説明

電気かみそり

【課題】 製造コストを抑制できるとともに、体毛を確実に短く剃ることができる電気かみそりを提供する。
【解決手段】本発明に係る電気かみそり1は、内刃50と協働して肌表面Sの体毛を剃るとともに、肌表面Sに接触する外刃40を備える。外刃40は、外刃40の延在方向Yに直交する直交方向Xに回転する筒状の回転外刃100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、刃部を肌表面に押し当てながら移動させる際に、刃部と肌表面との間の摩擦力(刃部を構成する外刃表面が肌表面に及ぼす摩擦力)を低減させる電気かみそりについて、様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、肌表面に接触しながら、外刃の延在方向に直交する直交方向に対して回転する回転体を備えた電気かみそりが知られている(例えば、特許文献1参照)。この回転体は、外刃よりも肌表面側に突出し、スプリング(弾性体)によって支持されている。これにより、回転体がスプリングにより肌表面に押し付けられて回転するため、外刃と肌表面との間の摩擦力を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−232894号公報(第2〜第3頁、第1及び第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の電気かみそりでは、摩擦力を低減させるために、回転体及びスプリングが必要であるため、製造コストの増大を招いてしまう。
【0006】
加えて、従来の電気かみそりでは、外刃よりも肌表面側に突出した回転体がスプリングにより常に肌表面に押し付けられるため、外刃が肌表面に加わる力が不十分であった。このため、体毛を短く剃ること(いわゆる、深剃り)については未だ改善の余地があるのが現状である。
【0007】
そこで、本発明は、製造コストを抑制できるとともに、体毛を確実に短く剃ることができる電気かみそりの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、内刃と協働して肌表面の体毛を剃るとともに、前記肌表面に接触する外刃を備える電気かみそりであって、前記外刃は、前記外刃の延在方向に直交する方向に回転する筒状の回転外刃であることを要旨とする。
【0009】
かかる特徴によれば、外刃は、外刃の延在方向に直交する方向に回転する筒状の回転外刃である。これにより、従来のように回転体を別途設けることなく、回転外刃自体によって外刃と肌表面との間の摩擦力を低減でき、肌の保護を実現できる。従って、摩擦力を低減させるために、従来のような回転体及びスプリングを別途設けることなく、製造コストを抑制できる。
【0010】
また、内刃が回転外刃と協働して体毛を剃る。これにより、従来のような回転体が肌表面に干渉して体毛が剃りにくくなることを防止できる。このため、回転外刃自体で体毛を剃れ、外刃と肌表面との間の摩擦力を低減しつつ、体毛を確実に短く剃ること(いわゆる、深剃り)もできる。
【0011】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記外刃は、複数設けられており、前記回転外刃は、複数の前記外刃のうちの少なくとも1つであるとともに、他の前記外刃よりも前記肌表面側に突出した状態で設けられることを要旨とする。
【0012】
かかる特徴によれば、回転外刃は、他の外刃よりも肌表面側に突出した状態で設けられる。これにより、回転外刃が常に肌表面に接するため、外刃と肌表面との間の摩擦力を常に低減できる。
【0013】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記回転外刃は、前記肌表面に向かう方向に沿って移動することを要旨とする。
【0014】
かかる特徴によれば、回転外刃は、肌表面に向かう方向(いわゆる、電気かみそりの上下方向)に沿って移動する。これにより、回転外刃が肌表面に押し付けられると、使用者の押付力に対応して回転外刃の位置が変化する。このため、外刃と肌表面との間の摩擦力の低減と、体毛を確実に短く剃ること(いわゆる、深剃り)とを両立し易くなる。
【0015】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記回転外刃の径は、前記外刃の延在方向に対して均一であることを要旨とする。
【0016】
かかる特徴によれば、回転外刃の径は、外刃の延在方向に対して均一である。これにより、回転外刃を成形する加工が複雑になることなく、製造コストをさらに抑制できる。
