電気式液体揮発性物質ディスペンサー
ウィックから液体揮発性物質を気化するためのヒータを有する型の殺虫剤、芳香剤等の液体揮発性物質のプラグイン型ディスペンサーが、ディスペンサーの見る側、好ましくは上側から容易に見ることができるように、ハウジングの外部に光を伝送し、ハウジングの外部使用中表示表面に入射して使用中表示を照らし出すランプを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
該当なし
(連邦政府資金による研究/開発の表明)
該当なし
本発明は、揮発性液体のディスペンサーに関し、特にウィック(芯)を上昇する液体を気化するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、あらゆる液体の気化粒子を空気中に散布するための、ウィックを用いた液体揮発性物質ディスペンサシステムが知られている。このようなシステムは、殺虫剤から芳香剤まで様々な液体とともに家庭で用いられることが多い。ウィックの一端を散布される液体中に浸漬可能である。ウィックの浸漬部分が液体を吸い上げ、その一部がウィックの露出した浸漬していない部分へと毛管またはウィッキング作用により拡散する。ウィックの露出した先端の周りに嵌め込んだ環状ヒータによって、ウィックの露出部分を局所的に加熱することが多い。こうしてウィックの露出部分内に拡散した液体を周囲の空気中へと気化させる。ウィックの露出部分に継続的に熱を加えることにより、液体が消費されるまで持続する気化プロセスが得られる。
【0003】
従来の加熱ウィック液体ディスペンサーに関連する主な問題は、揮発性物質の散布、特に揮発性物質の散布速度および距離の制御である。
【0004】
揮発性物質の気化速度は、活性化直後に揮発性物質の散布を開始するに十分なほど迅速であり、且つ耐用年数にわたって持続的な放出を提供しなくてはならない。散布速度は、経時的に変動することもある。ディスペンサーの初回作動時(ヒータが動作温度に達した後)には、放出速度が数時間使用後よりも速いのが一般的である。したがって、与えられた用途に用いる液体の成分および適切な量を選択することが難しい。
【0005】
気化した揮発性材料は、通常、例えば家の1つまたは複数の部屋等の比較的大きい空間中に発散しなくてはならない。極度に局所的な散布では、揮発性物質の効果がディスペンサー周囲の至近領域に限定されてしまう。気化物質の一部がディスペンサーのハウジング内部に閉じ込められることもある。こうして物質がハウジング内で濃縮し、深刻な場合にはディスペンサーの底部の液体漏れをも引き起こしかねない。ヒータの非作動時に気化により液体が失われることもよく見られる。
【0006】
電気式揮発性物質ディスペンサーの別の課題は、装置が動作中であることを消費者に明確に表示することに関連する。これには、ヒータが動作温度までウォームアップ中であるような、揮発性物質の散布にいくらか遅延があるときでも、作動の即時フィードバックを消費者に与えることが含まれる。これは、デバイスが作動してから予熱中であることを消費者が知る助けともなる。また、液体を使い切った場合には、装置の電気プラグを抜くべきであることを消費者に表示することにもなる。
【0007】
使用中の表示にはライトを用いるのが普通である。電源コンセントにディスペンサーのプラグが差し込まれるとランプに電力が供給されるので、ディスペンサーに電力が供給されている時にだけ点灯する。光がハウジングの外側から見えるように、ディスペンサーのハウジングが小さい半透明窓を有しているか、あるいは部分的または全体的に半透明材料で構成されることもある。近くに立っている人が容易に見られるように、開口または半透明領域はディスペンサーの頂部に、すなわち電源コンセントの高さにあるのが普通である。ハウジングにライト用開口があるのは、液体および小さい物体、例えば指が入り込めるため問題である。別体の半透明窓は部品数を増やし、半透明部品は製品のコストを増加させる。気化ディスペンサーに関連する別の懸念は、ランプが熱源に晒されることが多いため熱で早く消耗しやすいことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記問題により良く対処する液体揮発性物質ディスペンサーが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、散布特性および使用中表示が改良された、殺虫剤および芳香剤等の液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーを提供する。
【0010】
一態様では、本発明のディスペンサーが、放出口および外部使用中表示表面を有するハウジングを含んでいる。ハウジングは、ヒータおよびランプを含んでおり、その両方がハウジングに取り付けられた電気プラグに電気的に結合されている。液体揮発性物質の容器は、放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能である。ヒータが通電されると、ランプがハウジングの外部に使用中表示表面上へと光を伝送する。
【0011】
より好適な形態では、光が直接ハウジングの外部への、光を反射する表示表面上へと通過するように、ディスペンサーハウジングがランプと使用中表示表面の間にアパーチャを有している。消費者の最大限の視認性を達成するために、表示表面がリップまたは棚部としてプラグ端部の反対側の正面端から突出し、上に向いているのが好ましく、揮発性物質が散布されるのと同じ方向であるのが好ましい。表示の照明を増すために反射表面処理またはコーティングを用いることもできる。表示棚の上面の全長が照らされて、床面近くに通常位置する壁付け電源コンセントの近くに立っている人が容易に見ることができる。電気コンセントは水平方向または垂直方向のいずれに離間された開口を有する場合でも、液体容器が直立されて表示表面が上に向くこの姿勢にディスペンサーを向けることができる。最初の組み立て中またはその後に電気プラグが方向付けされるかまたは方向が変えられる際に、ハウジングの特別な締め付け(押付け)特徴部が、電気コンポーネント(導体、ヒューズ等)の移動に作用する引っ張り力を制限する歪み逃がしとして働く。
【0012】
ランプは、長寿命且つ低消費電力を提供する小さいLEDであるのが好ましい。種類に関わらず、ランプは分離壁によりヒータから分離されているのが好ましく、ディスペンサーハウジングの上部から垂れ下がっているのが好ましい。壁は、ランプの熱関連の消耗を低減するのに役立ち、さもなければ使用中表示表面に向かってハウジングの内部を通る光の方向を反射によって変えるようにも働くので、それで表示表面上の照明の強度および効率を増大する。
【0013】
さらに別の好適な形態では、熱または電流/電圧ヒューズがヒータと直列に取り付けられて、電力を遮断しデバイスを過熱から防ぐのが好ましい。ハウジングは、1個または複数の把持領域を有してもよく、ハウジングの両側から電気プラグの側部まで等のディスペンサーのより低温な領域に配置された外側に突出するグリップ部を含んでいるのが好ましい。ハウジングは、放出口で内側に延びる突出部を有してもよい。これらの特徴部は、ユーザが熱い表面に触れる可能性を減らすことにより、ディスペンサーをよりユーザフレンドリーにする助けとなる。
【0014】
揮発性物質は、浸漬した端部および露出した他端部を有するウィックを持ったネジ付きネックのボトル等の容器に収容されているのが好ましい。露出端部は、リングヒータの中央開口部に配置することができる。ヒータの中央開口部が放出口の断面積以下の断面積を有するのが好ましい。より好ましくは、放出口が間に空隙をおいてヒータ近傍、例えば5mm以内に配置される。さらにより好ましくは、放出口が、外側開口および外側開口より小さいサイズの内側開口を持った漏斗形状である。内側開口は、外側開口に向かって延びる上向きのリップ、すなわち周辺壁により画定することができ、内側開口から外側開口へ向かう方向で径方向内側に水平方向から5〜90度の角度で角度を持っているのが好ましい。
【0015】
ディスペンサーは、液体揮発性物質容器周囲のその下側から空気を上に送ることにより呼吸をする。垂直ダクトが容器周囲に設けられ、これをより容易にする。すると、空気は容器周囲から、ウィックに沿って上にリングヒータの中央部を通って流れることが可能である。ディスペンサーの底部から移動するより低温の空気がヒータに近づくと温まり、気化した揮発性物質を運ぶより軽く温かい空気がディスペンサーの内部を通って迅速に上昇し、放出口を出る。放出口の漏斗形状、特に上向きリップが、散布前にディスペンサー上方へと柱状に上昇する揮発性物質を運ぶ空気の柱状噴流を作り出す。また、放出口がヒータ近傍に位置しており、揮発性物質を運ぶ空気の全てではないがほとんどがハウジング内部に捕捉されるよりもむしろ放出口から外へ直接通るように、ヒータの開口中央部と同じかまたは大きい開口領域を有している。空気の経路ならびに放出口形状およびそのヒータと比較的近傍に離間された関係の複合効果が、活性化成分のより効果的な広い散布となる。
