説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】イオン性不純物のトラップ効率の低下を抑制でき、長期的に優れた信頼性を得ることができる電気光学装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学装置は、電気光学物質層を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、第1基板と第2基板とを貼り合わせるシール材と、複数の画素が配列された画素領域と、画素領域とシール材との間の外縁領域に電極を備えて設けられたイオントラップ部と、を有する電気光学装置であって、イオントラップ部の少なくとも一部と平面視で重なる領域に、電気光学物質層の厚さが画素領域における厚さよりも大きく形成された厚層部が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置において、液晶材料や配向膜に光を入射させると、光化学反応によって様々な
イオン性不純物が発生し、表示ムラなどの液晶装置の表示品質の低下を引き起こすことが
知られている。プロジェクターのライトバルブに用いられる液晶装置においては、入射光
の光束密度が直視型液晶装置と比べて非常に高くなるため、液晶や配向膜に高耐光性が要
求される。高耐光性を実現するには、光照射の結果として発生し、表示不良等の原因とな
るイオン性不純物が表示領域に集積するのを抑制する必要がある。
【0003】
また、液晶装置への液晶注入時に混入したり、液晶層を取り囲むシール材や封止材から
溶出したイオン性不純物が、液晶の駆動動作や温度差によって表示領域に拡散し、そこで
凝集することにより表示特性の劣化を招くことも知られている。特に、シリコン酸化物等
からなる無機配向膜を用いた場合、表示領域の外縁部分において不純物が吸着されやすく
なり、不純物の局在化によるシミやムラが発生することがある。
【0004】
そこで、液晶層中のイオン性不純物をトラップする機構を設けた液晶装置が知られてい
る(特許文献1〜6)。特許文献1〜4に記載の液晶装置は、液晶層を挟持する一対の基
板の内面側に一対の電極を形成し、かかる一対の電極の間に発生させた液晶層厚方向の電
界(縦電界)によって液晶層中のイオン性不純物をトラップするものである。特許文献5
、6に記載の液晶装置は、液晶層を挟持する一対の基板のうちの一方の基板上に一対の電
極を並べて形成し、かかる一対の電極間に発生させた基板面方向の電界(横電界)によっ
て、液晶層中のイオン性不純物をトラップするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−323336号公報
【特許文献2】特開2000−221521号公報
【特許文献3】特開平8−201830号公報
【特許文献4】特開平10−123526号公報
【特許文献5】特開2008−58497号公報
【特許文献6】特開2008−89938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜6記載の液晶装置においても、時間の経過に伴って電極が形成さ
れた領域にイオン性不純物が蓄積し、イオン性不純物のトラップ効率が徐々に低下してし
まうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、イオン性不純物のトラ
ップ効率が低下するのを抑制でき、長期的に優れた信頼性を得ることができる電気光学装
置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気光学装置は、電気光学物質層を挟持して対向配置された第1基板及び第2
基板と、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、複数の画素が配列さ
れた画素領域と、前記画素領域と前記シール材との間の外縁領域に電極を備えて設けられ
たイオントラップ部と、を有する電気光学装置であって、前記イオントラップ部の少なく
とも一部と平面視で重なる領域に、前記電気光学物質層の厚さが前記画素領域における前
記厚さよりも大きく形成された厚層部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、イオントラップ部において電気光学物質層の厚さを大きくした厚層
部が設けられていることで、イオントラップ部にトラップされたイオン性不純物を、電気
光学物質層の厚さ方向にも拡散させることができる。これにより、イオン性不純物が比較
的多く蓄積された場合でも、基板面方向におけるイオン性不純物の拡散が抑制される。そ
の結果、イオントラップ部から画素領域にイオン性不純物が移動して表示不具合の原因と
なるのを抑制することができる。
【0010】
前記厚層部は、前記第1基板及び前記第2基板のうちの少なくとも一方に形成された他
の部位よりも板厚の薄い薄板部に設けられている構成としてもよい。
この構成によれば、基板の加工により容易に厚層部を備えた電気光学装置を実現できる

【0011】
前記薄板部は、前記外縁領域内に選択的に形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、シール材の形成領域に薄板部が形成されないので、画素領域におけ
る電気光学物質層の厚さの均一性を確保するための加工が不要になり、製造性に優れた電
気光学装置とすることができる。
【0012】
前記薄板部は、当該薄板部が形成された前記第1基板又は前記第2基板において、前記
外縁領域内から基板端縁にわたって形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、厚層部の平面領域を大きく確保することができるため、イオン性不
純物が画素領域へ移動しないようにするために拡散させる範囲を広く確保でき、画素領域
における表示不具合の発生をより確実に抑制することができる。
【0013】
前記厚層部は、前記イオントラップ部を内包する平面領域に形成されている構成として
もよい。
この構成によれば、イオントラップ部にトラップされているイオン性不純物を電気光学
物質層の厚さ方向に拡散させやすくなり、画素領域には拡散しにくくすることができる。
【0014】
前記厚層部は、前記イオントラップ部が形成された平面領域の一部にのみ形成されてい
る構成としてもよい。
この構成においても、厚層部が設けられた領域ではイオン性不純物を電気光学物質層の
厚さ方向に拡散させることができるため、少なくとも厚層部が設けられた部位の近傍にお
いて表示不具合の発生を抑えることができる。
【0015】
前記厚層部は、前記画素領域の角部に対応する位置に形成されている構成としてもよい

この構成によれば、特に画素領域の角部における表示不具合の発生を効果的に抑制でき
る。
【0016】
前記厚層部は、前記シール材に設けられた電気光学物質注入口に対応する位置に形成さ
れている構成としてもよい。
この構成によれば、特に電気光学物質注入口の近傍における表示不具合の発生を効果的
に抑制できる。
【0017】
前記厚層部の少なくとも一部が、前記画素領域から前記シール材への方向において複数
の領域に区画されている構成としてもよい。
この構成によれば、厚層部間でのイオン性不純物の移動を抑制することができる。
【0018】
前記イオントラップ部が、画像表示に用いられないダミー画素を含む構成としてもよい

【0019】
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、イオン性不純物に起因するシミやムラなどの不具合を生じにくい、