【0017】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記回転外刃の径は、前記外刃の延在方向に対して不均一であることを要旨とする。
【0018】
かかる特徴によれば、回転外刃の径は、外刃の延在方向に対して不均一である。これにより、外刃の形状に合わせて回転外刃を成形することによって、様々な外刃の形状に対応できるため、回転外刃の汎用性が増大するとともに、肌表面(例えば、あご下)にフィットし易くすることができる。
【0019】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至第5の特徴に係り、前記回転外刃は、少なくとも2つの第1回転外刃と第2回転外刃とを有し、前記第1回転外刃は、前記第2回転外刃とともに前記外刃の剃り方向に対する逆方向に向かって回転することを要旨とする。
【0020】
かかる特徴によれば、第1回転外刃は、第2回転外刃とともに外刃の剃り方向に対する逆方向(自然に転がる方向)に向かって回転する。これにより、外刃の延在方向に直交する直交方向に往復して体毛を剃る場合(いわゆる、往復剃りの場合)、外刃と肌表面との間の摩擦力をより低減できる。
【0021】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至第5の特徴に係り、前記回転外刃は、少なくとも2つの第1回転外刃と第2回転外刃とを有し、前記第1回転外刃は、前記第2回転外刃と逆方向に回転することを要旨とする。
【0022】
かかる特徴によれば、第1回転外刃は、第2回転外刃と逆方向に回転する。これにより、肌表面の凹凸を平らにした状態(引き延ばした状態)で、体毛を確実に剃ることできる。このため、外刃に形成される刃穴に肌が入り込むことなく、肌の保護(いわゆる、肌ヒリツキの低減)を実現できる。
【0023】
本発明の第8の特徴は、本発明の第1乃至第7の特徴に係り、前記回転外刃は、前記回転外刃を貫通する複数の穴が形成されるネット状の筒状体であることを要旨とする。
【0024】
かかる特徴によれば、回転外刃は、ネット状の筒状体である。これにより、回転外刃と肌表面との接触部位が変化し、回転外刃の長寿命化を実現できる。
【0025】
本発明の第9の特徴は、本発明の第1乃至第7の特徴に係り、前記回転外刃は、前記回転外刃の外周に沿う溝が形成されるスリット状の筒状体であることを要旨とする。
【0026】
かかる特徴によれば、回転外刃は、スリット状の筒状体である。これにより、長い体毛を引き込むことができ、体毛を剃る時間の短縮に寄与する。このため、外刃と肌表面との間の摩擦力の低減のみならず、早剃り効果による肌の保護をも実現できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の特徴によれば、製造コストを抑制できるとともに、体毛を確実に短く剃ることができる電気かみそりを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る電気かみそり1を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る刃部30を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る刃部30を示す断面図である。
【図4】第1実施形態に係る回転外刃100を示す斜視図・正面図である。
【図5】第2実施形態に係る刃部30を示す断面図である。
【図6】第3実施形態に係る回転外刃100を示す正面図である。
【図7】第4実施形態に係る刃部30を示す断面図である(その1)。
【図8】第4実施形態に係る刃部30を示す断面図である(その2)。
【図9】第4実施形態に係る回転外刃100のみを示す模式図である。
【図10】第5実施形態に係る回転外刃100を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明に係る電気かみそりの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、(3)第3実施形態、(4)第4実施形態、(5)第5実施形態、(6)その他の実施形態について説明する。
【0030】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0031】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0032】
(1)第1実施形態
(電気かみそりの全体構成)
