電気伝導式葉濡れセンサと葉濡れ時間測定方法
【課題】電気伝導式の小型軽量の長所をそのまま維持しながら、静電容量変化検知式並の感度を調整できる葉濡れセンサを提供する。
【解決手段】絶縁体平板の上面に2組のくし型電極を対向させた水分検知部を配置し絶縁体平板の下面には電源、発振、受信、増幅、判定、出力の各回路を設け絶縁体平板の上面と下面をスルーホールで電気的に接続し、つつ型ケースの上面に前記絶縁体平板を配置しつつ型ケースの側面に外部との接続用ケーブルの取り出し口を設け、センサへの電源供給シーケンスを所定の手順で行う。
【解決手段】絶縁体平板の上面に2組のくし型電極を対向させた水分検知部を配置し絶縁体平板の下面には電源、発振、受信、増幅、判定、出力の各回路を設け絶縁体平板の上面と下面をスルーホールで電気的に接続し、つつ型ケースの上面に前記絶縁体平板を配置しつつ型ケースの側面に外部との接続用ケーブルの取り出し口を設け、センサへの電源供給シーケンスを所定の手順で行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気伝導式葉濡れセンサとそのセンサをコントロールする葉濡れ時間測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感雨計、感雪計、雨センサ、雪センサなどと呼ばれ電極間に交流電圧を印加し電極間の電流又は静電容量の変化を検出する方法は実開昭64−30470号公報に開示されており、その感雨計、感雪計、雨センサや雪センサを天窓開閉制御装置に取りつける方法は実公平4−12897号公報に開示されている。電気伝導式の水分検出方法は、少量の雨雪であってもその降り始めをいち早く検出することを第一の目的としており雨雪量に応じて出力が変化するものではなかった。そのため、雨雪量を測定するためには、一般的に転倒マスによってカウントする方法や特開2005−208018号公報に開示されているように水の誘電率を利用してくし型電極間の静電容量の変化を検出する感雨感雪センサにおいてはくし型電極と雨雪の付着面との間を絶縁するためにガラスコーティング、樹脂系塗料またはプリント基板の基材を利用するなどの工夫がされてきた。静電容量の変化を検出する回路としては、周波数の変化として捉える方法や数百kHz以上の交流でくし型電極を励磁しくし型電極からの信号を増幅して電圧変化として捉える方法などが利用されてきた。さらに、センサ表面の静電容量変化を検出し該センサ表面の水分量を測定する方法を応用して植物体の葉面水分を予測する葉面濡れセンサが特願2007−275871号公報に開示されている。
【0003】
葉面濡れセンサの原理は、くし型電極間の静電容量の変化を検出することによって該センサ近傍の該植物体の葉面上の水分を予測するというものである。葉面上の水分検出をする用途の例としては、作物の病害感染予察に利用される。植物病原体の多くは、植物体への感染の際濡れが不可欠であり、病原体の存在下では葉の濡れ程度と温度が感染の有無・量を決定する因子となる。例えば稲においては、稲の葉面の濡れ時間は温度とともにいもち病感染の主要因子であり、葉濡れ時間と温度を測定することで感染の有無・量を予測することができ、これらの予測結果は防除時期・要否などに関する重要な判断材料となる。
【特許文献1】実開昭64−30470号公報
【特許文献2】実公平4−12897号公報
【特許文献3】特開2005−208018号公報
【特許文献4】特願2007−275871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の植物体表面の水分検出方法には、以下のような解決すべき課題がある。静電容量の変化を検知する方法に代表される一般的なアナログ出力のセンサを使用する場合該センサを駆動する回路側ではADコンバータを介して入力しその後設定されたしきい値との上下を判定する。そして上記しきい値の上もしくは下になった部分の時間を累計して次の処理に分岐する。この方式のメリットは出力がアナログなためグラフなどで表した時の可読性が高い。また、センサを駆動する回路側でしきい値を自由に設定できるため応用範囲が広く各種のぬれ性を持つ多様な植物体に適用できる点にある。対してデメリットは、センサ側回路規模が増大しくし型電極がセンサ下面に付着するため空間効率が悪くセンサが大型化し重量増となるためコストアップに直結していた。さらに、センサ出力がせっかくアナログ出力をしていてもアナログ出力を受ける回路側ですぐしきい値を挟んでON/OFF信号に変換してしまうような使い方も多く見受けられ、しきい値との判定ができれば必ずしもアナログ出力を必要としない場合が多い。