信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電気光学装置の第1実施形態である液晶装置の平面図。
【図2】図1に示すI−I線に沿う位置における液晶装置の部分断面図。
【図3】第1実施形態の変形例を示す説明図。
【図4】第2実施形態の液晶装置の平面図。
【図5】図4に示すII−II線に沿う位置における液晶装置の断面図。
【図6】第2実施形態の変形例を示す図。
【図7】第3実施形態の液晶装置の平面図。
【図8】第4実施形態の液晶装置の平面図。
【図9】図8のIII−III線に沿う位置における液晶装置の断面図。
【図10】第5実施形態の液晶装置の平面図。
【図11】図10のIV−IV線に沿う位置における液晶装置の断面図。
【図12】第5実施形態の変形例に係る液晶装置の部分断面図。
【図13】第6実施形態の液晶装置の平面図。
【図14】図13のV−V線に沿う位置における液晶装置の断面図。
【図15】第6実施形態の変形例に係る液晶装置の部分断面図。
【図16】第1実施形態に係る液晶装置のシミュレーション結果を示す図。
【図17】第2実施形態に準ずる構成の液晶装置のシミュレーション結果を示す図。
【図18】厚層部を形成していない液晶装置のシミュレーション結果を示す図。
【図19】電子機器の一実施の形態であるプロジェクターを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的
思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりや
すくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、電気光学装置の第1実施形態である液晶装置の平面図である。図2は、図1に
示すI−I線に沿う位置における液晶装置の部分断面図である。
液晶装置(電気光学装置)100は、TFTアレイ基板(第1基板)10と、TFTア
レイ基板10と対向配置された対向基板(第2基板)20と、TFTアレイ基板10と対
向基板20との間に挟持された液晶層(電気光学物質層)50と、液晶層50の周囲を囲
んで形成されるとともに一部に液晶注入口51aを有する矩形枠状のシール材51と、シ
ール材51の液晶注入口51aを封止する封止剤52と、を備えている。
【0023】
TFTアレイ基板10上には、シール材51とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が対向
配置されており、シール材51によりTFTアレイ基板10と対向基板20とが貼り合わ
されている。TFTアレイ基板10は、対向基板20よりも大きく、対向基板20の一端
部よりも外側に張り出した張出部10aを備えている。張出部10aには、駆動ICチッ
プ101が実装されており、また複数の外部回路接続端子102が形成された端子部が設
けられている。
【0024】
シール材51は、TFTアレイ基板10と対向基板20との対向領域の周縁部に沿って
設けられている。液晶注入口51aは、シール材51の4つの辺のうち張出部10aに面
する辺に設けられている。封止剤52は、対向基板20の端面に沿って、張出部10aの
液晶注入口51a近傍の位置に塗布されている。シール材51と封止剤52とが液晶層5
0の周囲を囲み、液晶層50をTFTアレイ基板10と対向基板20との間に封止してい
る。
【0025】
シール材51に囲まれた領域の中央部には、複数の画素PXがマトリクス状に配置され
てなる矩形の画素領域1Aが設けられている。画素領域1Aとシール材51との間の矩形
枠状の領域は、画素が形成されていない周辺領域(外縁領域)1Bである。シール材51
の外側における対向基板20の角部には、TFTアレイ基板10と対向基板20とを電気
的に接続するための銀点等を有する基板間導通部106が設けられている。
【0026】
画素領域1Aとシール材51との間に、液晶層50の内部に電界を発生させて液晶層5
0中のイオン性不純物をトラップするイオントラップ部60が設けられている。イオント
ラップ部60は、図2に示すように、TFTアレイ基板10の基板本体10A上に形成さ
れたトラップ電極61を備えている。イオントラップ部60では、トラップ電極61と共
通電極21(図2参照)との間に発生する液晶層厚方向の電界によって液晶層50中のイ
オン性不純物をトラップする。
【0027】
イオントラップ部60は、画素領域1Aを取り囲んで配置されている。図1では、画素
領域1Aから周辺領域1Bに向かって拡散するイオン性不純物と、シール材51から溶出
し、画素領域1Aに向けて侵入するイオン性不純物を漏れなくトラップするために、イオ
ントラップ部60は、全体として、画素領域1Aの外周に沿って閉じた枠状に形成されて
いる。
トラップ電極61は、画素領域1Aを取り囲む矩形枠状の電極である。トラップ電極6
1は、シール材51を跨いで延びる引き出し線63、64を介して駆動ICチップ101
に接続されている。
【0028】
本実施形態の液晶装置100では、イオントラップ部60は、対向基板20を部分的に
薄型化した薄板部20aの平面領域内に設けられている。薄板部20aは、対向基板20
の周縁に沿って設けられている。薄板部20aと対向基板20の厚い部分との境界を形成
する段差部20dは、画素領域1Aの外周縁とイオントラップ部60との間に位置してい
る。
【0029】
TFTアレイ基板10は、図2に示すように、ガラスや石英などの透明基板あるいはシ
リコンなどの不透明基板からなる基板本体10A上に、画素電極13を駆動する図示略の
駆動素子や電極を形成した素子基板である。
【0030】
基板本体10A上には、上記の駆動素子と接続された配線11等が形成されており、駆
動素子や配線11等を覆う絶縁膜12が形成されている。絶縁膜12上には、トラップ電
極61と、複数の画素電極13とが形成されている。トラップ電極61と複数の画素電極
13とを覆って配向膜14が形成されている。画素電極13は、液晶装置100を透過型
の液晶装置として構成する場合には、例えばITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電
材料を用いて形成され、反射型液晶装置として構成する場合には、例えばアルミニウム等
の光反射性の金属を用いて形成される。配向膜14は、ポリイミド等の有機配向膜、ある
いはシリコン酸化膜等の無機配向膜からなる。配向膜14は、シール材51の内側(液晶
層50側)の領域にのみ形成されていてもよい。
【0031】
対向基板20は、ガラスや石英などの透明基材上に遮光膜BMを形成してなる基板本体
20Aを備えている。本実施形態の遮光膜BMは、画素PXを平面的に区画するブラック
マトリクスとしての遮光膜と、画素領域1Aの周囲を縁取る周辺見切りとしての遮光膜を
含むものである。
【0032】
基板本体20Aの液晶層50側の面には、基板本体20Aのほぼ全面を覆う共通電極2
1と、共通電極21を覆う配向膜22とが形成されている。共通電極21は、例えばIT
O等の透明導電膜からなる。本実施形態の場合、イオントラップ部60のトラップ電極6
1と対向する対向基板20上の領域にも共通電極21が形成されている。配向膜22は、
ポリイミド等の有機配向膜、あるいはシリコン酸化膜等の無機配向膜からなる。共通電極
21及び配向膜22は、シール材51の内側(液晶層50側)の領域にのみ形成されてい
てもよい。
【0033】
本実施形態に係る基板本体20Aは、その周縁部に、薄型化加工を施された薄板部20
aを有している。そのため、画素電極13が形成された画素領域1Aの外周に沿って、段
差部20dが形成されている。本実施形態の場合、段差部20dは基板本体20Aの板厚
