説明

電極−膜−枠接合体及び高分子電解質型燃料電池

【課題】高分子電解質膜や電極層の劣化を抑えて発電性能の低下を一層抑えることができる電極−膜−枠接合体を提供する。
【解決手段】過酸化物分解触媒を含む額縁状の過酸化物分解触媒層を備え、高分子電解質膜の厚み方向から見て、過酸化物分解触媒層の内縁がガス拡散層の外縁よりも内側に位置し、過酸化物分解触媒層の外縁が枠体の内縁よりも外側に位置するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車などの移動体、分散型(オンサイト型)発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される高分子電解質型燃料電池に関し、特に当該燃料電池が備える電極−膜−枠接合体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池(FC)は、発電効率が高く、環境への負荷も小さいことから、分散型エネルギーシステムとして、今後の普及が見込まれている。なかでも、プロトン伝導性を有する高分子電解質を用いた高分子電解質型燃料電池は、出力密度が高く、その作動温度が低く、小型化が可能であることから、自動車などの移動体、分散型発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどに利用されることが期待されている。
【0003】
高分子電解質型燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる装置である。
【0004】
高分子電解質型燃料電池は、一般的には複数のセルを積層し、それらをボルトなどの締結部材で加圧締結することにより構成されている。1つのセルは、膜電極接合体(以下、MEA:Membrane-Electrode-Assemblyという)を一対の板状の導電性のセパレータで挟んで構成されている。MEAは、ハンドリング性を向上させるため又は高分子電解質膜とセパレータとの間をシールするため、その外周部を、額縁状に成形された樹脂製の枠体で保持されている。ここでは、当該枠体を備えるMEAを電極−膜−枠接合体という。
【0005】
MEAは、外周部を前記枠体に支持される高分子電解質膜と、当該電解質膜の両面に形成された一対の電極層とで構成されている。一対の電極層の一方はアノード電極であり、一対の電極層の他方はカソード電極である。アノード電極及びカソード電極は、高分子電解質膜の両面に形成される白金等の触媒層と、当該触媒層上に形成される多孔質で導電性を有するガス拡散層とで構成されている。アノード電極に燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極に酸化剤が供給されることにより、電気化学反応が発生し、電力と熱とが発生する。
【0006】
前記構成を有する高分子電解質型燃料電池においては、長期間の運転により、発電性能が低下するという課題がある。この発電性能の低下の原因の1つとして、運転時に過酸化水素(H)が生成されることに起因する高分子電解質膜や電極層の劣化が挙げられる。
【0007】
運転時に過酸化水素が生成されることによって高分子電解質膜や電極層が劣化することは、例えば、特許文献1(特開2008−98006号公報)及び特許文献2(特開2005−267904号公報)などで指摘されている。過酸化水素は、アノード電極及びカソード電極のいずれにおいても意図せず生成され、何らかの条件下でラジカル化して高分子電解質膜や電極層を劣化させる。この高分子電解質膜や電極層の劣化は、特に、電極層の外周部と高分子電解質膜との界面付近で顕著に生じる。
【0008】
前記課題を改善するため、特許文献1には、過酸化水素などの過酸化物を分解させる過酸化物分解触媒をガス拡散層の外周部の近傍に、他の部分よりも高濃度に存在させる技術が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、高分子電解質膜とセパレータとの間をシールするシール部材に過酸化物分解触媒を配置する技術が開示されている。なお、特許文献2のシール部材は、前記枠体に相当する部材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−98006号公報
【特許文献2】特開2005−267904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、高分子電解質膜や電極層の劣化は、特に、電極層の外周部と高分子電解質膜との界面付近で顕著に生じる。これは、セルを加圧締結する際に、電極層の外周部に締結圧が集中し、当該電極層の外周部に隣接する高分子電解質膜の膜厚が薄くなって反応ガスのクロスリークの量が増加し、それにより過酸化水素の生成が多くなるためと考えられる。この過酸化水素の生成が増加する範囲は、電極層の外周部よりも内側及び外側の比較的広範囲にわたる。
【0012】
従って、前記特許文献1の技術では、電極層の外周部よりも外側における高分子電解質膜や電極層の劣化を抑えることはできない。また、前記特許文献2のシール部材は、高分子電解質膜の厚み方向から見て、電極層の外周部よりも外側に配置されるものであるため、電極層の外周部よりも内側における高分子電解質膜や電極層の劣化を抑えることはできない。
