説明

電気掃除機およびその吸込口体

【課題】塵埃を掻き出し可能な範囲を拡大した床ブラシを提供する。
【解決手段】床ブラシ23は、ケース体31を有する。床ブラシ23は、ケース体31の下部に開口するとともに両側がケース体31の側部に開口するブラシ収容部44をケース体31に有する。床ブラシ23は、ブラシ収容部44の両側よりも中心側の位置に軸受部53,53を有する。床ブラシ23は、外周に各毛ブラシ部79,88,97を備え、軸受部53,53を両側から挟んで互いに連結して軸受部53,53に軸支した複数の回転ブラシ61,62,63をブラシ収容部44の両側近傍間に亘って収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ケース体に回転可能に軸支される回転清掃体を有する電気掃除機の吸込口体およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばキャニスタ型の電気掃除機などに用いられる吸込口体としての床ブラシは、横長のケース体と、このケース体から突出して延長管に接続される接続管とを有している。ケース体には、被掃除面としての床面に対向する下部に横長の吸込口が形成されており、この吸込口内に回転清掃体としての回転ブラシが回転可能に配置されている。
【0003】
回転ブラシは、両端が吸込口の両側に形成された壁部に軸支されている。そのため、壁部の位置では塵埃を床面から掻き出すことが容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−104322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、塵埃を掻き出し可能な範囲を拡大した電気掃除機の吸込口体およびこれを備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の吸込口体は、ケース体を有する。また、この吸込口体は、ケース体に設けられ、ケース体の下部に開口するとともに両側がこのケース体の側部に開口する回転清掃体収容部を有する。さらに、この吸込口体は、回転清掃体収容部の両側よりも中心側の位置に設けられた軸受部を有する。そして、この吸込口体は、外周に清掃部材を備え、回転清掃体収容部にそれぞれ収容され、軸受部を両側から挟んで互いに連結されこの軸受部に軸支されて回転清掃体収容部の両側近傍間に亘って位置する複数の回転清掃体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態の吸込口体を下側から示す平面図である。
【図2】同上吸込口体の回転清掃体を除去して下側から示す平面図である。
【図3】同上吸込口体の一部を示す斜視図である。
【図4】同上吸込口体の一部を示す分解図である。
【図5】(a)は同上吸込口体の回転清掃体の一部を示す側面図、(b)は同上吸込口体の回転清掃体の他の一部を側面図である。
【図6】同上吸込口体のケース体の一部を示す縦断側面図である。
【図7】同上吸込口体のケース体の一部を示す縦断正面図である。
【図8】同上吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態の吸込口体を下側から示す平面図である。
【図10】同上吸込口体の一部を示す分解図である。
【図11】(a)は同上吸込口体の回転清掃体の一部を示す側面図、(b)は同上吸込口体の回転清掃体の他の一部を側面図である。
【図12】同上吸込口体のケース体の一部を示す縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図8を参照して説明する。
【0009】
図8において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、掃除機本体12と、この掃除機本体12に着脱可能に接続される風路形成体である管部13とを有している。
【0010】
掃除機本体12は、被掃除面としての床面上を旋回および走行可能であり、電動送風機18、この電動送風機18の動作を制御する図示しない本体制御部、および、これら電動送風機18および本体制御部などに給電するための電源部などを収容しているとともに、電動送風機18の吸込側に連通する図示しない集塵部を備えている。また、掃除機本体12の前部には、集塵部に連通するとともに管部13の基端側が接続される本体吸込口19が開口形成されている。
【0011】
また、管部13は、ホース体21と、このホース体21に対して着脱可能な延長管22と、この延長管22に対して着脱可能な吸込口体としての床ブラシ23とを備えている。
【0012】
ホース体21は、可撓性を有するホース部25と、このホース部25の基端側(下流側)に設けられ本体吸込口19に接続される接続管部26と、ホース部25の先端側(上流側)に設けられた手元操作部27とを有している。
【0013】
手元操作部27には、延長管22の基端側(下流側)が着脱可能に接続される。また、この手元操作部27には、作業者が把持する把持部28が基端側に突出して形成されており、この把持部28には電動送風機18の動作モードを本体制御部に設定するための設定ボタン29が配置されている。
【0014】
また、図1ないし図8に示すように、床ブラシ23は、左右幅方向に長手状、すなわち横長に形成されたケース体31と、このケース体31の後部に突出し延長管22の先端側(上流側)に着脱可能に接続される接続管32とを備えている。
【0015】
ケース体31は、例えば上側が開口した横長の下ケース35、この下ケース35の上側を覆う横長の上ケース36、および、これら下ケース35と上ケース36とにより挟持されるバンパ37により構成されている。
【0016】
