電気化学的接続の形成方法
【課題】 コネクターを備えている電気化学的セルの形成方法を提供する。
【解決手段】 上記コネクターは計器回路に対する電気的接続を行なうための一定の接続装置に対して係合する。
【解決手段】 上記コネクターは計器回路に対する電気的接続を行なうための一定の接続装置に対して係合する。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
[発明の属する技術分野]
本発明は計器回路に対する電気的接続を行なうための計器接続装置に係合するコネクターを備えている電気化学的接続の形成方法に関する。
【0002】
[従来の技術]
小型の電気化学的セルは試験片要素の各電極が一定の電子装置に対してインターフェイスとして作用する化学的感知を含む用途において有用である。これらの電子装置は、多くの場合に計器と呼ばれ、サンプルに対する試験片要素の電気的応答を測定して、試験を行なうために当該試験片要素に電力を供給することもできる。これらの機能を実行するために、この試験片要素の各電極は上記計器回路に対して電気的な接続が行なえることが必要である。このような電気的接続は計器における接続装置を介して行なうことができ、この接続装置が電気化学的セルの各電極に対して電気的に連絡している状態で上記試験片要素における各領域に係合する。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4において開示されているような電気化学的セルの各構成において、上方および下方の各電極がこれらの間における電気的な絶縁層を伴って互いに対向している。このような構成におけるこれらの電極は一般的に電気化学的セルの製造中に組み合わされる別々の支持体の上に形成される。このような構成は各接続領域が同一平面上に全て存在している場合の通常的な接続構成とは異なっているので、上記試験片要素の各電極を計器回路に接続するための部品を形成する場合の製造において困難さを有している。
【0004】
上記の異なる平面内における各接続領域の問題は種々の方法で対処されている。特許文献1において、一定の接続領域として使用可能な下層電極層の一定領域を露出するために上記各電極の一方および上記絶縁層の中に切取部分が形成されている方法および装置が開示されている。また、特許文献2および特許文献4においては、一定の適当な接続領域を露出するために一方の電極にフラップ部分が形成されていて、別の電極層内にこれに対応する切取部分が形成されている方法および装置が開示されている。この構成においては、上記絶縁層は上記接続領域に対して干渉しないように短く切断されている。
【0005】
さらに、特許文献3においては、上記絶縁層が短く切断されていて、その形成される井戸構造の基部において一定の接続領域を露出するために上方の支持体に一定の穴が形成されている。この井戸構造の部分は導電性の材料により充たすことができ、一定の接触がこの充たされた井戸部分の上部における導電性の材料により可能になり、これにより、各接触領域を1個の平面上に設けることができる。
【0006】
[特許文献1]
PCT国際公開第WO 98/43073号明細書
[特許文献2]
米国特許第5,437,999号明細書
[特許文献3]
欧州特許第0964059A2号明細書
[特許文献4]
PCT国際公開第WO 00/20626号明細書
【0007】
[発明が解決しようとする課題]
上記の各構成における欠陥はこれらの構成が各層を一定の作用を行なう装置内に組み合わせる際に2個以上のセルの層が互いに整合しているという特徴を必要とすることである。このことはこれらの装置を製造することを困難にすると共に、使用可能な製造技法を制限している。特に、費用および処理量を考慮した場合に、連続的なウエブ形態で各試験片要素を製造することが望ましい場合が多い。しかしながら、このような連続的なウエブを採用する場合には、貼り合せ工程の前に異なる層において形成されている反復部分のウエブ下降による整合を信頼性高く達成することが困難な場合が多い。このことは、可能であるとしても、高価な制御システムおよび比較的に脆弱な製造プロセスを必要とする場合が多い。
【0008】
[課題を解決するための手段]
対向している電極の電気化学的セルと共に使用することに適している電気化学的セル・コネクター、および各層の貼り合せの前にウエブ下降による整合工程を必要としない上記コネクターの形成方法が望まれている。本発明の好ましい各実施形態はこのような電気化学的セル・コネクターおよび方法を提供する。
【0009】
第1の実施形態において、電気化学的セルが提供されており、この電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出している。
【0010】
上記第1の実施形態の態様の一例において、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体は上記絶縁性のスペーサーのエッジ部分から先に延出している当該第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分に一定の孔を有しており、上記第2の電極層における一定の領域が露出して上記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている。
【0011】
上記第1の実施形態の態様の一例において、上記セルはさらに付加的な別の絶縁性のスペーサー層を有しており、この付加的なスペーサー層は上記第1の電気的に伝導性の被膜と上記第2の電気的に伝導性の被膜との間に配置されており、この場合の上記絶縁性のスペーサー層および付加的なスペーサー層は上記孔における反対側の各側面にそれぞれ配置されている。
【0012】
第2の実施形態において、電気化学的セルが提供されており、この電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体および上記絶縁性のスペーサー層が一定の孔を有しており、上記第2の電極層における一定の領域が露出して上記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている。
【0013】
第3の実施形態において、電気化学的セルが提供されており、この電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分および上記絶縁性のスペーサー層における一定の部分が除去されて一定のノッチ部分が形成されており、このノッチ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分に近接して配置されており、上記第2の電極層における一定の領域が露出して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている。
【0014】
第4の実施形態において、一定の電気化学的セルと一定の計器との間における電気化学的な接続を形成するための方法が提供されており、この方法は一定の電気化学的セルを供給する工程を含み、当該電気化学的セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、さらに上記方法が一定の計器を供給する工程を含み、当該計器が一定のくさび形部分を有しており、このくさび形部分が上方のくさび形導電面部および下方のくさび形導電面部を有しており、これら導電性の面部が上記計器に対して電気的に連絡しており、さらに上記方法が上記電気化学的セルの一部分を上記計器の中に挿入する工程を含み、これにより、上記くさび形部分が上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分と上記絶縁性スペーサー層のエッジ部分から先に延出している上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体における部分との間に挿入され、これにより、上記第1の電気的に伝導性の被膜と上記下方のくさび形導電面部との間における電気的な接続が形成され、これにより、上記第2の電気的に導電性の被膜と上記上方のくさび形導電面部との間における電気的な接続が形成される。
【0015】
上記第4の実施形態の態様において、上記計器はさらに一定のピボット・ピンを有しており、この場合の上記くさび形部分は当該ピボット・ピンにおいて回転可能である。
【0016】
[発明の実施の形態]
以下の説明および各実施例は本発明の好ましい実施形態を詳細に示している。当該技術分野における熟練者であれば、本発明の範囲に含まれる本発明の多数の変形例および変更例が存在することが認識できる。従って、この好ましい実施形態の説明が本発明の範囲を限定することを目的としていると考えるべきではない。
【0017】
以下の好ましい各実施形態は対向する電極を有する電気化学的セル内に各電極の接続領域を形成するための装置および方法に関連している。これらの装置および方法は各層の貼り合せの前にこれらの異なる層の上に形成されているそれぞれの部分の整合を必要としない。特に、製造中の各装置の連続的なウエブの貼り合せ中に異なる層における各反復部分の下降ウエブによる整合を必要としない装置および方法が提供される。これらの好ましい実施形態は、例えば、各層の分離している部分を一体に貼り合せるプロセス、および上記整合の必要性を減少することにより製造の複雑さを減少することが有利であるプロセスのような、任意の適当な製造プロセスと共に使用できる。
【0018】
また、別の実施形態において、本明細書において開示されている各試験片コネクターと共に使用することに適している一定の計器装置内のポートの好ましい要素が提供されている。
【0019】
図1乃至図6において示されている電気化学的セルの基本的な特徴は少なくとも1個の電極層(この場合に、上方電極層と呼ばれている)のエッジ部分が少なくとも1個の別の対向している電極層(この場合に、下方電極層と呼ばれている)からずれていて、当該下方電極層の一定の領域が上記上方電極層のエッジ部分にかぶさっており、当該下方電極層の一定の領域が露出して計器回路に対する接続に適している。
【0020】
図1乃至図6は電気化学的セル・コネクターの種々の好ましい実施形態の各図をそれぞれ示している。図1(a),2(a),3(a),4(a),5(a)および6(a)は種々の実施形態において組み合わされている各層のウエブまたはカードの各部分の上面図をそれぞれ示しており、それぞれの反復部分を示している。また、図1(b),2(b),3(b),4(b),5(b)および6(b)はそれぞれ対応する断面図を示している。
【0021】
図1乃至図6において、要素1は下方電極層である。この層はその上面部に被覆されている電気的に伝導性の被膜を有する電気的に絶縁性の支持体により構成されており、この場合の電気的に伝導性の被膜は上記電気化学的セルにおける少なくとも第1の電極に対して電気的に接触している。
【0022】
要素2は上方電極層である。この層はその下面部に被覆されている電気的に伝導性の被膜を有する電気的に絶縁性の支持体により構成されており、この場合の電気的に伝導性の被膜は上記電気化学的セルにおける少なくとも第2の電極に対して電気的に接触している。
【0023】
要素3は上記各要素1および2を離間するように作用する電気的に絶縁性の層である。好ましい実施形態において、この要素3の上面部および下面部は接着性を有しており、さらに装置における各層を一体に接着するように作用する。この好ましい実施形態において、要素3は一定の接着剤により被覆されている支持体により構成できる。あるいは、この要素3は接着剤層のみにより構成することもできる。
【0024】
要素4は要素1内の切取部分であり、図2乃至図6において示されているように、要素2の下面部における電気的に導電性の被膜の一定の露出した領域に対する接触を可能にするように作用する。
【0025】
図1において、要素2における一方のエッジ部分が要素1において対応しているエッジ部分からずれていて、当該要素1における導電性の被膜の一定の覆いかぶさっている領域が露出している。好ましい実施形態において、上記計器回路に対して電気的接続を行なうために、上面部および下面部において電気的に伝導性の被膜または層を有する電気的に絶縁性の支持体材料により構成されている舌状部材が上記要素1および2の間に挿入される。
【0026】