方向に対して45°程度の角度を成す斜面である。そのため、遮光膜BM、共通電極21
、及び配向膜22は、段差部20dの斜面に沿って形成されており、これらの構成部材は
段差部20d上を経由して連続している。
【0034】
液晶層50は、TFTアレイ基板10と対向基板20とシール材51とに囲まれた領域
に封入されている。本実施形態の液晶装置100では、対向基板20に薄板部20aが形
成されていることにより、液晶層50の厚さが部位により異なっている。具体的には、画
素領域1Aにおける液晶層厚Gcに対して、薄板部20aにおける液晶層厚が大きく形成
されている。この液晶層厚が大きく形成された領域が、本実施形態における厚層部70で
ある。例えば、画素領域1Aの液晶層厚Gcが2〜3μm程度であるのに対して、厚層部
70内のトラップ電極61上における液晶層厚Gは100μm程度であり、30〜50倍
程度の液晶層厚とされる。
【0035】
液晶層50は、画素電極13と共通電極21との間に発生する液晶層厚方向の電界(縦
電界)によって駆動される縦電界方式の液晶層である。縦電界方式としては、VA(Vert
ical Alignment)方式が代表的であるが、OCB(Optically Compensated Birefringenc
e)方式やTN(Twisted Nematic)方式などの他の方式でもよい。
【0036】
なお、本実施形態では、共通電極21が対向基板20側に設けられた縦電界方式で液晶
層50を駆動しているが、共通電極21として機能する電極をTFTアレイ基板10側に
設け、この電極と画素電極13との間に発生する基板面方向の電界(横電界;液晶層の厚
さ方向と概ね直交する方向の電界)によって液晶層50を駆動してもよい。このような駆
動方式は、横電界方式と呼ばれる。横電界方式としては、IPS(In-Plane Switching)
方式やFFS(Fringe Field Switching)方式が代表的であるが、FFS方式は焼きつき
が発生し易いため、IPS方式などのFFS方式以外の駆動方式が好ましい。
【0037】
液晶装置100では、画像表示前、画像表示中、または画像表示後に、トラップ電極6
1に電圧を印加し、トラップ電極61と共通電極21との間に発生させた電界を液晶層5
0に作用させることにより液晶層50中のイオン性不純物をトラップする。これにより、
画素領域1Aで発生したイオン性不純物や、シール材51や封止剤52から溶出したイオ
ン性不純物を周辺領域1Bに固定することができる。その結果、イオン性不純物が画素領
域1A内の配向膜14等に吸着することによって生じる焼きつきなどの表示不良が少ない
液晶装置とすることができる。
【0038】
トラップ電極61及び共通電極21に印加する電圧は、トラップするイオン性不純物の
極性に応じて設定すればよい。例えば、トラップ電極61に−5V、共通電極21に0V
を印加した場合、イオントラップ部60には全体として負の直流電圧が印加されるため、
液晶層50中の正電荷を有するイオン性不純物を効果的にトラップすることができる。一
方、トラップ電極61に+5V、共通電極21に0Vを印加すれば、イオントラップ部6
0に正の直流電圧が印加されるため、負電荷を有するイオン性不純物を効果的にトラップ
することができる。
【0039】
本実施形態の液晶装置100では、対向基板20の薄板部20aによって形成された厚
層部70を有していることで、イオントラップ部60における経時的なトラップ効率の低
下を抑制することができる。
例えば、トラップ電極61に−5V、共通電極21に0Vを印加してイオントラップ部
60を動作させてイオン性不純物をトラップすると、作動時間の経過に伴ってトラップ電
極61上に正電荷のイオン性不純物が蓄積していく。
【0040】
液晶層50中で局所的にイオン性不純物の濃度が高くなると、周囲との濃度差が熱的拡
散の駆動力となるため、イオントラップ部60にイオン性不純物が蓄積されると、トラッ
プしたイオン性不純物が画素領域1A側へ再拡散しやすくなる。そして、画素領域1Aに
拡散したイオン性不純物が配向膜14等に吸着すると、焼き付きなどの表示不良が生じや
すくなる。
【0041】
そこで本実施形態の液晶装置100では、イオントラップ部60の形成領域に対応して
液晶層厚の大きい厚層部70を設けた。これにより、イオントラップ部60における液晶
の量を画素領域1Aに対して大きく増加させることができる。かかるイオントラップ部6
0では、トラップ電極61に吸着されたイオン性不純物が液晶層50の厚さ方向にも拡散
するので、イオン性不純物の濃度上昇が抑制される。その結果、濃度勾配によるイオン性
不純物の基板面方向への拡散速度を遅くすることができ、画素領域1Aへのイオン性不純
物の再拡散を抑制することができる。以上により、長期間にわたって表示不良の発生を抑
えることができ、優れた信頼性を得ることができる。
【0042】
本実施形態の液晶装置100において、薄板部20aの内周端の段差部20dは、画素
領域1Aの最外周に位置する画素電極13と、トラップ電極61との間に形成されている
。本実施形態において、段差部20dの段差高さが100μm、段差部20dの斜面角度
が45°であるとすると、段差部20dの幅Wは100μmとなる。この場合には、画素
領域1Aの外周端からトラップ電極61までの幅Woを150μm以上とすることが好ま
しく、200μm以上とすることがより好ましい。
【0043】
幅Woが150μm以上確保されていれば、組みズレが生じた場合でも画素電極13又
はトラップ電極61上に段差部20dが配置されにくくなり、幅Woを200μm以上と
すれば、より確実に段差部20dを画素電極13とトラップ電極61との間に配置するこ
とができる。これにより、画素領域1Aにおける表示不良の発生を防止できる。また、ト
ラップ電極61上における液晶層厚Gを最大厚さとすることができ、イオン性不純物の液
晶層厚方向の拡散領域を大きく確保することができる。
【0044】
なお、イオントラップ部60における液晶層厚が、画素領域1Aにおける液晶層厚Gc
よりも大きければ、液晶層厚方向へのイオン性不純物の拡散を促進する作用が得られるた
め、トラップ電極61と段差部20dとが平面視で部分的又は全体的に重なっていてもよ
い。
【0045】
本実施形態において、厚層部70には、遮光膜BMが形成されていることが好ましい。
厚層部70では、液晶層厚が画素領域1Aと異なっており、またイオントラップ部60の
電界の作用により液晶が駆動される。さらに、段差部20dにおける液晶の配向乱れも生
じる。したがって、これらに起因する漏れ光によるコントラスト低下を防止するために、
少なくとも厚層部70を覆う領域に遮光膜BMを形成するとよい。
【0046】
なお、本実施形態では、イオントラップ部60として、トラップ電極61と共通電極2
1との間に形成される電界によってイオン性不純物をトラップする縦電界方式のものにつ
いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、イオントラップ部60に横
電界方式を採用してもよい。横電界方式の場合には、TFTアレイ基板10又は対向基板
20のいずれか一方の液晶層50側の面に、一対の電極を形成し、これら一対の電極間に
電圧を印加することで基板面方向の電界を形成し、かかる電界によりイオン性不純物をト
ラップする。
【0047】
また本実施形態では、イオントラップ部60の電界を規定するための電圧が印加される
トラップ電極61をTFTアレイ基板10に形成している。これにより、トラップ電極6
1に接続されるスイッチング素子等を画素PXの形成工程で同時に形成することができる
