電気掃除機の吸込具
【課題】手を汚すことなく、ゴミを舞い上げることなく衛生的に、また、軽い力で回転ブラシに絡みついた塵埃を容易に取り除くことができる電気掃除機の吸込具を提供する。
【解決手段】吸込具に回転ブラシ30に付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段39を設け、塵埃除去手段39は、回転ブラシ30の清掃体33間あるいは清掃体保持部32間の谷部34と略同形状に形成され、谷部34に位置した状態で回転ブラシ30の軸方向に案内される第1のリムーバーを備えている。
【解決手段】吸込具に回転ブラシ30に付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段39を設け、塵埃除去手段39は、回転ブラシ30の清掃体33間あるいは清掃体保持部32間の谷部34と略同形状に形成され、谷部34に位置した状態で回転ブラシ30の軸方向に案内される第1のリムーバーを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ブラシが内蔵された吸込具を備えた電気掃除機に係わり、特に、その回転ブラシに付着された塵埃等を除去可能な電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機の吸込具には回転ブラシが取り付けられており、この回転ブラシが回転して清掃面の塵埃を後方に掻き上げて吸引するが、この回転ブラシに毛や糸などが絡まってしまうと回転ブラシとしての機能を果たさなくなってしまう。
このような不具合を解決するものとして、まず、回転ブラシを吸込具から取り外して、回転ブラシの外周に設けたリング状の塵埃除去手段を回転ブラシの軸方向(長手方向)に沿って摺動させると、塵埃除去手段は、ガイドが中空基体の螺旋状の溝に案内されて回転ブラシの軸方向(長手方向)に沿って摺動するので、塵埃除去手段に設けられたカッター刃が溝に接触しながら回転ブラシの軸方向(長手方向)に沿って螺旋状に移動し糸状の塵埃を除去するというものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、軸方向への移動により着脱自在な回転ブラシを吸込具に内設し、かつこの吸込具を区画する隔壁の回転ブラシ貫通部に塵埃除去手段を設け、回転ブラシを引き抜くことで、前記塵埃除去手段により、そのブラシ部がしごかれて巻き付いた糸や髪の毛、綿ゴミが掻き落とされるというものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−259718号公報(第7頁、図10)
【特許文献2】特開昭62−217930号公報(第2頁、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載の電気掃除機の吸込具では、回転ブラシを取り外して、塵埃除去作業を行うために、塵埃除去手段を摺動させる際に塵埃を巻き上げてしまったり、直接手で塵埃に触れてしまったりするので衛生的ではなかった。また、塵埃除去手段に設けられたカッター刃に触れる可能性があり、安全ではないという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載の電気掃除機の吸込具では、塵埃除去手段はブラシ毛であり、除去の際に引き抜く方向にしなるので、塵埃が吸込具の外部に流出してしまったり、回転ブラシが安定せずに引き抜かれるので、引抜力が大きくなったりするという課題があった。
【0007】
本発明は、前記のような課題を解決するためにされたもので、手を汚すことなく、ゴミを舞い上げることなく衛生的に、また、軽い力で回転ブラシに絡みついた塵埃を容易に取り除くことができる電気掃除機の吸込具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気掃除機の吸込具は、筒状基体に清掃体保持部を介して清掃体が保持された回転ブラシと、下部に開口部を有し、回転ブラシが回転自在に収納された吸込室と、回転ブラシを回転駆動させる駆動手段と、回転ブラシに付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段とを備え、塵埃除去手段は、隙間に位置した状態で回転ブラシの軸方向に案内される第1のリムーバーと、清掃体の先端と接触する第2のリムーバからなり、回転ブラシの清掃体保持部および清掃体保持部間の隙間で構成される断面形状と略同形状に形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、塵埃除去手段の第1のリムーバと第2のリムーバにより手を汚すことなく、塵埃を舞い上げることなく衛生的に、回転ブラシに絡みついた塵埃を確実に取り除くことができ、また、第1のリムーバーが隙間に位置した状態で回転ブラシの軸方向に案内されるようにしているので、取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の全体構成を示す概略側面図である。
【図2】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図3】図2に示す吸込具を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を模式的に示す断面図である。
【図5】図4の塵除去手段及びその周辺を拡大して示す断面図である。
【図6】図3の吸込具に設けられた塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【図7】実施の形態1の別の形態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【図9】実施の形態2の別の形態を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【図11】実施の形態3の別の形態を示す平面図である。
【図12】実施の形態4の別の形態を示す拡大平面図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.(リムーバー突起無し)
図1は本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の全体構成を示す概略側面図である。
この電気掃除機は、電動送風機や制御回路、集塵フィルタ等が内蔵された掃除機本体101と、掃除機本体101の吸込口部に一端が着脱自在に接続されたホース102と、スイッチ操作部を有し、ホース102の他端に設けられた手元ハンドル部103と、手元ハンドル部103の先端部に分岐状に設けられた隙間用のノズル等のアタッチメント本体部104と、手元ハンドル部103の他方の分岐接続口部に一端が開閉弁を介して着脱自在に接続された延長管105と、延長管105の他端が着脱自在に接続された吸込具10とから構成されている。前述の手元ハンドル部103の下部には、延長管105を外すためのトリガー106が設けられている。
【0012】
なお、手元ハンドル部103の先端部には、前述したアタッチメント本体部104を設けなくてもよく、通常用いられている形態の延長管105のみを着脱自在に接続できるものであってもよい。また、延長管105は、パイプが伸び縮みする伸縮式あるいは複数のパイプを繋いでいく継ぎパイプ式の何れでも構わない。
【0013】
図2は実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を斜め上方から見た状態の斜視図、図3は図2に示す吸込具を斜め下方から見た状態の斜視図、図4は実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を模式的に示す断面図、図5は図4の塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す断面図、図6は図3の吸込具に設けられた塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【0014】
前述した吸込具10は、下ケース11と上ケース12を組み合わせて外観が構成され、その内部には横長の風路を有する吸込室14が設けられている。その吸込室14内には回転ブラシ30が回転自在に収納されている。回転ブラシ30は、一端が軸受け35に、他端が回転ブラシ保持部36にそれぞれ軸支され、吸込具10に内蔵された駆動手段であるモータ(又はタービン)によって回転駆動される。なお、そのモータは図3に示す部位15に内蔵されている。モータの駆動力は、例えばベルトを介して回転ブラシ30に伝達され、回転ブラシ30を所定方向に回転する。前述の吸込具10の底部には吸込室14の開口部が設けられており、吸込具10の前面側の下部には、比較的変形し易い軟質材(例えばエラストマー、塩化ビニール)を用いたバッファー部16が形成されている。また、吸込具10の後面側には、図1に示す延長管105と接続される吸込口17が設けられている。その吸込口17は吸込室14と連通している。
【0015】