【0016】
別の態様では、本発明は液体揮発性物質を気化するためのヒータを有する型の液体揮発性物質のプラグインディスペンサーを提供する。ディスペンサーは、ディスペンサーを見る側から容易に見ることができるように、通電されるとハウジングの外部に光を伝送し、ハウジングの外部使用中表示表面に入射して使用中表示を照明するランプをディスペンサーのハウジング内部に有する。
【0017】
別の態様では、本発明はハウジングの両側に把持領域を画定するハウジングを有する電気式揮発性物質ディスペンサーを提供する。把持領域がハウジングから外側に延びる凸状リブを含んでいてもよい。リブの位置および凸状の性質により、ヒータ近傍のディスペンサー上の他の箇所よりも触れるには低温になる。また、リブはディスペンサーを掴むのに本能的に分かりやすい箇所にあり、特にハウジングの側部に位置している。
【0018】
本発明の別の態様は、ハウジングに少なくとも2つの角度方向で取り付け可能な電気プラグに関する。ハウジングは、プラグに電気的に結合された導体および電力カットオフヒューズ等の電気コンポーネントの位置を固定するための締め具(押え具)を画定するのが好ましい。これは、導体の歪みを緩和するだけでなくヒータからヒューズまでの一定の間隔を維持するが、温度カットオフヒューズが期待されたとき確実に回路を切るのに用いられる際に特に重要である。
【0019】
本発明のさらに別の態様は、リングヒータの開口中央部の断面積と少なくとも同じ大きさを有する放出口に関する。これは、揮発した活性化物質をディスペンサーハウジングからより良く外へ排出する。放出口はウィック直上に位置し、水平方向から5〜90度の角度でヒータから離れる方向に内方および上方に角度を持った壁を有するのが好ましい。これが活性化物質を含む空気の柱状噴流形成を補助し、周囲空気を通って発散する前にディスペンサー上方に上昇することが可能であり、それによって改良された活性化物質の散布を提供する。
【0020】
本発明のこの概要は、本発明の性質が概ね理解されるように提供されてきた。しかしながら、この概要は本発明を限定するように解釈されるべきではない。添付の図面と併せて、以下の好適な実施形態の詳細な説明から、本発明の前述および他の目的、態様、特徴および利点が明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1〜3は、本発明の電気式揮発性物質ディスペンサー20の好適な実施形態を示す。一般に、ディスペンサー20は、電気プラグ24を一端に備えた小型のハウジング22と、その下側に液体揮発性物質26のボトルとを有している。液体揮発性物質26のボトルは、一端がボトル内の液体中に浸漬され、多端がボトルの外部に延びているウィック28以外が密封されている。ハウジング22は、ヒータ30と、LEDランプ32と、電力カットオフヒューズ34とを収容しており、これらはすべてプラグ24の金属突出片から延びている導体リード線を介してプラグ24に電気的に結合されている。
【0022】
液体には、熱活性化可能化学成分、好ましくは殺虫剤が含まれる。しかしながら、種々の昆虫防除薬品、芳香剤、殺菌剤、消毒剤または他の熱活性化化学物質を用いることが可能である。ボトルは、ハウジング22の下側のキャビティ内へ取り外し可能に螺合するネジ付きネック部上に嵌め込まれるキャップで、包囲されているのが好ましい。このキャップはウィック28に対して封止し、それを直立姿勢に保持する中央開口を有する。
【0023】
ウィック28は、多孔質セラミックス、貼り合わされた繊維、焼結プラスチック等の従来の材料のいずれでも形成可能である。ウィックの軸は、散布速度に影響を及ぼし、より均一な熱分布を与える導電性および/または不透水性の外側コーティングを有することが可能である。この外側コーティングに適した材料には、プラスチック、塗料、またはアルミニウム、銅および高密度/温度プラスチックを含む各種の固体スリーブが含まれる。米国特許第5,647,053号には、このような好適なウィック構成が開示されている。
【0024】
ヒータ30も、従来の加熱デバイスのいずれでもよいが、広範囲の電圧および熱散逸条件にわたって、その固有の自己調節材料特性を用いて原則的に一定の温度を維持する正温度係数(「PTC」)サーミスタを含んでいるのが好ましい。このようなPTCヒータは、ウィック28の露出部を嵌め込んでウィック28の露出部全体に原則的に均一な熱を与えることが可能な開口中央部を持った、環形状であるのが好ましい。米国特許第6,411,776号には、このような適当なPTCヒータデバイスが開示されている。ヒータは、液体揮発性物質を気化するのに十分なほぼ一貫した動作温度を付与可能とすべきであり、通常は80〜150℃の作動温度を有するように選択される。
【0025】
たとえ過剰温度または過電流/過電圧状態が発生しても、ヒータの内部コンポーネントが回路を常時または一時的に開いてヒータへの電力を遮断することができる。しかしながら、本発明のディスペンサー20は、過負荷状態からの脱却にヒータ回路を永久的に開いてディスペンサー20を無効にする、ヒータ30と直列に配置された上記ヒューズ34を用いるのが好ましい。ヒューズ34は、電流および電圧に応答する可融抵抗または温度に応答する熱カットオフヒューズのいずれでもよい。このような熱カットオフヒューズは当技術分野でよく知られており、米国特許第5,796,914号には電気燻蒸デバイス用にそれらを用いることが開示されている。この開示全体および上記特許の全てが、ここに全体的に説明されたように参照により本明細書に援用される。
【0026】
ヒータ30はプラグ24により電源に結合され、これが米国または他国の標準を満たす任意の突出片形状を有することができる。図9および10に示すように、プラグ24ユニット全体を任意の角度方向でハウジング22に取り付けることができるが、突出片が水平方向または垂直方向のいずれかに離間された2方向のうちの一方に向けて取り付けるように設計されるのが好ましい。プラグ24本体上の円形端部は、このような位置決めを容易にするために周方向の溝を有している。
【0027】
ディスペンサー20の基本的な特徴を説明してきたが、これからその一般的な動作を簡潔に述べる。プラグ24を標準的な電気コンセント(図示せず)に嵌め込むと、ヒータ30がウィック28の露出部周囲の空気を温めることによってウィック28自体を温める。液体揮発性物質は、毛管または「ウィッキング」作用によりウィック28を上方に進み、その温度上昇に伴って揮発する。加熱された空気も煙突効果を生じる傾向があり、揮発性物質を含んだ空気をハウジング22を通して引き上げ、揮発性物質が部屋中に発散できるようにハウジング22の頂部放出口36から外へ放出する。ヒータ30が通電されると、ランプ32が点灯してディスペンサーの作動を表示する。使用されるヒューズの種類にもよるが、ヒューズ34は、動作温度、電流または電圧が高く上がりすぎた場合にヒータ28への回路を開く。
【0028】
本発明のディスペンサー20は、他のこのような装置と同様の方法でこのように動作する。しかしながら、特に揮発性物質の散布およびユーザの操作性について改良された機能性を与えるいくつかの特徴を有している。これらの特徴の多くが、ハウジング22の独自の構成により与えられる。
【0029】
図3に示すように、ハウジング22は、好ましくは適当なプラスチック樹脂で成形された上側40および下側42シェルで形成されている。上側シェル40は、下側シェル42とシームで重なっており(図6を参照)、液体または他の汚染物質のハウジング22内への落下を防止する助けとなる。下側シェル42の側部は、把持領域を画定する垂直方向に離間された一連の凸状リブ44を有している。把持領域がヒータ30から離間され、リブ44がハウジング22の平坦な表面から外側へ突出しているので、それらは、ユーザがディスペンサー20を掴む、例えば電気コンセントからプラグを抜く際に、より低温の領域を提供する。リブ44の配列および両側の位置が、ユーザにディスペンサー20はこれらの領域で掴むべきであることを視覚的に示す。ユーザは、本能的にディスペンサー20を他のもっと温かい領域よりもリブ44で掴む可能性が高く、こうして高温に接触する可能性が低くなる。
【0030】
