説明

電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料およびその製造方法ならびに電気二重層キャパシタ

【課題】 電気二重層キャパシタを高温で充電待機したときの長期信頼性を高めることができる電気二重層キャパシタ用の多孔質炭素材料、およびその製造方法ならびにこれを利用する電気二重層キャパシを提供する。
【解決手段】 活性炭100質量部に対して、非鉄金属の酸化物0.001質量部以上0.1質量部未満を含有し、かつ、多孔質炭素材の官能基量が0.1〜0.5mmol/gであることにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭に酸化ジルコニウムなどのセラミック系物質を含有させてなる多孔質炭素材料に関するもので、この材料を活物質に用いることにより、電気二重層キャパシタの高温での長期信頼性を向上することができる電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料、および、その製造方法、ならびに、この電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料を用いる電気二重層キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタは、エネルギー貯蔵デバイスのひとつであり、多孔質炭素材料を含む一対の分極性電極、セパレータ、電解質溶液などにより構成される。
【0003】
電気二重層キャパシタの静電容量は、分極性電極の表面積と比例的な関係にあるとされている。そのため、比表面積の大きな多孔質材料を分極性電極に使用し、静電容量の大きい電気二重層キャパシタを得ることが検討されてきた。
【0004】
このような多孔質材料として、高い導電性を示し、電気化学的に比較的安定な炭素質であって、かつ、比表面積の大きい多孔質炭素材料(以下、『活性炭』ともいう)が、使用されている。
分極性電極に利用される多孔質炭素材料としては、一例として、石炭、石炭コークス、ヤシ殻、木粉、樹脂などの炭素質原料に、水蒸気、空気、酸素、CO2などの酸化性ガス、または、塩化亜鉛、水酸化カリウムなどの薬品によって細孔を形成してなる材料、すなわち、炭素質原料に多孔質化(以下、賦活化)処理を施してなる材料が例示される。
【0005】
このような多孔質炭素材料を用いる電気二重層キャパシタとして、例えば、特許文献1には、活性炭と、カーボンブラックと、酸化・還元に対して電気科学的に不活性なセラミック粉末(酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなど)とを混合してなる材料を用いる分極性電極がされている。特許文献1においては、この極性電極を用いることにより、電気二重層キャパシタの容量を正確にコントロールすることを可能にしている。
また、特許文献2には、多孔質炭素材料(多孔性炭素粒子)、導電性物質、および、金属酸化物粒子(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素など)を、ブチルゴムなどの結着剤で混練してなる材料を用いる分極性電極が記載されている。特許文献2においては、この分極性電極を用いることにより、静電容量が大きく、また、経時変化が小さい電気二重層キャパシタを得ることを可能にしている。
さらに、特許文献3には、分極性電極に用いる材料として、活性炭に加えて疎水性シリカを添加することが記載されている。特許文献3においては、この分極性電極を用いることにより、電気二重層キャパシタの長寿命化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−316422号公報
【特許文献2】特開2001−217162号公報
【特許文献3】特開2008−60199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
周知のように、電気二重層キャパシタは、充放電の機構が電気化学反応を伴わず、分極性電極界面への電解質の正・負イオンの単純な吸脱着によって、放充電する。そのため、一般的なエネルギー貯蔵デバイスである二次電池には無い特長を有する。
すなわち、電気二重層キャパシタは、瞬時充放電特性に優れ、広い温度範囲で安定した充放電特性を示し、かつ繰り返しによる性能低下が少ないという特性を有している。
【0008】
ここで、特に近年では、このような広い温度範囲で安定した充放電特性を発揮する電気二重層キャパシタに対して、高温での長期信頼性への要求が増している。
【0009】
電気二重層キャパシタの高温での長期信頼性を低下させる主要因は、高温で充電待機したときの、分極性電極を構成する多孔質炭素材料の官能基、金属不純物や電解液の反応と考えられている。
