説明

電気スイッチ

【課題】電気負荷を切り替えるための改良されたスイッチを提供する。
【解決手段】第1の接触部材と、第2の接触部材と、移動可能なコンタクトブリッジとが配置された接触チャンバを含む、電気負荷を切り替えるためのスイッチ。前記接触チャンバが、取り付け支持部に配置されている。前記接触チャンバが、セラミック材料を含み、前記取り付け支持部が、プラスチック材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部(preamble)に係る、電気負荷を切り替えるためのスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
電気的接続を開閉(またはオン・オフ)するためのスイッチは従来技術において多くの構成が知られている。接触器(contactor)およびリレーが、高い電気負荷および非常に高い電気負荷を切り替えるために用いられている。この種のスイッチは、操作可能な温度、許容できる内圧、電気絶縁容量および耐アーク性に関して高い要件が設定される接触チャンバ(またはコンタクトチャンバ、contact chamber)を含む。
【0003】
従来、この種の接触チャンバは、製造および組み立てに関して利点をもたらすプラスチック材料により作られている。例えば、プラスチック材料の弾性特性は、プレスイン接続(press-in connection)または他の弾力性のある接続を作るのに用いることが可能である。しかしながら、プラスチック材料の耐熱性および電気絶縁容量は限定される。電気負荷を切断した場合に発生するアークによる火炎衝突(flame impingement)は、プラスチック材料表面の燃焼(酸化)をもたらし、絶縁抵抗を大きく損なう。
【0004】
別の選択肢は、スイッチの接触チャンバをセラミック材料から製造することを含む。この種の材料は、アーク火炎衝突に対して非常に好都合な耐久性を有し、とりわけ酸化を生じず、また非常に好都合な耐熱性も有する。しかしながら、セラミック材料は非常に低い弾性しか有せず、そしてこのことは、費用効率が高いプレスイン接続またはスナップイン接続(snap-in connection)が使えないことを意味する。高負荷スイッチにとって標準的であるように、接触チャンバを耐圧性のあるものとすることが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電気負荷を切り替え(またはスイッチング)するための改良されたスイッチを提供することである
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、電気負荷を切り替えるためのスイッチは、第1の接触部材と、第2の接触部材と、移動可能なコンタクトブリッジ(または接触ブリッジ、contact bridge)とが配置された接触チャンバ(contact chamber)を含む。一方、接触チャンバ自体は、取り付け支持部(または装着支持部、mounting support)に配置されている。接触チャンバはセラミック材料を含み、取り付け支持部はプラスチック材料を含んでいる。このスイッチでは、セラミック接触チャンバの高抵抗の利点が、プラスチック材料より作られた取り付け支持部の利点と組み合わされている。このことは好ましい電気特性と簡素な取り付けを提供する。
【0007】
コンタクトブリッジにとって、コンタクトブリッジが第1接触部材と2接触部材とを導電性を有して接続(または導電接続、conductively connect)している第1の位置と、第1の接触部材と第2の接触部材とが互いに電気的に絶縁されている第2の位置とに位置する(または着く)ことができることは好都合である。
【0008】
好ましくは、スイッチは、第1の位置と第2の位置との間でコンタクトブリッジを切り替えるように構成されたソレノイドアクチュエータを含む。好都合に、この種のソレノイドアクチュエータは、自動的に制御されてよく、また強い力を出すこともできる。
【0009】
とりわけ好ましくは、ソレノイドアクチュエータに電流が流れていない場合、接続ブリッジは第2の位置に位置する。好都合に、供給電圧が不足した場合、このようにスイッチは安全に開かれる。
【0010】
1つの実施形態では、第2の位置で、コンタクトブリッジは第1の接触部材および第2の接触部材と導電性を有した接触をしない。好都合に、この種の2重の遮断の(double-breaking)構成は、とりわけ安全である。
【0011】
スイッチの1つの実施形態によれば、接触チャンバは第1の開口部(aperture)と第2の開口部とを含む。この場合、第1の接触部材は第1の開口部を通って延在し、第2の接触部材は第2の開口部を通って延在する。さらに、取り付け支持部は第1の穴部(opening)と第2の穴部とを含む。第1の接触部材は、第1の穴部を通って延在し、第2の接触部材は第2の穴部を通り延在する。好都合に、このようにして接触部材は外部からアクセス可能である。