ハウジング22の内部には、2つのシェルを連結し、内部コンポーネント、すなわちヒータ30、ランプ32およびヒューズ34を支持するのに用いられるリブ構造や他のほぼ垂直方向に延びる構造が含まれる。図3に示すように、下側シェル42は、その上にヒータ30が載る環状支持部46を画定する。図7に示すように、ばねクリップ48がヒータ30を適所に固定する。図7に示すように、上側40および下側42シェルは、ヒューズ34が接続されている導体の締め具(押え具)および歪み(張力)逃がしとして働く対向構造50および52をも有している。下側構造52は、その上端で導体を受容する小さい溝またはノッチ54を有し、上部構造50は、導体を緩くクランプ締めしてその位置を固定し、導体への引っ張り力を吸収する。これは、プラグ24の向きが設定されたり変更される場合に特に有用である。その位置を固定するために、導体がヒューズ34に隣接してクランプ締めされるのが好ましい。このことは、ヒューズ34がカットオフ型のヒューズである場合に重要である。組み立て中、ヒューズがヒータからの一定距離を維持するためである。これは、ヒューズが正常動作中に比較的一定の温度を実現し、実際に過温条件が生じた際にのみ切断することを確実にする助けとなる。ヒューズがヒータに近づきすぎても、最高温度に達する前に回路を切断することができ、逆に、ヒータから遠すぎた場合は必要とされる時に切断しない。
【0031】
上側40シェルも、プラグ24の反対側のハウジング端部にライト室62を画定する下方に延びた内壁60を有している。これらの壁は多くの利点をもたらす。具体的には、それらがランプ32の位置決めを補助し、それによって一定位置で点灯される。それらは、ランプ32をヒータ30から保護し、それによって熱関連の経年劣化を低減する。また、それらは、さもないとハウジング22内部で失われる光を、ユーザが見ることのできるハウジング22の外側へと反射する。
【0032】
特に、光は特別な使用中表示70上へと方向付けられ、ユーザにディスペンサー20が動作中であることを表示する。この使用中表示70は、プラグ24の反対側のハウジング下側シェル42の端部から突出してリップまたは棚構造を形成する、ハウジング22の平坦な上向きの外部表面である。この上向き表面は、ハウジングシェル間の非常に幅の狭い横スリットまたはアパーチャ72(図7参照)に隣接して配置されている。アパーチャ72により、光がランプ32からハウジング22の外側へ遮られずに伝送され、使用中表示70の外部表面で反射されることが可能になる。使用中表示70のやや広い外部を照明することにより、ディスペンサー20がオンであることをユーザにより見やすく知らせることができる。アパーチャ72の幅が狭く、ハウジング22の(頂部でなく)垂直方向端部に配置されているので、物がハウジング22内へ入り込む機会が少なくなる。
【0033】
ランプ32はヒータ30と直列でプラグ24に結合されているので、ヒータ30が動作中にのみ点灯する。このことは、揮発性物質が活性化される前に、ヒータが動作温度へとウォームアップしながらデバイスが動作していることがユーザに分かるため、初期起動において役立つこともある。ユーザが誤ってディスペンサーが故障していると考えるのを防ぐことができる。また、揮発性物質を使い切った後でディスペンサーのプラグを外し、ヒータへの不要な通電を避けることをユーザに気付かせることもできる。また、ユーザに避けるべき熱い表面があることを警告する。
【0034】
前述したように、ディスペンサー20は、より効果的な揮発性物質の散布をもたらすいくつかの特徴を有している。図4〜6を参照すると、ハウジング22の下側シェル42が、周方向に離間され、ハウジング22に揮発性物質26のボトルが取り付けられるキャビティで開口する3個の垂直チャネルまたはエアダクト80を形成する。揮発性物質26のボトルが図6および7に示すようにハウジング22内へ完全に取り付けられると、垂直エアダクト80内へ空気が流れ込めるようにボトルの上部とハウジング22の間に小さい空隙が生じる。エアダクト80は、ボトルのネック部に沿ってハウジング内へと上方に空気を運ぶ。ここから、空気がウィック28の露出部に沿って上方および内方へ、ヒータ30の中央部を通り、さらに放出口36を通って流れることが可能となる。このように、エアダクト80はより多くの流量を提供してウィックに沿って空気を流すし、そこで空気が揮発性物質を捕らえて放出口36から上方へ運ぶことができる。
【0035】
図1および6〜8に示すように、放出口36はウィック28およびヒータ30の中央開口の直接(垂直方向)上方でハウジング上部シェル40の頂部にある。放出口36は、内側開口および大きい外側(または上側)開口を効果的に画定する、いくぶん漏斗形状のくぼんだ内壁により画定される。4個の小さい突出片90が、ヒータ30への指の接触を防ぐのに十分な開口の下部で径方向内側に延びている。放出口36の断面積は、底部で最小となる。放出口36の最小断面積は、少なくともヒータ30の中央開口の面積となるように、且つ上述のように垂直方向に一列に設計されている。これは、上部シェル40の下側に捉われることなく(このことによりハウジング22が過度に加熱されたりハウジング内部の凝結を引き起こすことがある)、ウィック28周りから昇る温かい揮発性物質を含んだ空気がハウジング22を通って外に出ることを確実にするのに役立つ。突出片90とともに示した実施形態では、突出片90が占める空間を収容するために、放出口36の底部が実際にはヒータ30の中央部よりも大きいサイズとされたが、放出口36の全断面積は少なくともヒータ開口部の面積とする。一実施形態では、ヒータ開口部が直径約1センチメータ(「cm」)、放出口が底部の直径で約1.2cm、対向する突出片同士の距離が約0.8cmとする。また、放出口36の底部がヒータ30の頂部からいくらか離間されることも重要である。こうして、その間の空気の流れ(図6参照)が上部シェル40が過度の高温とならないようにする(この場合には80℃を超えないことが好ましい)だけでなく、散布を補助する。最適なPTCヒータには10mm未満の距離で十分であると思われるが、好ましくは5mm以下、より一層好ましくは約3mm以下とする。
【0036】
図8に示すように、(エアダクト80に沿った)放出口36およびヒータ/ウィック配列の形状、寸法および間隔により、揮発した活性化物質の散布が改良される。ディスペンサーの底部からハウジング22を通って上昇する空気流は、ヒータ30周囲および上方だけでなくウィック28に沿ってヒータ30の中央部を通り上に流れる。このことにより、温かい活性物質を含んだ空気を中央に集め、放出口36を通して上昇させる傾向を持った、主に上方および内方に向かう空気流パターンが生じる。放出口36を通過する空気の柱状噴流は、その周辺で放出口36の漏斗状外形周囲を進む周辺のより低温な空気が放出された空気の柱状噴流の力によりほぼ来た方向に戻される前に、その空気と遭遇することになる。これは、柱状流パターンをディスペンサー上方まで延ばす助けとなり、それによってより強力な上昇揮発空気流を、ひいては活性化物質のより効果的な散布を生み出す。
【0037】
図11は、放出口がヒータから離れる上方向で径方向内側に向かって細くなった円錐台壁部100を含んでいる図8に類似の別の図を示している。この壁100は、より良く且つより一貫して放出口36の漏斗内へ下降する周囲空気を戻す助けとなり、それによってディスペンサー上方に一層高く上昇可能なより一層多くの空気の柱状噴流を形成する。壁100は、図示した実施形態において水平方向から約45度で延びているが、これは用途に応じて変えることもできる。例えば水平方向から5〜90度の角度が、ほとんどの環境において所望の効果を達成するのに適当であると想定される。この角度付きの壁は、360度まで連続させるよりセグメント化されてもよい。また、以前のように、最小放出口サイズがヒータの開口部またはそれより大きく維持され、指等が入るのを防ぐために小さい突出片を追加することもできる。
【0038】
本発明の特定の実施形態を詳細に説明してきたが、この説明が単に例示目的でしかないことが理解されよう。当業者によって以下の特許請求の範囲の精神から逸脱することなく、上述されたものに加えて好適な実施形態の開示された態様の様々な変形および対応する均等構造も可能である。したがって、以下の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲が、このような変形および均等構造を包含するように最大限に広く理にかなった解釈がなされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、揮発性物質の散布特性および使用中表示が改良された殺虫剤および芳香剤等の液体揮発性物質の電気式ディスペンサーを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の電気式揮発性物質ディスペンサーの斜視図である。
