説明

電気ソレノイドの水分排出膜

【課題】
内部汚染物質をソレノイドから排出することができる排気アセンブリを提供する。
【解決手段】
排気アセンブリは、ガスケットと排気口支持体との間に配置される通気膜を含む。支持体は可変の直径を有することができる。排気アセンブリは、ソレノイドの嵌め蓋を介してソレノイドに装着され、嵌め蓋はガスケットの開口に位置合わせされる排気口を含み、且つガスケットを捕捉する段つき穴を含む。排気アセンブリは、通気膜を通してソレノイドから汚染物質を排出することができる。排気アセンブリはまた、射出形成を用いることなく、通気膜の近傍から汚染物質がソレノイドに侵入するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して電気機械式システムに関し、特に電気機械式ソレノイドに使用するのに適する排気アセンブリに関する。一実施例において、本発明の方法及びシステムを利用することにより、ソレノイド内部から水蒸気及びその他大気ガス等の汚染物質を取り除き、従ってソレノイドの内部表面上の濃縮汚染物を取り除くことができる。
【背景技術】
【0002】
電気機械式ソレノイドは多くの用途に使用される。ソレノイドはインダクタであり、普通、コイルによって取り囲まれるシリンダー状コア又はドーナツ形コアにより構成される。コアは、コイルを流れる電流によって生じる磁界に応答して軸方向に変位する。コアは、磁気がコアを完全に通過することができ、エアと対峙する位置にまで吸引される。ソレノイドは、取り付け装置を線形動作させるために一般的に使用される。ソレノイドは、例えば自動車、資材運搬、船舶、発電機、及び芝生/庭園用途に使用することができる火花点火及び圧縮点火式エンジン始動モータに広く使用される。
【0003】
ソレノイドは、その構造及び動作の点で、外部汚染物質の侵入による誤動作を起こし易い。更に、水蒸気及び他の大気ガスのような内部汚染物質は、そのまま蓄積させておくとソレノイドの動作に悪影響を及ぼす。例えば、ソレノイドの内部表面の上に水が凝縮すると、ソレノイドの内部部品が酸化する。凝縮によって内部部品の上に氷も形成される。従って、ソレノイドは、外部汚染物質からの十分な保護を実現すると同時に、内部汚染物質の蓄積量を最小化するように設計する必要がある。
【0004】
汚染物質による悪影響に対処するために、従来のソレノイドの多くは、境界部品の周りにエアギャップを含む。更に、従来のソレノイドは小さな直径の吸引チューブ、及びソレノイド部品の外壁に成形加工された金属除去排気口を挿入物として含む場合がある。排気口の近傍から液体が侵入するのを防止し、更に排気口が外れるのを防止するために、射出成形が使用されている。
【特許文献1】米国特許第6633099号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のソレノイド構成は幾つかの点で不具合を有する。通常のソレノイド構成は、内部蒸気を逃がす効果的で柔軟性のある手段を提供しない。排水管は、例えばソレノイドを外部汚染物質の侵入に対して脆弱にしてしまう。排水管はまた、ソレノイドの底部に位置する場合にのみ効果的である場合が多いという点で限界がある。更に、従来の構成では、蒸気の搬送量を効果的に制御することができず、且つ外部汚染物質の侵入を防止することができない。更に、インサート成形はコストが非常に高く、且つ限られた排気口材料にしか適さない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による製造方法、システム、及び製品は、上述の問題及び/又は他の問題を解決することができる。本発明の実施形態は、内部汚染物質をソレノイドから効果的に排出することができるようにすることによりソレノイドを改良する。本発明の実施形態は、ソレノイドから蒸気を排出することができ、且つ排気口の近傍からの外部汚染物質の侵入を防止できる排気口を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明によれば、排気アセンブリは電気機械式ソレノイドに使用することができる。排気アセンブリは、ソレノイドの蓋の排気開口に位置合わせされる開口を有するガスケットを含むことができる。ガスケットはソレノイドの蓋の段つき穴を介してソレノイドに装着することができる。排気アセンブリはまた、複数の支持体セクションを含むことができる排気口支持体を含むことができる。通気膜をガスケットと排気口支持体との間に配置することにより、汚染物質がソレノイドの内部からガスケットの開口を透過して外部大気に達することができる。
【0008】