また、電解液の反応が、多孔質炭素材料の官能基によって促進されることから、電気二重層キャパシタの信頼性を高めるため、この官能基を低減する対策が一般的に取られる。
【0010】
多孔質炭素材料の官能基を低減するには、高温で熱処理を行う方法が一般的である。ここで、十分な官能基の低減効果を得るためには、多孔質炭素材料を製造する際における賦活温度である800℃以上での熱処理が必要である。
ところが、この800℃以上で熱処理を行うと、多孔質炭素材料の細孔構造が収縮してしまう。その結果、この多孔質炭素材料を分極性電極に用いると、電気二重層キャパシタの静電容量が低下してしまうという問題がある。
【0011】
したがって、分極性電極を形成する多孔質炭素材料の官能基を無理に低減させずに、電気二重層キャパシタの信頼性を高める手法が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、電気二重層キャパシタ用の多孔質炭素材料であって、電気二重層キャパシタの劣化の要因である、分極性電極を構成する活性炭の官能基の量や、電解液の反応を抑えて、電気二重層キャパシタの容量や抵抗の変化、ガス膨張を抑制することができ、電気二重層キャパシタを高温で充電待機したときの長期信頼性を高めることができる電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料、および、この多孔質炭素材料の製造方法、ならびに、この多孔質炭素材料を用いる電気二重層キャパシタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、電気二重層キャパシタの高温での信頼性を向上するという課題解決に向けて、鋭意検討を行った。
その結果、分極性電極を構成する多孔質炭素材料における活物質として活性炭を用い、さらに、この活性炭に、セラミックのような非鉄金属の酸化物を添加することが有効であることを見出した。さらに、非鉄金属の酸化物の添加方法として、微小なナノ粒子径の酸化物粉末を、活性炭の表面にせん断力を掛けて付着させることで、その効果が増すことを見出した。
また、それにより、電気二重層キャパシタを高温で充電待機したときの容量や抵抗の変化、および、ガス膨張が抑制されて、電気二重層キャパシタの信頼性が向上することも、確認された。
【0014】
電気二重層キャパシタを高温で充電待機したときに生じる信頼性の低下現象は、概ね、以下のように考えることができる。
分極性電極を構成する活性炭の表面に存在する官能基は、主に、C、0、Hからなる分子組成を有するもので、電気二重層キャパシタの活物質として、充電による電気的なエネルギーを負荷させると、特に高温で分解が進行する。この分解反応により、COやH20などが発生するが、このH20を基点に、電解液の溶媒であるプロピレンカーボネートなどの分解も促進される。また、プロピレンカーボネートなどの分解反応でも同様にCOやH20などが発生するため、これらの分解反応は、連鎖的に進行することになる。
【0015】
それに対し、この反応系に非鉄金属の酸化物(セラミック系の非鉄金属化合物)が存在すると、この非鉄金属の酸化物が、COやH20などの含酸素化合物を捕捉するので、反応の連鎖を食い止める効果がある。
そのため、分極性電極を構成する活性炭中に、このような非鉄金属の酸化物を少量添加することにより、電気二重層キャパシタの信頼性の低下を抑制することができる。
【0016】
この非鉄金属の酸化物としては酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが例示される。
また、活性炭に、非鉄金属の酸化物を添加する方法としては、単純に混合する方法でも良いが、微小なものを活性炭の表面に高分散させることが、効果を高めるため、粒子径がナノメートルサイズの微小なものを、活性炭の表面にメカノケミカル的に付着させる方法が、課題解決にはより有効である。
【0017】
本発明は、上記知見を得ることにより成されたものであり、本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料は、活性炭100質量部と、非鉄金属の酸化物0.001質量部以上0.1質量部未満とを含有し、かつ、前記多孔質炭素材料の官能基量が0.1〜0.5mmol/gであることを特徴とする電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料を提供する。