吸込具10の吸込口17側の底部には、支持部材(図示せず)によって支持された車輪18が設けられている。その支持部材は、吸込具10に回動自在に取り付けられ、吸込具10が床面から浮いている状態においては車輪18を床面側に突出した状態にし、そして、吸込具10が着床した状態においては車輪18が吸込具10の内側に引っ込むように構成されている。吸込具10には、車輪18が引っ込んだときにオンするスイッチ(図示せず)が内蔵されており、このスイッチがオンすることにより掃除機本体101(図1参照)が駆動可能な状態になる。
【0016】
回転ブラシ30は、筒状基体31と、筒状基体31の外周面から突出し略全周を覆うように軸方向に螺旋状に巻かれた4本の一体成型の清掃体保持部32と、清掃体保持部32により保持され、その先端部から突出する清掃体33とから構成されている。清掃体保持部32同士の間には、螺旋状の谷部34が構成されている。なお、清掃体保持部32を筒状基体31の内部にとりこみ、筒状基体31の断面外形を円形にしても良い(図示せず)。このように構成した場合には、筒状基体31の外周面から清掃体33が突出した状態となる。清掃体33として繊維質のブラシ毛を用いても良いし、軟質材のブレード状のものでも良い。また、これらを混合したブラシ毛でも良い。また、筒状基体31の外周面に一体成型された清掃体保持部32を軸方向に直線状に設けても良い。また、その本数も4本とは限らず、少なくとも2本以上あれば何本でも良い。
【0017】
回転ブラシ30の一端には、ブラシ着脱用持ち手38を設け、ブラシ着脱用持ち手38の一端はシャフト(図示せず)によって筒状基体31と接続され、内部に軸受け(図示せず)を設けた回転部(図示せず)により筒状基体31を回転自在に保持している。反対側の側面は指でつまめるような一文字状に形成された摘み38bを有する。
【0018】
吸込具10の下ケース11と上ケース12の組み合わせにより構成された両側壁のうち回転ブラシ保持部36側の側壁には開口部13が設けられている。その開口部13には、ブラシ着脱用持ち手38が挿入され、その摘み38bは開口部13を形成する側壁に保持されている。また、開口部13が設けられた側壁側には、図6に示すように隔壁37が設けられている。隔壁37には、回転ブラシ30の軸心を中心とする貫通穴として回転ブラシ保持部36が設けられている。また、その回転ブラシ保持部36の吸込室14側の隔壁37の内周面には溝37bが設けられている。そして、回転ブラシ保持部36の中にはブラシ着脱用持ち手部38の回転部(図示せず)が位置され、溝37bには塵埃除去手段39の周縁部が回転自在に嵌め込まれている。摘み38bを手前に引き抜いた場合、開口部13からブラシ着脱用持ち手38の回転部38bが引っ張り出され、次いで軸支されてる回転ブラシ30が引っ張り出される。
【0019】
塵埃除去手段39は、図4に示すように、例えば外形が円形に形成され、その外径は隔壁37の溝37aの底面までの径より小さく形成されている。また、塵埃除去手段39には、回転ブラシ30の軸心を中心とする略十字状の穴が設けられている。その穴には、筒状基体31の清掃体保持部32間に設けられた谷部34と略同形の凸状の第1のリムーバー40と、清掃体保持部32と略同形の凹状の第2のリムーバー41とが設けられている。第1のリムーバー40は、谷部34に対応して中心に向かって突出している。以下、塵埃除去手段39の穴形状について、図5を用いて、回転ブラシ30の回転軸中心からの距離を用いて説明する。1のリムーバー40の下面との回転ブラシ30の回転軸との距離Aは、筒状基体31の谷部34までの半径より大きく、清掃体保持部32と回転ブラシ30の回転軸との距離Cより小さくなっている。次に、第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dは、ブラシ毛の清掃体33に接触するように、その清掃体33の先端と回転ブラシ30の回転軸との距離径より小さくとっている。即ち、塵埃除去手段39に形成された略十字状の穴に回転ブラシ30が通過するように寸法がとられている。前述の第2のリムーバー41には、軸方向から見て三角形状の突起が設けられている。これは、清掃体33に付着した塵埃等を掻き取るためである。
【0020】
次に、吸込具10の動作を説明する。
手元ハンドル部103に設けられたスイッチ操作部の操作により、掃除機本体101内の電動送風機が駆動すると、床面上の塵埃等が空気と共に吸込具10の吸込室14内に吸引され、吸込具10の吸込口17から延長管105、ホース102を介して掃除機本体101内に吸引される(図1参照)。この時、回転ブラシ30が回転し、塵埃除去手段39も回転ブラシ30と共に回転する。その回転ブラシ30の回転によって掻き上げられた塵埃等も吸引される。回転ブラシ30の回転により塵埃等が掻き上げられた際に、回転ブラシ30に糸くずや繊維状のもの、髪の毛等が絡んで巻き付き、回転ブラシ30を締め付ける。このような状態になった場合には、埃、綿埃などが清掃体33の先端に付着して塊となり取れなくなることがある。
【0021】
そのような場合には、床面の掃除を終了した後、スイッチ操作部により電源を切って、ブラシ着脱用持ち手部38を吸込具10から回転ブラシ30の軸方向に引き出すと、開口部13から回転ブラシ保持部36が引き出され、次いで回転ブラシ30が引き出される。この時、塵埃除去手段39の第1のリムーバー40によって、回転ブラシ30に巻き付いて付着したゴミ等が吸込具10内で吸込室14の開口部から床面に掻き落とされる。また同時に、清掃体33に付着した埃の塊等が第2のリムーバー41により吸込具10内で掻き落とされる。そして、再びスイッチ操作部により電源を入れると、吸込具10内に掻き落とされた塵埃等は空気と共に吸引され掃除機本体101側に吸い込まれる。
【0022】
また、塵埃除去作業は電源を切らずに行っても良い。この場合、回転ブラシ30の引抜と同時に吸引も行うので、回転ブラシ30に付着したゴミ等が吸込具10の外に舞うことを抑制できる。このようにした場合、より衛生的である。
【0023】
以上のように実施の形態1によれば、塵埃除去手段39の第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡み付いた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第1のリムーバー40の形状により清掃体保持部32や清掃体33の側面を沿うように回転ブラシ30を引き抜くことができるので、ガイドとなり、引抜方向(回転ブラシ30の軸方向)がぶれることなく容易に引き抜くことができ、引抜力を低減できる。また、ブラシ着脱用持ち手部38により回転ブラシ30を引き抜いた際に、電源を入れれば、付着ゴミが吸込具10の周辺に流出することが少なく衛生的である。
【0024】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、ブラシ着脱用持ち手部38を持って回転ブラシ30を引き抜いているとき、螺旋状に形成された清掃体保持部32により回転ブラシ30が回転しながら引き抜かれる。このため、清掃体33が塵埃除去手段39を通過するときに複雑に第2のリムーバー41に接触し、より効果的に塵埃を除去することができる。
【0025】
なお、実施の形態1では、第2のリムーバー41を清掃体33に少なくとも接触するようにしたが、清掃体33との重なり量を多くしても良い。その第2のリムーバー41の底面と清掃体33との重なり量を多くすればするほど、引抜力は大きくなるが、付着ゴミの掻き取り力が強くなる。
【0026】
また、実施の形態1では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、図7に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき、部品点数を減らすことができる。また、塵埃除去手段39を別部品で構成し、隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0027】
実施の形態2.(突起型リムーバー)
図8は本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態2は、図4aに示す塵埃除去手段39の第1のリムーバー40に突起部40aを、第2のリムーバー41に突起部41aを設けたものである。第1のリムーバー40の突起部40aは、回転ブラシ30の谷部34に対応して配置され、回転ブラシ30の軸方向に延びて設けられている。その平面形状は四辺形に形成されている。第2のリムーバー41の突起部41aは、回転ブラシ30の清掃体33に対応して配置され、回転ブラシ30の軸方向に延びて設けられている。その平面形状は、根元と先端の幅がほぼ同じに形成され、その断面は四辺形に形成されている。
【0028】
実施の形態2においては、回転ブラシ30を引き抜くことで第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡みついた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去するこができる。また、第1のリムーバー40の突起部40aにより、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、付着ゴミを吸込具10から周辺に流出させることがない。また、突起部40aの形状により清掃体保持部32の側面(谷部34)を沿うように引き抜くことができるので、ガイドとなり、突起がない場合よりも引抜方向(回転ブラシ30の軸方向)がぶれることなく容易に引き抜くことができ、引抜力を低減できる。