本発明によれば、排気口支持体は通気膜を支持することができ、且つソレノイドに装着されると通気膜に至る内部排気通路ともなる。排気口支持体は複数の排気口支持体セクションを備えることができ、これらのセクションが一緒になって通気膜の周縁枠を形成し、且つ排気通路となるような形状を有する。更に、排気口支持体は可変の直径を有する支持体を含むことができ、この支持体は複数の可動支持体セクションを備える。可変の直径を有する排気口支持体は、ガスケットの内径よりも大きく、且つガスケットを嵌め込む段つき穴の内径よりも大きい第1の直径からガスケットの内径よりも小さい第2の直径に変化することができる。
【0009】
これまでの背景技術の説明及び要約は、包括的なものではなく、この技術分野の当業者を対象に、請求の範囲に定義される本発明による後述の実施形態に対する理解の援助となることを目的としている。更に、上述の背景技術及び発明の開示の部分は、ここに特許請求される発明に特定の制限を課すものではない。
【実施例】
【0010】
添付の図面は本発明による実施形態の特徴を示し、後述の対応する説明と共に本発明に関する原理の説明を容易にするものである。
後述では、添付の図を参照し、これらの図では、特に別途説明がない限り、異なる図における同じ番号は同様の構成要素を指す。後述に示される実施形態は、ここに特許請求される発明による全ての実施形態を表わしている訳ではない。そうではなく、これらは、本発明によるシステム及び方法の幾つかの実施例であるに過ぎない。他の実施形態が使用可能であり、且つ構造上の変更及びプロセス上の変更を本発明の技術範囲から逸脱しない範囲において加え得る。
【0011】
図1は本発明による例示的ソレノイドアセンブリ100を示す図である。ソレノイドアセンブリ100はソレノイド110及び排気アセンブリ150を含むことができる。ソレノイド110に取り付けられると、排気アセンブリ150は内部汚染物質(例えば水蒸気)をソレノイド110から排出することができ、同時に外部汚染物質がソレノイド110に侵入するのを防止することができる。
【0012】
ソレノイド110は、ハウジング120に固定される一つ以上の端子又はコンタクト(例えば、端子112、114、及び116)を含むことができる。これらの端子は、例えばモータ、電圧源、及びスイッチの電気接続ポイントとなる。ハウジング120は、ソレノイド110のフレームとなり、機械加工された真ちゅう、青銅、サーモプラスト、ステンレス鋼、ニッケルメッキされた真ちゅう、及びニッケルメッキされた青銅等の種々の材料により作製することができる。ハウジング120内では、ソレノイド110は一つ以上の送電コイル(例えば、プルインコイル130及びホールドインコイル135)を含むことができる。これらのコイルは、この技術分野では公知のいずれの導電材料を含むこともできる。ソレノイド110は、シリンダー状ケーシング又はドーナツ形ケーシング145の内部に位置するアーマチュア又はプランジャー140を含むこともでき、このケーシングはコイルに電圧が印加されると軸方向にシフトする。プランジャー140は、ソレノイドを使用する特定のデバイス、例えばスタータアセンブリと係合するように構成することができる。プランジャー140は、この技術分野で公知のあらゆる適切な強磁性材料、例えば鉄を含むこともできる。プランジャー140及びケーシング145は、これらの2つの部品の間の摩擦が最小になるように構成される。一実施例では、ガラス入りナイロン及び真ちゅうをケーシング145に使用し、プランジャー140を低摩擦のメッキ材料(例えばニッケル)でコーティングすることができる。ソレノイド110は嵌め蓋160を含むこともできる。嵌め蓋160は、排気アセンブリ150に対応する排気開口170を含むことができる。本発明によれば、嵌め蓋160によって排気アセンブリ150をソレノイド110に固定することができる。ソレノイド110の部品の数は本発明では重要でなく、部品構成の数を他の数に変えることができる。また、ソレノイド110から、図示した部品の一部を排除することができ、及び/又は種々のシール、バネ、バルブ、ピンなどのようなこの技術分野において公知の追加部品又は種々の部品を含むことができる。更に、ソレノイド及び関連スタータモータは図6に示すように従来の構成で配置することができる、又は同軸アセンブリとすることができ、この例は特許文献1に示されている。
【0013】
排気アセンブリ150によって、内部汚染物質(例えば水蒸気)をソレノイド110から排出することができる。排気アセンブリ150はまた、インサート成形を使用することなく、外部汚染物質が排気アセンブリ150の近傍からソレノイド110に侵入するのを防止することもできる。図2は、本発明による排気アセンブリ150の例示的実施形態を示している。図示された実施形態では、排気アセンブリ150は排気口210、ガスケット220、及び支持体230を備えることができる。図3は排気アセンブリ150の断面図である。排気アセンブリ150の特定の形状及びサイズは、アセンブリが使用され用途に必要な条件に基づいて選択することができる。一実施例として、排気アセンブリ150は長さ14.9mm、直径12.0mmとすることができる。
【0014】