下ケース35は、平面視で横長の略長方形状の下ケース本体41と、この下ケース本体41の後部中央から後方に突出する突出部42とを一体に備え、平面視で略凸字状となっている。下ケース本体41の床面に対向する下面には、前端に対して後方に離間された位置に、左右方向(長手方向)に沿って直線状の回転清掃体収容部としてのブラシ収容部44が凹設されており、このブラシ収容部44の前部に、複数の吸引口45が形成されている。また、下ケース本体41の下面には、ブラシ収容部44の前方でかつ吸引口45と異なる位置に起毛布47が例えば互いに左右対称な位置に配置されている。さらに、突出部42の後部には、床面に接触して従動回転する従動輪である走行輪48,48が接続管32の両側に回転可能に軸支されている。
【0017】
ブラシ収容部44は、下側がケース体31(下ケース35)の下部に開口しているとともに、左右両側に一方および他方の連通口51,51が形成されている。これら連通口51,51は、ケース体31(下ケース35)の両側外部とブラシ収容部44とを連通するものであり、ケース体31(下ケース35)の側面部52,52の下端側を円弧状に切り欠いて形成されている。また、ブラシ収容部44内には、このブラシ収容部44の両側よりも左右幅方向(長手方向)の中心側の位置で、かつ、このブラシ収容部44を左右幅方向(長手方向)に略三等分する位置に、一方および他方の軸受部53,53が壁状に突設されている。すなわち、これら軸受部53,53によって、ブラシ収容部44は、収容部である第1ないし第3の収容部55〜57に分割されている。さらに、これら第1ないし第3の収容部55〜57には、回転清掃体としての第1ないし第3の回転ブラシ61〜63が回転可能に収容されている。そして、第1の回転ブラシ61と第2の回転ブラシ62と、および、第2の回転ブラシ62と第3の回転ブラシ63とが、それぞれ軸受体64を介して軸受部53を挟み込んで配置され、ブラシ収容部44の両側近傍間、すなわち一方および他方の連通口51,51近傍間に亘って位置している。したがって、このブラシ収容部44は、回転ブラシ室である。なお、ブラシ収容部44の両側近傍(一方および他方の連通口51,51近傍)とは、ブラシ収容部44の両側(一方及び他方の連通口51,51)に接近したブラシ収容部44の内方の位置、ブラシ収容部44の両側(一方及び他方の連通口51,51)すなわちケース体31の側面部52,52と面一な位置、および、ブラシ収容部44の両側(一方及び他方の連通口51,51)すなわちケース体31の側面部52,52からブラシ収容部44の外部へと若干突出した位置をそれぞれ含むものとする。
【0018】
各軸受部53は、前後方向に沿って面方向を有しており、ブラシ収容部44の上側から下側に向けて突設されている。したがって、これら各軸受部53によって、第1ないし第3の収容部55〜57は、互いに連通しない状態、すなわち通気が遮断された状態で区画されている。また、各軸受部53の下端部には、各軸受体64が嵌合される四角形状の嵌合部65が切り欠き形成されており、この嵌合部65の前後に対向する両側縁部には、各軸受体64を各軸受部53に係止固定するための半円状の係合凹部66,66が切り欠き形成されている。さらに、各軸受部53の下端部の左右両側は、先端側へと互いに接近するように傾斜した傾斜状の傾斜部67,67となっている。すなわち、これら傾斜部67,67により、各軸受部53は、先端側ほど細くなるように形成されている。
【0019】
第1の収容部55は、一方の連通口51を介してケース体31(下ケース35)の一側外部と連通している。また、この第1の収容部55には、一方の軸受部53の近傍に、(一方の)吸気口68が形成されている。
【0020】
また、第2の収容部56は、第1の収容部55と第3の収容部57との間に位置しており、ケース体31(下ケース35)の両側外部と連通していない。さらに、この第2の収容部56の後部には、吸込口71が形成されている。この吸込口71は、ケース体31の内部に区画された吸込風路72を介して床ブラシ23の接続管32に連通している。
【0021】
また、第3の収容部57は、他方の連通口51を介してケース体31(下ケース35)の他側外部と連通している。また、この第3の収容部57には、他方の軸受部53の近傍に、(他方の)吸気口74が形成されている。
【0022】
そして、第1の収容部55の吸気口68と第3の収容部57の吸気口74とは、ブラシ収容部44の上部から後部に亘ってケース体31内に形成された連通風路75を介して互いに連通している。この連通風路75は、下ケース35と上ケース36との間に、吸込風路72とは別個に左右幅方向に長手状に形成されており、この吸込風路72に対して連通している。
【0023】
また、第1の回転ブラシ61は、第1の収容部55に左右幅方向(長手方向)に沿って収容されるものであり、第1の軸部としての略円柱状(円筒状)の第1のブラシ台77と、この第1のブラシ台77の他端側を保持して一方の軸受体64により一方の軸受部53に軸支される第1の保持部としての第1の受板78とを有している。すなわち、この第1の回転ブラシ61は、一方の軸受部53により片持ち支持されている。そして、第1のブラシ台77と第1の受板78との外周面には、清掃部材である第1の清掃部材としての第1の毛ブラシ部79が突出している。
【0024】
第1のブラシ台77は、一端側が一方の連通口51からケース体31(下ケース35)の一側に露出し、この一方の連通口51からケース体31(下ケース35)の側方へと若干突出している。
【0025】
また、第1の受板78は、平坦な円柱状に形成されており、軸方向の一端側に、第1のブラシ台77の他端側が挿入嵌合される第1の嵌合凹部78aが凹設されているとともに、軸方向の他端側に、一方の軸受体64に挿入される円筒状(ボス状)の第1の連結部78bが突設されている。
【0026】
さらに、第1の毛ブラシ部79は、第1のブラシ台77の外周面から突出する第1の軸部清掃部材としての第1のブラシ台毛ブラシ部81と、第1の受板78の外周面から突出する第1の保持部清掃部材としての第1の受板毛ブラシ部82とを備えている。