【0012】
好ましい実施形態では、スイッチは取り付け支持部と接触チャンバとが配置されたハウジングを含む。好都合に、ハウジングの形状は、スイッチの特定の意図した用途に適用させてよい。
【0013】
金属カップにとって、ハウジング内に提供されることは好都合である。この場合、取り付け支持部と接触チャンバとが該カップ内に配置される。
【0014】
とりわけ好ましくは、第1の接触部材と第2の接触部材とは、充填コンパウンド(または充填合成物、filling compound)を用いてハウジング内で固定される。好都合に、これは製造するのに費用効果の大きいスイッチの強固な配置(robust configuration)を与える。
【0015】
スイッチのある発展では、ハウジングは充填コンパウンドにより密閉される。好都合に、この場合、スイッチは大きい電気負荷を切り替えることができる。
【0016】
スイッチの1つの実施形態によれば、接触チャンバはベース部品(または基体部品、base part)とキャップとを含む。
【0017】
好ましくは、接触チャンバのベース部品は周辺プラグ(peripheral plug)を含み、接触チャンバのキャップは、周辺溝を含み、周辺溝は周辺プラグに係合している(または周辺プラグと噛み合っている、engaged with the plug)。好都合に、このようにして、電気負荷が切断された場合、蓄積する内圧が接触チャンバのベース部品から接触チャンバのキャップに迂回し、接触チャンバの壁の破壊を防止する。
【0018】
好ましくは、接触チャンバのベース部品および/またはキャップはインジェクションモールディングにより作られる。好都合に、これはスイッチの費用効果の高い構成を可能にする。
【0019】
スイッチのある発展では、接触チャンバと取り付け支持部との間に少なくとも1つの永久磁石が配置される。好都合に、ブローマグネット(または吹き消し磁石、blow magnet)としてのこの永久磁石は電気負荷の切断の際に発生するアークを吹き飛ばし、消滅させる。
【0020】
スイッチの好ましい構成では、少なくとも2つの永久磁石が接触チャンバと取り付け支持部との間に配置され、少なくとも2つの永久磁石は、少なくとも部分的に、中間壁により互いに分離されている。好都合に、これは永久磁石の挿入を容易にし、永久磁石の正確な位置決めを与える。
【0021】
スイッチの更に好ましい構成では、取り付け支持部は互いに平行な側壁が配置された円盤形状のベースプレート(または基板)を含んでいる。この場合、接触チャンバは、側壁の間に設けたチャンバ受容領域に配置される。好都合に、この場合、接触チャンバは弾性のあるスナップイン接続により取り付け支持部に保持することができる。
【0022】
以下に、図を用いて本発明をより詳細に説明する。図において同様の番号は、同様のまたは機能的に類似した部材に用いている
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、スイッチの斜視図である。
【図2】図2は、スイッチを通る第1の断面である。
【図3】図3は、スイッチを通る第2の断面である。
【図4】図4は、接触チャンバのベース部品の斜視図である。
【図5】図5は、接触チャンバのキャップの斜視図である。
【図6】図6は、取り付け支持部の斜視図である。
【図7】図7は、取り付け支持部および接触チャンバの分解図である。
【図8】図8は、組み立てられた場合の取り付け支持部と接触チャンバの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、電気負荷を切り替えるためのスイッチ100の斜視図である。スイッチ100は、またリレーまたは接触器と呼ばれてもよい。スイッチ100は、カバーディスク610を有するハウジング600を含む。ハウジング600とカバーディスク610とは、プラスチック材料または他の材料から成ってよい。
【0025】
第1の接触部材120と第2の接触部材130とは、カバーディスク610の2つの開口部を通って導かれる(guide)。第1の接触部材120と第2の接触部材130とは、例えば金属のような、導電材料(または導電性材料)からなり、例えば電気モータのような、切り替えられる電気負荷の電気接点と接続するように設けられている。
【0026】
スイッチ100は、第1の接触部材120と第2の接触部材130との間の電気的接続を開閉するように提供される。このようにして、スイッチ100は、例えば電気モータの電力供給を切り替えるのに用いてよい。スイッチ100が閉じている場合、例えば850Vよりも大きい電圧で100Aより大きいような、大電流が第1の接触部材120と第2の接触部材130との間を流れることができる。
【0027】
図2はスイッチ100を通る断面である。この場合、断面は第1の接触部材120と第2の接触部材130とを通り延在している。図3はスイッチ100を通る更なる断面図であり、スイッチは、第1の接触部材120と第2の接触部材130との間を通り、図2の面に垂直に延在している。