【0013】
また、前記特許文献1の技術において、ガス拡散層中における過酸化物分解触媒の濃度を自在にコントロールすることは容易ではない。また、ガス拡散層中に過酸化物分解触媒を含有させると、過酸化物分解触媒が反応ガスの流れを阻害して、その分、発電性能が低下してしまうという課題もある。
【0014】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、高分子電解質膜や電極層の劣化を抑えて発電性能の低下を一層抑えることができる電極−膜−枠接合体及び当該接合体を備える高分子電解質型燃料電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、高分子電解質膜と、
前記電解質膜を挟んで互いに対向する一対の触媒層と、
前記電解質膜及び前記一対の触媒層を挟んで互いに対向する一対のガス拡散層と、
前記電解質膜の厚み方向から見て、前記電解質膜の外周部と重なるように配置された額縁状の枠体と、
を備える電極−膜−枠接合体であって、
前記電解質膜の少なくとも一方の主面側に、過酸化物分解触媒を含む額縁状の過酸化物分解触媒層を備え、
前記電解質膜の前記一方の主面側において、
前記過酸化物分解触媒層の内縁は、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記枠体の内縁よりも内側に位置し、
前記過酸化物分解触媒層の外縁は、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁よりも外側に位置する、
電極−膜−枠接合体を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電極−膜−枠接合体によれば、特許文献1又は2のように過酸化物分解触媒をガス拡散層やシール部材に混入させるのではなく、過酸化物分解触媒を含む独立した額縁状の過酸化物分解触媒層を備えるように構成されている。また、本発明の電極−膜−枠接合体によれば、高分子電解質膜の厚み方向から見て、過酸化物分解触媒層の内縁が枠体の内縁よりも内側に位置し、過酸化物分解触媒層の外縁がガス拡散層の外縁よりも外側に位置するように構成されている。すなわち、過酸化物分解触媒層は、特許文献1又は2の技術では高分子電解質膜や電極層の劣化を抑えることができない、過酸化水素の生成が多い領域に延在するように配置されている。従って、本発明の電極−膜−枠接合体によれば、運転時に生成された過酸化水素を効率良く分解させることができ、高分子電解質膜や電極層の劣化を抑えて発電性能の低下を一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電極−膜−枠接合体を有する燃料電池の構造を、一部を分解して模式的に示す斜視図である。
【図2】図1の電極−膜−枠接合体の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】図1のA1−A1線断面図である。
【図4】図1の電極−膜−枠接合体のアノードセパレータ側の表面構造を示す平面図である。
【図5】図1の電極−膜−枠接合体のカソードパレータ側の表面構造を示す平面図である。
【図6】図1の電極−膜−枠接合体の第1変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図7】図1の電極−膜−枠接合体の第2変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図8】図1の電極−膜−枠接合体の第3変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図9】図1の電極−膜−枠接合体の第4変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図10】図1の電極−膜−枠接合体の第5変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図11】図1の電極−膜−枠接合体の第6変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図12】図1の電極−膜−枠接合体の第7変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図13】図1の電極−膜−枠接合体の第8変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図14】図1の電極−膜−枠接合体の第9変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態にかかる電極−膜−枠接合体の構成を模式的に示す平面図である。
【図16】図15のB1−B1線断面図である。
【図17】図15のB2−B2線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、高分子電解質膜と、
前記電解質膜を挟んで互いに対向する一対の触媒層と、