【0027】
第1のブラシ台毛ブラシ部81は、多数の毛ブラシが第1のブラシ台77の径方向に沿って放射状(直線状)に突出するとともに、第1のブラシ台77の軸方向の両端間に亘って連続的に配置されて構成され、例えば全体として螺旋状となっている。
【0028】
また、第1の受板毛ブラシ部82は、多数の毛ブラシが第1の受板78の外周面に対して略垂直状に突出して構成された第1の直毛部82aと、多数の毛ブラシが第1の受板78の外周面に対して傾斜状に突出して構成された第1の傾斜毛部82bとを有し、複数、例えば2つの第1の直毛部82aと、複数、例えば2つの第1の傾斜毛部82bとが、第1の受板78の周方向に交互に配置されている。すなわち、第1の直毛部82aと第1の傾斜毛部82bとは、第1の受板78の周方向に所定角度(90°)ずつ配置されている。
【0029】
第1の直毛部82aは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で直下の床面と接触し、この床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0030】
また、第1の傾斜毛部82bは、一方の軸受体64側へと、この一方の軸受体64を覆うように例えば45°程度の角度で傾斜している。すなわち、この第1の傾斜毛部82bは、第2の回転ブラシ62側へと傾斜している。また、この第1の傾斜毛部82bは、第1の受板78の外周面からの径方向に沿う突出寸法L1が、第1の受板78の外周面からの径方向に沿う第1の直毛部82aの突出寸法L2と略等しく設定されている。すなわち、第1の傾斜毛部82bの先端と第1の直毛部82aの先端とは、第1の受板78の中心軸を中心とする同一円周上に位置している。そして、この第1の傾斜毛部82bは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で一方の軸受部53の下方の床面と接触し、この一方の軸受部53の下方の床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0031】
また、第2の回転ブラシ62は、第2の収容部56に左右幅方向(長手方向)に沿って収容されるものであり、第2の軸部としての略円柱状(円筒状)の第2のブラシ台85と、この第2のブラシ台85の一端側を保持して一方の軸受体64により一方の軸受部53に軸支される第2の一端側保持部としての第2の一端側受板86と、第2のブラシ台85の他端側を保持して他方の軸受体64により他方の軸受部53に軸支される第2の他端側保持部としての第2の他端側受板87とを有している。すなわち、この第2の回転ブラシ62は、軸受部53,53により両持ち支持されている。そして、第2のブラシ台85と第2の一端側受板86と第2の他端側受板87との外周面には、清掃部材である第2の清掃部材としての第2の毛ブラシ部88が突出している。
【0032】
第2の一端側受板86は、平坦な円柱状に形成されており、軸方向の一端側に、一方の軸受体64に挿入されるとともに第1の回転ブラシ61の第1の受板78の第1の連結部78bに挿入接続される円柱状の第2の一端側連結部86aが突設されているとともに、軸方向の他端側に、第2のブラシ台85の一端側が挿入嵌合される第2の一端側嵌合凹部86bが凹設されている。
【0033】
また、第2の他端側受板87は、第1の受板78と同様に、平坦な円柱状に形成されており、軸方向の一端側に、第2のブラシ台85の他端側が挿入嵌合される第2の他端側嵌合凹部87aが凹設されているとともに、軸方向の他端側に、他方の軸受体64に挿入される円筒状(ボス状)の第2の他端側連結部87bが突設されている。
【0034】
さらに、第2の毛ブラシ部88は、第2のブラシ台85の外周面から突出する第2の軸部清掃部材としての第2のブラシ台毛ブラシ部91と、第2の一端側受板86の外周面から突出する第2の一端側保持部清掃部材としての第2の一端側受板毛ブラシ部92と、第2の他端側受板87の外周面から突出する第2の他端側保持部清掃部材としての第2の他端側受板毛ブラシ部93とを備えている。
【0035】
第2のブラシ台毛ブラシ部91は、多数の毛ブラシが第2のブラシ台85の径方向に沿って放射状(直線状)に突出するとともに、第2のブラシ台85の軸方向の両端間に亘って連続的に配置されて構成され、例えば全体として螺旋状となっている。
【0036】
また、第2の一端側受板毛ブラシ部92は、多数の毛ブラシが第2の一端側受板86の外周面に対して略垂直状に突出して構成された第2の一端側直毛部92aと、多数の毛ブラシが第2の一端側受板86の外周面に対して傾斜状に突出して構成された第2の一端側傾斜毛部92bとを有し、複数、例えば2つの第2の一端側直毛部92aと、複数、例えば2つの第2の一端側傾斜毛部92bとが、第2の一端側受板86の周方向に交互に配置されている。すなわち、第2の一端側直毛部92aと第2の一端側傾斜毛部92bとは、第2の一端側受板86の周方向に所定角度(90°)ずつ配置されている。
【0037】
第2の一端側直毛部92aは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で直下の床面と接触し、この床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0038】
