説明

電気化学的バイオセンサーに関する装置および方法

サンプルを受け取るためのキャビティを定義するテストストリップを含む生物学的流体のサンプル中の検体を試験するためのシステムである。一方がサンプルの1つの特性を測定し、他方が温度および/または交絡変数の存在または大きさなどのサンプルの1つまたは1つ以上の他の特性を測定する、少なくとも2つの電極セットがサンプルキャビティに隣接する。所望の結果を生ぜしめるために測定は組み合わされる。少なくとも1セットの作用電極および対電極が、他の電極セットのものと相互嵌合するそれぞれ複数の細長い「フィンガー」を有する。フィンガー間のギャップはきわめて小さいものでよく、これによって2つの電極セットが小さな測定容積のサンプルで操作可能となる。サンプルの存在または充実性を測定する追加の電極を含むことが可能であり、ストリップ上の追加のトレースが構成識別子として作用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、2003年6月20日に出願された「電気化学的バイオセンサーに関する装置および方法」というタイトルの米国特許仮出願番号第60/480243号に優先権を主張する。本出願は、「AC励起を用いた検体測定用システムおよび方法」(米国特許出願第10/688,343号、以下、「AC励起出願」という)、「バイオセンサーの製作法」(ケース番号RDID−9958−CIP−US、以下、「バイオセンサー出願」という)および「検体センサーに関連する装置および方法」(米国仮特許出願第60/480,397号、以下、「検体センサー出願」という)という名称の出願に関して、また米国特許出願第10/264,891号(マイクロ電極アレーからなる電極、方法、装置という名称で、2002年10月4日付けにファイルされている)にも関しており、それらは、全てそっくり、参照としてここに組み入れられている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、体液のサンプルからなどの生物学的サンプルからの検体を、測定するための装置、システムおよび方法に関するものである。さらに、詳細には、本発明は、ある電気的応答特性を用いて、検体をテストするためのバイオセンサーおよび方法に関するものである。
【0003】
物質の濃度、特に他の交絡物質(「干渉」)の存在下に測定することは、多くの分野で重要であり、また特に医療診断および疾病管理において特に重要である。たとえば、血液などの体液中のグルコース測定は、糖尿病の有効的治療のために、不可欠なものである。
【0004】
血液サンプル中のグルコースなどの検体濃度を測定するためには、多くの方法が、公知である。このような方法は、典型的には、2つの範疇、すなわち光学的方法および電気化学的方法に集約される。光学的方法は、典型的には、検体と組み合わされて公知の色を生じる試薬と連結して、検体の濃度により生じる体液中のスペクトルシフトを観察するために、吸収、反射またはレーザー分光法を包含している。電気化学的方法は、典型的には、検体と組み合わされたときに、電荷キャリヤーを生じる、または改質する試薬と連結して、血液サンプルの電荷移動または電荷移動特性(たとえば、電流、界面電位、インピーダンス、コンダクタンスなど)と検体の濃度間の相関関係に、一般的に依存している。たとえば、プライデル(Preidel)らの米国特許第4,919,770号明細書、およびシー(Shieh)の米国特許第6,054,039号明細書があり、これらは、ここに、そっくり参照として組み入れられている。
【0005】
血液中の化学品の濃度を測定する電気化学的方法の重要な制限は、血液サンプルのインピーダンスに対する交絡変数の効果である。たとえば、血液サンプルの形状は、濃度対インピーダンス・マップ機能をベースとした形状に密接に対応していなければならない。
【0006】
血液サンプルの形状は、典型的には、テスト装置のサンプル受け取り部分により制御される。血液グルコース計の場合、たとえば、血液サンプルは、典型的には、グルコース計中に差し込む使い捨てテストストリップ上に置かれる。テストストリップは、サンプルの形状を定めるためのサンプル室をもっていても良い。2者択一的には、サンプルの形状の効果は、事実上無限のサンプルサイズを確かなものとすることにより、制限しても良い。たとえば、検体を測定するために使用される電極は、テストストリップの血液の滴が、電極を越えてあらゆる方向に実質的に広がるように、充分密接させておいても良い。サンプルの形状を制御するために使用される方策とは無関係に、典型的には、1以上の線量充実電極が、充分なテスト結果を確保するために、充分なサンプル量になることを確かめるために使用される。
【0007】
血液グルコース測定の精度に対する制限の他の例は、血液化学(測定に関心のある検体以外)中の変化を包含する。たとえば、ヘマトクリット(赤血球の濃度)中の変化、または血液中の他の化学品、成分または形成された要素の濃度中での変化は、測定に影響を及ぼしても良い。血液サンプルの温度における変化は、血液化学を測定する交絡変数の他の例である。
【0008】
このようにして、温度、ヘマトクリットおよび血液中の他の化学品の濃度における変化を包含した交絡変数の存在下でさえも、正確に血液グルコースを測定するシステムおよび方法が、必要とされている。体液中の検体を正確に測定するシステムおよび方法が、同様に必要とされている。本発明の目的は、このようなシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
1つ以上の干渉源の影響を減衰させまたは緩和させるために、または測定値を補償しまたは訂正するために、多くのアプローチが試されてきた。選択された測定法に関連した感度を、充分に補償するために、しばしば多重のデザイン解が、採用されている。
【0010】
よく知られているデザイン解としては、パーム選択性(perm-selective)および/またはサイズ選択性(size-selective)膜、フィルターまたは塗膜が、挙げられる。このようなデザイン解は、商品の増大するコスト、および製造コスト、複雑性および生産速度をさらに悪化させる追加の製造プロセス工程に、悩まされている。これらの方法を採用しているシステム(使い捨てテストストリップおよび機器)は、テストストリップのデザインの範囲内で問題を克服する一般的なアプローチをとっている。
【0011】
他の一般的なアプローチとしては、共最適化アルゴリズムと連結した高性能励起および信号処理の使用が、挙げられる。より簡単な、複雑性の少ない、テストストリップ構造および製造プロセスは、実現されよう。しかし、機器コスト、メモリーおよびプロセッサ要件、関連した複雑なコーディングおよび調節した製造技術が、必要である。この技術を用いたシステムは、器具類の範囲内の問題点を克服する一般的なアプローチを採用している。
【0012】
より最近のアプローチは、本質的に、ストリップも器具類も包含していないが、測定方法論をむしろ有効に引き出している。この例は、ヘマトクリットおよび温度の影響を減衰させる電量法を用いることである。
【0013】
上記の全てのアプローチは、試薬システムの初期デザインにより、さらにサポートされていることは、当業者には、充分公知のことである。たとえば、グルコースの検出においては、酸化還元活性種または他の砂糖の存在の不利な影響を克服するために、酸化還元媒介者および酵素の使用を包含している。
【0014】
本発明の目的は、現在広く使用されている一般的なアプローチに関連したデメリットで悩まないように、干渉の影響を減衰させるためのより簡便で、低コストの方法を提供することである。
【発明の開示】
【0015】
一般的には、2対
1つの態様において、本発明は、干渉用検体測定を訂正しまたは補償するために、2つの測定を使用できるようにする2対の電極の設備を含む。たとえば、一つの実施形態において、1対の電極は、第1の測定ゾーンを定め、一方第2の対は、第2の測定ゾーンを定める。この2対は、大雑把に同一面であり、1対の電極内には、各々は、他の長さに実質的に平行な長さを有している。第1対の電極中の少なくとも1つの電極は、少なくとも2つの延びた長方形の電導性エレメントを備え、それらは、対になっている他の電極の電導性エレメントと互いに噛み合っている。電極用各エレメントは、ドライバーおよび/またはメータと電気的伝達用の同一のコンタクトに、電導的に接続されている。サンプルは、投与後2対の電極と電気的に接続されている。
【0016】
前述のことについてのいくつかの変更を意図している。たとえば、1つのアプローチにおいては、1つの試薬または複数の試薬は、サンプル室中に残っている少なくとも2対の電極の内の少なくとも1つの電極上に選択的に展開させることが出来る。2対の電極は、第1試薬で塗布されている。状況に応じては、2対の電極のうちの1つは、第1試薬で塗布されており、かつ第2の対は、同一の試薬で塗布されているが、酵素または媒介体のいずれかを欠いている。2者択一的には、2対の電極の1つが第1の試薬で塗布され、かつ他の対が第2の試薬で塗布されている。他の実施形態において、少なくとも2対の電極の内の1つは試薬で塗布され、かつ他の対は試薬の塗膜が無く、下流の対が試薬の塗膜をもっていることが好ましい。この実施形態の変形において、他の対は、パーム選択性、サイズ選択性である塗膜で覆われ、またはさもなければ、1つ以上の検体および/または干渉の存在下において、電極応答に影響する。
【0017】
さらなる態様においては、線量検出電極および線量充実電極が包含される。たとえば、第1の2つの電極対より端からさらに離れている、すなわち、入ってくるサンプル体液の下流であって、かつ正確なテストを行うために、充分なサンプル体液があるときを検出するために、操作可能である第3電極システムを包含しても良い。この第3電極システムは、単一の電極エレメントまたは複数のエレメントを含んでいても良い。単一エレメントの態様において、エレメントはサンプルの充分さをテストするために、1つまたは1つ以上の他の電極と組み合わされて機能する。または、線量充実電極システムは、サンプルの充分さを証明するために、互いに共同する1対の電極エレメントを含んでいても良い。比較電極システムは、サンプル体液が、バイオセンサーに適用されたときを検出するために、同様に用いても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、図に示された実施形態を参照しかつそれを記述するために、特定の語彙を使用する。にもかかわらず、本発明の範囲は、それによりなんら制限されるものではなく、いかなる変更および記述されまたは図示された実施形態のさらなる改質およびここに示された発明の原理の更なる応用は、発明に関連する当業者なら通常考慮されるものと理解されるものとする。