【0028】
スイッチ100のハウジング600は、実質的に中空の円筒(またはシリンダー)として形成され、一端が開口している。中空の円筒状のハウジング600の開口端は実質的に円盤状のカバーディスク610によりシールされている。カップ620がハウジング600の内部に配置され、カップ620もまた中空の円筒として形成され一端が開口している。カップ620は、従ってハウジング600の内側を覆っている(またはライニングしている)。カップ620は、例えば金属のような、導電材料から成り、ソレノイドアクチュエータ700の電磁的な逆流(electromagnetic reflux)を与える。端面において、カップ620とハウジング600との間に金属ディスク660を配置してよい。
【0029】
ハウジング600内でカップ620により囲まれた空間は、ハウジング600の長手方向において、実質的に2つに分割される。ソレノイドアクチュエータ700は、カバーディスク610によりシールされているハウジング600の開口部から離れた下部に配置されている。カップ620内のソレノイドアクチュエータ700のスペースを含む当該下部は、取り付け支持部400と接触チャンバ200とが配置された上部から円盤状のディスク640により分離されている。2つの部分を分離するディスク640は更にカップ620内の2つの部分を互いに電気的に絶縁する絶縁フィルム650を含んでよい。絶縁フィルム650は、例えばディスク640の取り付け支持部400と接触チャンバ200とに面した側に配置してもよい。
【0030】
第1の接触部材120および第2の接触部材130は、カバーディスク610の開口部を通り、取り付け支持部400のベースプレート440の第1の穴420および第2の穴430をそれぞれ通り、接触チャンバ200のベース部品210の第1の開口部240および第2の開口部250をそれぞれ通って互いに平行に延在し、接触チャンバ200内で終わる。第1の接触部材120は、従って、スイッチ100の外部からカバーディスク610の開口部と、取り付け支持部400の第1の穴420と、接触チャンバ200の第1の開口部240とを通り延在している。第2の接触部材130は、スイッチ100の外部からカバーディスク610の第2の開口部と、取り付け支持部400の第2の穴430と、接触チャンバ200の第2の開口部250とを通り延在している。
【0031】
コンタクトブリッジ140が、接触チャンバ200内で移動可能なように配置されている。コンタクトブリッジ140は、例えば金属のような、導電材料から成る。コンタクトブリッジ140は、例えば、平面的な直平行六面体(cuboid)のような形状であってよい。コンタクトブリッジ140は、第1の接触部材120と第2の接触部材130との電気的な接続を生ずるように、第1の接触部材120と第2の接触部材130とに同時に接触させることができるように移動可能に配置されている。コンタクトブリッジ140は、また、第1の接触部材120と第2の接触部材130との電気的な接続を遮断するように、第1の接触部材120と第2の接触部材130とから離れることができる。
【0032】
コンタクトブリッジ140を移動させるために、コンタクトブリッジ140は、実質的に円筒状に形成され、コンタクトブリッジ140の開口部を通って導かれている(またはガイドされている)ガイドロッド750に堅く接続されている。ガイドロッド750は、接触部材120、130およびハウジング600の延在する方向に平行に延在し、ハウジング600の長手方向の軸と整列している(または一直線になっている、align)。ガイドロッド750は、接触チャンバ200のキャップ300の穴320を通り、ディスク640および絶縁フィルム650の穴を通り、ソレノイドアクチュエータ700の領域内に延在する。
【0033】
ソレノイドアクチュエータ700は、巻線を有するコイル構造(coil form)710を含む。コイル構造710の巻線は、コイル構造710内に磁場を形成するように外部より電圧を負荷することが可能である。円筒殻(または円筒状のシェル)形状のガイドブッシング(bushing)720が、コイル構造710により囲まれた領域に配置されている。電機子(またはアーマチャ、armature)730が、ガイドブッシングの内側に移動可能に配置されている。電機子730は、中心孔(または中央の穴部、central hole)を含み、この中心孔を通りガイドロッド750がガイドされている。コンタクトブリッジ140から遠く離れたガイドロッド750の端部は電機子730に堅く接続されている。
【0034】