また、第2の一端側傾斜毛部92bは、一方の軸受体64側へと、この一方の軸受体64を覆うように例えば45°程度の角度で傾斜している。すなわち、この第2の一端側傾斜毛部92bは、第1の回転ブラシ61側へと傾斜している。また、この第2の一端側傾斜毛部92bは、第2の一端側受板86の外周面からの径方向に沿う突出寸法L3が、第2の一端側受板86の外周面からの径方向に沿う第2の一端側直毛部92aの突出寸法L4と略等しく設定されている。すなわち、第2の一端側傾斜毛部92bの先端と第2の一端側直毛部92aの先端とは、第2の一端側受板86の中心軸を中心とする同一円周上に位置している。さらに、この第2の一端側傾斜毛部92bは、第1の回転ブラシ61と第2の回転ブラシ62とを接続した状態で、第1の受板78の第1の傾斜毛部82bと周方向にずれるように位置している。すなわち、第1の回転ブラシ61と第2の回転ブラシ62とを接続した状態で、第1の受板78の第1の傾斜毛部82bが第2の一端側受板86の第2の一端側直毛部92aに対向して位置し、第2の一端側受板86の第2の一端側傾斜毛部92bが第1の受板78の第1の直毛部82aに対向して位置する。換言すれば、第1の直毛部82aおよび第1の傾斜毛部82bと、第2の一端側直毛部92aおよび第2の一端側傾斜毛部92bとが、回転ブラシ61,62の周方向に互い違いとなっている。そして、この第2の一端側傾斜毛部92bは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で一方の軸受部53の下方の床面と接触し、この一方の軸受部53の下方の床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0039】
また、第2の他端側受板毛ブラシ部93は、多数の毛ブラシが第2の他端側受板87の外周面に対して略垂直状に突出して構成された第2の他端側直毛部93aと、多数の毛ブラシが第2の他端側受板87の外周面に対して傾斜状に突出して構成された第2の他端側傾斜毛部93bとを有し、複数、例えば2つの第2の他端側直毛部93aと、複数、例えば2つの第2の他端側傾斜毛部93bとが、第2の他端側受板87の周方向に交互に配置されている。すなわち、第2の他端側直毛部93aと第2の他端側傾斜毛部93bとは、第2の他端側受板87の周方向に所定角度(90°)ずつ配置されている。
【0040】
第2の他端側直毛部93aは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で直下の床面と接触し、この床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0041】
また、第2の他端側傾斜毛部93bは、他方の軸受体64側へと、この他方の軸受体64を覆うように例えば45°程度の角度で傾斜している。すなわち、この第2の他端側傾斜毛部93bは、第3の回転ブラシ63側へと傾斜している。また、この第2の他端側傾斜毛部93bは、第2の他端側受板87の外周面からの径方向に沿う突出寸法L5が、第2の他端側受板87の外周面からの径方向に沿う第2の他端側直毛部93aの突出寸法L6と略等しく設定されている。すなわち、第2の他端側傾斜毛部93bの先端と第2の他端側直毛部93aの先端とは、第2の他端側受板87の中心軸を中心とする同一円周上に位置している。そして、この第2の他端側傾斜毛部93bは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で他方の軸受部53の下方の床面と接触し、この他方の軸受部53の下方の床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0042】
また、第3の回転ブラシ63は、第3の収容部57に左右幅方向(長手方向)に沿って収容されるものであり、第3の軸部としての略円柱状(円筒状)の第3のブラシ台95と、この第3のブラシ台95の一端側を保持して他方の軸受体64により他方の軸受部53に軸支される第3の保持部としての第3の受板96とを有している。すなわち、この第3の回転ブラシ63は、他方の軸受部53により片持ち支持されている。そして、第3のブラシ台95と第3の受板96との外周面には、清掃部材である第3の清掃部材としての第3の毛ブラシ部97が突出している。
【0043】
第3のブラシ台95は、一端側が他方の連通口51からケース体31(下ケース35)の他側に露出し、この他方の連通口51からケース体31(下ケース35)の側方へと若干突出している。
【0044】
また、第3の受板96は、平坦な円柱状に形成されており、軸方向の一端側に、他方の軸受体64に挿入されるとともに第2の回転ブラシ62の第2の他端側受板87の第2の他端側連結部87bに挿入接続される円柱状の第3の連結部96aが突設されているとともに、軸方向の他端側に、第3のブラシ台95の一端側が挿入嵌合される第3の嵌合凹部96bが凹設されている。
【0045】
さらに、第3の毛ブラシ部97は、第3のブラシ台95の外周面から突出する第3の軸部清掃部材としての第3のブラシ台毛ブラシ部101と、第3の受板96の外周面から突出する第3の保持部清掃部材としての第3の受板毛ブラシ部102とを備えている。
【0046】
第3のブラシ台毛ブラシ部101は、多数の毛ブラシが第3のブラシ台95の径方向に沿って放射状(直線状)に突出するとともに、第3のブラシ台95の軸方向の両端間に亘って連続的に配置されて構成され、例えば全体として螺旋状となっている。
【0047】
また、第3の受板毛ブラシ部102は、多数の毛ブラシが第3の受板96の外周面に対して略垂直状に突出して構成された第3の直毛部102aと、多数の毛ブラシが第3の受板96の外周面に対して傾斜状に突出して構成された第3の傾斜毛部102bとを有し、複数、例えば2つの第3の直毛部102aと、複数、例えば2つの第3の傾斜毛部102bとが、第3の受板96の周方向に交互に配置されている。すなわち、第3の直毛部102aと第3の傾斜毛部102bとは、第3の受板96の周方向に所定角度(90°)ずつ配置されている。
【0048】
第3の直毛部102aは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で直下の床面と接触し、この床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0049】