前記電解質膜及び前記一対の触媒層を挟んで互いに対向する一対のガス拡散層と、
前記電解質膜の厚み方向から見て、前記電解質膜の外周部と重なるように配置された額縁状の枠体と、
を備える電極−膜−枠接合体であって、
前記電解質膜の少なくとも一方の主面側に、過酸化物分解触媒を含む額縁状の過酸化物分解触媒層を備え、
前記電解質膜の前記一方の主面側において、
前記過酸化物分解触媒層の内縁は、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記枠体の内縁よりも内側に位置し、
前記過酸化物分解触媒層の外縁は、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁よりも外側に位置する、
電極−膜−枠接合体を提供する。
【0019】
本発明の第2態様によれば、前記過酸化物分解触媒層は、接着力を有する、第1態様に記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0020】
本発明の第3態様によれば、前記過酸化物分解触媒層は、前記枠体を構成する樹脂材料に対して親和性を有する高分子材料を含む、第1又は2態様に記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0021】
本発明の第4態様によれば、前記過酸化物分解触媒層は、前記電解質膜を構成する高分子材料に対して親和性を有する高分子材料を含む、第1〜3態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0022】
本発明の第5態様によれば、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁は、前記枠体の内縁よりも外側に位置する、第1〜4態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0023】
本発明の第6態様によれば、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁は、前記枠体の内縁よりも内側に位置する、第1〜4態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0024】
本発明の第7態様によれば、前記過酸化物分解触媒層は、前記電解質膜と接している、第1〜6態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0025】
本発明の第8態様によれば、前記過酸化物分解触媒層の少なくとも一部は、前記電解質膜と前記触媒層との間に配置されている、第1〜7態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0026】
本発明の第9態様によれば、前記過酸化物分解触媒層が前記ガス拡散層の外縁よりも内側に存在する部分の幅は、1mm以上5mm以下である、第1〜8態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0027】
本発明の第10態様によれば、前記過酸化物分解触媒層が前記ガス拡散層の外縁よりも内側に存在する部分の幅は、反応ガスの流れ方向の下流側に位置する部分よりも上流側に位置する部分の方が大きい、第1〜9態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を提供する。
【0028】
本発明の第11態様によれば、第1〜10態様のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を備える燃料電池を提供する。
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
《第1実施形態》
図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態にかかる電極−膜−枠接合体を有する燃料電池の構造を説明する。図1は、本第1実施形態にかかる電極−膜−枠接合体を有する燃料電池の構造を、一部を分解して模式的に示す斜視図である。図2は、図1の電極−膜−枠接合体の構成を模式的に示す平面図であり、アノード電極側から見た状態を示す図である。図3は、図2のA1−A1線断面図である。図4は、図1の電極−膜−枠接合体のアノードセパレータ側の表面構造を示す平面図である。図5は、図1の電極−膜−枠接合体のカソードパレータ側の表面構造を示す平面図である。
【0031】
本第1実施形態にかかる燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる高分子電解質型燃料電池である。
【0032】
図1に示すように、燃料電池は、基本単位構成であるセル(単電池モジュール)10を複数個(例えば60個)積層させて構成されている。なお、図示していないが、積層されたセル10群の両端部には、集電板、絶縁板、及びエンドプレートが取り付けられ、締結ボルトがボルト孔4を挿通されナットで固定されることにより、各セル10が所定の締結力(例えば10kN)で締結されている。
【0033】