【0019】
緒言
一般的に、本発明のテストストリップは、異なる機能を行うまたはサンプルと異なる応答機能をもっている多重電極アレーを用いて、体液または他の液中の検体のテストを提供する。1つの特定の実施形態は、それぞれ対で機能するが、他の電極対から得られた結果を補償しまたは訂正するために使用される1つの電極から得られる情報をもつことにより、または所定の方法で電極対の応答を結びつけることにより、検体濃度の最終同定のために、情報を提供するマクロ電極およびミクロ電極の組み合わせを包含する。
【0020】
これらの電極アレーは、サンプル充実および線量検出のみならず、検体濃度、ヘマトクリットの検出、訂正因子の決定を包含する多重の関係機能を、全て、単一ストリップ上で、およびきわめて小さいスペース中で達成するために、多様な方法で結び付けても良い。または、干渉体に対する異なる感度をもった多重アレーを使用することにより、当業者に対して、通常起こるより、さらに正確な結果を提供するために2つの計量を生かしても良い。
【0021】
種々の実施形態においては、異なる電気化学的励起技術(たとえば、DC,AC相,AC振幅、またはDC/ACの組み合わせ)は、望みのゴールを達成するために、これらの異なる電極アレーに適用される。このような技術の例は、当技術では公知であり、上記に参照として組み入れたAC励起応用に例示される。
【0022】
他の典型的な技術は、テストされる電気化学的活性種の拡散係数の変化を補償する。電極表面における可溶性試薬中のファラデー電流は、これらの種の物理的拡散により生じ、かつ拡散係数の値は、測定された応答に影響する。市販のシステムは、しばしば検量され、グルコースの所定量に対する名目センサー応答(ファラデー電流)は、拡散係数が固定されていれば、反復される。不幸にも、各サンプルの温度およびヘマトクリット(HCT)の両方が、測定される電気的活性種の有効拡散係数を変化させる。もし、これらの因子が、考慮されない場合には、グルコース計量は、システムの検定に使用されるこれらから異なる温度またはヘマトクリットに対して、エラーとなりうる。
【0023】
この典型的な技術において、システムは、関心の検体による電気化学的センサーのファラデー応答を決定し、かつ電極表面における酸化還元反応を受ける種の実質的有効拡散係数の推定を提供する。特に、このシステムは、同一試薬サンプル混合物に暴露される2つの電極システム(好ましくは、異なったタイプ)を使用することによって拡散係数変化を相殺する。グルコースバイオセンサー中に普通用いられる酸化還元媒介物などの可溶性電気活性種は、コットレル式(1)による電位工程に対する電流応答を生じる平面状のマクロ電極に拡散する。
【数1】

式中nは、電子移動中に含まれる電子数、Fは、ファラデー定数(96,485.3C/当量)、Apは、溶液と接触するマクロ電極の面積、Cは、サンプル中の検体の濃度、Dは、種の有効拡散係数、およびipは、マクロ電極における電流応答である。
【0024】
マクロ電極における同一電位工程に対するこれらの同一種の応答は、式(2)により特性付けられる電流応答を生じるということを、当業者たちは同様に理解するであろう。
【数2】

式中Asは、マイクロ電極の面積、γは、電極形状依存性の近接性因子、およびisは、マイクロ電極における電流特性。式(1b)および(2b)において、t(∞)は、「準無限」または「定常状態」拡散の条件が、問題となっている電極において、それぞれ確立できているかどうかという充分長い時間を意味している。
【0025】
1つの実施形態は、(a)平坦なマクロ電極と対極/参照電極間に、また(b)マイクロ電極と対極/参照電極間に同一の電位を印加することになる。さらに時間依存性の電流応答が、マクロ電極およびマイクロ電極の両電極における数時間点持続電位の印加において測定される。
【数3】

の解析は、式(3)中に示されるようにslopepを生じ、一方
【数4】

の同一解析は、式(4)に示されるように、interceptsを生じる。
【数5】

【0026】
本発明において、ipおよびisの両者が、同一反応およびサンプルから由来するとすれば、式(5)による種の濃度に関係なく、装置中の電気化学的反応種に対する見かけの拡散係数を計算することが出来て、そこでは、マイクロ電極の半径roのみならず、2つの電極タイプの面積ApおよびAsが、明白である。たとえば、球状微小電極は、次式を与える。
【数6】

【0027】
Dが、見積もられると、電気化学的種の測定された濃度にC対する訂正を提供するために、種々の方法で適用できる。いくつかの実施形態は、Cを計算するために、式(3)中のDの推定値を単純に使用する。このようなCの定量は、電流応答が式(1)によりおおむね記述される電流滴定法センサーにおいて普通であるように、D中の相殺されない変化を受けにくい。この訂正は、Dにおける変化の原因(たとえば、温度、ヘマトクリット、粘度変化など)には、独立しており、訂正は、サンプルの化学特性に対する2つの電極対の異なる機能依存性により提供されることも、著名なことである。
【0028】
ここに図示された各ストリップでは、1つの電極アレーは、サンプル中のグルコースなどの検体を測定するために使用される。サンプルが、アレーに達すると、アレーに隣接しておかれている試薬と結合して、業界では理解されているように、ある電気的信号の存在下に、ある特性の電気的インピーダンスを与え、そしてインピーダンスは、第1データとして使用される。第1アレーから下流または上流のいずれかでよいが、好ましくは試薬で覆われていない他のアレーが、サンプルに対して、他の電気的刺激を与えるために使用されかつアレーにおける電気的応答は、ヘマトクリット、温度などの干渉体により、公知の方法で影響される第2データとして使用される。この2つのデータは、組み合わされて、訂正された検体濃度値を与える。この2つのアレーは、非常に小さな寸法の共通の体積中で、単一サンプルを同時に分析するために使用される。
【0029】
一般的情報
システム
本発明は、サンプル流体中の検体を試験するために有用なシステムに関する。本システムは、標的検体に関してサンプル流体を評価する装置および方法を包含している。この評価とは、検体の存在を検出することから、検体の濃度を定量するという範囲である。検体およびサンプル流体は、テストシステムが、適当であればいかなるものでも良い。説明目的のみのために、検体は、グルコースでありかつサンプル流体は、血液または間質性流体である好ましい実施形態を、記載している。しかし、本発明は、その範囲に限定しているものではないことは、明白である。
【0030】
センサー
本システムの1つの部品は、サンプル流体用のサンプル受け取り室およびテスト検体の存在下に電気化学的信号を生成するための試薬を含む電気化学的センサーである。このセンサーは、使い捨てテストストリップ、特にサンプル受け取り室に対して先端開口を提供する積層構造をもつものを含むことが好ましい。この試薬は、室内にも配置されている作用電極に対して電気化学的信号を提供するための位置づけで、サンプル受け取り室内に配置されている。グルコース検出などの適当な場合には、試薬は、酵素および随意的に媒介物を含んでいても良い。
【0031】
メータ
センサーは、サンプル流体中の検体の存在および/または濃度の定量のためのメータと組み合わせて使用される。このメータは、従来から、センサーの電極と検体の濃度に対応した電気化学的信号を評価するための回路と接続されている。このメータは、サンプル流体がセンサーにより受領されたこと、およびサンプル流体の量がテスト用に充分であることを決定する手段をも包含しても良い。このメータは、典型的には、分析の結果を記憶しかつ表示するか、またはその代わりに、別の装置に対してデータを提供しても良い。
【0032】
検体−特性
システムは、検体に対する定性的または定量的表示を提供する。1つの実施形態において、システムは、サンプル流体中の検体の存在を単純に表示する。システムは、サンプル流体の検体の定量または濃度の読み取りをも提供する。好ましい実施形態において、検体濃度の高度の正確なかつ精密な読み取りが、得られるということが本発明の特徴である。
【0033】
検体−タイプ
本システムは、幅広い多様な検体の定量に有用である。たとえば、テストストリップは、検体の存在を評価するために使用できる適当な化学反応を用いた用途に容易に適用される。最も好ましくは、本システムは、生物学的流体中の検体のテスト用に構成されまた使用される。そのような検体としては、たとえば、グルコース、乳酸エステル、尿酸エステル、ケトンなどが挙げられる。本システムに対する相応の改質は、当業者には自明であろう。説明の目的のためにおよび特に好ましい実施形態において、本システムは、生物学的流体中のグルコースの検出に関して記述する。
【0034】
干渉物
テストの方法論は、サンプル流体中の干渉物の存在により種々に影響を受ける。たとえば、血液サンプル中のグルコースに対するテストは、ビリルビン、ヘマトクリット、尿酸、アスコルビン酸エステル、アセトアミノフェノン、ガラクトース、マルトースおよび脂質などの因子により、影響を受ける。本システムは、サンプル流体中にも存在する干渉物の副作用を最小にし、または除去するために用いられる。これらの作用は、影響を受けることが少ない化学反応の選択により、または、とてもではないが、可能な干渉物により、テスト材料およびパラメータの適当な選択により行われる。干渉物に対して異なった感度をもっているが、関心のある検体に対しては実質的に同一の感度をもつ2つ以上の試薬の選択により、それらを行なってもよい。当技術で公知のごとく、干渉物が、テストゾーンに入らないようにする塗膜または膜の使用など干渉可能性のある作用を処理するために、他の工程を用いても良い。さらに、干渉物の作用を最小限にするために、電極構造または呼出し方法の改質を使用することが出来る。
【0035】
流体タイプ