また、第3の傾斜毛部102bは、他方の軸受体64側へと、この他方の軸受体64を覆うように例えば45°程度の角度で傾斜している。すなわち、この第3の傾斜毛部102bは、第2の回転ブラシ62側へと傾斜している。また、この第3の傾斜毛部102bは、第3の受板96の外周面からの径方向に沿う突出寸法L7が、第3の受板96の外周面からの径方向に沿う第3の直毛部102aの突出寸法L8と略等しく設定されている。すなわち、第3の傾斜毛部102bの先端と第3の直毛部102aの先端とは、第3の受板96の中心軸を中心とする同一円周上に位置している。さらに、この第3の傾斜毛部102bは、第2の回転ブラシ62と第3の回転ブラシ63とを接続した状態で、第2の他端側受板87の第2の他端側傾斜毛部93bと周方向にずれるように位置している。すなわち、第2の回転ブラシ62と第3の回転ブラシ63とを接続した状態で、第2の他端側受板87の第2の他端側傾斜毛部93bが第3の受板96の第3の直毛部102aに対向して位置し、第3の受板96の第3の傾斜毛部102bが第2の他端側受板87の第2の他端側直毛部93aに対向して位置する。換言すれば、第2の他端側直毛部93aおよび第2の他端側傾斜毛部93bと、第3の直毛部102aおよび第3の傾斜毛部102bとが、回転ブラシ62,63の周方向に互い違いとなっている。そして、この第3の傾斜毛部102bは、床ブラシ23を床面上に載置した状態で他方の軸受部53の下方の床面と接触し、この他方の軸受部53の下方の床面に付着した(入り込んだ)塵埃を掻き出すものである。
【0050】
そして、各軸受体64は、各軸受部53の嵌合部65に嵌合される軸受体本体105と、この軸受体本体105に圧入される軸受106とを備えている。
【0051】
軸受体本体105は、平坦な角筒状に形成されており、中央部に、軸受106が圧入される圧入孔105aが形成されており、この圧入孔105aの内部には、軸受106を受け止めて位置決めする段差部105bが形成されている。また、軸受体本体105の前後両側には、係合凹部66に挿入嵌合される図示しない半円状の凸部がそれぞれ突設されている。
【0052】
また、軸受106は、例えば含油メタルなどにより形成されたものであり、中央部に円形状の軸受孔106aが形成されている。この軸受孔106aは、第1の受板78の第1の連結部78b、あるいは第2の他端側受板87の第2の他端側連結部87bが挿入される部分である。さらに、この軸受106には、軸受体本体105の段差部105bに当接することで軸受106を軸受体本体105に対して位置決めして係止する段差状の係止段差部106bが形成されている。
【0053】
また、吸引口45は、ケース体31(下ケース35)の前側外部とブラシ収容部44とを連通して第1ないし第3の回転ブラシ61〜63を回転駆動させる吸気風を第1ないし第3の収容部55〜57へと吸引するものであり、ブラシ収容部44の第1ないし第3の収容部55〜57のそれぞれに対応する位置に配置され、下ケース35の前面部108の下端側を切り欠いて形成されている。
【0054】
また、起毛布47は、床ブラシ23(ケース体31)を床面上で走行させた際の床面の傷付きを防止するとともに床面の塵埃を掻き取るものである。
【0055】
次に、上記第1の実施形態の作用を説明する。
【0056】
床ブラシ23に回転ブラシ61〜63を組み込む際には、まず、第1のブラシ台77の他端側を第1の受板78の第1の嵌合凹部78aに挿入嵌合するとともに、軸受体本体105の圧入孔105aに軸受106を予め圧入した軸受体64に対して、第1の受板78の第1の連結部78bを軸受孔106aに一側から挿入する。そして、第2のブラシ台85の一端側を第2の一端側嵌合凹部86bに挿入嵌合した第2の一端側受板86の第2の一端側連結部86aを、軸受体64の軸受孔106aに他側から挿入し、第1の連結部78bに挿入して嵌着させる。この結果、第1の回転ブラシ61と第2の回転ブラシ62とが、軸受体64を挟み込んだ状態で連結される。
【0057】
同様に、第2のブラシ台85の他端側を第2の他端側受板87の第2の他端側嵌合凹部87aに挿入嵌合するとともに、軸受体本体105の圧入孔105aに軸受106を予め圧入した軸受体64に対して、第2の他端側受板87の第2の他端側連結部87bを軸受孔106aに一側から挿入する。そして、第3のブラシ台95の一端側を第3の嵌合凹部96bに挿入嵌合した第3の受板96の第3の連結部96aを、軸受体64の軸受孔106aに他側から挿入し、第2の他端側連結部87bに挿入して嵌着させる。この結果、第2の回転ブラシ62と第3の回転ブラシ63とが、軸受体64を挟み込んだ状態で連結される。したがって、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63が軸受体64,64を介して一直線状に連結される。
【0058】
この状態で、各軸受体64の軸受体本体105を、各軸受部53の嵌合部65にそれぞれ嵌合させるとともに、係合凹部66,66に凸部をそれぞれ係止することで、各軸受体64を各軸受部53に係止固定する。この結果、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63が第1ないし第3の収容部55〜57にそれぞれ収容され、ブラシ収容部44に回転可能に収容される。
【0059】
そして、掃除の際には、掃除機本体12の本体吸込口19にホース体21の接続管部26を接続し、このホース体21の手元操作部27に延長管22を接続し、この延長管22に床ブラシ23の接続管32を接続する。この結果、床ブラシ23が、(延長管22、ホース体21、本体吸込口19および集塵部を介して)電動送風機18の吸込側に連通接続される。
【0060】