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、電気伝導式の小型軽量の長所をそのまま維持しながら、静電容量変化検知式並の濡れ性の異なるそれぞれの植物体に合わせた感度を調整できる葉濡れセンサを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の葉濡れセンサは、絶縁体平板の上面に2組のくし型電極を対向させた水分検知部を配置し絶縁体平板の下面には電源、発振、受信、増幅、判定、出力の各回路を設け絶縁体平板の上面と下面をスルーホールで電気的に接続し、つつ型ケースの上面に前記絶縁体平板を配置しつつ型ケースの側面に外部との接続用ケーブルの取り出し口を設け接続用ケーブルは電源用、出力用、0V用の3線であり、つつ型ケースの絶縁体平板の下側空間をモールドしてなる電気伝導式水分検知装置であって、絶縁体平板は、58×35mm、厚さ1.6mmであって、絶縁体平板上面の対向する2組のくし型電極間隔が0.8mmであり、対向する部分の全長が250mmであり、絶縁体平板下面の回路消費電力は0.1mW(絶縁体平板の単位面積当たりでは5mW/cm2)であり、絶縁体平板下側空間のモールド剤はウレタン樹脂であり、同モールド厚みは10mmである。
【0007】
また、請求項2記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項1記載の電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する
【0008】
また、請求項3記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項1記載の電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定の電圧で所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する。
【0009】
請求項2と請求項3記載の葉濡れ時間測定方法の違いはプレヒート時間にセンサへ供給する電圧が回路安定時間と同じフルパワーを供給するか所定の低電圧で供給するかの差である。
請求項4記載の葉濡れセンサは、感度を測定したい植物体の葉面濡れ特性と合わせるために設置角度を水平から測って0度から所定の角度の範囲で可変する。
【発明の効果】
【0010】
上記目的を達成すべく請求項1記載の葉濡れセンサは、回路に流れる消費電流0.1mWを基に厚み10mmのモールド剤による保温効果を加味して絶縁体平板の上面へ供給される熱量から絶縁体平板の面積58×35mm、厚み1.6mを算出しさらに幅広い感度調整が可能なくし型電極間隔0.8mm、対向総距離250mmを導き出した。これによってしきい値が葉濡れセンサ内部で固定された電気伝導式でありながら葉濡れセンサへの電源供給方法の工夫によって静電容量変化検知式と同じように感度調整が可能となった。
【0011】
請求項2記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項1記載の葉濡れセンサが電源ON後正常機能を果たすことができるまでのスタンバイ時間である回路安定時間にプラスしてプレヒート時間を可変させることによって絶縁体平板の上面へ供給される熱量を変えて結露点を移動させる。
【0012】
結露点を移動させることができれば植物体固有の葉面濡れ性と結露点は相関関係を持つためハスの葉やネギに代表される撥水性葉面からりんごの葉に代表される親水性葉面までの特性に合わせた調整ができる。つまり感度調整が葉濡れセンサをいじることなく葉濡れセンサを駆動する外部回路もしくは外部プログラムによって可能になるのである。
【0013】
請求項3記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項2記載の葉濡れ時間測定方法に加えてプレヒート時間に葉濡れセンサに供給する電圧をさらに変化させることでより細かな調整を可能にしている。なお葉濡れセンサが正常機能を果たす回路安定時間さえ確保されていれば、プレヒート時間に供給される電圧が葉濡れセンサの内部回路を正しく動作させていなくとも所定の熱量を葉濡れセンサに供給できていれば充分である。
請求項4記載の葉濡れセンサは、設置角度を可変することで請求項2,3に記載した葉濡れ時間測定方法との組合せ若しくは単独で感度の微妙な調整を可能としている。植物の種類、病害予測の際の病害の種類、設置場所による特殊な環境条件等、使用目的に合わせて微調整する場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る葉濡れセンサおよび葉濡れ時間測定方法の最良の形態について説明する。
【0015】
最初に、本発明に係る葉濡れセンサの構成例について、図面を参照して説明する。葉濡れセンサは、図1に示すように、絶縁体平板1の上面に水滴3を付着させる対向電極2が形成されている。絶縁体平板1の下面には消費電力は0.1mWの回路4が配置され対向電極2とは絶縁体平板1を穿つスルーホール9によって電気的に接続されている。