本システムは、幅広い多様なサンプル流体の場合に有用であり、また好ましくは、生物学的流体中の検体の検出に使用される。この状況において、「生物学的流体」という語彙は、検体が測定可能なあらゆる体液、たとえば、間質流体、真皮流体、汗、涙、尿、羊膜流体、髄液および血液を包含している。本発明の背景における「血液」という語彙は、全血液および無細胞の成分、すなわち、血漿および血清を包含する。さらに、本システムは、テスト用システムの完全性を確かめるために、従来の方法で使用される参照流体と組み合わせて有用である。
【0036】
好ましい実施形態において、本システムは、グルコースのテストに対して用いられる。この場合におけるサンプル流体は、たとえば、具体的には、指の先端または許容された部位(たとえば、前腕、手のひら、上腕、ふくらはぎ、大腿部)から得られた新鮮な毛細管血液、新鮮な静脈血、およびシステムと共にまたはシステムに対して供給される対照溶液を包含する。
【0037】
流体を、テストストリップに対して、どのような方法で取得しても良いし、運んでも良い。たとえば、従来の方法により、ランセットを用いて、皮膚に切り込みを入れて、その後皮膚表面に現れる流体とテストストリップを接触させることにより、取得してもよい。テストストリップは、非常に少量の流体サンプルで有用であるというのが、本発明の態様である。したがって、テストに必要な体積の流体を生じるために、皮膚のわずかの切開のみが必要であり、この方法に関する痛みおよびその他のことを、最小限にすることが出来るし、または除去できるということが、本発明の望ましい特性である。
【0038】
電極
電極のタイプ
本発明は、「電気化学的センサー」に関するものであり、それは、センサー内の電気化学的酸化還元反応および/または溶液内の帯電した層の移動展開により、検体の存在の有無を検出し、および/または濃度を測定するように構成されている装置である。これらの反応は、検体の量または濃度に相関できる電気的信号に変換される。したがって、テストストリップは、すくなくともサンプル受け取り室内の作用電極および対極からなる電極システムを包含する。サンプル受け取り室は、室に入ってくるサンプル流体が、作用電極および対極の両者に電気的に接触しておかれるように構成されている。これにより、電流は、検体または生成物の電気的酸化または電気的還元を生じさせるための電流を、電極間に流れることが出来る。
【0039】
本発明の背景において、「作用電極」とは、酸化還元媒介物の作用を用いてまたは用いないで、検体または生成物を電気酸化または還元する電極である。「対極」という語彙は、ここでは、作用電極と対をなしており、またそれを経由して、同等の大きさで電気化学的電流および作用電極を経由して流れる電流のサインとは逆の電流を通す電極をいう。「対極」という語彙は、参照電極(すなわち、対極/参照または補助電極)としても機能する対極を包含することを意味する。
【0040】
電極材料
作用電極および対極および電極システムの残存部分は、公知の技術のように、種々の材料から形成しても良い。電極は、相対的に低い電気抵抗をもつべきであり、またテストストリップの操作範囲に亘り電気的に不活性であるべきである。作用電極用の適当な導電体としては、金、パラジウム、白金、炭素、チタン、酸化ルテニウム、イリジウム、インジュウム錫オキサイドのみならず、参照として上記に組み入れた検体センサー出願中に開示された導電体などの他のものが、挙げられる。対極は、同一の材料でも、異なる材料によって作られていてもよい。好ましい実施形態においては、両電極は金電極である。
【0041】
電極応用
本発明により利用される電極システムは、充分な導電性と完全さをもった電極を生じる方法で、ベース基材に用いられる。典型的なプロセスは、当技術には公知であり、たとえば、スパッタ、印刷などを包含する。好ましい実施形態においては、電極および他の導電性部品は、ベース基材を塗布しかつその後選択された塗布部分を除去して部品を生成させることにより、提供される。好ましい除去方法は、レーザー切除であり、さらに好ましくは、参照として上記に組み入れられた「バイオセンサーの制作方法」に記載されているように、広フィールドレーザー切除であり、またさらなる関係する考察は、米国特許出願番号09/866,030(2001年5月25日にファイルされた「連続カバーレイ・チャンネルによるレーザー切除電極をもったバイオセンサー」という名称を付けられている)および09/411,940(1999年10月4日にファイルされた「パターン形成された積層体および電極用のレーザー確定特性」という名称を付けられている)中に見出される。電気的部品およびとりわけ、ここに記載されている電極システムを提供するための製作と応用の他の種々の方法は、当技術においてよく知られている。
【0042】
試薬組成物
本テストストリップは、テスト検体と反応して、サンプル流体中の検体の存在を表す電気化学的信号を生じるサンプル受け取り室内に、化学試薬を含んでいる。テストの化学的性質は、評価される予定の検体に関して選択される。当技術でよく知られているように、限定されるものではないが、これと同じ日にファイルされた「テストストリップ用試薬ストライプ」(代理人整理番号7404−566)という名称の特許出願中に記載されている化学的性質を包含して、種々の検体の各々を用いた用途に用いられる多くの化学的性質がある。それゆえ、適当な化学的性質の選択は、当業者には公知であり、またさらにここにおける記述は、本発明を作りかつ使用するために必要でない。
【0043】
しかし、ここにおける目的として、好ましい実施形態では、検体は、グルコースであると記載されているが、特に断らない限りは、本発明の範囲および請求項の範囲限定されるものではないということを理解されるべきである。グルコースの場合には、テストの化学的性質は、典型的には、グルコース用の酵素および酸化還元媒介物を含んでいる。この酵素は、サンプル中のグルコースを酸化し、かつ媒介物は、還元酵素と反応する。その後、媒介物は、検体の生成物の酸化還元同等物を、電極表面に対して拡散により左右させる。媒介物は、定められた陽極電位において定量的に酸化され、生じた電流は、見かけのグルコース濃度に関係する。グルコースの検出に適した多数の試薬システムがありまたこれらの例は、AC励起、検体センサーおよびバイオセンサー応用、米国特許第5,385,846号明細書および米国特許第5,997,817号明細書、および米国(再発行)特許出願第10/008,788号(「電気化学的バイオセンサーテストストリップ」)に含まれており、これらは、参照としてここに組み入れられている。
【0044】
グルコースの化学的性質は、酸化還元媒介物を利用して、作用電極とグルコース検体のあいだに電流を介在させ、またそうでなければ、それは、電極上の直接電気化学的反応には適していない。検体と電極のあいだに電子を左右する媒介物は、電子移送剤として機能する。非常に多数の酸化還元種が、知られており、また酸化還元媒介物として使用できる。一般的に、好ましい酸化還元媒介物は、迅速に還元されかつ酸化される分子である。例としては、ヘキサシアノ鉄酸塩、ニトロソアニリン、それらの誘導体およびフェロセンおよびその誘導体が、挙げられる。
【0045】
測定スキーム
本発明の1つの態様において、第1電極対は、第2電極対を用いて得られる第2計量と結び付けられる第1計量を提供する。以前に述べたように、従来のテストストリップは、少なくとも2つの電極対(各々は、たとえば、作用電極および対極)を用いて、電極対の1つの上の、または隣接する試薬と検体との反応に基づいて、検体濃度を定量する。検体濃度の基本計量は、それにより得られる。しかし、ヘマトクリット、温度、サンプル流体中の他の種の存在などの他の因子に対する計量を訂正しまたは補正することが、しばしば望ましい。本発明の1つの実施形態においては、1つの電極は、検体のベースの計量を行いかつ他の電極は、ベース計量の訂正または補正を提供する2つの電極対を用いて、ある場合に最終の計量値を与えるバイオセンサーおよび方法が提供される。
【0046】
2つの電極対の使用は、1つの電極対は、マクロ電極からなり、また他の電極対は、マクロ電極からなるという異種の電極の使用を包含する。ここで使用されているように、マクロ電極という語彙は、その第1次有効拡散特性が、電極表面に対して垂直である電極のことをいう。マクロ電極は、1次拡散特性が、線形拡散特性になるように、設計されかつ配置されている。マイクロ電極という語彙は、計量の特性時間スケール上での収束性の定常状態または準定常状態を示す電極のことをいう。マイクロ電極は、放射状の拡散が、応答機能中に重要な変化をもたらす電極をいう。たとえば、マイクロ電極は、1次インピーダンス特性が、切端動力学たとえば、フィンガーの最近接端のあいだの特性になるように設計されかつ置かれている。このさらなる機能性は、図示した例示の実施形態に関して、考察する。
【0047】
マイクロ電極の利点の1つは、これらの装置は、たとえば、0.50秒から3.25秒の少ないあいだに、または0.5秒未満で、電極において準定常状態の電流フラックスを迅速に到達するように構成できかつ操作できるということである。準定常状態の迅速な取得により、検体濃度の定量がより迅速にかつより正確に出来る。このことは、たとえば、準定常状態に到達する前に取られた読み取りをベースとした結果を推定または展望した従来のアプローチと対比される。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態に見られるさらなる利点は、DC信号の印加に対する準定常状態の対応は、多くの先行技術システム中の準定常状態よりも高い大きさになるということである。このことは、信号の信号対雑音比を向上させ、かくして本システムは、より正確な結果を与えることが出来るようになる。
【0049】
本発明のいくつかの様式中に使用されている電極フィンガーの互いに噛み合ったアレーで見られるさらなる利点は、所定のスペース内で達成することが出来る劇的に増加した電極端長さである。デザインにより、より大きなサンプルを必要とするシステムと同品質の結果を達成しながら、より小さなこれらのシステムを用いて、結果を得ることが出来る。
【0050】
本開示および参照として上記に組み入れたAC励起応用に与えられる当業者のものに生じるような種々のマイクロ電極構造に対して、式が与えられるし、使用できることを注意する。各センサーデザイン中に存在する電気化学的構造の応答関数を直接決定するための経験的な計量を使用することも出来る。応答関数の分析的記述も、定常状態電流の達成も、改良されたシステム性能に対しては、まったく必要が無いことに、注意する。