図2において、一定の貫通穴が要素1内において切り取られていて、電気的接続のために要素2における導電性被膜の一定領域が露出している。このことにより、一定の接続装置を上記各層の間に挿入する必要性が回避できる。
【0027】
図3において示されている装置は、要素3の余分の部分が要素1および2の間に挿入されていることを除いて、図2において示されている装置に類似している。この構成は使用中に各要素1および2を一体に押し当てることによりこれら要素1および2における各導電性の被膜の間に電気的な短絡状態を形成するような場合に望ましい。
【0028】
図4は一定のスロットが要素1内において形成されている実施形態を示しており、このスロットは要素2における導電性被膜の一定領域に対する接触を可能にする。
【0029】
図5は図2に類似している実施形態を示している図である。しかしながら、この実施形態においては、要素3のエッジ部分は要素1内において要素4の上方にあるように配置されている。この好ましい実施形態において当該実施形態が動作可能であるようにするためには、要素1および2は要素4を形成する前に一体に貼り合せるかこれ以外の方法で組み合わせることが必要である。
【0030】
図6は図4に類似している実施形態を示している図である。しかしながら、この実施形態においては、要素3のエッジ部分は少なくとも要素1のエッジ部分に近接しているように配置されている。このような実施形態においては、要素1および2は要素4を形成する前に一体に貼り合せるかこれ以外の方法で組み合わせることが好ましい。
【0031】
さらに別の実施形態において、上記において説明されている一部の接続装置に対して電気的接続を形成するための方法が開示されている。
【0032】
図2乃至図6において示されている好ましい各実施形態の電気化学的セルにおいては、1999年9月20日に出願されている同時係属の米国特許出願第09/399,512号において記載されているような外部回路に対する上記要素1および2における各導電性被膜の接続のための部品を使用することが適当である。
【0033】
図1において示されている実施形態の場合に、外部接続のための異なる構成が望ましい。この実施形態においては、そのコネクター領域内において要素1を要素2から分割して一定の舌状の接続装置に対するさらに容易な接触を可能にすることが望ましい。この実施形態の態様によれば、例えば、ブレードまたはくさび形状の突出部、あるいは、その他の適当な分割装置により、外部の回路コネクター内にその試験片コネクターを挿入する間に要素1が要素2から分割される。
【0034】
図7および図8はそれぞれ側面図および端面図を示しており、これらは一定の舌状の接続装置に対する接触を可能にするための接続領域における上記要素1の上記要素2からの分割を示している。図9および図10はそれぞれ外部回路コネクターの中に部分的および完全に挿入されている試験片を伴うこの実施形態を示している図である。
【0035】
図7乃至図10において示されている外部回路コネクター10はチャンバー18を備えており、このチャンバー18はキャビティ11および12を有していて、これらの中に上記試験片の要素1および要素2がそれぞれ挿入できる。このチャンバー18の側面部における1個以上のくさび形状の突出部17は試験片が当該チャンバー18の中に挿入される時にこの試験片の各要素1および2を分離するように作用する。試験片がチャンバー18の中に挿入されると、要素1が突出部17の下面部に突き当たり、下方に押し込まれる。この挿入作用と共に上記動作はさらに要素1を要素2から分離して当該要素2を信頼性良くキャビティ12の中に挿入することを可能にするように作用する。
【0036】
また、上記チャンバー18の後面部から別のくさび形状の突出部が突出している。導電性の各層がこの突出部の各面部13および14に取り付けられており、この場合に、これら2個の導電性の層は互いに電気的に絶縁されている。これらの層は試験片の各要素1および2における各導電性の被膜に対して電気的に接触する。電気的に伝導性のワイヤーまたはトラック15および16が上記各面部13および14における導電性の各層に電気的に接続していて、上記外部回路に対して接続するように作用する。なお、当該技術分野における熟練者であれば、上記各導電性の層を有する各面部13および14を伴う装置が各突出部17に対して一体であるように構成可能であることが認識できる。
【0037】
第2の実施形態が図11乃至図13において示されている。図11はこの実施形態の側面図を示している。また、図12および図13はそれぞれ部分的または完全に挿入されている試験片を伴う上記実施形態の側面図を示している。
【0038】
図11乃至図13において示されている外部回路コネクター100はチャンバー105を備えており、このチャンバー105は一定の旋回またはピボット点102の回りの当該チャンバー105内における回転が可能なくさび形部材101を収容している。このくさび形部材は電気的に伝導性の各面部106および107を有しており、これらは各外部接続点103および104に電気的に接続している。この初期の位置において、くさび形部材101は図11において示されているような位置になるように重力またはばね引張式の装置(図示せず)のいずれかにより保持されている。試験片がチャンバー105の中に挿入されると、その下方の電極要素が上記ピボット点102の後方においてくさび形部材101の下面部に突き当たる。この動作によりくさび形部材101が回転して、当該くさび形部材101の尖端が試験片の上方および下方の各電極層の間に位置する。その後、試験片がさらにチャンバー105の中に挿入されると、上方のくさび形部材の面部106が上方の試験片要素における導電性の被膜に対して接触する。この結果、この導電性の面部106を介する上記上方の試験片要素における導電性被膜の接続点103に対する電気的な接続が達成され、同様に、導電性の面部107を介する下方電極の試験片要素における導電性被膜の接続点104に対する電気的接続も達成される。
【0039】
図11乃至図13において示されている実施形態の利点は上記くさび形部材101の尖端が上記上方および下方の各試験片電極要素の間に自動的に配置されて信頼性の高い接続が確実に行なえることである。
【0040】
電気化学的セル
本発明の好ましい各実施形態における電気化学的セル・コネクターは種々の電気化学的セル内における使用に適している。例えば、これらのコネクターは各分析物の検出および定量のための電流測定式の各センサーとして使用される電気化学的セルと共に使用できる。
【0041】
上記のような各種用途において、各電極はその作用電極がその対電極の各反応および各反応生成物から隔離されるように配置することができ、あるいは、対電極の反応における各生成物が作用電極に対して拡散してこの場所においてこれらが反応するように配置できる。前者の種類の電気化学的セルは従来技術において周知である。また、後者の種類の電気化学的セルは米国特許第6,179,979号および同第5,942,102号において述べられている。
【0042】
上記2種類の電極構成は、上記隔離型の場合において、対電極が作用電極から十分に離れて配置されていて、上記セルが使用されている時間中に、この対電極における電気化学的な反応の各生成物が作用電極に到達しないという点で異なる。実際問題として、この構成は一般的に作用電極を対電極から少なくとも1ミリメートルだけ分離することにより達成される。
【0043】
一方、非隔離型の構成においては、作用電極および対電極は互いに十分に近接して配置されていて、対電極における電気化学的反応の各生成物が上記セルの使用時間中に作用電極に対して拡散できるようになっている。これらの反応性生物はその後作用電極において反応して、上記隔離型の場合において存在し得る電流よりも高い電流を生じる。このような非隔離型の構成において、各作用電極の反応は上記対電極の各反応と対蹠的に説明できる。
【0044】
電気化学的セルの製造
特定の各実施形態において、それらの好ましい実施形態における各電気化学的セルは米国特許第5,942,102号において開示されている方法と同様の方法により製造できる。
【0045】
当該技術分野における当業者において認識できるように、上記の各電極層および電気的に絶縁されている各支持体は、例えば、製造の容易さのため、材料コストの削減のため、または上記セルまたは製造プロセスにおける別の望ましい各特性を達成するため等の、要望に応じてそれぞれ独立して選択できる。同様に、各電極層は、例えば、上記支持体を部分的にのみ被覆しているパターン等の、任意の適当なパターンで電気的に絶縁性の支持体の各層に供給できる。
【0046】
好ましい各実施形態において、上記セル内の種々の層を適当な接着剤により接着することができる。適当な接着剤は、例えば、熱活性化型接着剤、感圧型接着剤、熱硬化型接着剤、化学硬化型接着剤、ホット・メルト型接着剤、ホット・フロー型接着剤等を含む。感圧型接着剤は製造の簡単化が望まれる特定の実施形態における使用において好ましい。しかしながら、別の実施形態において、この感圧型接着剤の粘着性が製造工具の付着または製品の粘着性を生じる可能性がある。このような実施形態においては、熱硬化型または化学硬化型の接着剤が一般に好ましい。特に、熱活性化型および熱硬化型の接着剤が好ましく、これらは適当な時間に都合良く活性化することができる。
【0047】
特定の実施形態において、ホット・メルト型の接着剤を使用することが好ましい場合がある。ホット・メルト型接着剤は無溶媒型の熱可塑性材料であり、この材料は室温で固体であって、一定の表面に溶融した形態で供給され、その融点よりも低い温度まで冷却されるとこの表面に付着する。ホット・メルト型の接着剤は一定範囲の融点にわたる種々の薬品において利用可能である。このようなホット・メルト型接着剤はウエブ、不織布状の材料、織物状の材料、粉末、溶液等の形態、または任意のその他の適当な形態にすることができる。ポリエステル・ホット・メルト型の接着剤は特定の実施形態において好ましい場合がある。このような接着剤(例えば、マサチューセッツ州ミドルトンのボスティック社(Bostik Corp.)から入手可能)は線形飽和ポリエステルのホット・メルト材料であり、65℃乃至220℃の融点を示し、完全に非晶質な性質から高度に結晶性の性質の範囲に及ぶ。さらに、ボスティック社(Bostik)から入手可能な、二量体酸およびナイロン型ポリアミド系の接着剤を含む、ポリアミド(ナイロン)・ホット・メルト型接着剤もまた好ましい場合がある。適当なホット・メルト型接着剤の化学製品はEVA、ポリエチレン、およびポリプロピレンを含む。
【0048】
あるいは、特定の上記以外の実施形態において、特定の層を一体に結合するために貼りあわせ技法を使用することが好ましい場合がある。適当な貼り合わせ技法が、それぞれ「ラミネーツ・オブ・アシンメトリック・メンブレンズ(LAMINATES OF ASYMMETRIC MEMBRANES)」を発明の名称としている、2000年10月20日に出願されている米国特許出願第09/694,106号および2000年10月20日に出願されている米国特許出願第09/694,120号において記載されている。貼りあわされる各層は互いに近接して置かれて、熱が加えられることにより、各層の間の結合状態が形成される。また、この結合状態の形成における補助のために圧力も供給可能である。このような貼り合わせ法は熱および/または圧力の供給条件下に一定の結合状態を形成し得る任意の二種類の材料を結合するために好ましいと考えられる。さらに、この貼り合わせ法は2種類の適当な高分子材料の間における一定の結合状態を形成するために好ましい。
【0049】
各電極層のための支持体等の、または上記セル内の別の層における、スペーサー層として好ましいと考えられる適当な電気的に抵抗性を有する材料は、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエチレン・テレフタレート、ガラス、セラミック、およびこれらの混合物および/または組み合わせ物等を含む。さらに、スペーサーまたは支持層としての使用に適している電気的に抵抗性を有する接着剤の例はポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、およびスルホン化ポリエステルを含むがこれらに限らない。
【0050】
