が回転している。画像Iの状態を基本位置とし、それに対する回
転角を算出する。
【0052】
ところで、従来のパターンマッチングはX方向(画像横方向),Y方向(画像縦方向)の画素数のズレ量を算出する。アルゴリズムによっては1画素以下の精度でズレ量を算出することができる。しかしながら、画像の回転や拡大・縮小までを考慮したパターンマッチングはできなかった。しかしながら、近年、コンピュータの高機能化やアルゴリズムの改良により回転や拡大・縮小を考慮したアプリケーションが市販され始めたため、上述の2画像間の回転量を定量的に算出可能となった。
【0053】
パターンマッチングで回転量を算出する際、試料メッシュのような格子状の画像であると、正確な回転角を算出できない。そこで、試料メッシュの種類にもよるが、例えば図2のように試料メッシュ10中心部に設けた非点対称な形状の領域16を利用して、この領域をパターンマッチングの参照部とすることにより回転角を算出することができる。
【0054】
次に、解析部32は、画像IIについて上述の手法で算出した回転角分を画像処理により
回転させる。この画像を画像IIIとする。そして、画像Iの平均輝度と画像IIIの平均輝度を算出して両者の平均輝度の差分を算出する。この差分を画像I又は画像IIIどちらかに加算し、画像全体の輝度を合わせる。ここでは説明のため、画像IIIに差分を加算し、差分を加算した後の画像を画像IVとする。
【0055】
解析部32は画像Iと画像IVの差分画像を画像処理により作成し、この画像を画像Vと
する。画像Vは、画像Iと画像IVでほぼ同じ階調の画素は、差分により0階調付近となり
黒として表れ、大きく異なる階調の画素は差分の度合いが大きくなればなるほど白として表われる。即ち、黒以外で表われる画素の集合体が薄膜試料片候補となる。
【0056】
しかしながら、ノイズなどの要因により薄膜試料片以外も黒以外で表われる場合があり、エラーを小さくするために、薄膜試料片候補となる画素の集合体とする輝度の閾値を事前に決めておき、2値化して薄膜試料片候補を絞り込む。更に、薄膜試料片のおおよその大きさは予め分かるので、画像II取得倍率が決まれば薄膜試料片1の候補となる画素の集合体の画素数の範囲を決めることができ、その範囲内の薄膜試料片候補を薄膜試料片と絞り込む。少なくとも上述の条件を満たす画素の集合体を薄膜試料片と識別する。
【0057】
次に、識別した試料メッシュ10上の1つ、若しくは複数の薄膜試料片座標を算出する。算出した各薄膜試料片は、上述したとおり画素の集合体である。この画素の集合体の輝度重心を算出することにより、薄膜試料片の重心(中心)を求めることができる。輝度重心の算出は一般的な画像処理方法であり、容易に実施することができる。算出した薄膜試料片全てにおいて重心位置を算出する。
【0058】
画像I、画像IIは多軸ステージ位置がニュートラル位置で取得しているので、各画像の
中心部は多軸ステージニュートラル時の高倍率観察を行なう場合の観察視野となる。
そこで、画像IIIにおいて、画像の中心と各薄膜試料片の重心位置との差(画素数)をX方向,Y方向と共に算出する。画像を取得した倍率は既知であるので、この画素数より観察視野中心位置と各薄膜試料片との距離を算出することができる。ただし、電子光学系2,5によっては、低倍率モードと高倍率モードで視野中心が変わる場合があり、その場合はその変化量が予め分かるので、補正量を予めメモリ33に記憶しておき、補正して観察視野中心と各薄膜試料片との距離を算出する。
【0059】
算出した観察視野中心と各薄膜試料片との距離は、上述の画像や距離、算出した薄膜試料片の仮名などと共にコンピュータ30のメモリ33に記憶し、UIなどにリストとして表示する。薄膜試料片1の仮名は、予め名前の定義を決めておけばよい。
【0060】
オペレータは、UIにリストアップされた薄膜試料片1を選択することにより、多軸ステージは、算出した観察視野中心と各薄膜試料片1との距離情報により自動的に薄膜試料片が観察視野内に入るように移動することができる。UIに表示するリストには、該当する薄膜試料片領域の2値化画像又は2値化画像を元に抽出した薄膜試料片の形状を表す画像を同時に表示することにより、オペレータは目的の薄膜試料片か誤検出した薄膜試料片以外のものか判断することができる。そのため、多軸ステージ移動を行なう前に薄膜試料片かどうか判断でき、誤検出した位置に多軸ステージを移動することがないため、オペレータは効率よく作業を進めることができる。
【0061】
上述の内容は、実施例2記載のレシピ動作でも実施可能である。ただし、走査像の回転補正は電子線の走査方向を電子線走査ユニットを用いて補正する。この回転補正は、レシピ以外にも実施例2記載の通り、UIからオペレータが動作を指示することができる。
【0062】
以上説明した本発明の効果を列挙すれば、以下の通りである。
1)薄膜試料片の位置を自動的に認識することができる。低倍率の画像を1枚、又は数枚取得することにより、画像処理により薄膜試料片の位置を自動認識することができるためである。
2)薄膜試料片の位置をコンピュータに自動的に記憶することができ、簡単に目的の薄膜試料片が観察視野に入るように多軸ステージ移動することができる。薄膜試料片の位置情報は自動認識できるため、目的の薄膜試料片が観察視野に入るための多軸ステージ座標を数学的に算出することができるためである。
3)薄片試料像の回転補正を自動で行なうことができる。目的の薄膜試料片の回転補正済み画像を予めコンピュータに登録しておくことにより、回転補正前の画像とパターンマッチングを行ない、像の回転量を算出することができるためである。