排気口210は、水蒸気及び他の大気ガスが透過できる膜とすることができる。本発明によれば、排気口210は内部汚染物質をソレノイド110から排出させることができるフィルタとして機能することができる。排気口210は、金属繊維等のあらゆる適切な材料からなる微多孔質膜を含むことができる。例えば、排気口210は、Porvair plc社製の焼結金属繊維材により作製することができる。排気口210の特定の材料、物理的サイズ及び形状、及び孔サイズは、特定の用途に所望の蒸気輸送量及び液体侵入に対する防止性能に基づいて選択することができる。特定の一構成では、排気口210は、直径9.87mm及び厚さ0.34mmの円形とすることができる。更に、排気口210は、例えば、排気口を挟んだ25インチ水(6.22KPa)の圧力差を有し、最小5リットル/分及び最大25リットル/分の空気流量、維持することができる。排気口210は、例えば垂直方向の20インチ(508mm)の水柱の静水圧に、排気口210又はその周辺からのリークを生じることなく15分間耐えることができるように構成することもできる。本発明によれば、排気口210はガスケット220と支持体230との間に配置される。
【0015】
ガスケット220は排気口210を固定し、更に外部汚染物質(例えば液体水)がソレノイド110に侵入するのを防止するように機能することができる。一部の実施形態では、ガスケット220は熱可塑性エラストマー(TPE)材料により作製される。しかしながら、ガスケット220の特定の材料及び物理的寸法は、排気口210及び他の用途条件に基づいて選択することができる。このような条件には、圧縮及び密封特性、形状保持特性、引裂耐性、摩擦係数などが含まれる。特定の一実施形態では、ガスケット220は円形とし、Santoprene(登録商標)製のゴムにより作製することができ、直径12.0mm、壁厚1.85mmとすることができる。
【0016】
図2に示すように、ガスケット220はその中心に開口を含むことができ、この開口はソレノイド110の嵌め蓋160の排気開口170の位置に合わせる。このガスケット開口は水蒸気及び大気ガスがソレノイドを出て(排気口210を通して)外部の大気に達することができる通路となる。本発明によれば、ガスケット220は排気アセンブリ210をソレノイド110の嵌め蓋160に固定することができる。
【0017】
図4は嵌め蓋160の例示的実施形態の断面図を示している。例示された実施形態では、嵌め蓋160の排気開口170は段つき穴410を含む。排気開口170はガスケット220の中心の開口に位置合わせされ、ガスケット220に対応する形状を有する。排気開口170の段つき穴410はガスケット220を捕捉し、排気アセンブリ150をソレノイド110の内部に固定することができる。本発明によれば、段つき穴410と、ガスケット220を排気開口170の内部に向かって押し込む操作とによって、外部汚染物質が排気アセンブリ150の排気口210近傍からソレノイド110に侵入することが、射出成形を使用することなく防止される。
【0018】
図2及び3に戻ると、排気アセンブリ150の支持体230は、排気口210の支持体又は周縁枠となり、排気アセンブリ150全体の構造上の統合性を実現する。支持体230は熱可塑性材料により作製することができるが、実施形態及び用途に必要な条件に応じて他の適切な材料を使用することができる。本発明によれば、支持体230は可変の直径を有することができる。図5に示すように、支持体230は、支持体230の直径を変えることができる3つの可動フィンガー又は可撓性フィンガー(510、512、及び514)を含むことができる。これらのフィンガーは支持体230を貫通する中心軸から等距離に配置できる。一実施例では、フィンガー510、512、及び514はバネで付勢することができる。フィンガー510、512、及び514は、緩んだ状態で、小さな(例えば2〜3mm)隙間(511、513、及び515)がフィンガー510、512、及び514の隣接端の間に生じるように配置することができる。3つのフィンガーセクションの各々の端部は、支持体230の中心からその周辺に向かって形成されるラインからずれた角度に向くように設けることができる。フィンガー510、512、及び514の上部は周縁枠を形成して排気口210を支持することができる。更に、フィンガー510、512、及び514の内部は一つ以上の突出部530を含むことができ、これらの突出部は、排気口210が、ソレノイド110に装着される前に、支持体230の内径を滑り落ちることを防ぐ。
【0019】