レドックス試薬、溶解剤、緩衝剤、不活性塩、およびその他の物質を含む上記セル内において使用するための各薬品は当該セルの各電極または各壁部において、または当該セル内に収容されている1個以上の独立している各支持体において支持することができ、あるいは、自己支持性とすることもできる。これらの薬品がセルの各電極または各壁部において支持される場合に、これらの薬品はインク−ジェット印刷、スクリーン印刷、リソグラフィ、超音波スプレー、スロット塗布、グラビア印刷等の当業界において周知の供給技法の使用により供給できる。適当な独立している支持体はメッシュ、不織シート、繊維充填剤、巨孔質膜(macroporous membranes)、焼結粉末を含むがこれらに限らない。さらに、上記セル内において使用するための各薬品は支持体上に支持されていてもよく、支持体内に含まれていてもよい。
【0051】
好ましい実施形態において、上記セル内における好ましい各材料ならびに当該セルを構成している各材料は大量生産に対して柔軟に対応し得る形態であり、各セル自体は一回のみの実験用に設計されており、使用後に廃棄される。このような廃棄可能なセルは単一回のみの試験において経済的に許容可能であるような製造において十分安価なセルである。また、このような廃棄可能なセルは単一回のみの試験において都合良く使用できるセルであり、一回の使用後にこのセルを次の使用に適するようにこれを処理するためには、洗浄および/または試薬の再装填を行なう等の工程が必要になると考えられる。
【0052】
上記説明内容における経済的に許容可能であるとは、購入および使用のための上記セルの費用に対して使用者に対する試験片の結果において知覚される価値が同等であるかこれよりも高いことを意味し、このセルの購入価格はその使用者に対する当該セルの供給コストに適当な加算額を加えることにより設定されている。多くの用途において、比較的に低い材料コストおよび単純な製造プロセスを有するセルが好まれている。例えば、各セルの電極材料を、炭素等のように、安価にすることが可能であり、あるいは、高価な材料が好ましいと考えられる場合には十分に少量で存在させることも可能である。また、炭素または銀のインクのスクリーン印刷処理は比較的に安価な材料による各電極の形成に適したプロセスである。しかしながら、プラチナ、パラジウム、金、またはイリジウム等の電極材料を使用することが望まれる場合には、極めて薄い被膜を形成できるという理由から、スパッターリング、揮発蒸気塗布等のさらに優れた材料の利用様式を伴う方法が好ましい。さらに、廃棄可能な各セルにおける各支持材料もまた安価であることが好ましい。このような安価な材料の例はポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエステル等のポリマーおよび被覆紙および厚紙である。
【0053】
セルの組立て方法は大量生産に対して柔軟に対応できることが好ましい。これらの方法はカード上において多数個のセルを製造する処理および当該主要な組立ての各工程に続いて上記カードを個別の試験片に分離する処理を含み、さらに、各セルを連続的なウエブ上に製造するウエブ製造処理を含み、このウエブが後に個別の試験片に分離される。カード・プロセスは多数個の部分の接近している空間的整合がその製造において望まれる場合および/または剛性のセル支持体材料が好まれる場合に最も適している。また、ウエブ・プロセスは各部分の下降ウエブによる整合がそれほど厳密ではなくて柔軟なウエブが好まれる場合に最も適している。
【0054】
特定の実施形態において、上記電気化学的セルに対する好都合な単一回使用の様式が望ましく、これにより使用者はそのセルを再使用することがなくなり、不正確な試験結果を得る可能性も無くなる。このセルの単一回使用の様式は当該セルに付随しているユーザーの説明書において記述することができる。特に、単一回使用が望ましい特定の実施形態において、上記セルはそのセルを2回以上使用することが困難であるか不可能であるように製造できる。例えば、このことは各試薬を最初の試験中に洗い流されるか消費されて次の試験において機能しないように備えることにより達成できる。あるいは、この試験信号がセル内の各試薬が既に反応済みであること、および試験を中止することの指示に対応して、異常に高い初期信号等のように、確認することができる。また、別の方法は完成されているセルの中に最初の試験後にそのセルの中における電気的な接続を破壊するための手段を備える処理を含む。
【0055】
電極
上記電気化学的セルがサンプル中の分析物の存在および/または量、またはサンプル中に存在している分析物の存在および/または量を示す一定の物質を検出する場合の好ましい実施形態において、上記セル内の少なくとも1個の電極は作用電極である。この作用電極の電位が(電位測定式センサーにおけるように)分析物の量を示す場合に、基準電極として作用する第2の電極が存在していて、一定の基準電位を供給するために作用する。
【0056】
また、上記作用電極の電流がグルコース等の一定の分析物の量を指示する電流測定式のセンサーの場合には、少なくとも1個の別の電極はその電気回路を完成するための対電極として機能するように存在していることが好ましい。この第2の電極は基準電極として機能することもできる。あるいは、別の電極が一定の基準電極の機能を実行してもよい。
【0057】
上記作用電極、対電極および基準電極に適している各材料は上記装置内に存在しているあらゆる試薬または物質に対して相容性を有している。これら相容性の材料上記セル内に存在している別の物質に対して化学的に実質的に全く反応しない。このような材料の例は炭素、炭素および一定の有機結合剤、プラチナ、パラジウム、炭素、酸化インジウム、酸化スズ、混合したインジウム/スズの酸化物、金、銀、イリジウム、およびこれらの混合物を含むがこれらに限らない。これらの材料は、例えば、スパッターリング、蒸気塗布、スクリーン印刷、熱蒸発、グラビア印刷、スロット塗布またはリソグラフィ等の任意の適当な方法により各電極構造に形成できる。好ましい各実施形態に置いて、上記材料はスパッターリング処理またはスクリーン印刷されて各電極構造に形成されている。
【0058】
上記基準電極における使用において好ましい材料の非限定的な例は塩化銀、臭化銀またはヨウ化銀に接触している銀、および塩化水銀または硫酸水銀に接触している水銀等の金属/金属塩系の材料を含む。この金属は任意の適当な方法により堆積して適当な金属塩に接触させることが可能である。これらの適当な方法は、例えば、適当な塩溶液中における電気分解または化学的酸化を含む。上記のような金属/金属塩系の材料は単一金属成分系の材料に比べて電位測定式の測定処理において比較的に良好な電位制御が行なえる。好ましい実施形態において、上記金属/金属塩の電極システムは電流測定式のセンサーにおいて分離している基準電極として好ましい。
【0059】
任意の適当な電極間隔が使用できる。特定の各実施形態において、各電極が約500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、50μm、20μm、10μm、またはそれ以下の一定距離だけ分離されていることが好ましい場合がある。また、別の実施形態において、各電極が約500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1mm、またはそれ以上の一定距離だけ分離されていることが好ましい場合もある。
【0060】
溶解剤
特定の各実施形態において、上記電気化学的セル内に1種類以上の溶解剤を収容することが望ましい場合がある。適当な溶解剤はイオン性および非イオン性の両方の洗浄剤、タンパク質分解酵素、およびリパーゼを含む。さらに、適当なイオン性洗浄剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムおよび臭化セチル・トリメチル・アンモニウムを含む。また、タンパク質分解酵素の非限定的な例はトリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、および幅広い特異性を有する極めて活性の高い酵素であるプロナーゼE(Pronase E)を含む。また、使用に適している非イオン性の界面活性剤は、例えば、ペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas)から入手可能なトリトン・エックス(TRITON X)(商標)シリーズを含むエトキシル化オクチルフェノールを含む。好ましい実施形態において、サポニン、すなわち、水中で発泡する植物グリコシド類が上記溶解剤として好ましい。さらに、特に好ましい実施形態において、オーストラリア国、ニュー・サウス・ウェールズのキャッスル・ヒルのシグマ・アルドリッチ・ピティ社(Sigma Aldrich Pty.社)から入手可能なデオキシコール酸のアルカリ金属塩が上記溶解剤として好ましい。
【0061】
レドックス試薬
レドックス試薬もまた好ましい各実施形態における上記電気化学的セル内に含むことができる。例えば、血液中のグルコースを測定するための電気化学的セル内における使用において好ましいレドックス試薬はグルコースを選択的に酸化できる酵素の還元された形態を酸化することのできる物質を含む。適当な酵素の例はグルコース・オキシダーゼ・デヒドロゲナーゼ、PQQ依存性グルコース・デヒドロゲナーゼ、およびNAD依存性グルコース・デヒドロゲナーゼを含むがこれらに限らない。さらに、グルコースの分析において使用するために適しているレドックス試薬の例はフェリシアニドの塩類、ジクロメート(二クロム酸塩)、酸化バナジウム、パーマンガネート(過マンガン酸塩)、および電気活性有機金属錯体を含むがこれらに限らない。さらに、ジクロロフェノールインドフェノール、およびキノン類等の有機レドックス試薬もまた適している。好ましい実施形態において、グルコースを分析するためのレドックス試薬はフェリシアニドである。
【0062】
緩衝剤
随意的に、一定の緩衝剤を上記電気化学的セル内において乾燥した形態でレドックス試薬と共に存在させることができる。緩衝剤が存在している場合に、この緩衝剤は、結果として得られるpH値が、例えば、グルコースを酸化するがその他の検出を望まない物質を酸化しないために適している一定の程度に上記レドックス試薬の酸化能力を調節するために適するような、一定の量で存在している。さらに、この緩衝剤は試験中にサンプルのpH値を所望の値に実質的に維持するために十分な量で存在している。適当な緩衝剤の例はリン酸塩、炭酸塩、メリット酸のアルカリ金属塩、クエン酸のアルカリ金属塩、シトラコン酸のアルカリ金属塩を含む。この緩衝剤の選択は、とりわけ、所望のpHに応じて決まる。また、この緩衝剤は上記レドックス試薬に対して反応しないように選択される。
【0063】
不活性塩
種々の実施形態における使用において好ましい不活性な塩類は解離して分析されるサンプル中においてイオンを形成するが、上記レドックス試薬またはサンプル中または上記セルの各電極を含む当該セル内の別の物質のあらゆる物質に対して反応しない塩類を含む。このような適当な不活性な塩類の例はアルカリ金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩を含むがこれらに限らない。
【0064】
セル内に存在している他の物質
上記レドックス試薬および緩衝剤に加えて、これら以外の物質も上記電気化学的セル内に存在することができる。このような物質は、例えば、粘度増加剤および低分子量ポリマーを含む。さらに、ポリエチレン・グリコール、ポリアクリル酸、デキストラン、および商品名トリトン(TRITON)(商標)としてペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas Company)により販売されている材料または商品名トゥイーン(TWEEN)(商標)としてデラウエア州ウィルミントンのICIアメリカズ社(ICI Americas Inc.)により販売されている材料のような各界面剤等の親水性の物質もまた上記セル内に存在することができる。また、好ましい実施形態において、BASF社(BASF)から入手可能なプルロニック(Pluronic)界面活性剤および消泡剤が存在している。これらの界面活性剤は上記セルの充填率を高めて、さらに安定な測定を提供し、少量のサンプルにおける蒸発を阻止することができる。
【0065】
電気回路