このような本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質材料において、前記非鉄金属の酸化物が、前記活性炭の表面に付着されているのが好ましく、また、前記非鉄金属の酸化物の平均一次粒径が1〜100nmであるのが好ましく、また、前記非鉄金属の酸化物が、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムの1種以上であるのが好ましく、さらに、前記活性炭と非鉄金属の酸化物とが、せん断力を掛けて混合されてなるものであるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の電気二重層キャパシタは、前記本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質材料を用いる電気二重層キャパシタ用を提供する。
【0019】
さらに、本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質材料の製造方法は、賦活化した炭素質原材料を、非酸化性雰囲気下で300〜1000℃で加熱することにより活性炭を得る、活性炭製造工程と、前記活性炭製造工程で得られた活性炭100重量部に対して、非鉄金属の酸化物を0.001質量部以上0.1質量部未満、添加して、前記活性炭と非鉄金属の酸化物とを混合する、混合工程とを有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法を提供する。
このような本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法において、前記活性炭と非鉄金属の酸化物との混合を、せん断力を掛けつつ行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
上記構成を有する本発明によれば、電気二重層キャパシタを高温で充電待機したときの容量や抵抗の変化、ガス膨張を抑制することができ、電気二重層キャパシタの信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料、および、その製造方法、ならびに、電気二重層キャパシタについて、詳細に説明する。
【0022】
本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料は、活性炭と、活性炭100質量部に対して、0.001質量部以上0.1質量部未満の非鉄金属の酸化物(セラミック系の非鉄金属化合物)とを含有するものであり、かつ、官能基量が0.1〜0.5mmol/gである多孔質炭素材料である。
【0023】
本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料(以下、多孔質炭素材料とする)において、活性炭には、特に限定はなく、電気二重層キャパシタの分極性電極(分極性電極を形成する多孔質炭素材料)に利用される公知の活性炭が、各種、利用可能である。
なお、活性炭の平均粒子直径には、特に、限定はないが、1〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜10μmである。
【0024】
本発明の多孔質炭素材料は、このような活性炭と、非鉄金属の酸化物(セラミック系の非鉄金属化合物)とを含有するものである。
好ましくは、本発明の多孔質炭素材料は、非鉄金属酸化物のナノメータサイズの微粒子を、活性炭の表面に付着してなるものである。
【0025】
非鉄金属の酸化物には、特に限定はなく、各種の非鉄金属の酸化物が利用可能であるが、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、および、酸化ジルコニウムなどが好適に例示される。非鉄金属の酸化物は、単独で使用しても良く、複数を併用してもよい。
中でも、電気二重層キャパシタの耐久性に与える悪影響が少ないなどの理由で、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの1種以上は、好適に利用される。
【0026】
非鉄金属の酸化物(以下、非鉄金属酸化物ともいう)の含有量は、活性炭100重量部に対して、0.001質量部以上0.1質量部未満である。
非鉄金属酸化物の含有量が、活性炭100重量部に対して0.001質量部未満では、非鉄金属酸化物を添加する効果を十分に得ることができない。
逆に、非鉄金属酸化物の含有量が、活性炭100重量部に対して0.1質量部以上となると、非鉄金属酸化物が多すぎ、電気二重層キャパシタの容量低下や、抵抗の向上などの不都合が生じる。
【0027】
なお、上記不都合を、より好適に防止できるなどの点で、非鉄金属酸化物の含有量は、好ましくは、活性炭100重量部に対して、0.002質量部以上0.05質量部以下、より好ましくは、0.01質量部以上0.02質量部以下である。
【0028】