まず、第1実施形態に係る電気かみそり1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る電気かみそり1を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る刃部30を示す斜視図である。図3(a)は、図2のA−A断面図であり、図3(b)は、図2のB−B断面図である。図4(a)は、第1実施形態に係る回転外刃100を示す斜視図であり、図4(b)は、第1実施形態に係る回転外刃100を示す正面図(直交方向Xからの矢視図)である
図1に示すように、電気かみそり1は、使用者が把持するグリップ部10と、グリップ部10に連結されるヘッド部20とによって大略構成されている。
【0033】
グリップ部10には、電気かみそり1を動作させる(電源をオン、オフさせる)押圧式のスイッチ11が設けられている。ヘッド部20は、グリップ部10に取り付けられるヘッド本体21と、ヘッド本体21に着脱自在に装着される刃ヘッドハウジング22とを備えている。
【0034】
刃ヘッドハウジング22には、使用者の肌表面S(図9参照)から伸びる体毛を処理する刃部30が取り付けられる。
【0035】
図2及び図3に示すように、刃部30は、ヘッド部20の上方に露出して肌表面Sに接触する複数の外刃40と、それぞれの外刃40の内側(外刃40の内方)に位置する内刃50とを備えている。
【0036】
外刃40は、外刃カセット41に支持されており、この外刃カセット41は、上部が開口する略箱状の刃保持枠42に固定されている。外刃40は、外刃40の延在方向Y(いわゆる、左右方向)と直交する直交方向X(いわゆる、前後方向や剃り方向)に複数(5枚)並設される。具体的には、外刃40として、前方(図2の手前側)から後方(図2の奥側)に向かって、ネット刃40A,40B、スリット刃40S、ネット刃40C、回転外刃100が並設されている。
【0037】
これらのネット刃40A〜40Cは、いずれも、図3(a)に示すように、電気かみそり1の側面視(外刃40の延在方向Yから視た状態)で上方が凸となるように逆U字状に湾曲して形成されている。また、ネット刃40A〜40Cは、電気かみそり1の正面視(直交方向Xから視た状態)で上方が凸となるように外刃40の延在方向Yに沿って若干湾曲して形成されている(図1及び図2参照)。そして、ネット刃40A〜40Cには、多数の刃穴(図示省略)が形成されている。
【0038】
スリット刃40Sは、直交方向Xに沿ってU字状に湾曲して形成されており、平坦な上壁から側壁に至る多数のスリット(図示省略)を穿設することで形成されている。
【0039】
回転外刃100は、図3及び図4に示すように、複数の外刃40のうちの1つであるとともに、外刃40の延在方向Yに直交する直交方向Xに回転する。回転外刃100は、他の外刃(ネット刃31A〜31C及びスリット刃31S)よりも肌表面S側に突出した状態で設けられる。また、回転外刃100は、回転外刃100の回動中心となる回転外刃軸101を介して刃保持枠42の側壁に取り付けられている。
【0040】
回転外刃100は、図4(a)に示すように、回転外刃100を貫通する複数の穴102が形成されるネット状の筒状体である。また、回転外刃100の径は、図4(a)及び図4(b)に示すように、外刃40の延在方向Yに対して均一である。
【0041】
内刃50は、外刃40を構成する各ネット刃40A〜40C、スリット刃40S及び回転外刃100に対して専用のものが設置されている。内刃50は、内刃カセット51に支持され、内刃カセット51は、駆動部(不図示)に連結されて刃保持枠42の底面に形成される長孔(不図示)内を挿通する駆動軸60に連結されている。なお、内刃50と駆動軸60との間には、内刃50を外刃40の内面に押し付けるスプリング70を介装されている。
【0042】
具体的には、図3に示すように、各ネット刃40A〜40C、スリット刃40Sの下方(内方)には、対応するネット刃40A〜40Cの湾曲に沿う逆U字状の内刃50A〜50Dがそれぞれ配設されている。これら内刃32A〜32Dは、各ネット刃40A〜40C、スリット刃40Sの内面に押し付けられた状態で、各ネット刃40A〜40C、スリット刃40Sに対して相対移動(外刃40の延在方向Yに往復動)できるようになっている。
【0043】
回転内刃200は、回転内刃200は、回転外刃100の内周面の少なくとも一部(先端)に接した状態で設けられている。回転内刃200は、振動型リニアアクチュエータ80によって、回転外刃100に対して相対移動(外刃40の延在方向Yに往復動)できるようになっている。
【0044】
振動型リニアアクチュエータ80は、回転内刃200の駆動源であるとともに、刃保持枠42内に搭載されている。振動型リニアアクチュエータ80は、コア91及びコイル92とからなる電磁石93を備えた電磁コアブロック90と、永久磁石210を備えて電磁コアブロック90に対して移動可能に対向配置された可動子としての回転内刃200とによって構成される。