上記電気的に伝導性の各層は好ましくは本明細書において説明されている各コネクターを介して上記各電極の間に各電位を供給して結果として生じる各電流を測定できる、例えば、計器のような電気回路に接続されている。適当な計器は電力供給源、制御された電位または電流を供給するための回路、マイクロプロセッサー制御装置、コンピューター、またはデータ記憶装置、表示装置、可聴アラーム装置、またはその他の当業界において既知の装置または部品の内の1個以上を備えることができる。上記計器はまたコンピューターまたはデータ記憶装置に対してインターフェイスを介して連絡できる。例えば、一般的な計器は電池により電力供給され、オン−ボード型マイクロプロセッサーにより制御されて、例えば、各試験片電極接続ピンの間に所定の電位または電流を印加するための回路およびアナログ−デジタル変換器等の回路を含む手持式装置とすることができる。この実施形態において、上記試験片からのアナログ信号はマイクロプロセッサーにより分析および/または記憶できるデジタル信号に変換できる。上記計器はまた試験結果を使用者に対して表示するための液晶表示装置等の表示装置および適当な付属回路を含むことができる。また、別の実施形態において、上記計器は電位供給および信号取得用の回路のような、特殊化した回路を内蔵できる。このような特殊化回路は一定の分離しているモジュール内に組み込むことができ、このモジュールは手持式コンピューターまたはその他の種類のコンピューター等の総括的な計算装置に対してインターフェイスを介して連絡できる。このような実施形態において、上記総括的装置は制御、分析、データ保管、および/または、表示の各機能を実行できる。また、このような実施形態は、その総括的な計算装置が多くの機能に対応して選択可能であり、それゆえ、上記電気化学的測定システムの費用の一部として見なされないので、比較的に安価な計器を製造可能にする。上記計器の各実施形態のいずれにおいても、上記計器または総括的な計算装置は局地的コンピューター・ネットワークまたは試験結果の分配を容易にするためのインターネット等の外部装置に対する連絡および使用者に対するシステム更新の供給を行なうことができる。
【0066】
上記の説明は本発明の幾つかの方法および材料を提示している。本発明はこれらの方法および材料における変更、ならびに、各製造方法および設備における変更が可能である。これらの変更は本明細書において記載されている本発明の開示または実施態様の考察により当該技術分野における熟練者において当然に明らかになる。従って、本発明は本明細書において記載されている特定の各実施形態に限定されず、本明細書において記載されている特許請求の範囲およびその実施態様において定められている本発明の正真の範囲および趣旨に含まれる全ての変更および変形に及ぶと考えられる。なお、本明細書において引用されている全ての参考文献はそれぞれの内容全体が本明細書に参考文献として含まれる。
【0067】
本発明の実施態様は以下の通りである。
(I)電気化学的セルにおいて、当該電気化学的セルが一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルが第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出している電気化学的セル。
(1)前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体が前記絶縁性のスペーサーのエッジ部分から先に延出している当該第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分において一定の孔を有しており、前記第2の電極層における一定の領域が露出して前記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている実施態様(I)に記載の電気化学的セル。
(2)さらに、付加的な絶縁性のスペーサー層を有しており、当該付加的なスペーサー層が前記第1の電気的に伝導性の被膜と前記第2の電気的に伝導性の被膜との間に配置されており、この場合における前記絶縁性のスペーサー層および前記付加的なスペーサー層が前記孔における反対側の各側面にそれぞれ配置されている実施態様(1)に記載の電気化学的セル。
(II)電気化学的セルにおいて、当該電気化学的セルが一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルが第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体および前記絶縁性のスペーサー層が一定の孔を有しており、前記第2の電極層における一定の領域が露出して前記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている電気化学的セル。
(III)電気化学的セルにおいて、当該電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分および前記絶縁性のスペーサー層における一定の部分が除去されて一定のノッチ部分が形成されており、このノッチ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分に近接して配置されており、前記第2の電極層における一定の領域が露出して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている電気化学的セル。
(IV)一定の電気化学的セルと一定の計器との間における電気化学的な接続を形成するための方法において、
(a)一定の電気化学的セルを供給する工程を含み、当該電気化学的セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、さらに
(b)一定の計器を供給する工程を含み、当該計器が一定のくさび形部分を有しており、このくさび形部分が上方のくさび形の導電面部および下方のくさび形の導電面部を有しており、これら導電性の面部が前記計器に対して電気的に連絡しており、さらに
(c)前記電気化学的セルの一部分を前記計器の中に挿入する工程を含み、これにより、前記くさび形部分が前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分と前記絶縁性スペーサー層のエッジ部分から先に延出している前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体における部分との間に挿入され、これにより、前記第1の電気的に伝導性の被膜と前記下方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成され、これにより、前記第2の電気的に導電性の被膜と前記上方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成される方法。
(3)前記計器がさらに一定のピボット点を有しており、前記くさび形部材が当該ピボット点において回転可能である実施態様(IV)に記載の方法。
【0068】
[発明の効果]
従って、本発明によれば、対向電極型の電気化学的セルと共に使用することに適合している電気化学的セルのコネクター、および各層の貼り合せの前にウエブ下降による整合工程を必要としない上記コネクターの製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1(a)および1(b)はそれぞれ電気化学的セルの概略図を示しており、この場合の要素2は要素1の対応するエッジ部分からずれていて、要素1における導電性の被膜が露出している。図1(a)は上面図を示しており、図1(b)は断面図を示している。
【図2】図2(a)および2(b)はそれぞれ電気化学的セルの概略図を示しており、この場合に、一定の貫通穴が要素1おいて切り取られていて、電気的接続のための要素2における導電性の被膜が露出している。図2(a)は上面図を示しており、図2(b)は断面図を示している。
【図3】図3(a)および3(b)は、要素3の余分の部分が各要素1および2の間に挿入されていることを除いて、図2のセルと同様の電気化学的セルの概略図をそれぞれ示している。図3(a)は上面図を示しており、図3(b)は断面図を示している。
【図4】図4(a)および4(b)はそれぞれ電気化学的セルの概略図を示しており、この場合に、一定のスロットが要素1内に形成されており、このスロットが要素2における導電性の被膜の一定領域に対する接触を可能にしている。図4(a)は上面図を示しており、図4(b)は断面図を示している。
【図5】図5(a)および5(b)は、要素3のエッジ部分が要素1内の要素4の上方に配置されるように構成されていることを除いて、図2のセルと同様の電気化学的セルの概略図をそれぞれ示している。図5(a)は上面図を示しており、図5(b)は断面図を示している。
【図6】図6(a)および6(b)は、要素3のエッジ部分が少なくとも要素1のエッジ部分に対して近接しているように構成されていることを除いて、図4のセルと同様の電気化学的セルの概略図をそれぞれ示している。図6(a)は上面図を示しており、図6(b)は断面図を示している。
【図7】舌状接続装置に対する接触を可能にするためにコネクター領域内の要素2からの要素1の分割を説明している側面図を示している。
【図8】舌状接続装置に対する接触を可能にするためにコネクター領域内の要素2からの要素1の分割を説明している端面図を示している。
【図9】外部回路コネクターの中に部分的に挿入されている試験片の説明図を示している。
【図10】外部回路コネクターの中に完全に挿入されている試験片の説明図を示している。
【図11】外部回路コネクター100の側面図を示している。
【図12】図11において示されているような外部回路コネクター100の中に部分的に挿入されている試験片の説明図を示している。
【図13】図11において示されているような外部回路コネクター100の中に完全に挿入されている試験片の説明図を示している。
【符号の説明】
【0070】
1 要素1(下方電極層)
2 要素2(上方電極層)
3 要素3(電気的に絶縁性の層)
4 要素4(切取部分)
10,100 コネクター
【開示の内容】
【0001】
[発明の属する技術分野]
本発明は計器回路に対する電気的接続を行なうための計器接続装置に係合するコネクターを備えている電気化学的接続の形成方法に関する。
【0002】
[従来の技術]
小型の電気化学的セルは試験片要素の各電極が一定の電子装置に対してインターフェイスとして作用する化学的感知を含む用途において有用である。これらの電子装置は、多くの場合に計器と呼ばれ、サンプルに対する試験片要素の電気的応答を測定して、試験を行なうために当該試験片要素に電力を供給することもできる。これらの機能を実行するために、この試験片要素の各電極は上記計器回路に対して電気的な接続が行なえることが必要である。このような電気的接続は計器における接続装置を介して行なうことができ、この接続装置が電気化学的セルの各電極に対して電気的に連絡している状態で上記試験片要素における各領域に係合する。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4において開示されているような電気化学的セルの各構成において、上方および下方の各電極がこれらの間における電気的な絶縁層を伴って互いに対向している。このような構成におけるこれらの電極は一般的に電気化学的セルの製造中に組み合わされる別々の支持体の上に形成される。このような構成は各接続領域が同一平面上に全て存在している場合の通常的な接続構成とは異なっているので、上記試験片要素の各電極を計器回路に接続するための部品を形成する場合の製造において困難さを有している。
【0004】
上記の異なる平面内における各接続領域の問題は種々の方法で対処されている。特許文献1において、一定の接続領域として使用可能な下層電極層の一定領域を露出するために上記各電極の一方および上記絶縁層の中に切取部分が形成されている方法および装置が開示されている。また、特許文献2および特許文献4においては、一定の適当な接続領域を露出するために一方の電極にフラップ部分が形成されていて、別の電極層内にこれに対応する切取部分が形成されている方法および装置が開示されている。この構成においては、上記絶縁層は上記接続領域に対して干渉しないように短く切断されている。
【0005】