セル10は、電極−膜−枠接合体1を、一対の導電性のセパレータであるアノードセパレータ2及びカソードセパレータ3で挟んで構成されている。電極−膜−枠接合体1は、図2又は図3に示すように、膜電極接合体5(以下、MEAという)と、MEA5の外周部5Eを封止保持するように形成された額縁状の枠体6とを備えている。
【0034】
枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3には、それぞれ、図1に示すように、燃料ガスが流通する一対の貫通孔である燃料ガスマニホールド孔12,22,32が設けられている。また、枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3には、それぞれ、図1に示すように、酸化剤ガスが流通する一対の貫通孔である酸化剤ガスマニホールド孔13,23,33が設けられている。枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3が、セル10として締結された状態では、燃料ガスマニホールド孔12,22,32が連結され、燃料ガスマニホールドが形成される。同様に、枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3が、セル10として締結された状態では、酸化剤ガスマニホールド孔13,23,33が連結され、酸化剤ガスマニホールドが形成される。
【0035】
また、枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3には、図1に示すように、冷却媒体(例えば、純水やエチレングリコール)が流通するそれぞれ二対の貫通孔である冷却媒体マニホールド孔14,24,34が設けられている。これによって、枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3が、セル10として締結された状態では、これらの冷却媒体マニホールド孔14,24,34が連結され、二対の冷却媒体マニホールドが形成される。
【0036】
また、枠体6、アノードセパレータ2、及びカソードセパレータ3には、図1に示すように、それぞれの角部の近傍に4つのボルト孔4が設けられている。各ボルト孔4に締結ボルトが挿通され、当該締結ボルトにナットが結合することによって各セル10が締結される。
【0037】
アノードセパレータ2の内側の主面(電極−膜−枠接合体1側の面)には、一対の燃料ガスマニホールド孔22,22間を結ぶように燃料ガス流路溝21が設けられている。カソードセパレータ3の内側の主面(電極−膜−枠接合体1側の面)には、一対の酸化剤ガスマニホールド孔33,33間を結ぶように酸化剤ガス流路溝31が設けられている。燃料ガスが燃料ガス流路溝21を通じて後述するMEA5のアノードガス拡散層5C1に供給されるとともに、酸化剤ガスが酸化剤ガス流路溝31を通じて後述するMEA5のカソードガス拡散層5C2に供給されることにより、電気化学反応が生じる。これにより、電力と熱とが同時に発生する。なお、図4において、一点破線は、燃料ガスの流れ方向を示している。また、図5において、一点破線は、酸化剤ガスの流れ方向を示している。
【0038】
また、アノードセパレータ2及びカソードセパレータ3の外側の主面(背面)には、図示していないが、それぞれ冷却媒体流路溝が形成されている。冷却媒体流路溝は、二対の冷却媒体マニホールド孔24,34間を結ぶように形成されている。すなわち、冷却媒体がそれぞれ供給側の冷却媒体マニホールドから冷却媒体流路溝に分岐して、それぞれ排出側の冷却媒体マニホールドに流通するように構成されている。これにより、冷却媒体の伝熱能力を利用して、セル10を電気化学反応に適した所定の温度に保つようにしている。
【0039】
なお、前記各孔及び各溝は、例えば、切削加工、成形加工により形成することができる。また、前記各マニホールドは、前記構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、各マニホールドを、いわゆる外部マニホールド構造としてもよい。なお、図2及び図3では、各孔の図示を省略している。
【0040】
MEA5は、図3に示すように、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜5Aと、当該電解質膜5Aの両面に形成された一対の電極層5D,5Dを有している。一対の電極層5Dの一方はアノード電極であり、一対の電極層の他方はカソード電極である。アノード電極とカソード電極とは、同様の構成を有しているので、以下では、一方の電極層5Dについてのみ説明する。
【0041】
高分子電解質膜5Aは、特に限定されるものではなく、通常の高分子電解質型燃料電池に搭載される高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなるフッ素系高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)など)や各種炭化水素系電解質膜を使用することができる。電極層5Dは、触媒層5Bとガス拡散層5Cとの2層構造で構成されている。
【0042】