【0045】
回転内刃200には、バネ性を有する共振バネ部材211が連結されている。共振バネ部材211は、回転内刃200の両端から刃保持枠42の側壁までを繋ぐように設けられている。
【0046】
このような振動型リニアアクチュエータ80は、電磁コアブロック90における電磁石93の磁極面と、回転内刃200における永久磁石210とのギャップを一定に保持しつつ、電磁石93に交互方向の電流を供給することによって、回転外刃100の内周側において回転内刃200を外刃40の延在方向Yに往復動させる。
【0047】
このように、電気かみそり1では、上述した刃穴やスリット、穴102に入り込んだ体毛を、回転内刃200を含む内刃50が回転外刃100を含む外刃40に対して相対移動(外刃40の延在方向Yに往復動)することによって、これらの内刃50と外刃40とが協働して体毛を切断する。
【0048】
(作用・効果)
以上説明した第1実施形態では、複数の外刃40のうち少なくとも1つは、外刃40の延在方向に直交する方向に回転する筒状の回転外刃100である。これにより、従来のように回転体を別途設けることなく、回転外刃100自体によって外刃40と肌表面Sとの間の摩擦力を低減でき、肌の保護を実現できる。従って、摩擦力を低減させるために、従来のような回転体及びスプリングを別途設けることなく、製造コストを抑制できる。
【0049】
また、内刃50(回転内刃200)が回転外刃100と協働して体毛を剃る。これにより、従来のような回転体が肌表面S(例えば、あご下など)に干渉して体毛が剃りにくくなることを防止できる。このため、回転外刃100自体で体毛を剃れ、外刃40と肌表面Sとの間の摩擦力を低減しつつ、体毛を確実に短く剃ること(いわゆる、深剃り)もできる。
【0050】
第1実施形態では、回転外刃100は、他の外刃40よりも肌表面S側に突出した状態で設けられる。これにより、回転外刃100が常に肌表面Sに接するため、外刃40と肌表面Sとの間の摩擦力を常に低減できる。
【0051】
第1実施形態では、回転外刃100の径は、外刃40の延在方向Yに対して均一である。これにより、回転外刃100を成形する加工が複雑になることなく、製造コストをさらに抑制できる。
【0052】
第1実施形態では、回転外刃100は、ネット状の筒状体である。これにより、回転外刃100と肌表面Sとの接触部位が変化し、回転外刃100の長寿命化を実現できる。
【0053】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態に係る電気かみそり1について、図面を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係る刃部30を示す断面図(図2のB−B断面図に相当)である。なお、上述した第1実施形態に係る電気かみそり1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0054】
上述した第1実施形態では、回転外刃100は、他の外刃40(ネット刃40A〜40C及びスリット刃40S)よりも肌表面S側に突出している。これに対して、第2実施形態では、回転外刃100は、肌表面Sに向かう方向、言い換えると、肌表面S側から刃部30の内部に向かう方向(いわゆる、電気かみそり1の上下方向)に沿って移動する。
【0055】
具体的には、図5に示すように、回転外刃100が取り付けられる刃保持枠42は、刃ヘッドハウジング22に対して上下方向に移動可能である。刃保持枠42の下面と刃ヘッドハウジング22から突出する載置部22Aとの間には、弾性変形するサスペンション300が設けられる。つまり、刃保持枠42は、サスペンション300によって支持されている。これにより、刃保持枠42に取り付けられた回転外刃100は、上下方向に移動可能となる。
【0056】
このような第2実施形態では、回転外刃100は、肌表面Sに向かう方向(いわゆる、電気かみそり1の上下方向)に沿って移動する。これにより、回転外刃100が肌表面Sに押し付けられると、使用者の押付力に対応して回転外刃100の位置が変化する。このため、外刃40と肌表面Sとの間の摩擦力の低減と、体毛を確実に短く剃ること(いわゆる、深剃り)とを両立し易くなる。
【0057】
ここで、回転外刃100は、サスペンション300によって必ずしも常に上下方向に移動するものに限らず、例えば、回転外刃100の高さ(すなわち、回転外刃100の上下方向に対する位置)を段階的に固定するロック機構がさらに設けられていてもよい。これにより、使用者の好みに応じて、回転外刃100の高さを調整できる。