さらに、特許文献3においては、上記絶縁層が短く切断されていて、その形成される井戸構造の基部において一定の接続領域を露出するために上方の支持体に一定の穴が形成されている。この井戸構造の部分は導電性の材料により充たすことができ、一定の接触がこの充たされた井戸部分の上部における導電性の材料により可能になり、これにより、各接触領域を1個の平面上に設けることができる。
【0006】
[特許文献1]
PCT国際公開第WO 98/43073号明細書
[特許文献2]
米国特許第5,437,999号明細書
[特許文献3]
欧州特許第0964059A2号明細書
[特許文献4]
PCT国際公開第WO 00/20626号明細書
【0007】
[発明が解決しようとする課題]
上記の各構成における欠陥はこれらの構成が各層を一定の作用を行なう装置内に組み合わせる際に2個以上のセルの層が互いに整合しているという特徴を必要とすることである。このことはこれらの装置を製造することを困難にすると共に、使用可能な製造技法を制限している。特に、費用および処理量を考慮した場合に、連続的なウエブ形態で各試験片要素を製造することが望ましい場合が多い。しかしながら、このような連続的なウエブを採用する場合には、貼り合せ工程の前に異なる層において形成されている反復部分のウエブ下降による整合を信頼性高く達成することが困難な場合が多い。このことは、可能であるとしても、高価な制御システムおよび比較的に脆弱な製造プロセスを必要とする場合が多い。
【0008】
[課題を解決するための手段]
対向している電極の電気化学的セルと共に使用することに適している電気化学的セル・コネクター、および各層の貼り合せの前にウエブ下降による整合工程を必要としない上記コネクターの形成方法が望まれている。本発明の好ましい各実施形態はこのような電気化学的セル・コネクターおよび方法を提供する。
【0009】
第1の実施形態において、電気化学的セルが提供されており、この電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出している。
【0010】
上記第1の実施形態の態様の一例において、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体は上記絶縁性のスペーサーのエッジ部分から先に延出している当該第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分に一定の孔を有しており、上記第2の電極層における一定の領域が露出して上記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている。
【0011】
上記第1の実施形態の態様の一例において、上記セルはさらに付加的な別の絶縁性のスペーサー層を有しており、この付加的なスペーサー層は上記第1の電気的に伝導性の被膜と上記第2の電気的に伝導性の被膜との間に配置されており、この場合の上記絶縁性のスペーサー層および付加的なスペーサー層は上記孔における反対側の各側面にそれぞれ配置されている。
【0012】
第2の実施形態において、電気化学的セルが提供されており、この電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体および上記絶縁性のスペーサー層が一定の孔を有しており、上記第2の電極層における一定の領域が露出して上記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている。
【0013】
第3の実施形態において、電気化学的セルが提供されており、この電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分および上記絶縁性のスペーサー層における一定の部分が除去されて一定のノッチ部分が形成されており、このノッチ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分に近接して配置されており、上記第2の電極層における一定の領域が露出して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている。
【0014】
第4の実施形態において、一定の電気化学的セルと一定の計器との間における電気化学的な接続を形成するための方法が提供されており、この方法は一定の電気化学的セルを供給する工程を含み、当該電気化学的セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、上記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が上記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、さらに上記方法が一定の計器を供給する工程を含み、当該計器が一定のくさび形部分を有しており、このくさび形部分が上方のくさび形導電面部および下方のくさび形導電面部を有しており、これら導電性の面部が上記計器に対して電気的に連絡しており、さらに上記方法が上記電気化学的セルの一部分を上記計器の中に挿入する工程を含み、これにより、上記くさび形部分が上記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分と上記絶縁性スペーサー層のエッジ部分から先に延出している上記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体における部分との間に挿入され、これにより、上記第1の電気的に伝導性の被膜と上記下方のくさび形導電面部との間における電気的な接続が形成され、これにより、上記第2の電気的に導電性の被膜と上記上方のくさび形導電面部との間における電気的な接続が形成される。
【0015】
上記第4の実施形態の態様において、上記計器はさらに一定のピボット・ピンを有しており、この場合の上記くさび形部分は当該ピボット・ピンにおいて回転可能である。
【0016】
[発明の実施の形態]
以下の説明および各実施例は本発明の好ましい実施形態を詳細に示している。当該技術分野における熟練者であれば、本発明の範囲に含まれる本発明の多数の変形例および変更例が存在することが認識できる。従って、この好ましい実施形態の説明が本発明の範囲を限定することを目的としていると考えるべきではない。
【0017】
以下の好ましい各実施形態は対向する電極を有する電気化学的セル内に各電極の接続領域を形成するための装置および方法に関連している。これらの装置および方法は各層の貼り合せの前にこれらの異なる層の上に形成されているそれぞれの部分の整合を必要としない。特に、製造中の各装置の連続的なウエブの貼り合せ中に異なる層における各反復部分の下降ウエブによる整合を必要としない装置および方法が提供される。これらの好ましい実施形態は、例えば、各層の分離している部分を一体に貼り合せるプロセス、および上記整合の必要性を減少することにより製造の複雑さを減少することが有利であるプロセスのような、任意の適当な製造プロセスと共に使用できる。
【0018】
また、別の実施形態において、本明細書において開示されている各試験片コネクターと共に使用することに適している一定の計器装置内のポートの好ましい要素が提供されている。
【0019】
図1乃至図6において示されている電気化学的セルの基本的な特徴は少なくとも1個の電極層(この場合に、上方電極層と呼ばれている)のエッジ部分が少なくとも1個の別の対向している電極層(この場合に、下方電極層と呼ばれている)からずれていて、当該下方電極層の一定の領域が上記上方電極層のエッジ部分にかぶさっており、当該下方電極層の一定の領域が露出して計器回路に対する接続に適している。
【0020】
図1乃至図6は電気化学的セル・コネクターの種々の好ましい実施形態の各図をそれぞれ示している。図1(a),2(a),3(a),4(a),5(a)および6(a)は種々の実施形態において組み合わされている各層のウエブまたはカードの各部分の上面図をそれぞれ示しており、それぞれの反復部分を示している。また、図1(b),2(b),3(b),4(b),5(b)および6(b)はそれぞれ対応する断面図を示している。
【0021】
図1乃至図6において、要素1は下方電極層である。この層はその上面部に被覆されている電気的に伝導性の被膜を有する電気的に絶縁性の支持体により構成されており、この場合の電気的に伝導性の被膜は上記電気化学的セルにおける少なくとも第1の電極に対して電気的に接触している。
【0022】
要素2は上方電極層である。この層はその下面部に被覆されている電気的に伝導性の被膜を有する電気的に絶縁性の支持体により構成されており、この場合の電気的に伝導性の被膜は上記電気化学的セルにおける少なくとも第2の電極に対して電気的に接触している。
【0023】
要素3は上記各要素1および2を離間するように作用する電気的に絶縁性の層である。好ましい実施形態において、この要素3の上面部および下面部は接着性を有しており、さらに装置における各層を一体に接着するように作用する。この好ましい実施形態において、要素3は一定の接着剤により被覆されている支持体により構成できる。あるいは、この要素3は接着剤層のみにより構成することもできる。
【0024】
要素4は要素1内の切取部分であり、図2乃至図6において示されているように、要素2の下面部における電気的に導電性の被膜の一定の露出した領域に対する接触を可能にするように作用する。
【0025】
図1において、要素2における一方のエッジ部分が要素1において対応しているエッジ部分からずれていて、当該要素1における導電性の被膜の一定の覆いかぶさっている領域が露出している。好ましい実施形態において、上記計器回路に対して電気的接続を行なうために、上面部および下面部において電気的に伝導性の被膜または層を有する電気的に絶縁性の支持体材料により構成されている舌状部材が上記要素1および2の間に挿入される。
【0026】
図2において、一定の貫通穴が要素1内において切り取られていて、電気的接続のために要素2における導電性被膜の一定領域が露出している。このことにより、一定の接続装置を上記各層の間に挿入する必要性が回避できる。
【0027】
図3において示されている装置は、要素3の余分の部分が要素1および2の間に挿入されていることを除いて、図2において示されている装置に類似している。この構成は使用中に各要素1および2を一体に押し当てることによりこれら要素1および2における各導電性の被膜の間に電気的な短絡状態を形成するような場合に望ましい。
【0028】
図4は一定のスロットが要素1内において形成されている実施形態を示しており、このスロットは要素2における導電性被膜の一定領域に対する接触を可能にする。
【0029】
図5は図2に類似している実施形態を示している図である。しかしながら、この実施形態においては、要素3のエッジ部分は要素1内において要素4の上方にあるように配置されている。この好ましい実施形態において当該実施形態が動作可能であるようにするためには、要素1および2は要素4を形成する前に一体に貼り合せるかこれ以外の方法で組み合わせることが必要である。
【0030】
図6は図4に類似している実施形態を示している図である。しかしながら、この実施形態においては、要素3のエッジ部分は少なくとも要素1のエッジ部分に近接しているように配置されている。このような実施形態においては、要素1および2は要素4を形成する前に一体に貼り合せるかこれ以外の方法で組み合わせることが好ましい。
【0031】
さらに別の実施形態において、上記において説明されている一部の接続装置に対して電気的接続を形成するための方法が開示されている。
【0032】
図2乃至図6において示されている好ましい各実施形態の電気化学的セルにおいては、1999年9月20日に出願されている同時係属の米国特許出願第09/399,512号において記載されているような外部回路に対する上記要素1および2における各導電性被膜の接続のための部品を使用することが適当である。
【0033】
図1において示されている実施形態の場合に、外部接続のための異なる構成が望ましい。この実施形態においては、そのコネクター領域内において要素1を要素2から分割して一定の舌状の接続装置に対するさらに容易な接触を可能にすることが望ましい。この実施形態の態様によれば、例えば、ブレードまたはくさび形状の突出部、あるいは、その他の適当な分割装置により、外部の回路コネクター内にその試験片コネクターを挿入する間に要素1が要素2から分割される。
【0034】