作業者は、電源コードを壁面などのコンセントに接続した後、把持部28を把持し、所望の設定ボタン29を操作することにより、本体制御部を介して電動送風機18を所望の動作モードで起動させる。この電動送風機18の駆動により、負圧が集塵部、本体吸込口19、ホース体21、延長管22および床ブラシ23の吸込口71および吸気口68,74へと順次作用する。したがって、床ブラシ23を床面上に載置した状態で、吸気風が形成され、この吸気風が、各吸引口45から第1ないし第3の収容部55〜57(ブラシ収容部44)へと後方に向けて吸い込まれ、第1ないし第3の毛ブラシ部79,88,97に吹き付けられて、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63を一体的に回転させる。
【0061】
そして、作業者は、床ブラシ23を床面上で前後に走行させることで、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63の第1ないし第3の毛ブラシ部79,88,97によって床面の塵埃を掻き出しつつ、吸込口71および吸気口68,74から吸い込む。このとき、第1ないし第3の毛ブラシ部79,88,97は、各ブラシ台毛ブラシ部81,91,101が床面の塵埃を掻き出すとともに、各直毛部82a,92a,93a,102aが直下の床面の塵埃を掻き出し、かつ、各傾斜毛部82b,92b,93b,102bが回転ブラシ61〜63の連結部である軸受部53(軸受体64)の位置の下側の床面の塵埃を掻き出す。したがって、第1ないし第3の毛ブラシ部79,88,97は、ブラシ収容部44の一側から他側に亘って、すなわち一方の連通口51から他方の連通口51に亘るケース体31の左右幅方向全体の床面の塵埃を、死角を作ることなく全体に亘って掻き出すことができる。なお、各傾斜毛部82b,92b,93b,102bは、軸受部53の先端側の傾斜部67,67によって左右に掻き分けられるため、各ブラシ台毛ブラシ部81,91,101の軸受部53側に傾斜した部分、および、各傾斜毛部82b,92b,93b,102bが他部との接触などで摩耗することがない。
【0062】
そして、吸込口71から吸い込まれた吸気風は、塵埃とともに吸込風路72へと流れ、吸気口68,74から吸い込まれた吸気風は、連通風路75を介して塵埃とともに吸込風路72へと流れる。そして、この吸込風路72を通過した吸気風は、接続管32、延長管22、ホース体21、本体吸込口19を介して集塵部へと吸い込まれ、集塵部において塵埃が分離捕集される。また、塵埃が捕集された吸気風は、電動送風機18へと吸い込まれ、この電動送風機18を冷却した後、排気されて排気風となり、掃除機本体12の外部へと排気される。
【0063】
上述したように、上記第1の実施形態によれば、ブラシ収容部44の前部に設けた各吸引口45から吸い込んだ空気を回転ブラシ61〜63に当ててこれら回転ブラシ61〜63を回転させることにより、これら回転ブラシ61〜63を回転させる駆動手段を別途設ける必要がなく、床ブラシ23の構成の簡略化、床ブラシ23の小型化および軽量化などが可能になる。
【0064】
次に、第2の実施形態を図9ないし図12を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0065】
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態の第1ないし第3の回転ブラシ61〜63を、駆動手段としての電動機111により回転駆動させるものである。
【0066】
この電動機111は、ブラシ収容部44の後方の位置にてケース体31内に配置されている。また、この電動機111は、左右幅方向に沿って軸方向を有しており、ケース体31の左右幅方向の中心側に向けて、回転軸111aが突出している。
【0067】
この回転軸111aの先端部には、プーリ111bが一体的に取り付けられており、このプーリ111bと第1ないし第3の回転ブラシ61〜63のいずれか、例えば本実施形態では第3の回転ブラシ63との間に無端状にベルト112が巻き掛けられている。
【0068】
そして、電動機111は、ケース体31内に収容された図示しない回路基板などに形成された制御回路によって駆動が制御される。この制御回路は、例えば設定ボタン29と電気的に接続されており、電動送風機18が駆動している状態で、設定ボタン29の操作によって電動機111のオンオフを切り換えるように構成されている。
【0069】
また、第3の回転ブラシ63は、第3の受板96の他端側の外周面に、駆動伝達部である接続部115が一体形成されている。すなわち、この接続部115は、第3の受板96と同軸の円筒状となっており、外周面にベルト112が巻き掛けられている。
【0070】
ここで、第3の回転ブラシ63の第3の受板96の外周面に配置された第3の受板毛ブラシ部102は、第3の直毛部102aおよび第3の傾斜毛部102bの他に、接続部115(ベルト112)側へと傾斜状に突出する第3の傾斜突出毛部102cを備えており、複数、例えば3つの第3の直毛部102aと、複数、例えば3つの第3の傾斜毛部102bと、複数、例えば3つの第3の傾斜突出毛部102cとが、第3の受板96の周方向に順次配置されている。すなわち、第3の直毛部102aと第3の傾斜毛部102bと第3の傾斜突出毛部102cとは、第3の受板96の周方向に所定角度(40°)ずつ配置されている。さらに、第3の回転ブラシ63の第3のブラシ台毛ブラシ部101は、第3のブラシ台95の軸方向の一端側である他方の軸受部53側の一部に、この他方の軸受部53に向けて傾斜状に突出した傾斜毛部101aを備えている。
【0071】
また、第3の傾斜突出毛部102cは、第3の受板96の外周面からの径方向に沿う突出寸法L9が、第3の受板96の外周面からの径方向に沿う第3の傾斜毛部102bの突出寸法L7と略等しく設定されている。すなわち、第3の傾斜突出毛部102cの先端、第3の直毛部102aの先端、および、第3の傾斜毛部102bの先端は、第3の受板96の中心軸を中心とする同一円周上に位置している。