ゼンマイバネ(または平坦な渦巻ばね、flat spiral spring)として形成されたリターンスプリング740が、ディスク640と電機子730との間の領域でガイドロッド750の周囲に延在している。リターンスプリング740の第1の端部はディスク640により支持され、リターンスプリング740の第2の端部は電機子730により支持されている。接触チャンバ200内のコンタクトブリッジ140とキャップ300との間の領域では、ガイドロッド750が、これもまたゼンマイバネとして形成されたオーバーシュートスプリングを通り延在している。オーバーシュートスプリング760の第1の端部はコンタクトブリッジ140により支持され、オーバーシュートスプリング760の第2の端部は接触チャンバ200内のキャップ300により支持されている。リターンスプリング740とオーバーシュートスプリング760のバネ力(またはスプリング力、spring force)は、コイル構造710の巻線に電流が流れていない場合(即ち、ソレノイドアクチュエータ700内に磁場がない場合)、コンタクトブリッジ140を支持するガイドロッド750が、コンタクトブリッジ140が接触部材120と接触部材130とを相互接続させない位置にあるように設計される。スイッチ100は、従って、ソレノイドアクチュエータ700に電流が流れていない場合、開放されている。電圧がコイル構造710の巻線に負荷され、コイル構造710の巻線に電流が流れると、磁場がソレノイドアクチュエータ700内に形成され、コンタクトブリッジ140が第1の接触部材120と第2の接触部材130とに接触し、従ってスイッチ100が閉じるまで、リターンスプリング740により生ずる力に反して、ガイドロッド750をソレノイドアクチュエータ700の外に押し出し、さらには接触チャンバ200に押し込む力をガイドロッド750に与える。コイル構造710の巻線からの供給電圧が停止すると、すなわちソレノイドアクチュエータ700内の磁場がなくなると、リターンスプリング740はコンタクトブリッジ140を再び接触部材120および接触部材130から離し、スイッチ100を開く。
【0035】
図2は、ハウジング600のカバーディスク610と、取り付け支持部400のベースプレート440との間に配置されたハウジング600内の領域が、充填コンパウンドにより満たされて(または充填されて)いるのを示す。充填コンパウンド630は、例えばエポキシ樹脂であってよい。充填コンパウンド630は、一方で第1の接触部材120および第2の接触部材130を固定し、他方で、ハウジング600を外部からシールする。図3では、充填コンパウンド630は、まだ充填されていない。
【0036】
スイッチ100では、接触チャンバ200と取り付け支持部400の配置はとりわけ有用である。これについては、以下の記載でより詳細に説明する。
【0037】
図4は、接触チャンバ200のベース部品210の斜視図である。ベース部品210は、概ね空洞の直平行四面体(立方形、cuboid)またはボウル(trough)の形状であり、1つの側面が開いている(または開口している)。ベース部品210は、例えば酸化チタンまたは酸化アルミニウムをベースとする材料のような、セラミック材料から(好ましくは、インジェクションモールディングにより)作られる。セラミック材料は、高温およびアークによる火炎衝突に対して敏感でない、酸化しない、および優れた電気絶縁特性を有するという利点を与える。ベース部品210の開口部は周辺プラグ220を有する。例えばそれぞれに3つの凹部(または窪み)230のような、複数の凹部230が、ベース部品210の2つの互いに平行な長辺側の外壁に配置されている。凹部230は、以下に説明するブローマグネット500を受容するように設けられている。接触チャンバ200のベース部品210の開口部に対向するベース部品210の壁面は、第1の開口部240と第2の開口部250とを含み、この第1の開口部240と第2の開口部250とを通って第1の接触部材120と第2の接触部材130とがガイドされる。これは図4には図示できない。
【0038】
図5は、接触チャンバ200のキャップ300の斜視図である。キャップ300も、またセラミック材料から作られ、好ましくはインジェクションモールディングにより形成される。キャップ300は、好都合には、接触チャンバ200のベース部品210と同じセラミック材料から成る。キャップ300は、略矩形に形成され、接触チャンバ200のベース部品210をシール可能なサイズを有する。この目的のために、キャップ300は、キャップ300がベース部品210の上に配置された場合、ベース部品210の周辺プラグに係合可能(または噛み合うことが可能)な周辺溝310を含む。プラグ220と溝310とは、大気圧と比べて増加した接触チャンバ200内の圧力が、プラグ220と溝310とを介してキャップ300に伝わる力をベース部品210の外壁に働かせ、ベース部品210の損傷を防止するように形成される。キャップ300は、更に穴320を含み、この穴320を通りガイドロッド750がガイドされる。
【0039】