【0029】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、実施の形態1では第2のリムーバー41の掻き取り力を大きくするために、第2のリムーバー41の底面と清掃体33との重なり量が多くなるようにしたが、実施の形態2では第2のリムーバー41の突起部41aによる付着ゴミの掻き取りが可能になっている。このため、その突起部41aの底面を少なくとも清掃体33に接触する寸法とし、引抜力が小さいまま、塵埃除去性能を上げることができる。
【0030】
また、図8に示すように、塵埃除去手段39を隔壁37の溝37bに回転自在に設置することで、その第1のリムーバー40の突起部40aは回転ブラシ30の軸方向において、谷部34と容易に嵌合するように構成され、また、第2のリムーバー41の突起部41aと清掃体33の位置も合致するので、回転ブラシ30の塵埃除去作業を開始するときに塵埃除去手段39に引っかかることなく回転ブラシ30を引く抜くことができる。
【0031】
また、実施の形態2では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、図9に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき、部品点数を減らすことができる。また、塵埃除去手段39を別部品で構成し、隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0032】
実施の形態3.(突起傾斜型リムーバー)
図10は本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態3は、図6に示す塵埃除去手段39の第1のリムーバー40に突起部40aを、第2のリムーバー41に突起部41aを設けたものである。第1のリムーバー40の突起部40aは、回転ブラシ30の谷部34に対応して配置され、その側面形状は、回転ブラシ30の谷部34側の面をその谷部隙間34にほぼ接するように平らとし、根元から先端に向けて下方に傾斜する三角形に形成されている。なお、図5に示す第1のリムーバー40の根元、つまり突起部40aの根元と回転ブラシ30の回転軸との距離Fは、第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dより大きくなるように構成する。第2のリムーバー41の突起部41aは、回転ブラシ30の清掃体33に対応して配置され、その平面形状は、根元と先端の幅がほぼ同じに形成され、その側面形状は、回転ブラシ30の清掃体33側の面を平らとし、根元から先端に向けて下方に傾斜する三角形に形成されている。
【0033】
実施の形態3においては、第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡みついた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第1のリムーバー40の突起部40aを上述したような傾斜型の突起形状(三角形)とすることで、巻付いたゴミは突起部40aをすべるようにその巻付いた径を広げ(距離F)、塵埃除去手段39の第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dよりも大きな径になるので、清掃体33が塵埃除去手段39を通過する際に巻付いたゴミが抵抗になることを避けることができ、引抜力を大きくする必要がない。
【0034】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第2のリムーバー41の突起部41aを傾斜型の突起形状(三角形)とすることで、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、吸込具10から周辺へのゴミ流出を抑えることが可能になる。さらに、側面三角形状の突起部41aにより清掃体33との抵抗を下げることができるので、引抜力を低減することができる。
【0035】
また、図10に示すように、塵埃除去手段39を隔壁37の溝37bに回転自在に設置することで、その第1のリムーバー40の突起部40aは回転ブラシ30の軸方向において、谷部34と容易に嵌合するように構成され、また、第2のリムーバー41の突起部41aと清掃体33の位置も合致するので、回転ブラシ30の塵埃除去作業を開始するときに塵埃除去手段39に引っかかることなく回転ブラシ30を引く抜くことができる。
【0036】
また、第2のリムーバー41の突起部41aの根元の高さを第1のリムーバー40の突起部40aの根元の高さより低くしているので、回転ブラシ30を引き抜いた際、巻きつきゴミを引っ張って径を大きくしたり、清掃体33と、巻きつきゴミと、突起部41aとにより抵抗が大きくなって引抜力を増大してしまうということがなく、引抜力を低減することができる。
【0037】
また、実施の形態3では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、図11に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき,部品点数を減らすことができる。また、塵埃除去手段39を別部品で構成し、隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0038】
実施の形態4(突起傾斜円錐型リムーバー)
図12は本発明の実施の形態4に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態4は、図12に示すように、第1のリムーバー40の突起部40aは、回転ブラシ30の谷部34に対応して配置され、その回転ブラシ30と接する面の形状は,回転ブラシ30の谷部34から清掃体保持部32を構成する面に一定の間隔を持つ面を構成し、その側面形状は、根元から先端に向けて、回転ブラシ30の軸方向に垂直に突出し、その先から下方に傾斜する三角形に形成されており、4つの突起部40aの外周面は回転軸を中心に円錐形状となっている。なお第1のリムーバー40の根元と回転ブラシ30の回転軸との距離Fは、第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dより大きくなるように構成する。第2のリムーバー41の突起部41aは、回転ブラシ30の清掃体33に対応して配置され、その平面形状は、根元と先端の幅がほぼ同じに形成され、その側面形状は、回転ブラシ30の清掃体33側の面を平らとし、根元から先端に向けて下方に傾斜する三角形に形成されている。
【0039】
実施の形態4においては、第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡みついた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第1のリムーバー40の突起部40aを円錐型の突起形状(三角形)とすることで、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、さらに巻付いたゴミは突起部40aをすべるようにその巻付いた径を広げ、塵埃除去手段39の第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dよりも大きな径になるので、清掃体33が塵埃除去手段39を通過する際に巻付いたゴミがの抵抗になることを避けることができ、引抜力を大きくする必要がない。また、根元から垂直に突出している形状を持つため、巻付いたゴミをより、吸込み具10の内側で保持することができるので、除去したゴミを外部に流出したりすることを防止し、除去後は本体への吸引が容易になる。
【0040】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第2のリムーバー41の突起部41aを傾斜型の突起形状(三角形)とすることで、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、吸込具10から周辺へのゴミ流出を抑えることが可能になる。さらに、側面三角形状の突起部41aにより清掃体33との抵抗を下げることができるので、引抜力を低減することができる。
【0041】
また、塵埃除去手段39を隔壁37の溝37bに回転自在に設置することで、その第1のリムーバー40の突起部40aは回転ブラシ30の軸方向において、谷部34と容易に嵌合するように構成され、また、第2のリムーバー41の突起部41aと清掃体33の位置も合致するので、回転ブラシ30の塵埃除去作業を開始するときに塵埃除去手段39にを引っかかることなく回転ブラシ30を引く抜くことができる。
【0042】