ため、イオントラップ部60を形成するためのコストを抑えることができる。
なお、トラップ電極61を対向基板20に形成することも可能であるが、この場合には
TFTアレイ基板10上のスイッチング素子とトラップ電極61を接続するために、共通
電極21用の基板間導通部106とは別の基板間導通部を設ける必要があるため、プロセ
ス上のコストが増加してしまう。
【0048】
また本実施形態では、厚層部70を対向基板20に薄板部20aを設けることによって
形成しているが、TFTアレイ基板10に上記薄板部を形成してもよい。ただし、TFT
アレイ基板10上にはトラップ電極61をパターン形成する必要があり、しかも複数の電
気配線が形成される。そのため、TFTアレイ基板10に大きな段差があると、電極のパ
ターニングが困難になったり、段差を跨ぐ電気配線が断線しやすくなるおそれがある。
一方、本実施形態のように対向基板20に薄板部20aを形成する場合には、共通電極
21や配向膜22のパターニングはほぼ不要であり、細い配線もないため、上記した不具
合が生じにくく、歩留まりの低下を回避しやすい。
【0049】
また本実施形態では、段差部20dよりも外側の厚層部70における液晶層厚が一定で
ある場合について説明したが、厚層部70が液晶層厚の異なる複数の部位を有する構成と
してもよい。
図3は、第1実施形態の変形例を示す説明図である。図3に示す液晶装置100の厚層
部70では、イオントラップ部60のトラップ電極61上の液晶層厚Gと、イオントラッ
プ部60よりも外側の外側領域65における液晶層厚Gfとが異なっている。図示の例で
は、イオントラップ部60における液晶層厚Gが外側領域65における液晶層厚Gfより
も大きい。
【0050】
液晶層厚G、Gfの差異は基板本体20Aの薄型加工により実現されている。すなわち
、薄板部20aにおいて、イオントラップ部60に対応する部位では、基板本体20Aが
より薄く加工され、外側領域65に対応する部位は、イオントラップ部60に対応する部
位よりも厚い状態に薄型化加工されている。例えば、基板本体20Aの元の厚さ(画素領
域1Aにおける板厚)が1.1mmである場合に、イオントラップ部60に対応する部位
は1mm厚さに薄型化加工される一方、外側領域65に対応する部位では1.05mm厚
さに薄型化加工される。
【0051】
以上に説明した変形例の構成によれば、図2に示した液晶装置100と比較して対向基
板20の外周部の板厚が大きくなるので、対向基板20の強度を確保しやすくなる。その
一方で、外側領域65における液晶層厚は小さくなるので、イオン性不純物の濃度上昇を
抑える効果は小さくなる。しかし、外側領域65における液晶層厚Gf(52〜53μm
)は、画素領域1Aにおける液晶層厚Gc(2〜3μm)の20倍以上であるため、イオ
ントラップ部60に蓄積したイオン性不純物は画素領域1Aよりも外側領域65の方へ拡
散しやすい。よって変形例の構成においても、画素領域1Aにイオン性不純物が吸着する
ことによる表示不具合を効果的に抑制することが可能である。
【0052】
(第2実施形態)
次に、図4及び図5を参照して第2実施形態の液晶装置について説明する。
図4は、第2実施形態の液晶装置の平面図である。図5は、図4に示すII−II線に沿う
位置における液晶装置の断面図である。
なお、以下の各実施形態において、それより前の実施形態と共通する構成要素について
は同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0053】
本実施形態の液晶装置(電気光学装置)200は、その基本構成において第1実施形態
の液晶装置100と共通しており、対向基板20における薄板部の形成領域が異なる構成
である。
すなわち、液晶装置200では、図4及び図5に示すに示すように、画素領域1Aを取
り囲んで形成されたイオントラップ部60に沿って、平面視矩形枠状の薄板部20bが形
成されている。より詳しくは、基板本体20Aの液晶層50側の面に溝状の凹部が形成さ
れることにより、基板本体20Aが部分的に薄型化されており、かかる凹部の内面を含む
基板本体20Aの液晶層50側の面に共通電極21及び配向膜22が形成されている。
【0054】
上記構成の対向基板20とTFTアレイ基板10とがシール材51を介して貼り合わさ
れ、対向基板20とTFTアレイ基板10との間に液晶が封入されることにより液晶装置
200が構成されている。対向基板20の薄板部20bはTFTアレイ基板10上のトラ
ップ電極61と対向して配置されている。これにより、トラップ電極61上に、画素領域
1Aにおける液晶層厚Gcよりも大きい液晶層厚Gを有する厚層部71が形成されている
。厚層部71における液晶層厚Gは例えば100μm程度であり、画素領域1Aにおける
液晶層厚Gc(2〜3μm)の20〜30倍程度とされる。
【0055】
以上の構成を備えた本実施形態の液晶装置200によれば、イオントラップ部60に対
応する平面領域に厚層部71が形成されているので、イオントラップ部60に蓄積したイ
オン性不純物の拡散領域を液晶層厚方向にも確保することができる。したがって、蓄積し
たイオン性不純物が基板面方向に拡散するのを抑制することができ、その結果、画素領域
1Aにイオン性不純物が再拡散して吸着することによる表示不具合の発生を効果的に抑制
することができる。
【0056】
本実施形態の液晶装置200では、基板本体20Aの表面に溝加工を施すことにより薄
板部20bを形成することができ、シール材51を介して貼り合わされる基板周縁部に対
して加工を施す必要がない。そのため、第1実施形態の液晶装置100と比較して製造性
に優れ、安価に製造することが可能である。これは以下の理由による。
【0057】
まず、第1実施形態の液晶装置100では、基板本体20Aの外周部を全体的に薄型化
し、シール材51が形成される領域も加工する。そのため、セルギャップ(画素領域1A
における液晶層厚Gc)の均一性を確保するには、薄型化加工の工程でシール材51が形
成される領域において十分な平坦性を得る必要がある。また加工によって薄板部20aの
板厚が変化すると、セルギャップを一定に保つためにシール材51の高さを変えなければ
ならなくなる。
【0058】
これに対して、第2実施形態の液晶装置200では、シール材51が形成される領域に
は薄型化加工を施さないため、基板本体20Aの製造時の研磨工程で得られた平坦性が損
なわれることがない。また、薄型化加工により形成される溝の内面においても平坦性はほ
とんど要求されないため、簡便な加工方法を用いることができる。よって、第2実施形態
の液晶装置200の構成を採用することで、液晶装置の製造性を大きく向上させることが
できる。
【0059】
本実施形態の液晶装置200において、厚層部71の幅(延在方向と直交する方向にお
ける長さ)は、イオントラップ部60(トラップ電極61)の幅よりも大きくすることが
好ましい。これにより、トラップ電極61上の領域全体で、画素領域1Aよりも液晶層厚
を大きくすることができるので、イオン性不純物の濃度上昇を抑え、画素領域1Aへの再
拡散を抑制することができる。
【0060】
ただし、厚層部71の幅は上記に限定されるものではなく、イオントラップ部60の少
なくとも一部と重なる平面領域に厚層部71が配置されていればよい。したがって、厚層
部71の幅をイオントラップ部60よりも狭くしても、広くしてもよい。厚層部71の幅
を大きくするほどイオン性不純物の再拡散を防止する効果は大きくなるが、基板サイズが
一定であれば、薄板部20bと、画素領域1A、シール材51との距離が狭くなり、組み
ズレに対するマージンが小さくなる。