【図2】その側面図である。
【図3】その分解斜視図である。
【図4】ディスペンサーの内部から見下ろした図である。
【図5】揮発性物質容器を図示しない底面図である。
【図6】図4の線6−6に沿った端部断面図である。
【図7】図4の線7−7に沿った側部断面図である。
【図8】ディスペンサーのウィックおよび放出口領域周囲の空気流パターンを示す拡大部分断面図である。
【図9】水平方向向きの電気プラグを示す図4の線9−9に沿った断面図である。
【図10】垂直方向に回転した電気プラグを示す図9と類似の図である。
【図11】放出口に角度付き壁を有するが、図8と類似の図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
該当なし
(連邦政府資金による研究/開発の表明)
該当なし
本発明は、揮発性液体のディスペンサーに関し、特にウィック(芯)を上昇する液体を気化するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、あらゆる液体の気化粒子を空気中に散布するための、ウィックを用いた液体揮発性物質ディスペンサシステムが知られている。このようなシステムは、殺虫剤から芳香剤まで様々な液体とともに家庭で用いられることが多い。ウィックの一端を散布される液体中に浸漬可能である。ウィックの浸漬部分が液体を吸い上げ、その一部がウィックの露出した浸漬していない部分へと毛管またはウィッキング作用により拡散する。ウィックの露出した先端の周りに嵌め込んだ環状ヒータによって、ウィックの露出部分を局所的に加熱することが多い。こうしてウィックの露出部分内に拡散した液体を周囲の空気中へと気化させる。ウィックの露出部分に継続的に熱を加えることにより、液体が消費されるまで持続する気化プロセスが得られる。
【0003】
従来の加熱ウィック液体ディスペンサーに関連する主な問題は、揮発性物質の散布、特に揮発性物質の散布速度および距離の制御である。
【0004】
揮発性物質の気化速度は、活性化直後に揮発性物質の散布を開始するに十分なほど迅速であり、且つ耐用年数にわたって持続的な放出を提供しなくてはならない。散布速度は、経時的に変動することもある。ディスペンサーの初回作動時(ヒータが動作温度に達した後)には、放出速度が数時間使用後よりも速いのが一般的である。したがって、与えられた用途に用いる液体の成分および適切な量を選択することが難しい。
【0005】
気化した揮発性材料は、通常、例えば家の1つまたは複数の部屋等の比較的大きい空間中に発散しなくてはならない。極度に局所的な散布では、揮発性物質の効果がディスペンサー周囲の至近領域に限定されてしまう。気化物質の一部がディスペンサーのハウジング内部に閉じ込められることもある。こうして物質がハウジング内で濃縮し、深刻な場合にはディスペンサーの底部の液体漏れをも引き起こしかねない。ヒータの非作動時に気化により液体が失われることもよく見られる。
【0006】
電気式揮発性物質ディスペンサーの別の課題は、装置が動作中であることを消費者に明確に表示することに関連する。これには、ヒータが動作温度までウォームアップ中であるような、揮発性物質の散布にいくらか遅延があるときでも、作動の即時フィードバックを消費者に与えることが含まれる。これは、デバイスが作動してから予熱中であることを消費者が知る助けともなる。また、液体を使い切った場合には、装置の電気プラグを抜くべきであることを消費者に表示することにもなる。
【0007】
使用中の表示にはライトを用いるのが普通である。電源コンセントにディスペンサーのプラグが差し込まれるとランプに電力が供給されるので、ディスペンサーに電力が供給されている時にだけ点灯する。光がハウジングの外側から見えるように、ディスペンサーのハウジングが小さい半透明窓を有しているか、あるいは部分的または全体的に半透明材料で構成されることもある。近くに立っている人が容易に見られるように、開口または半透明領域はディスペンサーの頂部に、すなわち電源コンセントの高さにあるのが普通である。ハウジングにライト用開口があるのは、液体および小さい物体、例えば指が入り込めるため問題である。別体の半透明窓は部品数を増やし、半透明部品は製品のコストを増加させる。気化ディスペンサーに関連する別の懸念は、ランプが熱源に晒されることが多いため熱で早く消耗しやすいことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記問題により良く対処する液体揮発性物質ディスペンサーが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、散布特性および使用中表示が改良された、殺虫剤および芳香剤等の液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーを提供する。
【0010】
一態様では、本発明のディスペンサーが、放出口および外部使用中表示表面を有するハウジングを含んでいる。ハウジングは、ヒータおよびランプを含んでおり、その両方がハウジングに取り付けられた電気プラグに電気的に結合されている。液体揮発性物質の容器は、放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能である。ヒータが通電されると、ランプがハウジングの外部に使用中表示表面上へと光を伝送する。
【0011】
より好適な形態では、光が直接ハウジングの外部への、光を反射する表示表面上へと通過するように、ディスペンサーハウジングがランプと使用中表示表面の間にアパーチャを有している。消費者の最大限の視認性を達成するために、表示表面がリップまたは棚部としてプラグ端部の反対側の正面端から突出し、上に向いているのが好ましく、揮発性物質が散布されるのと同じ方向であるのが好ましい。表示の照明を増すために反射表面処理またはコーティングを用いることもできる。表示棚の上面の全長が照らされて、床面近くに通常位置する壁付け電源コンセントの近くに立っている人が容易に見ることができる。電気コンセントは水平方向または垂直方向のいずれに離間された開口を有する場合でも、液体容器が直立されて表示表面が上に向くこの姿勢にディスペンサーを向けることができる。最初の組み立て中またはその後に電気プラグが方向付けされるかまたは方向が変えられる際に、ハウジングの特別な締め付け(押付け)特徴部が、電気コンポーネント(導体、ヒューズ等)の移動に作用する引っ張り力を制限する歪み逃がしとして働く。
【0012】
ランプは、長寿命且つ低消費電力を提供する小さいLEDであるのが好ましい。種類に関わらず、ランプは分離壁によりヒータから分離されているのが好ましく、ディスペンサーハウジングの上部から垂れ下がっているのが好ましい。壁は、ランプの熱関連の消耗を低減するのに役立ち、さもなければ使用中表示表面に向かってハウジングの内部を通る光の方向を反射によって変えるようにも働くので、それで表示表面上の照明の強度および効率を増大する。
【0013】
さらに別の好適な形態では、熱または電流/電圧ヒューズがヒータと直列に取り付けられて、電力を遮断しデバイスを過熱から防ぐのが好ましい。ハウジングは、1個または複数の把持領域を有してもよく、ハウジングの両側から電気プラグの側部まで等のディスペンサーのより低温な領域に配置された外側に突出するグリップ部を含んでいるのが好ましい。ハウジングは、放出口で内側に延びる突出部を有してもよい。これらの特徴部は、ユーザが熱い表面に触れる可能性を減らすことにより、ディスペンサーをよりユーザフレンドリーにする助けとなる。
【0014】
揮発性物質は、浸漬した端部および露出した他端部を有するウィックを持ったネジ付きネックのボトル等の容器に収容されているのが好ましい。露出端部は、リングヒータの中央開口部に配置することができる。ヒータの中央開口部が放出口の断面積以下の断面積を有するのが好ましい。より好ましくは、放出口が間に空隙をおいてヒータ近傍、例えば5mm以内に配置される。さらにより好ましくは、放出口が、外側開口および外側開口より小さいサイズの内側開口を持った漏斗形状である。内側開口は、外側開口に向かって延びる上向きのリップ、すなわち周辺壁により画定することができ、内側開口から外側開口へ向かう方向で径方向内側に水平方向から5〜90度の角度で角度を持っているのが好ましい。
【0015】