【0051】
全般的記述−構造
本発明は、広い多様なバイオセンサー装置中で有用な電極構造およびシステムを提供するものである。本発明の有用性を示す典型的なテストストリップ構造を、ここに記述する。しかし、本発明の原理は、種々の他のバイオセンサーの設計においても等しく応用できるということは、理解されよう。基本的なバイオセンサー部品のその特定の組成、サイズおよび他の特性は、重大なものでなくまた、そのために、制限的なものではない。
【0052】
図1を参照して、ストリップ210は、駆動回路および計量回路(図示していない)と伝達するための第1端211をもち、一方、端218は、ここで考察するように、電極と接触して体液を受けるために適用される。駆動回路は、コンタクト216を経由して既知の電流および/または電位を提供し、かつある期間に亘り電流および/または電圧をモニターする。各信号は、導電体270、272、274および276を経由して、コンタクト216および電極(図2から14に示す)のあいだを移動する。これらの導電体は、当業者により理解されているように、たとえば、金または炭素を含めた多様な導電体材料のいずれか、または組み合わせから作られている。
【0053】
端218においては、図2に見られるように、切り込みした流体ガイド214は、一般的に長方形であり、そこから切りとられた長方形切り欠き148をもっている。流体ガイド214は、基材層212(参照として上記に組み入れられた「バイオセンサーの製作方法」またはそうでなければ、技術分野で公知であるに開示されているポリイミドまたはその他の材料)の上に置かれ、また毛細管作用によりベント262に向けて端224から引き込まれる流体に対して、開口251(図2参照)を提供している。カバー層250は、ガイド層236の上に置かれ、切り欠き248によって部分的に定められる流体通路に対して上部閉じ込めを提供している。これらの構造は、以下にさらに詳細に考察する。
【0054】
図1に示されているある構造に対する連続参照としての図2に戻って、ストリップ210は、基材層212、試薬ストライプ264、流体ガイド214およびカバー層218を含んでいる。組み立てられると、通路248は、上は、カバー層218の底面258により、また下は、試薬ストライプ264(電極対284上に置かれているが、電極対280上には置かれていない)および基材表面232上部の電極領域266により、内部切り欠き表面249により、水平に定められている。テスト操作中には、被テスト流体が、それぞれ流体ガイド214の端240、カバー層218の過ぎた端254と基材212の端224を経由して、通路248に入る。流体は、通路248中に毛細管作用により引かれ、端224および254からまたベント262に向けて、広がっている通路に続く(図1参照)。
【0055】
毛細管通路は、測定電極および関連試薬が含まれているサンプル受け取り室を提供し、検体を含む流体サンプルは、バイオセンサーのこれらの部品と接触する。毛細管通路の寸法は、実質的に変化するのが、本発明の特徴である。1つの実施形態においては、この通路は、幅が1000ミクロン、高さ100ミクロンおよび長さが2000ミクロンの容積である。他の実施形態および経路の測定は、一般的には、上記で参照した検体センサー応用で考察している。流体が、この通路に沿って移動するにしたがい、さらに以下に詳細に記述するように、試薬および電極と接触するようになる。
【0056】
基材212上には、コンタクト278が、トレース279を経由して、電極280に接続されている。これらの電極280は、基材212の長さに垂直方向に、端224に平行に、互いに伸びている。好ましい実施形態の一つにおいては、電極280は、切り欠き248の幅を横切って到達するために充分な長さであり、少なくとも50ミクロンの幅とそれらの最近接点のあいだが50ミクロンより大きく離れた長方形である。他の好ましい実施形態においては、電極280は、幅が、約100ミクロンで、ギャップが100ミクロンである。さらに他の好ましい実施形態においては、電極280は、幅が、約250ミクロンで、ギャップが250ミクロンである。他の構造および寸法は、当業者にとっては、思いつくものであり、また特定のストリップおよびシステムに対してデザイン考慮して、必要によりまたは望みにより、本発明中に使用しても良い。
【0057】
コンタクト282は、トレース277を経由して、電極対284に接続されている。各電極284は、複数の、平行で、延びた長方形(「フィンガー」)であり、各電極は、端224に対してほぼ平行にまた切り欠き248の中央線に垂直に延びており、切り欠き248の幅を超えた両端に到達している。この長方形は、一端または他端において、トレース274または276に対して、交互パターンで接続され、互いに噛み合った一連のフィンガーを形成しており、これらを以下に詳細に考察する。種々の実施形態においては、マイクロ電極対284中の各長方形フィンガーは、幅が、約5ミクロンと約75ミクロンのあいだで、ギャップが、隣接フィンガーとのあいだで約5ミクロンから約75ミクロンのあいだである。隣接フィンガー間のフィンガー幅とギャップは、それぞれ好ましくは、切り欠き248の幅を横切って一致している。
【0058】
図2に続く参照として、ここで図3において、図2中のストリップ210の電極部分の拡大図を示す。以上考察したように、電極280は、ストリップ210の端224に対して平行になっており、反対の端で導電トレース270および272に接続されて、電極対266を形成している。その際近接端281は、実質的にその長さに亘って一定である参照番号286により示される距離(「ギャップ」)だけ、離されている。同様に、互いに噛み合ったフィンガー284は、電極対268を形成し、交互フィンガーは、導電性トレース274および276に接続されている。
【0059】
図4に変えて、ストリップ310は、基材層212、試薬ストライプ364、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218を示している。この実施形態においては、流体ガイド214により定められる流体流入毛細管切り欠き348は、まずマクロ電極280に出会う。マクロ電極280は、導電体379を経由してストリップ310の端368において、コンタクト378に接続されている。電極280は、それぞれたとえば、幅が約250ミクロンであり、また電極間のギャップも、約250ミクロンである。ストリップ端366からやや離れて、電極対284があり、それは、各5つのフィンガーの2つの電極であり、辺上の各フィンガーは、導電体377を経由してストリップ端368でコンタクト382に接続されている。電極対284の各フィンガーは、幅が約20ミクロンの長方形であり、各隣接フィンガーは、約20ミクロンのギャップだけ、次のフィンガーから離れている。試薬ストライプ364は、電極対280をカバーしているが、電極対284をカバーしていない。
【0060】
テストのあいだ、サンプルが、電極対280をカバーすると、AC信号は、一定時間のあいだ、コンタクト378に印加される。同様に、サンプルが、電極対284をカバーした後にしばらく重なった時間のあいだ、DC信号が、コンタクト382に対して印加され、電極対284間の電気的応答は、サンプル中のグルコース濃度を推定するために使用される。電極対280のフィンガー間のサンプル応答は、サンプルのヘマトクリットに対して敏感であり、それは、サーミスター・ベースの回路により提供される温度値と共に、電極284を用いて得られた推定に対する訂正因子を提供している。この「訂正因子」は、必ずしも、乗法または加算の因子ではなく、その代わり、式中に参照表中におよび/または他の方法で使用されて、当業者により理解されるように、温度およびサンプル中またはサンプルの特性中の他の材料の有無に基づいて推定値を訂正することに、注意をする。たとえば、参照として上記に組み入れたAC励起応用を参照のこと。本実施形態において、測定電極をカバーするに充分な毛細管切り欠き348内の血液の体積は、約130nLである。
【0061】
他の実施形態は、ストリップ410として図5中に示されている。基材層212は、2つのコンタクト478を用いてトレースされており、かつ試薬ストライプ464(上電極480)、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218によって、部分的にカバーされている。コンタクト478は、導電性トレース477を経由して、第1電極対466および第2電極対468に接続されており、各対からの1つの電極は、各辺上でコンタクト478の1つに接続されている。本実施形態において、駆動回路および計量回路(図示していない)は、両電極対からの応答を与えまた測定するために、1対のコンタクト478を使用していることに、注意する。さらに、マイクロ電極484およびマクロ電極480の相対的配置は、図4に示した実施形態にたいして、逆になっていることに注意する。マクロ電極480は、たとえば、再び幅が、約250ミクロンで、そのあいだのギャップが、約250ミクロンである。また、マイクロ電極対466中の各電極は、対の他の電極中にあるフィンガーと互いに噛み合っている5つのフィンガーから作られている。各フィンガーは、再び、幅が、約20ミクロンで、ギャップが、隣接フィンガーとのあいだで約20ミクロンである。
【0062】
本実施形態において、試薬ストライプ464は、電極対468をカバーしているが、電極対466をカバーしていない。サンプルが、電極対466をカバーすると、システムは、その対を経由して、AC信号を使用し、検体測定用の訂正因子を定める。サンプルが、電極対468をカバーしたら、検体濃度の推定は、米国特許出願第09/530,171号および米国特許出願第10/264,891号、国際特許出願第PCT/US98/27203号、米国特許第5,997,817号明細書および電気化学的バイオセンサーテストストリップ(再発行)出願などの技術において公知であるDC励起方法を用いて得られる。上記した典型的な寸法を用いて、毛細管空洞の体積は、約130nLである。
【0063】