【0061】
なお、本実施形態の液晶装置200では、薄板部20bに形成された凹部が断面台形状
であるとしたが、かかる凹部の形状は特に限定されず、種々の形状を採用することができ
る。
図6は、第2実施形態の変形例を示す図である。薄板部20bにおける凹部の断面形状
は、図6(a)に示すような断面三角形状であってもよく、図6(b)に示すような断面
半円形状(半楕円形状)であってもよい。
【0062】
(第3実施形態)
次に、図7を参照して第3実施形態の液晶装置について説明する。
図7は、第3実施形態の液晶装置の平面図である。
【0063】
本実施形態の液晶装置(電気光学装置)300では、図7に示すように、画素領域1A
を取り囲んで形成されたイオントラップ部60上の領域のうち、一部の領域にのみ対応し
て厚層部72、73、74が形成されている。厚層部72〜74は、その液晶層厚が、少
なくとも画素領域1Aの液晶層厚よりも大きくされた部位である。厚層部72〜74にお
ける対向基板20の基板本体20Aには、先の第2実施形態と同様に、溝状の凹部が形成
され、板厚が部分的に薄くされた薄板部20bが形成されている。
【0064】
本実施形態の液晶装置300では、TFTアレイ基板10の配向膜14表面における液
晶分子の配向方向Dが、図示のように画素領域1Aの対角線方向に設定されている。そし
て、平面視でL形の厚層部72、73は、配向方向Dの延長上に位置するイオントラップ
部60の角部に対応して形成されている。
【0065】
配向方向Dが、図示のように設定されている場合、画素領域1Aで発生するイオン性不
純物は、配向方向Dに沿って移動しやすくなる。そのため、概ね配向方向Dに沿った方向
に位置する画素領域1Aの2つの角部にイオン性不純物が堆積しやすい(例えば特開平4
−86812号公報参照)。そして、上記2つの角部では、画素領域1Aの対角線上で発
生したイオン性不純物が堆積するため、その堆積量も多くなり、イオントラップ部60の
他の部位と比較してイオン性不純物の濃度が上昇しやすい。
【0066】
そこで本実施形態では、配向方向Dに沿った方向の角部に厚層部72、73を設けてい
る。これにより、角部に蓄積したイオン性不純物をイオントラップ部60上で液晶層厚方
向に拡散させることができ、画素領域1Aへ再拡散するのを抑制することができる。
【0067】
また本実施形態の液晶装置300では、シール材51の液晶注入口51aに設けられた
封止剤52の位置に、厚層部74が設けられている。
【0068】
封止剤52は、液晶注入後に塗布されて硬化されるため、液晶注入前に硬化されるシー
ル材51と比較してイオン性不純物が溶出しやすい。そのため、封止剤52近傍のイオン
トラップ部60にはイオン性不純物が蓄積しやすく、濃度が上昇しやすい。
そこで本実施形態では、封止剤52に対応する位置のイオントラップ部60上に厚層部
74を設けている。これにより、封止剤52の近傍に位置するイオントラップ部60に蓄
積したイオン性不純物をイオントラップ部60上で液晶層厚方向に拡散させることができ
、画素領域1Aへ再拡散するのを抑制することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、画素領域1Aの特定の角部と、封止剤52の両方に対応して厚
層部72〜74を設けた構成について説明したが、厚層部72、73のみを設けた構成と
してもよいし、厚層部74のみを設けた構成としてもよいのはもちろんである。
また厚層部72、73についても、画素領域1Aのいずれか一方の角部においてのみイ
オン性不純物が蓄積しやすい場合には、その蓄積量の多い角部に対応するイオントラップ
部60上にのみ厚層部を形成すればよい。
【0070】
(第4実施形態)
次に、図8及び図9を参照して第4実施形態の液晶装置について説明する。
図8は、第4実施形態の液晶装置の平面図である。図9は、図8のIII−III線に沿う位
置における液晶装置の断面図である。
【0071】
本実施形態の液晶装置(電気光学装置)400では、図8に示すように、画素領域1A
を取り囲んで形成されたイオントラップ部60が、周辺領域1Bの内周側に形成された平
面視矩形枠状の第1のイオントラップ部60Aと、第1のイオントラップ部60Aを取り
囲む矩形枠状に形成された第2のイオントラップ部60Bと、を備えている。
【0072】
そして、第1のイオントラップ部60Aと平面視で重なる領域には、第1のイオントラ
ップ部60Aに沿って第1の厚層部70Aが形成され、第2のイオントラップ部60Bと
平面視で重なる領域には、第2のイオントラップ部60Bに沿って第2の厚層部70Bが
形成されている。第1の厚層部70A及び第2の厚層部70Bは、それらの液晶層厚が、
少なくとも画素領域1Aの液晶層厚よりも大きくされた部位である。
【0073】
図9に示すように、TFTアレイ基板10上に、第1のトラップ電極61と、第2のト
ラップ電極62とが形成されており、これらと対向する位置の対向基板20にそれぞれ薄
板部20bが形成されている。それぞれの薄板部20bでは、基板本体20Aの液晶層5
0側の面に溝状の凹部が形成されている。かかる凹部に液晶が入り込むことにより、第1
の厚層部70A、第2の厚層部70Bにおける液晶層厚が、画素領域1Aにおける液晶層
厚よりも大きくされている。
【0074】
以上の構成を備えた本実施形態の液晶装置400によれば、第1のイオントラップ部6
0Aと第2のイオントラップ部60Bをそれぞれ独立して動作させることができるため、
例えば、第1のイオントラップ部60Aにおいて正電荷を有するイオン性不純物(画素領
域1Aから移動してくるイオン性不純物)をトラップし、第2のイオントラップ部60B
において負電荷を有するイオン性不純物(シール材51、封止剤52から移動してくるイ
オン性不純物)をトラップする、といった動作が可能である。
【0075】
また、第1の厚層部70Aと第2の厚層部70Bが互いに独立して設けられているため
、第1の厚層部70Aと第2の厚層部70Bとの間に、相対的に液晶層厚が薄い薄層部7
5が存在する。本実施形態の場合、薄層部75の液晶層厚は画素領域1Aにおける液晶層
厚Gcとほぼ同一であるが、第1の厚層部70A、第2の厚層部70Bと比較すると著し
く小さいため、イオン性不純物は比較的通りにくくなる。かかる構成は、第1のイオント
ラップ部60Aと第2のイオントラップ部60Bとが互いに異なるイオン性不純物をトラ
ップするものである場合に、異なる種類のイオン性不純物がイオントラップ部間を移動し
にくくなるため、イオン性不純物の拡散を抑制する点で有効である。
【0076】
(第5実施形態)
次に、図10から図12を参照して第5実施形態の液晶装置について説明する。
図10は、第5実施形態の液晶装置の平面図である。図11は、図10のIV−IV線に沿
う位置における液晶装置の断面図である。
【0077】
本実施形態の液晶装置(電気光学装置)500は、図10に示すように、画素領域1A
を取り囲む矩形枠状のイオントラップ部60を備えている。本実施形態のイオントラップ
部60は、矩形枠状のトラップ電極61Aと、トラップ電極61Aを取り囲む矩形枠状の
トラップ電極61Bとを有する。2つの矩形枠状のトラップ電極61A、トラップ電極6
1Bは、画素領域1Aを二重枠状に取り囲んでいる。また、イオントラップ部60は、画
素領域1Aの外側に形成された厚層部70の平面領域内に位置する。厚層部70は、それ
らの液晶層厚が、少なくとも画素領域1Aにおける液晶層厚よりも大きくされた部位であ
る。
【0078】
図11に示すように、TFTアレイ基板10上に、トラップ電極61Aと、トラップ電