また、第2のリムーバー41の突起部41aの根元の高さを第1のリムーバー40の突起部40aの根元の高さより低くしているので、回転ブラシ30を引き抜いた際、巻きつきゴミを引っ張って径を大きくしたり、清掃体33と、巻きつきゴミと、突起部41aとにより抵抗が大きくなって引抜力を増大してしまうということがなく、引抜力を低減することができる。
【0043】
また、実施の形態4では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、上述した図11に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき,部品点数を減らすことができる。また,塵埃除去手段39を別部品で構成し,隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0044】
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態4は、図9に示す実施の形態3において隔壁37aと塵埃除去手段39aを付加したものである。図11に示すように、貫通穴を有する隔壁37aを吸込室14内に設け、その隔壁37aに塵埃除去手段39aを取り付けて、塵埃除去手段39,39aの第1のリムーバー40の突起部40aを互いに対向させ、また、第2のリムーバー41の突起部41aを互いに対向させている。
【0045】
実施の形態4においては、矢印Aの向きに回転ブラシ30を引き抜いたときには塵埃除去手段39によって、また、矢印Bの向きに回転ブラシ30を戻したときには塵埃除去手段39aによって付着ゴミが除去される。この往復動作により、より確実に回転ブラシ30に付着したゴミを除去できる。塵埃除去手段39と塵埃除去手段39aの間に付着ゴミが溜まるので、回転ブラシ30から除去したゴミを容易に破棄あるいは掃除機本体101にて吸引することができる。
【0046】
なお、前述した実施の形態1乃至5では、筒状基体31の外周面に軸方向に螺旋状に巻かれた4本の清掃体保持部32を備えた回転ブラシ30に塵埃除去手段39を用いたことを述べたが、これに限定されるものではない。例えば、筒状基体31の外周面から清掃体33が突出した回転ブラシ30に塵埃除去手段を用いても良い。その場合、塵埃除去手段の第1のリムーバーは、清掃体間に設けられた谷部隙間と略同形状となる。
また、4本の清掃体33が筒状基体31の軸方向に螺旋状に巻かれた回転ブラシ30に塵埃除去手段39を適用したことを述べたが、清掃体33が筒状基体31の軸方向に直線状に設けられた回転ブラシに適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上、各実施の形態によって説明した本発明は、メンテナンスが容易で衛生的にできる電気掃除機として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 吸込具、11 下ケース、12 上ケース、13 開口部,14 吸込室、16 バッファー部、17 吸込口、18 車輪、30 回転ブラシ、31 筒状基体、32 清掃体保持部、33 清掃体、34 谷部、35 軸受け、36 回転ブラシ保持部、37 隔壁、38 ブラシ着脱用持ち手部、39 塵埃除去手段、40 第1のリムーバー、40a 突起部、41 第2のリムーバー、41a 突起部、101 掃除機本体、102 ホース、103 手元ハンドル部、104 アタッチメント本体部、105 延長管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ブラシが内蔵された吸込具を備えた電気掃除機に係わり、特に、その回転ブラシに付着された塵埃等を除去可能な電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機の吸込具には回転ブラシが取り付けられており、この回転ブラシが回転して清掃面の塵埃を後方に掻き上げて吸引するが、この回転ブラシに毛や糸などが絡まってしまうと回転ブラシとしての機能を果たさなくなってしまう。
このような不具合を解決するものとして、まず、回転ブラシを吸込具から取り外して、回転ブラシの外周に設けたリング状の塵埃除去手段を回転ブラシの軸方向(長手方向)に沿って摺動させると、塵埃除去手段は、ガイドが中空基体の螺旋状の溝に案内されて回転ブラシの軸方向(長手方向)に沿って摺動するので、塵埃除去手段に設けられたカッター刃が溝に接触しながら回転ブラシの軸方向(長手方向)に沿って螺旋状に移動し糸状の塵埃を除去するというものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、軸方向への移動により着脱自在な回転ブラシを吸込具に内設し、かつこの吸込具を区画する隔壁の回転ブラシ貫通部に塵埃除去手段を設け、回転ブラシを引き抜くことで、前記塵埃除去手段により、そのブラシ部がしごかれて巻き付いた糸や髪の毛、綿ゴミが掻き落とされるというものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−259718号公報(第7頁、図10)
【特許文献2】特開昭62−217930号公報(第2頁、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載の電気掃除機の吸込具では、回転ブラシを取り外して、塵埃除去作業を行うために、塵埃除去手段を摺動させる際に塵埃を巻き上げてしまったり、直接手で塵埃に触れてしまったりするので衛生的ではなかった。また、塵埃除去手段に設けられたカッター刃に触れる可能性があり、安全ではないという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載の電気掃除機の吸込具では、塵埃除去手段はブラシ毛であり、除去の際に引き抜く方向にしなるので、塵埃が吸込具の外部に流出してしまったり、回転ブラシが安定せずに引き抜かれるので、引抜力が大きくなったりするという課題があった。
【0007】
本発明は、前記のような課題を解決するためにされたもので、手を汚すことなく、ゴミを舞い上げることなく衛生的に、また、軽い力で回転ブラシに絡みついた塵埃を容易に取り除くことができる電気掃除機の吸込具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気掃除機の吸込具は、筒状基体に清掃体保持部を介して清掃体が保持された回転ブラシと、下部に開口部を有し、回転ブラシが回転自在に収納された吸込室と、回転ブラシを回転駆動させる駆動手段と、回転ブラシに付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段とを備え、塵埃除去手段は、隙間に位置した状態で回転ブラシの軸方向に案内される第1のリムーバーと、清掃体の先端と接触する第2のリムーバからなり、回転ブラシの清掃体保持部および清掃体保持部間の隙間で構成される断面形状と略同形状に形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、塵埃除去手段の第1のリムーバと第2のリムーバにより手を汚すことなく、塵埃を舞い上げることなく衛生的に、回転ブラシに絡みついた塵埃を確実に取り除くことができ、また、第1のリムーバーが隙間に位置した状態で回転ブラシの軸方向に案内されるようにしているので、取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の全体構成を示す概略側面図である。
【図2】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図3】図2に示す吸込具を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を模式的に示す断面図である。
【図5】図4の塵除去手段及びその周辺を拡大して示す断面図である。
【図6】図3の吸込具に設けられた塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【図7】実施の形態1の別の形態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【図9】実施の形態2の別の形態を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【図11】実施の形態3の別の形態を示す平面図である。
【図12】実施の形態4の別の形態を示す拡大平面図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.(リムーバー突起無し)
図1は本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の全体構成を示す概略側面図である。