ディスペンサーは、液体揮発性物質容器周囲のその下側から空気を上に送ることにより呼吸をする。垂直ダクトが容器周囲に設けられ、これをより容易にする。すると、空気は容器周囲から、ウィックに沿って上にリングヒータの中央部を通って流れることが可能である。ディスペンサーの底部から移動するより低温の空気がヒータに近づくと温まり、気化した揮発性物質を運ぶより軽く温かい空気がディスペンサーの内部を通って迅速に上昇し、放出口を出る。放出口の漏斗形状、特に上向きリップが、散布前にディスペンサー上方へと柱状に上昇する揮発性物質を運ぶ空気の柱状噴流を作り出す。また、放出口がヒータ近傍に位置しており、揮発性物質を運ぶ空気の全てではないがほとんどがハウジング内部に捕捉されるよりもむしろ放出口から外へ直接通るように、ヒータの開口中央部と同じかまたは大きい開口領域を有している。空気の経路ならびに放出口形状およびそのヒータと比較的近傍に離間された関係の複合効果が、活性化成分のより効果的な広い散布となる。
【0016】
別の態様では、本発明は液体揮発性物質を気化するためのヒータを有する型の液体揮発性物質のプラグインディスペンサーを提供する。ディスペンサーは、ディスペンサーを見る側から容易に見ることができるように、通電されるとハウジングの外部に光を伝送し、ハウジングの外部使用中表示表面に入射して使用中表示を照明するランプをディスペンサーのハウジング内部に有する。
【0017】
別の態様では、本発明はハウジングの両側に把持領域を画定するハウジングを有する電気式揮発性物質ディスペンサーを提供する。把持領域がハウジングから外側に延びる凸状リブを含んでいてもよい。リブの位置および凸状の性質により、ヒータ近傍のディスペンサー上の他の箇所よりも触れるには低温になる。また、リブはディスペンサーを掴むのに本能的に分かりやすい箇所にあり、特にハウジングの側部に位置している。
【0018】
本発明の別の態様は、ハウジングに少なくとも2つの角度方向で取り付け可能な電気プラグに関する。ハウジングは、プラグに電気的に結合された導体および電力カットオフヒューズ等の電気コンポーネントの位置を固定するための締め具(押え具)を画定するのが好ましい。これは、導体の歪みを緩和するだけでなくヒータからヒューズまでの一定の間隔を維持するが、温度カットオフヒューズが期待されたとき確実に回路を切るのに用いられる際に特に重要である。
【0019】
本発明のさらに別の態様は、リングヒータの開口中央部の断面積と少なくとも同じ大きさを有する放出口に関する。これは、揮発した活性化物質をディスペンサーハウジングからより良く外へ排出する。放出口はウィック直上に位置し、水平方向から5〜90度の角度でヒータから離れる方向に内方および上方に角度を持った壁を有するのが好ましい。これが活性化物質を含む空気の柱状噴流形成を補助し、周囲空気を通って発散する前にディスペンサー上方に上昇することが可能であり、それによって改良された活性化物質の散布を提供する。
【0020】
本発明のこの概要は、本発明の性質が概ね理解されるように提供されてきた。しかしながら、この概要は本発明を限定するように解釈されるべきではない。添付の図面と併せて、以下の好適な実施形態の詳細な説明から、本発明の前述および他の目的、態様、特徴および利点が明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1〜3は、本発明の電気式揮発性物質ディスペンサー20の好適な実施形態を示す。一般に、ディスペンサー20は、電気プラグ24を一端に備えた小型のハウジング22と、その下側に液体揮発性物質26のボトルとを有している。液体揮発性物質26のボトルは、一端がボトル内の液体中に浸漬され、多端がボトルの外部に延びているウィック28以外が密封されている。ハウジング22は、ヒータ30と、LEDランプ32と、電力カットオフヒューズ34とを収容しており、これらはすべてプラグ24の金属突出片から延びている導体リード線を介してプラグ24に電気的に結合されている。
【0022】
液体には、熱活性化可能化学成分、好ましくは殺虫剤が含まれる。しかしながら、種々の昆虫防除薬品、芳香剤、殺菌剤、消毒剤または他の熱活性化化学物質を用いることが可能である。ボトルは、ハウジング22の下側のキャビティ内へ取り外し可能に螺合するネジ付きネック部上に嵌め込まれるキャップで、包囲されているのが好ましい。このキャップはウィック28に対して封止し、それを直立姿勢に保持する中央開口を有する。
【0023】
ウィック28は、多孔質セラミックス、貼り合わされた繊維、焼結プラスチック等の従来の材料のいずれでも形成可能である。ウィックの軸は、散布速度に影響を及ぼし、より均一な熱分布を与える導電性および/または不透水性の外側コーティングを有することが可能である。この外側コーティングに適した材料には、プラスチック、塗料、またはアルミニウム、銅および高密度/温度プラスチックを含む各種の固体スリーブが含まれる。米国特許第5,647,053号には、このような好適なウィック構成が開示されている。
【0024】
ヒータ30も、従来の加熱デバイスのいずれでもよいが、広範囲の電圧および熱散逸条件にわたって、その固有の自己調節材料特性を用いて原則的に一定の温度を維持する正温度係数(「PTC」)サーミスタを含んでいるのが好ましい。このようなPTCヒータは、ウィック28の露出部を嵌め込んでウィック28の露出部全体に原則的に均一な熱を与えることが可能な開口中央部を持った、環形状であるのが好ましい。米国特許第6,411,776号には、このような適当なPTCヒータデバイスが開示されている。ヒータは、液体揮発性物質を気化するのに十分なほぼ一貫した動作温度を付与可能とすべきであり、通常は80〜150℃の作動温度を有するように選択される。
【0025】
たとえ過剰温度または過電流/過電圧状態が発生しても、ヒータの内部コンポーネントが回路を常時または一時的に開いてヒータへの電力を遮断することができる。しかしながら、本発明のディスペンサー20は、過負荷状態からの脱却にヒータ回路を永久的に開いてディスペンサー20を無効にする、ヒータ30と直列に配置された上記ヒューズ34を用いるのが好ましい。ヒューズ34は、電流および電圧に応答する可融抵抗または温度に応答する熱カットオフヒューズのいずれでもよい。このような熱カットオフヒューズは当技術分野でよく知られており、米国特許第5,796,914号には電気燻蒸デバイス用にそれらを用いることが開示されている。この開示全体および上記特許の全てが、ここに全体的に説明されたように参照により本明細書に援用される。
【0026】
ヒータ30はプラグ24により電源に結合され、これが米国または他国の標準を満たす任意の突出片形状を有することができる。図9および10に示すように、プラグ24ユニット全体を任意の角度方向でハウジング22に取り付けることができるが、突出片が水平方向または垂直方向のいずれかに離間された2方向のうちの一方に向けて取り付けるように設計されるのが好ましい。プラグ24本体上の円形端部は、このような位置決めを容易にするために周方向の溝を有している。
【0027】
ディスペンサー20の基本的な特徴を説明してきたが、これからその一般的な動作を簡潔に述べる。プラグ24を標準的な電気コンセント(図示せず)に嵌め込むと、ヒータ30がウィック28の露出部周囲の空気を温めることによってウィック28自体を温める。液体揮発性物質は、毛管または「ウィッキング」作用によりウィック28を上方に進み、その温度上昇に伴って揮発する。加熱された空気も煙突効果を生じる傾向があり、揮発性物質を含んだ空気をハウジング22を通して引き上げ、揮発性物質が部屋中に発散できるようにハウジング22の頂部放出口36から外へ放出する。ヒータ30が通電されると、ランプ32が点灯してディスペンサーの作動を表示する。使用されるヒューズの種類にもよるが、ヒューズ34は、動作温度、電流または電圧が高く上がりすぎた場合にヒータ28への回路を開く。
【0028】
本発明のディスペンサー20は、他のこのような装置と同様の方法でこのように動作する。しかしながら、特に揮発性物質の散布およびユーザの操作性について改良された機能性を与えるいくつかの特徴を有している。これらの特徴の多くが、ハウジング22の独自の構成により与えられる。
【0029】
図3に示すように、ハウジング22は、好ましくは適当なプラスチック樹脂で成形された上側40および下側42シェルで形成されている。上側シェル40は、下側シェル42とシームで重なっており(図6を参照)、液体または他の汚染物質のハウジング22内への落下を防止する助けとなる。下側シェル42の側部は、把持領域を画定する垂直方向に離間された一連の凸状リブ44を有している。把持領域がヒータ30から離間され、リブ44がハウジング22の平坦な表面から外側へ突出しているので、それらは、ユーザがディスペンサー20を掴む、例えば電気コンセントからプラグを抜く際に、より低温の領域を提供する。リブ44の配列および両側の位置が、ユーザにディスペンサー20はこれらの領域で掴むべきであることを視覚的に示す。ユーザは、本能的にディスペンサー20を他のもっと温かい領域よりもリブ44で掴む可能性が高く、こうして高温に接触する可能性が低くなる。