図6に変えて、ストリップ510は、基材層212、試薬ストライプ564、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218を含むことが理解される。この実施形態においては、作用電極581は、2つの対極フィンガー580のあいだにあり、それらは、導電体216の1つにより、同じコンタクトに接続されている。これらの電極580および581は、第1電極対480を形成し、かつこの電極対480中の3本のマクロ電極フィンガーの各々の幅が約250ミクロンであり、また作用電極581のどちらか一方の側のギャップは、約250ミクロンである。
【0064】
第2電極対284は、各6本のフィンガーおよび7本のフィンガーの2つの電極からなり、各フィンガーは、交互パターンで互いに噛み合っている。各フィンガーは、再び、幅が、約20ミクロンで、ギャップが、隣接フィンガーとのあいだで約20ミクロンである。本実施形態においては、試薬層564は、両電極対480と284をカバーしている。マクロ電極対480は、コットレル様の応答を提供し、そこでは、電流は、拡散係数の平方根に比例し、一方では、マイクロ電極対284は、拡散係数に直接比例した電流を提供する。この2つの応答を一緒にすると、環境因子が訂正され、向上した応答が、得られる。本実施形態における測定に必要なサンプルの体積は、約200nLである。
【0065】
他の代わりの実施形態は、図7に示されている。ストリップ610は、基材層212、試薬ストライプ664、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218を含む。図6に示されているように、第1電極対572は、それぞれカウンターマクロ電極580および作用マクロ電極581を含み、各電極は、幅が、約250ミクロンで、それらのあいだのギャップが、約250ミクロンである。しかし、本実施形態においては、電極対661は、各3本のフィンガーの2つの電極からなっている。各フィンガーは、幅が、約50ミクロンで、ギャップが、隣接フィンガーとのあいだで約50ミクロンである。
【0066】
サンプルが到達する第1電極対(マクロ電極対572)は、AC励起技術を使用して、ヘマトクリット・ベースの計量を得るために使用される。第2電極対(マイクロ電極対661)は、DC励起を使用して、サンプル中のグルコースおよびサンプルのヘマトクリットに依存する計量を得るために使用される。試薬ストライプ664は、電極対661のみをカバーし、そして約200nLのサンプル体積は、関係する領域中の毛細管容積を充填するために必要である。計量は、パラメータとして、当業者が思いつくような電極構造、試薬システムおよび他の因子に基づいた式に結び付けられる。
【0067】
図8は、本発明の他の実施形態を提供する。ストリップ710は、基材層212、試薬ストライプ364、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218を含む。本実施形態においては、第1電極対366は、2つのマクロ電極880を含み、各電極は、単一長方形フィンガーをもっているが、一方第2電極対770は、2つのマイクロ電極を含み、各電極は、互いに噛み合ったパターンの5本のフィンガーをもっている。本実施形態におけるフィンガーは、幅が、約50ミクロンで、それらのあいだのギャップが、約30ミクロンであり、また試薬ストライプ364は、第2電極対770をカバーしている。毛細管通路の関係する部分中の電極をカバーするために必要な体積は、約170nLである。
【0068】
ここで図9に変えて、ストリップ810は、基材層212、試薬ストライプ364、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218を含む。1対のコンタクト878は、導電体877を経由して第1電極対866および第2電極対868の両者に接続されている。第1電極対866は、2つの単一フィンガーマクロ電極884を含み、一方第2電極対868は、2つのマイクロ電極を含み、各電極は、互いに噛み合ったパターンの5本のフィンガーをもっている。第1電極対866における各電極は、再び幅が、約250ミクロンで、それらのあいだのギャップが、約250ミクロンである。第1電極対866は、サンプルのヘマトクリットに基づいて、第1計量を得るために使用される。第2電極対868の各フィンガーは、幅が、約50ミクロンで、ギャップが、隣接フィンガーとのあいだで約30ミクロンである。サンプルが、第2電極対868をカバーするとき、DC信号は、コンタクト878に印加される。電極868間に生成されたインピーダンスは、サンプル中のグルコースおよびサンプルのヘマトクリットの濃度をベースにして、第2計量を得るために使用されている。その計量は、第1電極対866を経由して得られる計量とサーミスター(図示していない)からの温度信号と式中で結び付けられて、訂正されたグルコース濃度値を得る。また試薬ストライプ364は、第2電極対868をカバーしており、またサンプルの必要な体積は、再び約170nLである。
【0069】
図10は、基材層212、試薬層1064、切り欠き流体ガイド214およびカバー層218を含むストリップ1010である他の代わりの実施形態を示している。本実施形態においては、サンプルが遭遇する第1電極対1081は、作用電極1071、単一フィンガーの電極を含んでいる。第1電極1081は、カウンター電極対1072、作用電極1071のどちらか一方の側に1つのフィンガーをもった2本フィンガーの電極をも含んでいる。第1電極対1081中の各フィンガーは、幅が、約250ミクロンで、かつ約250ミクロンのギャップが、作用電極フィンガーから各カウンター電極フィンガーを分離している。第1電極対1081中の各電極(すなわち、作用電極1071および対極1072)は、導電性トレース216を経由してコンタクト1067に電気的に接続されている。システムドライバーは、コンタクト1067に接続され、サンプル中の検体の推定濃度を得るために、第1電極対を使用する。
【0070】
第2電極対1082は、各5本のフィンガーをもった2つの電極を含んでいる。これらのフィンガーのそれぞれは、幅が、約50ミクロンで、それらのあいだには、約30ミクロンの隔たりがある。第2電極対中の各電極は、コンタクト1068に電気的に接続されるように、導電性トレース216に接続され、またコンタクトは、第2電極対と検体との相互作用に基づいて、ヘマトクリットなどの訂正因子の駆動と測定に使用されている。
【0071】
第3電極対1083も、他の電極中の5本のフィンガーと互いに組み合わされている5本のフィンガーをもっている第3電極対1083中に2つの電極のそれぞれをもったマイクロ電極構造である。各フィンガーは、再び幅が、約50ミクロンで、それらのあいだのギャップが、約30ミクロンである。第3電極対1083中の各電極は、導電性トレース216を経由して、コンタクト1069に接続されており、またサンプルキャビティ1048を経由してサンプルが、充分な程度に到達したとき、これらの電極のあいだの電気的応答に基づいて、これらのコンタクトを経由して、サンプル体積の充分性を検出するために、駆動される。試薬層1064は、本実施形態における上流側電極対1081をカバーしていることを注意する。3つの電極対全部をカバーするために、この実施形態中のサンプルキャビティは、サンプル流体の約220nLを必要とする。
【0072】
ここで図11に変えて、ストリップ1110は、基材層212、試薬ストライプ1164、切り欠き1148をもった切り欠き流体ガイド1114およびカバー層1118を含む。ストリップ1110のサンプル端1166からの第1電極対1170は、各5本のフィンガーの2つの電極を含み、そこでは、各フィンガーは、幅が、約20ミクロンで、各隣接フィンガーを隔てるギャップが、約20ミクロンである。この電極対は、AC励起およびインピーダンス測定技術を使用することにより、ヘマトクリットなどの干渉物の濃度を定量するために使用される。これらの技術の例に対しては、参照として上記に組み入れたAC励起応用を参照のこと。
【0073】
ストリップ1110のサンプル端1166からの第2電極対1171は、各3本のフィンガーの2つの電極を含む。各フィンガーは、幅が、約20ミクロンで、各隣接フィンガーを隔てるギャップが、約20ミクロンである。このシステムは、第2電極対1171に対して、AC励起またはDC励起を印加することにより、グルコース濃度の温度補償された推定を引き出す。毛細管経路を充填しかつ本実施形態における電極をカバーするために必要なサンプルの体積は、約69nLである。
【0074】
ここで図12に変えて、ストリップ1210は、基材212、試薬ストライプ1264、切り欠き流体ガイド1114およびカバー層1118を含む。ストリップ1210のサンプル端1260からの第1電極対1266は、各5本のフィンガーの2つの電極を含む。このシステムは、ストリップ1210中の第1電極対1266を使用して、第2電極対1268を用いて得られる他の計量と組み合わせるために、実質的な部分では干渉物の検出をベースとして、1つの計量を得る。ストリップ1210のサンプル端からの第2電極対は、電極対1268であり、それは2つの電極を含み、各電極は、3本のフィンガーをもち、また電極対1268は、試薬層1264によりカバーされる。第2電極対1268中のフィンガーも、幅が、約20ミクロンで、かつ約20ミクロンのギャップで隔てられている。この第2電極対1268は、サンプル中の検体濃度を推定するために、このシステムにより使用される。第1電極対1266は、AC技術を実行するが、第2電極対1268は、AC信号またはDC信号により駆動される。さらに、第3電極1270は、サンプル端から下流にあって(第2電極対1268の先)、単一の電極フィンガーであり、幅が、約20ミクロンで、導電体1274を経由して、コンタクト1272に接続されている。第3電極1270と第1電極対1166または第2電極対1168のいずれかとのあいだのAC信号応答は、システムに対してサンプルの充実性信号を提供する。本実施形態の変形において、第3電極1270は、第2電極対1168をもった回路中の電極として、技術中に公知である種々の検出および測定技術の適用に対して機能する。
【0075】
図13は、基材212、試薬ストライプ1464、切り欠き1448をもった流体ガイド1414およびカバー層1418を含むストリップ1410を示している。ストリップ1410のサンプル端1166からの第1電極対1170は、2つの電極を含み、それぞれは、5本のフィンガーをもっている。電極1170中のフィンガーは、各々幅が、約20ミクロンで、かつ隣接する互いに噛み合うフィンガーを隔てるギャップは、約10ミクロンである。