本発明の多孔質炭素材料において、非鉄金属酸化物の大きさには、特に限定は無いが、ナノメータサイズの微粒子であるのが好ましく、特に、平均一次粒径が1〜100nmであるのが好ましく、中でも特に、平均一次粒径が5〜50nmであるのが好ましい。
非鉄金属化合物の平均一次粒径を1nm以上とすることにより、飛散を好適に防止しつつ、非鉄金属化合物を活性炭の表面に付着させることができるなどの点で好適な結果を得ることができる。
また、非鉄金属化合物の平均一次粒径を100nm以下とすることにより、非鉄金属化合物を活性炭の表面に均一に付着させることができるなどの点で好適な結果を得ることができる。
【0029】
このような本発明の多孔質炭素材料は、官能基(主に、活性炭や細孔の表面に存在する官能基と考えられる)の量が、0.1〜0.5mmol/gである。
前述のように、活性炭を含む本発明の多孔質炭素材料において、存在する官能基は、主に、C、0、Hからなる分子組成を有するものであり、例えば、OH基、COOH基、および、CHO基などが例示される。
【0030】
電気二重層キャパシタの信頼性の点では、分極性電極となる多孔質炭素材料の官能基の量は少ない方が好ましいが、官能基の量が0.1mmol/g以下では、官能基を低減するための熱処理によって、活性炭の細孔構造が収縮した状態となってしまい、電気二重層キャパシタの初期容量が低減してしまう。さらに、電気二重層キャパシタのバインダ溶媒の水への濡れ性が著しく低下してしまい、その結果、多孔質炭素材料の結着力、密着性が低下して、初期抵抗が高くなってしまう。
逆に、官能基の量が0.5mmol/gを超えると、充電時に官能基による反応が多量に発生してしまい、電気二重層キャパシタの高温安定性を十分に得ることができす、また、電気二重層キャパシタの容量低下や抵抗上昇などの不都合が生じる。
上記不都合を、より好適に防止できるなどの点で、官能基の量は、好ましくは、0.1〜0.3mmol/gである。
【0031】
なお、この多孔質炭素材料の表面官能機の量は、後述する、活性炭の作製における、賦活処理後の加熱処理によって制御することができ、300〜1000℃の範囲で、この熱処理を行うことにより、好適に、多孔質炭素材料の表面官能機の量を上記範囲にすることができる。
【0032】
以下、このような本発明の多孔質炭素材料を製造する、本発明の製造方法を説明することにより、本発明について、より詳細に説明する。
【0033】
本発明の多孔質炭素材料に用いる活性炭の製造方法には、特に限定は無いが、一例として、以下の方法が例示される。
まず、石炭系タールあるいはピッチ、石油系重質油などのピッチ類を350℃程度以上に加熱する。この加熱によって生成してくるメソフェーズ小球体を濾過あるいは遠心分離にて回収し、その後、キノリンやタール油などの溶剤を用いて洗浄・乾燥することで、粉体状のメソカーボン小球体を得る。
【0034】
次いで、得られたメソカーボン小球体に炭化処理を施して、炭化度・結晶性の調整を行う。このときの炭化温度の目安としては500〜850℃、好ましくは600〜750℃の範囲から選択する。
【0035】
次いで、炭化度・結晶性の調整を行ったメソカーボン小球体を、賦活処理によって多孔質化する。このメソカーボン小球体の多孔質化は、公知の方法で行えばよく、例えば、通常のアルカリ賦活処理と同様な方法で実施することができる。
【0036】
まず、メソカーボン小球体を、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で、アルカリ金属化合物の存在下、700〜900℃で加熱する。
加熱温度が700℃より低温でも賦活反応は進行するが、酸素含有の官能基が多く残存して性能が低下するうえ、抵抗値も高くなり本発明の目的である低抵抗化を達しにくい。一方、900℃を超える高温での加熱は、アルカリ金属化合物による装置腐食の問題が発生するうえ、賦活でできた細孔が逆に収縮する方向となり好ましくない。加熱温度は好ましくは750〜850℃である。
【0037】
この加熱温度での保持時間は、0〜5時間が適当である。
0時間とは、加熱温度到達と同時に降温を開始することで実現し得る。一方、保持時間が5時間を超えると、賦活でできた細孔が、逆に収縮する方向となり、好ましくない。
【0038】
この加熱処置の際に用いるアルカリ金属化合物の種類は特に限定はされないが、KOH、NaOH、CsOHなどが好ましく使用される。アルカリ金属化合物は、1種のみを使用してもよく、複数を組み合わせてもよい。
アルカリ金属化合物の使用量は所望する比表面積によっても異なるが、メソカーボン小球体に対する質量比で、通常、0.5〜4倍程度であればよい。
【0039】
アルカリ賦活処理の後、通常、塩酸溶液などで中和を行い、その後、イオン交換水などですすぎ洗浄を行い、活性炭の基材を得る。
【0040】