この電気掃除機は、電動送風機や制御回路、集塵フィルタ等が内蔵された掃除機本体101と、掃除機本体101の吸込口部に一端が着脱自在に接続されたホース102と、スイッチ操作部を有し、ホース102の他端に設けられた手元ハンドル部103と、手元ハンドル部103の先端部に分岐状に設けられた隙間用のノズル等のアタッチメント本体部104と、手元ハンドル部103の他方の分岐接続口部に一端が開閉弁を介して着脱自在に接続された延長管105と、延長管105の他端が着脱自在に接続された吸込具10とから構成されている。前述の手元ハンドル部103の下部には、延長管105を外すためのトリガー106が設けられている。
【0012】
なお、手元ハンドル部103の先端部には、前述したアタッチメント本体部104を設けなくてもよく、通常用いられている形態の延長管105のみを着脱自在に接続できるものであってもよい。また、延長管105は、パイプが伸び縮みする伸縮式あるいは複数のパイプを繋いでいく継ぎパイプ式の何れでも構わない。
【0013】
図2は実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を斜め上方から見た状態の斜視図、図3は図2に示す吸込具を斜め下方から見た状態の斜視図、図4は実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を模式的に示す断面図、図5は図4の塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す断面図、図6は図3の吸込具に設けられた塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
【0014】
前述した吸込具10は、下ケース11と上ケース12を組み合わせて外観が構成され、その内部には横長の風路を有する吸込室14が設けられている。その吸込室14内には回転ブラシ30が回転自在に収納されている。回転ブラシ30は、一端が軸受け35に、他端が回転ブラシ保持部36にそれぞれ軸支され、吸込具10に内蔵された駆動手段であるモータ(又はタービン)によって回転駆動される。なお、そのモータは図3に示す部位15に内蔵されている。モータの駆動力は、例えばベルトを介して回転ブラシ30に伝達され、回転ブラシ30を所定方向に回転する。前述の吸込具10の底部には吸込室14の開口部が設けられており、吸込具10の前面側の下部には、比較的変形し易い軟質材(例えばエラストマー、塩化ビニール)を用いたバッファー部16が形成されている。また、吸込具10の後面側には、図1に示す延長管105と接続される吸込口17が設けられている。その吸込口17は吸込室14と連通している。
【0015】
吸込具10の吸込口17側の底部には、支持部材(図示せず)によって支持された車輪18が設けられている。その支持部材は、吸込具10に回動自在に取り付けられ、吸込具10が床面から浮いている状態においては車輪18を床面側に突出した状態にし、そして、吸込具10が着床した状態においては車輪18が吸込具10の内側に引っ込むように構成されている。吸込具10には、車輪18が引っ込んだときにオンするスイッチ(図示せず)が内蔵されており、このスイッチがオンすることにより掃除機本体101(図1参照)が駆動可能な状態になる。
【0016】
回転ブラシ30は、筒状基体31と、筒状基体31の外周面から突出し略全周を覆うように軸方向に螺旋状に巻かれた4本の一体成型の清掃体保持部32と、清掃体保持部32により保持され、その先端部から突出する清掃体33とから構成されている。清掃体保持部32同士の間には、螺旋状の谷部34が構成されている。なお、清掃体保持部32を筒状基体31の内部にとりこみ、筒状基体31の断面外形を円形にしても良い(図示せず)。このように構成した場合には、筒状基体31の外周面から清掃体33が突出した状態となる。清掃体33として繊維質のブラシ毛を用いても良いし、軟質材のブレード状のものでも良い。また、これらを混合したブラシ毛でも良い。また、筒状基体31の外周面に一体成型された清掃体保持部32を軸方向に直線状に設けても良い。また、その本数も4本とは限らず、少なくとも2本以上あれば何本でも良い。
【0017】
回転ブラシ30の一端には、ブラシ着脱用持ち手38を設け、ブラシ着脱用持ち手38の一端はシャフト(図示せず)によって筒状基体31と接続され、内部に軸受け(図示せず)を設けた回転部(図示せず)により筒状基体31を回転自在に保持している。反対側の側面は指でつまめるような一文字状に形成された摘み38bを有する。
【0018】
吸込具10の下ケース11と上ケース12の組み合わせにより構成された両側壁のうち回転ブラシ保持部36側の側壁には開口部13が設けられている。その開口部13には、ブラシ着脱用持ち手38が挿入され、その摘み38bは開口部13を形成する側壁に保持されている。また、開口部13が設けられた側壁側には、図6に示すように隔壁37が設けられている。隔壁37には、回転ブラシ30の軸心を中心とする貫通穴として回転ブラシ保持部36が設けられている。また、その回転ブラシ保持部36の吸込室14側の隔壁37の内周面には溝37bが設けられている。そして、回転ブラシ保持部36の中にはブラシ着脱用持ち手部38の回転部(図示せず)が位置され、溝37bには塵埃除去手段39の周縁部が回転自在に嵌め込まれている。摘み38bを手前に引き抜いた場合、開口部13からブラシ着脱用持ち手38の回転部38bが引っ張り出され、次いで軸支されてる回転ブラシ30が引っ張り出される。
【0019】
塵埃除去手段39は、図4に示すように、例えば外形が円形に形成され、その外径は隔壁37の溝37aの底面までの径より小さく形成されている。また、塵埃除去手段39には、回転ブラシ30の軸心を中心とする略十字状の穴が設けられている。その穴には、筒状基体31の清掃体保持部32間に設けられた谷部34と略同形の凸状の第1のリムーバー40と、清掃体保持部32と略同形の凹状の第2のリムーバー41とが設けられている。第1のリムーバー40は、谷部34に対応して中心に向かって突出している。以下、塵埃除去手段39の穴形状について、図5を用いて、回転ブラシ30の回転軸中心からの距離を用いて説明する。1のリムーバー40の下面との回転ブラシ30の回転軸との距離Aは、筒状基体31の谷部34までの半径より大きく、清掃体保持部32と回転ブラシ30の回転軸との距離Cより小さくなっている。次に、第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dは、ブラシ毛の清掃体33に接触するように、その清掃体33の先端と回転ブラシ30の回転軸との距離径より小さくとっている。即ち、塵埃除去手段39に形成された略十字状の穴に回転ブラシ30が通過するように寸法がとられている。前述の第2のリムーバー41には、軸方向から見て三角形状の突起が設けられている。これは、清掃体33に付着した塵埃等を掻き取るためである。
【0020】
次に、吸込具10の動作を説明する。
手元ハンドル部103に設けられたスイッチ操作部の操作により、掃除機本体101内の電動送風機が駆動すると、床面上の塵埃等が空気と共に吸込具10の吸込室14内に吸引され、吸込具10の吸込口17から延長管105、ホース102を介して掃除機本体101内に吸引される(図1参照)。この時、回転ブラシ30が回転し、塵埃除去手段39も回転ブラシ30と共に回転する。その回転ブラシ30の回転によって掻き上げられた塵埃等も吸引される。回転ブラシ30の回転により塵埃等が掻き上げられた際に、回転ブラシ30に糸くずや繊維状のもの、髪の毛等が絡んで巻き付き、回転ブラシ30を締め付ける。このような状態になった場合には、埃、綿埃などが清掃体33の先端に付着して塊となり取れなくなることがある。
【0021】
そのような場合には、床面の掃除を終了した後、スイッチ操作部により電源を切って、ブラシ着脱用持ち手部38を吸込具10から回転ブラシ30の軸方向に引き出すと、開口部13から回転ブラシ保持部36が引き出され、次いで回転ブラシ30が引き出される。この時、塵埃除去手段39の第1のリムーバー40によって、回転ブラシ30に巻き付いて付着したゴミ等が吸込具10内で吸込室14の開口部から床面に掻き落とされる。また同時に、清掃体33に付着した埃の塊等が第2のリムーバー41により吸込具10内で掻き落とされる。そして、再びスイッチ操作部により電源を入れると、吸込具10内に掻き落とされた塵埃等は空気と共に吸引され掃除機本体101側に吸い込まれる。
【0022】
また、塵埃除去作業は電源を切らずに行っても良い。この場合、回転ブラシ30の引抜と同時に吸引も行うので、回転ブラシ30に付着したゴミ等が吸込具10の外に舞うことを抑制できる。このようにした場合、より衛生的である。
【0023】
以上のように実施の形態1によれば、塵埃除去手段39の第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡み付いた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第1のリムーバー40の形状により清掃体保持部32や清掃体33の側面を沿うように回転ブラシ30を引き抜くことができるので、ガイドとなり、引抜方向(回転ブラシ30の軸方向)がぶれることなく容易に引き抜くことができ、引抜力を低減できる。また、ブラシ着脱用持ち手部38により回転ブラシ30を引き抜いた際に、電源を入れれば、付着ゴミが吸込具10の周辺に流出することが少なく衛生的である。