図7および図8はそれぞれ側面図および端面図を示しており、これらは一定の舌状の接続装置に対する接触を可能にするための接続領域における上記要素1の上記要素2からの分割を示している。図9および図10はそれぞれ外部回路コネクターの中に部分的および完全に挿入されている試験片を伴うこの実施形態を示している図である。
【0035】
図7乃至図10において示されている外部回路コネクター10はチャンバー18を備えており、このチャンバー18はキャビティ11および12を有していて、これらの中に上記試験片の要素1および要素2がそれぞれ挿入できる。このチャンバー18の側面部における1個以上のくさび形状の突出部17は試験片が当該チャンバー18の中に挿入される時にこの試験片の各要素1および2を分離するように作用する。試験片がチャンバー18の中に挿入されると、要素1が突出部17の下面部に突き当たり、下方に押し込まれる。この挿入作用と共に上記動作はさらに要素1を要素2から分離して当該要素2を信頼性良くキャビティ12の中に挿入することを可能にするように作用する。
【0036】
また、上記チャンバー18の後面部から別のくさび形状の突出部が突出している。導電性の各層がこの突出部の各面部13および14に取り付けられており、この場合に、これら2個の導電性の層は互いに電気的に絶縁されている。これらの層は試験片の各要素1および2における各導電性の被膜に対して電気的に接触する。電気的に伝導性のワイヤーまたはトラック15および16が上記各面部13および14における導電性の各層に電気的に接続していて、上記外部回路に対して接続するように作用する。なお、当該技術分野における熟練者であれば、上記各導電性の層を有する各面部13および14を伴う装置が各突出部17に対して一体であるように構成可能であることが認識できる。
【0037】
第2の実施形態が図11乃至図13において示されている。図11はこの実施形態の側面図を示している。また、図12および図13はそれぞれ部分的または完全に挿入されている試験片を伴う上記実施形態の側面図を示している。
【0038】
図11乃至図13において示されている外部回路コネクター100はチャンバー105を備えており、このチャンバー105は一定の旋回またはピボット点102の回りの当該チャンバー105内における回転が可能なくさび形部材101を収容している。このくさび形部材は電気的に伝導性の各面部106および107を有しており、これらは各外部接続点103および104に電気的に接続している。この初期の位置において、くさび形部材101は図11において示されているような位置になるように重力またはばね引張式の装置(図示せず)のいずれかにより保持されている。試験片がチャンバー105の中に挿入されると、その下方の電極要素が上記ピボット点102の後方においてくさび形部材101の下面部に突き当たる。この動作によりくさび形部材101が回転して、当該くさび形部材101の尖端が試験片の上方および下方の各電極層の間に位置する。その後、試験片がさらにチャンバー105の中に挿入されると、上方のくさび形部材の面部106が上方の試験片要素における導電性の被膜に対して接触する。この結果、この導電性の面部106を介する上記上方の試験片要素における導電性被膜の接続点103に対する電気的な接続が達成され、同様に、導電性の面部107を介する下方電極の試験片要素における導電性被膜の接続点104に対する電気的接続も達成される。
【0039】
図11乃至図13において示されている実施形態の利点は上記くさび形部材101の尖端が上記上方および下方の各試験片電極要素の間に自動的に配置されて信頼性の高い接続が確実に行なえることである。
【0040】
電気化学的セル
本発明の好ましい各実施形態における電気化学的セル・コネクターは種々の電気化学的セル内における使用に適している。例えば、これらのコネクターは各分析物の検出および定量のための電流測定式の各センサーとして使用される電気化学的セルと共に使用できる。
【0041】
上記のような各種用途において、各電極はその作用電極がその対電極の各反応および各反応生成物から隔離されるように配置することができ、あるいは、対電極の反応における各生成物が作用電極に対して拡散してこの場所においてこれらが反応するように配置できる。前者の種類の電気化学的セルは従来技術において周知である。また、後者の種類の電気化学的セルは米国特許第6,179,979号および同第5,942,102号において述べられている。
【0042】
上記2種類の電極構成は、上記隔離型の場合において、対電極が作用電極から十分に離れて配置されていて、上記セルが使用されている時間中に、この対電極における電気化学的な反応の各生成物が作用電極に到達しないという点で異なる。実際問題として、この構成は一般的に作用電極を対電極から少なくとも1ミリメートルだけ分離することにより達成される。
【0043】
一方、非隔離型の構成においては、作用電極および対電極は互いに十分に近接して配置されていて、対電極における電気化学的反応の各生成物が上記セルの使用時間中に作用電極に対して拡散できるようになっている。これらの反応性生物はその後作用電極において反応して、上記隔離型の場合において存在し得る電流よりも高い電流を生じる。このような非隔離型の構成において、各作用電極の反応は上記対電極の各反応と対蹠的に説明できる。
【0044】
電気化学的セルの製造
特定の各実施形態において、それらの好ましい実施形態における各電気化学的セルは米国特許第5,942,102号において開示されている方法と同様の方法により製造できる。
【0045】
当該技術分野における当業者において認識できるように、上記の各電極層および電気的に絶縁されている各支持体は、例えば、製造の容易さのため、材料コストの削減のため、または上記セルまたは製造プロセスにおける別の望ましい各特性を達成するため等の、要望に応じてそれぞれ独立して選択できる。同様に、各電極層は、例えば、上記支持体を部分的にのみ被覆しているパターン等の、任意の適当なパターンで電気的に絶縁性の支持体の各層に供給できる。
【0046】
好ましい各実施形態において、上記セル内の種々の層を適当な接着剤により接着することができる。適当な接着剤は、例えば、熱活性化型接着剤、感圧型接着剤、熱硬化型接着剤、化学硬化型接着剤、ホット・メルト型接着剤、ホット・フロー型接着剤等を含む。感圧型接着剤は製造の簡単化が望まれる特定の実施形態における使用において好ましい。しかしながら、別の実施形態において、この感圧型接着剤の粘着性が製造工具の付着または製品の粘着性を生じる可能性がある。このような実施形態においては、熱硬化型または化学硬化型の接着剤が一般に好ましい。特に、熱活性化型および熱硬化型の接着剤が好ましく、これらは適当な時間に都合良く活性化することができる。
【0047】
特定の実施形態において、ホット・メルト型の接着剤を使用することが好ましい場合がある。ホット・メルト型接着剤は無溶媒型の熱可塑性材料であり、この材料は室温で固体であって、一定の表面に溶融した形態で供給され、その融点よりも低い温度まで冷却されるとこの表面に付着する。ホット・メルト型の接着剤は一定範囲の融点にわたる種々の薬品において利用可能である。このようなホット・メルト型接着剤はウエブ、不織布状の材料、織物状の材料、粉末、溶液等の形態、または任意のその他の適当な形態にすることができる。ポリエステル・ホット・メルト型の接着剤は特定の実施形態において好ましい場合がある。このような接着剤(例えば、マサチューセッツ州ミドルトンのボスティック社(Bostik Corp.)から入手可能)は線形飽和ポリエステルのホット・メルト材料であり、65℃乃至220℃の融点を示し、完全に非晶質な性質から高度に結晶性の性質の範囲に及ぶ。さらに、ボスティック社(Bostik)から入手可能な、二量体酸およびナイロン型ポリアミド系の接着剤を含む、ポリアミド(ナイロン)・ホット・メルト型接着剤もまた好ましい場合がある。適当なホット・メルト型接着剤の化学製品はEVA、ポリエチレン、およびポリプロピレンを含む。
【0048】
あるいは、特定の上記以外の実施形態において、特定の層を一体に結合するために貼りあわせ技法を使用することが好ましい場合がある。適当な貼り合わせ技法が、それぞれ「ラミネーツ・オブ・アシンメトリック・メンブレンズ(LAMINATES OF ASYMMETRIC MEMBRANES)」を発明の名称としている、2000年10月20日に出願されている米国特許出願第09/694,106号および2000年10月20日に出願されている米国特許出願第09/694,120号において記載されている。貼りあわされる各層は互いに近接して置かれて、熱が加えられることにより、各層の間の結合状態が形成される。また、この結合状態の形成における補助のために圧力も供給可能である。このような貼り合わせ法は熱および/または圧力の供給条件下に一定の結合状態を形成し得る任意の二種類の材料を結合するために好ましいと考えられる。さらに、この貼り合わせ法は2種類の適当な高分子材料の間における一定の結合状態を形成するために好ましい。
【0049】
各電極層のための支持体等の、または上記セル内の別の層における、スペーサー層として好ましいと考えられる適当な電気的に抵抗性を有する材料は、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエチレン・テレフタレート、ガラス、セラミック、およびこれらの混合物および/または組み合わせ物等を含む。さらに、スペーサーまたは支持層としての使用に適している電気的に抵抗性を有する接着剤の例はポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、およびスルホン化ポリエステルを含むがこれらに限らない。
【0050】
レドックス試薬、溶解剤、緩衝剤、不活性塩、およびその他の物質を含む上記セル内において使用するための各薬品は当該セルの各電極または各壁部において、または当該セル内に収容されている1個以上の独立している各支持体において支持することができ、あるいは、自己支持性とすることもできる。これらの薬品がセルの各電極または各壁部において支持される場合に、これらの薬品はインク−ジェット印刷、スクリーン印刷、リソグラフィ、超音波スプレー、スロット塗布、グラビア印刷等の当業界において周知の供給技法の使用により供給できる。適当な独立している支持体はメッシュ、不織シート、繊維充填剤、巨孔質膜(macroporous membranes)、焼結粉末を含むがこれらに限らない。さらに、上記セル内において使用するための各薬品は支持体上に支持されていてもよく、支持体内に含まれていてもよい。
【0051】
好ましい実施形態において、上記セル内における好ましい各材料ならびに当該セルを構成している各材料は大量生産に対して柔軟に対応し得る形態であり、各セル自体は一回のみの実験用に設計されており、使用後に廃棄される。このような廃棄可能なセルは単一回のみの試験において経済的に許容可能であるような製造において十分安価なセルである。また、このような廃棄可能なセルは単一回のみの試験において都合良く使用できるセルであり、一回の使用後にこのセルを次の使用に適するようにこれを処理するためには、洗浄および/または試薬の再装填を行なう等の工程が必要になると考えられる。
【0052】
上記説明内容における経済的に許容可能であるとは、購入および使用のための上記セルの費用に対して使用者に対する試験片の結果において知覚される価値が同等であるかこれよりも高いことを意味し、このセルの購入価格はその使用者に対する当該セルの供給コストに適当な加算額を加えることにより設定されている。多くの用途において、比較的に低い材料コストおよび単純な製造プロセスを有するセルが好まれている。例えば、各セルの電極材料を、炭素等のように、安価にすることが可能であり、あるいは、高価な材料が好ましいと考えられる場合には十分に少量で存在させることも可能である。また、炭素または銀のインクのスクリーン印刷処理は比較的に安価な材料による各電極の形成に適したプロセスである。しかしながら、プラチナ、パラジウム、金、またはイリジウム等の電極材料を使用することが望まれる場合には、極めて薄い被膜を形成できるという理由から、スパッターリング、揮発蒸気塗布等のさらに優れた材料の利用様式を伴う方法が好ましい。さらに、廃棄可能な各セルにおける各支持材料もまた安価であることが好ましい。このような安価な材料の例はポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエステル等のポリマーおよび被覆紙および厚紙である。