絶縁体平板1はつつ型ケース5の上側に配置されつつ型ケース5の側面には接続用ケーブル6の取り出し口が設けられている。つつ型ケース5の絶縁体平板1の下側空間にはウレタン樹脂製モールド7が施されモールド7の厚みは10mmである。モールド7は回路4の防水目的と同時に回路4を流れる電流によってもたらされる熱量を保持する。絶縁体平板1は縦横が58×35mm、厚さ1.6mmである。回路4の消費電力は0.1mWであるので絶縁体平板1の単位面積当たりでは5mW/cm2となる。この熱量に最適な対向電極2のパターンを図2に示す。対向する2組のくし型電極はその隙間を0.8mmに保たれ、対向する隙間の総延長8は250mmとなる。図3に回路4の構成を示す。接続用ケーブル6は3芯であり各々電源、出力、GNDとなっている。入力された電源は電源部で安定化され回路4の各ブロックに供給される。発振部からの信号はスルーホール9を通って対向電極2の一方に接続される。対向電極2のもう一方はスルーホール9を通って受信部に入力し増幅部、判定部、出力部を経て接続用ケーブル6の出力信号線となる。
【0016】
図4に葉濡れセンサと接続用ケーブル6を通して接続されるセンサ駆動回路10を示す。センサ駆動回路10には電源制御部11とそれをコントロールするコンピュータ12が内蔵されている。コンピュータ12は電源制御部11に対して葉濡れセンサに供給する電源をON/OFFするだけでなくその供給電源の電圧を可変制御する。
【0017】
図5に請求項2の葉濡れ時間測定方法に係わる葉濡れセンサへの電源供給と測定のタイミングを示す。横軸は時間、縦軸は葉濡れセンサへ供給される電源電圧である。植物体の生育関係では測定インターバルは1時間毎が一般的である。センサ駆動回路10のコンピュータ12は電源制御部11に対して葉濡れセンサに供給する電源をON/OFFするがコンピュータ12のプログラム実行手順を以下に示す。まず葉濡れセンサ供給電源をONし(ステップ51)、次に葉濡れ時間を測定したい植物体に合わせた熱量を葉濡れセンサに供給するための所定のプレヒート時間ウエイトする(ステップ52)。次に葉濡れセンサの内部回路が充分安定するための回路安定時間を確保する(ステップ53)。この回路安定時間はプレヒート時間がゼロもしくは回路安定時間より短い場合に必ず挿入しなければならない期間である。プレヒート時間が終了したタイミングでセンサ駆動回路10は葉濡れセンサの出力を読み込んで(ステップ54)、葉濡れセンサ供給電源をOFFする(ステップ55)。コンピュータ12は次の測定シーケンスが始まるまでの測定インターバル期間、例えば1時間ウエイトする(ステップ56)。ステップ51からステップ56が繰り返されて連続した測定が行われる。なお、ステップ52のプレヒート時間は同じ植物体であっても一定である必要はない。例えば夏場は夜11時頃から結露が始まり太陽光が当たり出す夜明けに結露が解消されるが、真夜中から夜明けにかけての温度変化に連動させてプレヒート時間を変化させることでより精密な測定が可能になる。また、葉濡れセンサ供給電源をOFFせずに測定インターバル期間をすべてプレヒート時間に当てることもできる。この場合は葉濡れセンサに最大限の熱量が供給され結露検出時間が短くなる。
【0018】
図7にプレヒート時間と結露検出時間の相関関係グラフを示す。横軸は時間である。結露計(湿度計)のアナログ出力13と比較しながら説明する。気温と湿度が所定の条件で整うと夕方から湿度が上昇し夜9時頃から結露が開始され夜明け前にピークに達し日の出と共に結露が解消される。アナログ出力13のグラフの上昇は結露状態が高いことを表している。プレヒート時間がゼロの場合結露検出時間が夜9時から朝8時まで(グラフ15)とすると、プレヒート時間がフルの場合結露検出時間が夜中2時から朝5時まで(グラフ14)となる。これは仮に静電容量型センサのアナログ出力13をセンサ駆動回路10に接続した場合のセンサ駆動回路10内のADコンバータで取り込んでコンピュータ12で判定するのと同じ効果を得ている。各植物の葉面はそれぞれ超撥水性と超親水性の中間に位置し結露による葉濡れ時間は異なるため上記プレヒート時間の調整によって測定したい植物に合わせた葉濡れ時間測定が可能となる。
【0019】
それを裏付けるため図9と図10に葉濡れセンサのプレヒート時間の差が検出感度に及ぼす差異を実験により明らかにした実施例を示す。図9は降雨時であり、図10は自然結露時の観測データである。葉濡れセンサのプレヒート時間を2段階(ゼロ、フル)に設定した装置を圃場に設置し、その周囲約5m2を風の影響を避けるため四方を高さ2mの寒冷紗で囲った。平成20年5月19日〜5月31日に葉濡れ時間の計測を行い、降雨時(図9)及び自然結露時(図10)における葉濡れ時間を比較した。図9に示すように降雨時はプレヒート時間の差による葉濡れ時間はほぼ同じであり、図10に示すように自然結露時はプレヒート時間がゼロの場合はプレヒート時間がフルの場合に比較して湿潤時間が長い傾向にあった。以上の実験は請求項2の葉濡れ時間測定方法が自然結露時の葉濡れセンサの感度調整に特に有効であることを示している。
【0020】