触媒層5Bは、例えば白金族金属触媒を担持したカーボン粉末とプロトン導電性を有する高分子材料とを主成分とした多孔質な部材である。触媒層5Bに用いるプロトン導電性高分子材料としては、上記高分子電解質膜5Aと同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。触媒層5Bは、高分子電解質膜5Aよりも外形サイズが小さく、高分子電解質膜5Aの外周部が露出するように高分子電解質膜5Aの主面に形成されている。
【0043】
ガス拡散層5Cは、反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)の通気性と電子伝導性の両方を有している。ガス拡散層5Cは、触媒層5Bよりも外形サイズが小さく、触媒層5Bの外周部が露出するように触媒層5Bの主面に配置されている。すなわち、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、触媒層5Bの外縁5Baは、ガス拡散層5Cの外縁5Caよりも外側に位置している。
【0044】
ガス拡散層5Cとしては、ガス透過性を持たせるために、カーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパー、又はカーボンクロスなどを用いて作製された多孔質構造を有する導電性基材を用いることができる。また、排水性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層5Cの中に分散させてもよい。さらに、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維、又はカーボン微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層5Cを構成してもよい。また、ガス拡散層5Cの触媒層5Aと接する面には、撥水性高分子とカーボン粉末とで構成される撥水カーボン層を設けてもよい。なお、カソード側及びアノード側において同じガス拡散層を用いても、異なるガス拡散層を用いてもよい。また、ガス拡散層5Cとして、例えば、基材として炭素繊維を用いず、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分として構成された多孔質部材を用いてもよい。
【0045】
高分子電解質膜5Aの外周部及びガス拡散層5Cの外周部上には、図3に示すように、額縁状の過酸化物分解触媒層7が形成され、当該過酸化物分解触媒層7上に枠体6が形成されている。過酸化物分解触媒層7は、一般的な触媒層5Bの形成方法と同様に、例えばスプレー法やダイ塗工などにより形成することができる。高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、過酸化物分解触媒層7の内縁7aは、ガス拡散層5Cの外縁5Caよりも内側に位置している。過酸化物分解触媒層7の外縁7bは、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、枠体6の内縁6aよりも外側に位置している。過酸化物分解触媒層7の厚みは、例えば、触媒層5Bの厚みが10〜20μmである場合、5μm以上に設定されている。
【0046】
過酸化物分解触媒層7は、過酸化水素などの過酸化物を分解する過酸化物分解触媒を含んでいる。過酸化物分解触媒は、過酸化物を分解する触媒作用を有するものであればよく、例えば、貴金属、金属酸化物、金属錯体、リン酸塩、フッ化物、タングステン酸塩等から選ばれる一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。前記貴金属としては、Pt、Ru、Rh、Ir、Ag等が挙げられる。前記金属酸化物としては、MnO、PbO、PbO、RuO、Al、TiO、Nb、Ta、Nb、FeO、Fe、Fe、WO、W、SnO、Cr、CeO、La、SiO、ZrO、CuO、CuO、ZnO、Y、MoO、In、InO、Bi、Sb、Sb、GeO、GeO等が挙げられる。前記金属錯体としては、Co、Fe、Ti、Al、Ce等を中心原子とするポルフィリン、フタロシアニン、これらの誘導体が挙げられる。前記リン酸塩としては、AlPO、TiPO、FePO、CrPO、CePO、Zr(PO、LaPO等が挙げられる。前記フッ化物としては、AlF、FeF、CrF、CeF、ZrF、LaF等が挙げられる。前記タングステン酸塩としては、FeWO、MnWO、(Fe,Mn)WO、CaWO、CuWO、CuWO(OH)、Al(WO、SrWO、BaWO、AgWO、ZnWO、SnWO、Ce(WO等が挙げられる。それらの中でも、過酸化物分解触媒としてCeO及びMnOを用いることが、過酸化物の分解性能が高く好適である。
【0047】
なお、過酸化物分解触媒層7は、硬すぎると、隣接する部材との界面に隙間が生じて反応ガスのクロスリークが発生するおそれがあるため、ある程度の柔軟性を有することが好ましい。また、過酸化物分解触媒層7は、過酸化物分解触媒層7に隣接する部材同士を接着する接着力を有していることが好ましい。このため、過酸化物分解触媒層7は、高分子電解質膜5Aを構成する高分子材料及び枠体6を構成する樹脂材料の少なくとも一方に対して親和性を有する高分子材料を含むことが好ましい。高分子電解質膜との親和性を高める観点から、過酸化物分解触媒層7は、高分子電解質膜5Aと同成分の高分子材料を含むことが、より好ましい。これにより、過酸化物分解触媒層7に隣接する部材同士の接着力を高めることができ、MEA5のハンドリング性を向上させることができる。なお、過酸化物分解触媒層7の高分子材料は、高い耐熱性を有することが好ましい。