図6は、取り付け支持部400の斜視図である。取り付け支持部400は、例えば一般的な電気に関するエンジニアリングプラスチック材料のような、プラスチック材料から作られる。取り付け支持部400は、スイッチ100内の接触チャンバ200を受領し、かつ取り付ける(または搭載する、mount)するために用いられる。プラスチック材料の使用は、プラスチック材料の弾性特性を用い、接触チャンバ200を取り付け支持部400に固定し、かつ取り付け支持部400をスイッチ100内に固定できるという利点を与える。例えば、これらはプレスイン接続またはスナップイン接続を用いて固定してもよい。
【0040】
取り付け支持部400は、これらを通り第1の接触部材120および第2の接触部材130がガイドされる、第1の穴420および第2の穴430が配置された上述の略円盤状のベースプレート440を含む。2つの側壁450は、互いに平行でかつベースプレート440に略垂直になるようにベースプレート440に配置される。これは穴420、430の上部でかつ2つの側壁450の間に位置するチャンバ受容領域460を形成する。ベース部品210とキャップ300とから成る接触チャンバ200は、接触チャンバ200の第1の開口部240が取り付け支持部400の第1の穴420の上部に配置され、接触チャンバ200の第2の開口部250が取り付け支持部400の第2の穴430の上部に位置するようにチャンバ受容領域460に挿入することができる。凹部230を含む、接触チャンバ200の外壁は、従って取り付け支持部400の側壁450の方を向いている。側壁450はそれぞれ、それぞれがベース部品210の凹部230に隣接する複数のマグネットチャンバ410を含んでいる。図示した例では、側壁450のそれぞれが、3つのマグネットチャンバ410を含む。複数のブローマグネット500を、マグネットチャンバ410と凹部230とにより、接触チャンバ200と取り付け支持部400との間に形成された空洞に挿入することができる。図示して例では、6つのブローマグネット500を挿入することができる。
【0041】
図7は、接触チャンバ200のベース部品210が取り付け支持部400の受容領域460に挿入されているのを示す分解図である。6つのブローマグネット500が、凹部230とマグネットチャンバ410とにより、取り付け支持部400とベース部品210との間に形成された空洞に挿入されている。キャップ300は、接触チャンバ200のベース部品210をシール(または密封)している。図8は、組み立てられた場合の接触チャンバ200と取り付け支持部400とブローマグネット500を示す。
【0042】
スイッチ100が開いている場合、すなわちコンタクトブリッジ140が第1の接触部材120と第2の接触部材130とから離されている場合、スイッチ100を通って流れ得る大電流は、接触チャンバ200の内部で形成されるアークを生じ得る。これは、とりわけスイッチ100が誘導負荷を切り替えるために用いられた場合に当てはまる。この種のアークは、接触チャンバ200内に、例えば10,000Kのような極めて高い温度および圧力の爆発的な上昇を伴い得る。接触チャンバ200へのセラミック材料の使用は、接触チャンバ200が酸化されない、またはアークおよび高温により損傷しないという利点を与える。セラミック材料の高抵抗と、プラグ220および溝310を有するベース部品210およびキャップ300の構成とは、接触チャンバ200もまた圧力の大きさ上昇に対して敏感でないことを意味する。充填コンパウンド630はスイッチ100を外部よりシールする。
【0043】
ブローマグネット500は、永久磁石として形成され、スイッチ100を開いた際に発生する如何なるアークもブローマグネット500により発生した磁場により回転させ、従って急速に消滅させる。別の実施形態では、永久磁石の代わりに、電磁石をブローマグネット500として用いてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接触部材(120)と、第2の接触部材(130)と、移動可能なコンタクトブリッジ(140)とが配置された接触チャンバ(200)を含み、該接触チャンバ(200)が、取り付け支持部(400)に配置された、電気負荷を切り替えるためのスイッチ(100)であって、
前記接触チャンバ(200)がセラミック材料を含み、前記取り付け支持部(400)がプラスチック材料を含むことを特徴とするスイッチ(100)。
【請求項2】
前記コンタクトブリッジ(140)が、前記第1の接触部材(120)と前記第2の接触部材(130)とを導電性を有して接続する第1の位置に位置することができ、
かつ、前記コンタクトブリッジ(140)が、前記第1の接触部材(120)と前記第2の接触部材(130)とが互いに電気的に絶縁されている第2の位置に位置することができることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ(100)。
【請求項3】