極61Bとが形成されている。一方、対向基板20には、画素領域1Aの外側の領域に薄
板部20aが形成されている。薄板部20aは、基板本体20Aの液晶層50側の面の外
周部分を薄型化することにより形成されている。薄板部20aと対向基板20の厚い部分
との境界を形成する段差部20dは、画素領域1Aの外周縁とイオントラップ部60との
間に位置している。そして、基板面方向(図示左右方向)における段差部20dとシール
材51との間のスペースに液晶が入り込むことにより、厚層部70における液晶層厚Gが
、画素領域1Aにおける液晶層厚Gcよりも大きくされている。
【0079】
本実施形態の場合、対向基板20の共通電極21は、画素領域1Aに対応する平面領域
に形成されており、画素領域1Aの外側の周辺領域1B、並びにシール材51の形成領域
には形成されていない。
【0080】
上記構成を備えた本実施形態の液晶装置500では、イオントラップ部60を構成する
2つのトラップ電極61Aとトラップ電極61Bとの間に電圧を印加することで、液晶層
50中に横方向の電界(液晶層50の厚さ方向と交差する方向の電界)を発生させ、かか
る電界によりイオン性不純物をトラップする。すなわち本実施形態のイオントラップ部6
0は、横電界方式のイオントラップ部である。
【0081】
イオントラップ部60において、例えば、トラップ電極61Aに0V、トラップ電極6
1Bに−5Vの電圧を印加することで、正電荷を有するイオン性不純物をトラップするこ
とができる。また、トラップ電極61Aに0V、トラップ電極61Bに5Vの電圧を印加
すれば、負電荷を有するイオン性不純物をトラップすることができる。
【0082】
本実施形態においても、イオントラップ部60が形成された領域の液晶層厚が、画素領
域1Aにおける液晶層厚よりも大きく形成されているので、イオントラップ部60におけ
るイオン性不純物の濃度上昇を緩和することができ、画素領域1Aへのイオン性不純物の
再拡散を抑制することができる。これにより、長期間にわたって表示不良の発生を抑える
ことができ、優れた信頼性を得ることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、トラップ電極61A、61Bの両方が厚層部70内に形成され
ていることとしたが、かかる構成に限定されるものではない。トラップ電極61A、61
Bが形成されている平面領域のうち少なくとも一部の領域に厚層部70が形成されていれ
ば、イオン性不純物の濃度上昇を緩和する効果を得ることができる。したがって例えば、
厚層部70が外周側のトラップ電極61B上にのみ形成されている構成としてもよい。
【0084】
上記の第5実施形態では、対向基板20の外周部に、基板端部まで延びる薄板部20a
を形成した場合について説明したが、本実施形態において先の第2実施形態と同様の構成
を採用してもよい。
図12は、第2実施形態と同様の構成を適用した場合の液晶装置500の部分断面図で
ある。
【0085】
図12に示すように、基板本体20Aの液晶層50側の面のうち、イオントラップ部6
0(トラップ電極61A、61B)と対向する領域に、選択的に薄板部20bが形成され
ている。薄板部20bは、図4と同様に平面視矩形枠状に形成された溝状の凹部である。
そして、薄板部20bによって形成された対向基板20上の凹部に液晶が入り込むことに
より、厚層部71が形成されている。
【0086】
図12に示す構成においても、イオントラップ部60上の液晶層厚Gが、画素領域1A
の液晶層厚Gcよりも大きく形成されていることで、先の実施形態と同様の作用効果を得
ることができる。また、先の第2実施形態と同様に、製造性に優れた液晶装置とすること
ができる。
【0087】
図12に示す構成において、厚層部71はイオントラップ部60の少なくとも一部と重
なるように形成されていればよい。例えば、トラップ電極61A上にのみ厚層部71が形
成されている構成としてもよく、トラップ電極61B上にのみ厚層部71が形成されてい
る構成としてもよい。
【0088】
(第6実施形態)
次に、図13から図15を参照して第6実施形態の液晶装置について説明する。
図13は、第6実施形態の液晶装置の平面図である。図14は、図13のV−V線に沿う
位置における液晶装置の断面図である。
【0089】
本実施形態の液晶装置(電気光学装置)600は、図13に示すように、画素領域1A
を取り囲んで形成されたイオントラップ部60を備えている。本実施形態のイオントラッ
プ部60は、画素領域1Aを取り囲む矩形枠状に配列された複数のダミー画素DMと、複
数のダミー画素DMを取り囲む矩形枠状のトラップ電極61とを有する。すなわち、複数
のダミー画素DMとトラップ電極61とが画素領域1Aを二重枠状に取り囲んだ構成であ
る。
【0090】
イオントラップ部60のうち、トラップ電極61は、画素領域1Aの外側に形成された
厚層部70の平面領域内に位置する。厚層部70は、それらの液晶層厚が、少なくとも画
素領域1Aにおける液晶層厚よりも大きくされた部位である。
【0091】
図14に示すように、TFTアレイ基板10上に、複数の画素電極13が形成されてお
り、画素領域1Aの最外周に位置する画素電極13と隣り合う位置に、ダミー画素DMを
構成するダミー画素電極13Dが形成されている。さらに、ダミー画素電極13Dの外側
(画素領域1Aと反対側)に、トラップ電極61が形成されている。
【0092】
対向基板20には、画素領域1Aよりも外側の領域に薄板部20aが形成されている。
薄板部20aは、基板本体20Aの液晶層50側の面の外周部分を薄型化することにより
形成されている。薄板部20aと対向基板20の厚い部分との境界を形成する段差部20
dは、ダミー画素電極13Dと、トラップ電極61との間に位置している。そして、基板
面方向(図示左右方向)における段差部20dとシール材51との間のスペースに液晶が
入り込むことにより、厚層部70における液晶層厚Gが、画素領域1Aにおける液晶層厚
Gcよりも大きくされている。
【0093】
本実施形態の場合、対向基板20の共通電極21は、画素領域1Aの平面領域と、その
外側のダミー画素電極13Dの平面領域とに対応して形成されており、段差部20dから
外側の領域のトラップ電極61上の領域やシール材51の形成領域には形成されていない
。一方、遮光膜BMは、ダミー画素電極13Dの形成領域から外側の領域に形成され、イ
オントラップ部60を遮光している。
【0094】
上記構成を備えた本実施形態の液晶装置500では、イオントラップ部60を構成する
ダミー画素DMとトラップ電極61との間に電圧を印加することで、液晶層50中に電界
を発生させ、かかる電界によりイオン性不純物をトラップする。
イオントラップ部60において、例えば、ダミー画素電極13Dに0V、トラップ電極
61に−5Vの電圧を印加することで、正電荷を有するイオン性不純物をトラップするこ
とができる。また、ダミー画素電極13Dに0V、トラップ電極61に5Vの電圧を印加
すれば、負電荷を有するイオン性不純物をトラップすることができる。
【0095】

本実施形態の場合、ダミー画素DMは、ダミー画素電極13Dと、ダミー画素電極13
Dと対向する共通電極21とを備えている。そのため、例えばトラップ電極61に−5V
の電圧を印加し、ダミー画素電極13D及び共通電極21に0Vの電圧を印加すると、ト
ラップ電極61とダミー画素電極13Dとの間に概ね横方向(基板面方向)の電界が発生
するとともに、トラップ電極61と共通電極21との間に概ね縦方向(液晶層50の厚さ
方向)の電界が発生する。
【0096】
本実施形態においても、トラップ電極61が形成された領域の液晶層厚が、画素領域1