【0048】
枠体6は、ハンドリング性を向上させるため又は高分子電解質膜5Aとセパレータ2又は3との間をシールするための樹脂製の部材である。枠体6は、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、高分子電解質膜5Aの外周部と重なるように配置されている。なお、枠体6に用いる樹脂材料は、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものを使用することができる。
【0049】
枠体6をハンドリング性の向上のために使用する場合、枠体6の樹脂材料は、化学的安定性の観点から、非晶性樹脂ではなく結晶性樹脂であることが好ましく、その中でも機械的強度が大きく且つ耐熱性が高い熱可塑性樹脂であることが好ましい。例えば、前記熱可塑性樹脂として、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックグレードのもの、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリスチレン(PS)などが好適である。これらは、数千から数万MPaの圧縮弾性率と、150℃以上の荷重たわみ温度を有しており、前記熱可塑性樹脂として好適な材料である。また、汎用されている樹脂材料であっても、当該樹脂材料に無機系の補強材(例えば、ガラス繊維、ガラスフィラー)を混在させることで、強度を強化することができる。例えば、ガラスフィラーが充填されたポリプロピレン(GFPP)は、非充填のポリプロピレン(圧縮弾性率1,000〜1,500MPa)の数倍の弾性率を有し且つ150℃近い荷重たわみ温度を有している。従って、前記熱可塑性樹脂として好適に使用することができる。
【0050】
枠体6を高分子電解質膜5Aとセパレータ2又は3との間をシールするため、いわゆるシール部材として使用する場合、枠体6の樹脂材料は、弾性率が低い樹脂材料、例えば熱可塑性エラストマーであることが好ましい。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系エラストマー(TPO)、スチレン系エラストマー(TPS)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリウレタン系エラストマー(TPU)、ナイロン系エラストマー(TPA)などが好適である。オレフィン系エラストマーは、ポリプロピレン(PP)とエチレン・プロピレンゴム(EPM)又はエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とを混合して構成されたものである。スチレン系エラストマーは、ポリスチレン(PS)とポリブタジエン又はポリイソプレンとを共重合させて構成したものである。
【0051】
本第1実施形態によれば、特許文献1又は2のように過酸化物分解触媒をガス拡散層5Cや枠体(シール部材)6に混入させるのではなく、過酸化物分解触媒を含む独立した過酸化物分解触媒層7を備えるように構成されている。また、本第1実施形態によれば、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、過酸化物分解触媒層7の内縁7aがガス拡散層5Cの外縁7aよりも内側に位置し、過酸化物分解触媒層7の外縁7bが枠体6の内縁6aよりも外側に位置するように構成されている。すなわち、過酸化物分解触媒層7は、特許文献1又は2の技術では高分子電解質膜5Aや電極層5Dの劣化を抑えることができない、過酸化水素の生成が多い領域に延在するように配置されている。従って、本第1実施形態によれば、運転時に生成された過酸化水素を効率良く分解させることができ、高分子電解質膜5Aや電極層5Dの劣化を抑えて発電性能の低下を一層抑えることができる。
【0052】
なお、過酸化物分解触媒層7がガス拡散層5Cの外縁5Caよりも内側に存在する部分の幅W1は、1mm以上であることが好ましい。これにより、高分子電解質膜5Aの劣化を十分に抑えることができる。また、幅W1を大きくすればするほど、高分子電解質膜5Aの劣化を抑えることができるが、幅W1を大きくしすぎると、その分、過酸化物分解触媒が反応ガスの流れを妨げる量も大きくなり、逆に、発電性能が低下することになる。このため、幅W1は、5mm以下であることが好ましい。
【0053】
なお、本発明は前記第1実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記第1実施形態では、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、触媒層5Bの外縁5Baが枠体6の内縁6aよりも外側に位置するように配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、触媒層5Bの外縁5Baが枠体6の内縁6aよりも内側に位置するように配置してもよい。すなわち、枠体6の開口面積よりも触媒層5Bのサイズを小さくしてもよい。