【0076】
この第2電極対1171は、それぞれ3本のフィンガーをもつ2つの電極を含む。電極1171のフィンガーは、幅が、約20ミクロンで、かつ隣接する互いに噛み合うフィンガー間のギャップは、約10ミクロンである。第1電極対1170は、サンプルのヘマトクリットを求めかつ訂正因子を計算するために、このシステムにより使用されるが、一方グルコース濃度の推定は、サンプルおよび試薬の存在下で第2電極対1171の応答から導かれる。第3電極対1471は、それぞれ2本のフィンガーをもつ2つの電極である。本実施形態においては、サンプルが、電極対に到達するまで第3電極1471を横切って、電位が、印加されるため、電極間のインピーダンスが変更される。その後、システムは、行われる正確な分析のために、サンプルが、第1電極対1170および第2電極対1171を充分にカバーしたと結論付ける。本例示的な実施形態において、約63nLのサンプル体積が、3つの電極対をカバーするために必要である。
【0077】
図14は、基材層212、試薬ストライプ1464、切り欠き流体ガイド1414(切り欠き1448をもった)およびカバー層1418をもつストリップ1410を示している。第1電極対1466は、第1知覚ゾーン1476を定めかつそれぞれは、5本のフィンガーをもっている2つの電極を含む。フィンガーは、幅が、約20ミクロンで、かつ互いに噛み合うフィンガー間に約20ミクロンのギャップを含んでいる。この第1電極対1466は、サンプルのヘマトクリットを反映する応答を提供するために使用され、このシステムは、第2電極対1468を使用することにより求められるサンプル中のグルコースの推定濃度を訂正することができる。第2電極対1468は、第2知覚ゾーン1478を定めかつそれぞれは、3本のフィンガーをもっている2つの電極を含む。第2電極対1468用のフィンガーサイズおよびギャップは、第1電極対1466用のそれらと同一である。この第2電極対1468は、第1電極対1166により得られる濃度推定に対して訂正因子を得るために使用され、かつAC/インピーダンス測定技術を使用する。
【0078】
図15は、図11中のストリップの変形であるストリップ1510を示し、そこでは、電極対1570および1571およびそれらをカバーする層が、わずかに改質されている。特に、電極対1570は、4本のフィンガーをもっている作用電極を含み、それぞれは、幅が、50ミクロンで、ギャップ幅は、20ミクロンである。電極対1570中の対応する対極は、3本のフィンガーをもち、50ミクロンの幅をもつ。第2電極対1571は、それぞれ幅が100ミクロンの2本のフィンガーをもっている作用電極と、幅も100ミクロンで、ギャップ幅は、20ミクロンである単一フィンガーをもった対極を含んでいる。本実施形態において、試薬1564は、電極対1571のみをカバーし、一方塗膜1565は、電極対1570をカバーする。塗膜1565は、パーム選択性、サイズ選択性、イオン選択性塗膜であり、または従来技術で公知である電極対1570における測定に影響するサンプルの部分または成分を制限する他の塗膜である。この実施形態に関する変形において、3個以上の電極対が、存在し、かつ各電極対は、異なった試薬、他の塗膜、または塗膜の組み合わせによりカバーされ、異なった感度をもった対応する数々の計量を提供し、その計量が、最終計量出力を決定するために結び付けられる。他の点においては、セルの形状および塗膜1565および試薬1564の選択から導かれる定数および関数以外は、計量は、図11に関して記述したように生じる。
【0079】
記述された実施形態の種々の態様は、所定のシステムに対する設計パラメータおよび優先性にしたがって、望みによりまたは必要により結びつけることが出来る。たとえば、図4に示したように、ストリップ上の電極およびコンタクト間の1対1対応であっても良い。または、フィンガーが、ストリップの同じ側に組み合わされている全電極は、たとえば、図5に示されているように、同一コンタクトに電気的に接続されていても良く、それにより、多対1の関係を提供する。
【0080】
さらに、ここに考察されるデザインのいずれも、図11および14中に示されているように、サンプルの分析に使用されるものから下流にある「線量充実性」電極を1つまたはそれ以上を収容できる。このような線量充実性電極は、2つ以上の電極を含み、かつ関連した回路は、電極間に存在するインピーダンスに基づいて、サンプルが、これらの電極に到達したかどうかを決定することが出来る。代わりの実施形態は、単一線量充実性電極を包含し、かつメータおよび駆動回路は、これらの電極間の空間中にあるサンプル流体の存在を検出するために、それと測定電極(作用電極または対極、推定または訂正対)のあいだのインピーダンスを使用する。
【0081】
以前記述しているように、バイオセンサーは、サンプルが、テストストリップに入ってくるように、測定電極の上流側で、テストストリップの端に近く置かれる以外は、この線量充実性電極システムに比較できる線量検出電極システムを含んでいても良い。そのような線量検出電極システムは、別に設けられた計量または他の電極と組み合わせて、機能する単一電極を包含しても良い。代わりに、該線量検出電極システムは、サンプル流体が、線量検出電極間のギャップを埋めるときを示すために、互いに機能する1対の電極を含む。したがって、該線量検出電極は、機能という点では、線量充実性電極と類似しているように見えるが、測定電極に対してそれらの上流位置における電極の位置に関して、異なっている。
【0082】
他の変形においては、本システムにおけるサーミスターは、グルコース推定を訂正するために、ヘマトクリットの読み取りと共に使用される温度を決定する。換言すれば、第2電極対は、当業者に公知の技術を用いて、温度補償されたグルコース推定を提供する。
【0083】
さらなる他の変形においては、サンプルが最初に遭遇する電極対は、1対のマクロ電極であり、一方その他の変形においては、それは、マイクロ電極対である。どちらの場合も、各電極は、適当な寸法の1,2,3,4,5本またはそれ以上のフィンガーを含み、その全てが、互いにまたメータ/駆動エレクトロニクスに伝達するコンタクトに、電気的に接続されている。
【0084】
さらに、他の変形においては、望みの結果を達成するために、計量の他の組み合わせが、使用される。一般的に、種々の変形は、対応する数の応答信号を得るために、2つ以上の電極に対して電気信号を印加する。信号(AC対DC、スペクトル、振幅など)、電極形状または寸法、サンプルに適用される試薬(または、1つ以上の電極においては、試薬の無いものもありうる)における差、および/またはその他の差があるので、信号応答は、検体濃度および干渉物の異なった組み合わせに対して、敏感である。そのような1つの例において、第1応答は、サンプルのヘマトクリットに関係するが、一方第2応答は、サンプル中のヘマトクリットとグルコース濃度の組み合わせに関係している。他の例においては、第1応答は、温度に関係し、第2応答は、温度とヘマトクリットの組み合わせに関係し、また第3応答は、温度とヘマトクリットとグルコースの組み合わせに関係している。得られる機能は、各デザインにより変化するようであるが、それらは、必要でない実験をすることなく、当業者により経験的に求めることが出来る。
【0085】
ここにおける実施形態は、組み合わせた計量という点または計量をして訂正因子を求めるという点について記述してきたが、本発明によるシステムは、適当な形状と適当な技術を使用して、最終の検出または計量結果を達成するための複数の測定を得てかつそれを組み合わせることができるということを、当業者は、評価できるであろう。すなわち、本発明を実施するものは、より多くのまたはより少ない電極を使用しても良く、また形状、試薬およびデザインと組み合わされた他のデザイン選択という観点から、適当である読み取りを組み合わせるための式を使用しても良い。
【0086】
上記に参照として組み入れた検体センサー応用において考察したように、検体の正確な検出は、コネクターに有害なインパクトを与えることなく、先行技術システムよりも、本発明による小体積ストリップベースのシステムにおいて達成できる。このことにより、小さなサンプルで計量を満足させることが出来て、時間の節約とシステムの使用者に対するイライラを抑えることができる。
【0087】
ここに引用した全ての出版物、先行出願および他の文献は、それぞれが、個々に参照として組み入れられかつ充分に説明されてきたかのように、ここに、完全を期して、参照として組み入れられている。
【0088】
図および前述の記述において、本発明を詳細に説明しかつ記述してきたが、同じことは、説明に役立つものでありまた特性に制限的ではないと考えるべきであり、好ましい実施形態のみを示しまた記述してきたということ、および当業者に思いつく全ての変更および改質は、保護されることが望ましいことを理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の1つの実施形態によるテストストリップの透視図である。
【図2】図1のテストストリップの選択された層の分解組み立て図である。
【図3】図1のテストストリップの電極部分の切り欠き平面図である。
【図4】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図5】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図6】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図7】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図8】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図9】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図10】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図11】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図12】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図13】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図14】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。