Aにおける液晶層厚よりも大きく形成されているので、イオントラップ部60におけるイ
オン性不純物の濃度上昇を緩和することができ、画素領域1Aへのイオン性不純物の再拡
散を抑制することができる。これにより、長期間にわたって表示不良の発生を抑えること
ができ、優れた信頼性を得ることができる。
【0097】
本実施形態では、イオントラップ部60のうちのトラップ電極61のみが厚層部70内
に配置されている場合について説明したが、ダミー画素DMとトラップ電極61の両方が
厚層部70内に配置された構成としてもよい。このような配置とすれば、イオントラップ
部60におけるイオン性不純物の濃度上昇をより効果的に抑制することができる。
【0098】
上記の第6実施形態では、対向基板20の外周部に、基板端部まで延びる薄板部20a
を形成した場合について説明したが、本実施形態において先の第2実施形態と同様の構成
を採用してもよい。
図15は、第2実施形態と同様の構成を適用した場合の液晶装置600の部分断面図で
ある。
【0099】
図15に示すように、基板本体20Aの液晶層50側の面のうち、トラップ電極61と
対向する領域に、選択的に薄板部20bが形成されている。薄板部20bは、図4と同様
に平面視矩形枠状に形成された溝状の凹部である。そして、薄板部20bによって形成さ
れた対向基板20上の凹部に液晶が入り込むことにより、厚層部71が形成されている。
【0100】
図15に示す構成においても、イオントラップ部60を構成するトラップ電極61上の
液晶層厚Gが、画素領域1Aの液晶層厚Gcよりも大きく形成されていることで、先の実
施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、先の第2実施形態と同様に、製造性
に優れた液晶装置とすることができる。
【0101】
図15に示す構成では、トラップ電極61のみが厚層部71に配置されていることとし
たが、イオントラップ部60の全体(ダミー画素DM、トラップ電極61)が厚層部71
に配置されていてもよい。あるいは、ダミー画素DMのみが厚層部71に配置されている
構成としてもよい。
【0102】
(イオントラップ部における電界について)
図16は、図14に示した第6実施形態に係る液晶装置のシミュレーション結果を示す
図である。図17は、図12に示した第5実施形態の変形例に係る構成を備えた液晶装置
のシミュレーション結果を示す図である。図18は、厚層部を形成していない液晶装置の
シミュレーション結果を示す図である。
【0103】
図16〜図18に結果を示すシミュレーションは、いずれも、セルギャップ:2μm、
段差部20dの高さ:1μmの条件で行った。図16に示すシミュレーションでは、トラ
ップ電極61への印加電圧:3.7V、ダミー画素電極13D及び共通電極21への印加
電圧:0Vの条件とした。図17及び図18に示すシミュレーションでは、トラップ電極
61Aへの印加電圧:3.7V、トラップ電極61Bへの印加電圧:0Vの条件とした。
図16〜図18に点線で示した曲線が等電位線である。
【0104】
図16に示すように、第5実施形態に対応する構成では、トラップ電極61に電圧を印
加することで、トラップ電極61とダミー画素電極13Dとの間に横方向(基板面方向)
の電界が形成されるとともに、ダミー画素電極13Dと対向配置された共通電極21との
間に液晶層50の厚さ方向に沿った縦方向の電界が形成される。
また、図17及び図18に示すように、TFTアレイ基板10上にトラップ電極61A
、61Bが形成されている場合には、トラップ電極61A、61B間に基板面方向の電界
が形成される。
【0105】
イオントラップ部においては、図16〜図18に示すように、液晶層50の厚さ方向に
わたって等電位線(等電位面)が形成されているとよい。電荷を有するイオン性不純物が
等電位面内を移動している場合には、電界からイオン性不純物に対してその移動方向を変
化させる力を作用させることができないが、等電位面を横切るように移動するイオン性不
純物に対しては効率良く力を作用させることができるからである。つまり、液晶層50の
厚さ方向にわたって等電位面が形成されていれば、画素領域1Aと周辺領域1Bとの間を
移動するイオン性不純物は必ず等電位面を横切るものとなるので、効率良く移動方向を変
化させ、トラップ電極に吸着させることができる。
【0106】
(電子機器)
次に、上記実施形態の液晶装置を適用した電子機器について説明する。
図19は、電子機器の一実施の形態であるプロジェクターを示す図である。
【0107】
図19(a)は、透過型ライトバルブを用いたプロジェクターを示す図である。
プロジェクター110は、観察者の前方に配置されたスクリーン111に光を照射し、
スクリーン111に映像を投影する投射型表示装置である。
プロジェクター110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー
113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100、200、300
、400)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー光
学系120とを備えている。
【0108】
光源112は、赤色光、緑色光、及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構
成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させる一
方、緑色光及び青色光を反射する。ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラ
ー113で反射された緑色光及び青色光のうち、青色光のみを透過させ、緑色光は反射す
る。すなわち、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から射出された光を
赤色光、緑色光、青色光に分離する色分離光学系を構成している。
【0109】
ダイクロイックミラー113と光源112との間には、光源から射出された光を均一化
するインテグレーターレンズ121と、光源からの光を特定の直線偏光(例えばs偏光)
に変換する偏光変換素子122と、が光源112側から順に配置されている。
【0110】
液晶ライトバルブ115〜117には、透過型の液晶装置として構成した先の実施形態
の液晶装置100が用いられている。液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー
113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調し、クロス
ダイクロイックプリズム119に向けて射出する。液晶ライトバルブ115は、λ/2位
相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c、及び第2偏光板115dを
備えている。λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、透過光への位相差をほ
とんど付与しない透明なガラス板115eに接着されている。これにより、λ/2位相差
板115a及び第1偏光板115bの発熱による歪みを抑制することができる。
【0111】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー114で反射された緑色光を変調し
、クロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する。液晶ライトバルブ116は、