【0054】
また、前記第1実施形態では、触媒層5Bのサイズを高分子電解質膜5Aのサイズよりも小さくしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、触媒層5Bのサイズを高分子電解質膜5Aのサイズとほぼ同じにしてもよい。
【0055】
また、前記第1実施形態では、触媒層5Bの外周部を覆うように過酸化物分解触媒層7を配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、触媒層5Bと過酸化物分解触媒層7とを隣接して配置するようにしてもよい。また、この場合、触媒層5Bと過酸化物分解触媒層7の厚みをほぼ同じにしてもよい。
【0056】
また、高分子電解質膜5A、触媒層5B、及びガス拡散層5Cのうち、過酸化水素により最も劣化しやすいのは、高分子電解質膜5Aである。このため、過酸化物分解触媒層7の少なくとも一部が高分子電解質膜5Aに接するように配置することが好ましい。例えば、図9に示すように、過酸化物分解触媒層7の内周部を触媒層5Bの外周部が覆うように配置することが好ましい。これにより、発電性能の低下を効果的に抑えることができる。
【0057】
また、前記第1実施形態では、図3に示すように、ガス拡散層5Cの外周部が枠体6の内周部を覆うように、すなわち、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、ガス拡散層5Cの外縁5Caが枠体6の内縁6aよりも外側に位置するように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10〜図13に示すように、ガス拡散層5Cの外縁5Caと枠体6の内縁6aとの間に隙間が空くように、すなわち、高分子電解質膜5Aの厚み方向Yから見て、ガス拡散層5Cの外縁5Caが枠体6の内縁6aよりも内側に位置するように構成してもよい。
【0058】
また、枠体6が配置されるMEA5の外周部5Eは発電に積極的に寄与する部分ではないので、図14に示すように、過酸化物分解触媒層7が枠体6の内縁6aよりも外側に存在する部分を小さくして、枠体6の一部が高分子電解質膜5Aに接するように構成されてもよい。
【0059】
また、前記第1実施形態では、アノード電極とカソード電極とが同じ構成を有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、互いに異なる構成を有していてもよい。この場合、過酸化物分解触媒層7がアノード電極又はカソード電極のいずれか一方に含まれていればよい。
【0060】
《第2実施形態》
図15は、本発明の第2実施形態にかかる電極−膜−枠接合体の構成を模式的に示す平面図である。図16は、図15のB1−B1線断面図であり、図17は、図15のB2−B2線断面図である。本第2実施形態にかかる電極−膜−枠接合体1Aが前記第1実施形態にかかる電極−膜−枠接合体1と異なる点は、反応ガスの流れ方向の上流側において過酸化物分解触媒層7がガス拡散層5Cの外縁5Caよりも内側に存在する部分の幅W2を、反応ガスの流れ方向の下流側において過酸化物分解触媒層7がガス拡散層5Cの外縁5Caよりも内側に存在する部分の幅W3よりも大きくした点である。なお、図15において、一点破線は、反応ガスの流れ方向を示している。
【0061】
燃料電池の運転時においては、反応ガス(燃料ガスと酸化剤ガス)が電気化学的に反応することにより、電力と熱とが発生するとともに、水も生成される。このとき生成される水の量は、反応ガスがガス流路を流れるに従って次第に多くなる。このため、反応ガスの流れ方向の下流側においては、過酸化水素が生成されたとしても、多量の水で洗い流される。一方、反応ガスの流れ方向の上流側においては、生成される水の量が少ないので、過酸化水素を洗い流すことができず、過酸化水素が滞留することになる。このため、特に、電極層5D及び高分子電解質膜5Aにおける反応ガスの流れ方向の上流側に位置する部分が劣化しやすい。
【0062】
そこで、本第2実施形態にかかる電極−膜−枠接合体1Aでは、図15〜図17に示すように、幅W2を幅W3よりも大きくしている。これにより、電極層5D及び高分子電解質膜5Aの劣化を効果的に抑えることができる。また、幅W3を小さくすることで、過酸化物分解触媒が反応ガスの流れを妨げる量が少なくなる。従って、発電性能の低下を一層抑えることができる。
【0063】
なお、図15では、反応ガスの流れ方向の上流側から下流側の全体にわたって、過酸化物分解触媒層7がガス拡散層5Cの外縁5Caよりも内側に存在するように示したが、本発明はこれに限定されない。燃料電池の運転時において生成される水により過酸化水素を完全に洗い流すことができる部分については、過酸化物分解触媒層7がガス拡散層5Cの外縁5Caよりも内側に存在する部分を無くしてもよい。例えば、幅W3は「ゼロ」であってもよい。これにより、過酸化物分解触媒が反応ガスの流れを妨げる量を一層少なくして、発電性能の低下を一層抑えることができる。