図6に請求項3の葉濡れ時間測定方法に係わる葉濡れセンサへの電源供給と測定のタイミングを示す。横軸は時間、縦軸は葉濡れセンサへ供給される電源電圧である。図5と比較してステップ52のプレヒート時間に葉濡れセンサに供給される電源電圧はステップ53の回路安定時間に供給される電源電圧と異なる。プレヒート時間に供給される電源電圧が低い場合葉濡れセンサの内部回路が正しく動作せず葉濡れセンサの出力はでたらめな値を出力する可能性があるが、プレヒート時間の電源供給はあくまで所定の熱量を葉濡れセンサに供給するためだけに行われるのであり後のステップ53の回路安定時間に充分な電源電圧が与えられれば測定になんら支障はない。ただしセンサ駆動回路10のコンピュータ12によってコントロールされる電源制御部11は単なるON/OFF制御ではなく電圧可変機能を持っている必要がある。上記のとおり、プレヒート時間に供給する電圧を調整することにより葉濡れセンサに供給する熱量を変えることが可能となり、その結果結露検出時間の調整が可能となる。
図8に請求項4の葉濡れセンサの設置角度の有効性についてイネいもち病の感染予測を例として示す。4個の葉濡れセンサの傾斜角度をそれぞれ4段階(0°、5°、10°、15°)に設置した装置を気象観測装置の近くに設置し、平成17年10月〜11月の降雨のあった日に湿潤時間の計測を行い葉濡れセンサによる湿潤時間の測定値と気象データからBLASTAM理論により推定した葉いもち感染に有効な湿潤時間を比較した。図8で得られたデータにより取付角度θ(シータ)が0°から15°の範囲で感度が変化することが確認され、15°付近とすることでBLASTAM予測時間と最も近似することがわかる。なお、BLASTAMは既に広く用いられている気象データ(気温、風速、雨量)から葉いもちの感染に有効な湿潤時間を推定するモデルである。
【0021】
なお、本発明のツボは、葉濡れセンサへ熱量を与えるためのヒータなどを設けず必要最低限の回路構成で消費される電力を基に葉濡れセンサを構成する絶縁体平板やつつ型ケース、モールド剤を決定し全体のバランスが最適化されている点にある。ここでは植物の病害感染予測を例に本発明の実施例を示したが,この実施形態にのみ本発明の範囲を限定するものではなく、用途は農業分野にとどまらないことは言うまでもない。
【0022】
本発明によれば、電気伝導式の小型軽量の長所をそのまま維持しながら、静電容量変化検知式並の濡れ性の異なるそれぞれの植物体に合わせた感度を調整できる葉濡れセンサと葉濡れ時間測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】葉濡れセンサの断面図である。
【図2】対向電極の平面図である。
【図3】葉濡れセンサの回路構成図である。
【図4】葉濡れセンサとその駆動回路図である。
【図5】測定シーケンス図である。
【図6】測定シーケンス図である。
【図7】プレヒート時間と結露検出時間の相関関係グラフである。
【図8】葉濡れセンサの取付角度と感度の相関表である。
【図9】降雨時のプレヒート時間と感度の相関表である。
【図10】自然結露時のプレヒート時間と感度の相関表である。
【符号の説明】
【0024】
1 絶縁体平板
2 くし型電極
3 水分
4 回路
5 つつ型ケース
6 接続用ケーブル
7 モールド剤
8 対向電極の全長
9 スルーホール
10 センサ駆動回路
11 電源制御部
12 コンピュータ
13 アナログ出力
14 プレヒート時間フル時グラフ
15 プレヒート時間ゼロ時グラフ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気伝導式葉濡れセンサとそのセンサをコントロールする葉濡れ時間測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感雨計、感雪計、雨センサ、雪センサなどと呼ばれ電極間に交流電圧を印加し電極間の電流又は静電容量の変化を検出する方法は実開昭64−30470号公報に開示されており、その感雨計、感雪計、雨センサや雪センサを天窓開閉制御装置に取りつける方法は実公平4−12897号公報に開示されている。電気伝導式の水分検出方法は、少量の雨雪であってもその降り始めをいち早く検出することを第一の目的としており雨雪量に応じて出力が変化するものではなかった。そのため、雨雪量を測定するためには、一般的に転倒マスによってカウントする方法や特開2005−208018号公報に開示されているように水の誘電率を利用してくし型電極間の静電容量の変化を検出する感雨感雪センサにおいてはくし型電極と雨雪の付着面との間を絶縁するためにガラスコーティング、樹脂系塗料またはプリント基板の基材を利用するなどの工夫がされてきた。静電容量の変化を検出する回路としては、周波数の変化として捉える方法や数百kHz以上の交流でくし型電極を励磁しくし型電極からの信号を増幅して電圧変化として捉える方法などが利用されてきた。さらに、センサ表面の静電容量変化を検出し該センサ表面の水分量を測定する方法を応用して植物体の葉面水分を予測する葉面濡れセンサが特願2007−275871号公報に開示されている。
【0003】