支持体230の直径を可変とすることにより幾つかの利点が得られる。例えば、固定の直径を有する支持体をガスケット220の内径に圧入するときにガスケット220の壁が壊れる潜在的問題を排除することができる。更に、フィンガー510、512、及び514がガスケット220を外側に引っ張る力によって、出荷及び運搬中に、且つソレノイドに挿入する前に、ガスケットを正規の位置に保持することができる。また、ガスケットを外側に引っ張る力を利用して排気アセンブリ150を嵌め蓋160に収容し、嵌め蓋160がソレノイド110に装着されるまで排気アセンブリを正規の位置に保持することができる。更に、支持体230は、フィンガー510、512、及び514が、開いている状態又は緩んだ状態で、嵌め蓋160の段つき穴410の内径よりも大きくなることができるように構成することができる。これによって、ガスケット220が正規の位置に配置されていない状態では排気アセンブリ150が嵌め蓋160に挿入されないことが保証される。
【0020】
支持体230のこれらのフィンガーは図示された「T」形に限定されず、且つ支持体230は図示された数のフィンガーよりも多いか、又は少ないフィンガーを含むことができる。他の適切な可撓性支持構造を本発明に使用することもできる。更に、支持体230の可変直径特性を持たない他の適切な剛性支持構造を、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲で使用することができる。
【0021】
排気アセンブリ150は例示であり、本発明を限定するものではない。円形及びシリンダー形として示しているが、排気口210、ガスケット220、及び支持体230の形状及びサイズは用途に応じて変えることができる。更に、ガスケット220及び支持体230は同じ材料により形成することができ、さらには単体部品とすることも可能である。
【0022】
図6は本発明による例示的システム600を示している。システム600は、例えばソレノイドを線形作動に使用する任意の電気機械式システムを表わす。本発明の非限定的実施例として、自動車、資材運搬、船舶、発電機、及び芝生/庭園システム及びサブシステムを挙げることができる。図示された例では、システム600は、エンジン610、電源620、及びスタータアセンブリ630を備えることができる。図示された部品群は電荷輸送媒体の任意の組合せによって接続することができる。システム600の部品の数は図示された数に限定されず、且つ本発明に従って部品群の数を変えた構成の他の変形例を使用することができる。更に、実施形態に応じて、システム600の構成要素は図示された部品群の一部を排除すること、及び/又は図示されていない追加部品郡又は変形部品群を含むか、又はそれらに接続することができる。
【0023】
エンジン610は、例えば自動車、資材運搬機器、船舶、発電機、及び芝生/庭園器具などへの使用に適する火花点火式(例えばガス燃焼)内燃エンジン又は圧縮点火式(例えばディーゼル燃焼)内燃エンジンを含むことができる。電源620は、電気エネルギーを保存及び/又は生成する機能を備える任意の機構を含むことができる。電源620は、例えば、DC電圧を生成する直列接続された一つ以上の化学電池、及び/又はウルトラキャパシタを含むことができる。電源620は、スターター630が必要とする条件に合った大きさの電圧、例えば12Vを供給することができる。スターター630は、機械力(例えば回転運動)によりエンジンをクランクする機能を備えるいずれの装置、機構、又はマシーンも含むことができる。スターター630は、一構成において、従来の火花点火式スタータモータ又は内燃点火式スタータモータ640及びソレノイド650を含むことができる。上術のように、ソレノイド650及び関連スタータモータ640は、図6に示すように従来の構成とすることができるか、又は同軸アセンブリとすることができ、同軸アセンブリの例は特許文献1に示されている。
【0024】
ソレノイド650は、図1に関連して上に記載したソレノイド110と同様の構造とすることができる。動作状態では、送電コイルはソレノイド650のプランジャー(図示せず)をシフトさせることができ、それにより可動コンタクトが電源630及びスタータモータ640に接続される固定電気コンタクトと係合する。このようなプランジャーの移動によって、ピニオン660がエンジンフライホイール670と係合する。
【0025】
本発明によれば、排気アセンブリ150はソレノイド650に接続することができる。排気アセンブリ150によって、内部汚染物質を排気アセンブリ150から排出し、それと同時に外部汚染物質が排気アセンブリ150近傍からソレノイド650に侵入するのを防止することができる。排気アセンブリ150は射出成形を使用することなくこれらの機能を提供することができる。
【0026】