第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー114を透過した後、リレー光学系
120を経由して入射する青色光を変調し、クロスダイクロイックプリズム119に向け
て射出する。液晶ライトバルブ117は、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b
、液晶パネル117c、及び第2偏光板117dを備えている。リレー光学系120は、
ダイクロイックミラー114側(光入射側)から順に配列された、リレーレンズ124a
、反射ミラー125a、リレーレンズ124b、及び反射ミラー125bを備えている。
反射ミラー125bで反射された青色光が液晶ライトバルブ117に向けて射出される。
【0112】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119b
をX形に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射す
る一方、緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射する一方
、緑色光を透過する膜である。クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバル
ブ115〜117から入射する赤色光、緑色光、青色光を合成し、投射光学系118へ向
けて射出する。投射光学系118は、入射した光をスクリーン111に投射する。
【0113】
次に、図19(b)は、反射型ライトバルブを用いたプロジェクターを示す図である。
プロジェクター1000は、光源部890と、3つの反射型の液晶ライトバルブ100
R、100G、100B(液晶装置100、200、300、400)とを備えている。
【0114】
光源部890は、偏光照明装置800と、偏光ビームスプリッター840と、ダイクロ
イックミラー842、843と、を備えている。偏光照明装置800は、システム光軸L
に沿って配置された光源810と、光源から射出された光を均一化するインテグレーター
レンズ820と、光源からの光を特定の直線偏光(例えばs偏光)に変換する偏光変換素
子830と、を有する。
【0115】
偏光ビームスプリッター840は、偏光照明装置800から射出されたs偏光をs偏光
反射面841で反射させ、ダイクロイックミラー842に向けて射出する。ダイクロイッ
クミラー842は、入射する光に含まれる青色光成分を選択的に反射させ、液晶ライトバ
ルブ100Bへ向けて射出する。ダイクロイックミラー842を透過した光(赤色光、緑
色光)は、ダイクロイックミラー843へ向けて射出される。ダイクロイックミラー84
3は、入射する光に含まれる赤色光成分を選択的に反射させ、液晶ライトバルブ100R
へ向けて射出する。ダイクロイックミラー843を透過した光(緑色光成分)は液晶ライ
トバルブ100Gに向けて射出される。このように、光源部890は、3つの液晶ライト
バルブ100R、100G、100Bに対して、所定の色光を供給する。
【0116】
液晶ライトバルブ100R、100G、100Bは、入射した光を画像信号に基づいて
変調するとともに反射させ、光源部890に向けて射出する。光源部890は、液晶ライ
トバルブ100R、100G、100Bから入射する変調された赤色光、緑色光、青色光
を合成し、投射光学系850に向けて射出する。投射光学系850は、入射した光をスク
リーン860に投射する。
【0117】
なお、図19に示したプロジェクター110、1000において、LED(Light Emit
ting Diode)光源を用いた光源部を備えた構成としてもよい。LED光源は、白色光を射
出するものでも、赤、緑、青の各色の光を射出するものでもよい。
また、先の実施形態の液晶装置は、上記したプロジェクターに限られず、種々の電子機
器に用いることができる。例えば、携帯電話、情報端末、デジタルカメラ、液晶テレビ、
ナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末等に用いることができる。またこれらの電
子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1A…画素領域、10…TFTアレイ基板(第1基板)、20…対向基板(第2基板)
、20a,20b…薄板部、50…液晶層(電気光学物質層)、51…シール材、60…
イオントラップ部、70,71,72,74…厚層部、PX…画素、100,200,3
00,400,500,600…液晶装置(電気光学装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学物質層を挟持して対向配置された第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前
記第2基板とを貼り合わせるシール材と、複数の画素が配列された画素領域と、前記画素
領域と前記シール材との間の外縁領域に電極を備えて設けられたイオントラップ部と、を
有する電気光学装置であって、
前記イオントラップ部の少なくとも一部と平面視で重なる領域に、前記電気光学物質層
の厚さが前記画素領域における前記厚さよりも大きく形成された厚層部が設けられている
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記厚層部は、前記第1基板及び前記第2基板のうちの少なくとも一方に形成された他
の部位よりも板厚の薄い薄板部に設けられている、請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記薄板部は、前記外縁領域内に選択的に形成されている、請求項2に記載の電気光学
装置。
【請求項4】
前記薄板部は、当該薄板部が形成された前記第1基板又は前記第2基板において、前記
外縁領域内から基板端縁にわたって形成されている、請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記厚層部は、前記イオントラップ部を内包する平面領域に形成されている、請求項1
から4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記厚層部は、前記イオントラップ部が形成された平面領域の一部にのみ形成されてい
る、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記厚層部は、前記画素領域の角部に対応する位置に形成されている、請求項1から6
のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記厚層部は、前記シール材に設けられた電気光学物質注入口に対応する位置に形成さ
れている、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記厚層部の少なくとも一部が、前記画素領域から前記シール材への方向において複数
の領域に区画されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記イオントラップ部が、画像表示に用いられないダミー画素を含む、請求項1から9
のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子
機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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