【0072】
また、第2の回転ブラシ62の第2の他端側受板87の外周面に配置された第2の他端側受板毛ブラシ部93は、第2の他端側直毛部93aおよび第2の他端側傾斜毛部93bの他に、第2のブラシ台85側へと傾斜状に突出する第2の他端側傾斜突出毛部93cを備えており、複数、例えば3つの第2の他端側直毛部93aと、複数、例えば3つの第2の他端側傾斜毛部93bと、複数、例えば3つの第2の他端側傾斜突出毛部93cとが、第2の他端側受板87の周方向に順次配置されている。すなわち、第2の他端側直毛部93aと第2の他端側傾斜毛部93bと第2の他端側傾斜突出毛部93cとは、第2の他端側受板87の周方向に所定角度(40°)ずつ配置されている。
【0073】
さらに、第2の回転ブラシ62と第3の回転ブラシ63とを接続した状態で、第2の他端側直毛部93aと第3の直毛部102aとが対向して位置し、第2の他端側傾斜毛部93bと第3の他端側傾斜突出毛部102cとが対向して位置し、かつ、第2の他端側突出傾斜毛部93cと第3の傾斜毛部102bとが対向して位置している。また、第3のブラシ台毛ブラシ部101の傾斜毛部101aは、第2の他端側傾斜毛部93bと対向して位置している。
【0074】
そして、ベルト112および接続部115は、第3の収容部57内にて他方の軸受部53の側方にリブ状に突設されたガイド部117,117により支持されている。これらガイド部117,117は、先端側(下端側)が他方の軸受部53の先端側(下端側)よりも下方に延びて位置しており、これらガイド部117,117間に、ベルト112が収容されている。また、ガイド部117,117には、接続部115を含む第3の受板96を挿通する挿通開口118,118が開口形成されている。さらに、これらガイド部117,117の先端側には、ベルト112側へと傾斜したガイド傾斜部119,119が形成されている。これらガイド傾斜部119,119は、第3の受板毛ブラシ部102の第3の傾斜毛部102bと、第3のブラシ台毛ブラシ部101の傾斜毛部101aとをそれぞれ左右に掻き分けるものである。
【0075】
さらに、ケース体31には、ブラシ収容部44の後方の一側に、四角形状の開口部121が形成されており、この開口部121には、床ブラシ23が床面に接触(接地)しているかどうかを検出するための接触センサである安全装置122が接触部である接触輪122aを突出させた状態で配置されている。
【0076】
そして、掃除の際、電動送風機18が動作している状態で、使用者が設定ボタン29を操作することで、制御回路が電動機111をオンする。電動機111の回転駆動は、回転軸111aに取り付けられたプーリ111bと接続部115との間に亘って巻き掛けられたベルト112によって第3の回転ブラシ63へと伝達され、この第3の回転ブラシ63、および、この第3の回転ブラシ63と一体的に連結された第1および第2の回転ブラシ61,62が一体的に回転し、第1ないし第3の毛ブラシ部79,88,97が、各ブラシ台毛ブラシ部81,91,101が床面の塵埃を掻き出すとともに、各直毛部82a,92a,93a,102aが直下の床面の塵埃を掻き出し、かつ、各傾斜毛部82b,92b,93b,102bが回転ブラシ61〜63の連結部である軸受部53(軸受体64)の位置の下側の床面の塵埃を掻き出す。なお、第3のブラシ台毛ブラシ部101の傾斜毛部101a、および、第3の傾斜毛部102bは、ガイド部117,117の先端側のガイド傾斜部119,119によって左右に掻き分けられる。
【0077】
このように、上記第2の実施形態によれば、電動機111のプーリ111bと回転ブラシ61〜63側の接続部115とをベルト112によって接続して、回転ブラシ61〜63を電動機111によって回転駆動させることにより、床面の塵埃をより強力な回転力で各毛ブラシ部79,88,97によって掻き出すことができるとともに、ベルト112および接続部115が第3の傾斜突出毛部102cおよび第3のブラシ台毛ブラシ部101の一端側の傾斜した部分によって覆われているので、ベルト112および接続部115の下側の床面の塵埃を掻き出すことができ、ブラシ収容部44の一側から他側に亘って、すなわち一方の連通口51から他方の連通口51に亘るケース体31の左右幅方向全体の床面の塵埃を、死角を作ることなく全体に亘って掻き出すことができるとともに、ベルト112および接続部115が塵埃の付着により汚損することを抑制できる。
【0078】
また、ベルト112を収容するガイド部117,117の先端側をベルト112側へと傾斜させたガイド傾斜部119,119とすることにより、第3のブラシ台毛ブラシ部101の傾斜毛部101a、および、第3の傾斜毛部102bは、ガイド部117,117の先端側のガイド傾斜部119,119によって左右に掻き分けられ、回転ブラシ61〜63の回転時の負荷を低減できるとともに、第3のブラシ台毛ブラシ部101の一端側の軸受部53側に傾斜した部分、および、第3の傾斜毛部102bが他部と接触して摩耗することがない。
【0079】
なお、上記第2の実施形態において、電動機111のプーリ111bとの間にベルト112を巻き掛ける接続部は、第1の回転ブラシ61、あるいは第2の回転ブラシ62に設けてもよい。この場合には、第1の受板78、あるいは、第2の一端側受板86または第2の他端側受板87に接続部を一体形成することで、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0080】
そして、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、両側がケース体31の側部に開口するブラシ収容部44の両側よりも中心側の位置に設けた軸受部53,53を両側から挟んで回転ブラシ61〜63を互いに連結して軸受部53,53に軸支してブラシ収容部44の両側近傍間に亘って位置させることにより、ブラシ収容部44の一側から他側に亘って、すなわち一方の連通口51から他方の連通口51に亘るケース体31の左右幅方向全体の床面の塵埃を、死角を作ることなく全体に亘って掻き出すことができ、塵埃を掻き出し可能な範囲を拡大できる。