【0024】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、ブラシ着脱用持ち手部38を持って回転ブラシ30を引き抜いているとき、螺旋状に形成された清掃体保持部32により回転ブラシ30が回転しながら引き抜かれる。このため、清掃体33が塵埃除去手段39を通過するときに複雑に第2のリムーバー41に接触し、より効果的に塵埃を除去することができる。
【0025】
なお、実施の形態1では、第2のリムーバー41を清掃体33に少なくとも接触するようにしたが、清掃体33との重なり量を多くしても良い。その第2のリムーバー41の底面と清掃体33との重なり量を多くすればするほど、引抜力は大きくなるが、付着ゴミの掻き取り力が強くなる。
【0026】
また、実施の形態1では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、図7に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき、部品点数を減らすことができる。また、塵埃除去手段39を別部品で構成し、隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0027】
実施の形態2.(突起型リムーバー)
図8は本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態2は、図4aに示す塵埃除去手段39の第1のリムーバー40に突起部40aを、第2のリムーバー41に突起部41aを設けたものである。第1のリムーバー40の突起部40aは、回転ブラシ30の谷部34に対応して配置され、回転ブラシ30の軸方向に延びて設けられている。その平面形状は四辺形に形成されている。第2のリムーバー41の突起部41aは、回転ブラシ30の清掃体33に対応して配置され、回転ブラシ30の軸方向に延びて設けられている。その平面形状は、根元と先端の幅がほぼ同じに形成され、その断面は四辺形に形成されている。
【0028】
実施の形態2においては、回転ブラシ30を引き抜くことで第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡みついた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去するこができる。また、第1のリムーバー40の突起部40aにより、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、付着ゴミを吸込具10から周辺に流出させることがない。また、突起部40aの形状により清掃体保持部32の側面(谷部34)を沿うように引き抜くことができるので、ガイドとなり、突起がない場合よりも引抜方向(回転ブラシ30の軸方向)がぶれることなく容易に引き抜くことができ、引抜力を低減できる。
【0029】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、実施の形態1では第2のリムーバー41の掻き取り力を大きくするために、第2のリムーバー41の底面と清掃体33との重なり量が多くなるようにしたが、実施の形態2では第2のリムーバー41の突起部41aによる付着ゴミの掻き取りが可能になっている。このため、その突起部41aの底面を少なくとも清掃体33に接触する寸法とし、引抜力が小さいまま、塵埃除去性能を上げることができる。
【0030】
また、図8に示すように、塵埃除去手段39を隔壁37の溝37bに回転自在に設置することで、その第1のリムーバー40の突起部40aは回転ブラシ30の軸方向において、谷部34と容易に嵌合するように構成され、また、第2のリムーバー41の突起部41aと清掃体33の位置も合致するので、回転ブラシ30の塵埃除去作業を開始するときに塵埃除去手段39に引っかかることなく回転ブラシ30を引く抜くことができる。
【0031】
また、実施の形態2では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、図9に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき、部品点数を減らすことができる。また、塵埃除去手段39を別部品で構成し、隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0032】
実施の形態3.(突起傾斜型リムーバー)
図10は本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態3は、図6に示す塵埃除去手段39の第1のリムーバー40に突起部40aを、第2のリムーバー41に突起部41aを設けたものである。第1のリムーバー40の突起部40aは、回転ブラシ30の谷部34に対応して配置され、その側面形状は、回転ブラシ30の谷部34側の面をその谷部隙間34にほぼ接するように平らとし、根元から先端に向けて下方に傾斜する三角形に形成されている。なお、図5に示す第1のリムーバー40の根元、つまり突起部40aの根元と回転ブラシ30の回転軸との距離Fは、第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dより大きくなるように構成する。第2のリムーバー41の突起部41aは、回転ブラシ30の清掃体33に対応して配置され、その平面形状は、根元と先端の幅がほぼ同じに形成され、その側面形状は、回転ブラシ30の清掃体33側の面を平らとし、根元から先端に向けて下方に傾斜する三角形に形成されている。
【0033】
実施の形態3においては、第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡みついた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第1のリムーバー40の突起部40aを上述したような傾斜型の突起形状(三角形)とすることで、巻付いたゴミは突起部40aをすべるようにその巻付いた径を広げ(距離F)、塵埃除去手段39の第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dよりも大きな径になるので、清掃体33が塵埃除去手段39を通過する際に巻付いたゴミが抵抗になることを避けることができ、引抜力を大きくする必要がない。
【0034】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第2のリムーバー41の突起部41aを傾斜型の突起形状(三角形)とすることで、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、吸込具10から周辺へのゴミ流出を抑えることが可能になる。さらに、側面三角形状の突起部41aにより清掃体33との抵抗を下げることができるので、引抜力を低減することができる。
【0035】
また、図10に示すように、塵埃除去手段39を隔壁37の溝37bに回転自在に設置することで、その第1のリムーバー40の突起部40aは回転ブラシ30の軸方向において、谷部34と容易に嵌合するように構成され、また、第2のリムーバー41の突起部41aと清掃体33の位置も合致するので、回転ブラシ30の塵埃除去作業を開始するときに塵埃除去手段39に引っかかることなく回転ブラシ30を引く抜くことができる。
【0036】
また、第2のリムーバー41の突起部41aの根元の高さを第1のリムーバー40の突起部40aの根元の高さより低くしているので、回転ブラシ30を引き抜いた際、巻きつきゴミを引っ張って径を大きくしたり、清掃体33と、巻きつきゴミと、突起部41aとにより抵抗が大きくなって引抜力を増大してしまうということがなく、引抜力を低減することができる。
【0037】
また、実施の形態3では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、図11に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき,部品点数を減らすことができる。また、塵埃除去手段39を別部品で構成し、隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0038】
実施の形態4(突起傾斜円錐型リムーバー)
図12は本発明の実施の形態4に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態4は、図12に示すように、第1のリムーバー40の突起部40aは、回転ブラシ30の谷部34に対応して配置され、その回転ブラシ30と接する面の形状は,回転ブラシ30の谷部34から清掃体保持部32を構成する面に一定の間隔を持つ面を構成し、その側面形状は、根元から先端に向けて、回転ブラシ30の軸方向に垂直に突出し、その先から下方に傾斜する三角形に形成されており、4つの突起部40aの外周面は回転軸を中心に円錐形状となっている。なお第1のリムーバー40の根元と回転ブラシ30の回転軸との距離Fは、第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dより大きくなるように構成する。第2のリムーバー41の突起部41aは、回転ブラシ30の清掃体33に対応して配置され、その平面形状は、根元と先端の幅がほぼ同じに形成され、その側面形状は、回転ブラシ30の清掃体33側の面を平らとし、根元から先端に向けて下方に傾斜する三角形に形成されている。