【0058】
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態に係る電気かみそり1について、図面を参照しながら説明する。図6は、第3実施形態に係る回転外刃100を示す正面図(直交方向Xからの矢視図)である。なお、上述した第1,第2実施形態に係る電気かみそり1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0059】
上述した第1,第2実施形態では、回転外刃100の径は、外刃40の延在方向Yに対して均一である。これに対して、第3実施形態では、回転外刃100の径は、外刃40の延在方向Yに対して不均一である。
【0060】
具体的には、図6に示すように、回転外刃100の径は、電気かみそり1の正面視(直交方向Xから視た状態)において、中央部の方が端部よりも大きくなっている。これにより、回転外刃100の外輪郭は、電気かみそり1の正面視(直交方向Xから視た状態)で中央が凸となるように緩やかに湾曲している。
【0061】
このような第3実施形態では、回転外刃100の径は、外刃40の延在方向Yに対して不均一である。これにより、外刃40の形状に合わせて回転外刃100を成形することによって、様々な外刃40の形状に対応できるため、回転外刃100の汎用性が増大するとともに、肌表面S(例えば、あご下)にフィットし易くすることができる。
【0062】
(4)第4実施形態
次に、第4実施形態に係る電気かみそり1について、図面を参照しながら説明する。図7及び図8は、第4実施形態に係る刃部30を示す断面図(図2のA−A断面図に相当)である。図9は、第4実施形態に係る回転外刃100のみを示す模式図である。なお、上述した第1〜第3実施形態に係る電気かみそり1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0063】
上述した第1〜第3実施形態では、回転外刃100は、ネット刃40Cの直交方向X外側に1つ隣接されている。これに対して、第4実施形態では、回転外刃100は、2つの第1回転外刃110と第2回転外刃120とを有している。
【0064】
具体的には、図6に示すように、第1回転外刃110は、ネット刃40Aとスリット刃40Sとの間に設けられ、第2回転外刃120は、スリット刃40Sとネット刃40Cとの間に設けられている。第1回転外刃110は、第2回転外刃120とともに外刃40の剃り方向に対する逆方向(自然に転がる方向)に向かって回転する。すなわち、第1回転外刃110は、第2回転外刃120と同一方向に回転する。なお、第1回転外刃110及び第2回転外刃120の内側には、上述した回転内刃200がそれぞれ設けられている。
【0065】
このような第4実施形態では、第1回転外刃110は、第2回転外刃120とともに外刃40の剃り方向に対する逆方向に向かって回転する。これにより、外刃40の延在方向Yに直交する直交方向Xに往復して体毛を剃る場合(いわゆる、往復剃りの場合)、外刃40と肌表面Sとの間の摩擦力をより低減できる。
【0066】
ここで、第1回転外刃110は、必ずしも第2回転外刃120と同一方向に回転する必要はなく、図8に示すように、モータ等の制御によって第2回転外刃120と逆方向に回転してもよい。この場合、図9に示すように、肌表面Sの凹凸を平らにした状態(引き延ばした状態)で、体毛を確実に剃ることできる。このため、外刃40に形成される刃穴に肌が入り込むことなく、肌の保護(いわゆる、肌ヒリツキの低減)を実現できる。
【0067】
また、回転外刃100は、必ずしも2つの第1回転外刃110と第2回転外刃120とによって構成される必要はなく、例えば、3つや4つの回転外刃によって構成されていてもよいことは勿論である。
【0068】
(5)第5実施形態
次に、第5実施形態に係る電気かみそり1について、図面を参照しながら説明する。図10は、第5実施形態に係る回転外刃100を示す斜視図である。なお、上述した第1〜第4実施形態に係る電気かみそり1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0069】
上述した第1〜第4実施形態では、回転外刃100は、複数の穴102が形成されるネット状の筒状体である。これに対して、第5実施形態では、回転外刃100は、回転外刃100の外周に沿う溝103が形成されるスリット状の筒状体である。
【0070】
具体的には、図10に示すように、溝103は、回転外刃100の外周において螺旋状に形成されている。なお、第5実施形態では、回転内刃200についても、回転外刃100と同様に、螺旋状の溝201が形成されるスリット状の筒状体である。