【図15】本発明による代わりのテストストリップの分解組み立て図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管通路を定めるテストストリップ中において、該通路が、該通路を経由して所定の経路に沿って、体液サンプルの移動を誘導するように設計され、サンプル中の検体の濃度に相関している第1計量を得るための該通路と電気的に伝達される第1セット電極と、
検体とサンプルの1つ以上の特性と相関する第2計量を得るための該通路と電気的に伝達される第2セット電極を含むことを特徴とする改良。
【請求項2】
該第2セット電極が、実質的に平行である電極対と、互いに噛み合ったフィンガーとからなり、各電極は、少なくとも2つのフィンガーをもち、さらに各フィンガーは、第2セット電極中の他の最近接フィンガーから、約50ミクロン未満であることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項3】
該第1セット電極が、実質的に平行である電極対と、互いに噛み合ったフィンガーとからなり、各電極は、少なくとも2つのフィンガーをもち、さらに各フィンガーは、第1セット電極中の他の最近接フィンガーから、約50ミクロン未満であることを特徴とする請求項2記載のテストストリップ。
【請求項4】
各フィンガーが、第1セット電極中の他の最近接フィンガーから少なくとも約1ミクロンであることを特徴とする請求項3記載のテストストリップ。
【請求項5】
各フィンガーが、第1セット電極中の他の最近接フィンガーから少なくとも約10ミクロンであることを特徴とする請求項3記載のテストストリップ。
【請求項6】
該第2セット電極が、実質的に平行である電極対と、互いに噛み合ったフィンガーとからなり、各電極は、少なくとも2つのフィンガーをもち、さらに各フィンガーは、幅が約50ミクロン未満であることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項7】
該第1セット電極が、実質的に平行である電極対と、互いに噛み合ったフィンガーとからなり、各電極は、少なくとも2つのフィンガーをもち、さらに各フィンガーは、幅が約50ミクロン未満であることを特徴とする請求項6記載のテストストリップ。
【請求項8】
各フィンガーが、第1セット電極中の他の最近接フィンガーから少なくとも約1ミクロンであることを特徴とする請求項6記載のテストストリップ。
【請求項9】
各フィンガーが、第1セット電極中の他の最近接フィンガーから少なくとも約10ミクロンであることを特徴とする請求項8記載のテストストリップ。
【請求項10】
サンプルが、通路中の所定の距離を入ってくるときに定量する経路と電気的に伝達される第3セット電極をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項11】
第3セット電極が、第1セット電極および第2セット電極からなる群から選択されることを特徴とする請求項10記載のテストストリップ。
【請求項12】
第3セット電極が、第1セット電極および第2セット電極の両者よりも通路の入り口に近い単一電極であることを特徴とする請求項10記載のテストストリップ。
【請求項13】
該単一電極が、1つ以上の電気的に接続されているフィンガーをもち、各フィンガーが、約5ミクロンと約50ミクロンのあいだの幅をもっていることを特徴とする請求項12記載のテストストリップ。
【請求項14】
第3セット電極が、第1セット電極および第2セット電極とからなり、その両者が、第1セット電極および第2セット電極よりも通路の入り口に近いことを特徴とする請求項10記載のテストストリップ。
【請求項15】
線量検出作用電極および線量検出対極が、それぞれ複数の電気的に接続されたフィンガーをもち、各フィンガーは、実質的に長方形の形状をしておりまた約5ミクロンと約50ミクロンのあいだの幅をもっていることを特徴とする請求項14記載のテストストリップ。
【請求項16】
サンプルが、第1セット電極および第2セット電極をカバーするために、通路を満たすときに定量する経路と電気的に伝達される第3セット電極をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項17】
第3セット電極が、第1セット電極および第2セット電極からなる群から選択されることを特徴とする請求項16記載のテストストリップ。
【請求項18】
第3セット電極が、第1セット電極および第2セット電極の両者よりも通路の入り口から遠い単一電極であることを特徴とする請求項16記載のテストストリップ。
【請求項19】
該単一電極が、1つ以上の電気的に接続されたフィンガーをもち、各フィンガーは、実質的に長方形の形状をしておりまた約50ミクロン未満の幅をもっていることを特徴とする請求項18記載のテストストリップ。
【請求項20】
第3セット電極が、サンプル充実作用電極およびサンプル充実対極とからなり、両者は、第1セット電極および第2セット電極よりも通路の入り口から遠いことを特徴とする請求項16記載のテストストリップ。
【請求項21】
該サンプル充実作用電極およびサンプル充実対極が、各々複数の電気的に接続されたフィンガーをもち、各フィンガーは、実質的に長方形の形状をしておりまた約5ミクロンから約50ミクロンのあいだの幅をもっていることを特徴とする請求項20記載のテストストリップ。
【請求項22】
請求項1に記載のテストストリップであって、該第1セット電極は、第1電極および第2電極からなり、
第2セット電極は、第3電極および第4電極からなり、
第1電極および第3電極は、互いに電気的に接続され、また
第2電極および第4電極は、互いに電気的に伝達されていることを特徴とするテストストリップ。
【請求項23】
第1セット電極上にさらに試薬材料を含み、そこでは試薬材料は、体液と結合し、酸化還元反応を生じることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項24】
第2セット電極上にさらに試薬材料を含み、そこでは試薬材料は、体液と結合し、酸化還元反応を生じることを特徴とする請求項1記載のテストストリップ。
【請求項25】
第1電極および第2電極からなり、実質的に平面状の第1物理ゾーン中で機能する第1電極対と、
第3電極および第4電極からなり、平面状の第1物理ゾーンと実質的に同一平面である実質的に平面状の第2物理ゾーン中で機能する第2電極対とからなる診断ストリップであって、
第1電極および第2電極の各々は、複数のフィンガーを含み、
第1電極および第2電極のフィンガーは、互いに噛み合い、そして最近接の隣接するフィンガーから、最近接点において多くとも約50ミクロンだけ離れていることを特徴とする診断ストリップ。
【請求項26】
第1電極対が、第2電極対よりも端に近いことを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項27】
第1電極対および第2電極対よりも端から離れて位置している第5電極をさらに含むことを特徴とする請求項26記載の診断ストリップ。
【請求項28】
第5電極対が、単一導電リードであることを特徴とする請求項27記載の診断ストリップ。
【請求項29】
該第5電極対が、多くとも約50ミクロンの幅をもっていることを特徴とする請求項28記載の診断ストリップ。
【請求項30】
該第5電極対が、少なくとも約50ミクロンの幅をもつことを特徴とする請求項28記載の診断ストリップ。
【請求項31】
第5電極対が、複数の導電リードであることを特徴とする請求項27記載の診断ストリップ。
【請求項32】
複数の導電リードが、それぞれ多くとも約50ミクロンの幅をもちかつストリップ上で必ずしも全てが、互いに電気的接続されていないことを特徴とする請求項31記載の診断ストリップ。
【請求項33】
第2電極対が、第1電極対より端に近いことを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項34】
第2電極対が、少なくとも2つのフィンガーからなり、各々は、少なくとも約50ミクロンの幅であることを特徴とする請求項33記載の診断ストリップ。
【請求項35】
第2電極対が、少なくとも2つのフィンガーからなり、各々は、多くとも約50ミクロンの幅であることを特徴とする請求項33記載の診断ストリップ。
【請求項36】
第1電極対および第2電極対よりも端から遠くに位置している第5電極をさらに含むことを特徴とする請求項33記載の診断ストリップ。
【請求項37】
第5電極が、単一導電リードであることを特徴とする請求項36記載の診断ストリップ。
【請求項38】
該第5電極が、多くとも約50ミクロンの幅をもっていることを特徴とする請求項37記載の診断ストリップ。
【請求項39】
該第5電極が、少なくとも約50ミクロンの幅をもっていることを特徴とする請求項37記載の診断ストリップ。
【請求項40】
該第5電極が、複数の導電リードであることを特徴とする請求項36記載の診断ストリップ。
【請求項41】
複数の導電リードが、端に対して平行に延びており、多くとも約50ミクロンの幅をもっており、かつストリップ上で互いに電気的に接続されていないことを特徴とする請求項40記載の診断ストリップ。
【請求項42】
第3電極および第4電極が、各々1つ以上のフィンガーからなり、かつ第3電極のフィンガーおよび第4電極のフィンガーの各々は、少なくとも約50ミクロンの幅をもつことを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項43】
第3電極および第4電極の各々が、各々1つ以上のフィンガーからなり、かつ第3電極のフィンガーおよび第4電極のフィンガーの各々は、多くとも約50ミクロンの幅をもつことを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項44】
第1電極および第2電極のフィンガーが、各々、最近接フィンガーから、最近接点において多くとも約30ミクロンだけ離れていることを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項45】