4)薄膜試料片を探索する時間を短縮することができ、低倍率時の対物レンズのオフ状態も短縮することができる。薄膜試料片を探索するには、低倍率で探す必要があるが、試料メッシュ上に薄膜試料片が複数設置された場合は非常に時間がかかる。そこで、本発明では、低倍率の画像を1枚又は複数枚取得することにより、薄膜試料片を探索可能であるので、短時間で完了できるためである。また、低倍率モードは電子光学系の特性から対物レンズをオフして実現することが多い。低倍率状態を長時間続けると、対物レンズの温度変化量が増加し、高倍率モードに変更後にフォーカスのドリフト、倍率(測長)誤差の原因となるため、本発明は非常に有効である。
【符号の説明】
【0063】
20 透過型電子顕微鏡(TEM)
21 電子銃
22 照射電子光学系
23 試料
24 試料台
25 結像電子光学系
26 像取得装置
28 試料移動機構
30 コンピュータ
31 試料位置補正部
32 解析部
33 メモリ
34 像表示機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線を出射する電子線源と、
電子線の電流量を調整する照射レンズ系と、
試料を保持する試料台と、
該試料台を動作させる多軸ステージと、
該多軸ステージの移動を制御する制御ユニットと、
試料を透過した電子を拡大結像する結像レンズ系と、
電子線の軌道を修正するアライメント偏向器と、
前記レンズ系のレンズやアライメント偏向器を制御する制御ドライバと、
前記制御ユニットを制御するコンピュータと、
拡大結像した像をCCDカメラを用いてデジタル情報として取得する手段と、
前記デジタル情報をコンピュータに記憶する手段と、
前記デジタル情報をコンピュータで演算する手段と、
を少なくとも有する電子顕微鏡において、
低倍率像から試料メッシュ上に置かれた1つ若しくは複数の薄膜試料片位置を認識し、その薄膜試料片の重心座標を算出・記録することを特徴とする電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。
【請求項2】
前記薄膜試料片が設置されていない試料メッシュの電子顕微鏡像を予め倍率別にコンピュータに登録しておき、薄膜試料片が設置されている試料メッシュの電子顕微鏡像と前記薄膜試料片が設置されていない試料メッシュの薄膜試料片が設置されている試料メッシュの電子顕微鏡像と同じ倍率で取得した電子顕微鏡像とを画像処理し、薄膜試料片位置を算出することを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。
【請求項3】
前記薄膜試料片の重心位置を算出し、薄膜試料片の重心座標情報から薄膜試料片を観察視野内に入るために必要な前記多軸ステージを移動するための移動量を算出し、オペレータの指示により、指示された薄膜試料片が観察視野内に入るように多軸ステージが移動することを特徴とする請求項1又は2記載の電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。
【請求項4】
認識した薄膜試料片について、位置情報や認識した際の画像情報をリストとしてユーザインタフェースに表示し、オペレータの指示により薄膜試料片が観察視野内に入るように多軸ステージが移動することを特徴とする請求項3記載の電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。
【請求項5】
レシピで予め電子顕微鏡の動作を登録し、登録された通りで動作することができる電子顕微鏡において、全ての薄膜試料片位置の認識から多軸ステージ移動を行なうことを特徴とする請求項4記載の電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。
【請求項6】
前記薄膜試料片の像の回転補正された電子顕微鏡像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄膜試料片が観察視野に入るように多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと前記画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準領域が水平となるように回転可能なCCDカメラの回転角を算出し、CCDカメラが回転することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。
【請求項7】
電子線の電流量を調整する照射レンズ系内にある偏向器を用いて走査2次電子像、走査反射電子像、走査透過像を取得できる電子顕微鏡において、低倍率走査像により試料メッシュ上に置かれた1つ、若しくは複数の薄膜試料片位置を認識し、その薄膜試料片の重心座標を算出・記録し、かつ前記請求項2乃至5の動作を有し、薄膜試料片の回転補正された画像Aを予めコンピュータに登録しておき、各薄膜試料片が観察視野内に入るように自動的に多軸ステージが移動し、薄膜試料片の高倍率画像Bと画像Aとを画像処理により薄膜試料片の基準位置が水平となるように電子線を走査する方向の補正量を算出し、走査像を回転することを特徴とする電子顕微鏡における薄膜試料位置認識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−76960(P2011−76960A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229189(P2009−229189)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)