【0030】
ハウジング22の内部には、2つのシェルを連結し、内部コンポーネント、すなわちヒータ30、ランプ32およびヒューズ34を支持するのに用いられるリブ構造や他のほぼ垂直方向に延びる構造が含まれる。図3に示すように、下側シェル42は、その上にヒータ30が載る環状支持部46を画定する。図7に示すように、ばねクリップ48がヒータ30を適所に固定する。図7に示すように、上側40および下側42シェルは、ヒューズ34が接続されている導体の締め具(押え具)および歪み(張力)逃がしとして働く対向構造50および52をも有している。下側構造52は、その上端で導体を受容する小さい溝またはノッチ54を有し、上部構造50は、導体を緩くクランプ締めしてその位置を固定し、導体への引っ張り力を吸収する。これは、プラグ24の向きが設定されたり変更される場合に特に有用である。その位置を固定するために、導体がヒューズ34に隣接してクランプ締めされるのが好ましい。このことは、ヒューズ34がカットオフ型のヒューズである場合に重要である。組み立て中、ヒューズがヒータからの一定距離を維持するためである。これは、ヒューズが正常動作中に比較的一定の温度を実現し、実際に過温条件が生じた際にのみ切断することを確実にする助けとなる。ヒューズがヒータに近づきすぎても、最高温度に達する前に回路を切断することができ、逆に、ヒータから遠すぎた場合は必要とされる時に切断しない。
【0031】
上側40シェルも、プラグ24の反対側のハウジング端部にライト室62を画定する下方に延びた内壁60を有している。これらの壁は多くの利点をもたらす。具体的には、それらがランプ32の位置決めを補助し、それによって一定位置で点灯される。それらは、ランプ32をヒータ30から保護し、それによって熱関連の経年劣化を低減する。また、それらは、さもないとハウジング22内部で失われる光を、ユーザが見ることのできるハウジング22の外側へと反射する。
【0032】
特に、光は特別な使用中表示70上へと方向付けられ、ユーザにディスペンサー20が動作中であることを表示する。この使用中表示70は、プラグ24の反対側のハウジング下側シェル42の端部から突出してリップまたは棚構造を形成する、ハウジング22の平坦な上向きの外部表面である。この上向き表面は、ハウジングシェル間の非常に幅の狭い横スリットまたはアパーチャ72(図7参照)に隣接して配置されている。アパーチャ72により、光がランプ32からハウジング22の外側へ遮られずに伝送され、使用中表示70の外部表面で反射されることが可能になる。使用中表示70のやや広い外部を照明することにより、ディスペンサー20がオンであることをユーザにより見やすく知らせることができる。アパーチャ72の幅が狭く、ハウジング22の(頂部でなく)垂直方向端部に配置されているので、物がハウジング22内へ入り込む機会が少なくなる。
【0033】
ランプ32はヒータ30と直列でプラグ24に結合されているので、ヒータ30が動作中にのみ点灯する。このことは、揮発性物質が活性化される前に、ヒータが動作温度へとウォームアップしながらデバイスが動作していることがユーザに分かるため、初期起動において役立つこともある。ユーザが誤ってディスペンサーが故障していると考えるのを防ぐことができる。また、揮発性物質を使い切った後でディスペンサーのプラグを外し、ヒータへの不要な通電を避けることをユーザに気付かせることもできる。また、ユーザに避けるべき熱い表面があることを警告する。
【0034】
前述したように、ディスペンサー20は、より効果的な揮発性物質の散布をもたらすいくつかの特徴を有している。図4〜6を参照すると、ハウジング22の下側シェル42が、周方向に離間され、ハウジング22に揮発性物質26のボトルが取り付けられるキャビティで開口する3個の垂直チャネルまたはエアダクト80を形成する。揮発性物質26のボトルが図6および7に示すようにハウジング22内へ完全に取り付けられると、垂直エアダクト80内へ空気が流れ込めるようにボトルの上部とハウジング22の間に小さい空隙が生じる。エアダクト80は、ボトルのネック部に沿ってハウジング内へと上方に空気を運ぶ。ここから、空気がウィック28の露出部に沿って上方および内方へ、ヒータ30の中央部を通り、さらに放出口36を通って流れることが可能となる。このように、エアダクト80はより多くの流量を提供してウィックに沿って空気を流すし、そこで空気が揮発性物質を捕らえて放出口36から上方へ運ぶことができる。
【0035】
図1および6〜8に示すように、放出口36はウィック28およびヒータ30の中央開口の直接(垂直方向)上方でハウジング上部シェル40の頂部にある。放出口36は、内側開口および大きい外側(または上側)開口を効果的に画定する、いくぶん漏斗形状のくぼんだ内壁により画定される。4個の小さい突出片90が、ヒータ30への指の接触を防ぐのに十分な開口の下部で径方向内側に延びている。放出口36の断面積は、底部で最小となる。放出口36の最小断面積は、少なくともヒータ30の中央開口の面積となるように、且つ上述のように垂直方向に一列に設計されている。これは、上部シェル40の下側に捉われることなく(このことによりハウジング22が過度に加熱されたりハウジング内部の凝結を引き起こすことがある)、ウィック28周りから昇る温かい揮発性物質を含んだ空気がハウジング22を通って外に出ることを確実にするのに役立つ。突出片90とともに示した実施形態では、突出片90が占める空間を収容するために、放出口36の底部が実際にはヒータ30の中央部よりも大きいサイズとされたが、放出口36の全断面積は少なくともヒータ開口部の面積とする。一実施形態では、ヒータ開口部が直径約1センチメータ(「cm」)、放出口が底部の直径で約1.2cm、対向する突出片同士の距離が約0.8cmとする。また、放出口36の底部がヒータ30の頂部からいくらか離間されることも重要である。こうして、その間の空気の流れ(図6参照)が上部シェル40が過度の高温とならないようにする(この場合には80℃を超えないことが好ましい)だけでなく、散布を補助する。最適なPTCヒータには10mm未満の距離で十分であると思われるが、好ましくは5mm以下、より一層好ましくは約3mm以下とする。
【0036】
図8に示すように、(エアダクト80に沿った)放出口36およびヒータ/ウィック配列の形状、寸法および間隔により、揮発した活性化物質の散布が改良される。ディスペンサーの底部からハウジング22を通って上昇する空気流は、ヒータ30周囲および上方だけでなくウィック28に沿ってヒータ30の中央部を通り上に流れる。このことにより、温かい活性物質を含んだ空気を中央に集め、放出口36を通して上昇させる傾向を持った、主に上方および内方に向かう空気流パターンが生じる。放出口36を通過する空気の柱状噴流は、その周辺で放出口36の漏斗状外形周囲を進む周辺のより低温な空気が放出された空気の柱状噴流の力によりほぼ来た方向に戻される前に、その空気と遭遇することになる。これは、柱状流パターンをディスペンサー上方まで延ばす助けとなり、それによってより強力な上昇揮発空気流を、ひいては活性化物質のより効果的な散布を生み出す。
【0037】
図11は、放出口がヒータから離れる上方向で径方向内側に向かって細くなった円錐台壁部100を含んでいる図8に類似の別の図を示している。この壁100は、より良く且つより一貫して放出口36の漏斗内へ下降する周囲空気を戻す助けとなり、それによってディスペンサー上方に一層高く上昇可能なより一層多くの空気の柱状噴流を形成する。壁100は、図示した実施形態において水平方向から約45度で延びているが、これは用途に応じて変えることもできる。例えば水平方向から5〜90度の角度が、ほとんどの環境において所望の効果を達成するのに適当であると想定される。この角度付きの壁は、360度まで連続させるよりセグメント化されてもよい。また、以前のように、最小放出口サイズがヒータの開口部またはそれより大きく維持され、指等が入るのを防ぐために小さい突出片を追加することもできる。
【0038】