第1電極および第2電極のフィンガーが、実質的に長方形の形状をしており、多くとも約20ミクロンの幅であり、かつ第1電極および第2電極のフィンガーは、各々、最近接フィンガーから、最近接点において多くとも約20ミクロンだけ離れていることを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項46】
第1および第2電極対から離れて置かれているストリップ上の第1電気的コンタクトおよび第2電気的コンタクトをさらに含む診断ストリップであって、
第1電極および第3電極は、第1電気的コンタクトに電気的に接続され、また第2電極および第4電極は、第2電気的コンタクトに電気的に接続されていることを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項47】
第1および第2電極対から離れて置かれているストリップ上の第1電気的コンタクト、第2電気的コンタクト、第3電気的コンタクトおよび第4電気的コンタクトをさらに含む診断ストリップであって、
第1電極は、第1電気的コンタクトに電気的に接続され、第2電極は、第2電気的コンタクトに電気的に接続され、第3電極は、第3電気的コンタクトに電気的に接続され、また第4電極は、第4電気的コンタクトに電気的に接続されていることを特徴とする請求項25記載の診断ストリップ。
【請求項48】
第1電極対上に試薬材料をさらに含むテストストリップであって、試薬材料は、体液と結合し、酸化還元反応を生じることを特徴とする請求項25記載のテストストリップ。
【請求項49】
第2電極対上に第1試薬材料をさらに含むテストストリップであって、第1試薬材料は、体液と結合し、酸化還元反応を生じることを特徴とする請求項25記載のテストストリップ。
【請求項50】
第1電極対上に第2試薬材料をさらに含むことを特徴とする請求項49記載のテストストリップ。
【請求項51】
第1試薬材料および第2試薬材料が、同一材料であることを特徴とする請求項50記載のテストストリップ。
【請求項52】
第2試薬材料は、体液と結合し、酸化還元反応を生じることを特徴とする請求項50記載のテストストリップ。
【請求項53】
検体の濃度を測定するための第1電極手段と、4.00秒未満で定常状態または準定常状態条件に到達する電気的応答を測定することにより、訂正因子を求めるための第2電極手段を含むことを特徴とするテストストリップ。
【請求項54】
第2電極応答が、3.00秒未満で定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項53記載のテストストリップ。
【請求項55】
第2電極応答が、2.00秒未満で定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項53記載のテストストリップ。
【請求項56】
第2電極応答が、1.00秒未満で定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項53記載のテストストリップ。
【請求項57】
第2電極応答が、0.50秒未満で定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項53記載のテストストリップ。
【請求項58】
サンプルキャビティの第1測定領域中の体液サンプルをテストするために適用される第1センサーと、サンプルキャビティの第2測定領域内の同一サンプルをテストするために適用される第2センサーとを含むテストストリップであって、第1測定領域および第2測定領域は、合計で、多くとも約240nLであることを特徴とするテストストリップ。
【請求項59】
全測定体積が、多くとも約200nLであることを特徴とする請求項58記載のテストストリップ。
【請求項60】
全測定体積が、多くとも約90nLであることを特徴とする請求項58記載のテストストリップ。
【請求項61】
全測定体積が、多くとも約80nLであることを特徴とする請求項58記載のテストストリップ。
【請求項62】
全測定体積が、多くとも約65nLであることを特徴とする請求項58記載のテストストリップ。
【請求項63】
第1センサーが、作用電極および対極からなり、かつ第2センサーが、単一リードからなることを特徴とする請求項58記載のテストストリップ。
【請求項64】
第1センサーが、第1作用電極および第1対極からなり、かつ第2センサーが、第2作用電極および第2対極からなることを特徴とする請求項58記載のテストストリップ。
【請求項65】
第2作用電極および第2対極が、導電性フィンガーの互いに噛み合ったアレーであり、各フィンガーは、実質的には長方形の形状をしており、かつ約5ミクロンから約50ミクロンの幅をもっていることを特徴とする請求項64記載のテストストリップ。
【請求項66】
体液サンプル中の検体濃度を測定する方法であって、サンプルに対する第1電気信号の印加に対する第1応答を取得することと、サンプルに対する第2電気信号の印加に対する第2応答を取得することと、サンプル中の検体濃度測定を導くために、第1応答および第2応答を使用することを含むことを特徴とする方法。
【請求項67】
該取得工程が、時間の重なり期間中に行われることを特徴とする請求項66記載の方法。
【請求項68】
第1電気信号が、サンプルと電気的に接触する第1電極対を経由して印加され、第2電気信号が、サンプルと電気的に接触する第2電極対を経由して印加され、該サンプルの体積が、約240nL未満であることを特徴とする請求項66記載の方法。
【請求項69】
サンプルの体積が、約200nL未満であることを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項70】
サンプルの体積が、約90nL未満であることを特徴とする請求項68記載の方法。
【請求項71】
サンプルの体積が、約80nL未満であることを特徴とする請求項68記載の方法。
【請求項72】
サンプルの体積が、約65nL未満であることを特徴とする請求項68記載の方法。
【請求項73】
取得工程の前に、サンプルの体積の充実を検出することを、さらに包含することを特徴とする請求項66記載の方法。
【請求項74】
該検出は、少なくとも第3電極を用いて行われることを特徴とする請求項73記載の方法。
【請求項75】
該検出が、第3電極対を用いて行われることを特徴とする請求項74記載の方法。
【請求項76】
サンプル中の検体のおおよその濃度を示す第1応答を発現させるための第1信号を、サンプルに印加するために構成されている第1電極対と、サンプルの第2特性を示す第2応答を発現させるための第2信号を、サンプルに印加するために構成されている第2電極対とを含み、第2特性が第1応答に影響する体液サンプル中の検体濃度を測定するセンサーであって、
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、対応する信号を印加後4.00秒未満で、定常状態に到達することを特徴とするセンサー。
【請求項77】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、3.00秒未満で、定常状態に到達することを特徴とする請求項76記載のセンサー。
【請求項78】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、2.00秒未満で、定常状態に到達することを特徴とする請求項76記載のセンサー。
【請求項79】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、1.00秒未満で、定常状態に到達することを特徴とする請求項76記載のセンサー。
【請求項80】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、0.50秒未満で、定常状態に到達することを特徴とする請求項76記載のセンサー。
【請求項81】
サンプル中の検体のおおよその濃度を示す第1応答を発現させるための第1信号を、サンプルに印加するために構成されている第1電極対と、サンプルの1つ以上の特性に対して、異なる感度をもつ第2応答を発現させるための第2信号を、サンプルに印加するために構成されている第2電極対と、
サンプル中の検体濃度の訂正された測定を導くために、第1応答および第2応答を使用することを含む体液サンプル中の検体濃度を測定する方法であって、
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、4.00秒未満で、定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする方法。
【請求項82】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、3.00秒未満で、定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項81記載のセンサー。
【請求項83】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、2.00秒未満で、定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項81記載のセンサー。
【請求項84】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、1.00秒未満で、定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項81記載のセンサー。
【請求項85】
少なくとも第1応答および第2応答の1つが、0.50秒未満で、定常状態または準定常状態に到達することを特徴とする請求項81記載のセンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−521484(P2007−521484A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517421(P2006−517421)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019576
【国際公開番号】WO2004/113910
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)