図7は、本発明による排気アセンブリ150を組み立てて装着する例示的方法700を示すフローチャートである。組み立て前に、フィンガー510、512、及び514をバネ力で開くことにより、排気アセンブリ150の支持体230を緩めた状態とすることができる。組み立て方法700は、支持体の軸に沿って支持体230に圧力を加え(すなわち支持体を押し込む)、よってフィンガー510、512、及び514を互いに近接させるか、又は接触させる(ステップ710)ことから開始する。この時点では、支持体230の上部の外径はガスケット220の内径よりも短い。次に、排気口210をガスケット220内に配置する(ステップ720)。排気口210をガスケット220に配置した後、支持体230をガスケット220に挿入し、フィンガー510、512、及び514に加えていた張力を解放する(ステップ730)。フィンガー510、512、及び514が形成する支持体230の外周は、張力の解放に応答してバネ力により外側に広がってガスケット220及び排気口210を正規の位置に固く保持する。
【0027】
組み立てが終了したら、ソレノイド110又は650の嵌め蓋160に排気アセンブリ150を装着することができる(ステップ740)。上述したように、支持フィンガーの内側部分の突出部は、排気口210が嵌め蓋160に固定される前に支持体230の内径を通って抜け落ちることを防止することができる。さらに上述のように、開いている状態又は緩んだ状態の支持フィンガーが作る径を、嵌め蓋160の段つき穴410の内径よりも大きくすることができ、よってガスケット220が無い状態で嵌め蓋160に排気アセンブリ150を挿入することはできない。排気アセンブリを嵌め蓋160に装着した後、嵌め蓋をソレノイド110に組み込むことができる(ステップ750)。
【0028】
図7は本発明の例示的実施形態に基づいたものである。図7に記載するイベントシーケンスは例示であり、本発明を限定するものではない。従って、他のステップを使用することができ、図7に示す方法に関しても、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲において複数のイベントの順番を変えることができる。また、一部のステップを設けず、追加のステップを方法700に用いることができる。更に、図7の各段階を、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲において重複させる、及び/又は変更することができることを理解されたい。
【0029】
本発明による実施可能な実施形態に関するこれまでの記述は、そのような実施形態の全て、又は上述の実施形態の変形例の全てを包括的に列挙したものではない。上述は一部の実施形態のみに関する記述であって、これは他の実施形態の排除を意図するものではない。当業者であれば、請求の範囲に示す技術範囲から逸脱しない等価物及び代替物を使用して、他の多くの方法で請求の範囲に記載される発明を実施する方法を理解するであろう。更に、上述で特に言及していない限り、実施形態に記載した構成要素はいずれも本発明に必須ではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による例示的ソレノイドアセンブリを示す。
【図2】本発明による例示的排気アセンブリを示す。
【図3】本発明による例示的排気アセンブリの断面図を示す。
【図4】本発明による例示的嵌め蓋の断面図を示す。
【図5】本発明による排気アセンブリの特定の構成を示す。
【図6】本発明を適用することができる例示的システムを示す。
【図7】本発明による例示的方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
100 ソレノイドアセンブリ
110 ソレノイド
112、114、116 端子
120 ハウジング
130、135 コイル
140 プランジャー
145 ケーシング
150 排気アセンブリ
160 嵌め蓋
170 排気開口
210 排気口
220 ガスケット
230 支持体
410 段つき穴
510、512、514 フィンガー
511、513、515 フィンガー間の隙間
530 突出部
600 例示的システム
610 エンジン
620 電源
630 スタータアセンブリ
640 スタータモータ
650 ソレノイド
660 ピニオン
670 エンジンフライホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動コアの周りに巻き付く導電体を含むハウジング、
ハウジングに接続され、排気開口及び段つき穴を含む嵌め蓋、及び
内部汚染物質をハウジングから排出することができる排気アセンブリ
を備えたソレノイドアセンブリであって、排気アセンブリが、
排気開口に位置合わせされ、且つ嵌め蓋の段つき穴に捕捉される開口を有するガスケット、
複数の支持体セクションを含む排気口支持体、及び
ガスケットと支持体との間に配置され、内部汚染物質がハウジングの内部からガスケットの開口を通って外部大気に透過することを可能にする通気膜
を含み、排気口支持体セクションが、これらのセクションが一緒になって通気膜の周縁枠を形成し、且つ通気膜の排気通路となるような形状を有する、ソレノイドアセンブリ。
【請求項2】