葉面濡れセンサの原理は、くし型電極間の静電容量の変化を検出することによって該センサ近傍の該植物体の葉面上の水分を予測するというものである。葉面上の水分検出をする用途の例としては、作物の病害感染予察に利用される。植物病原体の多くは、植物体への感染の際濡れが不可欠であり、病原体の存在下では葉の濡れ程度と温度が感染の有無・量を決定する因子となる。例えば稲においては、稲の葉面の濡れ時間は温度とともにいもち病感染の主要因子であり、葉濡れ時間と温度を測定することで感染の有無・量を予測することができ、これらの予測結果は防除時期・要否などに関する重要な判断材料となる。
【特許文献1】実開昭64−30470号公報
【特許文献2】実公平4−12897号公報
【特許文献3】特開2005−208018号公報
【特許文献4】特願2007−275871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の植物体表面の水分検出方法には、以下のような解決すべき課題がある。静電容量の変化を検知する方法に代表される一般的なアナログ出力のセンサを使用する場合該センサを駆動する回路側ではADコンバータを介して入力しその後設定されたしきい値との上下を判定する。そして上記しきい値の上もしくは下になった部分の時間を累計して次の処理に分岐する。この方式のメリットは出力がアナログなためグラフなどで表した時の可読性が高い。また、センサを駆動する回路側でしきい値を自由に設定できるため応用範囲が広く各種のぬれ性を持つ多様な植物体に適用できる点にある。対してデメリットは、センサ側回路規模が増大しくし型電極がセンサ下面に付着するため空間効率が悪くセンサが大型化し重量増となるためコストアップに直結していた。さらに、センサ出力がせっかくアナログ出力をしていてもアナログ出力を受ける回路側ですぐしきい値を挟んでON/OFF信号に変換してしまうような使い方も多く見受けられ、しきい値との判定ができれば必ずしもアナログ出力を必要としない場合が多い。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、電気伝導式の小型軽量の長所をそのまま維持しながら、静電容量変化検知式並の濡れ性の異なるそれぞれの植物体に合わせた感度を調整できる葉濡れセンサを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の葉濡れセンサは、絶縁体平板の上面に2組のくし型電極を対向させた水分検知部を配置し絶縁体平板の下面には電源、発振、受信、増幅、判定、出力の各回路を設け絶縁体平板の上面と下面をスルーホールで電気的に接続し、つつ型ケースの上面に前記絶縁体平板を配置しつつ型ケースの側面に外部との接続用ケーブルの取り出し口を設け接続用ケーブルは電源用、出力用、0V用の3線であり、つつ型ケースの絶縁体平板の下側空間をモールドしてなる電気伝導式水分検知装置であって、絶縁体平板は、58×35mm、厚さ1.6mmであって、絶縁体平板上面の対向する2組のくし型電極間隔が0.8mmであり、対向する部分の全長が250mmであり、絶縁体平板下面の回路消費電力は0.1mW(絶縁体平板の単位面積当たりでは5mW/cm2)であり、絶縁体平板下側空間のモールド剤はウレタン樹脂であり、同モールド厚みは10mmである。
【0007】
また、請求項2記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項1記載の電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する
【0008】
また、請求項3記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項1記載の電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定の電圧で所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する。
【0009】
請求項2と請求項3記載の葉濡れ時間測定方法の違いはプレヒート時間にセンサへ供給する電圧が回路安定時間と同じフルパワーを供給するか所定の低電圧で供給するかの差である。
請求項4記載の葉濡れセンサは、感度を測定したい植物体の葉面濡れ特性と合わせるために設置角度を水平から測って0度から所定の角度の範囲で可変する。
【発明の効果】
【0010】
上記目的を達成すべく請求項1記載の葉濡れセンサは、回路に流れる消費電流0.1mWを基に厚み10mmのモールド剤による保温効果を加味して絶縁体平板の上面へ供給される熱量から絶縁体平板の面積58×35mm、厚み1.6mを算出しさらに幅広い感度調整が可能なくし型電極間隔0.8mm、対向総距離250mmを導き出した。これによってしきい値が葉濡れセンサ内部で固定された電気伝導式でありながら葉濡れセンサへの電源供給方法の工夫によって静電容量変化検知式と同じように感度調整が可能となった。
【0011】