【0081】
したがって、床ブラシ23と同じ幅の範囲の床面の塵埃を一度に除去できる。
【0082】
また、第2の収容部56と連通してケース体31に設けられた吸込風路72に対して連通する連通風路75を、軸受部53,53の近傍にて第1および第3の収容部55,57に連通して設けることにより、吸込口71により第2の収容部56内に気流を発生させるだけでなく、軸受部53,53近傍の吸気口68,74から連通風路75へと、第1および第3の収容部55,57内に気流を発生させることができる。そのため、ブラシ収容部44内の乱流や、軸受部53,53による気流の阻害に拘らず、軸受部53,53近傍の塵埃を確実に吸い込むことができる。
【0083】
さらに、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63の各傾斜毛部82b,92b,93b,102bを、軸受部53,53を覆うように傾斜状に突出させることにより、軸受部53,53の下側に位置する床面の塵埃を、これら各傾斜毛部82b,92b,93b,102bによって、より確実に掻き出すことができる。
【0084】
また、各軸受部53の下端側を左右方向に接近させるように傾斜させた傾斜部67,67とすることにより、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63の各傾斜毛部82b,92b,93b,102bを左右に掻き分け、回転ブラシ61〜63の回転時の負荷を低減できるとともに、第1ないし第3の回転ブラシ61〜63の各傾斜毛部82b,92b,93b,102bが他部と接触して摩耗することがなく、さらに、軸受体64への塵埃の付着およびこの付着により生じる例えば回転停止(ロック)などの不具合を抑制できる。
【0085】
そして、上記床ブラシ23を備えることにより、床面の広い範囲を効率よく掃除できる電気掃除機11を提供できる。
【0086】
なお、上記各実施形態において、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、縦長の掃除機本体12の下部に床ブラシ23が接続された、アップライト型の電気掃除機などでも対応して用いることができる。
【0087】
そして、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
11 電気掃除機
12 掃除機本体
18 電動送風機
23 吸込口体としての床ブラシ
31 ケース体
44 回転清掃体収容部としてのブラシ収容部
53 軸受部
55 収容部である第1の収容部
56 収容部である第2の収容部
57 収容部である第3の収容部
61 回転清掃体としての第1の回転ブラシ
62 回転清掃体としての第2の回転ブラシ
63 回転清掃体としての第3の回転ブラシ
72 吸込風路
75 連通風路
79 清掃部材である第1の毛ブラシ部
88 清掃部材である第2の毛ブラシ部
97 清掃部材である第3の毛ブラシ部
111 駆動手段としての電動機
112 ベルト
115 接続部
117 ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース体と、
このケース体に設けられ、このケース体の下部に開口するとともに両側がこのケース体の側部に開口する回転清掃体収容部と、
この回転清掃体収容部の両側よりも中心側の位置に設けられた軸受部と、
外周に清掃部材を備え、前記回転清掃体収容部にそれぞれ収容され、前記軸受部を両側から挟んで互いに連結されこの軸受部に軸支されて前記回転清掃体収容部の両側近傍間に亘って位置する複数の回転清掃体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機の吸込口体。
【請求項2】
軸受部は、回転清掃体収容部を複数の収容部に区画し、
前記収容部のいずれか一つと連通してケース体に設けられた吸込風路と、
前記軸受部の近傍にて残りの他の前記収容部に連通して前記ケース体に設けられ、前記吸込風路と連通する連通風路とを具備した
ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機の吸込口体。
【請求項3】
少なくともいずれかの回転清掃体の清掃部材の少なくとも一部は、軸受部を覆うように傾斜状に突出している
ことを特徴とした請求項1または2記載の電気掃除機の吸込口体。
【請求項4】
いずれかの回転清掃体は、接続部を備え、
前記回転清掃体を駆動させる駆動手段と、
この駆動手段と前記接続部とを接続するベルトとを具備し、
前記回転清掃体の清掃部材の少なくとも一部は、前記ベルトおよび前記接続部を覆うように傾斜状に突出している
ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか一記載の電気掃除機の吸込口体。
【請求項5】
回転清掃体収容部に突設され、ベルトを収容するとともに、先端側が、前記ベルト側へと傾斜した清掃部材を掻き分けるガイド部を具備した
ことを特徴とした請求項4記載の電気掃除機の吸込口体。
【請求項6】
電動送風機を収容した掃除機本体と、
前記電動送風機の吸込側に連通する請求項1ないし5いずれか一記載の吸込口体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−102861(P2013−102861A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247581(P2011−247581)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】