【0071】
以上説明した第5実施形態では、回転外刃100は、スリット状の筒状体である。これにより、長い体毛を引き込むことができ、体毛を剃る時間の短縮に寄与する。このため、外刃40と肌表面Sとの間の摩擦力の低減のみならず、早剃り効果による肌の保護をも実現できる。
【0072】
(6)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0073】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、電気かみそり1は、上述した実施形態で説明したものに限定されるものではなく、少なくとも外刃40及び内刃50を備える電気かみそりであればよい。
【0074】
また、回転外刃100は、複数の外刃40のうちの少なくとも1つであればよく、例えば、複数の外刃40のうちの全ての外刃40であってもよい。この場合、それぞれの外刃40の内側には、回転内刃200が設けられ、回転内刃200は、振動型リニアアクチュエータ80によって、回転外刃100の内周に接した状態で、回転外刃100に対して相対移動できるようになっていればよい。
【0075】
また、回転内刃200は、振動型リニアアクチュエータ80によって回転外刃100に対して相対移動できるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、その他の機構によって回転外刃100に対して相対移動できればよい。
【0076】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0077】
1…電気かみそり
30…刃部
40…外刃
50…内刃
100…回転外刃
110…第1回転外刃
120…第2回転外刃
200…回転内刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内刃と協働して肌表面の体毛を剃るとともに、前記肌表面に接触する外刃を備える電気かみそりであって、
前記外刃は、前記外刃の延在方向に直交する方向に回転する筒状の回転外刃であることを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
請求項1に記載の電気かみそりであって、
前記外刃は、複数設けられており、
前記回転外刃は、複数の前記外刃のうちの少なくとも1つであるとともに、他の前記外刃よりも前記肌表面側に突出した状態で設けられることを特徴とする電気かみそり。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃は、前記肌表面に向かう方向に沿って移動することを特徴とする電気かみそり。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃の径は、前記外刃の延在方向に対して均一であることを特徴とする電気かみそり。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃の径は、前記外刃の延在方向に対して不均一であることを特徴とする電気かみそり。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃は、2つの第1回転外刃と第2回転外刃とを有し、
前記第1回転外刃は、前記第2回転外刃とともに前記外刃の剃り方向に対する逆方向に向かって回転することを特徴とする電気かみそり。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃は、2つの第1回転外刃と第2回転外刃とを有し、
前記第1回転外刃は、前記第2回転外刃と逆方向に回転することを特徴とする電気かみそり。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃は、前記回転外刃を貫通する複数の穴が形成されるネット状の筒状体であることを特徴とする電気かみそり。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の電気かみそりであって、
前記回転外刃は、前記回転外刃の外周に沿う溝が形成されるスリット状の筒状体であることを特徴とする電気かみそり。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−63231(P2013−63231A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204917(P2011−204917)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】