【0064】
また、図15では、反応ガスの流れ方向が蛇行するように示したが、本発明は、これに限定されない。例えば、蛇行形状のガス流路溝21,31に代えて、複数の直線状のガス流路溝をセパレータ2,3に形成して、反応ガスの流れ方向を直線状にしてもよい。また、前記では、ガス流路溝21,31をセパレータ2,3に設けたが、これに代えて、ガス流路溝をガス拡散層5Cに設けてもよい。
【0065】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明にかかる電極−膜−枠接合体は、高分子電解質膜の劣化を抑えて発電性能の低下を一層抑えることができるので、特に、自動車などの移動体、分散型(オンサイト型)発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される高分子電解質型燃料電池に有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 電極−膜−枠接合体
2 アノードセパレータ
3 カソードセパレータ
4 ボルト孔
5 MEA(膜電極接合体)
5A 高分子電解質膜
5B 触媒層
5C ガス拡散層
5D 電極層
5E 外周部
6 枠体
7 過酸化物分解触媒層
10 セル
12,22,32 燃料ガスマニホールド孔
13,23,33 酸化剤ガスマニホールド孔
14,24,34 冷却媒体マニホールド孔
21 燃料ガス流路溝
31 酸化剤ガス流路溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子電解質膜と、
前記電解質膜を挟んで互いに対向する一対の触媒層と、
前記電解質膜及び前記一対の触媒層を挟んで互いに対向する一対のガス拡散層と、
前記電解質膜の厚み方向から見て、前記電解質膜の外周部と重なるように配置された額縁状の枠体と、
を備える電極−膜−枠接合体であって、
前記電解質膜の少なくとも一方の主面側に、過酸化物分解触媒を含む額縁状の過酸化物分解触媒層を備え、
前記電解質膜の前記一方の主面側において、
前記過酸化物分解触媒層の内縁は、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記枠体の内縁よりも内側に位置し、
前記過酸化物分解触媒層の外縁は、前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁よりも外側に位置する、
電極−膜−枠接合体。
【請求項2】
前記過酸化物分解触媒層は、接着力を有する、請求項1に記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項3】
前記過酸化物分解触媒層は、前記枠体を構成する樹脂材料に対して親和性を有する高分子材料を含む、請求項1又は2に記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項4】
前記過酸化物分解触媒層は、前記電解質膜を構成する高分子材料に対して親和性を有する高分子材料を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項5】
前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁は、前記枠体の内縁よりも外側に位置する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項6】
前記電解質膜の厚み方向から見て、前記ガス拡散層の外縁は、前記枠体の内縁よりも内側に位置する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項7】
前記過酸化物分解触媒層は、前記電解質膜と接している、請求項1〜6のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項8】
前記過酸化物分解触媒層の少なくとも一部は、前記電解質膜と前記触媒層との間に配置されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項9】
前記過酸化物分解触媒層が前記ガス拡散層の外縁よりも内側に存在する部分の幅は、1mm以上5mm以下である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項10】
前記過酸化物分解触媒層が前記ガス拡散層の外縁よりも内側に存在する部分の幅は、反応ガスの流れ方向の下流側に位置する部分よりも上流側に位置する部分の方が大きい、請求項1〜9のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の電極−膜−枠接合体を備える燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−18793(P2012−18793A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154679(P2010−154679)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】