【0053】
セルの組立て方法は大量生産に対して柔軟に対応できることが好ましい。これらの方法はカード上において多数個のセルを製造する処理および当該主要な組立ての各工程に続いて上記カードを個別の試験片に分離する処理を含み、さらに、各セルを連続的なウエブ上に製造するウエブ製造処理を含み、このウエブが後に個別の試験片に分離される。カード・プロセスは多数個の部分の接近している空間的整合がその製造において望まれる場合および/または剛性のセル支持体材料が好まれる場合に最も適している。また、ウエブ・プロセスは各部分の下降ウエブによる整合がそれほど厳密ではなくて柔軟なウエブが好まれる場合に最も適している。
【0054】
特定の実施形態において、上記電気化学的セルに対する好都合な単一回使用の様式が望ましく、これにより使用者はそのセルを再使用することがなくなり、不正確な試験結果を得る可能性も無くなる。このセルの単一回使用の様式は当該セルに付随しているユーザーの説明書において記述することができる。特に、単一回使用が望ましい特定の実施形態において、上記セルはそのセルを2回以上使用することが困難であるか不可能であるように製造できる。例えば、このことは各試薬を最初の試験中に洗い流されるか消費されて次の試験において機能しないように備えることにより達成できる。あるいは、この試験信号がセル内の各試薬が既に反応済みであること、および試験を中止することの指示に対応して、異常に高い初期信号等のように、確認することができる。また、別の方法は完成されているセルの中に最初の試験後にそのセルの中における電気的な接続を破壊するための手段を備える処理を含む。
【0055】
電極
上記電気化学的セルがサンプル中の分析物の存在および/または量、またはサンプル中に存在している分析物の存在および/または量を示す一定の物質を検出する場合の好ましい実施形態において、上記セル内の少なくとも1個の電極は作用電極である。この作用電極の電位が(電位測定式センサーにおけるように)分析物の量を示す場合に、基準電極として作用する第2の電極が存在していて、一定の基準電位を供給するために作用する。
【0056】
また、上記作用電極の電流がグルコース等の一定の分析物の量を指示する電流測定式のセンサーの場合には、少なくとも1個の別の電極はその電気回路を完成するための対電極として機能するように存在していることが好ましい。この第2の電極は基準電極として機能することもできる。あるいは、別の電極が一定の基準電極の機能を実行してもよい。
【0057】
上記作用電極、対電極および基準電極に適している各材料は上記装置内に存在しているあらゆる試薬または物質に対して相容性を有している。これら相容性の材料上記セル内に存在している別の物質に対して化学的に実質的に全く反応しない。このような材料の例は炭素、炭素および一定の有機結合剤、プラチナ、パラジウム、炭素、酸化インジウム、酸化スズ、混合したインジウム/スズの酸化物、金、銀、イリジウム、およびこれらの混合物を含むがこれらに限らない。これらの材料は、例えば、スパッターリング、蒸気塗布、スクリーン印刷、熱蒸発、グラビア印刷、スロット塗布またはリソグラフィ等の任意の適当な方法により各電極構造に形成できる。好ましい各実施形態に置いて、上記材料はスパッターリング処理またはスクリーン印刷されて各電極構造に形成されている。
【0058】
上記基準電極における使用において好ましい材料の非限定的な例は塩化銀、臭化銀またはヨウ化銀に接触している銀、および塩化水銀または硫酸水銀に接触している水銀等の金属/金属塩系の材料を含む。この金属は任意の適当な方法により堆積して適当な金属塩に接触させることが可能である。これらの適当な方法は、例えば、適当な塩溶液中における電気分解または化学的酸化を含む。上記のような金属/金属塩系の材料は単一金属成分系の材料に比べて電位測定式の測定処理において比較的に良好な電位制御が行なえる。好ましい実施形態において、上記金属/金属塩の電極システムは電流測定式のセンサーにおいて分離している基準電極として好ましい。
【0059】
任意の適当な電極間隔が使用できる。特定の各実施形態において、各電極が約500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、50μm、20μm、10μm、またはそれ以下の一定距離だけ分離されていることが好ましい場合がある。また、別の実施形態において、各電極が約500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1mm、またはそれ以上の一定距離だけ分離されていることが好ましい場合もある。
【0060】
溶解剤
特定の各実施形態において、上記電気化学的セル内に1種類以上の溶解剤を収容することが望ましい場合がある。適当な溶解剤はイオン性および非イオン性の両方の洗浄剤、タンパク質分解酵素、およびリパーゼを含む。さらに、適当なイオン性洗浄剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムおよび臭化セチル・トリメチル・アンモニウムを含む。また、タンパク質分解酵素の非限定的な例はトリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、および幅広い特異性を有する極めて活性の高い酵素であるプロナーゼE(Pronase E)を含む。また、使用に適している非イオン性の界面活性剤は、例えば、ペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas)から入手可能なトリトン・エックス(TRITON X)(商標)シリーズを含むエトキシル化オクチルフェノールを含む。好ましい実施形態において、サポニン、すなわち、水中で発泡する植物グリコシド類が上記溶解剤として好ましい。さらに、特に好ましい実施形態において、オーストラリア国、ニュー・サウス・ウェールズのキャッスル・ヒルのシグマ・アルドリッチ・ピティ社(Sigma Aldrich Pty.社)から入手可能なデオキシコール酸のアルカリ金属塩が上記溶解剤として好ましい。
【0061】
レドックス試薬
レドックス試薬もまた好ましい各実施形態における上記電気化学的セル内に含むことができる。例えば、血液中のグルコースを測定するための電気化学的セル内における使用において好ましいレドックス試薬はグルコースを選択的に酸化できる酵素の還元された形態を酸化することのできる物質を含む。適当な酵素の例はグルコース・オキシダーゼ・デヒドロゲナーゼ、PQQ依存性グルコース・デヒドロゲナーゼ、およびNAD依存性グルコース・デヒドロゲナーゼを含むがこれらに限らない。さらに、グルコースの分析において使用するために適しているレドックス試薬の例はフェリシアニドの塩類、ジクロメート(二クロム酸塩)、酸化バナジウム、パーマンガネート(過マンガン酸塩)、および電気活性有機金属錯体を含むがこれらに限らない。さらに、ジクロロフェノールインドフェノール、およびキノン類等の有機レドックス試薬もまた適している。好ましい実施形態において、グルコースを分析するためのレドックス試薬はフェリシアニドである。
【0062】
緩衝剤
随意的に、一定の緩衝剤を上記電気化学的セル内において乾燥した形態でレドックス試薬と共に存在させることができる。緩衝剤が存在している場合に、この緩衝剤は、結果として得られるpH値が、例えば、グルコースを酸化するがその他の検出を望まない物質を酸化しないために適している一定の程度に上記レドックス試薬の酸化能力を調節するために適するような、一定の量で存在している。さらに、この緩衝剤は試験中にサンプルのpH値を所望の値に実質的に維持するために十分な量で存在している。適当な緩衝剤の例はリン酸塩、炭酸塩、メリット酸のアルカリ金属塩、クエン酸のアルカリ金属塩、シトラコン酸のアルカリ金属塩を含む。この緩衝剤の選択は、とりわけ、所望のpHに応じて決まる。また、この緩衝剤は上記レドックス試薬に対して反応しないように選択される。
【0063】
不活性塩
種々の実施形態における使用において好ましい不活性な塩類は解離して分析されるサンプル中においてイオンを形成するが、上記レドックス試薬またはサンプル中または上記セルの各電極を含む当該セル内の別の物質のあらゆる物質に対して反応しない塩類を含む。このような適当な不活性な塩類の例はアルカリ金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩を含むがこれらに限らない。
【0064】
セル内に存在している他の物質
上記レドックス試薬および緩衝剤に加えて、これら以外の物質も上記電気化学的セル内に存在することができる。このような物質は、例えば、粘度増加剤および低分子量ポリマーを含む。さらに、ポリエチレン・グリコール、ポリアクリル酸、デキストラン、および商品名トリトン(TRITON)(商標)としてペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas Company)により販売されている材料または商品名トゥイーン(TWEEN)(商標)としてデラウエア州ウィルミントンのICIアメリカズ社(ICI Americas Inc.)により販売されている材料のような各界面剤等の親水性の物質もまた上記セル内に存在することができる。また、好ましい実施形態において、BASF社(BASF)から入手可能なプルロニック(Pluronic)界面活性剤および消泡剤が存在している。これらの界面活性剤は上記セルの充填率を高めて、さらに安定な測定を提供し、少量のサンプルにおける蒸発を阻止することができる。
【0065】
電気回路
上記電気的に伝導性の各層は好ましくは本明細書において説明されている各コネクターを介して上記各電極の間に各電位を供給して結果として生じる各電流を測定できる、例えば、計器のような電気回路に接続されている。適当な計器は電力供給源、制御された電位または電流を供給するための回路、マイクロプロセッサー制御装置、コンピューター、またはデータ記憶装置、表示装置、可聴アラーム装置、またはその他の当業界において既知の装置または部品の内の1個以上を備えることができる。上記計器はまたコンピューターまたはデータ記憶装置に対してインターフェイスを介して連絡できる。例えば、一般的な計器は電池により電力供給され、オン−ボード型マイクロプロセッサーにより制御されて、例えば、各試験片電極接続ピンの間に所定の電位または電流を印加するための回路およびアナログ−デジタル変換器等の回路を含む手持式装置とすることができる。この実施形態において、上記試験片からのアナログ信号はマイクロプロセッサーにより分析および/または記憶できるデジタル信号に変換できる。上記計器はまた試験結果を使用者に対して表示するための液晶表示装置等の表示装置および適当な付属回路を含むことができる。また、別の実施形態において、上記計器は電位供給および信号取得用の回路のような、特殊化した回路を内蔵できる。このような特殊化回路は一定の分離しているモジュール内に組み込むことができ、このモジュールは手持式コンピューターまたはその他の種類のコンピューター等の総括的な計算装置に対してインターフェイスを介して連絡できる。このような実施形態において、上記総括的装置は制御、分析、データ保管、および/または、表示の各機能を実行できる。また、このような実施形態は、その総括的な計算装置が多くの機能に対応して選択可能であり、それゆえ、上記電気化学的測定システムの費用の一部として見なされないので、比較的に安価な計器を製造可能にする。上記計器の各実施形態のいずれにおいても、上記計器または総括的な計算装置は局地的コンピューター・ネットワークまたは試験結果の分配を容易にするためのインターネット等の外部装置に対する連絡および使用者に対するシステム更新の供給を行なうことができる。
【0066】
上記の説明は本発明の幾つかの方法および材料を提示している。本発明はこれらの方法および材料における変更、ならびに、各製造方法および設備における変更が可能である。これらの変更は本明細書において記載されている本発明の開示または実施態様の考察により当該技術分野における熟練者において当然に明らかになる。従って、本発明は本明細書において記載されている特定の各実施形態に限定されず、本明細書において記載されている特許請求の範囲およびその実施態様において定められている本発明の正真の範囲および趣旨に含まれる全ての変更および変形に及ぶと考えられる。なお、本明細書において引用されている全ての参考文献はそれぞれの内容全体が本明細書に参考文献として含まれる。