スイッチ(100)が、前記コンタクトブリッジ(140)を前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り替えるように構成されたソレノイドアクチュエータ(700)を含むことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ(100)。
【請求項4】
前記ソレノイドアクチュエータ(700)に電流が流れていない場合、前記コンタクトブリッジ(140)が、前記第2の位置に位置する請求項3に記載のスイッチ(100)。
【請求項5】
前記コンタクトブリッジ(140)が、前記第2の位置において、前記第1の接触部材(120)および前記第2の接触部材(130)と導電性を有して接続されないことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のスイッチ(100)。
【請求項6】
前記接触チャンバ(200)が第1の開口部(240)と第2の開口部(250)とを含み、前記第1の接触部材(120)が該第1の開口部(240)を通って延在し、前記第2の接触部材(130)が該第2の開口部(250)を通って延在し、
前記取り付け支持部(400)が第1の穴(420)と第2の穴(430)とを含み、前記第1の接触部材(120)が該第1の穴(420)を通って延在し、前記第2の接触部材(130)が該第2の穴(430)を通って延在していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスイッチ(100)。
【請求項7】
スイッチ(100)が、ハウジング(600)を含み、前記取り付け支持部(400)と前記接触チャンバ(200)とが該ハウジング(600)内に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスイッチ(100)。
【請求項8】
金属カップ(620)が前記ハウジング(600)に配置され、前記取り付け支持部(400)と接触チャンバ(200)とが該金属カップ(620)内に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチ(100)。
【請求項9】
前記第1の接触部材(120)と前記第2の接触部材(130)とが、充填コンパウンド(630)を用いて前記ハウジング(600)内に固定されていることを特徴とする請求項7または8に記載のスイッチ(100)。
【請求項10】
前記ハウジング(600)が、前記充填コンパウンド(630)により密閉されていることを特徴とする請求項9に記載のスイッチ(100)。
【請求項11】
前記接触チャンバ(200)が、ベース部品(210)とキャップ(300)とを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスイッチ(100)。
【請求項12】
前記接触チャンバ(200)の前記ベース部品(210)が、周辺プラグ(220)を含み、前記接触チャンバ(200)の前記キャップ(300)が、該周辺プラグ(220)に係合する周辺溝(310)を含むことを特徴とする請求項11に記載のスイッチ(100)。
【請求項13】
前記接触チャンバ(100)の前記ベース部品(210)および/または前記キャップ(300)が、インジェクションモールディングにより作られることを特徴とする請求項11または12に記載のスイッチ(100)。
【請求項14】
前記接触チャンバ(200)と前記取り付け支持部(400)との間に、少なくとも1つの永久磁石(500)が配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のスイッチ(100)。
【請求項15】
前記接触チャンバ(200)と前記取り付け支持部(400)との間に、少なくとも2つの永久磁石(500)が配置され、該永久磁石(500)が中間壁により少なくとも部分的に互いに分離されていることを特徴とする請求項14に記載のスイッチ(100)。
【請求項16】
前記取り付け支持部(400)が、2つの互いに平行な側壁(450)が配置された円盤状のベースプレート(440)を含み、
前記接触チャンバ(200)が、該側壁(450)の間に配置されたチャンバ受容領域(460)に配置されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のスイッチ(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−113974(P2011−113974A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−259656(P2010−259656)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(501090342)タイコ エレクトロニクス アンプ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハウツンク (65)