請求項2記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項1記載の葉濡れセンサが電源ON後正常機能を果たすことができるまでのスタンバイ時間である回路安定時間にプラスしてプレヒート時間を可変させることによって絶縁体平板の上面へ供給される熱量を変えて結露点を移動させる。
【0012】
結露点を移動させることができれば植物体固有の葉面濡れ性と結露点は相関関係を持つためハスの葉やネギに代表される撥水性葉面からりんごの葉に代表される親水性葉面までの特性に合わせた調整ができる。つまり感度調整が葉濡れセンサをいじることなく葉濡れセンサを駆動する外部回路もしくは外部プログラムによって可能になるのである。
【0013】
請求項3記載の葉濡れ時間測定方法は、請求項2記載の葉濡れ時間測定方法に加えてプレヒート時間に葉濡れセンサに供給する電圧をさらに変化させることでより細かな調整を可能にしている。なお葉濡れセンサが正常機能を果たす回路安定時間さえ確保されていれば、プレヒート時間に供給される電圧が葉濡れセンサの内部回路を正しく動作させていなくとも所定の熱量を葉濡れセンサに供給できていれば充分である。
請求項4記載の葉濡れセンサは、設置角度を可変することで請求項2,3に記載した葉濡れ時間測定方法との組合せ若しくは単独で感度の微妙な調整を可能としている。植物の種類、病害予測の際の病害の種類、設置場所による特殊な環境条件等、使用目的に合わせて微調整する場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る葉濡れセンサおよび葉濡れ時間測定方法の最良の形態について説明する。
【0015】
最初に、本発明に係る葉濡れセンサの構成例について、図面を参照して説明する。葉濡れセンサは、図1に示すように、絶縁体平板1の上面に水滴3を付着させる対向電極2が形成されている。絶縁体平板1の下面には消費電力は0.1mWの回路4が配置され対向電極2とは絶縁体平板1を穿つスルーホール9によって電気的に接続されている。
絶縁体平板1はつつ型ケース5の上側に配置されつつ型ケース5の側面には接続用ケーブル6の取り出し口が設けられている。つつ型ケース5の絶縁体平板1の下側空間にはウレタン樹脂製モールド7が施されモールド7の厚みは10mmである。モールド7は回路4の防水目的と同時に回路4を流れる電流によってもたらされる熱量を保持する。絶縁体平板1は縦横が58×35mm、厚さ1.6mmである。回路4の消費電力は0.1mWであるので絶縁体平板1の単位面積当たりでは5mW/cm2となる。この熱量に最適な対向電極2のパターンを図2に示す。対向する2組のくし型電極はその隙間を0.8mmに保たれ、対向する隙間の総延長8は250mmとなる。図3に回路4の構成を示す。接続用ケーブル6は3芯であり各々電源、出力、GNDとなっている。入力された電源は電源部で安定化され回路4の各ブロックに供給される。発振部からの信号はスルーホール9を通って対向電極2の一方に接続される。対向電極2のもう一方はスルーホール9を通って受信部に入力し増幅部、判定部、出力部を経て接続用ケーブル6の出力信号線となる。
【0016】
図4に葉濡れセンサと接続用ケーブル6を通して接続されるセンサ駆動回路10を示す。センサ駆動回路10には電源制御部11とそれをコントロールするコンピュータ12が内蔵されている。コンピュータ12は電源制御部11に対して葉濡れセンサに供給する電源をON/OFFするだけでなくその供給電源の電圧を可変制御する。
【0017】
図5に請求項2の葉濡れ時間測定方法に係わる葉濡れセンサへの電源供給と測定のタイミングを示す。横軸は時間、縦軸は葉濡れセンサへ供給される電源電圧である。植物体の生育関係では測定インターバルは1時間毎が一般的である。センサ駆動回路10のコンピュータ12は電源制御部11に対して葉濡れセンサに供給する電源をON/OFFするがコンピュータ12のプログラム実行手順を以下に示す。まず葉濡れセンサ供給電源をONし(ステップ51)、次に葉濡れ時間を測定したい植物体に合わせた熱量を葉濡れセンサに供給するための所定のプレヒート時間ウエイトする(ステップ52)。次に葉濡れセンサの内部回路が充分安定するための回路安定時間を確保する(ステップ53)。この回路安定時間はプレヒート時間がゼロもしくは回路安定時間より短い場合に必ず挿入しなければならない期間である。プレヒート時間が終了したタイミングでセンサ駆動回路10は葉濡れセンサの出力を読み込んで(ステップ54)、葉濡れセンサ供給電源をOFFする(ステップ55)。コンピュータ12は次の測定シーケンスが始まるまでの測定インターバル期間、例えば1時間ウエイトする(ステップ56)。ステップ51からステップ56が繰り返されて連続した測定が行われる。なお、ステップ52のプレヒート時間は同じ植物体であっても一定である必要はない。例えば夏場は夜11時頃から結露が始まり太陽光が当たり出す夜明けに結露が解消されるが、真夜中から夜明けにかけての温度変化に連動させてプレヒート時間を変化させることでより精密な測定が可能になる。また、葉濡れセンサ供給電源をOFFせずに測定インターバル期間をすべてプレヒート時間に当てることもできる。この場合は葉濡れセンサに最大限の熱量が供給され結露検出時間が短くなる。