【0067】
本発明の実施態様は以下の通りである。
(I)電気化学的セルにおいて、当該電気化学的セルが一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルが第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出している電気化学的セル。
(1)前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体が前記絶縁性のスペーサーのエッジ部分から先に延出している当該第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分において一定の孔を有しており、前記第2の電極層における一定の領域が露出して前記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている実施態様(I)に記載の電気化学的セル。
(2)さらに、付加的な絶縁性のスペーサー層を有しており、当該付加的なスペーサー層が前記第1の電気的に伝導性の被膜と前記第2の電気的に伝導性の被膜との間に配置されており、この場合における前記絶縁性のスペーサー層および前記付加的なスペーサー層が前記孔における反対側の各側面にそれぞれ配置されている実施態様(1)に記載の電気化学的セル。
(II)電気化学的セルにおいて、当該電気化学的セルが一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルが第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体および前記絶縁性のスペーサー層が一定の孔を有しており、前記第2の電極層における一定の領域が露出して前記孔を介して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている電気化学的セル。
(III)電気化学的セルにおいて、当該電気化学的セルは一定の計器に対する電気的接続のために適合しており、当該セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における一定の部分および前記絶縁性のスペーサー層における一定の部分が除去されて一定のノッチ部分が形成されており、このノッチ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分に近接して配置されており、前記第2の電極層における一定の領域が露出して一定の計器に対して電気的な接続を形成するための一定の表面が与えられている電気化学的セル。
(IV)一定の電気化学的セルと一定の計器との間における電気化学的な接続を形成するための方法において、
(a)一定の電気化学的セルを供給する工程を含み、当該電気化学的セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、さらに
(b)一定の計器を供給する工程を含み、当該計器が一定のくさび形部分を有しており、このくさび形部分が上方のくさび形の導電面部および下方のくさび形の導電面部を有しており、これら導電性の面部が前記計器に対して電気的に連絡しており、さらに
(c)前記電気化学的セルの一部分を前記計器の中に挿入する工程を含み、これにより、前記くさび形部分が前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分と前記絶縁性スペーサー層のエッジ部分から先に延出している前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体における部分との間に挿入され、これにより、前記第1の電気的に伝導性の被膜と前記下方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成され、これにより、前記第2の電気的に導電性の被膜と前記上方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成される方法。
(3)前記計器がさらに一定のピボット点を有しており、前記くさび形部材が当該ピボット点において回転可能である実施態様(IV)に記載の方法。
【0068】
[発明の効果]
従って、本発明によれば、対向電極型の電気化学的セルと共に使用することに適合している電気化学的セルのコネクター、および各層の貼り合せの前にウエブ下降による整合工程を必要としない上記コネクターの製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1(a)および1(b)はそれぞれ電気化学的セルの概略図を示しており、この場合の要素2は要素1の対応するエッジ部分からずれていて、要素1における導電性の被膜が露出している。図1(a)は上面図を示しており、図1(b)は断面図を示している。
【図2】図2(a)および2(b)はそれぞれ電気化学的セルの概略図を示しており、この場合に、一定の貫通穴が要素1おいて切り取られていて、電気的接続のための要素2における導電性の被膜が露出している。図2(a)は上面図を示しており、図2(b)は断面図を示している。
【図3】図3(a)および3(b)は、要素3の余分の部分が各要素1および2の間に挿入されていることを除いて、図2のセルと同様の電気化学的セルの概略図をそれぞれ示している。図3(a)は上面図を示しており、図3(b)は断面図を示している。
【図4】図4(a)および4(b)はそれぞれ電気化学的セルの概略図を示しており、この場合に、一定のスロットが要素1内に形成されており、このスロットが要素2における導電性の被膜の一定領域に対する接触を可能にしている。図4(a)は上面図を示しており、図4(b)は断面図を示している。
【図5】図5(a)および5(b)は、要素3のエッジ部分が要素1内の要素4の上方に配置されるように構成されていることを除いて、図2のセルと同様の電気化学的セルの概略図をそれぞれ示している。図5(a)は上面図を示しており、図5(b)は断面図を示している。
【図6】図6(a)および6(b)は、要素3のエッジ部分が少なくとも要素1のエッジ部分に対して近接しているように構成されていることを除いて、図4のセルと同様の電気化学的セルの概略図をそれぞれ示している。図6(a)は上面図を示しており、図6(b)は断面図を示している。
【図7】舌状接続装置に対する接触を可能にするためにコネクター領域内の要素2からの要素1の分割を説明している側面図を示している。
【図8】舌状接続装置に対する接触を可能にするためにコネクター領域内の要素2からの要素1の分割を説明している端面図を示している。
【図9】外部回路コネクターの中に部分的に挿入されている試験片の説明図を示している。
【図10】外部回路コネクターの中に完全に挿入されている試験片の説明図を示している。
【図11】外部回路コネクター100の側面図を示している。
【図12】図11において示されているような外部回路コネクター100の中に部分的に挿入されている試験片の説明図を示している。
【図13】図11において示されているような外部回路コネクター100の中に完全に挿入されている試験片の説明図を示している。
【符号の説明】
【0070】
1 要素1(下方電極層)
2 要素2(上方電極層)
3 要素3(電気的に絶縁性の層)
4 要素4(切取部分)
10,100 コネクター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の電気化学的セルと一定の計器との間における電気化学的な接続を形成するための方法において、
(a)一定の電気化学的セルを供給する工程を含み、当該電気化学的セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、さらに
(b)一定の計器を供給する工程を含み、当該計器が一定のくさび形部分および一定のピボット点を有しており、このくさび形部分が上方のくさび形の導電面部および下方のくさび形の導電面部を有しており、これら導電性の面部が前記計器に対して電気的に連絡しており、前記くさび形部分が当該ピボット点において回転可能であり、さらに
(c)前記電気化学的セルの一部分を前記計器の中に挿入する工程を含み、これにより、前記くさび形部分が前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分と前記絶縁性スペーサー層のエッジ部分から先に延出している前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体における部分との間に挿入されるように前記ピボット点回りに回転し、これにより、前記第1の電気的に伝導性の被膜と前記下方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成され、これにより、前記第2の電気的に導電性の被膜と前記上方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成される方法。
【請求項1】
一定の電気化学的セルと一定の計器との間における電気化学的な接続を形成するための方法において、
(a)一定の電気化学的セルを供給する工程を含み、当該電気化学的セルは第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体、第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体、およびこれらの間に配置されている絶縁性のスペーサー層を備えており、前記電気的に伝導性の各被膜が一定の間隔で離間している関係で互いに対向して配置されており、前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分から先に、および前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体のエッジ部分が前記絶縁性のスペーサー層のエッジ部分から先に延出しており、さらに
(b)一定の計器を供給する工程を含み、当該計器が一定のくさび形部分および一定のピボット点を有しており、このくさび形部分が上方のくさび形の導電面部および下方のくさび形の導電面部を有しており、これら導電性の面部が前記計器に対して電気的に連絡しており、前記くさび形部分が当該ピボット点において回転可能であり、さらに
(c)前記電気化学的セルの一部分を前記計器の中に挿入する工程を含み、これにより、前記くさび形部分が前記第1の電気的に伝導性の被膜を担持している第1の絶縁性の支持体における部分と前記絶縁性スペーサー層のエッジ部分から先に延出している前記第2の電気的に伝導性の被膜を担持している第2の絶縁性の支持体における部分との間に挿入されるように前記ピボット点回りに回転し、これにより、前記第1の電気的に伝導性の被膜と前記下方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成され、これにより、前記第2の電気的に導電性の被膜と前記上方のくさび形の導電面部との間における電気的な接続が形成される方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−170452(P2008−170452A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39631(P2008−39631)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【分割の表示】特願2002−381908(P2002−381908)の分割
【原出願日】平成14年12月27日(2002.12.27)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【分割の表示】特願2002−381908(P2002−381908)の分割
【原出願日】平成14年12月27日(2002.12.27)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
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