この活性炭の基材は、官能基を多く含むことがあるので、窒素、アルゴン、水素などの非酸化性ガス雰囲気で、300℃以上の温度で、より好ましくは450℃以上で、熱処理して官能基を低減して、本発明の多孔質炭素材料に用いる活性炭を得る。
ここで、官能基を低減するほど、電気二重層キャパシタの信頼性は向上するものの、官能基低減のために熱処理温度を高め過ぎると、活性炭の細孔構造が収縮して、電気二重層キャパシタの初期の容量が低下する。そのため、この熱処理温度は1,000℃以下、より好ましくは800℃以下とする。
【0041】
また、この活性炭の基材の熱処理において、目的とする加熱温度での保持時間にも。特に限定はないが、5時間以下が好ましく、特に、1〜3時間が好ましい。
活性炭の基材の熱処理において、目的とする加熱温度での保持は、5時間行えば十分であり、それ以上、熱処理の保持時間を長くしても、効果が無い。
【0042】
このようにして得られた活性炭100質量部に対して、0.001質量部以上0.1質量部以下の非鉄金属酸化物(セラミック系の非鉄金属化合物)を添加して、混合して、前述の本発明の(電気二重層キャパシタ用)多孔質炭素材料を得る。
ここで、非鉄金属酸化物の添加量は、活性炭100質量部に対して、0.002質量部以上0.05質量部以下、特に0.01質量部以上0.02質量部以下が好ましいのは、前述のとおりである。また、非鉄金属酸化物は、平均一次粒径が、1〜100nm、特に、5〜50nmが好ましいのも、前述のとおりである。
さらに、非鉄金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが好適に利用可能であるのも、前述のとおりである。
【0043】
活性炭と非鉄金属酸化物との混合方法(活性炭への非鉄金属酸化物の添加方法)には、特に限定はない。
従って、単純に混合する方法でも良いが、非鉄金属酸化物を、活性炭の表面に高分散させることが、非鉄金属酸化物の添加効果を高める。そのため、せん断を掛けて活性炭と非鉄金属酸化物との混合を行い、活性炭の表面に、非鉄金属酸化物を付着させる方法が好ましい。
【0044】
異体的な方法としては、メカノフュージョン、ハイブリダイゼーション、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル、雷潰機、摩砕機などを用いる混合方法が例示される。また、これらの混合方法を組み合わせて(例えば、複数の混合方法を、順次、行って)、活性炭と非鉄金属酸化物とを混合してもよい。
この活性炭と非鉄金属酸化物との混合に、ボールミルやビーズミルを用いる場合には、粉砕媒体のボールやビーズにセラミック系の非鉄金属化合物を用いると、活性炭との衝突時にボールやビーズからセラミック系の非鉄金属化合物が転写される。そのため、結果的に、活性炭に非鉄金属酸化物を添加してせん断力を掛けて混合するのと、同様の効果を得られることがある。
【0045】
本発明の電気二重層キャパシタは、このような本発明の(電気二重層キャパシタ用)多孔質炭素材料を、分極性電極などに用いた、高性能電気二重層キャパシタである。
なお、本発明の電気二重層キャパシタは、分極性電極などに本発明の多孔質炭素材料を用いる以外は、基本的に、公知の電気二重層キャパシタである。従って、次のような一般的な方法に準じて作製することができる。
【0046】
例えば、本発明の多孔質炭素材料に、必要に応じて結着剤、導電剤などを適量添加し、ディスク状またはシート状に成形して、本発明の多孔質炭素材料を用いる分極性電極(活物質層)を作製する。
【0047】
ディスク状または厚いシート状の分極性電極を作製する場合は、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンなどが使用され、厚さが200μm程度までの薄い活物質層を集電材上に形成させるにはスラリー化した活物質をドクターブレードなどにより塗工する方法が好ましく利用される。
また、例えば、ポリフッ化ビニリデンを結着剤として使用する場合は、これをN−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤に溶解し、これに多孔質炭素材料、必要により導電剤を添加してスラリー状とし、集電材上に均一に塗工し乾燥することで、分極性電極を作製できる。
さらに、例えば、スチレンーブタジエンゴム(SBR)を結着剤として使用する場合には、SBRを水に分散させ、これに多孔質炭素材料、必要に応じて導電剤および/またはカルボキシメチルセルローズ(CMC)を添加してスラリー状とし、集電材上に均一に塗工し乾燥することで、分極性電極を作製できる。
【0048】
また、乾燥後、次いで常温または加熱下でプレスすることによって、分極性電極の密度を大きくすることも可能である。
【0049】