【0018】
図7にプレヒート時間と結露検出時間の相関関係グラフを示す。横軸は時間である。結露計(湿度計)のアナログ出力13と比較しながら説明する。気温と湿度が所定の条件で整うと夕方から湿度が上昇し夜9時頃から結露が開始され夜明け前にピークに達し日の出と共に結露が解消される。アナログ出力13のグラフの上昇は結露状態が高いことを表している。プレヒート時間がゼロの場合結露検出時間が夜9時から朝8時まで(グラフ15)とすると、プレヒート時間がフルの場合結露検出時間が夜中2時から朝5時まで(グラフ14)となる。これは仮に静電容量型センサのアナログ出力13をセンサ駆動回路10に接続した場合のセンサ駆動回路10内のADコンバータで取り込んでコンピュータ12で判定するのと同じ効果を得ている。各植物の葉面はそれぞれ超撥水性と超親水性の中間に位置し結露による葉濡れ時間は異なるため上記プレヒート時間の調整によって測定したい植物に合わせた葉濡れ時間測定が可能となる。
【0019】
それを裏付けるため図9と図10に葉濡れセンサのプレヒート時間の差が検出感度に及ぼす差異を実験により明らかにした実施例を示す。図9は降雨時であり、図10は自然結露時の観測データである。葉濡れセンサのプレヒート時間を2段階(ゼロ、フル)に設定した装置を圃場に設置し、その周囲約5m2を風の影響を避けるため四方を高さ2mの寒冷紗で囲った。平成20年5月19日〜5月31日に葉濡れ時間の計測を行い、降雨時(図9)及び自然結露時(図10)における葉濡れ時間を比較した。図9に示すように降雨時はプレヒート時間の差による葉濡れ時間はほぼ同じであり、図10に示すように自然結露時はプレヒート時間がゼロの場合はプレヒート時間がフルの場合に比較して湿潤時間が長い傾向にあった。以上の実験は請求項2の葉濡れ時間測定方法が自然結露時の葉濡れセンサの感度調整に特に有効であることを示している。
【0020】
図6に請求項3の葉濡れ時間測定方法に係わる葉濡れセンサへの電源供給と測定のタイミングを示す。横軸は時間、縦軸は葉濡れセンサへ供給される電源電圧である。図5と比較してステップ52のプレヒート時間に葉濡れセンサに供給される電源電圧はステップ53の回路安定時間に供給される電源電圧と異なる。プレヒート時間に供給される電源電圧が低い場合葉濡れセンサの内部回路が正しく動作せず葉濡れセンサの出力はでたらめな値を出力する可能性があるが、プレヒート時間の電源供給はあくまで所定の熱量を葉濡れセンサに供給するためだけに行われるのであり後のステップ53の回路安定時間に充分な電源電圧が与えられれば測定になんら支障はない。ただしセンサ駆動回路10のコンピュータ12によってコントロールされる電源制御部11は単なるON/OFF制御ではなく電圧可変機能を持っている必要がある。上記のとおり、プレヒート時間に供給する電圧を調整することにより葉濡れセンサに供給する熱量を変えることが可能となり、その結果結露検出時間の調整が可能となる。
図8に請求項4の葉濡れセンサの設置角度の有効性についてイネいもち病の感染予測を例として示す。4個の葉濡れセンサの傾斜角度をそれぞれ4段階(0°、5°、10°、15°)に設置した装置を気象観測装置の近くに設置し、平成17年10月〜11月の降雨のあった日に湿潤時間の計測を行い葉濡れセンサによる湿潤時間の測定値と気象データからBLASTAM理論により推定した葉いもち感染に有効な湿潤時間を比較した。図8で得られたデータにより取付角度θ(シータ)が0°から15°の範囲で感度が変化することが確認され、15°付近とすることでBLASTAM予測時間と最も近似することがわかる。なお、BLASTAMは既に広く用いられている気象データ(気温、風速、雨量)から葉いもちの感染に有効な湿潤時間を推定するモデルである。
【0021】
なお、本発明のツボは、葉濡れセンサへ熱量を与えるためのヒータなどを設けず必要最低限の回路構成で消費される電力を基に葉濡れセンサを構成する絶縁体平板やつつ型ケース、モールド剤を決定し全体のバランスが最適化されている点にある。ここでは植物の病害感染予測を例に本発明の実施例を示したが,この実施形態にのみ本発明の範囲を限定するものではなく、用途は農業分野にとどまらないことは言うまでもない。
【0022】
本発明によれば、電気伝導式の小型軽量の長所をそのまま維持しながら、静電容量変化検知式並の濡れ性の異なるそれぞれの植物体に合わせた感度を調整できる葉濡れセンサと葉濡れ時間測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】葉濡れセンサの断面図である。
【図2】対向電極の平面図である。
【図3】葉濡れセンサの回路構成図である。
【図4】葉濡れセンサとその駆動回路図である。
【図5】測定シーケンス図である。
【図6】測定シーケンス図である。