本発明の特定の実施形態を詳細に説明してきたが、この説明が単に例示目的でしかないことが理解されよう。当業者によって以下の特許請求の範囲の精神から逸脱することなく、上述されたものに加えて好適な実施形態の開示された態様の様々な変形および対応する均等構造も可能である。したがって、以下の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲が、このような変形および均等構造を包含するように最大限に広く理にかなった解釈がなされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、揮発性物質の散布特性および使用中表示が改良された殺虫剤および芳香剤等の液体揮発性物質の電気式ディスペンサーを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の電気式揮発性物質ディスペンサーの斜視図である。
【図2】その側面図である。
【図3】その分解斜視図である。
【図4】ディスペンサーの内部から見下ろした図である。
【図5】揮発性物質容器を図示しない底面図である。
【図6】図4の線6−6に沿った端部断面図である。
【図7】図4の線7−7に沿った側部断面図である。
【図8】ディスペンサーのウィックおよび放出口領域周囲の空気流パターンを示す拡大部分断面図である。
【図9】水平方向向きの電気プラグを示す図4の線9−9に沿った断面図である。
【図10】垂直方向に回転した電気プラグを示す図9と類似の図である。
【図11】放出口に角度付き壁を有するが、図8と類似の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口および外部使用中表示表面を有するハウジングと、
ハウジングに取り付けられたヒータと、
ヒータに電気的に結合された電気プラグと、
放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器と、
ハウジング内に取り付けられて、使用中表示表面から反射するようにハウジング外部に光を伝送するランプとを備える、ディスペンサー。
【請求項2】
ハウジングが、ランプと使用中表示表面の間にアパーチャをさらに含んでいる、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
使用中表示表面が、ハウジングの放出口が開口している側に向いている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項4】
使用中表示表面が、ハウジングから突出して棚部を形成している、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項5】
使用中表示表面が、ハウジングの電気プラグと反対側に位置している、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項6】
電気プラグが電源コンセントに受容されると、使用中表示表面が上方に向く、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項7】
ランプがLEDである、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項8】
壁がランプとヒータの間に配置されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項9】
壁がハウジングの一部である、請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項10】
ハウジングがランプと使用中表示表面の間にアパーチャを有し、壁がランプからの光の方向を変えてアパーチャを通す、請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項11】
容器が、一端が液体揮発性物質に浸漬されたウィックを含んでいる、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項12】
ヒータと電気プラグの間に電気的に結合されたヒューズをさらに含んでいる、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項13】
ハウジングが、放出口で内側に延びる突出部を画定する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項14】
ヒータが、放出口の断面積以下の断面積を有する開口中央部を持ったリングヒータである、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項15】
容器が、一端が液体揮発性物質に浸漬され、他端がヒータの開口中央部に配置されたウィックを含んでいる、請求項14に記載のディスペンサー。
【請求項16】
放出口が、外側開口と内側開口を有し、内側開口が外側開口よりも小さいサイズとされている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項17】
内側開口が、外側開口に向かって延びる内壁によって画定される、請求項16に記載のディスペンサー。
【請求項18】
内壁が、内側開口から外側開口へ向かう方向に角度を持っている、請求項17に記載のディスペンサー。
【請求項19】
内壁が、水平方向から5〜90度の角度で内側に延びている、請求項18に記載のディスペンサー。
【請求項20】
放出口が、間に空隙をおいてヒータ近傍に位置している、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項21】
放出口が、ヒータから5mm以下離れている、請求項20に記載のディスペンサー。
【請求項22】
ハウジングが、下部に重なる上部の2個の部分を有している、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項23】
ハウジングが、容器とハウジングの間に空気を通すように、容器近傍にエアダクトを画定する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項24】
液体揮発性物質を気化するためのヒータを有する型の液体揮発性物質のプラグインディスペンサーであって、ディスペンサーの見る側から容易に見ることができるように、通電されるとハウジングの外部に光を伝送し、ハウジングの外部使用中表示表面に入射して使用中表示を照明するランプをディスペンサーのハウジング内部に有する、ディスペンサー。
【請求項25】
ハウジングが、ランプと使用中表示表面の間にアパーチャをさらに含んでいる、請求項24に記載のディスペンサー。
【請求項26】
使用中表示表面が、ハウジングから突出して棚部を形成している、請求項25に記載のディスペンサー。
【請求項27】
ハウジングが、ランプからの光をアパーチャを通して使用中表示表面上へと反射する分離壁をランプとヒータの間に画定する、請求項26に記載のディスペンサー。
【請求項28】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口を有し、ハウジングの両側に把持領域を画定するハウジングと、
ハウジングに取り付けられたヒータと、
ヒータに電気的に結合された電気プラグと、
放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器とを備える、ディスペンサー。
【請求項29】
把持領域がハウジングから外側に延びる凸状リブを含んでいる、請求項28に記載のディスペンサー。
【請求項30】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口を有するハウジングと、
ハウジング内に取り付けられたヒータと、
導電体によりヒータに電気的に結合され、ハウジングに少なくとも2つの角度方向で取り付け可能な電気プラグと、
放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器とを備え、
ハウジングが導電体の位置を固定するための締め具をさらに画定する、ディスペンサー。
【請求項31】
ヒータに電気的に結合された電力カットオフヒューズをさらに含み、締め具がヒューズの位置を固定する、請求項30に記載のディスペンサー。
【請求項32】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口を有し、第1の断面積を画定するハウジングと、
ハウジング内に取り付けられ、第1の断面積以下の第2の断面積を画定する開口中央部を有するヒータと、
一端が液体揮発性物質に浸漬され、他端が少なくとも部分的にヒータの開口中央部に配置されたウィックを有する、ハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器とを備える、ディスペンサー。
【請求項33】
放出口が、ヒータから離れる方向に角度を持った角度付き壁を含んでいる、請求項32に記載のディスペンサー。