電気二重層キャパシタの単位セルは、一般に、上記のようにして得られた分極性電極を一対で使用し、必要に応じて不織布、紙、その他の多孔質材料からなる透液性セパレータを介して対向させ、電解液中に浸漬することにより形成する。なお、一対の分極性電極は、互いに同じものであっても、異るものでなっていてもよい。
また、電気二重層キャパシタの使用に当たっては、上記単位セルを、単独で、あるいは複数の単位セルを直列および/または並列に接続して使用する。
【0050】
電気二重層キャパシタの電解液は、非水溶媒系または水系のいずれも使用可能である。
非水溶媒系電解液は電解質を有機溶媒に溶解したものである。電解質としては、例えば、(C25)4PBF4、(C37)4PBF4、(C25)4NBF4、(C25)3CH3NBF4、(C37)4NBF4、(C25)4PPF6、(C25)4PCF3SO3、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3などを使用することができる。
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどを使用することができる。これら二種以上の混合物も使用することができる。
【0051】
以上、本発明の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料、この電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法、および、電気二重層キャパシタについて詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の用紙を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんのことである。
【実施例】
【0052】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0053】
[実施例1]
<多孔質炭素材料の製造>
平均粒径7μmに粗粉砕したメソカーボン小球体を700℃で炭化した賦活原料に、その3.0倍量(質量比)のKOHを加えて均一に混合し、窒素気流下、800℃で3時間加熱(賦活化処理)した。
なお、この加熱処理では、800℃まで昇温する過程において、450℃で1時間の保持を行った。
【0054】
賦活化を行った後、試料を中和するために塩酸で洗浄し、次いで、洗浄液が中性を示すまでイオン交換水で洗浄した後、乾燥して活性炭の基材を得た。
その後、この活性炭の基材を、窒素雰囲気中で700℃で3時間の熱処理を行うことで、官能基の低減処理を行い、活性炭を得た。
【0055】
上記で得られた活性炭100重量部に対し、非鉄金属酸化物として、平均一次粒径が30nmの酸化ジルコニウムを0.02重量部添加し、ホソカワミクロン製メカノフユージョン(MF)を用いて、周速20m/sで30分間の摩砕処理を行い、活性炭の表面に非鉄金属酸化物を付着させて、多孔質炭素材料を得た。
なお、この摩砕処理によって、多孔質炭素材料(活性炭)の平均粒径を7μmとした。
【0056】
このようにして得られた電気二重層キャパシタ用の多孔質炭素材料について、BET比表面積および官能基量の測定を行った。測定方法は、以下のとおりである。
<BET比表面積>
micromeritis社製ASAP2400を使用して、77KにおけるN2吸脱着による吸着等温線をもとに、多孔質炭素材料の比表面積をBET法により算出した。
<官能基量>
多孔質炭素材料を0.1NのNaOH水溶液に20時間浸漬した後、多孔質炭素材料を除いた液中のNaOHをHClで滴定し、消費されたNaOH量から、多孔質炭素材料の官能基量を計算した。
結果を下記表1に示す。
【0057】
<分極性電極の作製>
作製した多孔性炭素材料85mg、カーボンブラック10mg、ポリテトラフルオロエチレン3mg、およびカルボキシメチルセルローズ2mgを、イオン交換水中で湿式混合して塗料を調整した。この塗料を、20μmのアルミ箔集電体上にドクターブレードを用いて40μmの均一な厚さに塗布した。
この塗膜を、80℃の恒温器で予備乾燥した後、プレス圧力150GPaにて加圧して、塗膜をアルミ箔に密着させた。これを、減圧下(133.3Pa)、150℃で10時間乾燥し、電極シートとした。
この電極シートを5cm×5cmの正方形に2枚切取り、電気二重層キャパシタの静電容量測定用の分極性電極とした。また、電極の直径、厚さおよび重量より密度を算出し、これを電極密度(単位:g/cm3)とした。
【0058】
<電気二重層キャパシタの作製>