【0039】
実施の形態4においては、第1のリムーバー40により、回転ブラシ30に絡みついた糸くずや髪の毛等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第1のリムーバー40の突起部40aを円錐型の突起形状(三角形)とすることで、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、さらに巻付いたゴミは突起部40aをすべるようにその巻付いた径を広げ、塵埃除去手段39の第2のリムーバー41の下面と回転ブラシ30の回転軸との距離Dよりも大きな径になるので、清掃体33が塵埃除去手段39を通過する際に巻付いたゴミがの抵抗になることを避けることができ、引抜力を大きくする必要がない。また、根元から垂直に突出している形状を持つため、巻付いたゴミをより、吸込み具10の内側で保持することができるので、除去したゴミを外部に流出したりすることを防止し、除去後は本体への吸引が容易になる。
【0040】
また、同様に第2のリムーバー41により、清掃体33に付着した埃の塊等を手を汚さずに容易に除去することができる。また、第2のリムーバー41の突起部41aを傾斜型の突起形状(三角形)とすることで、吸込具10のより内側で付着ゴミを除去することができ、吸込具10から周辺へのゴミ流出を抑えることが可能になる。さらに、側面三角形状の突起部41aにより清掃体33との抵抗を下げることができるので、引抜力を低減することができる。
【0041】
また、塵埃除去手段39を隔壁37の溝37bに回転自在に設置することで、その第1のリムーバー40の突起部40aは回転ブラシ30の軸方向において、谷部34と容易に嵌合するように構成され、また、第2のリムーバー41の突起部41aと清掃体33の位置も合致するので、回転ブラシ30の塵埃除去作業を開始するときに塵埃除去手段39にを引っかかることなく回転ブラシ30を引く抜くことができる。
【0042】
また、第2のリムーバー41の突起部41aの根元の高さを第1のリムーバー40の突起部40aの根元の高さより低くしているので、回転ブラシ30を引き抜いた際、巻きつきゴミを引っ張って径を大きくしたり、清掃体33と、巻きつきゴミと、突起部41aとにより抵抗が大きくなって引抜力を増大してしまうということがなく、引抜力を低減することができる。
【0043】
また、実施の形態4では、隔壁37に塵埃除去手段39を回転自在に取り付けたことを述べたが、上述した図11に示すように、回転ブラシ30を引き抜き可能に塵埃除去手段39を吸込み具10と一体に形成しても良い。このように構成した場合、掃除機本体101の運転時に塵埃除去手段39が回転ブラシ30と共に回転しないので、回転による塵埃除去手段39の周縁部の磨耗を防止でき,部品点数を減らすことができる。また,塵埃除去手段39を別部品で構成し,隔壁37に固定しても良い。その場合同様の効果を得るとともに、部品点数は増えるが金型形状を単純化することができる。
【0044】
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の回転ブラシの塵埃除去手段及びその周辺を拡大して示す平面図である。
実施の形態4は、図9に示す実施の形態3において隔壁37aと塵埃除去手段39aを付加したものである。図11に示すように、貫通穴を有する隔壁37aを吸込室14内に設け、その隔壁37aに塵埃除去手段39aを取り付けて、塵埃除去手段39,39aの第1のリムーバー40の突起部40aを互いに対向させ、また、第2のリムーバー41の突起部41aを互いに対向させている。
【0045】
実施の形態4においては、矢印Aの向きに回転ブラシ30を引き抜いたときには塵埃除去手段39によって、また、矢印Bの向きに回転ブラシ30を戻したときには塵埃除去手段39aによって付着ゴミが除去される。この往復動作により、より確実に回転ブラシ30に付着したゴミを除去できる。塵埃除去手段39と塵埃除去手段39aの間に付着ゴミが溜まるので、回転ブラシ30から除去したゴミを容易に破棄あるいは掃除機本体101にて吸引することができる。
【0046】
なお、前述した実施の形態1乃至5では、筒状基体31の外周面に軸方向に螺旋状に巻かれた4本の清掃体保持部32を備えた回転ブラシ30に塵埃除去手段39を用いたことを述べたが、これに限定されるものではない。例えば、筒状基体31の外周面から清掃体33が突出した回転ブラシ30に塵埃除去手段を用いても良い。その場合、塵埃除去手段の第1のリムーバーは、清掃体間に設けられた谷部隙間と略同形状となる。
また、4本の清掃体33が筒状基体31の軸方向に螺旋状に巻かれた回転ブラシ30に塵埃除去手段39を適用したことを述べたが、清掃体33が筒状基体31の軸方向に直線状に設けられた回転ブラシに適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上、各実施の形態によって説明した本発明は、メンテナンスが容易で衛生的にできる電気掃除機として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 吸込具、11 下ケース、12 上ケース、13 開口部,14 吸込室、16 バッファー部、17 吸込口、18 車輪、30 回転ブラシ、31 筒状基体、32 清掃体保持部、33 清掃体、34 谷部、35 軸受け、36 回転ブラシ保持部、37 隔壁、38 ブラシ着脱用持ち手部、39 塵埃除去手段、40 第1のリムーバー、40a 突起部、41 第2のリムーバー、41a 突起部、101 掃除機本体、102 ホース、103 手元ハンドル部、104 アタッチメント本体部、105 延長管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状基体に清掃体保持部を介して清掃体が保持された回転ブラシと、
下部に開口部を有し、前記回転ブラシが回転自在に収納された吸込室と、
前記回転ブラシを回転駆動させる駆動手段と、
前記回転ブラシに付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段とを備え、
前記塵埃除去手段は、前記回転ブラシの清掃体間あるいは清掃体保持部間の隙間と略同形状に形成され、前記隙間に位置した状態で前記回転ブラシの軸方向に案内される第1のリムーバーを有することを特徴とする電気掃除機の吸込具。
【請求項2】
前記回転ブラシは、前記回転ブラシを軸方向に引き抜いて着脱するブラシ着脱用持ち手部を備え、
前記塵埃除去手段は、前記ブラシ着脱部により前記回転ブラシが引き抜かれた際に、第1のリムーバーによって前記回転ブラシに付着した塵埃を除去することを特徴とする請求項1記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項3】
前記第1のリムーバーには、前記谷部に対応して配置され、前記回転ブラシの軸方向に延びる突起部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項4】
前記回転ブラシの清掃体保持部は、前記筒状基体の外周面から突出していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項5】
前記第1のリムーバーの突起部は、前記谷部隙間側の面に対向する上面が根元から先端へ向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項4記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項6】
第1のリムーバーの突起部は、該突起部の根元を最大径とし、前記回転ブラシの軸方向に向かって幅が狭くなり、前記回転ブラシと対向する面は前記谷部と一定の間隔をもった略同形状の面を構成し、回転軸周方向が先端に向けて傾斜した円錐形状とすることを特徴とする請求項4記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項7】
前記塵埃除去手段は、少なくとも前記回転ブラシの清掃体の先端と接触する第2のリムーバーを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項8】
前記第2のリムーバーと前記回転ブラシの回転軸との距離は、前記清掃体保持部と前記回転ブラシの回転軸との距離より大きくなるように構成したことを特徴とする請求項7記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項9】
前記第1のリムーバーの突起部の根元の上面と前記回転ブラシの回転軸との距離は、前記第2のリムーバーと前記回転ブラシの回転軸との距離よりも大きくなるように構成したことを特徴とする請求項7又は8記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項10】