ガスケットが円形のゴム製ガスケットを含む、請求項1記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項3】
通気膜が微多孔質の通気膜を含む、請求項1記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項4】
排気口支持体の支持体セクションがT字形である、請求項1記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項5】
排気口支持体がシリンダー形であり、排気口支持体の中心軸に沿った圧縮力に応答して支持体セクションが屈曲することにより、支持体セクションの直径が変化する、請求項1記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項6】
可変の直径は、ガスケットの内径よりも大きく、且つ段つき穴の内径よりも大きい第1の直径から、ガスケットの内径よりも小さい第2の直径に変化する、請求項5記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項7】
排気アセンブリのガスケットが嵌め蓋の段つき穴に捕捉されることにより、通気膜の近傍から外部汚染物質がソレノイドハウジングへ侵入することが防止される、請求項1記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項8】
排気アセンブリのガスケットが、射出成形を用いることなく嵌め蓋の段つき穴に捕捉されることにより、通気膜の近傍から外部汚染物質がソレノイドハウジングへ侵入することが防止される、請求項7記載のソレノイドアセンブリ。
【請求項9】
電気機械式ソレノイドに用いる排気アセンブリであって、
ソレノイドの蓋の排気開口に位置合わせされる開口を有し、蓋の段つき穴を介してソレノイドに装着される構成のガスケット、
複数の支持体セクションを含む排気口支持体、及び
ガスケットと排気口支持体との間に配置され、汚染物質がソレノイドの内部からガスケットの開口を通って外部大気へと透過することを可能にする通気膜
を含み、排気口支持体セクションは、これらのセクションが一緒になって通気膜の周縁枠を形成し、且つ通気膜の排気通路となるような形状を有する、排気アセンブリ。
【請求項10】
ガスケットが円形のゴム製ガスケットを含む、請求項9記載の排気アセンブリ。
【請求項11】
通気膜が微多孔質の通気膜を含む、請求項9記載の排気アセンブリ。
【請求項12】
排気口支持体の支持体セクションがT字形である、請求項9記載の排気アセンブリ。
【請求項13】
排気口支持体は可変の直径を有する排気口支持体を含む、請求項9記載の排気アセンブリ。
【請求項14】
排気口支持体の中心軸に沿った圧縮力に応答して排気口支持体の支持体セクションが屈曲することにより、支持体セクションの直径が変化する、請求項13記載の排気アセンブリ。
【請求項15】
可変の直径を有する排気口支持体が、ガスケットの内径よりも大きく、且つ段つき穴の内径よりも大きい第1の直径からガスケットの内径よりも小さい第2の直径に変化する、請求項13記載の排気アセンブリ。
【請求項16】
排気アセンブリのガスケットが段つき穴に捕捉されることにより、通気膜の近傍から外部汚染物質がソレノイドへ侵入することが防止される、請求項9記載の排気アセンブリ。
【請求項17】
排気アセンブリのガスケットが、射出成形を用いることなく段つき穴に捕捉されることにより、通気膜の近傍から外部汚染物質がソレノイドへ侵入することが防止される、請求項16記載の排気アセンブリ。
【請求項18】
汚染物質をソレノイドの内部から外部大気に透過させることができる排気手段、
排気手段をソレノイドに固定し、排気手段の近傍から外部汚染物質がソレノイドに侵入するのを防止する密閉手段、及び
排気手段を支持し、且つソレノイドに装着されると排気手段に至る内部排気通路となる支持手段
を備える排気アセンブリ。
【請求項19】
更に、支持手段の直径を変える手段を備える、請求項18記載の排気アセンブリ。
【請求項20】
直径を変える手段は複数の可動支持手段を含む、請求項19記載の排気アセンブリ。
【請求項21】
直径を変える手段は、密閉手段の内径よりも大きく、且つ密閉手段を嵌め込むソレノイドの段つき穴の内径よりも大きい第1の直径から密閉手段の内径よりも小さい第2の直径に直径を変化させる、請求項19記載の排気アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−86518(P2006−86518A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−238363(P2005−238363)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(505313955)レミィ インク. (1)
【Fターム(参考)】