露点を−80℃以下に管理され、アルゴンが流通しているグローブボックス内において、上記で作製した一組の分極性電極板の間に多孔質ポリエチレン(孔径0.20μm)を挟み込んだ。この積層体を、アルミラミネートシート袋で包装した2極式セルに組み込み、電解液を満たした。その後、アルミラミネートシート袋の開口部をヒートシールして、電気二重層キャパシタ(ラミネートセル)を作製した。
電解液は、プロピレンカーボネートに、1Mの濃度でテトラエチルイミダゾール・テトラフルオロボレート((C25)4NBF4)を溶解したものを使用した。
【0059】
作製した電気二重層キャパシタについて、初期の静電容量および抵抗値の測定、および、高温信頼性試験を行った。
なお、高温信頼性試験は、高温での充放電を行った後の、静電容量維持率およびガス発生量の測定により行った。
【0060】
<静電容量>
北斗電工社製の充放電試験装置(HJ1001SM8)を使用して、10mA/cm2の電流密度で0〜2.5Vの充放電電圧で充放電を3サイクル実施した。この充放電試験の結果を用いて、以下のように静電容量を算出した。
まず、上記の充放電試験による放電曲線(放電電圧−放電時間)を作図した。次いで、3サイクル目の放電曲線から放電エネルギー(放電電圧×電流の時間積分としたときの合計放電エネルギー(W・s))を求め、この放電エネルギーの値から、下記式により静電容量を算出した。
静電容量(F)=2×放電エネルギー(W・s)/(放電開始電圧(V))2
上記で求めた静電容量を、分極性電極を構成する多孔質炭素材料の質量(正極+負極、単位:g)で除し、単位重量当たりの静電容量(F/g)とした。さらに、単位重量当たりの静電容量に、先に算出した分極性電極の電極密度(g/cm3)を乗じ、得られた値を、単位体積当たりの静電容量(F/cm3)とした。
【0061】
<抵抗値>
放電開始0〜0.2秒の電圧降下(ΔV)を電流値で除することによって、電気二重層キャパシタの初期の抵抗値(Ω)を求めた。
【0062】
<高温信頼性試験>
充放電容量測定後のセルを700℃の恒温器に入れて、充放電試験装置(HJ1001SM8)で2.7Vの定電圧充電を3日間継続した。
その後、セルを室温25℃に戻し、先と同様にして充放電試験を行い、単位体積当たりの静電容量(F/cm3)を算出し、先に測定した初期の静電容量に対する、静電容量の維持率(%)を算出した。
また、ラミネートセル膨張分のガスを抜取り、発生ガス量(ml/g−AC)を測定した。
以上の結果を、表1に併記する。
【0063】
[実施例2]
活性炭100重量部に酸化ジルコニウム0.02重量部を付着させる装置を、メカノフユージョンに代えて、ビーズ径2mmのビーズミルを使用して、周速7.5m/sで30分処理を行い、この際における活性炭の平均粒径を5.0μmに粉砕した以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0064】
[実施例3]
酸化ジルコニウムの添加量を0.002重量部とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0065】
[実施例4]
酸化ジルコニウムの添加量を0.05重量部とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0066】
[実施例5]
活性炭の基材の熱処理温度を900℃とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0067】
[実施例6]
活性炭の基材の熱処理温度を500℃とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0068】
[実施例7]
非鉄金属の酸化物として、平均一次粒径30nmの酸化ジルコニウムの代わりに、平均一次粒径30nmの酸化アルミニウムを添加した以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0069】
[比較例1]
酸化ジルコニウムを添加せず、かつ、メカノフュージョン処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表2に示す。
【0070】
[比較例2]
酸化ジルコニウムを添加しない以外(メカノフュージョン処理は実施)は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表2に示す。
【0071】
[比較例3]
酸化ジルコニウムの添加量を0.02重量部から0.1重量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表2に示す。
【0072】
[比較例4]
活性炭の基材の熱処理温度を1300℃とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表2に示す。
【0073】
[比較例5]