前記第2のリムーバーには、前記清掃体に対応して配置され、前記回転ブラシの軸方向に延びる突起部が設けられていることを特徴とする請求項9記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項11】
前記第2のリムーバーの突起部は、前記清掃体側の面に対向する上面が根元から先端へ向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項10記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項12】
前記第1のリムーバーの突起部よりも前記第2のリムーバーの突起部の方が根元側の高さ寸法が小さいことを特徴とする請求項10又は11記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項13】
前記塵埃除去手段は、前記吸込み具に設けられた軸部に回転自在保持され、前記塵埃除去手段の略中心に回転ブラシが貫通するように構成し,運転操作時に塵埃除去手段は回転ブラシと一体で回転することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項14】
前記第1のリムーバーの突起部は、前記回転ブラシの軸方向において前記回転ブラシの筒状基体と位置し,周方向はその谷部に嵌合して位置することを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項15】
前記塵埃除去手段は、前記吸込み具と一体または、固定設置され、その開口部には回転ブラシを貫通し、運転操作時には塵埃除去手段は回転しないように設けられていることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項16】
前記第1のリムーバーの突起部は軸方向において回転ブラシの筒状基体と重複せずに位置する請求項12記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項17】
前記塵埃除去手段は、運転中に前記回転ブラシに付着した塵埃を除去可能であることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項18】
前記塵埃除去手段が複数個設けられていることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項19】
前記複数の塵埃除去手段は、隣り合う塵埃除去手段との間に塵埃を集めるように構成されていることを特徴とする請求項18記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項1】
筒状基体に清掃体保持部を介して清掃体が保持された回転ブラシと、
下部に開口部を有し、前記回転ブラシが回転自在に収納された吸込室と、
前記回転ブラシを回転駆動させる駆動手段と、
前記回転ブラシに付着した塵埃を除去するための塵埃除去手段とを備え、
前記塵埃除去手段は、前記回転ブラシの清掃体間あるいは清掃体保持部間の隙間と略同形状に形成され、前記隙間に位置した状態で前記回転ブラシの軸方向に案内される第1のリムーバーを有することを特徴とする電気掃除機の吸込具。
【請求項2】
前記回転ブラシは、前記回転ブラシを軸方向に引き抜いて着脱するブラシ着脱用持ち手部を備え、
前記塵埃除去手段は、前記ブラシ着脱部により前記回転ブラシが引き抜かれた際に、第1のリムーバーによって前記回転ブラシに付着した塵埃を除去することを特徴とする請求項1記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項3】
前記第1のリムーバーには、前記谷部に対応して配置され、前記回転ブラシの軸方向に延びる突起部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項4】
前記回転ブラシの清掃体保持部は、前記筒状基体の外周面から突出していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項5】
前記第1のリムーバーの突起部は、前記谷部隙間側の面に対向する上面が根元から先端へ向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項4記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項6】
第1のリムーバーの突起部は、該突起部の根元を最大径とし、前記回転ブラシの軸方向に向かって幅が狭くなり、前記回転ブラシと対向する面は前記谷部と一定の間隔をもった略同形状の面を構成し、回転軸周方向が先端に向けて傾斜した円錐形状とすることを特徴とする請求項4記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項7】
前記塵埃除去手段は、少なくとも前記回転ブラシの清掃体の先端と接触する第2のリムーバーを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項8】
前記第2のリムーバーと前記回転ブラシの回転軸との距離は、前記清掃体保持部と前記回転ブラシの回転軸との距離より大きくなるように構成したことを特徴とする請求項7記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項9】
前記第1のリムーバーの突起部の根元の上面と前記回転ブラシの回転軸との距離は、前記第2のリムーバーと前記回転ブラシの回転軸との距離よりも大きくなるように構成したことを特徴とする請求項7又は8記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項10】
前記第2のリムーバーには、前記清掃体に対応して配置され、前記回転ブラシの軸方向に延びる突起部が設けられていることを特徴とする請求項9記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項11】
前記第2のリムーバーの突起部は、前記清掃体側の面に対向する上面が根元から先端へ向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項10記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項12】
前記第1のリムーバーの突起部よりも前記第2のリムーバーの突起部の方が根元側の高さ寸法が小さいことを特徴とする請求項10又は11記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項13】
前記塵埃除去手段は、前記吸込み具に設けられた軸部に回転自在保持され、前記塵埃除去手段の略中心に回転ブラシが貫通するように構成し,運転操作時に塵埃除去手段は回転ブラシと一体で回転することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項14】
前記第1のリムーバーの突起部は、前記回転ブラシの軸方向において前記回転ブラシの筒状基体と位置し,周方向はその谷部に嵌合して位置することを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項15】
前記塵埃除去手段は、前記吸込み具と一体または、固定設置され、その開口部には回転ブラシを貫通し、運転操作時には塵埃除去手段は回転しないように設けられていることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項16】
前記第1のリムーバーの突起部は軸方向において回転ブラシの筒状基体と重複せずに位置する請求項12記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項17】
前記塵埃除去手段は、運転中に前記回転ブラシに付着した塵埃を除去可能であることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項18】
前記塵埃除去手段が複数個設けられていることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の電気掃除機の吸込具。
【請求項19】
前記複数の塵埃除去手段は、隣り合う塵埃除去手段との間に塵埃を集めるように構成されていることを特徴とする請求項18記載の電気掃除機の吸込具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−115542(P2011−115542A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81593(P2010−81593)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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