【請求項34】
角度付き壁が、水平方向から5〜90度の角度で内側に延びている、請求項33に記載のディスペンサー。
【請求項1】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口および外部使用中表示表面を有するハウジングと、
ハウジングに取り付けられたヒータと、
ヒータに電気的に結合された電気プラグと、
放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器と、
ハウジング内に取り付けられて、使用中表示表面から反射するようにハウジング外部に光を伝送するランプとを備える、ディスペンサー。
【請求項2】
ハウジングが、ランプと使用中表示表面の間にアパーチャをさらに含んでいる、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
使用中表示表面が、ハウジングの放出口が開口している側に向いている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項4】
使用中表示表面が、ハウジングから突出して棚部を形成している、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項5】
使用中表示表面が、ハウジングの電気プラグと反対側に位置している、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項6】
電気プラグが電源コンセントに受容されると、使用中表示表面が上方に向く、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項7】
ランプがLEDである、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項8】
壁がランプとヒータの間に配置されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項9】
壁がハウジングの一部である、請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項10】
ハウジングがランプと使用中表示表面の間にアパーチャを有し、壁がランプからの光の方向を変えてアパーチャを通す、請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項11】
容器が、一端が液体揮発性物質に浸漬されたウィックを含んでいる、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項12】
ヒータと電気プラグの間に電気的に結合されたヒューズをさらに含んでいる、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項13】
ハウジングが、放出口で内側に延びる突出部を画定する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項14】
ヒータが、放出口の断面積以下の断面積を有する開口中央部を持ったリングヒータである、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項15】
容器が、一端が液体揮発性物質に浸漬され、他端がヒータの開口中央部に配置されたウィックを含んでいる、請求項14に記載のディスペンサー。
【請求項16】
放出口が、外側開口と内側開口を有し、内側開口が外側開口よりも小さいサイズとされている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項17】
内側開口が、外側開口に向かって延びる内壁によって画定される、請求項16に記載のディスペンサー。
【請求項18】
内壁が、内側開口から外側開口へ向かう方向に角度を持っている、請求項17に記載のディスペンサー。
【請求項19】
内壁が、水平方向から5〜90度の角度で内側に延びている、請求項18に記載のディスペンサー。
【請求項20】
放出口が、間に空隙をおいてヒータ近傍に位置している、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項21】
放出口が、ヒータから5mm以下離れている、請求項20に記載のディスペンサー。
【請求項22】
ハウジングが、下部に重なる上部の2個の部分を有している、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項23】
ハウジングが、容器とハウジングの間に空気を通すように、容器近傍にエアダクトを画定する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項24】
液体揮発性物質を気化するためのヒータを有する型の液体揮発性物質のプラグインディスペンサーであって、ディスペンサーの見る側から容易に見ることができるように、通電されるとハウジングの外部に光を伝送し、ハウジングの外部使用中表示表面に入射して使用中表示を照明するランプをディスペンサーのハウジング内部に有する、ディスペンサー。
【請求項25】
ハウジングが、ランプと使用中表示表面の間にアパーチャをさらに含んでいる、請求項24に記載のディスペンサー。
【請求項26】
使用中表示表面が、ハウジングから突出して棚部を形成している、請求項25に記載のディスペンサー。
【請求項27】
ハウジングが、ランプからの光をアパーチャを通して使用中表示表面上へと反射する分離壁をランプとヒータの間に画定する、請求項26に記載のディスペンサー。
【請求項28】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口を有し、ハウジングの両側に把持領域を画定するハウジングと、
ハウジングに取り付けられたヒータと、
ヒータに電気的に結合された電気プラグと、
放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器とを備える、ディスペンサー。
【請求項29】
把持領域がハウジングから外側に延びる凸状リブを含んでいる、請求項28に記載のディスペンサー。
【請求項30】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口を有するハウジングと、
ハウジング内に取り付けられたヒータと、
導電体によりヒータに電気的に結合され、ハウジングに少なくとも2つの角度方向で取り付け可能な電気プラグと、
放出口を通して液体揮発性物質を気化できるように、ヒータ近傍でハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器とを備え、
ハウジングが導電体の位置を固定するための締め具をさらに画定する、ディスペンサー。
【請求項31】
ヒータに電気的に結合された電力カットオフヒューズをさらに含み、締め具がヒューズの位置を固定する、請求項30に記載のディスペンサー。
【請求項32】
液体揮発性物質の電気作動ディスペンサーであって、
放出口を有し、第1の断面積を画定するハウジングと、
ハウジング内に取り付けられ、第1の断面積以下の第2の断面積を画定する開口中央部を有するヒータと、
一端が液体揮発性物質に浸漬され、他端が少なくとも部分的にヒータの開口中央部に配置されたウィックを有する、ハウジングに取り付け可能な液体揮発性物質の容器とを備える、ディスペンサー。
【請求項33】
放出口が、ヒータから離れる方向に角度を持った角度付き壁を含んでいる、請求項32に記載のディスペンサー。
【請求項34】
角度付き壁が、水平方向から5〜90度の角度で内側に延びている、請求項33に記載のディスペンサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−504121(P2008−504121A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518287(P2007−518287)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/022350
【国際公開番号】WO2006/012249
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/022350
【国際公開番号】WO2006/012249
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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