【図7】プレヒート時間と結露検出時間の相関関係グラフである。
【図8】葉濡れセンサの取付角度と感度の相関表である。
【図9】降雨時のプレヒート時間と感度の相関表である。
【図10】自然結露時のプレヒート時間と感度の相関表である。
【符号の説明】
【0024】
1 絶縁体平板
2 くし型電極
3 水分
4 回路
5 つつ型ケース
6 接続用ケーブル
7 モールド剤
8 対向電極の全長
9 スルーホール
10 センサ駆動回路
11 電源制御部
12 コンピュータ
13 アナログ出力
14 プレヒート時間フル時グラフ
15 プレヒート時間ゼロ時グラフ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体平板の上面に2組のくし型電極を対向させた水分検知部を配置し、
前記絶縁体平板の下面に電源、発振、受信、増幅、判定、出力の各回路を設け、
前記絶縁体平板の上面と下面をスルーホールで電気的に接続し、
つつ型ケースの上面に前記絶縁体平板を配置し、
前記つつ型ケースの側面に外部との接続用ケーブルの取り出し口を設け、
前記接続用ケーブルは電源用、出力用、0V用の3線であり、
前記つつ型ケースの前記絶縁体平板の下側空間をモールドしてなる電気伝導式水分検知装置であって、
前記絶縁体平板は、58×35mm、厚さ1.6mmであって、
前記絶縁体平板上面の対向する2組のくし型電極間隔が0.8mmであり、対向する部分の全長が250mmであり、
前記絶縁体平板下面の回路消費電力は0.1mW(絶縁体平板の単位面積当たりでは5mW/cm2)であり、
前記絶縁体平板下側空間のモールド剤はウレタン樹脂であり、
前記モールド厚みは10mmである
ことを特徴とする電気伝導式葉濡れセンサ。
【請求項2】
電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する葉濡れ時間測定方法。
【請求項3】
電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定の電圧で所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する葉濡れ時間測定方法。
【請求項4】
感度を測定したい植物体の葉面濡れ特性と合わせるために設置角度を水平から測って0度から所定の角度の範囲で可変できる
ことを特徴とする請求項1記載の電気伝導式葉濡れセンサ。
【請求項1】
絶縁体平板の上面に2組のくし型電極を対向させた水分検知部を配置し、
前記絶縁体平板の下面に電源、発振、受信、増幅、判定、出力の各回路を設け、
前記絶縁体平板の上面と下面をスルーホールで電気的に接続し、
つつ型ケースの上面に前記絶縁体平板を配置し、
前記つつ型ケースの側面に外部との接続用ケーブルの取り出し口を設け、
前記接続用ケーブルは電源用、出力用、0V用の3線であり、
前記つつ型ケースの前記絶縁体平板の下側空間をモールドしてなる電気伝導式水分検知装置であって、
前記絶縁体平板は、58×35mm、厚さ1.6mmであって、
前記絶縁体平板上面の対向する2組のくし型電極間隔が0.8mmであり、対向する部分の全長が250mmであり、
前記絶縁体平板下面の回路消費電力は0.1mW(絶縁体平板の単位面積当たりでは5mW/cm2)であり、
前記絶縁体平板下側空間のモールド剤はウレタン樹脂であり、
前記モールド厚みは10mmである
ことを特徴とする電気伝導式葉濡れセンサ。
【請求項2】
電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する葉濡れ時間測定方法。
【請求項3】
電気伝導式葉濡れセンサへ電源を供給しその出力を測定する時に、前記電源を供給した後所定の電圧で所定のプレヒート時間を挿入しその後回路安定時間を経て前記電気伝導式葉濡れセンサの出力を測定し次に前記電源供給を停止するステップを実行する葉濡れ時間測定方法。
【請求項4】
感度を測定したい植物体の葉面濡れ特性と合わせるために設置角度を水平から測って0度から所定の角度の範囲で可変できる
ことを特徴とする請求項1記載の電気伝導式葉濡れセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−145384(P2010−145384A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336065(P2008−336065)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(391001619)長野県 (64)
【出願人】(000126447)アスザック株式会社 (9)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(391001619)長野県 (64)
【出願人】(000126447)アスザック株式会社 (9)
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