活性炭の基材の熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、多孔質炭素材料を作製した。得られた多孔質炭素材料について、実施例1と同様に、比表面積および官能基量を測定測定した。
その後、実施例1と同様にして分極性電極を作製し、さらに、実施例1と同様に、初期の静電容量および抵抗の測定、ならびに、高温信頼性試験を行った。
結果を表2に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】


上記表において、MFはメカノフュージョン処理を、BMはビーズミル処理を、それぞれ示す。
【0076】
実施例1〜7の多孔質炭素材料のSEM像、および、ZrまたはAlのEDX(エネルギー分散型X線分析)から、Zr、Alが活性炭の表面に付着していることを確認した。
上記表に示されるように、多孔質炭素材料に非金属酸化物を添加しない比較例1および2では、初期の静電容量などは良好なものの、高温での充放電を行った後の静電容量維持率が低く、すなわち、十分な高温信頼性を得られていない。
また、非金属酸化物を添加したものの、添加量が多すぎる比較例3は、初期の抵抗値が高い。
さらに、活性炭の基材の熱処理温度が高すぎる比較例4では、多孔質炭素材料の官能基の量が少なすぎ、初期の段階で十分な静電容量を得られていない。また、活性炭の基材の熱処理を行わない比較例5では、多孔質炭素材料の官能基が多すぎ、その結果、高温での充放電によってガスが多量に発生している。
【0077】
これに対し、本発明の多孔質炭素材料を用いて作製した分極性電極を有する、本発明の電気二重層キャパシタは、従来の電気二重層キャパシタに比して、高温での静電容量維持率が高く、かつ、ガスの発生量も少ない、高温信頼性に優れた電気二重層キャパシタである。また、本発明の製造方法によれば、このような高温信頼性に優れた電気二重層キャパシタを得られる多孔質炭素材料を、好適に製造できる。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
高性能な電気二重層キャパシタの製造、および、この電気二重層キャパシタを用いる各種の用途に、好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気二重層キャパシタに用いられる多孔質炭素材料であって、
活性炭100質量部と、非鉄金属の酸化物0.001質量部以上0.1質量部未満とを含有し、かつ、前記多孔質炭素材の官能基量が0.1〜0.5mmol/gであることを特徴とする電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料。
【請求項2】
前記非鉄金属の酸化物が、前記活性炭の表面に付着されている請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料。
【請求項3】
前記非鉄金属の酸化物の平均一次粒径が1〜100nmである請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料。
【請求項4】
前記非鉄金属の酸化物が、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムの1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料。
【請求項5】
前記活性炭と非鉄金属の酸化物とが、せん断力を掛けて混合されてなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料を用いた電気二重層キャパシタ。
【請求項7】
賦活化した炭素質原材料を、非酸化性雰囲気下で300〜1000℃で加熱することにより活性炭を得る、活性炭製造工程と、
前記活性炭製造工程で得られた活性炭100重量部に対して、非鉄金属の酸化物を0.001質量部以上0.1質量部未満、添加して、前記活性炭と非鉄金属の酸化物とを混合する、混合工程とを有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法。
【請求項8】
前記活性炭と非鉄金属の酸化物との混合を、せん断力を掛けつつ行う請求項7に記載の電気二重層キャパシタ用多孔質炭素材料の製造方法。

【公開番号】特開2011−258643(P2011−258643A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130099(P2010−130099)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(591067794)JFEケミカル株式会社 (220)
【Fターム(参考)】